JP2005255957A - ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品 - Google Patents

ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005255957A
JP2005255957A JP2004073231A JP2004073231A JP2005255957A JP 2005255957 A JP2005255957 A JP 2005255957A JP 2004073231 A JP2004073231 A JP 2004073231A JP 2004073231 A JP2004073231 A JP 2004073231A JP 2005255957 A JP2005255957 A JP 2005255957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
film
group
mass
curable resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004073231A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Fukuda
謙一 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2004073231A priority Critical patent/JP2005255957A/ja
Publication of JP2005255957A publication Critical patent/JP2005255957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

【課題】
基材に対する硬化膜厚が厚く表面硬度が高く、歪みが少なく透明性にも優れたハードコートフィルムを、低コストかつ製造装置のスペースに制約を与えない方法で提供すること。及びそれを用いたハードコート処理物品の提供。
【解決手段】
透明プラスチック基材フィルム上に紫外線硬化型樹脂組成物によって形成される透明プラスチック基材フィルムの厚みが60μm以上でハードコート層の膜厚が基材の5%以上、かつ膜厚4μm以上であるハードコートフィルムを製造するにあたり、以下の(1)及び(2)の特徴を有する紫外線硬化型樹脂組成物を基材フィルム上に塗工後、該基材フィルム上の塗布面の反対面を内部に80℃以下の冷却液が流れる回転金属ロールで冷却しながら、紫外線を照射して基材フィルム上に硬化塗膜を形成する。
(1)同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーを固形分に対し50質量%以上90質量%以下含有する
(2)光重合開始剤を含有する
【選択図】 なし

Description

本発明は、鉛筆硬度が高く、歪みの少ないハードコートフィルムの製造方法、及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品に関する。
近年、透明基材フィルム上に硬化性組成物より形成されたハードコート層を設けたハードコートフィルムがプラスチック製品、光記録ディスク、またはLCDなどのプラスチック表面ディスプレイ、携帯電話や携帯ゲームの表示板、タッチパネル等に貼合し耐擦傷性を付与したり、ガラス製品やCRT、PDPなどガラス製ディスプレイ表面の飛散防止、反射防止、防汚のために開発が進んでいる。
これらのハードコートフィルムでは、スチールウール擦りなどで評価される表面の耐擦傷性と鉛筆硬度で評価される押し込み硬度の2つの表面硬度が高いことが要求される。多官能アクリルモノマーなどを用いて架橋密度の高いハードコート層を形成し、その膜厚を厚くすることでこれら2つの表面硬度を上げることができる。この時問題となる硬化収縮に起因する割れや膜剥がれに対処するための様々な検討がなされて来ている。(例えば特許文献1、特許文献2)
一方、紫外線硬化型樹脂組成物を高分子フィルムに塗工、乾燥工程を経て、紫外線照射をロール・トゥー・ロールで連続的に行なうハードコートフィルムの製造方法は生産性が高く、広く用いられている。
しかしながら、多官能アクリルモノマーを主成分とした紫外線硬化型樹脂組成物を用いた紫外線硬化法によって、架橋密度が高く、膜厚の厚いハードコート層を連続製造すると、単位面積当たり、短時間で大きな硬化反応熱が発生し、この熱が基材に流れ込むことで基材の温度が上昇し、軟化して熱変形を引き起こす。この熱変形はハードコートフィルムの歪みとなり、著しく視認性を悪化させる。ディスプレイ表面やガラス表面に貼られるハードコートフィルムは高い視認性が求められており、歪みはハードコートフィルムの品質を著しく低下させる。また、光記録ディスクの保護シートとして用いた場合、この歪みはノイズの原因となる。
基材から熱を逃がし基材の温度上昇を防止する方法として、ウェッブを回転水冷ドラムに巻きつけながら紫外線照射する方法は一般に用いられており、例えば非特許文献1にその例が記載されている。しかしながら、該方法では多官能アクリレートモノマーを主成分とし膜厚の厚いものでは反応熱が大きく歪みの対策効果は充分ではない。
特許文献3に熱可塑性フィルムに紫外線硬化型樹脂を塗布して連続製造するに際し、紫外線硬化型樹脂を塗工した後に熱可塑性フィルムを水冷回転ドラム上に接しながら紫外線を照射し、膜厚の厚い硬化被膜を作製する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、硬化時にプロピレンフィルムやポリエステルフィルムで硬化層を被覆することと併用しているため、照射した紫外線の一部が被覆フィルムで吸収され、硬化被膜に到達する紫外線が制限され、それに伴い発熱量も抑えられるが、反面硬化が充分に進まない。また、基材に非透明フィルムを用いているため歪みは認知され難いものの、使用用途は著しく制限される。
特許文献4には厚さ50μm以下の熱可塑性フィルムに紫外線硬化型樹脂を塗布して連続製造するに際し、紫外線硬化型樹脂を塗工した後に熱可塑性フィルムを水冷回転ドラム上に接しながらフィルムの被膜なしに複数台の紫外線照射ランプを用いて硬化させる方法が記載されており、冷却水(25℃)が流れる回転金属冷却ロール上に4台の紫外線照射ランプを配置し、約5μmの均一塗膜を得る方法が開示されている。ハードコート層形成時に基材フィルム上で発生する熱は回転金属冷却ロールに流出されるが、その流出速度は一般にフィルム基材が薄い程速い、従って基材フィルムが50μmと薄い系では効果的に回転金属冷却ロールに放出される。つまり冷却が効率的に行なわれるため、基材の温度上昇は起き難い。また、この方法は4台の紫外線照射ランプを用いて徐々に硬化反応を進めるため、トータルの発熱量が同じでも、放熱時間を稼ぐことで基材の温度上昇を防止できる。しかしながらこの方法は回転金属ロールに4台の紫外線照射ランプを配置しなければならず、硬化設備が高コストになる上、スペース的に著しい制約を与える。
厚みが60μm以上の透明プラスチック基材フィルム上に硬化後の膜厚が基材の厚みの5%以上でなおかつ膜厚が4μm以上で高表面硬度であり、歪みが少なく、製造装置のコストが抑制され、著しいスペースの制約を与えないハードコートフィルムの製造方法は提供されていなかった。
特開2002−322430号公報 特開2003−313328号公報 特開昭56−139176号公報 特許第2523574号公報 R.E.KNIGHT,"CEMISTRY & TECHNOLOGY OF UV & EB FORMULATION FOR COATING, INKS & PAINTS"VOLUME 1 Markets and Curing Equipment, Selective Industrial Training Associates Limited,1991年 p.232
上記の状況に鑑み、本発明の目的は、基材に対する硬化膜厚が厚く表面硬度が高く、歪みが少なく透明性にも優れたハードコートフィルムを、低コストかつ製造装置のスペースに著しい制約を与えない方法で提供することであり、更に前記方法により製造されるハードコートフィルムを備えたハードコート処理物品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、紫外線硬化型樹脂組成物の組成と製造工程における条件をコントロールすることにより本課題が解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
具体的には、下記の手段により上記課題を達成できることを見出した。
1.透明プラスチック基材フィルム上に少なくとも紫外線硬化型樹脂組成物により形成されるハードコート層を有し、該透明プラスチック基材フィルムの厚みが60μm以上で該ハードコート層の膜厚が基材の5%以上、かつ膜厚4μm以上であるハードコートフィルムの製造方法であって、紫外線硬化型樹脂組成物が以下の(1)及び(2)の特徴を有し、該組成物をプラスチック基材フィルム上に塗工後、該プラスチック基材フィルム上の塗布面の反対面を内部に80℃以下の冷却液が流れる回転金属ロールで冷却しながら、紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化し、該プラスチック基材フィルム上に硬化塗膜を形成することを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
紫外線硬化型樹脂組成物の特徴
(1)同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーを固形分に対し50質量%以上90質量%以下含有する
(2)光重合開始剤を含有する
2.ハードコート層の膜厚が基材の厚みの10%以上であることを特徴とする前記1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
3.ハードコート層の膜厚が基材の厚みの15%以上であることを特徴とする前記1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
4.該透明プラスチック基材フィルムの厚みが70μm以上であることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
5.該透明プラスチック基材フィルムの厚みが80μm以上であることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
6.該透明プラスチック基材フィルムの厚みが150μm以下であることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
7.紫外線硬化型樹脂組成物が開環重合性基を含む化合物を固形分の10%以上50%以下含有することを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
8.紫外線硬化型樹脂組成物が固形分の10質量%以上50質量%以下のポリマーを含有することを特徴とする前記1〜7の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
