JP2005255671A - (メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物及びその製造方法 Download PDF

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博稔 鎌田
Katsutoshi Morinaka
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Abstract

【課題】 (メタ)アクリロイル基を有する化合物との共重合性に優れる新規なオキセタン化合物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 式(1)で示される(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物、及び式(5)で示される(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と式(6)で示される水酸基含有オキセタン化合物を反応させることを特徴とする式(1)で示される(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法。
【化1】
Figure 2005255671

(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R3は直鎖状または分岐状の炭素数が1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロイル基を有する新規なオキセタン化合物及びその製造方法に関する。本発明のオキセタン化合物は、他のエチレン性不飽和基含有化合物との共重合性が高く、側鎖に開環重合反応及び付加反応等の種々の反応に利用できるオキセタニル基を有する種々のアクリル共重合体の合成に利用できる。
オキセタン化合物は、炭素−酸素間の結合が分極しており、高い反応性を示す四員環のエーテル化合物である。該化合物は、特に光カチオン重合、熱カチオン重合においてエポキシ化合物より重合速度が速いという優れた特性を有している。
また、エポキシ化合物が変異原性を有するのに対し、オキセタン化合物は人体に対する安全性が高いことも大きな特長である。
近年、カチオン重合以外の開環反応の研究が進み、例えば、工業材料,Vol.49, No.6, p.53-60 (2001)(非特許文献1)には、オキセタン化合物とアシルハライド化合物、チオール化合物、フェノール化合物及びカルボン酸との反応が例示され、新しい熱硬化性樹脂の可能性が示唆されており、産業上の利用が今後拡大するものと期待されている。
その他にも多くのオキセタン化合物が報告されている。例えば、エポキシ樹脂の代替を目的として、ビスフェノール骨格を有するオキセタン化合物(特開平11-130766号公報;特許文献1)、フルオレン骨格を有するオキセタン化合物(特開2000-336082号公報;特許文献2)、ノボラック骨格を有する化合物(特開2000-336133号公報;特許文献3)、ナフタレン骨格を有するオキセタン化合物(特開2001-31664号公報;特許文献4)、ビフェニル骨格を有する多官能オキセタン化合物(特開2001-31665号公報;特許文献5)が開示されている。
ビニル系共重合体の側鎖にオキセタニル基を導入する目的で、エチレン性不飽和基を有するオキセタン化合物(特開平7-17958号公報;特許文献6、特開2000-26444号公報;特許文献7)が開示されている。
また、オキセタニル基と(メタ)アクリル基の両方を有するモノマーの合成方法が、特開2000-63371号公報(特許文献8)、特開2003-201286号公報(特許文献9)、特開2003-137878号公報(特許文献10)、特開2003-137877号公報(特許文献11)に開示されている。
特開平11−130766号公報 特開2000−336082号公報 特開2000−336133号公報 特開2001−31664号公報 特開2001−31665号公報 特開平7−17958号公報 特開2000−26444号公報 特開2000−63371号公報 特開2003−201286号公報 特開2003−137878号公報 特開2003−137877号公報 工業材料,Vol.49,No.6,p53−60(2001)
しかし、これらのエチレン性不飽和基を有するオキセタン化合物は、エチレン性不飽和基がアルケニルエーテルであるため、ラジカル重合性のモノマーとして最も一般的なアクリロイル基またはメタアクリロイル基(以下、本明細書では両基を一括して「(メタ)アクリロイル基」という。)を有する化合物との共重合性が悪く、効率良くビニル系もしくはアクリル系共重合体の側鎖にオキセタニル基を導入することは困難であった。
また、オキセタニル基と(メタ)アクリル基の両方を有するオキセタン化合物は、重合性は良くなるものの、他のポリマーや素材との接着性に乏しく、実用物性が低いという問題があった。
したがって、本発明は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物との共重合性に優れ、実用物性の高い新規なオキセタン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と、水酸基含有オキセタン化合物を反応させることにより、(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物を容易に製造することができ、これらのウレタン結合を持った化合物は他の素材との接着性等の実用物性に優れることを見出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の1〜5の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物及びその製造方法に関する。
1.下記式(1)
Figure 2005255671
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で示される(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
2.下記式(2)
Figure 2005255671
で示される化合物である前記1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
3.下記式(3)
Figure 2005255671
で示される化合物である前記1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
4.下記式(4)
Figure 2005255671
で示される化合物である前記1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
5.式(5)
Figure 2005255671
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表す。)
で示される(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と式(6)
Figure 2005255671
(式中、R3は直鎖状または分岐状の炭素数が1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で示される水酸基含有オキセタン化合物を反応させることを特徴とする(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法。
6.触媒として、3級アミンまたはスズ化合物を使用する前記5記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法。
本発明の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物は、他のエチレン不飽和化合物との共重合性が高いので、種々のアクリル共重合体の合成に利用でき、エポキシ樹脂の代替として期待できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
1.(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物
