JP2005255522A - (3r,5s)−7−置換−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸エステルの製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、簡便な方法によって(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを製造する、工業的に好適な(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題は、酸の存在下、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩に、アルコールを溶媒中で反応させて、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを得ることを特徴とする、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法によって解決される。
【解決手段】本発明の課題は、酸の存在下、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩に、アルコールを溶媒中で反応させて、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを得ることを特徴とする、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法によって解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コレステロール低下剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の合成中間体として有用な、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法に関し、特に、(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、一段階で直接(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルに誘導する方法は全く知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、簡便な方法によって(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを製造する、工業的に好適な(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、酸の存在下、一般式(1)
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、R1、R2及びR3は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩に、一般式(2)
【0007】
【化6】
【0008】
(式中、R4は、炭化水素基を示す。)
で示されるアルコールを溶媒中で反応させて、一般式(3)
【0009】
【化7】
【0010】
(式中、R4は、前記と同義である。)
で示される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを得ることを特徴とする、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法によって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の反応において使用される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R1、R2及びR3は、水素原子又は炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基(これらの基は各種異性体を含む);シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜12のアラルキル基(これらの基は各種異性体を含む)が挙げられる。なお、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸と塩を形成しているアミンは、好ましくはアキラルなアミン(不斉炭素原子を有しないアミン)、更に好ましくはモノアラルキルアミン、特に好ましくはベンジルアミンである。
【0012】
本発明の反応において使用されるアルコールは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、R4は、炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基(これらの基は各種異性体を含む);シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜12のアラルキル基(これらの基は各種異性体を含む)が挙げられるが、好ましくはアルキル基、更に好ましくはエチル基である。
【0013】
前記アルコールの使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1gに対して、好ましくは2〜50g、更に好ましくは5〜15gである。
【0014】
本発明の反応で使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられるが、好ましくは鉱酸類、更に好ましくは塩酸が使用される。これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0015】
前記酸の使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1molに対して、好ましくは1〜10mol、更に好ましくは2〜5molである。
【0016】
本発明の反応で使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン等の尿素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、更に好ましくはエタノールが使用される。これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0017】
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1gに対して、好ましくは1〜50g、更に好ましくは3〜20gである。
【0018】
本発明の反応は、例えば、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩、アルコール、酸及び溶媒を混合して、攪拌する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは-20〜100℃、更に好ましくは0〜50℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0019】
本発明の反応においては、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルは、通常、油状物として得られるが、これを溶媒中で結晶化させることで、取り扱いが容易な結晶として得ることも出来る。
【0020】
本発明の結晶化において使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられるが、好ましくは脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、更に好ましくはシクロヘキサン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテルが使用される。これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0021】
前記溶媒の使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステル1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは2〜30g、特に好ましくは5〜20gである。
【0022】
本発明の結晶化は、例えば、反応によって得られた油状物の(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを溶媒に均一に分散させた後(必要ならば、加熱して均一にしても良い)、攪拌しながら除々に冷却する等の方法によって行われる。その際の結晶化温度は、好ましくは-50〜80℃、更に好ましくは-20〜40℃、特に好ましくは-10〜20℃である。なお、必要ならば、この結晶化操作を繰り返して、更に結晶の純度を高めることも出来る。
【0023】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例における光学純度(エナンチオマー過剰率(%ee)及びジアステレオマー過剰率(%de))は、以下の分析条件により高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
【0024】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件:
【0025】
【0026】
