JP2005254944A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が前後方向略中央の側方部に側突を受けた際に、側突側の車体に加わる荷重を低減して乗員の保護性を向上する。
【解決手段】車両側方部に対する障害物を検出する障害物検出手段SR1他と、障害物21の側突方向及び位置並びに時期を予測する側突予測手段5と、車体加速度を検出する車体加速度検出手段GSF他と、4つの車輪のブレーキを夫々独立で制御可能なブレーキ制御手段9とが備えられ、側突予測手段5により車両略中央部への障害物21の側突が回避不能と予測された場合、ブレーキ制御手段9は、側突直前から車体加速度検出手段GSF他によって検出される側突後の車体加速度が所定値以下になるまでの間、車両の反側突側の後輪の制動力を他3車輪の制動力に比して高くなるよう強制制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の挙動制御装置に関するものである。
車両が障害物等により側突を受けた場合の車両の挙動制御装置に関する従来技術としては、下記特許文献1が知られている。
同文献1は、駆動輪を左右独立して制動する制動手段を持つ車両の車両用衝突緩和装置に関するものであって、衝突により発生する車両状態を検出する衝突状態検出手段と、衝突状態検出手段で検出された車両状態に応じて左右いずれか一方の駆動輪を制動する第1の制動制御手段とを有する。このため、衝突時に一方の駆動輪が制動され、他方の駆動輪はデファレンシャルギアによって駆動力が増大してヨー運動が発生し、このヨー運動の方向を衝突によるヨー運動の方向と一致させることにより衝突の衝撃を緩和できるものとされている(図8参照)。即ち、図8によれば、車両の右前部に矢印Cで示す方向から側突を受け、矢印Dで示す反時計方向のヨー運動が発生した場合、後輪を駆動輪とする後輪駆動車ならば左後輪の制動を行うとともに、右後輪の駆動力を増大させようとするものである。
しかし、上記装置は、側突を受けた後で車輪の制動、及び駆動力の増大の制御を行うものであるため、側突を受けた時点で乗員に加わる初期衝撃荷重を低減する作用を有しておらず、加えて、4つの車輪の制動力を相対的に制御するものではないため、例えば上記例のような場合に、左後輪以外の制動力が相対的に高められていると上記のような駆動力制御を行っても十分に所期の目的を達成できない等、衝撃力を緩和する装置としては不十分である。
特開平9−142284号公報
以上より本発明は、車両が前後方向略中央の側方部に側突を受けた際に、側突側の車体に加わる荷重を低減して乗員の保護性を向上する。
本発明に関わる車両の挙動制御装置の第一の構成は、車両が障害物により側突を受ける際の車両の挙動制御装置であって、車両に設けられ、車両側方部に対する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物の側突方向及び位置並びに時期を予測する側突予測手段と、車体加速度を検出する車体加速度検出手段と、4つの車輪のブレーキを夫々独立で制御可能なブレーキ制御手段とが備えられ、障害物検出手段によって障害物が検出されるとともに、側突予測手段により車両前後方向の略中央部への障害物の側突が回避不能と予測された場合、ブレーキ制御手段は、側突直前から車体加速度検出手段によって検出される側突後の車体加速度が所定値以下になるまでの間、車両の反側突側後輪の制動力が他3車輪の制動力に比して高くなるよう強制制御するものである。
