JP2005257623A - 物理量センサ装置 - Google Patents

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一 伊藤
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Abstract

【課題】 温度補正が必要な物理量センサ装置において、温度補正の精度を向上させる。
【解決手段】 物理量を検出するためのセンサ部が形成されたセンサチップと、センサチップと積層して配置され、センサ部により得られた信号に基づいて物理量を取得する回路部が形成された回路チップと、センサチップの温度を検出するための複数の温度センサとを備えた物理量センサ装置において、回路部は、複数の温度センサにて検出した温度に基づいて物理量を補正するように構成し、複数の温度センサを、回路チップにおけるセンサチップと重なり合っていない領域において、複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサ部上を横切るように配置する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、物理量を検出する物理量センサ装置に関し、特に温度補正が必要なものに関する。
近年、半導体素子の高集積化に伴い微細化や多層化が必須の技術となり、素子特性においても高精度化が要求されている。例えば駆動振動される振動体を有する角速度センサにおいては、振動体の駆動振幅は雰囲気気体の粘性係数に大きく依存し、該気体の粘数は一般に温度に非常に敏感であるから、センサの感度に対する温度の影響は非常に大きい。このため、温度によってセンサ感度が変動したり、ゼロ点オフセットが変動してしまうという問題がある。
このような問題に対し、温度補正のための温度センサが設けられた角速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表平9−506701号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の角速度センサでは、センサチップと回路チップを並べて配置する構成であり、温度センサがセンサチップから離れた位置に配置されているため、温度補正を精度よく行うことが困難である。
本発明は上記点に鑑み、温度補正が必要な物理量センサ装置において、温度補正の精度を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、物理量を検出するためのセンサ部が形成されたセンサチップと、センサチップと積層して配置され、センサ部により得られた信号に基づいて物理量を取得する回路部が形成された回路チップと、センサチップの温度を検出するための複数の温度センサとを備え、回路部は、複数の温度センサにて検出した温度に基づいて物理量を補正するように構成されており、複数の温度センサは、回路チップにおけるセンサチップと重なり合っていない領域において、複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサチップ上を横切るように配置されていることを特徴としている。
このように、回路チップとセンサチップとを積層構造とし、温度センサを回路チップ上におけるセンサチップと重なり合っていない領域に配置することで、温度センサをセンサチップから極力近い位置に配置することができる。また、各温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサチップ上を横切るように配置することで、複数の温度センサで検出した温度に基づいてセンサチップの温度を推定することができる。これにより、温度補正が必要な物理量センサ装置において、温度補正の精度を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、複数の温度センサが3つ以上である場合には、複数の温度センサを結ぶ線で形成される多角形の重心がセンサチップ上に位置するように構成することで、センサチップの温度を容易に算出することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、多角形の重心がセンサチップの中央付近に位置するように構成し、あるいは、請求項4に記載の発明のように、複数の温度センサが2つである場合には、複数の温度センサの中間位置がセンサチップの中央付近に位置するように構成することで、センサチップの温度をより正確に検出することができる。
また、請求項5に記載の発明では、物理量を検出するためのセンサ部と、センサ部により得られた信号に基づいて物理量を取得する回路部と、センサ部の温度を検出するための複数の温度センサとを備え、回路部は、温度センサにて検出した温度に基づいて物理量を補正するように構成されており、センサ部と回路部は同一のチップに形成されており、複数の温度センサは回路部において、複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサ部上を横切るように配置されていることを特徴としている。
