JP2005257440A - 紙葉類識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 周囲温度等の環境変化や、磁気センサの経時変化等による磁気センサの検出出力の変動を補正する補正値の算出が適正に行え、且つ装置本体のコストアップを十分に抑えた紙葉類識別装置を提供する。
【解決手段】 紙幣処理装置1は、磁気センサ2の検出エリア内に紙幣が存在していない状態で対面ローラ3を回転させ、この対面ローラ3の回転により生じる渦電流によって発生する磁場を磁気センサ2で検出し、出力する。そして、このときの、磁気センサ2の出力を用いて、磁気センサ2の出力を増幅するゲインを補正する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、磁気インクを使用した、紙幣、商品券、有価証券等の紙葉類を識別する紙葉類識別装置に関する。
従来、磁気インクを使用した、紙幣、商品券、有価証券等の紙葉類の真偽や種類を識別する紙葉類識別装置が実用化されている。特に、紙幣を識別する紙幣識別装置については、銀行等の金融機関に設置されているATM、CDや、駅に設置されている券売機、さらには人が往来する道路や通路に設置されている自動販売機等、種々の装置に適用されている。紙幣識別装置は、金種毎に磁気特性の基準値(以下、基準磁気特性と言う。)を記憶している。紙幣識別装置は、識別対象の紙幣の磁気特性を磁気センサで検出し、ここで検出した磁気特性と金種毎に記憶している基準磁気特性とを比較し、その類似度から真偽、金種等を識別する。一般的な紙幣識別装置に用いられている磁気センサは、永久磁石と磁気抵抗素子とを備え、紙幣が検出エリアを通過する際に検出した磁場の変化(磁気抵抗素子の抵抗値変化)を該紙幣の磁気特性として出力する。
ところで、磁気センサは、磁気抵抗素子と識別対象の紙幣との距離の変化、周囲温度等の環境変化、さらには磁気センサ自体の経時変化等が原因で、出力信号レベル(磁気抵抗素子からの出力信号レベル)が変動する。そして、この出力信号レベルの変動が、紙幣の識別精度に影響を与える(識別精度を低下させる。)。
そこで、取引処理等で紙幣の識別を行うとき、紙幣の識別を開始する前に、磁気センサの出力を増幅するゲインを補正することで、磁気センサの出力信号レベルの変動による影響を受けることなく、紙幣の識別が行えるようにした紙幣識別装置が特許文献1で提案されている。この特許文献1は、紙幣搬送路を挟んで磁気センサに対向する位置に、磁性体からなる磁気検出皮膜を外周面に被着したローラを配置し、紙幣の識別を開始する前に、この磁気検出皮膜の磁気パターンを磁気センサで検出し、このときの磁気センサの出力信号レベルが予め定められている基準レベルになるように、磁気センサの出力を増幅するゲインを補正する構成である。
特開平6−96314号公報
しかしながら、特許文献1の提案は、その外周面に磁性体からなる磁気検出皮膜を被着させた特別な構成のローラを必要とし、このローラが高価であることから、装置本体のコストアップという問題がある。また、識別対象の紙幣が磁気センサの検出エリアを通過する毎に、この磁気検出皮膜を被着させたローラの外周面と擦れ合うので、外周面に被着させた磁気検出皮膜が剥離したり、磨耗して、外周面に被着させた磁気検出皮膜の状態が変化する。その結果、磁気センサの出力を増幅するゲインの補正を行うときに得られる、この磁気検出皮膜の磁気パターンを検出した磁気センサの出力が変動するので、磁気センサの出力を増幅するゲインを適正に補正するには、外周面に磁性体からなる磁気検出皮膜を被着させたローラを頻繁に交換しなければならず、メンテナンスにかかるコストも高いという問題がある。
この発明の目的は、周囲温度等の環境変化や、磁気センサの経時変化等による紙葉類の識別精度の低下を抑え、且つ装置本体のコストアップおよびメンテナンスコストの増加を抑えた紙葉類識別装置を提供することにある。