第一の構成によれば、障害物検出手段により車両の側方の障害物が検出され、側突予測手段により車両前後方向略中央部への障害物の側突が回避不能と予測される時、つまり実際に側突を受けるよりも以前から、車両の反側突側後輪の制動力を他3車輪の制動力に比して高くなるよう強制制御するものであるところから、例えば車両左側略中央部に側突されると予測される場合は車両右後輪の制動力を他の3つの車輪の制動力に比して高くなるよう衝突直前から強制制御しておくものとされる。通常の自動車では前輪が転舵可能とされ、通常走行時において運転者の意思によるステアリング操作によって前輪が転舵され、車両は前輪の転舵の方向に従って曲がるようにされており、左方向から側突を受けると運転者が判断した場合、運転者は右方向にステアリングを切り、前輪が右に転舵されることにより衝突による荷重低減を図ろうとする行動をとる。また、交差点内での右左折時には通常、運転者がステアリングを操作して前輪がある程度転舵された状態である場合が多い。このような状態において前輪のブレーキに制動力をかけたのでは、側突によって加わる衝撃を緩和できる車両のヨー運動を発生させることが困難となってしまう。したがって、前後方向略中央部に側突を受ける場合には後輪の制動力を高めておく方が、実際に側突されたその時点から車体のヨー運動が発生し、側突初期の衝撃荷重を低減し易くなる点で有利であり、その結果、被側突部の車室内側への侵入量が低減できるとともに、乗員の保護性を向上することができる。
また、第一の構成によれば、ブレーキ制御手段による上記強制制御は、側突直前から車体加速度検出手段によって検出される側突後の車体加速度が所定値以下になるまでの間とされている。これによって、側突を受けた車両は、側突時から比較的急激な荷重を受けることによりある時間が経過するまで加速度が高まり、その後に加速度が低下していくことになるが、この加速度の低下を穏やかにするために加速度が所定値以下になった時点で後輪の制動力を高めている制御を解除するものである。その結果、乗員の身体的負担を低減すると共に、不安感も早期に払拭することが可能となる。
なお、障害物検出手段としては、例えば60GHz帯、または76GHz帯の周波数を利用して障害物との距離を刻々と検出するミリ波レーダ、或いは車載赤外線カメラで障害物を捕らえるとともに映像を画像処理するシステム等が考えられる。また、障害物検出手段の取り付け位置は、例えば車両の左右側方夫々に複数備えている構造、或いは車両ルーフ部中央に備えられている構造等、どの位置に設けられても良く、要は当該車両に対する距離、位置、角度等の情報が正確に得られる構造であれば良い。
また、本発明において、「側突直前」の時は任意に定められるが、当該側突を受ける車両と側突してくる障害物が相対的に動いていると、障害物が当該車両のどこにどの方向から衝突してくるのかを衝突ギリギリまで見極める必要があり、一方で1つの車輪に確実に制動力を与えるに必要な時間もあるところから、例えば、衝突すると予測される時刻の約0.5秒から1.5秒前位が適当である。
本発明に関わる第二の構成は、上記第一の構成に係り、車両の停車時または徐行時に側突予測手段が側突を予測した時、ブレーキ制御手段は、反側突側後輪をロック状態に強制制御するものである。
第二の構成によれば、車両の停車時または徐行時に障害物検出手段により車両の側方の障害物が検出され、側突予測手段により車両前後方向の略中央部への側突が回避不能と予測される時、4つの車輪のうち、車両の反側突側後輪をロック状態に強制制御するものであるところから、交差点内における前輪の転舵状態との相乗効果によりヨー運動が発生しやすく、側突初期の衝撃荷重を低減することが可能で、被側突部の車室内側への侵入量が低減できるとともに、乗員の保護性を向上することができるという上記第一の構成による効果をより一層奏することができる。
本発明に関わる第三の構成は、上記第一または第二の構成に係り、車両にはさらに乗員の着座位置を検出する乗員位置検出手段が備えられ、側突直前に乗員位置検出手段によって乗員が被側突側位置にいないことが検出されている場合には、強制制御の実行をキャンセルするものである。
第三の構成では、例えば、右ハンドル車に運転者のみが搭乗し、通常速度で直進走行している時に急に左方から車両前後方向の略中央部に他車が側突してくる状況において、反側突側後輪、つまり右後輪に強制的に強い制動力を加えると、車両は激しく右方向に回転し、運転者に大きな不安感を与えてしまう虞もある。従ってこれを防止するために、反側突側後輪の制動力を高める、或いはロック状態とする強制制御の実行をキャンセルすることが有効である。なお、右ハンドル車に運転者のみが搭乗し、停止または徐行時に左方から車両前後方向の略中央部に他車が側突してくる状況においては、車両左方部が車室内側に侵入してきても直接、損傷を受ける乗員が左側にはおらず、且つ運転者についても車両左側部材による直接的ダメージも少ないことから上記強制制御をキャンセルすることの問題点は少ない。