このような回路部とセンサ部が1つのチップに設けられた構成においても、複数の温度センサを各温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサ部上を横切るように配置することで、温度センサによりセンサ部の温度を正確に検出することができ、回路部における角速度信号の温度補正の精度を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、複数の温度センサが3つ以上である場合には、複数の温度センサを結ぶ線で形成される多角形の重心がセンサ部上に位置するように構成することで、センサ部の温度を容易に算出することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、多角形の重心がセンサ部の中央付近に位置するように構成し、あるいは、請求項8に記載の発明のように、複数の温度センサが2つである場合には、複数の温度センサの中間位置がセンサ部の中央付近に位置するように構成することで、センサ部の温度をより正確に検出することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、センサ部は印加された角速度を検出するためのものとすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1、図2に基づいて説明する。本第1実施形態は、本発明の物理量センサ装置を角速度センサ装置に適用したものである。
図1(a)は、角速度センサ装置S1の断面図である。図1(a)において、1はセラミックパッケージであり、センサS1の基部となるとともに、センサS1を被測定体の適所に取り付けるためのものである。セラミックパッケージ1の上には、接着剤2を介して回路チップ3が搭載され固定されている。
この回路チップ3の上面には、センサチップ5を搭載するための領域であるボンディング部3aが設けられており、このボンディング部3aには、接着剤4を介してセンサチップ5が積層されている。そして、センサチップ5と回路チップ3、および、回路チップ3とセラミックパッケージ1は、それぞれボンディングワイヤ6、7を介して電気的に接続されている。セラミックパッケージ1の上部には、セラミックカバー8が設けられている。
センサチップ5には、角速度(物理量)を検出するためのセンサ部が形成されており、角速度検出を行う検出素子として構成されている。センサチップ5は、例えばシリコン基板等に対し、駆動梁で支持された振動体を形成するとともに振動体を所定周波数で駆動振動させ、振動する振動体に角速度が加わった場合に発生するコリオリ力で振動体が変位した場合に、印加された角速度に応じた可動電極と固定電極間の静電容量変化(電気信号)を検出するものとすることができる。センサチップ5は、角速度に応じた電気信号を回路チップ3に出力する。
また、回路チップ3には、センサチップ5からの信号に基づいて角速度を取得する回路部が形成されている。例えば回路チップ3として、シリコン基板等に対してMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が、周知の半導体プロセスを用いて形成されており、センサチップ5の電気信号を処理して出力する等の機能を有するものを採用することができる。センサチップ5からの電気信号(容量変化)は、回路チップ3へ送られて回路チップ3に備えられたC/V変換回路により電圧信号に変換されて、角速度信号として出力されるようになっている。
図1(b)は、回路チップ3とセンサチップ5の平面図である。回路チップ3上におけるセンサチップ5が設けられた領域の周囲に複数の温度センサ9a〜9dが設けられている。温度センサ9a〜9dとしては、例えば感温抵抗やサーミスタを用いることができる。回路チップ3の回路部では、温度センサ9a〜9dにて検出した温度に基づいて、センサ感度やゼロ点オフセット等を補正する温度補正処理が行われる。
図2(a)は温度センサ9aの平面図であり、図2(b)は温度センサ9aの回路図である。図2(a)(b)に示すように、温度センサ9aは、感温抵抗10、トリミング抵抗11、増幅回路12を備えている。他の温度センサ9b〜9dも同様の構成であるので、説明を省略する。
図1(b)に示すように、複数(本例では4つ)の温度センサ9a〜9dは、回路チップ3上におけるセンサチップ5と重なり合わない領域、すなわちセンサチップ5が設けられていない領域に設けられている。複数の温度センサ9a〜9dは、各温度センサ9a〜9dを結ぶ線の少なくとも1つがセンサチップ5上を横切るように配置されている。本第1実施形態の温度センサ9a〜9dは、複数の温度センサ9a〜9dを結ぶ線で形成される多角形(本例では4角形)の重心がセンサチップ5上に位置するように配置されている。また、本第1実施形態の4つの温度センサ9a〜9dはセンサチップ5の中央位置を中心として対称位置に配置されており、4つの温度センサ9a〜9dで形成される四角形の重心がセンサチップ5の中央付近に位置している。