本発明の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物は下記式(1)
Figure 2005255671
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示される。
1は水素原子またはメチル基を表すが、R1が水素原子の場合はラジカル重合速度が速い。一方、R1がメチル基の場合は水素原子の場合より化合物の安定性が増し、取扱いが容易となる。
Aは−OR2−または結合手を表す。R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基としては、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のオキシアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基が挙げられ、その具体例としては、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)2CH2CH2−、−(CH2CH2O)3CH2CH2―、―CH2CH(CH3)OCH2CH(CH3)−、―(CH2CH(CH3)O)2CH2CH(CH3)−、―(CH2CH(CH3)O)3CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2−、−(CH2CH2CH2CH2O)2CH2CH2CH2CH2−、−(CH2CH2CH2CH2O)3CH2CH2CH2CH2―、p−フェニレン基、m−フェニレン基が挙げられる。これらの中では、−(CH22−が好ましい。
3は炭素数が1〜6の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が例示される。これらの中でも、原料入手の容易性から特にメチレン基及びエチレン基が好ましい。
4は炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。これらの中でも原料入手の容易性から特にメチル基及びエチル基が好ましい。
式(1)で示される(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の中でも、特に好ましい化合物として、下記式(2)、式(3)及び式(4)
Figure 2005255671
Figure 2005255671
Figure 2005255671
で示される化合物が挙げられる。
2.(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法
本発明の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物は、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と、水酸基含有オキセタン化合物を反応させることにより得られる。
2−1.(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル基イソシアネート化合物は式(5)
Figure 2005255671
で示される。
1は式(1)のR1と同一の水素原子またはメチル基を表し、Aも式(1)のAと同一の−OR2−または結合手を表し、R2も式(1)のR2と同一の主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
式(5)で示される化合物の具体例としては、1−(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルイソシアネート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチル−エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル−エチルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、3−(メタ)アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
2−2.水酸基含有オキセタン化合物
本発明に用いられる水酸基含有オキセタン化合物は式(6)
Figure 2005255671
で示される。
3は式(1)のR3と同一の炭素数が1〜6のアルキレン基を表し、R4は式(1)のR4と同一の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(6)で示される化合物の具体例としては、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−n−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−イソプロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−n−プロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−イソプロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、2−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2,3−ジメチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2,4−ジメチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2,3,4−トリメチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−2−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−2,4−ジメチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(2−ヒドロキシエトキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−ヒドロキシエトキシメチル)オキセタン等が挙げられる。これらの中では、安価でより汎用性に富むという点から、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが特に好ましい。
2−3.製造方法
(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物は、式(5)で示される(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と、式(6)で示される水酸基含有オキセタン化合物を反応させて得られる。
反応の触媒として、公知のウレタン結合形成触媒が使用できる。具体例としては、3級アミン(トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン等)及び有機スズ化合物(ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ等)が挙げられる。
反応溶媒としては、イソシアネート基と不活性な有機溶媒であればいずれも使用できる。具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソアミル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
反応温度としては、一般に0〜120℃であり、好ましくは20〜100℃、より好ましくは30〜80℃である。0℃未満では反応が非常に遅くなり、また120℃を超えると重合を引き起こすため好ましくない。
反応時のモル比としては、イソシアネート化合物:オキセタン化合物=1:0.90〜1.10、より好ましくは1:0.95〜1.05である。0.90未満では、アクリル共重合体の原料としたときの保存安定性が低下する。また、1.10を超えるとオキセタン化合物が過剰に残存するため、アクリル共重合体の原料としたときに特性を低下させるので好ましくない。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と水酸基含有オキセタン化合物との反応の終了は、例えば、赤外分光光度計によるイソシアネート基の吸収の消失により確認することができる。反応後の反応液は脱塩水で洗浄後、有機溶媒層を乾燥し、エバポレーター、真空ポンプ等を用いて有機溶媒を除いて粗精製物を得、必要によりカラムクロマトグラフィー等の常法により精製することができる。
