JP2005254359A - 埋設管の管内処理機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 埋設管内を移動可能な装置本体と、この装置本体の中心部に回転自在に支持される回動軸と、この回動軸に軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合すると共に装置本体に軸方向摺動可能且つ相対回転可能に支持される支持体と、この支持体の先端部に装着されて埋設管内の処理を行う管内処理手段と、同支持体を装置機本体に対し進退駆動し得る進退駆動手段と、回動軸を回動させる回転駆動手段とを備えた、埋設管の管内処理機において、装置の構造簡素化とコンパクト化を図る。
【解決手段】 回転駆動手段Drが、回動軸Jと平行な出力軸6を有して装置本体1内に配設されるモータMと、このモータMの出力軸6に回動軸Jを連動回転させる平歯車列Gとを備えており、その平歯車列Gの一部の歯車Glの外周部に圧接し得るブレーキパッド7を有して回動軸Jを任意の回動位置に保持可能なブレーキ手段Bが装置本体1に配設される。
【選択図】 図3
【解決手段】 回転駆動手段Drが、回動軸Jと平行な出力軸6を有して装置本体1内に配設されるモータMと、このモータMの出力軸6に回動軸Jを連動回転させる平歯車列Gとを備えており、その平歯車列Gの一部の歯車Glの外周部に圧接し得るブレーキパッド7を有して回動軸Jを任意の回動位置に保持可能なブレーキ手段Bが装置本体1に配設される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、埋設管の管内処理機、特に埋設管内を移動可能な装置本体と、この装置本体の中心部に回転自在に支持される回動軸と、この回動軸に軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合すると共に装置本体に軸方向摺動可能且つ相対回転可能に支持される支持体と、この支持体の先端部に装着されて埋設管内の処理を行う管内処理手段と、同支持体を装置機本体に対し進退駆動し得る進退駆動手段と、回動軸を強制回動する回転駆動手段とを備えた、埋設管の管内処理機に関する。
地中に埋設された種々の埋設管、例えばケーブル敷設管、ガス管、水道管、下水管等は、その内面が補修、補強等のためにライニング材でコーティングされることがあり、このライニング材は、本管から分岐管がある場合にその分岐部を閉塞してしまう。そのため、従来より、本管から穿孔機と呼ばれる上記管内処理機を挿入移動させて、穿孔ドリル等の穿孔手段(管内処理手段)により、分岐部を閉塞しているライニング材を穿孔することが行われる。
そして、このような穿孔機においては、その装置本体を本管内の分岐管分岐部の近くまで移動させた後、該装置本体に対して支持体を進退駆動させ、且つ回動軸を介して支持体を回動させることで、穿孔手段を該分岐部に対する適正な穿孔作業位置におくようにしている(下記の特許文献1を参照)。
特開2001−116169
ところで上記従来の管内処理機(穿孔機)では、装置本体に対し回動軸を回動させる回転駆動手段が、電動モータと、このモータ出力軸及び回動軸間を連動させる、ウォームギヤ、傘歯車等を含む複数段の歯車列とで構成されていて、モータ停止時に回動軸(従って穿孔手段)の回動位置をロックするロック機能を発揮し得る構造となっていたが、全体として部品点数が多く大型化であるため、コストが嵩み、また管内処理機自体の小型化を図る上で不利であった。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の上記問題を簡単な構造で解決できるようにした、埋設管の管内処理機を提供することを目的とする。