乗員位置検出手段としては、特に限定されるものではなく、乗員がどのシートに着座しているかが検出されるものであれば何でも良い。例えば、車室内カメラで乗員の位置を検出するようにしても良いし、或いは乗員が着座するシートに重量センサが備えられ、シートに所定以上の重量が加わっている場合は乗員が着座しているものと判断するような乗員位置検出手段等が考えられる。
以上、本発明によれば、車両が前後方向略中央の側方部に側突を受けた際に、側突側の車体に加わる荷重を低減して乗員の保護性を向上することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る自車(車両)1の挙動を制御する構成を示すブロック図、図2は、自車1が相手車(障害物)21によって側突を受ける前後の自車1の状態を示す模式図、図3は、本発明の制御を実行するための全体的動作を示すフローチャートである。
図1によれば、自車1には、右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、及び左後輪WRLの4つの車輪が備えられ、乗員の操作により右前輪WFRと左前輪WFLとを転舵可能なステアリングSTが設けられている。
また、右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、及び左後輪WRLの車輪には夫々右前輪ブレーキ装置BFR、左前輪ブレーキ装置BFL、右後輪ブレーキ装置BRR、及び左後輪ブレーキ装置BRLが設けられているとともに、これら4つのブレーキ装置は、ブレーキ制御手段9により夫々が独立して制動力を制御可能なようにされている。
本実施の形態では、ブレーキ制御手段9は、油圧制御により4つのブレーキ装置へ供給する油圧を独立で制御するものとするが、これとは別に、4つのブレーキ装置夫々にモータを設けると共にそのモータに通電してモータを駆動し、回転するブレーキディスクに対してパッド部材を押し付けて制動力を得る、所謂ブレーキバイワイヤ方式のブレーキ制御手段であっても良い。
また、自車1には、その前方部に前方加速度センサGSF、その後方部に後方加速度センサGSB、その右方部に右方加速度センサGSR、及びその左方部に左方加速度センサGSLが設けられている。なお、図1において、上記4つの加速度センサは夫々、車両の前後左右端部に設けられているように記載しているが、実際には側突によって破損しない位置に配設されているものとする。
また、自車1の右側方部には、障害物検出手段SR1及びSR2が備えられ、さらに車両1の左側方部には、障害物検出手段SL1及びSL2が備えられている。そしてこれらの障害物検出手段SR1及びSR2は自車1の右側方の障害物を検出し、障害物検出手段SL1及びSL2は自車1の左側方の障害物を検出するようになっている。
なお、本実施の形態では、これらの障害物検出手段はミリ波レーダを発信すると共に障害物に反射して戻ってきた反射波を検出するものとされるが、別に赤外線カメラにより障害物を捉える障害物検出手段であっても良い。なお、図1の障害物検出手段SR1他から自車側方に延びる2点鎖線は、ミリ波レーダが発信される範囲を一例として示している。
また、自車1には、乗員の着座位置を検出する乗員位置検出手段PS1、PS2、PS3及びPS4が設けられている。これら乗員位置検出手段PS1、PS2、PS3及びPS4は、例えば特許文献、特開2000−258233号公報に開示されているようなもので良く、乗員が着座するシート(図示なし)のシートクッション下部に配設されてなるもので、乗員が着座すると該乗員の体重が荷重センサ部に荷重として加わり、これにより乗員が着座している位置が検出可能とされる。