この発明の紙葉類識別装置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)搬送路の途中に配置され、該搬送路を搬送されている紙葉類が検出エリアを通過する際に検出した磁場をこの紙葉類の磁気特性として出力する磁気センサと、
外周または軸の少なくとも一方が非磁性体の金属で形成され、前記搬送路を挟んで前記磁気センサに対向する位置で、且つ前記磁気センサの前記検出エリア内に紙葉類を搬送する方向に回転自在に配置した対面ローラと、
前記磁気センサと前記対面ローラとの間に紙葉類が存在していない状態で、前記対面ローラを定速回転させ、このときの磁気センサの出力レベルが予め定めた基準レベルになるように、前記磁気センサの出力を増幅するゲインを補正するゲイン補正手段と、
前記ゲイン補正手段が補正したゲインで前記磁気センサの出力を増幅する増幅手段と、
前記磁気センサの出力に含まれる前記対面ローラの回転により生じる磁場の成分をカットするフィルタリングを行うフィルタリング手段と、
前記増幅手段が増幅し、且つ前記フィルタリング手段がフィルタリングした前記磁気センサの出力を用いて紙葉類を識別する識別手段と、を備えている。
この構成では、対面ローラを定速回転させたときに生じる渦電流による磁場を磁気センサで検出し、そのときの磁気センサの出力が予め定めた基準レベルになるように、ゲイン補正手段が磁気センサの出力を増幅するゲインを補正する。このゲインを補正する処理を、前記搬送路における識別する紙葉類の搬送の開始に先立って、言い換えれば紙葉類の識別に先立って、行えば、磁気センサの出力信号レベルの変動による影響を受けることなく、常に適正な識別精度を確保できる。
また、対面ローラは、外周または軸の少なくとも一方が非磁性体の金属、例えばアルミニューム、ステンレス、で形成したものであり、外周面に磁性体からなる磁気検出皮膜を被着させる必要もないので、安価に製造できる。また、外周面に磁性体からなる磁気検出皮膜を被着させていないので、識別対象の紙葉類が磁気センサの検出エリアを通過する際にローラの外周面と擦れ合って、外周面に被着させた磁気検出皮膜が剥離したり、磨耗して、磁気センサの出力を増幅するゲインの補正が適正に行えなくなるということもない。したがって、メンテナンスにかかるコストの増加もおきない。
(2)前記対面ローラの回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
前記ゲイン補正手段は、前記対面ローラの回転数別に前記基準レベルを記憶した基準レベル情報を用い、前記回転速度検出手段が検出した対面ローラの回転速度に対応する基準レベルを用いて前記ゲインを補正する。
この構成では、ゲイン補正手段が対面ローラの回転速度を考慮して、ゲインを補正するので、ゲインを一層適正に補正できる。
この発明によれば、磁気センサにおける周囲温度等の環境変化や、経時変化等による識別精度の低下を抑えることができるとともに、装置本体のコストアップが抑えられる。また、メンテナンスにかかるコストの増加もおきない。
以下、この発明の実施形態である紙幣識別装置について説明する。
図1は、この実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。この実施形態の紙幣識別装置1は、例えば取引処理時に紙幣を識別する、ATM、CD、券売機、自動販売機等に適用される。この実施形態の紙幣識別装置1は、紙幣を搬送する搬送路を挟んで磁気センサ2と対面ローラ3とを対向させて配置している。磁気センサ2は永久磁石と一対の磁気抵抗素子を有する公知の構成である。また、紙幣処理装置1は、磁気センサ2の出力を増幅する増幅器4と、増幅器4におけるゲインを調整するゲイン調整部5と、増幅器4で増幅された磁気センサ2の出力を第1のフィルタ7または第2のフィルタ8に入力する切り替えを行う切替部6と、増幅器4におけるゲインを補正するゲイン補正部9と、ゲイン補正部9が増幅器4におけるゲインを補正するときに用いる基準レベルを記憶する基準レベル記憶部10と、識別対象の紙幣について、その真偽や金種を識別する識別部11と、を備えている。また、紙幣処理装置1は、図示していない制御部によって各部の動作が制御される。