参考例1(7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)の合成)攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのフラスコに、7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸(光学異性体混合物)4.21g(10.0mmol)、ベンジルアミン1.07g(10.0mmol)及び酢酸エチル30mlを加え、攪拌しながら0℃まで冷却すると結晶が析出して来た。結晶を濾過し、0℃に冷却した酢酸エチル15mlで洗浄した後に減圧下で乾燥させ、無色結晶として7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)5.01gを得た(単離収率:94.9%、光学純度:73.0%ee,97.0%de)。
【0027】
参考例2((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩の合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのフラスコに、参考例1で得られた7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)4.22g(8.00mmol)及びテトラヒドロフラン84mlを加え、攪拌しながら50℃まで昇温して均一溶液とした。次いで、反応液を0℃まで冷却すると結晶が析出して来たので、結晶を濾過し、0℃に冷却したテトラヒドロフラン42mlで洗浄した。この晶析操作を2回繰り返した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、無色結晶として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩2.52gを得た(単離収率:60.0%、光学純度:99.1%ee,99.8%de)。
【0028】
実施例1((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチルの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのフラスコに、参考例2で得られた(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩1.06g(2.00mmol)及びエタノール10mlを加えた。次いで、濃塩酸0.50ml(6.00mmol)をゆるやかに加えて、25℃で6時間反応させた。反応終了後、水10ml及びトルエン10mlを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応液のpHを3.5にした。有機層を分液し、水層をトルエン10mlで抽出した後、有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、無色油状物として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.90gを得た(単離収率:100%)。
【0029】
実施例2((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチルの結晶化)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積25mlのフラスコに、実施例1で得られた無色油状物の(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.90g(2.00mmol)及びジイソプロピルエーテル1.5mlを加えて均一溶液とした後、ヘプタン2.5mlを加えて20℃で12時間攪拌した。次いで、析出した結晶を濾過し、0℃に冷却したヘプタン/ジイソプロピルエーテル混合溶媒(=5/3(容量比))2.0mlで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、無色結晶として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.82gを得た(単離収率:91.0%、光学純度:99.9%ee,99.8%de)。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、簡便な方法によって(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを製造する、工業的に好適な(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法を提供することが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コレステロール低下剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の合成中間体として有用な、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法に関し、特に、(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、一段階で直接(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルに誘導する方法は全く知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、簡便な方法によって(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを製造する、工業的に好適な(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、酸の存在下、一般式(1)
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、R1、R2及びR3は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩に、一般式(2)
【0007】
【化6】
【0008】
(式中、R4は、炭化水素基を示す。)
で示されるアルコールを溶媒中で反応させて、一般式(3)
【0009】
【化7】
【0010】
(式中、R4は、前記と同義である。)
で示される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを得ることを特徴とする、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法によって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の反応において使用される(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R1、R2及びR3は、水素原子又は炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基(これらの基は各種異性体を含む);シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜12のアラルキル基(これらの基は各種異性体を含む)が挙げられる。なお、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸と塩を形成しているアミンは、好ましくはアキラルなアミン(不斉炭素原子を有しないアミン)、更に好ましくはモノアラルキルアミン、特に好ましくはベンジルアミンである。
【0012】
本発明の反応において使用されるアルコールは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、R4は、炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基(これらの基は各種異性体を含む);シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜12のアラルキル基(これらの基は各種異性体を含む)が挙げられるが、好ましくはアルキル基、更に好ましくはエチル基である。
【0013】
前記アルコールの使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1gに対して、好ましくは2〜50g、更に好ましくは5〜15gである。
【0014】
本発明の反応で使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられるが、好ましくは鉱酸類、更に好ましくは塩酸が使用される。これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0015】
前記酸の使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1molに対して、好ましくは1〜10mol、更に好ましくは2〜5molである。
【0016】
本発明の反応で使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン等の尿素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、更に好ましくはエタノールが使用される。これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0017】
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩1gに対して、好ましくは1〜50g、更に好ましくは3〜20gである。
【0018】
本発明の反応は、例えば、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩、アルコール、酸及び溶媒を混合して、攪拌する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは-20〜100℃、更に好ましくは0〜50℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0019】