先に説明した障害物検出手段SR1、SR2、SR3及びSR4によって検出された障害物に関する情報と、加速度検出手段である前方加速度センサGSF、後方加速度センサGSB、右方加速度センサGSR、及び左方加速度センサGSLによって検出された車両1の加速度と、乗員位置検出手段PS1、PS2、PS3及びPS4によって検出された乗員位置情報は夫々、コントロールユニット3に入力される一方、コントロールユニット3からはブレーキ制御手段9を介して強制的に制動力を高めるべき車輪に制動及び制動解除の指示が出力される。
これをさらに詳細に説明すると、コントロールユニット3には、障害物検出手段SR1、SR2、SL1及びSL2によって検出された障害物に関する情報を時々刻々と収集して車両1に対する障害物の側突方向及び位置並びに時期を予測する側突予測手段5が設けられている。
次に、図1と図2に基づいて本発明に係る制御の基本パターンを簡単に説明する。ここで図2(A)は自車1の右前方部に対して相手車21が側突する直前の状態を示し、図2(B)は相手車21が自車1に側突した直後の状態を示している。
まず図2(A)に示すように、自車1の左側で前後方向略中央部に対して相手車21が側突するのが回避不可能であると側突予測手段5が予測した場合、コントロールユニット3は、ブレーキ制御手段9を介して、自車1の反側突側の車輪、即ち右後輪WRRの制動力を他3車輪(右前輪WFR、左前輪WFL及び左後輪WRL)の制動力に比して高くなるよう強制制御する。つまり、強制的に右後輪ブレーキ装置BRRの制動力が右前輪ブレーキ装置BFR、左前輪ブレーキ装置BFL、及び左後輪ブレーキ装置BRLの制動力よりも高められる。
側突直前からこのように制御しておくと、図2(B)に示すように、側突された時点から直ちに自車1の前方部は、右後輪WRR付近を中心として反側突側へのヨー運動の発生が起こりやすく、その結果、相手車21による初期入力荷重の低減ができる。
また、制動力を強制的に高める車輪は、自車1の反側突側の後輪WRRとしているところから、側突に伴うダメージが少なく、強制制御が機能しなくなる可能性は極めて低く、信頼性が向上できるという効果もある。
次に、図3に基づいて、本発明の制御を実行するための全体的動作を示すフローチャートを説明する。
図3において、スタートした後、まずステップS100において、障害物検出手段SR1、SR2、SL1及びSL2と、側突予測手段5とにより自車1が相手車21によって側方からの衝突を受けるかどうかを演算し、次ステップS300に移る。
ステップS300は、ステップS100において自車1が相手車21によって側方からの衝突を受けるという演算結果の場合に、所定の車輪に対してブレーキ制御手段9により制御を開始するタイミングを決定するステップで、制御を開始すべき時刻になった時点で、次ステップS500に移る。
ステップS500はブレーキ制御を実行するステップで、ここではステップS100における演算結果、即ち、自車1の左右いずれの側に衝突を受けるのか、そして車両前後方向位置においてどこに衝突を受けるのかに応じて、どの車輪のブレーキの制動力を他の3輪の制動力よりも高めるのか等を判断した後、ブレーキ制御手段9を介して所定の車輪のブレーキの制動力を他の3輪の制動力よりも高める制御を強制的に行ない、衝突を受けた後においては、前方加速度センサGSF他の加速度検出手段で検出している自車1の加速度が所定値以下になるまでの間、制動力強制制御を行ない、制御がエンドされる。
以上の制御フローについて、ステップS100の詳細を示すフローチャートである図4、ステップS200の詳細を示すフローチャートである図5、及びステップS300の詳細を示すフローチャートである図6に基づいて、より詳細な説明を行う。