なお、紙幣搬送路における紙幣の搬送は、この紙幣処理装置を適用したATM,CD等の上位装置によって制御される。
図2は、磁気センサと対面ローラとの配置関係を示す図である。磁気センサ2は、永久磁石と、一対の磁気抵抗素子を備えた公知の構成である。対面ローラ3は、磁気センサ2の永久磁石の磁場内(磁気センサの検出エリア内)に位置している。また、対面ローラ3は搬送路において紙幣を搬送する方向に回転自在に取り付けられている。対面ローラ3は、回転軸3aを非磁性体の金属、アルミニューム、ステンレス等で形成し、この回転軸にゴム等の樹脂3b(非金属)を被せた構成である。対面ローラ3は、図示していない回転駆動部により回転駆動される。上述したように、対面ローラ3は磁気センサ2の永久磁石の磁場内に配置されているので、対面ローラ3を回転させると渦電流が生じ、この渦電流による磁場が発生する。上述したように、対面ローラ3は磁気センサ2の永久磁石の検出エリア内に配置されているので、対面ローラ3の回転によって発生した磁場を磁気センサ2で検出できる。また、対面ローラ3は、図2に示すように磁気センサ2に対向する面が紙幣搬送路に少し突出しており、搬送路を搬送されている紙幣が対面ローラ3により磁気センサ2側に押し上げられるように構成している。これにより、磁気センサ2と搬送路を搬送されている紙幣との距離を一定に保つことができる。
切替部6は、増幅器4におけるゲインを補正するとき増幅器4の出力を第1のフィルタ7に入力し、紙幣の識別を行うとき増幅器4の出力を第2のフィルタ8に入力する。第1のフィルタ7は、磁気センサ2の出力に含まれている対面ローラ3の回転によって生じた磁場の成分を通過させるフィルタである。また、第2のフィルタ8は、反対に磁気センサ2の出力に含まれている対面ローラ3の回転によって生じた磁場の成分をカットするフィルタである。この第2のフィルタ8が、この発明で言うフィルタリング手段に相当する。磁気センサ2の出力において、対面ローラ3の回転によって生じる磁場の成分は数10Hz〜数100Hzであり、紙幣の磁気特性の成分は数100kHzであるので、第1のフィルタ7および第2のフィルタ8は簡単なローパスフィルタ(第1のフィルタ7)とハイパスフィルタ(第2のフィルタ8)で構成することもできる。
なお、第1のフィルタ7は対面ローラ3の回転によって生じる磁場の成分のみを通過させるフィルタであるのが好ましく、第2のフィルタ8は紙幣の磁気特性の成分のみを通過させるフィルタであるのが好ましい。
ゲイン補正部9は、増幅器4におけるゲインを、第1のフィルタ7を介して入力された信号のピークが基準レベル記憶部10に記憶している基準レベルになるように補正する。識別部11は、磁気センサ2で検出した紙幣の磁気特性を、予め金種毎に記憶している紙幣の基準磁気特性と比較し、その類似度が所定値以上である紙幣があるかどうかにより、真偽、金種を識別する。識別部11は、紙幣毎に識別結果を上位装置に通知する。
次に、この発明の実施形態である紙幣識別装置1の動作について説明する。図3は、紙幣識別装置1の動作を示すフローチャートである。紙幣識別装置1は、上位装置から紙幣の識別開始の要求があるのを待っている(s1)。上位装置は、利用者から取引、例えば入金取引や出金取引、の要求があったときに、紙幣処理装置1に対して紙幣の識別開始の要求を行う。このとき、上位装置は今回の取引で識別する紙幣の搬送を開始せずに、紙幣処理装置1から後述する準備完了の通知があるの待つ。