前記目的達成のため、請求項1の発明は、埋設管内を移動可能な装置本体と、この装置本体の中心部に回転自在に支持される回動軸と、この回動軸に軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合すると共に装置本体に軸方向摺動可能且つ相対回転可能に支持される支持体と、この支持体の先端部に装着されて埋設管内の処理を行う管内処理手段と、同支持体を装置機本体に対し進退駆動し得る進退駆動手段と、回動軸を強制回動する回転駆動手段とを備えた、埋設管の管内処理機において、回転駆動手段が、回動軸と平行な出力軸を有して装置本体内に配設されるモータと、このモータの出力軸に回動軸を連動回転させる平歯車列とを備えており、その平歯車列の一部の歯車の外周部に圧接し得るブレーキパッドを有して回動軸を任意の回動位置に保持可能なブレーキ手段が装置本体に配設されることを特徴とする。
また請求項2の発明は、請求項1の上記特徴に加えて、前記平歯車列が、前記モータの出力軸に固定の小径歯車と、前記回動軸に固定の大径歯車とより構成され、その大径歯車の外周部に前記ブレーキ手段が圧接し得るようにしたことを特徴とする。
また請求項3の発明は、請求項1又は2の上記特徴に加えて、前記モータが油圧モータであり、その油圧モータの作動油圧を用いて前記ブレーキ手段の作動・不作動の切換えが行われることを特徴とする。
また請求項4の発明は、請求項3の上記特徴に加えて、前記ブレーキ手段が、歯車外周部に対向するブレーキパッドと、このブレーキパッドを保持すると共に前記装置本体に摺動可能に支持されたパッド支持部材と、このパッド支持部材を介してブレーキパッドを歯車外周部に向けて常時付勢して該パッドを歯車外周部に圧接し得る弾発手段と、前記油圧モータの作動油圧が供給されると該弾発手段の付勢力に抗してブレーキパッドを歯車外周部より強制離間させる油圧アクチュエータとを備えることを特徴とする。
また請求項5の発明は、請求項4の上記特徴に加えて、前記油圧モータが正逆転可能であり、この油圧モータに対しこれを正転駆動する作動油および逆転駆動する作動油をそれぞれ供給する第1および第2の油路が、シャトル弁を介して前記油圧アクチュエータに選択的に接続されることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、回動軸、従って管内処理手段を回動させる回転駆動手段が、回動軸と平行な出力軸を有して装置本体内に配設されるモータと、このモータの出力軸に回動軸を連動回転させる平歯車列とを備え、その平歯車列の一部の歯車の外周部に圧接し得るブレーキパッドを有して回動軸を所望の回転位置に保持可能なブレーキ手段が装置本体に設けられるので、回動軸とモータ出力軸間を平歯車列で連動させても、モータ停止時に回動軸の回動位置をブレーキ手段を以て固定でき、従って、管内作業中に管内処理手段が装置本体に対し妄りに回動するのを防止できて、管内処理作業を的確に行うことができる。またモータと回動軸間を、単純な平歯車列で連動させたことにより、その連動構造を頗る簡素化でき、しかもその平歯車列の一部の歯車を、ブレーキ手段と協働するブレーキドラムに兼用でき、これにより、全体として装置の構造簡素化と小型化に寄与することができる。
また特に請求項2の発明によれば、前記平歯車列が、モータの出力軸に固定の小径歯車と、回動軸に固定の大径歯車とより構成されるので、該平歯車列により回動軸を減速駆動でき、しかもその減速歯車列の大径歯車の外周部にブレーキ手段を圧接させるので、比較的小さな力で充分な制動効果が得られ、ブレーキ手段の小容量化に寄与し得る。
また特に請求項3の発明によれば、モータが油圧モータであり、その作動油圧を用いてブレーキ手段の作動・不作動の切換えが行われるので、油圧モータの作動に関連付けてブレーキ手段の作動・不作動の切換えを自動的且つ的確に行うことができ、しかもその切換手段の構造簡素化が図られる。