9.紫外線硬化型樹脂組成物が固形分の10質量%以上50質量%以下の下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含むことを特徴とする前記1〜8の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
一般式(1)
Figure 2005255957
式中R1は水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。P1は開環重合性基を含む一価の基であり、L1は単結合もしくは二価の連結基である。
10.紫外線硬化型樹脂組成物が固形分の10質量%以上50質量%以下の下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含むことを特徴とする前記1〜9の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
一般式(2)
Figure 2005255957
式中R2 は水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。P2はエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2 は単結合もしくは二価の連結基である。
11.紫外線硬化型樹脂組成物が上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと上記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの両方を含むことを特徴とする前記1〜10の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
12.紫外線硬化型樹脂組成物が一般式(1)と一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋ポリマーの全固形分に対する配合比が10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする前記1〜11の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
13.紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーの固形分に対する含有量が50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
14.紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーが分子内に3個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物であることを特徴とする前記1〜13の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
15.紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる同一分子内に3個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーが分子内に3個以上のアクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする前記14に記載のハードコートフィルムの製造方法。
16.紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる同一分子内に3個以上のアクリロイル基を有するモノマーのアクリロイル当量が120以下であることを特徴とする前記15に記載のハードコートフィルムの製造方法。
17.回転金属ロールの冷却液の温度が30℃以上であることを特徴とする前記1〜16の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
18.回転金属ロールの冷却液の温度が45℃以上であることを特徴とする前記1〜17の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
19.回転金属ロールの直径が30cm以上80cm以下であることを特徴とする前記1〜18の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
20.回転金属ロールの少なくとも一部分が窒素ガス雰囲気下に存在することを特徴とする前記1〜19の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
21.前記紫外線照射が、回転金属ロールと仕切り板とによって外気と遮蔽された窒素雰囲気下の紫外線照射室内で、回転金属ロールで搬送される紫外線硬化型樹脂組成物を塗工した透明プラスチック基材フィルムに対して行なわれ、かつ回転金属ロール上の該透明プラスチック基材フィルムと該仕切り板との間隔が3mm以下であることを特徴とする前記1〜20の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
22.前記紫外線照射室の酸素濃度が1%以下であることを特徴とする前記1〜21の何れかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
23.前記1〜22の何れかに記載の製造方法によって作製されたハードコートフィルムを貼合したことを特徴とするハードコート処理物品。
24.該ハードコート処理物品が画像表示装置であることを特徴とする前記23に記載のハードコート処理物品。
25.該ハードコート処理物品が光記録材料であることを特徴とする前記23に記載のハードコート処理物品。
本発明によれば、透明プラスチック基材上に特定の紫外線硬化型樹脂組成物を用いて特定の硬化条件でハードコート層を積層することによって、硬化膜厚が厚く、表面硬度に優れ、歪のないハードコートフィルムを提供することができる。
以下、本発明の透明基材フィルムの厚みが60μm以上で基材に対する硬化膜厚が厚く、高表面硬度を有しながら、歪みが少なく透明性にも優れるハードコートフィルムの製造方法について詳細に説明する。
透明プラスチック基材フィルム上に架橋密度の高いハードコート層を形成し、ハードコート層の厚みを基材の5%以上と厚くすると鉛筆硬度は向上する。また、このハードコート層を、多官能アクリレートモノマーを主成分とした紫外線硬化型樹脂組成物(以下、紫外線硬化型組成物、又は硬化性組成物と称するときもある)を用いて形成することができれば比較的簡便に作製することができる。しかしながら、ハードコート層形成時に短時間に多量に発生する熱により基材が変形し、ハードコートフィルムに歪みが入り、視認性を悪化させる。このため、基材の温度上昇を防止することが必要である。
基材の温度上昇は(流入熱量−放出熱量)/(基材の熱容量)によって決まる。この式から(1)基材の流入熱量の減少。(2)基材からの放出熱量の増加。が基材の温度上昇抑制に有効であることが分かる。
(1)基材の流入熱量の減少
流入熱の主なものはハードコート層硬化時に発生する反応熱の伝熱流入と紫外線照射装置より発せられる熱線の流入とである。まず、ハードコート層硬化時に発生する反応熱を減少する方法はモノマーの重合性基当たりの分子量(例えばアクリロイル当量)を増加させることであるが、この方法は架橋密度の減少を伴い鉛筆硬度を低下させるため、一般にハードコートフィルムでは好ましくない。
鉛筆硬度を下げずに反応熱を下げる方法はハードコート層形成のためのエチレン性不飽和基を2個以上有するモノマー(例えば、多官能アクリレート)を主体とした紫外線硬化型樹脂組成物に反応熱が小さく鉛筆硬度を低下させない化合物を配合することである。この様な化合物に硬い微粒子、開環重合性基を有する硬化性樹脂、反応性基を有する高分子硬化性樹脂が挙げられる。
このうち微粒子は反応熱を減少させると同時に硬化収縮を低減する効果もあり好ましい。但し、膜が脆くなるため、応用範囲は比較的膜厚の薄いハードコート層に限られる。
一方、開環重合性基を有する硬化性樹脂はカチオン重合によって硬化させることができる。開環重合性基を有する硬化性樹脂のカチオン重合は、エチレン性不飽和基を有する化合物のラジカル重合に対し反応速度が遅く、発熱時間が延びるため放熱時間を稼ぐことができ、硬度を上昇させつつ温度上昇を緩和することができる。
また、上記の開環重合性基を有する硬化性樹脂及び反応性基を有する高分子硬化性樹脂は、分子量に対する反応熱が低く、高密度の網目構造を形成することができる。これらの化合物の複数を含有させることもできるし、配合する化合物に複数の機能を持たせることもできる。
一方、流入熱のもう一つの大きな原因である紫外線照射装置より発せられる熱線は、コールドミラーと熱線カットフィルターを用いることである程度低減することができるが、充分ではない。
ハードコート層の熱流出は表面から空気層への熱伝達と基材への熱伝達による流出である。基材への熱の流出を防止するためには、表面から空気層への熱伝達を促進し、基材への熱伝達を抑制することが望ましい。一般に物質間の熱伝達は界面の温度差に比例して大きくなるため、ハードコート層の空気側表面の温度を高くし、基材側界面の温度を低下させる様な温度勾配を付けることがハードコート層から基材への熱流出防止に有効である。特に膜厚の厚いハードコート層ではこの温度勾配は付け易い。
ハードコート層に温度勾配をつけるためには、ハードコート層に熱線吸収性の物質を含有させることが有効である。紫外線照射装置より放出され、コールドミラーや熱線カットフィルターで処理し切れなかった熱線はハードコート層内で吸収されながらランバート・ベールの法則に従って減衰するため、膜厚当たりの熱線吸収量は空気側表面から基材側界面に従って減少する。紫外線照射による光重合反応は熱により加速されるため、この温度勾配によって、表面ほど重合反応は進み、即ち発熱量も表面ほど多くなり、温度勾配は更に大きくなる。また、熱線吸収性の物質を含有させることで、ハードコート層内で吸収される熱線の量が増加し、基材への到達量が減少する。
この観点では、開環重合性基を有する硬化樹脂や有機化合物より形成される微粒子は熱線を吸収するので、ハードコート層を形成するための紫外線硬化型樹脂組成物にこれらを含有させることが好ましい。特に、開環重合性基を有する硬化樹脂を紫外線硬化性組成物に含有させることは、上記の温度上昇を緩和する効果もあることからより好ましい。尚、開環重合性基を有する硬化性樹脂において、分子量の小さなモノマーに対しポリマーは赤外吸収がブロードであり、より多くの熱線を吸収することができるため好ましい。
(2)基材からの放出熱量の増加
基材からの熱放出は、紫外線硬化型組成物を透明プラスチック基材フィルム上に塗工後、内部に冷却液が流れる回転金属ロールで塗工面と反対面から冷却しながら、冷却部分に紫外線照射装置で紫外線を照射することによってなされる。この時の熱の放出速度は一般にフィルム基材が薄い程速く、従って、基材フィルムが50μmと比較的厚みが薄い系では効率的に回転金属冷却ロールに熱が放出されるため、基材の温度上昇は起き難い。一方、本発明は基材の厚みが比較的厚いところで効果を発揮する。従って、本発明の基材の厚みは60μm以上であることが好ましく70μm以上であることが好ましく、80μm以上であることが特に好ましい。