紙幣処理装置1は、s1で紙幣の識別開始の要求を受けると、増幅器4の出力が第1のフィルタ7に入力されるように切替部6を制御するとともに、増幅器4におけるゲインを初期値Aに設定する(s2、s3)。これにより、磁気センサ2の出力は、増幅器4において初期値Aで増幅され、切替部6および第1のフィルタ7を介してゲイン補正部9に入力される。また、紙幣処理装置1は、対面ローラ3を予め定められている回転速度で回転する(s4)。s4で対面ローラ3を回転させたことにより渦電流が生じ、この渦電流により発生した磁場が磁気センサ2により検出される。上述したように、この時点では紙幣の搬送を開始していないので、磁気センサ2の検出エリア内に紙幣は存在していない。したがって、磁気センサ2がこの時点で検出する磁場は、対面ローラ3の回転にともなって発生した磁場である。磁気センサ2の出力は、増幅器4において初期値Aで増幅され、切替部6を介して第1のフィルタ7に入力される。ゲイン補正部9には、第1のフィルタ7においてノイズ成分が除去された、磁気センサ2の出力に含まれている対面ローラ3の回転によって生じた磁場の成分が入力される。
紙幣識別装置1は、ゲイン補正部9において第1のフィルタ7を介して入力された信号のピークが、基準レベル記憶部10に記憶している基準レベルになるように、増幅器4におけるゲインを補正するゲイン補正処理を行う(s5)。基準レベル記憶部10は、対面ローラ3を予め定めた回転速度で定速回転させたときに得られる信号について、そのピークの適正値を記憶している。s5では、(初期値A×基準レベル/入力された信号のピーク)で算出される値を、増幅器4におけるゲインとする補正を行う。ゲイン補正部9は、補正したゲインをゲイン調整部5に通知する。これにより、ゲイン調整部5は増幅器4におけるゲインを今回通知されたゲイン(s5にかかる処理で補正されたゲイン)に更新する。
紙幣識別装置1は、s5にかかるゲイン補正処理を完了すると、増幅器4で増幅された磁気センサ2の出力が第2のフィルタ8に入力されるように切替部6を切り替える(s6)。また。上位装置に対して準備完了を通知する(s7)。上位装置は、紙幣識別装置1からの準備完了の通知を受けると、今回の取引で識別する紙幣の搬送を開始する。紙幣識別装置1は、搬送路を搬送されてくる紙幣の識別を開始する(s8)。
ここで、紙幣の識別にかかる処理ついて説明する。紙幣が磁気センサ2の検出エリアを通過するときに、磁気センサ2が検出した磁場を、この紙幣の磁気特性として出力する。磁気センサ2の出力は、増幅器4において上記s5で補正したゲインで増幅され、切替部6を介して第2のフィルタ8に入力される。第2のフィルタ8は、入力された信号に含まれている対面ローラ3の回転による成分をカットし、識別部11に入力する。したがって、識別部11には、対面ローラ3の回転による成分が含まれていない信号が入力される。識別部11は、入力された信号と、予め金種毎に記憶している紙幣の基準磁気特性と比較し、その類似度が所定値以上である紙幣があるかどうかにより、真偽、金種を識別する。したがって、対面ローラ3の回転によって生じる磁場が、識別部11における紙幣の識別に影響を与えることがなく、識別精度を低下させることもない。
紙幣識別装置1は、上位装置から紙幣の識別完了の通知があるまで磁気センサ2の検出エリアを通過する紙幣の識別を継続する。上位装置は、今回の取引で処理する全ての紙幣の識別が終わると、紙幣識別装置1に対して紙幣の識別完了を通知する。紙幣識別装置1は、上位装置から紙幣の識別完了の通知があると(s9)、紙幣の識別を終了し(s10)、本処理を完了する。
このように、この実施形態の紙幣識別装置1は、紙幣の搬送開始に先立って、言い換えれば紙幣の識別開始に先立って、対面ローラ3を予め定めた回転速度で回転させたときに得られる磁気センサ2の出力を用いて、増幅器4におけるゲインを補正するので、周囲温度等の環境変化や、磁気センサ2の経時変化等による影響を受けることなく、常に紙幣を適正に識別することができる。また、対面ローラ3は、軸を非磁性体の金属で構成し、この軸にゴム等の樹脂を被せただけの簡単な構成であり、安価に製造でき、装置本体のコストアップも殆ど生じない。さらに、識別対象の紙幣が磁気センサ2の検出エリアを通過する際に対面ローラ3の外周面と擦れ合って、外周面に被着させた磁気検出皮膜が剥離したり、磨耗して、磁気センサ2の出力を増幅するゲインの補正が適正に行えなくなるという特許文献1のような問題もなく、メンテナンスにかかるコストの増加もおきない。