また特に請求項4の発明によれば、ブレーキ手段が、歯車外周部に対向するブレーキパッドと、このブレーキパッドを回転可能に保持すると共に装置本体に摺動可能に支持されたパッド支持部材と、このパッド支持部材を介してブレーキパッドを歯車外周部に向けて常時付勢して該パッドを歯車外周部に圧接し得る弾発手段と、油圧モータの作動油圧が供給されると該弾発手段の付勢力に抗してブレーキパッドを歯車外周部より強制離間させる油圧アクチュエータとを備えるので、油圧モータの不作動時(即ち回動軸の回動停止時)には弾発手段の弾発力を利用してブレーキ手段を的確にブレーキ作動させることができ、また油圧モータの作動時(即ち回動軸の回動時)には、該モータの作動油圧でブレーキ手段のブレーキ作動を的確に解除できる。
また特に請求項5の発明によれば、油圧モータに対しこれを正転駆動する作動油を供給する第1の油路と逆転駆動する作動油を供給する第2の油路とが、シャトル弁を介して前記油圧アクチュエータに選択的に接続されるので、油圧モータ、従って回動軸を正,逆何れに回動させるときも、その作動油圧をブレーキ手段の作動解除に有効に利用できる。
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
添付図面は、本発明を埋設管の穿孔機に適用した一実施例を示すものであって、図1は、穿孔機の一実施例の埋設管内での使用状態を示す縦断面図、図2は、図1の2矢視拡大図、図3は、穿孔機の要部拡大水平縦断面図(図1の3−3線に沿う拡大断面図)、図4は、穿孔機の要部拡大鉛直縦断面図(図3の4−4線に沿う断面図)、図5は、図4の5−5線に沿う拡大断面図、図6は、図4の6矢視部拡大図、図7は、回動軸駆動用の油圧モータを作動させる油圧回路の一例を示す回路図、図8は、支持体としてのスイベルインナの前進状態を示す、図3対応断面図である。
図1において、地中Eに埋設される埋設管としての下水本管Pの内面には、該管Pを補修又は補強するためのライニング材Lがコーティング処理されており、このライニング材Lは、例えば、従来公知のようにマンホール(図示せず)よりチューブ状の熱硬化性樹脂を下水本管P内に挿入し、膨張・熱硬化させることより、下水本管Pの内面に被着される。その下水本管Pの途中からは、地上の複数の住宅等に対応して複数の分岐管Pa…が分岐しており、それらの分岐部は、前記ライニング材Lにより閉塞される。その閉塞部を穿孔加工するために、例えばマンホールから下水本管P内に装入されて該本管P内を移動可能な穿孔機Aが用いられ、この穿孔機Aが本発明の管内処理機を構成する。次に図2〜図6を併せて参照して、穿孔機Aの具体的構成を説明する。
この穿孔機Aは、下水本管P内を移動可能な装置本体1と、この装置本体1の中心部を縦通するように延びて装置本体1に軸受b及びスプライン軸受b′を介して基部が回転自在に支持されるスプライン軸よりなる回動軸Jと、この回動軸Jの先部にスプライン軸受b′を介して軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合すると共に装置本体1にスイベルアウタSoを介して軸方向摺動可能且つ相対回転可能に支持される支持体としてのスイベルインナSiと、このスイベルインナSiの先端部に装着されて下水本管P内の処理を行う管内処理手段としての穿孔ドリルDと、スイベルインナSiをスイベルアウタSoを介して装置機本体1に対し進退駆動し得る進退駆動手段C2と、回動軸Jを装置本体1に対し強制回動する回転駆動手段Drとを備える。
前記装置本体1には、その外周下半部において左右一対の橇状の支持脚2,2が一体的に且つ左右対称的に並設されており、これら支持脚2,2を介して装置本体1が下水本管P内を摺動し得るようになっている。
また装置本体1の後部1R中央には、上下方向に延びる複動型の第1油圧シリンダC1が配設されており、この第1油圧シリンダC1のピストンロッドp1には下水本管Pの天井部内面に対向するゴム製の押圧パッド3が連結される。この押圧パッド3には、ピストンロッドp1と平行して装置本体1に摺動可能に嵌合支持されたガイドロッド4の上端が連結され、これにより、押圧パッド3のピストンロッドp1回りの回動が阻止される。