[透明プラスチック基材]
本発明に用いられる基材は、透明なフィルム状のプラスチックが好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー等のフィルムやシートが好ましい。先に記した様に本発明は基材の厚みが比較的厚いところで効果を発揮するため、基材フィルムの厚みは60μm以上が好ましく、70μm以上が好ましく、80μm以上が特に好ましい。逆に、基材フィルムの厚みが厚すぎると保温効果が出て反応熱が冷却ロールに流出し難くなる。この点からフィルムの厚みは300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。また、基材フィルムの厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。この点からも、フィルム厚みは60〜300μmが好ましく、70〜200μmがより好ましく、80〜150μmが特に好ましい。
透明基材の「透明」とは、可視光領域の光透過率が80%以上であることを意味し、86%以上であることが好ましい。
さらに、透明基材とハードコート層(以下、硬化層と称するときもある)の密着性を向上させる目的で、所望により透明基材の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエステル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。さらに下塗り層には酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有させることができる。
[ハードコート層]
本発明のハードコートフィルムとは、後述する鉛筆硬度試験によりH以上の表面硬度を有するフィルムのことであり、ハードコート層とはこの鉛筆硬度を達成するための層である。ハードコートフィルムとしては、ハードコート層を設けることにより、ハードコート層表面の鉛筆硬度が3H以上とすることが好ましく、4H以上とすることが更に好ましく、5H以上とすることが特に好ましい。
本発明のハードコート層の形成方法は紫外線照射により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物を透明プラスチック基材フィルム上に塗布・乾燥後、該紫外線の照射により形成される。本発明の紫外線硬化型樹脂組成には、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーを固形分に対し50質量%以上90質量%以下、及び光重合開始剤を含む。
本発明の硬化被膜は厚さ60μm以上の透明基材上に形成され、その厚みは4μm以上であり、なおかつ基材の厚みの5%以上であり、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。ハードコートフィルムの紫外線照射による温度上昇がハードコートフィルム全体で一定温度と仮定すると、その温度上昇は(発熱量+流入熱量−放出熱量)/(ハードコート層と基材の熱容量和)で表される。発熱は硬化時の反応熱によって起きるため、同一の組成物でハードコート層を形成する場合、ハードコート膜厚に比例して発熱量が増加する。従って、基材の膜厚に対するハードコート膜厚の割合が高いほど、基材の温度上昇は大きくなり、本発明はより重要となる。
反応熱の一部はハードコート層表面から空気層へ熱伝達の形で放出される。またハードコートフィルムを冷却ロールに巻き付ける方法で冷却する場合、ハードコートフィルムのハードコート層を積層していない面から、熱伝達の形で放出される。これらの熱放出はハードコートフィルムの表裏の表面でのみ起きるため、表面積比率の低い、硬化被膜が4μm以上の系で問題となる。
膜厚を厚くすると鉛筆硬度が高くなり、この観点からも膜厚が厚いことが好ましいが、膜厚を厚くし過ぎると鉛筆硬度は向上するものの、発熱量が制御し難くなる上、フィルムを曲げることが難しくなり、さらに曲げによる割れが発生しやすくなる問題が新たに発生する。従って好ましくは硬化被膜の膜厚は基材厚みの50%以下、より好ましく40%以下である。上記と合わせると好ましい硬化被膜の厚みは基材の5〜50%であり、より好ましくは10〜40%であり、さらに好ましくは15〜40%である。
(同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物)
以下、本発明に用いることのできる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーについて説明する。好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不飽和基を分子内に2個以上有していればよく、より好ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート及びエポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する、分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
これら分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。
また、このような化合物は市販もされていて、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220,TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として、分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む上記モノマーを固形分に対し50質量%以上90質量%以下含有し、50質量%以上80質量%以下含有することがより好ましい。
また、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む上記モノマーを2種以上含有させてもよい。
本発明の紫外線硬化型組成物には上記同一分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有するモノマーの他に、開環重合性基を含む硬化性樹脂及び/又は反応性基を含む高分子硬化性樹脂を含有させることが好ましい。本発明では、特に開環重合性基を含む硬化性樹脂を用いることが好ましい。これらの硬化性樹脂は、紫外線照射における反応時間が長いため、紫外線照射時の温度上昇を抑えることができる。
(開環重合性基を含む硬化性樹脂)
以下、本発明の硬化性組成物として好ましく用いられる開環重合性基を含む硬化性樹脂について説明する。開環重合性基を含む硬化性樹脂とは、カチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する硬化性樹脂であり、この中でもヘテロ環状基含有硬化性樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、同一分子内に2個以上の開環重合性基を有することが好ましいが、より好ましくは3個以上有することが好ましい。また、本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、2種以上併用してもよく、この場合、同一分子内に開環重合性基を1個有する硬化性樹脂を必要に応じて併用することができる。
本発明で用いられる開環重合性基を有する硬化性樹脂は、上記のような環状構造を有する硬化性樹脂であれば得に制限がない。このような硬化性樹脂の好ましい例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、2官能脂環式エポキシ類、ジグリシジルエーテル類(例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、脂環式エポキシ類(セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、開環重合性基を含む硬化性樹脂が、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含む架橋性ポリマーであることが好ましい。
(一般式(1)で表されるポリマー)
以下に本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。以下の化合物はポリマーであり、なおかつ開環重合性基を含む化合物として本発明では非常に好ましい。
一般式(1)
Figure 2005255957
一般式(1)中、R1は、水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下(本発明において「C1〜4」のようにも記載する。)のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。L1 は単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、C1〜20の、アルキレン基及びアリーレン基、並びに*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。また、これらを組み合わせたものであってもよい。P1 は開環重合性基を含む一価の基である。開環重合性基を含む一価の基とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する一価の基であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。好ましいP1 としては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基であり、最も好ましくはエポキシ環を含む一価の基である。
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを、固形分に対し10%以上50%以下含有させることが好ましい。以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255957
Figure 2005255957
Figure 2005255957
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい例としては、エポキシ環を有するメタクリレートまたはアクリレートから誘導される繰り返し単位であり、その中でも特に好ましい例としてグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートから誘導されるE−1及びE−3を挙げることができる。また、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、その中でも特にE−1又はE−3いずれかのコポリマーとすることでより効果的に硬化収縮を低減できる。
