JP2005255153A - エアバッグモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグモジュール内部の空き空間を低減して膨張中にエアバッグモジュールの内圧上昇を向上させることにより、エアバッグを急速に展開させて、車両乗員を効果的に保護することが可能になるエアバッグモジュールの提供。
【解決手段】エアバッグモジュールは、モジュールカバー、車両緊急事態の際膨張するように構成されたエアバッグ、およびエアバッグを膨張させるためにガスを供給するように構成されたインフレータを含む。インフレータおよびエアバッグは、保持板に接続され、モジュールカバーおよび保持板は、接続されて密閉容器容量を形成している。密閉容器容量対エアバッグモジュールの構成部品が占有している密閉容器容量の部分の比は、100対40から100対100である。
【選択図】図1

Description

発明の背景
本発明は、車両緊急事態、たとえば、衝突が起きた際、車両乗員を保護するためにエアバッグを膨張させるエアバッグ装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、エアバッグモジュール内部の空き空間を低減して膨張中にエアバッグモジュールの内圧上昇を向上させることにより、エアバッグをより急速に展開させるようにしたエアバッグ装置に関するものである。
エアバッグは、通常、車両ハンドルまたはダッシュボード内のくぼみの内部に格納されている。エアバッグ装置は、エアバッグモジュール、エアバッグ、およびエアバッグを膨張させるためのインフレータを含む。エアバッグモジュールは、モジュールカバーおよび保持板を有する。エアバッグおよびインフレータは、通常、保持板に取り付けられて、モジュールカバーと保持板との間に密閉されている。モジュールカバーは車両乗員室に面して前もって弱められた破断点を含む。車両緊急事態が発生した際、エアバッグはインフレータが作り出すガスにより膨張する。エアバッグが膨張するにつれて、エアバッグモジュールの内部圧力は上昇し、ついに、前もって弱められた破断点が破断する。その結果エアバッグは乗員室の中へ展開することが可能になる。膨張したエアバッグによって、車両乗員は受け止められ保持される。
エアバッグおよびインフレータを格納するためにエアバッグモジュール内部で使用できる空間の量は、エアバッグモジュールの大きさによって決まり、そのエアバッグモジュールの大きさは、車両のサイズおよび構造によって決まる。特定のエアバッグモジュールを標準化すれば、同じエアバッグモジュールをさまざまな車両に使用することが可能になる。エアバッグモジュールを標準化することにより、製造コストも下がり、生産能力も上がる。したがって、エアバッグモジュールの大きさを特定のエアバッグおよびインフレータの最適包装および/または操作性に合わせるのではなく車両用途の汎用性および製造性に合わせることが可能になる。
さらに、車両総重量を低減させる努力により、より薄いエアバッグ布地および小型化されたインフレータが生み出されている。しかも、より薄いエアバッグ布地は、より向上した折りたたみやすさおよび展開特性を有するので好ましい。しかしながら、より薄い布地および小型化されたインフレータを使用すると、折りたたまれたエアバッグおよびインフレータが占有する容量が減少することになる。その減少にあわせて、エアバッグモジュールの大きさを変えない場合、エアバッグモジュールのサイズは、エアバッグおよび/またはインフレータを効率よく包装および/または操作するために必要な空間の容量に対して不釣合いな大きさになる可能性がある。
たとえば、従来のエアバッグ装置においては、インフレータおよび折りたたまれたエアバッグは、エアバッグモジュール内の全空間の30パーセント以下を占有していると思われる。したがって、エアバッグモジュール内の自由(空き)空間の容量は、70パーセントを超える大きさになる可能性がある。その結果、エアバッグの展開に要する時間の量は増大する。なぜなら、エアバッグは、エアバッグモジュール内の大量の空き空間を膨張させて後、十分な内圧を作り出すことによりモジュールカバーを突き破って乗員室の方へ通らなければならないからである。したがって、車両乗員を効果的に保護するために急速に膨張すべきエアバッグの機能は低下する。
発明の要約
本発明は、車両乗員を保護するためのエアバッグ装置に関する。エアバッグ装置は、エアバッグ、インフレータ、およびエアバッグモジュールを含む。エアバッグおよびインフレータは、エアバッグモジュールが形成する密閉容器内に配置されている。密閉容器の容量対エアバッグモジュール内で構成部品が占有する容量の比は、100対40から100対100である。したがって、膨張時のエアバッグモジュールの内圧上昇が向上するので、エアバッグは、より急速に展開して、車両乗員を効果的に保護することが可能になる。
本発明の好ましい実施形態を詳細に説明し、本発明の好ましい実施形態の例を添付の図面に示す。同じ部品または類似部品には各図を通して同じ参照番号を使用するよう努めた。
本発明の好ましい実施形態によれば、エアバッグ装置1が提供される。図1および図2に示すように、エアバッグ装置1は、エアバッグ10、インフレータ20、およびエアバッグモジュール30を含む。
エアバッグ10およびインフレータ20は、エアバッグモジュール30の内部に配置されている。エアバッグ10は、エアバッグモジュール30内に折りたたまれた状態で格納され、インフレータ20は、エアバッグ10に動作可能なように接続されている。車両緊急事態の間中、インフレータ20は膨張ガスを発生させ、ガスはエアバッグ10の中に流れて、エアバッグ10を膨張させる。