前記第1油圧シリンダC1の一対の作動油室は、装置本体1の後部1Rに形成された油路を経て装置本体1の後端部に達し、そこからジョイントを介して、可撓性を有する外部配管群30の一部に接続される。而して、その第1油圧シリンダC1を伸長作動させると、押圧パッド3を下水本管Pの天井部内面に圧接させることができ、その圧接状態では、押圧パッド3が前記支持脚2,2と協働して突っ張り作用を発揮して、装置本体1を下水本管P内の任意の位置に固定、即ち回動不能及び軸方向移動不能に保持できるようになっている。
装置本体1の前部1Fは円筒状に形成されており、その前部1Fの内周面に、同じく円筒状に形成した前記スイベルアウタSoが摺動可能に嵌合支持される。このスイベルアウタSoの内周面には、前記スイベルインナSiが相対回動可能且つ軸方向相対移動不能に嵌合支持されている。そのスイベルアウタSoの後端部は、前記進退駆動手段としての複動型の第2油圧シリンダC2のピストンロッドp2に連結される。その第2油圧シリンダC2の一対の作動油室は、装置本体1に形成された油路を経て装置本体1の後端部に達し、そこからジョイントを介して外部配管群30の一部に接続される。而してその第2油圧シリンダC2の伸縮作動により、スイベルアウタSo、従ってスイベルインナSiを進退駆動することができる。
前記第2油圧シリンダC2は、装置本体1の後部1Rにおいて、油圧シリンダC1の左右一側に配設されており、その左右他側には、前記回転駆動手段Drの主要部をなす油圧モータMが配設される。
前記回転駆動手段Drは、出力軸6が前記回動軸Jと平行に延びる油圧モータMと、このモータMの該出力軸6に回動軸Jを連動回転させる平歯車列Gとより構成される。そして、その平歯車列Gの一部の歯車(後述する大径歯車Gl)の外周部に圧接し得るブレーキパッドを有して回動軸Jを任意の回動位置に保持可能なブレーキ手段Bが、装置本体1の前後中央部(図示例では回動軸Jの後端部上方)に配設される。このブレーキ手段Bは、油圧作動式であって、後述するように、その作動・不作動の切換えが油圧モータMの作動油圧を用いて行われる。
油圧モータMの一対の油出入口は装置本体1の後端部に開口しており、そこからジョイントを介して外部配管群30の一部に接続される。前記平歯車列Gは、前記モータMの出力軸6に同心状に固定した小径歯車Gsと、前記回動軸Jの後端部に同心状に固定した大径歯車Glとより構成され、その大径歯車Glに対してブレーキ手段Bが制動作用を発揮し得るようになっている。
そのブレーキ手段Bは、大径歯車Glの外周部に対向する硬質ゴム等の弾性摩擦材よりなるローラ7と、このローラ7を保持すると共に装置本体1に摺動可能に支持されたローラ支持部材8と、このローラ支持部材8を介してローラ7を歯車外周部に向けて常時付勢して該ローラ7の外周部を大径歯車Glの外周部に圧接し得る戻しばね9と、油圧モータMの作動油圧が供給されると該戻しばね9の付勢力に抗してローラ7を大径歯車Glの外周部より強制離間させる第3油圧シリンダC3とを備えており、前記ローラ7が本発明のブレーキパッドを、また前記ローラ支持部材8が本発明のパッド支持部材を、更に前記戻しばね9が本発明の弾発手段を、更にまた第3油圧シリンダC3が本発明の油圧アクチュエータをそれぞれ構成する。
その第3油圧シリンダC3は、単動型の油圧シリンダであって、装置本体1に大径歯車Gl上で鉛直に配設されている。即ち、第3油圧シリンダC3は、装置本体1に形成したシリンダ孔10と、このシリンダ孔10に摺動可能に嵌合されるピストン11と、このピストン11のピストンロッドp3側の一端部とシリンダ孔10との間に形成された作動油室12とより構成され、そのピストン11の他端側とシリンダ孔10の端壁(図示例では該孔10に螺合されてこれを閉塞するプラグ13)との間に、前記戻しばね9が縮設されている。また第3油圧シリンダC3の作動油室12は、装置本体1に形成された油路を経て装置本体1の後端部に達し、そこからジョイントを介して外部配管群30の一部に接続される。