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは一般式(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーでもよい。特に、ハードコート層自身の硬度を高めたり、架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとしてもよい。このような一般式(1)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。
一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを共重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類、もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げれる。これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.19551(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。本発明で用いられるビニルモノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族ビニル化合物が特に好ましい。
一般式(1)以外の繰り返し単位として開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高めたい場合や、基材もしくはハードコート上に別の機能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法は好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以下、「反応性モノマー」と称する。)を共重合する手法が簡便で好ましい。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。一般式(1)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)で表される繰り返し単位の共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合には、該架橋ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上99質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1および表2に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位は前記の具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位はモノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255957
Figure 2005255957
(反応性基を有する高分子硬化性樹脂)
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、分子内に複数のエチレン性不飽和基を有する下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用できる。以下、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
一般式(2)
Figure 2005255957
一般式(2)の式中R2 は水素原子もしくはC1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。P2 はエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2 は単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−であり、これらの組合せであってもよい。好ましいP2 としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、上記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを、固形分に対し10質量%以上50質量%以下含有させることが好ましい。
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255957
Figure 2005255957
Figure 2005255957
Figure 2005255957
Figure 2005255957
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、(a)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよく、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよい。また、(a)および(b)の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などが挙げられる。前記、(a)の方法を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利用することが必要である。例えば、一般式(2)の好ましいP2のなかで、アクリロイル基、メタクリロイル基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(a)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを得ることができる。一方、P2をスチリル基を含む一価の基とする場合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記(b)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを合成する。
このように前記(b)に記述した高分子反応を利用する手法は一般式(2)で示される架橋性ポリマー中に導入されるエチレン性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可能であり、有用である。高分子反応は、I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、II)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する。)を反応させる方法が挙げられる。またこれら I)、II)の方法は組み合わせて行ってもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
以下に好ましい高分子結合形成反応が進行する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
加熱もしくは室温で反応が進行する官能基の組み合わせとしては、(イ)ヒドロキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、ホルミル基、アセタール基、(ロ)イソシアネート基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、N−メチロール基、(ハ)カルボキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、N−メチロール基、(ニ)N−メチロール基に対して、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、(ホ)エポキシ基に対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、N−メチロール基、(ヘ)ビニルスルホン基に対して、スルフィン酸基、アミノ基、(ト)ホルミル基に対して、ヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレン基、(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、(リ)アミノ基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの組み合わせが挙げられる。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、が挙げられる。
前記 II)に記載した任意の官能基を含むポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡便で好ましい。
本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(2)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(2)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとする手法は好適である。一般式(2)以外の繰り返し単位の導入方法は、a)対応するモノマーを共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する手法を用いてもよい。また、a)およびb)の手法を組み合わせて導入することもできる。
a)の手法によって一般式(2)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーの例としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた一般式(1)以外の繰り返し単位として挙げたものと同じである。
また、一般式(2)で表される繰り返し単位を前記b)のように高分子反応で導入し、反応を完結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共重合体となるが、本発明では特に制限なく用いることができる。
上記で挙げたビニルモノマーから誘導されるエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分は前述したb)の官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入することも可能である。一方で、本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応によってのみでしか導入できない一般式(2)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255957
本発明の紫外線硬化樹脂組成物の固形分中、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋ポリマーの好ましい割合は、10質量%以上50質量%以下である。
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位はモノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255957