ステップS100のフローでは、まずステップS105で、自車1の側方の障害物が車か否かを判断する。この判断は、障害物検出手段SR1及びSR2、又はL1及びSL2によって自車1の側方部に対する障害物の大きさを検出することによって行われる。即ち、自車の右側方部の障害物に対しては障害物検出手段SR1及びSR2により障害物を検出し、一方、自車の左側方部の障害物に対しては障害物検出手段SL1及びSL2で障害物を検出するが、これら障害物検出手段SR1、SR2、SL1及びSL2は先に説明したように、ミリ波レーダを自車の右側方若しくは左側方に向かって発信し、障害物に当たって反射してくる反射波を検出するものであって、このミリ波レーダを利用すれば、発信から受信までの時間の計測により自車1と障害物との距離が計測されるとともに、図1に示すように、例えば右方に対しては2つの障害物検出手段SR1及びSR2とが夫々所定角度範囲をもってミリ波の発信と受信をしているために、障害物の大きさ(上下方向長さと左右方向長さから求まる大きさ)が把握できる。したがって、障害物が時々刻々と移動している所定の大きさのものであれば障害物は車か否かが判断可能である。
このようにしてステップS105で、側方障害物が相手車21であると判断された場合にはステップS110に進み、車ではないと判断された場合にはスタートに戻る。
ステップS110では、側突予測手段5において、自車1の速度と進行方向の演算結果と、相手車21の速度と進行方向の演算結果とに基づいて、自車1の側方に相手車21が衝突してくると予測される時刻、及び自車1の側方の前後方向におけるどこの位置に衝突してくるかという衝突位置の予測演算を行う。
そして、自車1の速度と進行方向の演算については、例えば周知の車速センサ(不図示)のデータを読み込んで自車1の速度とする一方、4つの加速度センサ、即ち、前方加速度センサGSF、後方加速度センサGSB、右方加速度センサGSR、及び左方加速度センサGSLによって自車1が直進中であるか、左右いずれかに曲がろうとしているのかが演算可能である。なお、自車1の進行方向については、右前輪WFRと左前輪WFLの舵角を検知する舵角センサ(不図示)の情報に基づいても良い。
また、相手車21の速度と進行方向の演算については、障害物検出手段SR1及びSR2、又はSL1及びSL2によって検出された情報と、上記自車1の速度と進行方向の演算結果とに基づいて演算される。即ち、自車1の速度と進行方向の演算を上記のようにして時々刻々と実行しつつ、一方で例えば障害物検出手段SR1及びSR2により自車1の右側方部と相手車との距離を時々刻々と計測することにより相手車21の速度(自車1が停止している場合は相手車21の実速度、自車1と相手車21が共に走行している場合は相対速度)が演算できる。また、右方を例にすると、相手車21の進行方向は、障害物検出手段がSR1とSR2とで構成されているところから、障害物検出手段SR1と障害物検出手段SR2と個別の情報に基づいて、例えば、自車1の右側方部に対して、相手車21が略直進状態(自車1と相手車21とが略T字状態)で進んできているのか、或いは自車1の右側方部に対して、相手車21が鋭角的(自車1と相手車21とが略V字状態)に進んできているのかが分かる。
そして、上記自車1の速度と進行方向の演算の結果と、上記相手車21の速度と進行方向の演算の結果に基づけば、自車1に対する相手車21の衝突時刻の予測と、自車1の前後方向のどの位置に相手車21が衝突してくるのかという衝突位置の予測の演算が可能である。
なお、衝突予測時刻と衝突予測位置の演算は、側突予測手段5において継続して繰り返し行われつつ、次ステップS115に進む。
ステップS115は、自車1が停止又は徐行の速度で走行しているのか、或いは徐行以上の速度で走行しているのかを判断するステップである。そして自車1が停止又は徐行の速度で走行している場合には次ステップS120に進み、徐行以上の速度で走行している場合にはスタートへ戻る。ここで、徐行以上の速度で走行している場合にはスタートへ戻るようにしているが、これは、徐行以上の速度、例えば時速40km程度で直進、或いは時速30km程度で右折又は左折している状態において、相手車21が時速50km程度で側突をしてきた場合に、ある1つの車輪に対して他の3輪よりも強制的に高い制動力を加えると側突を受けた車両は容易にスピン状態となってしまうが、これを回避するためである。
なお、徐行の速度は任意に設定できるが、交差点内で右折する際に一旦停止して左方を確認しつつ走行する程度の、例えば時速5km程度を設定すれば良い。