本発明の反応においては、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルは、通常、油状物として得られるが、これを溶媒中で結晶化させることで、取り扱いが容易な結晶として得ることも出来る。
【0020】
本発明の結晶化において使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられるが、好ましくは脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、更に好ましくはシクロヘキサン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテルが使用される。これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0021】
前記溶媒の使用量は、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステル1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは2〜30g、特に好ましくは5〜20gである。
【0022】
本発明の結晶化は、例えば、反応によって得られた油状物の(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを溶媒に均一に分散させた後(必要ならば、加熱して均一にしても良い)、攪拌しながら除々に冷却する等の方法によって行われる。その際の結晶化温度は、好ましくは-50〜80℃、更に好ましくは-20〜40℃、特に好ましくは-10〜20℃である。なお、必要ならば、この結晶化操作を繰り返して、更に結晶の純度を高めることも出来る。
【0023】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例における光学純度(エナンチオマー過剰率(%ee)及びジアステレオマー過剰率(%de))は、以下の分析条件により高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
【0024】
高速液体クロマトグラフィーの分析条件:
【0025】
【0026】
参考例1(7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)の合成)攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのフラスコに、7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸(光学異性体混合物)4.21g(10.0mmol)、ベンジルアミン1.07g(10.0mmol)及び酢酸エチル30mlを加え、攪拌しながら0℃まで冷却すると結晶が析出して来た。結晶を濾過し、0℃に冷却した酢酸エチル15mlで洗浄した後に減圧下で乾燥させ、無色結晶として7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)5.01gを得た(単離収率:94.9%、光学純度:73.0%ee,97.0%de)。
【0027】
参考例2((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩の合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのフラスコに、参考例1で得られた7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩(光学異性体混合物)4.22g(8.00mmol)及びテトラヒドロフラン84mlを加え、攪拌しながら50℃まで昇温して均一溶液とした。次いで、反応液を0℃まで冷却すると結晶が析出して来たので、結晶を濾過し、0℃に冷却したテトラヒドロフラン42mlで洗浄した。この晶析操作を2回繰り返した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、無色結晶として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩2.52gを得た(単離収率:60.0%、光学純度:99.1%ee,99.8%de)。
【0028】
実施例1((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチルの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのフラスコに、参考例2で得られた(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸ベンジルアミン塩1.06g(2.00mmol)及びエタノール10mlを加えた。次いで、濃塩酸0.50ml(6.00mmol)をゆるやかに加えて、25℃で6時間反応させた。反応終了後、水10ml及びトルエン10mlを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応液のpHを3.5にした。有機層を分液し、水層をトルエン10mlで抽出した後、有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、無色油状物として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.90gを得た(単離収率:100%)。
【0029】
実施例2((3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチルの結晶化)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積25mlのフラスコに、実施例1で得られた無色油状物の(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.90g(2.00mmol)及びジイソプロピルエーテル1.5mlを加えて均一溶液とした後、ヘプタン2.5mlを加えて20℃で12時間攪拌した。次いで、析出した結晶を濾過し、0℃に冷却したヘプタン/ジイソプロピルエーテル混合溶媒(=5/3(容量比))2.0mlで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、無色結晶として(3R,5S)-7-{2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)キノリン-3-イル}-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エチル0.82gを得た(単離収率:91.0%、光学純度:99.9%ee,99.8%de)。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩から、簡便な方法によって(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルを製造する、工業的に好適な(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法を提供することが出来る。
Claims (5)
- (3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸のアミン塩中のアミンが、アキラルなアミン(不斉炭素原子を有しないアミン)である請求項1記載の(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法。
- アキラルなアミンが、モノアラルキルアミンである請求項2記載の(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法。
- R4が、エチル基である請求項1記載の(3R,5S)-7-置換-3,5-ジヒドロキシヘプト-6-エン酸エステルの製法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001284633A JP2005255522A (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | (3r,5s)−7−置換−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸エステルの製法 |
PCT/JP2002/009638 WO2003027073A1 (en) | 2001-09-19 | 2002-09-19 | Process for producing optically active 7-{2-cyclopropyl-4-(4-fluorophenyl)quinolin-3-yl}-3,5-dihydroxyhept-6-enoic acid ester |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001284633A JP2005255522A (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | (3r,5s)−7−置換−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸エステルの製法 |
Publications (1)
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-
2001
- 2001-09-19 JP JP2001284633A patent/JP2005255522A/ja active Pending
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