以下に本発明の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。ここで言う一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位は前記したものと同じものであり、好ましい形態も同じである。また、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位で構成されるコポリマーであってもよく、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよい。また、エチレン性不飽和基および開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよく、いずれの場合も好ましい態様は前記で挙げたものと同じである。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、一般式(1)および(2)で表わされる両方の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを、固形分に対し10質量%以上40質量%以下含むことが好ましい。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーが、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーの場合、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位の3元共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を本発明の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、10質量%以上50質量%以下で、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位はモノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255957
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー、又は一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有することが特に好ましい。
更に、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には光重合開始剤を含有する。
エチレン性不飽和基を含む硬化性化合物と開環重合性基を含む硬化性樹脂を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させる場合、両方の硬化性樹脂の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も活性エネルギー線の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤およびカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、活性エネルギー線によりこれらを分解し、ラジカルおよびカチオンを発生させ重合を進行させることができる。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。
紫外線によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の硬化性樹脂やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の硬化性樹脂が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、“イメージング用有機材料”ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている硬化性樹脂等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはトリアリールスルホニウム塩であり、対イオンとしてはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -などが好ましい。また、トリアリールスルホニウム塩とジアリールヨードニウム塩を組み合わせて用いることも好ましい態様である。
ハードコート層の黄着色を抑えるためジアリールヨードニウム塩を用いることが好ましいが、トリアリールスルホニウム塩を用いる場合その塗布量は、好ましくは7.5mg/mμm以下、より好ましくは4.0mg/m2・μm以下である。
ヨードニウム塩型の光酸発生剤としては、例えば“イメージング用有機材料”(ぶんしん出版、有機エレクトロニクス材料研究会、1997年)や、特開平11−322900号等に記載されている。本発明に用いるものとして好ましくは下記一般式(1')で表わされるものである。
一般式(1')
(Ar1m−I+−(Ar2nX−
ここで、Ar1、Ar2は、それぞれ芳香族炭化水素基または芳香族ヘテロ環基を表し、Ar1とAr2が結合して環を形成してもよい。芳香族炭化水素基としてはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−チアゾリル等が挙げられる。Ar1、Ar2として好ましくは芳香族炭化水素基であり、更に好ましくはフェニル基である。これらは更に置換基を有していても良く、置換基としては特に限定されないが、アミノ基のように塩基性を有するものは発生した酸を中和するために好ましくない。置換基の具体例としてはアルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、シクロアルキル(シクロヘキシル、シクロペンチル等)、アリール基(フェニル、2−ナフチル等)、アルケニル基(ビニル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヘテロ環基(2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、2−ピロリル、オキシラニル、オキセタニル等)等が挙げられ、これらは更に置換されていてもよい。
m、nは、各々1または2を表し、好ましくは1である。また、Ar1またはAr2が複数存在する場合、m、nは同じであっても異なっていてもよい。
-はヨードニウム塩の対アニオンであり、強酸の共役塩基であることが好ましい。X-としてはPF6 -、BF4 -、ClO4 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -、CH3−C64−SO3 -、(C654-、Cl-、Br- 等が挙げられ、これらのうちで好ましくはPF6 -、BF4 -、CF3SO3 - であり、特に好ましくはPF6 - である。以下にヨードニウム塩型の光酸発生剤の具体例を特開2003−268141号公報の[0060]〜[0061]に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
紫外線によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤が使用できる。また上記で挙げたように通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
光重合開始剤は、それぞれ組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような硬化性樹脂の場合などは1種単独で用いることができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれるエチレン性不飽和基含有硬化性樹脂と開環重合性基含有硬化性樹脂の総質量に対し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ましく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
また、本発明では、硬化性組成物中に微粒子を添加してもよい。微粒子を添加することで硬化時の反応熱を抑えることができる上、硬化被膜の硬化収縮量を低減できるため、基材との密着性が向上したり、基材がプラスチックフィルムである場合などカールを低減でき好ましい。微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機複合微粒子のいずれも使用できる。これらの粒子を充填することで硬化時の発熱を抑制することができる。
無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機架橋微粒子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高めることができる。
ただし、微粒子は一般にヘイズを増加させる傾向があるために、各必要特性のバランスの上で充填方法を調整する必要がある。
一般に、無機微粒子は本発明の架橋ポリマーや多官能ビニルモノマーなどの有機成分との親和性が低いため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後の硬化被膜がひび割れやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合を形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するものが好ましい。
無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド表面修飾剤や、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好ましい。
さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ましい。
本発明において好ましい無機微粒子表面修飾剤は金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基もしくは開環重合性基を同一分子内に有する硬化性樹脂である。
これら表面修飾剤の代表例として以下の不飽和二重結合含有のカップリング剤や、リン酸基含有有機硬化性樹脂、硫酸基含有有機硬化性樹脂、カルボン酸基含有有機硬化性樹脂等が挙げられる。
S−1 H2C=C(X)COOC36Si(OCH33
S−2 H2C=C(X)COOC24OTi(OC253
S−3 H2C=C(X)COOC24OCOC510OPO(OH)2
S−4 (H2C=C(X)COOC24OCOC510O)2POOH
S−5 H2C=C(X)COOC24OSO3
S−6 H2C=C(X)COO(C510COO)2
S−7 H2C=C(X)COOC510COOH
S−8 CH2CH(O)CH2OC36Si(OCH33
(X=H、あるいはCH3を表す)
これらの無機微粒子の表面修飾は、溶液中でなされることが好ましい。無機微粒子を機械的に微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、または無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加して攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行う方法でも良い。