尚、図6において、15は、前記作動油室12に連通するエア抜き用油路、また16は、このエア抜き用油路15の開口端(エア排出口)に螺合されてこれを平時は閉塞し且つエア抜き作業時にだけ開放する栓体である。
前記ローラ支持部材8は、図示例ではボルト状に形成されて、第3油圧シリンダC3のピストンロッドp3の先端に一体に結合(図示例ではねじ止め)される。尚、前記ローラ7は、図示例ではローラ支持部材8の軸部(ねじが刻設されていない外周部分)に圧入嵌合されて該軸部と摩擦連結されているが、そのローラ7をローラ支持部材8の軸部に軸受を介して回転可能に嵌合支持させるようにしてもよい。
而して、第3油圧シリンダC3は、平時は戻しばね9の弾発力でピストン11を下方に付勢して、ブレーキ手段Bのローラ7を大径歯車Glの外周部に圧接させることにより、大径歯車Gl(従って回動軸JやスイベルインナSi)の回動を規制、即ちブレーキ手段Bをブレーキ作動させる。また、作動油室12に作動油圧が供給されると、戻しばね9の弾発力に抗してピストン11を上方に移動させてローラ7を大径歯車Glの外周部より離間させることにより、大径歯車Gl(従って回動軸JやスイベルインナSi)の回動を許容し、即ちブレーキ手段Bのブレーキ作動を解除する。
前記スイベルインナSiの先端部には、上下方向に配列した複動型の第4油圧シリンダC4を内蔵した支持ブロック20が一体的に結合される。この支持ブロック20には、上下方向に延びるガイドレール21を介してドリル本体22が昇降可能に支持されており、このドリル本体22は、これを第4油圧シリンダC4により昇降駆動し得るように、同シリンダC4のピストンロッドp4に連結される。その第4油圧シリンダC4の一対の作動油室は、支持ブロック20に形成された油路と、スイベルインナSi及びスイベルアウタSoにそれぞれ形成された油路と、装置本体1の後部1Rに形成された油路とを順次経て装置本体1の後端部に達し、そこからジョイントを介して外部配管群30の一部に接続される。
前記ドリル本体22の内部にはドリル駆動用の油圧モータMDが配設されており、この油圧モータMDの出力軸には、下水本管Pの分岐管Pa分岐部を塞ぐライニングLを切除し得る従来公知のドリルカッタ23が結合される。ドリル本体22に形成されてドリル駆動用の油圧モータMDに連なる一対の油路が、ドリル本体22及び支持ブロック20間に接続された可撓性の外部配管24と、支持ブロック20に形成された油路と、スイベルインナSi及びスイベルアウタSoにそれぞれ形成された油路と、装置本体1の後部1Rに形成された油路とを順次経て装置本体1の後端部に達し、そこからジョイントを介して外部配管群30の一部に接続される。
前記外部配管群30は、下水本管P内及びマンホール等を経て地上の油圧制御装置(図示せず)に接続されている。この油圧制御装置には、油圧ポンプ、油タンク、種々の制御弁、切換弁等を備えていて、穿孔機Aに装備される油圧機器、即ち、第1〜第4油圧シリンダC1〜C4、油圧モータM,MDを任意に且つ遠隔的に作動させることができるようになっている。
図7には、前記油圧制御装置のうち、特に前記油圧モータMを正逆転制御するための油圧回路部分の一例が示される。この油圧回路部分において、油圧モータMには、これを正転駆動する作動油および逆転駆動する作動油をそれぞれ供給するための第1および第2の油路L1,L2が接続されている。その第1および第2の油路L1,L2は、図示しない油圧ポンプ及び油タンクにそれぞれ連なる高圧油路Lh及び低圧油路Llと、切換弁V1を介して接続される。したがって、その切換弁V1を図7に示す中立位置より上下何れかの操作位置に切換操作することにより、第1および第2の油路L1,L2の一方を高圧油路Lhに、またその他方を低圧油路Llにそれぞれ連通させて、油圧モータMを正転又は逆転作動させることができる。