なお、対面ローラ3は、上記実施形態で説明した構成に限らず、全体(軸および外周)を非磁性体の金属で構成したものであってもよいし、さらには外周を非磁性体の金属で構成し、軸を樹脂等で形成してもよい。
次に、この発明の別の実施形態について説明する。図4は、この発明の別の実施形態である紙幣識別装置を示す図である。図4では上記実施形態で説明した構成と同じ構成については同一の符号を付している。
この実施形態の紙幣識別装置1は、対面ローラ3の回転速度を検出する回転速度検出部21、および対面ローラ3の回転速度に基づいて第1のフィルタ7に通過させる周波数成分を指示し、第2のフィルタ8にカットする周波数成分を指示する周波数演算部22を備えている点で上記実施形態と異なる。また、第1のフィルタ7は周波数演算部22から指示された周波数成分の信号を通過させるフィルタであり、第2のフィルタ8は周波数演算部22から指示された周波数成分の信号をカットするフィルタである。さらに、基準レベル記憶部10は、対面ローラ3の回転数別に基準レベルを記憶している。
この実施形態の紙幣識別装置1も、上記実施形態の紙幣識別装置1と同様に、図3に示す動作を行うが、s5にかかるゲイン補正処理、およびs8で開始される識別処理が少し異なる。まず、s5にかかるゲイン補正処理について説明する。このゲイン補正処理では、回転速度検出部21が対面ローラ3の回転速度を検出し、周波数演算部22、およびゲイン補正部9に通知する。周波数演算部22は、回転速度検出部21から通知された対面ローラ3の回転速度に基づいて、対面ローラ3の回転による成分の周波数を算出し、これを第1のフィルタ7に通知する。第1のフィルタ7は、切替部6を介して入力されている信号について、周波数演算部22から通知された周波数の信号、すなわち対面ローラ3の回転による成分、を通過させ、ゲイン補正部9に入力する。ゲイン補正部9は、回転速度検出部21から通知されている対面ローラ3の回転速度に応じた基準レベルを基準レベル記憶部10から読み出し、第1のフィルタ7を介して入力されている信号のピークが、ここで読み出した基準レベルになるようにゲインを補正する。ゲイン補正部9は、ここで補正したゲインをゲイン調整部5に通知する。
このように、この実施形態では、s5にかかるゲイン補正処理において、対面ローラ3の回転による成分以外の信号を適正にカットしてゲイン補正部9に入力することができる。また、ゲイン補正部9においては対面ローラ3の回転速度を考慮してゲインの補正が行える。したがって、一層適正なゲインの補正が行える。
次に、s8で開始される識別処理について説明する。この識別処理では、周波数演算部部22が、回転速度検出部21において検出されている対面ローラ3の回転速度に基づいて、磁気センサ2の出力に含まれている対面ローラ3の回転による成分の周波数を算出し、これを第2のフィルタ8に通知する。第2のフィルタ8は、切替部6を介して入力されている信号について、周波数演算部22から通知された周波数の信号、すなわち対面ローラ3の回転による成分、をカットし、識別部11に入力する。識別部11では、上記実施形態と同様に、入力された信号を用いて紙幣を識別する。したがって、対面ローラ3の回転によって生じる磁場が、識別部11における紙幣の識別に影響を与えることがなく、識別精度を低下させることもない。また、ゲイン補正処理時と、紙幣の識別時と、で対面ローラ3の回転速度が変化しても、適正なゲイン補正、および紙幣の識別が行える。