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
有機微粒子としては特に制限がないが、エチレン性不飽和基を有するモノマーからなるポリマー粒子、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、および本発明における一般式(1)及び/又は(2)で表わされる繰り返し単位からなるポリマー粒子が好ましく用いられ、その他に、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ゼラチン等の樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は架橋されていることが好ましい。
有機微粒子を構成するポリマーは赤外域に吸収があり、ハードコート層に温度勾配をつける。また、基材までの熱線透過を軽減するため、本発明では無機微粒子より好ましい。
微粒子の微細化分散機としては、超音波、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好ましい。また、分散媒としては前述の表面修飾用の溶媒が好ましく用いられる。
本発明に用いることのできる微粒子の平均粒子径は1〜20000nmであり、2〜1000nmであることがより好ましく、5〜500nmであることがさらに好ましく、10〜200nmであることが最も好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒状、針状、板状など特に制限なく使用できる。なお、本発明で述べる平均粒子径は、個々の粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径の平均値である。
微粒子の充填量は、充填後の硬化被膜の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜25体積%がより好ましく、5〜15体積%が最も好ましい。
ハードコートフィルムの歪みはヘイズが低いほど見え易いため、本発明の硬化被膜のヘイズは5%以下で、2%以下であることが好ましく、1.0%以下が最も好ましい。
本発明では、これらの作製した硬化被膜に防汚剤を含有させること、または、フッ素および/またはケイ素を含有した低表面エネルギー性の硬化樹脂を含む硬化性組成物を主体とする防汚性層を積層することにより、防汚性硬化被膜とすることができる。なお、該硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することによって硬化できる。
本発明に用いられる防汚剤は、硬化性を有する基材に撥水性、撥油性等の防汚性を付与するもので、そのようなものとしては、エネルギー線硬化樹脂組成物の調製及び基材上に塗布する際に不都合が無く、かつ硬化皮膜形成時に、硬化皮膜表面で撥水性、撥油性を発現するものであればいかなるものであっても良い。そのようなものとしてはフッ素および/またはケイ素を含有する硬化樹脂があげられる。また、本発明に用いられる硬化被膜に積層された防汚性層はフッ素および/またはケイ素を含有する硬化性樹脂を含む組成物によって形成することもできる。
本発明で用いられる硬化被膜または防汚性層に含有するフッ素および/またはケイ素を含有する硬化性樹脂としては、公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、あるいはフッ素とケイ素含有部を有するブロックを有する硬化性樹脂が挙げられ、さらに樹脂あるいは金属酸化物等と相溶性の良いセグメントとフッ素あるいはケイ素を含有するセグメントとを有する硬化性樹脂が好ましく、硬化被膜または防汚性層へ添加することで、表面にフッ素あるいはケイ素が偏在させることができる。
これらの具体的な硬化性樹脂としては、フッ素あるいはケイ素を含有するモノマーと他の親水性あるいは親油性のモノマーとのブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体が挙げられる。フッ素含有モノマーとしてはヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ケイ素含有モノマーとしてはポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。
親水性あるいは親油性のモノマーとしては、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、末端に水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸のエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。市販の硬化性樹脂としては、パーフルオロアルキル鎖のミクロドメイン構造を有するアクリル系オリゴマーのデフェンサMCF−300、312、323等、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーのメガファックF−170、F−173、F−175等、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマーのメガファックF−171等(大日本インキ化学(株)製)や、表面移行性に優れたセグメントと樹脂に相溶するセグメントよりなるビニルモノマーのブロックポリマーであるフッ化アルキル系のモディパーF−200、220、600、820等、シリコン系のモディパーFS−700、710等(日本油脂(株)製)が挙げられる。
硬化被膜の上に防汚性の層を設けるには、フッ素原子を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂が好ましく、具体的には、特開昭57−34526号、特開平2−19801号、特開平3−17901号公報等に記載のフッ化炭化水素基を含有するシリコン硬化性樹脂、フッ化炭化水素基含有ポリマー等が挙げられる。
硬化性組成物の塗布液は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の有機溶剤に、上記の2個以上のエチレン不飽和基を含む多官能モノマーと光重合開始剤を主体に溶解して調製する。これに一般式(1)又は/及び(2)の繰り返し単位を有する架橋ポリマー、表面修飾した微粒子分散液等を添加して調製することができる。
硬化性組成物の塗布液に用いられる有機溶剤としては、本発明のポリマーを可溶ならしめるものであれば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官能のビニルモノマーや単官能もしくは2官能もしくは3官能以上の開環重合性基を有する化合物が低分子量化合物である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可能とすることもできる。
以下、本発明のハードコートフィルムの製造方法について、必要に応じて図1を参照して説明する。なお、図1は本発明で好ましく用いられる紫外線照射式硬化装置を側面から見た模式図の一例である。
[塗工]
本発明の硬化層の作製は、透明基材上に硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗工(塗布・乾燥)後、紫外線照射して硬化させることにより作製することができる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、基材の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
[塗工幅]
塗工幅が50cm以下と狭い場合は、紫外線照射後の硬化収縮による幅方向のカールが目立ち難い。また、硬化時の熱が幅方向に逃げ易いため、本発明は塗工幅50cm以上で効果がより明確であり好ましく、更に100cm以上のもの効果が更に明確になるためより好ましい。また、生産性の観点からも塗工幅の広いものは好ましく、50cm以上が好ましく、100cm以上が更に好ましい。
[紫外線照射装置]
本発明で用いられる紫外線照射装置 7としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)が挙げられる。
中でも高圧水銀ランプやメタルハライドランプは当分野では広く用いられており、好ましい。メタルハライドランプは発光がブロードであり、様々な吸収を持つ光重合開始剤が使用できるため好ましい。また、高圧水銀ランプは多数の線スペクトルを含むが、使用する光重合開始剤の吸収スペクトルが高圧水銀ランプの発光と合致する場合は高圧水銀ランプの使用がより好ましい。紫外線照射装置 7からの発光スペクトルのうち、光硬化に使用されないスペクトル成分は最終的に熱に変換され、基材の温度上昇の原因になる可能性があるため極力減らすことが好ましい。
[コールドミラーと熱線カットフィルター]
上記の紫外線照射装置 7は紫外線以外に可視光や赤外線(熱)も放出する。基材は赤外領域に吸収のある高分子より形成されているため、この赤外線は基材に吸収され熱に変換され、基材の温度上昇の大きな原因になる。本発明では基材の温度上昇を抑制することが好ましいので、紫外線照射装置 7より発せられる熱線を極力除去することが好ましい。紫外線照射装置 7からの熱線を除去する方法としてコールドミラー 8と熱線カットフィルター 6を使う方法があり、本発明では上記理由からコールドミラー 8と熱線カットフィルター 6のうち少なくとも何れか1つを使用することが好ましく、両方併用することが特に好ましい。
コールドミラーと熱線カットフィルターについては例えば(阿部修著 『プラスチックハードコート材料』シーエムシー (2000年)p125〜p126)などに記載されている。
[回転金属ロール]
回転金属ロール 2の例として特開平9−257999 [図7]に冷却手段を設けた紫外線照射装置の構成の一例が記されている。本発明ではこの構成の装置を使用することができる。回転金属ロール 2の内部を流れる冷却液の温度は80℃以下であり、透明プラスチック基材フィルム上の塗布面とは反対面(即ち、塗工フィルム 1の基材フィルム面)を回転金属ロール 2で冷却しながら、冷却部に紫外線照射装置 7を照射し、塗工フィルムを硬化する。冷却水の温度は乾燥温度以下が好ましく、熱による基材の変形を防止しながら硬化を進ませるためには回転冷却ロール内部の冷却液の温度を30℃以上にすることが好ましく、45℃以上がより好ましく、70℃以上が特に好ましい。冷却液としては水が好ましいが、所望の温度を達成できるものであれば特に制限されない。
回転金属ロール 2の直径は小さいほどホールド力が強くなり特に硬化収縮に起因する幅方向のカールを防止できる。具体的には、100cm以下が好ましく、80cm以下が更に好ましい。また、60cm以下だとウェッブと回転冷却ロール 2を充分に密着させ熱伝達による冷却を促進することができるため、特に好ましい。また、小さすぎると紫外線照射装置を取り付けることが難しいため、直径は20cm以上であることが好ましく、30cm以上が特に好ましい。