また第1および第2の油路L1,L2は、その各々から分岐した分岐油路と、シャトル弁V2とを介して第3油圧シリンダC3の作動油室12に接続されており、このシャトル弁V2は、第1および第2の油路L1,L2のうち高圧側の油路L1又はL2だけを作動油室12に連通させ、その他方の油路から作動油室12を遮断するハイセレクト機能を果たす。
次に前記実施例の作用を説明する。穿孔機Aは、図示しないマンホールから下水本管P内に装入され、その装置本体1の適所に連結した牽引用索条(図示せず)等により下水本管P内をその軸線に沿って牽引、移動させる。そして、その穿孔機Aを下水本管P内の分岐管Pa分岐部の近くまで移動させた後、第1油圧シリンダC1を伸長作動させて押圧パッド3を下水本管P内面に押し付けることで下水本管P内に装置本体1を固定する。
そして、第2油圧シリンダC2を伸長作動させて装置本体1に対してスイベルアウタSo及びスイベルインナSi(従って穿孔ドリルD)を前進駆動し、更に油圧モータMを正転又は逆転駆動して回動軸Gを介してスイベルインナSiを回動させることにより、穿孔ドリルDを前記分岐部に対する適正な穿孔作業位置、即ち該分岐部に対応したライニングLに対向する位置におく。
しかる後に、ドリル駆動用油圧モータMDを作動させてドリルカッタ23を回転させながら、第4油圧シリンダC4を伸長作動させてドリルカッタ23を前進(上昇)させることで、該分岐部に対応したライニングLが切断、除去される。
以上の一連の作業は、穿孔機Aの適所に配設され又は穿孔機Aとは別個に設けられた監視カメラの映像を地上で確認しながら、地上の油圧制御装置を作業員が操作することにより行われる。
ところで、油圧モータMを静止状態に保持すべく切換弁V1が中立位置におかれるときには、第3油圧シリンダC3の作動油室12へは油圧モータMからの作動油が供給されず、したがって、第3油圧シリンダC3のピストン11は、戻しばね9の弾発力でピストン11を下方に付勢して、図6鎖線及び図7実線で示す如くブレーキパッドとしてのローラ7を大径歯車Glの外周部に圧接させる。これにより、大径歯車Gl(従って回動軸JやスイベルインナSi)の回動を規制、即ちブレーキ手段Bをブレーキ作動させるので、スイベルインナSiの先端側に位置する穿孔ドリルDの装置本体1に対する装置本体縦軸線回りの回動が確実に阻止される。
また、切換弁V1が上記中立位置より上下何れかの操作位置に切換操作されて、第1および第2の油路L1,L2の一方が高圧油路Lhに、またその他方が低圧油路Llにそれぞれ連通されると、油圧モータMを正転又は逆転作動させることができるが、その切換操作と略同時に油圧モータMの作動油圧が第3油圧シリンダC3の作動油室12に供給される。これにより、第3油圧シリンダC3のピストン11を戻しばね9の弾発力に抗して図6実線に示すように上方に移動させて、ローラ7を大径歯車Glの外周部より離間させることができるので、回動軸Jの回動がブレーキ手段Bに邪魔されずにスムーズに行われる。そして、回動軸J(従って穿孔ドリルD)が所望の回動位置にきた時に切換弁V1を中立位置に戻すと、油圧モータMの作動が停止すると同時に、ピストン11が戻しばね9の付勢力で下降してローラ7を大径歯車Glの外周部に再び圧接させ、回動軸Jの回動を規制するので、穿孔ドリルDを、油圧モータMが作動停止したときの回動位置に確実に保持することができる。
このように回動軸Jを強制回動させるための油圧モータMが不作動状態にある時(即ち回動軸Jの回動停止時)には、戻しばね9の弾発力を利用してブレーキ手段Bを的確にブレーキ作動させて回動軸Jの回動位置をロックすることができ、また油圧モータMの作動時(即ち回動軸Jの回動時)には、該モータMの作動油圧でブレーキ手段Bのブレーキ作動を的確に解除できる。