3.その他
本発明の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物には、その熱安定性を改善するため、ラジカル重合禁止剤を加えて保存することが好ましい。ラジカル重合禁止剤の具体例としては、ベンゾキノン、フェノール、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、フェノチアジン等を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、製品の純度は以下に示す高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
カラム:Shodex 5C84E(昭和電工(株)製)、
溶離液組成:アセトニトリル/水=2/1(体積比) 2mM テトラn−ブチルアンモニウムパークロレート、
ポンプ:LC−10AD(島津製作所)、
溶離液流速:1.0ml/分、
温度:40℃、
検出器:UV検出器 SPD−M10AVP(島津製作所)、
検出波長:210nm。
実施例1:式(2)で示される化合物の製造
2−アクリロイロキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製)10.0g(70.9mmol)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産(株)製,商品名:エタナコールEHO)8.24g(70.9mmol)、ジブチルスズジラウレート(東京化成(株)製)0.04g、酢酸エチル44.5gを容量100mlの4つ口フラスコに仕込み、温度計、冷却管を付し、55℃にオイルバスで加熱した。撹拌はマグネチックスタラーにて行なった。4時間反応後、赤外分光光度計(日本分光(株)製 FT−IR/8000)(以下「FT−IR」という。)を用いてイソシアネート基の吸収がなくなったことを確認した後、上記反応液を2回脱塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。さらに、酢酸エチルをエバポレーター、真空ポンプを用いて除き、純度94.9%の粗精物14.68gを得た。
上記粗精物5.0gをシリカゲル(商品名ワコーゲル C−200 和光純薬工業(株)製)を用いたカラムクロマトグラフィーにて、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比)の溶媒組成にて精製、濃縮した後、高速液体クロマトグラフィー(以下、LCと略記する。)により精製し、純度98.0%の精製物を得た。
得られた精製物を核磁気共鳴分析装置(日本電子(株)製JNM−AL400)(以下「NMR」という。)を用いて、重クロロホルム中にて13C−NMRのスペクトル測定を行った。その13C−NMRチャートを図1に示す。また、チャートについてピークの帰属を行い、前記精製物は式(2)で示されることを確認した。
Figure 2005255671
図1のチャートピークとその帰属結果を以下に示す。
9.0ppm:10のメチル基の炭素原子,
27.7ppm:9のメチレン基の炭素原子,
41.0ppm:5のメチレン基の炭素原子,
43.5ppm:8の4級炭素原子,
64.4ppm:4のメチレン基の炭素原子,
67.6ppm:7のメチレン基の炭素原子,
78.6ppm:11,12のメチレン基の炭素原子,
128.7ppm:1の炭素原子,
132.3ppm:2の炭素原子,
157.2ppm:6のカルボニル基の炭素原子,
166.8ppm:3のカルボニル基の炭素原子。
実施例2:式(3)で示される化合物の製造
2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製 商品名カレンズMOI)17.15g(111mmol)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン12.85g(111mmol)、ジブチルスズジラウレート 0.06g及び酢酸エチル 70.0gを容量200mlの4つ口フラスコに仕込み、温度計、冷却管を付し、55℃にオイルバスで加熱した。撹拌はマグネチックスタラーにて行なった。6時間反応後、FT−IRによりイソシアネート基の吸収がなくなったことを確認した後、上記反応液を2回脱塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。さらに、酢酸エチルをエバポレーター、真空ポンプにより除き、純度94.9%の粗精物28.06gを得た。
得られた粗精物5.0gを実施例1と同様にして精製し、純度98.3%の精製物を得た。
得られた精製物について13C−NMRを測定した。その13C−NMRチャートを図2に示す。チャートについてピークの帰属を行い、得られた精製物は式(3)で示されることを確認した。
Figure 2005255671
図2のチャートピークとその帰属を以下に示す。
8.1ppm:11のメチル基の炭素原子,
18.3ppm:3のメチル基の炭素原子,
26.8ppm:10のメチレン基の炭素原子,
40.2ppm:6のメチレン基の炭素原子,
42.7ppm:9の4級炭素原子,
63.6ppm:5のメチレン基の炭素原子,
66.7ppm:8のメチレン基の炭素原子,
77.7ppm:12,13のメチレン基の炭素原子,
125.9ppm:1の炭素原子,
135.7ppm:2の炭素原子,
156.3ppm:7のカルボニル基の炭素原子,
167.1ppm:4のカルボニル基の炭素原子。
実施例1の化合物を13C−NMRで測定したチャートを示す。 実施例2の化合物を13C−NMRで測定したチャートを示す。

Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 2005255671
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表し、R3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    で示される(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
  2. 下記式(2)
    Figure 2005255671
    で示される化合物である請求項1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
  3. 下記式(3)
    Figure 2005255671
    で示される化合物である請求項1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
  4. 下記式(4)
    Figure 2005255671
    で示される化合物である請求項1記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物。
  5. 式(5)
    Figure 2005255671
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Aは−OR2−または結合手を表し、R2は主鎖に酸素を含有していてもよい2価の炭化水素基を表す。)
    で示される(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物と式(6)
    Figure 2005255671
    (式中、R3は直鎖状または分岐状の炭素数が1〜6のアルキレン基を表し、R4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    で示される水酸基含有オキセタン化合物を反応させることを特徴とする(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法。
  6. 触媒として、3級アミンまたはスズ化合物を使用する請求項5記載の(メタ)アクリロイル基含有オキセタン化合物の製造方法。
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