ステップS120では、上記ステップS110で演算した相手車21の速度に基づき、相手車21の速度が予め定めていた所定速度よりも速い、例えば時速40km以上である場合には、次ステップS125に進み、所定速度よりも遅い速度である場合にはスタートへ戻る。
ステップS125では、上記ステップS110の演算結果に基づき、自車1の側方部に相手車21が衝突すると判断された場合、次ステップS130に進み、衝突しないと判断された場合にはスタートへ戻る。
続くステップS130では、乗員の着座位置を検出する乗員位置検出手段PS1、PS2、PS3及びPS4の検出結果に基づいて、自車1の被衝突側に乗員がいるか否かを判断し、次ステップS300へ進むか、或いはスタートへ戻るかが判断される。即ち、例えば、ステップS125まで進んで、自車1の左側方部に対して相手車21が衝突すると予測されており、且つ自車1の左側座席に乗員がいる、つまり、乗員位置検出手段PS2とPS4の少なくとも一方に乗員がいると検出されている場合は次ステップS300に進み、乗員位置検出手段PS2とPS4のいずれにも乗員がいないと検出されている場合には、スタートへ戻る。
このステップS130は、ステップS115で自車1が停止又は徐行の速度で走行していると判断され、さらにステップS125で自車1の側方部に相手車21が衝突すると判断された場合である。したがって、自車1の被側突側に乗員がいると、側突による入力荷重により側突側のドア部材等の車体部材が車室内側に侵入して被側突側の乗員が直接ダメージを受ける可能性があり、そのダメージを低減するために次ステップ300に進むようにされている。
ステップS300は、ステップS130で自車1が相手車21によって側方からの衝突を受けるという判断がされた場合に、所定の車輪に対してブレーキ制御手段9により制御を開始するタイミングを決定するステップである。図5は、ステップS300の制御フローを示す図である。
同図によれば、ステップS300にはステップS305が設けられ、該ステップS305において、衝突予測時刻よりも所定時間前に達したか否かに応じて次のステップに進むか否かを判断する。先に説明したように、側突を受ける自車1と側突してくる相手車21が相対的に動いていると、相手車21が自車1のどこにどの方向から衝突してくるのかを衝突ギリギリまで見極める必要があり、一方で1つの車輪に確実に制動力を与えるに必要な時間も必要であるところから、上記「所定時間」の設定は任意であるが、例えば、約0.5秒から1.5秒位が適当である。
本実施の形態において、衝突予測時刻よりも1秒前をステップS305における所定時間前と設定する場合で説明すると、上記ステップS110にて衝突予測時刻が演算され、この演算結果である衝突予測時刻よりも1秒前をステップS305に設定しておく。そして、衝突予測時刻よりも1秒以上前である場合には、再度、ステップS305で衝突予測時刻よりも1秒前に達したか否かを判断するように制御する。即ち、衝突予測時刻よりも1秒前に達するまで次のステップに進むのを待機するようにループ制御をかけ続け、衝突予測時刻よりも1秒前に達した時点で初めて次ステップS500に進む。
ステップS500は、ブレーキ制御を実行するステップで、その詳細な制御フローを図6に示す。
ステップS500では、まず上記ステップS110で演算された結果に基づいて、自車1が衝突を受けるのは右側か、又は左側かをステップS505にて判断するとともに、それに応じて次ステップに進む。即ち、衝突予測位置が右側であると予測された場合はステップS510に進み、衝突予測位置が左側であると予測された場合はステップS515に進む。
ステップS510とステップS515では、衝突予測位置が車両前後方向において前方部か、中央部か、又は後方部かに応じて次ステップS520のうち、どの制御ステップに進むかが判断される。ここでステップS520は、ステップS510とステップS515の結果に基づいて、コントロールユニット3からブレーキ制御手段9に対して強制的に制動力を高めるべき車輪への制動指示が出力される。具体的には、ステップS510において、衝突予測位置が右後方部とされている場合にはステップS520aに進んで左前輪WFLをロック状態とすべく左前輪ブレーキ装置BFLの制動力を高めるようブレーキ制御手段9に信号を出力し、ブレーキ制御手段9はこれを実行する。