かくして、上記回動軸Jと油圧モータMの出力軸6との間を単純な平歯車列Gで連動させても、モータ停止時には回動軸Jの回動位置を上記ブレーキ手段Bを以て固定できるため、穿孔作業中にスイベルインナSi(従って穿孔ドリルD)が装置本体1に対し妄りに回動するのを阻止できて、作業を的確に行うことができる。また、回動軸Jと油圧モータM間を単純な平歯車列Gで連動させたことにより、その連動構造を頗る簡素化でき、しかもその平歯車列Gの一部の歯車Glを、ブレーキ手段Bと協働するブレーキドラムに兼用でき、これにより、全体として装置の構造簡素化と小型化が図られる。
また特に上記平歯車列Gが、油圧モータMの出力軸6に固定の小径歯車Gsと、回動軸Jに固定の大径歯車Glとより構成されるので、該平歯車列Gにより回動軸Jを減速駆動でき、しかもその減速歯車列の大径歯車Glの外周部にブレーキ手段Bのブレーキパッド(ローラ7)を圧接させるので、比較的小さな力で充分な制動効果が得られ、ブレーキ手段Bの小容量化が図られる。その上、油圧モータMの作動油圧を用いてブレーキ手段Bの作動・不作動の切換えが行われるので、油圧モータMの作動に関連付けてブレーキ作動・不作動の切換えを自動的且つ的確に行うことができ、しかもその切換手段の構造簡素化が図られる。
さらに図示例のように油圧モータMに対しこれを正転駆動する作動油を供給する第1の油路L1と逆転駆動する作動油を供給する第2の油路L2とが、シャトル弁V2を介して第3油圧シリンダC3に選択的に接続されるので、油圧モータM(従って回動軸J)を正,逆何れに回動させる場合でも、その作動油圧をブレーキ手段Bの作動解除に有効に利用できる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されることなく、種々の実施例が可能である。
例えば、前記実施例では、処理手段としての穿孔手段(穿孔ドリルD)を搭載し、埋設管(下水本管P)の分岐管Pa分岐部を閉塞しているライニング材Lを穿孔する穿孔機Aを管内処理機として例示したものを示したが、本発明は、埋設管内の穿孔以外の各種処理、例えば、ライニング材Lを施工する前に埋設管内の異物を取り除く清掃等の前処理を行う場合に用いられて、その前処理のための管内処理手段を搭載した管内処理機に実施してもよい。
A 穿孔機
B ブレーキ手段
C2 第2油圧シリンダ(進退駆動手段)
C3 第3油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
D 穿孔ドリル(管内処理手段)
Dr 回転駆動手段
G 平歯車列
Gl 大径歯車(歯車)
Gs 小径歯車
J 回動軸
L1 第1の油路
L2 第2の油路
M 油圧モータ(モータ)
P 下水本管(埋設管)
Si スイベルインナ(支持体)
1 装置本体
6 出力軸
7 ローラ(ブレーキパッド)
8 ローラ支持部材(パッド支持部材)
9 戻しばね(弾発手段)
B ブレーキ手段
C2 第2油圧シリンダ(進退駆動手段)
C3 第3油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
D 穿孔ドリル(管内処理手段)
Dr 回転駆動手段
G 平歯車列
Gl 大径歯車(歯車)
Gs 小径歯車
J 回動軸
L1 第1の油路
L2 第2の油路
M 油圧モータ(モータ)
P 下水本管(埋設管)
Si スイベルインナ(支持体)
1 装置本体
6 出力軸
7 ローラ(ブレーキパッド)
8 ローラ支持部材(パッド支持部材)
9 戻しばね(弾発手段)
Claims (5)
- 埋設管(P)内を移動可能な装置本体(1)と、この装置本体(1)の中心部に回転自在に支持される回動軸(J)と、この回動軸(J)に軸方向摺動可能且つ相対回転不能に嵌合すると共に装置本体(1)に軸方向摺動可能且つ相対回転可能に支持される支持体(Si)と、この支持体(Si)の先端部に装着されて埋設管(P)内の処理を行う管内処理手段(D)と、同支持体(Si)を装置機本体(1)に対し進退駆動し得る進退駆動手段(C2)と、回動軸(J)を強制回動する回転駆動手段(Dr)とを備えた、埋設管の管内処理機において、