以上のように、回路チップ3とセンサチップ5とを積層構造とし、温度センサ9a〜9dを回路チップ3上におけるセンサチップ5と重なり合っていない領域に設けることで、温度センサ9a〜9dをセンサチップ5から極力近い位置に配置することができる。この場合、各温度センサ9a〜9dを結ぶ線の少なくとも1つがセンサチップ5上を横切るように配置することで、複数の温度センサ9a〜9dで検出した温度に基づいてセンサチップ5の温度を推定することができる。また、4つの温度センサ9a〜9dを結ぶ線で形成される4角形の重心がセンサチップ5上に位置するように構成することで、センサチップ5の温度を容易に算出することができる。この場合、各温度センサ9a〜9dで検出した温度の平均値をセンサチップ5における中央付近の温度と推定することができる。また、温度勾配が大きい場合には、図1(b)中の左側の温度センサ9a、9cの平均値でセンサチップ5の左側の温度を推定でき、右側の温度センサ9b、9dの平均値でセンサチップ5の右側の温度を推定できる。あるいは各温度センサ9a〜9dで検出した温度に所定の重み付けをしてセンサチップ5の温度を算出してもよい。
これにより、直接センサチップ5の温度を検出することなく、センサチップ5の温度を高精度に検出することができ、回路チップ3における角速度信号の温度補正の精度を向上させることができる。さらにセンサチップ5やその周囲に温度勾配があるような場合でも、温度検出精度を向上させることができる。さらに、本第1実施形態のように、4つの温度センサ9a〜9dで形成される四角形の重心をセンサチップ5の中央付近に位置するように構成することで、センサチップ5の温度をより正確に検出することができる。
また、温度センサ9a〜9dを回路チップ3上におけるセンサチップ5と重なり合わない領域、すなわちセンサチップ5が設けられていない領域に設けることで、回路チップ3上にセンサチップ5を積層した状態で、各温度センサ9a〜9dに対してレーザトリミング等を行うことができる。これにより、センサチップ5の組み付け後においても、それぞれの温度センサ9a〜9dにおけるセンサ感度や各温度センサ9a〜9d間におけるセンサ感度のバランス等といった温度センサ9a〜9dの特性を個別に調整することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。図3(a)は本第2実施形態の角速度センサ装置S2の断面図であり、(b)は角速度センサ装置における回路部30とセンサ部50の平面図である。
図3(a)(b)に示すように、本第2実施形態の角速度センサ装置S2では、回路部30とセンサ部50が1つの半導体チップ10内に形成されている。この半導体チップ10、上記第1実施形態と同様のセラミックパッケージ内に配置される。半導体チップ10の中央付近に回路部30が形成され、その周囲に回路部50が形成されている。センサ部50は、駆動振動可能な振動体として構成されている。本第2実施形態では、センサ部50上に複数の温度センサ90a〜90dが設けられている。
本第2実施形態では、温度センサ90a〜90dは、回路部30上におけるセンサ部50の周囲に配置されている。複数(本例では4つ)の温度センサ90a〜90dは、各温度センサ90a〜90dを結ぶ線の少なくとも1つがセンサ部50上を横切るように配置されている。本第2実施形態の温度センサ90a〜90dは、複数の温度センサ90a〜90dを結ぶ線で形成される多角形(本例では4角形)の重心がセンサ部50上に位置するように配置されている。また、本第2実施形態の4つの温度センサ90a〜90dはセンサ部50の中央位置を中心として対称位置に配置されており、4つの温度センサ90a〜90dで形成される四角形の重心がセンサ部50の中央付近に位置している。
このような回路部30とセンサ部50が1つの半導体チップ10内に設けられた構成においても、複数の温度センサ90a〜90dを各温度センサ90a〜90dを結ぶ線の少なくとも1つがセンサ部50上を横切るように配置することで、温度センサ90a〜90dによりセンサ部50の温度を正確に検出することができ、回路部30における角速度信号の温度補正の精度を向上させることができる。この場合にも、4つの温度センサ90a〜90dで形成される四角形の重心をセンサ部50の中央付近に位置するように構成することで、センサ部50の温度をより正確に検出することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、本発明の物理量センサ装置を加速度センサ装置に適用した例について説明したが、これに限らず、物理量を検出するセンサ装置であって温度補正が必要なものであれば適用可能である。例えば本発明は、加速度センサ、圧力センサ、湿度センサ、赤外線センサ等に適用することができる。