本発明の膜厚が厚く硬化強度のハードコートフィルムは硬化時に硬化収縮によるカールが発生しやすいため、ラップ角を120°以上とするとウェッブと回転冷却ロールを充分に密着させることができ、好ましい。180°以上であると密着性を更に上げることができより好ましく、240°以上であることが特に好ましい。
また、本発明で好ましく用いられる多官能アクリレートモノマーを主成分とする紫外線硬化型組成物は酸素下で紫外線を照射すると、硬化不良が起こり、爪などで擦った場合、傷が出易くなる。これを防止するためには、紫外線照射雰囲気の酸素濃度を下げる必要がある。照射時の酸素濃度は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.3%以下が特に好ましい。
上記の様な低酸素濃度を得るために、外気から遮蔽された紫外線照射室 9を設け、紫外線照射室内部 9に窒素ガスなどの不活性ガスを吹き出し、酸素を追い出す方法が通常用いられる。低酸素濃度を維持するためには高い遮蔽性が必要である。しかしながら、ウェッブが紫外線照射室 9に導入するために紫外線照射室 9の一部に隙間を開ける必要がある。この隙間が広いと隙間から酸素が流入し低酸素濃度が維持できなくなるので、低酸素濃度を維持するためには、窒素ガス等不活性ガスの吹き出し量を増やさなければならない。
窒素ガスなどの不活性ガスは高価であり、多量の不活性ガスの吹き出しを必要とする構成では製造コストが上がってしまう。これを防止するために、隙間はウェッブが回転金属ロール 2に巻き付いたところに仕切り板 3を設けて回転金属ロール 2上のウェッブと仕切り板の間で酸素を遮蔽することが好ましい。仕切りが回転金属ロールから離れている紫外線照射装置、例えば特開平11−104562 [図1]で紹介されている装置ではウェッブが回転金属ロールに巻き付いていないところではハンドリング中ウェッブがウェッブ面と垂直方向に振れるため、振れ分だけより広く隙間を開けなければならない上、塗布幅が広い場合は硬化収縮等の原因で幅方向にカールが起こるためこの分だけより広く隙間を開けなけばならず、多量の不活性ガスの吹き出しが必要となるからである。硬化収縮は一般に硬化膜厚が厚いほど大きい。この時のウェッブと仕切り板 3の間隔(クリアランス)は10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下が特に好ましい。また、幅方向のカールは塗布幅が広いほど起き易く、塗布幅が500mm以上だと本発明は効果を発揮し、その効果は800mm以上だとより顕著になるためより好ましく、1000mm以上だと更に顕著になるため特に好ましい。紫外線照射室内には酸素濃度センサ 11を設置してもよい。窒素ガス等不活性ガスの吹き出しは紫外線照射室 7に設けられた窒素供給部分4にて行ない、適宜、窒素排出部分5から排出することにより、紫外線照射室内の低酸素濃度を維持する。
また、紫外線照射室内の温度上昇を防止するため、紫外線照射室には冷却空気入り口 10を設けることが好ましい。
[ハードコート処理物品]
本発明において作製したハードコートフィルムは、プラスチック製品、窓ガラスの保護フィルム、光記録ディスクの表面フィルム、LCD、CRTやPDPなどの画像表示装置の表面フィルム等として用いることができる。
(下塗り層付きPETベースの作成)
幅1340mmで厚さ100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、屈折率1.65)の両面をコロナ処理し、屈折率1.53、ガラス転移温度55℃のポリエステル樹脂からなるラテックス(ペスレジンA−520、高松油脂(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(SN−38、石原産業(株)製)を乾燥後の屈折率1.59となるように混合し、両面に乾燥膜厚が86nmになるように塗布し下塗り層を形成した。
(ハードコート層塗布液(h−1)の調製)
メチルエチルケトン(MEK)中にグリシジルメタクリレートを溶解させ、熱重合開始剤を滴下しながら80℃で2時間反応させ、得られた反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥して得たポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分子量は12,000)をメチルエチルケトンに50質量%濃度になるように溶解した溶液100質量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295;大阪有機化学工業(株)製)150質量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)6重量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2074、ローディア社製)6質量部を30質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層塗布液(h−1)を作製した。
(ハードコート層塗布液(h−2)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)306重量部を、16重量部のメチルエチルケトンと220重量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5重量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、450重量部の MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(h−2)を調製した。
(ハードコート層塗布液(h−3)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)300重量部を、300重量部のメチルエチルケトンと200重量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5重量部を加え、溶解するまで攪拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(h−3)を調製した。
(ハードコートフィルムの作製)
実施例1
塗布速度を5m/分に設定し、上記で作製した幅1340mmで厚さ100mmの下塗り層付きPETフィルムに上記ハードコート塗布液を乾燥後の厚みが20μm、塗工幅が1310mmになるように、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で2分間乾燥し、50℃の冷却液が流れている回転金属ロール(直径50cm)に基材面側が回転金属ロールに接触するように約3/4周(ラップ角270°)巻きつけながら紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを500m巻き取った。紫外線照射室の酸素濃度は0.1%であった。紫外線照射はコールドミラーと熱線カットフィルターを用いた240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィクス(株)製)を用いた。
この時、紫外線照射室と外気を隔てる仕切り板は回転金属ロール上に設けてあり、ウェッブと回転金属ロールを停止した状態で未塗布フィルムの仕切り板の間隔を2mmと設定した。紫外線照射室に窒素を吹き込むことで酸素濃度を0%にした。
実施例1に対してハードコート層液と膜厚または工程条件を以下の様に変更し、実施例試料2〜6と比較例試料1〜8を作製した。
なお、実施例6は膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80UF、富士写真フィルム(株)製)を用いた。
(ハードコートフィルムの評価)
(1)歪みの評価
作製したハードコートフィルムを蛍光灯に透かしてみて歪みの見え方によって下記の基準により3段階評価を行なった。
〇:ハードコートフィルムに殆ど歪みが観られない。
×:ハードコートフィルムに歪みが観られる。
××:ハードコートフィルムに非常に強い歪みが観られる。
(2)擦り傷の評価
硬化時の硬化収縮や熱変形により平面性が失われてウェッブが紫外線照射室の出口の隙間を通過する時に仕切り板に触れて擦り傷を発生することがある。塗工後に巻き取ったサンプル上の傷を目視で以下の2段階評価を行った。
〇:擦り傷の発生が観られない。
×:擦り傷の発生が観られる。
(3)爪引掻き
作製したハードコートフィルムのハードコード層表面を爪で擦り下記の基準により2段階評価を行なった。
〇:ハードコート層表面に傷が観られない。
×:ハードコート層表面に傷が観られる。
(4)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。作製したハードコートフィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する2H〜5Hの試験用鉛筆を用いて、500gの荷重にて、以下のとおりの判定で評価し、OKとなる最も高い硬度を評価値とした。
n=5の評価において傷なし〜傷1つ :OK
n=5の評価において傷が3つ以上 :NG
(5)割れ
作製したハードコートフィルムを下記の基準により2段階評価を行なった。
〇:ハードコート層に割れが観られない。
×:ハードコート層に割れが観られる。
表5に示される結果から、以下のことが明らかである。
多官能アクリルモノマーのみのハードコート組成物(h−3)で硬化後の膜厚が3μm(基材の5%未満でかつ4μm未満)のハードコート層を形成する場合、紫外線硬化時に冷却しないと(冷却液なし)、歪みが観られると共に鉛筆強度が低いが、冷却液の循環した回転金属ロールで冷却しながら紫外線硬化することで歪みの問題を解決することができる。(比較例7と8)
上記のハードコート組成物(h−3)で硬化後の膜厚が6μm(基材の5%以上でかつ4μm以上)になる様に冷却なしで形成すると歪みは膜厚が3μmの時に比べ発熱量が多くなるために悪化し(比較例6)、冷却液の循環した回転金属ロールで冷却しながら紫外線硬化するだけでは歪みの問題は解決できないが(比較例5)、シリカ微粒子を含有させ多官能アクリルモノマーの含量を90%以下に減らしたハードコート組成物(h−2)に変えることと冷却ロールを組み合わせて用いることで歪みの問題を解決することができる。(実施例5)
更に本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有させ、多官能アクリルモノマーの含量を90%以下に減らしたハードコート組成物(h−1)と冷却ロールを用いることで、膜厚20μm以上で歪みがなく鉛筆硬度が4H以上と高いハードコート層を形成することができる。(実施例1と2)
冷却液の温度を25℃から70℃に上げることで歪みを発生させずに鉛筆硬度を上げることができるが、95℃まで上げると歪みが観られた。従って冷却ロールの温度は80℃以下でなおかつ高いほど硬度が出て好ましい。(実施例1,2と比較例1,2)
仕切り板の間隔を5mmとすると酸素濃度が上がり、表面硬度(特に爪引掻き)が低下した。(実施例3)
基材がTACでも同様に歪みがなく高鉛筆硬度のハードコートフィルムが得られた。(実施例6)