エアバッグモジュール30は、エアバッグ10およびインフレータ20を密閉している。エアバッグモジュール30は、モジュールカバー32および保持板40を含む。モジュールカバー32は、カバー部材32a(示されていない)およびカバー部材32a(示されていない)から延在している壁部材32b(示されていない)を有している。カバー部材32a(示されていない)は、前もって弱められた破断点(示されていない)を有しているので、エアバッグモジュール30内に十分な圧力が生じると、膨張するエアバッグ10はカバー部材32a(示されていない)を突き破って車両乗員室の方へ通ることができるようになる。
保持板40により、エアバッグ10およびインフレータ20は、エアバッグモジュール30内で支持されている。保持板40は、モジュールカバー32の壁部材32b(示されていない)に接続されているので、モジュールカバー32および保持板40によって、図3に示すように、密閉容器が形成される。密閉容器は密閉容器容量50を定義し、その密閉容器容量とは、折りたたまれたエアバッグ10およびインフレータ20の格納に使用できるエアバッグモジュール30内の空間の容量である。
図1に示すように、折りたたまれたエアバッグ10およびインフレータ20を密閉容器内に格納すると、折りたたまれたエアバッグ10およびインフレータ20は、密閉容器容量50の一部を占有する。折りたたまれたエアバッグ10およびインフレータ20が占有する密閉容器容量50の一部は、占有容量を構成する。この占有容量はまたエアバッグモジュール30の他の構成部品、たとえば、取り付け金具が占有する密閉容器内の空間の容量を含む。密閉容器内の残りの自由(または空きの)空間は、空き容量52を構成する。
本発明の好ましい実施形態によれば、密閉容器容量50対占有容量の比は、100対40から100対100(包装率)である。したがって、密閉容器内の空き容量52は、密閉容器容量50の60パーセント以下である。この要領で、車両緊急時のエアバッグ10の展開時間は、従来のエアバッグ装置を超えて向上する。たとえば、膨張するエアバッグ10は、より急速にエアバッグモジュール30から展開することが可能になる。なぜなら、空き空間(空き容量52)の減少によって、密閉容器内の内圧(図9のA)は、従来のエアバッグ装置内の内圧(図9のB)よりもより急速に増大することができるからである。換言すれば、十分な圧力がカバー部材32a(示されていない)に作用して、カバー部材32a(示されていない)を破裂させる前に、膨張するエアバッグ10が満たすべき空き空間(空き容量52)がより少ないということである。したがって、エアバッグ10は、従来のエアバッグよりもより急速に乗員室の中に展開することが可能になる。
本発明の好ましい実施形態によれば、エアバッグモジュール30を構成することにより100対40から100対100の包装率を達成することができる。たとえば、(図1に示した)高さH、(図1および2に示した)第1の幅W1、および/または(図2に示した)第2の幅W2を変更することにより、特定のエアバッグ10およびインフレータ20に対して任意の包装率を達成することができる。
図4に示すように、エアバッグ装置1は、エアバッグモジュール30内に配置された少なくとも1つの押し退け量部材70も含むことができる。押し退け量部材70が、密閉容器容量50を効果的に減少させるために、密閉容器容量50の一部を占有することによって、エアバッグ装置1は、任意の包装率を達成することが可能になる。したがって、エアバッグ装置1が押し退け量部材70を含むとき、密閉容器容量50は、押し退け量部材70が占有する空間容量の分だけ減少する。
押し退け量部材70を、図4に示すように、エアバッグモジュール30の内面に取り付けるように構成することができる。たとえば、押し退け量部材70を従来の取り付け金具(たとえば、ボルトまたはねじ)、接着剤、または溶接を用いて、モジュールカバー32の壁部材32b(示されていない)に取り付けることができる。押し退け量部材70を保持板40に取り付けることもできる。また、押し退け量部材70をモジュールカバー32および/または保持板40と一体形成することができる。
押し退け量部材70を十分な空間容量に置き換える一方、同時に押し退け量部材70の重量を低く抑えることができる(そうすると車両総重量を低く抑えることができる)形状に押し退け量部材70を形成することができる。たとえば、図5に示すように、中央空洞部分72を有する、たとえば、みぞ形材のような細長い部材として押し退け量部材70を形成することができる。また、押し退け量部材170を、図7に示すように、丸いカップ形状を有するように形成することもできる。
図4に示すように、空洞部分72がエアバッグモジュール30の内面に向くように押し退け量部材70をエアバッグモジュール30内に配置することができる。したがって、空洞部分72はエアバッグ10から分離されるので、エアバッグ10は空洞部分72に入れないようになる。この要領で、押し退け量部材70がエアバッグ10およびインフレータ20の有効格納容量を減少させるので、エアバッグモジュール30内の空き空間52の量が減少する結果となる。
押し退け量部材70は、少なくとも1つの開口部74を含み、押し退け量部材70の重量をさらに減少させることもできる。たとえば、図6に示すように、開口部74は、1つの貫通穴または複数の貫通穴を含むことができる。また、押し退け量部材70、170は、剛性の織物、網、遮蔽板、または、図7に示すように、開口部172を有する格子構造として形成することができる。
押し退け量部材70は、エアバッグ膨張時エアバッグモジュール30内で温度および圧力に耐えるように構成された材料で作ることができる。たとえば、押し退け量部材70は、金属またはポリマーを含むことができる。また、押し退け量部材70は、図8に示すように、エアバッグモジュール30の内面に吹き付けて剛性状態に硬化するように構成された吹付用発泡樹脂製品を含むことができる。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、エアバッグ装置内の空き空間を低減させて膨張時エアバッグ装置の内圧上昇を向上させるので、エアバッグが急速に展開し車両乗員を効果的に保護することができるエアバッグ装置が提供される。