また、図5に示すように上記実施形態で説明した、切替部6、第1のフィルタ7、第2のフィルタ8、ゲイン補正部9基準値記憶部10、および識別部11の機能を1チップマイコン30で構成してもよい。この場合、増幅器4と1チップマイコン30との間にA/Dコンバータ31を設ければよい。また、図6に示すように、1チップマイコン30に、第2のフィルタ8の出力を補正して、識別部11に入力する補正部32を設け、ゲイン補正部9が補正したゲインに基づいて、この補正部32で第2のフィルタ8の出力を増幅するようにしてもよい。このようにすれば、増幅器4における増幅率をラフに決めることができる。また、増幅器4における増幅率を固定すれば、図7に示すようにゲイン調整部5を不要にできる。
なお、上記実施形態では、取引毎に、その取引の開始に先立って、磁気センサ2の出力に対するゲイン補正を行うとしたが、所定時間毎、紙幣1枚毎、所定枚数毎に行ってもよい。また、本願発明の紙葉類処理装置は、上記実施形態で説明した紙幣処理装置に限らず、商品券、有価証券等の紙葉類を識別する装置にも適用できる。
この発明の実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。 この発明の実施形態である紙幣識別装置における磁気センサと対面ローラとの配置関係を示す図である。 この発明の実施形態である紙幣識別装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の別の実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。 この発明の別の実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。 この発明の別の実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。 この発明の別の実施形態である紙幣識別装置の構成を示す図である。
符号の説明
1−紙幣識別装置
2−磁気センサ
3−対面ローラ
4−増幅器
5−ゲイン調整部
6−切替部
7−第1のフィルタ
8−第2のフィルタ
9−ゲイン補正部
10−基準レベル記憶部
11−識別部
21−回転速度検出部
22−周波数演算部

Claims (3)

  1. 搬送路の途中に配置され、該搬送路を搬送されている紙葉類が検出エリアを通過する際に検出した磁場をこの紙葉類の磁気特性として出力する磁気センサと、
    外周または軸の少なくとも一方が非磁性体の金属で形成され、前記搬送路を挟んで前記磁気センサに対向する位置で、且つ前記磁気センサの前記検出エリア内に紙葉類を搬送する方向に回転自在に配置した対面ローラと、
    前記磁気センサと前記対面ローラとの間に紙葉類が存在していない状態で、前記対面ローラを定速回転させ、このときの磁気センサの出力レベルが予め定めた基準レベルになるように、前記磁気センサの出力を増幅するゲインを補正するゲイン補正手段と、
    前記ゲイン補正手段が補正したゲインで前記磁気センサの出力を増幅する増幅手段と、
    前記磁気センサの出力に含まれる前記対面ローラの回転により生じる磁場の成分をカットするフィルタリングを行うフィルタリング手段と、
    前記増幅手段が増幅し、且つ前記フィルタリング手段がフィルタリングした前記磁気センサの出力を用いて紙葉類を識別する識別手段と、を備えた紙葉類識別装置。
  2. 前記ゲイン補正手段は、前記搬送路における識別する紙葉類の搬送の開始に先立って、前記ゲインを補正する請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  3. 前記対面ローラの回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
    前記ゲイン補正手段は、前記対面ローラの回転数別に前記基準レベルを記憶した基準レベル情報を用い、前記回転速度検出手段が検出した対面ローラの回転速度に対応する基準レベルを用いて前記ゲインを補正する請求項1または2に記載の紙葉類識別装置。
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