また、ステップS510において、衝突予測位置が右前方部又は右中央部とされている場合にはステップS520bに進んで左後輪WRLをロック状態とすべく左後輪ブレーキ装置BRLの制動力を高めるようブレーキ制御手段9に信号を出力し、ブレーキ制御手段9はこれを実行する。
一方、ステップS515で、衝突予測位置が左後方部であるとされている場合には、ステップS520cに進んで右前輪WFRをロック状態とすべく右前輪ブレーキ装置BFRの制動力を高めるようブレーキ制御手段9に信号を出力し、ブレーキ制御手段9はこれを実行する。
また、ステップS515で、衝突予測位置が左前方部又は左中央部であるとされている場合には、ステップS520dに進んで右後輪WRRをロック状態とすべく右後輪ブレーキ装置BRRの制動力を高めるようブレーキ制御手段9に信号を出力し、ブレーキ制御手段9はこれを実行する。
なお、図6には示していないが、ステップS520で所定の車輪をロック状態とすべくブレーキ制御手段9に信号を出力し、ブレーキ制御手段9がこれを実行するが、上記所定の車輪以外の3輪はこれよりも制動力が低い状態、あるいは制動力の無い状態とされる。したがって、運転者がブレーキ操作して4輪全てに強い制動力を与えようとしても、上記強制制御により、上記所定の車輪のブレーキの制動力は当該車所定車輪がロック状態となるまで高められるとともに、他の3輪はこれよりも制動力が低い状態、あるいは制動力の無い状態とされて、相手車21による衝突に備えた状態となっている。これにより、例えば図2で示した例では、側突された時点から直ちに自車1の前方部は、右後輪WRR付近を中心として反側突側へのヨー運動の発生が起こりやすく、その結果、相手車21による初期入力荷重の低減ができることになる。
ステップS520、即ち、ステップS520a、ステップS520b、ステップS520c、ステップS520dのいずれかが実行されるとステップS525に進んで実際に自車1が衝突されたか否かを判断する。
ステップS525では、コントロールユニット3に入力されている加速度検出手段、即ち加速度センサGSF、後方加速度センサGSB、右方加速度センサGSR、及び左方加速度センサGSLの検出加速度に基づいて、実際に自車1が衝突されたか否かが判断される。なお、この判断は、ステップS110にて予測された衝突予測時刻から所定時間、例えば0.5秒経過時に行われるようにしておく。ステップS525で自車1の加速度が検出されないまたは検出されない程度に小さい場合には相手車21により衝突されなかった、即ち、Noと判断してステップS535に進む。一方、自車1の加速度が相手車21により衝突を受けた値であると判断される場合、即ち、Yesである場合にはステップS530に進む。
ステップS530では、衝突を受けた後、自車1の車体加速度がどの程度まで小さくなっているかに応じて次ステップS535に進むか否かを判断する。即ち、ステップS530では、自車1の車体加速度が所定値を超える場合には、Noとして所定値以下にまで車体加速度が低下するまでループする。一方、自車1の車体加速度が所定値以下である場合には次ステップS535に進む。
ステップS535では、上記ステップS520から実行しているブレーキ強制制御を解除する。即ち、コントロールユニット3からブレーキ制御手段9に対して、ブレーキ強制制御を行っている車輪、つまりロック状態とすべく制動力を高めている所定の車輪と、これよりも低い制動力とされている3車輪とを、運転者の操作で制御可能な状態に戻す。