回転駆動手段(Dr)が、回動軸(J)と平行な出力軸(6)を有して装置本体(1)内に配設されるモータ(M)と、このモータ(M)の出力軸(6)に回動軸(J)を連動回転させる平歯車列(G)とを備えており、
その平歯車列(G)の一部の歯車(Gl)の外周部に圧接し得るブレーキパッド(7)を有して回動軸(J)を任意の回動位置に保持可能なブレーキ手段(B)が装置本体(1)に配設されることを特徴とする、埋設管の管内処理機。 - 前記平歯車列(G)は、前記モータ(M)の出力軸(6)に固定の小径歯車(Gs)と、前記回動軸(J)に固定の大径歯車(Gl)とより構成され、その大径歯車(Gl)の外周部に前記ブレーキパッド(7)が圧接し得るようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の埋設管の管内処理機。
- 前記モータが油圧モータ(M)であり、その油圧モータ(M)の作動油圧を用いて前記ブレーキ手段(B)の作動・不作動の切換えが行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の埋設管の管内処理機
- 前記ブレーキ手段(B)は、歯車(Gl)外周部に対向するブレーキパッド(7)と、このブレーキパッド(7)を保持すると共に前記装置本体(1)に摺動可能に支持されたパッド支持部材(8)と、このパッド支持部材(8)を介してブレーキパッド(7)を歯車(Gl)外周部に向けて常時付勢して該パッド(7)を歯車(Gl)外周部に圧接し得る弾発手段(9)と、前記油圧モータ(M)の作動油圧が供給されると該弾発手段(9)の付勢力に抗してブレーキパッド(7)を歯車(Gl)外周部より強制離間させる油圧アクチュエータ(C3)とを備えることを特徴とする、請求項3に記載の埋設管の管内処理機。
- 前記油圧モータ(M)は正逆転可能であり、この油圧モータ(M)に対しこれを正転駆動する作動油および逆転駆動する作動油をそれぞれ供給する第1および第2の油路(L1,L2)が、シャトル弁(V2)を介して前記油圧アクチュエータ(C3)に選択的に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の埋設管の管内処理機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004066300A JP2005254359A (ja) | 2004-03-09 | 2004-03-09 | 埋設管の管内処理機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004066300A JP2005254359A (ja) | 2004-03-09 | 2004-03-09 | 埋設管の管内処理機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005254359A true JP2005254359A (ja) | 2005-09-22 |
Family
ID=35080592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004066300A Pending JP2005254359A (ja) | 2004-03-09 | 2004-03-09 | 埋設管の管内処理機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005254359A (ja) |
-
2004
- 2004-03-09 JP JP2004066300A patent/JP2005254359A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061010 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090701 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091104 |