また、上記各実施形態では温度センサを4つ設けた例について説明したが、複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つがセンサチップ5またはセンサ部50上に位置していれば、温度センサの数は問わない。温度センサが3個以上の場合は、上記実施形態と同様に複数の温度センサで形成される多角形の重心位置がセンサチップ5またはセンサ部50に対する位置となるように配置すればよい。
図4に示すように、温度センサが2個の場合は、温度センサ同士を結ぶ線がセンサチップ5またはセンサ部50を横切るように配置すればよい。この場合には、2つの温度センサで検出した温度の平均値をセンサチップ5またはセンサ部50の温度と推定することができ、あるいは各温度センサで検出した温度に所定の重み付けをしてセンサチップ9またはセンサ部50の温度を算出することもできる。この場合には2つの温度センサの中間位置がセンサチップ5またはセンサ部50の中央付近に位置するように構成することで、センサチップ5またはセンサ部50の温度をより正確に検出することができる。
(a)は第1実施形態の角速度センサ装置の断面図であり、(b)は角速度センサ装置における回路チップとセンサチップの平面図である。 (a)は温度センサの平面図であり、(b)は温度センサの回路図である。 (a)は第2実施形態の角速度センサ装置の断面図であり、(b)は角速度センサ装置における回路チップとセンサチップの平面図である。 角速度センサ装置の変形例における回路チップとセンサチップの平面図である。
符号の説明
S1、S2…角速度センサ装置、3…回路チップ、5…センサチップ、9…温度センサ、30…回路部、50…センサ部、90…温度センサ。

Claims (9)

  1. 物理量を検出するためのセンサ部が形成されたセンサチップと、
    前記センサチップと積層して配置され、前記センサ部により得られた信号に基づいて前記物理量を取得する回路部が形成された回路チップと、
    前記センサチップの温度を検出するための複数の温度センサとを備え、
    前記回路部は、前記複数の温度センサにて検出した温度に基づいて前記物理量を補正するように構成されており、
    前記複数の温度センサは、前記回路チップにおける前記センサチップと重なり合っていない領域において、前記複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つが前記センサチップ上を横切るように配置されていることを特徴とする物理量センサ装置。
  2. 前記複数の温度センサが3つ以上である場合には、前記複数の温度センサを結ぶ線で形成される多角形の重心が前記センサチップ上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ装置。
  3. 前記多角形の重心が前記センサチップの中央付近に位置していることを特徴とする請求項2に記載の物理量センサ装置
  4. 前記複数の温度センサが2つである場合には、前記複数の温度センサの中間位置が前記センサチップの中央付近に位置していることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ装置。
  5. 物理量を検出するためのセンサ部と、
    前記センサ部により得られた信号に基づいて前記物理量を取得する回路部と、
    前記センサ部の温度を検出するための複数の温度センサとを備え、
    前記回路部は、前記温度センサにて検出した温度に基づいて前記物理量を補正するように構成されており、
    前記センサ部と前記回路部は同一のチップに形成されており、前記複数の温度センサは前記回路部において、前記複数の温度センサを結ぶ線の少なくとも1つが前記センサ部上を横切るように配置されていることを特徴とする物理量センサ装置。
  6. 前記複数の温度センサが3つ以上である場合には、前記複数の温度センサを結ぶ線で形成される多角形の重心が前記センサ部上に位置していることを特徴とする請求項5に記載の物理量センサ装置。
  7. 前記多角形の重心が前記センサ部の中央付近に位置していることを特徴とする請求項6に記載の物理量センサ装置
  8. 前記複数の温度センサが2つである場合には、前記複数の温度センサの中間位置が前記センサ部の中央付近に位置していることを特徴とする請求項5に記載の物理量センサ装置。
  9. 前記センサ部は、印加された角速度を検出するためのものであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の物理量センサ装置。
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