図7は、ステップS535で所定の車輪への制動力強制制御を解除する効果を示す図である。これによれば、側突を受けると自車1において加速度Gが急激に発生し、ある時間T1が経過すると、加速度Gは負の加速度となる。ここで制動力強制制御を実行し続けていると、負の加速度Gの低下も急激なものとなる(実線で示す)が、負の加速度になって所定の加速度(−G1)になった時点で制動力強制制御を解除すると、自車1は強制制御されていた後輪がフリー状態となるためにヨー運動が抑制されるように動くことが可能となり、その結果、負の加速度の低下度が穏やかとなる(破線で示す)。そしてこれにより、乗員の身体的負担を低減すると共に、不安感も早期に払拭することが可能となる。なお、加速度Gは、前方加速度センサGSF、後方加速度センサGSB、右方加速度センサGSR、及び左方加速度センサGSLによって検出される。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、発明の主旨からするとこれに限定されるものではない。例えば、時速20kmで自車1が直進走行中又は右折或いは左折中において、相手車21が自車1の前後方向略中央部に側突してくると予測された場合、所定の後輪の制動力を当該後輪がロック状態となるまで高めるのではなく、他の3輪よりも少し高く設定する制御であっても良い。そしてこのような制御の場合、ステップS110の速度条件、ステップS520の制動力条件等を変更すれば対応が可能であり、本発明の目的である、車両が前後方向略中央部に側突を受けた際に、側突側の車体に加わる荷重を低減して乗員の保護性を向上するとともに、その作動の信頼性が高い車両の挙動制御装置を提供することも達成できる。
本発明の実施の形態に係る自車(車両)1の挙動を制御する構成を示すブロック図 自車1が相手車(障害物)21によって側突を受ける前後の自車1の状態を示す模式図であり、(A)は自車の右前方部に対して相手車が側突する直前の状態、(B)は相手車が自車に側突した直後の状態を夫々示す図 本発明の制御を実行するための全体的動作を示すフローチャート 図3におけるステップS100の詳細な制御フロー図 図3におけるステップS300の詳細な制御フロー図 図3におけるステップS500の詳細な制御フロー図 ステップS535で所定の車輪への制動力強制制御を解除する効果を示す図 従来技術を示す図
符号の説明
1・・・車両(自車)
3・・・コントロールユニット
5・・・側突予測手段
9・・・ブレーキ制御手段
21・・・障害物(相手車)
WFR,WFL,WRR,WRL・・・車輪
BFR,BFL,BRR,BRL・・・ブレーキ装置
GSF,GSR,GSL,GSB・・・加速度検出手段
SR1,SR2,SL1,SL2・・・障害物検出手段
PS1,PS2,PS3,PS4・・・乗員位置検出手段

Claims (3)

  1. 車両が障害物により側突を受ける際の上記車両の挙動制御装置であって、
    上記車両に設けられ、該車両側方部に対する障害物を検出する障害物検出手段と、
    上記障害物の側突方向及び位置並びに時期を予測する側突予測手段と、
    車体加速度を検出する車体加速度検出手段と、
    4つの車輪のブレーキを夫々独立で制御可能なブレーキ制御手段とが備えられ、
    上記障害物検出手段によって上記障害物が検出されるとともに、上記側突予測手段により上記車両前後方向の略中央部への上記障害物の側突が回避不能と予測された場合、上記ブレーキ制御手段は、側突直前から上記車体加速度検出手段によって検出される側突後の車体加速度が所定値以下になるまでの間、上記車両の反側突側後輪の制動力が他3車輪の制動力に比して高くなるよう強制制御することを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 請求項1において、上記車両の停車時または徐行時に上記側突予測手段が側突を予測した時、上記ブレーキ制御手段は、反側突側後輪をロック状態に強制制御することを特徴とする車両の挙動制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、上記車両にはさらに乗員の着座位置を検出する乗員位置検出手段が備えられ、側突直前に該乗員位置検出手段によって乗員が被側突側位置にいないことが検出されている場合には、上記強制制御の実行をキャンセルすることを特徴とする車両の挙動制御装置。
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