図10は、本発明によるエアバッグの容量を計算する方法を図示する。図10に示す例において、エアバッグの複数の断面を設定し、各断面の容量をエアバッグの厚さとエアバッグ布地の面積の積で計算し、設定した複数の断面の容量を加算して容量を算出する。技術分野の当業者は、エアバッグの容量を計算する他の方法もまた認識しているであろう。たとえば、エアバッグのさまざまな構成部品のそれぞれの容量を別々に計算して合計してもよい。
本発明の他の好ましい実施形態は、ここに開示した本発明の明細書および実施の考察から技術分野の当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、典型例としてのみ考慮されることを意図するものである。
図1は、本発明によるエアバッグ装置の好ましい実施形態の側面断面図である。 図2は、図1のエアバッグ装置の背面図である。 図3は、エアバッグおよびインフレータを取り除いた図1のエアバッグモジュールの側面断面図である。 図4は、押し退け量部材を含む図1のエアバッグ装置の側面断面図である。 図5は、図4の押し退け量部材の斜視図である。 図6は、本発明による押し退け部材の好ましい実施形態の斜視図である。 図7は、本発明による押し退け部材の好ましい実施形態の斜視図である。 図8は、本発明による押し退け部材の好ましい実施形態の側面断面図である。 図9は、本発明の好ましい実施形態によるエアバッグ装置を従来のエアバッグ装置と比較したときの、時間に対する内圧を示すグラフである。 図10は、本発明によるエアバッグの容量を算出する方法を示す。

Claims (14)

  1. エアバッグモジュールであって、前記モジュールは、
    モジュールカバーと、
    車両緊急事態の際に膨張するように構成されたエアバッグと、
    前記エアバッグを膨張させるためにガスを供給するように構成されたインフレータと、を含み、
    前記インフレータおよび前記エアバッグは、保持板に接続されており、
    前記モジュールカバーおよび前記保持板は、接続されて密閉容器容量を形成しており、さらに、
    前記密閉容器容量対前記エアバッグモジュールの構成部品が占有している前記密閉容器容量の部分の比は、100対40から100対100であることを特徴とするモジュール。
  2. 請求項1に記載のエアバッグモジュールであって、前記モジュールは、さらに、前記密閉容器容量内に配置された押し退け量部材を含むことを特徴とするモジュール。
  3. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、金属を含むことを特徴とするモジュール。
  4. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、ポリマーを含むことを特徴とするモジュール。
  5. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、金網を含むことを特徴とするモジュール。
  6. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、前記エアバッグモジュールの内面に接続されていることを特徴とするモジュール。
  7. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、前記モジュールカバーと一体形成されていることを特徴とするモジュール。
  8. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、前記保持板に接続されていることを特徴とするモジュール。
  9. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、前記保持板と一体形成されていることを特徴とするモジュール。
  10. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、空洞部分を含み、前記エアバッグモジュールの内面に取り付けられるように構成されていることを特徴とするモジュール。
  11. 請求項10に記載のエアバッグモジュールであって、前記押し退け量部材は、少なくとも1つの開口部を含むことを特徴とするモジュール。
  12. 請求項11に記載のエアバッグモジュールであって、前記開口部は、貫通穴を含むことを特徴とするモジュール。
  13. 車両の乗員を保護するためのエアバッグ装置であって、前記装置は、
    エアバッグ、前記エアバッグを膨張させるためのインフレータ、および保持板を含むエアバッグモジュールを含み、
    前記エアバッグおよび前記インフレータは、前記モジュールの密閉された部分の内部に配置されており、さらに、
    前記モジュールの前記密閉された部分の内部の空き空間の容量は、前記モジュールの前記密閉された部分の容量のわずか60パーセント以下であることを特徴とする装置。
  14. 車両の乗員を保護するためのエアバッグ装置であって、前記装置は、
    エアバッグ、前記エアバッグを膨張させるためのインフレータ、および保持板を含むエアバッグモジュールを含み、
    前記エアバッグおよび前記インフレータは、前記モジュールの密閉された部分の内部に配置されており、さらに、
    前記モジュールの前記密閉された部分の容量対前記エアバッグおよび前記インフレータが占有している容量の比は、100対40から100対100であることを特徴とする装置。
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