Figure 2005255957
[窓ガラスへの応用]
上記で作製の実施例1と比較例1に示したハードコートフィルムを夫々10cm角に裁断しアクリル系粘着剤で窓ガラスに貼りつけ外を見た。
上記の実施例1に示したハードコートフィルムを貼合した部分は外の景色がすっきり見えたが、比較例1のハードコートフィルムを貼合した部分は外の景色が歪んで見えた。
以上の結果から本発明のハードコートフィルムは窓貼り用フィルムとして好適である。
[画像表示装置への適用]
上記で作製の実施例1と比較例1に示したハードコートフィルムを夫々10cm角に裁断しハードコート層と反対面をアクリル系粘着剤でTN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)の表面に中心から左右対称の位置関係になる様に貼合した。
上記の実施例1と比較例1に示したハードコートフィルムを貼合した部分を観たところ、実施例1のハードコートフィルムを貼合した部分は画像がすっきり見えたが、比較例1のハードコートフィルムを貼合した部分は画像が歪んで見えた。
また、5Hの鉛筆でハードコートフィルムを貼合した部分とハードコートを貼合していない部分を擦ったところ、ハードコートフィルムを貼合していない部分は傷が付いたが、ハードコートフィルムを貼合した部分は傷が付かなかった。
以上の結果から本発明のハードコートフィルムは傷付き防止効果があり、画像の歪みもなく画像表示装置の保護フィルムとしても好適である。
側面から見た紫外線照射式硬化装置の模式図を示す一例である。
符号の説明
1 塗工フィルム
2 回転金属ロール
3 仕切り板
4 窒素供給部分
5 窒素排気部分
6 熱線カットフィルター
7 紫外線照射装置
8 コールドミラー
9 紫外線照射室
10 冷却空気入り口
11 酸素濃度センサ

Claims (6)

  1. 透明プラスチック基材フィルム上に少なくとも紫外線硬化型樹脂組成物により形成されるハードコート層を有し、該透明プラスチック基材フィルムの厚みが60μm以上で該ハードコート層の膜厚が基材の5%以上、かつ膜厚4μm以上であるハードコートフィルムの製造方法であって、紫外線硬化型樹脂組成物が以下の(1)及び(2)の特徴を有し、該組成物をプラスチック基材フィルム上に塗工後、該プラスチック基材フィルム上の塗布面の反対面を内部に80℃以下の冷却液が流れる回転金属ロールで冷却しながら、紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化し、該プラスチック基材フィルム上に硬化塗膜を形成することを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
    紫外線硬化型樹脂組成物の特徴
    (1)同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーを固形分に対し50質量%以上90質量%以下含有する
    (2)光重合開始剤を含有する
  2. 紫外線硬化型樹脂組成物が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを固形分に対し10質量%以上50質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
    一般式(1)
    Figure 2005255957
    式中R1は水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。P1は開環重合性基を含む一価の基であり、L1は単結合または二価の連結基である。
  3. 紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含むモノマーの固形分に対する含有率が50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  4. 回転金属ロールの少なくとも一部分が窒素ガス雰囲気下に存在することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  5. 前記紫外線照射が、回転金属ロールと仕切り板とによって外気と遮蔽され、酸素濃度が1%以下の窒素雰囲気下の紫外線照射室内で、回転金属ロールで搬送される紫外線硬化型樹脂組成物を塗工した透明プラスチック基材フィルムに対して行なわれ、かつ回転金属ロール上の該透明プラスチック基材フィルムと該仕切り板との間隔が3mm以下であることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の製造方法によって作製されたハードコートフィルムを貼合したことを特徴とするハードコート処理物品。
JP2004073231A 2004-03-15 2004-03-15 ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品 Pending JP2005255957A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004073231A JP2005255957A (ja) 2004-03-15 2004-03-15 ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004073231A JP2005255957A (ja) 2004-03-15 2004-03-15 ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005255957A true JP2005255957A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35082003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004073231A Pending JP2005255957A (ja) 2004-03-15 2004-03-15 ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005255957A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009166322A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルムおよびその製造方法
US20150248051A1 (en) * 2013-09-10 2015-09-03 Boe Technology Group Co., Ltd Manufacturing method of color filter substrate
JP2018090654A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 東洋インキScホールディングス株式会社 光透過性樹脂組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009166322A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルムおよびその製造方法
US20150248051A1 (en) * 2013-09-10 2015-09-03 Boe Technology Group Co., Ltd Manufacturing method of color filter substrate
US9760001B2 (en) * 2013-09-10 2017-09-12 Boe Technology Group Co., Ltd. Manufacturing method of color filter substrate
JP2018090654A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 東洋インキScホールディングス株式会社 光透過性樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4055427B2 (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
KR100905683B1 (ko) 하드 코팅 필름, 하드 코팅 필름을 적층한 기재 및 이들을형성한 화상표시장치
US6777102B2 (en) Curable composition and hardcoated article employing same
WO2005073763A1 (ja) 防眩性コーティング組成物、防眩フィルムおよびその製造方法
JP2004141732A (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
JP4064130B2 (ja) 透明ハードコートフィルム
JP4389429B2 (ja) 硬化性組成物およびハードコート処理物品
JP2002338720A (ja) ハードコート膜、ハードコートフィルム、及び画像表示装置
JP6360767B2 (ja) ハードコートフィルムの製造方法
JP4210535B2 (ja) ハードコート処理物品、ハードコートフイルムおよび硬化性組成物
WO2017002847A1 (ja) 含フッ素共重合体、組成物、光学フィルム、ハードコートフィルム、偏光板、及びタッチパネルディスプレイ、並びに含フッ素共重合体の製造方法
JP2004126206A (ja) 反射防止ハードコートフィルム、偏光板、および画像表示装置
JP3864794B2 (ja) 硬化性組成物およびハードコート処理物品
JP2003057402A (ja) ハードコートフイルム
JP3978770B2 (ja) 反射防止ハードコート層、反射防止ハードコートフィルム及びこれを設けた画像表示装置
JP2005255957A (ja) ハードコートフィルムの製造方法及びそれを用いたハードコートフィルム処理物品
JP2004331744A (ja) 硬化性組成物及びそれを用いた硬化処理物品
JP2003266607A (ja) ハードコートフィルム及びこれを設けた画像表示装置
JP2005288286A (ja) ハードコートフィルムの製造方法及びハードコートフィルム
JP4524150B2 (ja) 反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置、および反射防止フィルムの製造方法
JP4287761B2 (ja) 防汚性表面材料及びその製造方法
JP2003026826A (ja) 光学用ポリエステルフィルム、ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP2004075816A (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
JP2005042072A (ja) 硬化性組成物及びそれを用いた硬化処理物品
JP2007115315A (ja) ディスク基板の貼り合せ方法及び貼り合せ装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060327