JP2005254083A - 重質油水素化処理触媒及びその製造方法 - Google Patents

重質油水素化処理触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高活性で劣化が少なく、かつ触媒の摩耗強度が大きくて再生使用にも最適の重質油用水素化処理触媒、その製造方法、及び該水素化処理触媒を用いて、再生後も長期間安定して用いることができる重質油の水素化処理方法を提供すること。
【解決手段】 アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体を調製し、該担体に、周期律表第6族金属、第9族又は第10族金属、及び第15族金属を、分子量200以上のポリエチレングリコールの存在下で担持し、400℃以上で焼成することを特徴とする重質油水素化処理触媒の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素化処理触媒及びその製造方法に関し、詳しくは、重質油の水素化処理によって劣化した水素化処理触媒を再生使用するに適した水素化処理触媒及びその製造方法、並びに重質油の水素化処理方法に関する。
一般に、灯軽油等の軽質な含硫黄炭化水素の水素化処理での触媒性能の低下原因は、コーク(炭素分)の触媒上への析出であると言われている。一方、重質油の水素化処理では、軽質油とは異なり、原料油中に存在する多量のバナジウム、ニッケル等の金属不純物が、水素化処理の運転中に触媒上に蓄積することにより触媒性能が低下する。また、沸点の高い重質油の水素化処理では、軽質油より高温で運転を行う必要があるため、モリブデン等の触媒活性金属成分が凝集してしまい、さらに触媒性能の低下が進行する。また、重質油中には難脱硫性の硫黄化合物が多く含まれていることから、軽質な含硫黄化合物の水素化処理に比べてバナジウム等の蓄積の影響をより顕著に受けやすい。
また近年、環境問題の高まりから、触媒廃棄物を低減するため、水素化処理触媒の再生利用が望まれている。しかし、重質油の水素化処理の場合には、焼成によりコークは除去できるが、蓄積したバナジウムやニッケルの除去は困難であるために再生後の触媒について長時間安定して用いることは困難であり、また、触媒の摩耗強度は低下して、再生後の再充填時に、触媒粒子間隙が閉塞し、再利用時に運転ができなくなるという問題があった。
さらに、最近では、アルミナ担体に、酸化ニッケル、三酸化モリブデン、酸化マグネシウム及び五酸化リンを担持させた触媒が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法でも、触媒再生時における摩耗強度の低下問題は解消せず、触媒の再生利用は困難であった。
特開平11−319567号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、高活性で劣化が少なく、かつ触媒の摩耗強度が大きく、かつ重質油処理後の再生が容易な水素化処理触媒、その製造方法、及び該水素化処理触媒を用いて、重質油を水素化処理した後に、該触媒を再生した後も長期間安定して用いることができる重質油の水素化処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アルミナとマグネシアを含む担体に特定金属を担持した触媒を用いることが有効なことを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体を調製し、該担体に、周期律表第6族金属、第9族又は第10族金属、及び第15族金属を、分子量200以上のポリエチレングリコールの存在下で担持し、400℃以上で焼成することを特徴とする重質油水素化処理触媒の製造方法、
(2)アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体が、マグネシウム化合物を有機酸に溶解しアルミナゲルに添加した後、400℃以上で焼成して得られたものである上記(1)記載の重質油水素化処理触媒の製造方法、
(3)周期律表6族金属がモリブデン、第9族金属がコバルト、第10族金属がニッケル、第15族金属がリンである上記(1)又は(2)に記載の重質油水素化処理触媒の製造方法、
(4)マグネシウムの含有量が、触媒全量基準で0.1質量%から10質量%である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の水素化処理触媒の製造方法、
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の方法により製造された重質油水素化処理触媒、
(6)上記(5)記載の触媒を用いて重質油水素化処理を行った後、焼成処理した再生重質油水素化処理触媒、
(7)バナジウムを0.1質量%から35質量%含む上記(6)記載の再生重質油水素化処理触媒、及び
(8)重質油を、上記(5)乃至(7)のいずれかに記載の触媒の存在下で水素化処理することを特徴とする重質油の水素化処理方法、
を提供するものである。
本発明によれば、予め調製されたアルミナとマグネシアを含む担体に、特定金属を担持した触媒を用いることによって、高活性で、かつ摩耗強度が向上した触媒が得られるので、触媒の再生使用が従来触媒より非常に容易となる。
本発明における水素化処理触媒は、バナジウム、ニッケル等の金属分を不純物として含む残渣油など重質油の処理触媒であり、水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解、水素化脱芳香族などの水素化反応に用いることができるが、特に水素化脱硫反応に有効に用いられる。
本発明における重質油水素化処理触媒は、アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体を調製し、該担体に特定の活性金属を担持して製造される。ここで、担体に用いられる無機酸化物としては、アルミナを含むことを必須とするが、それ以外の成分として例えばシリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物を含んでいてもよく、或いはこれらの複合酸化物担体であってもよい。金属の分散性の観点からはアルミナ担体が好ましい。
本発明において、マグネシアを添加した無機酸化物担体を用いて、これに活性金属を担持することが必要であり、通常は担体調製時にマグネシアは添加され、このことにより触媒再生時の摩耗強度を著しく高めることができる。
前記触媒担体の調製方法は特に限定されないが、例えばアルミナゲルにマグネシウム化合物の水溶液等を添加混練させて乾燥、焼成することにより得られる。このようなマグネシウム化合物としては、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等をマグネシア前駆体として挙げることができる。
本発明において、マグネシアを含む無機酸化物担体は、特に、塩基性炭酸マグネシウムを有機酸に溶解し、アルミナゲルに添加した後、400℃以上で焼成して調製することが好ましい。この場合、塩基性炭酸マグネシウムを溶解する有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸などが好ましい。
また通常用いられる共沈法、ゲル混練法、ゾル・ゲル法によっても調製することができる。
特に、再生使用向け触媒の製造においては、アルミナゲル生成の段階でマグネシア前駆体を添加することが好ましい。アルミナ成型後に担体あるいは活性金属水溶液とともにマグネシウムを添加しても、担体との結合が少ないため再生時の摩耗強度の低下が大きく、また、モリブデン、ニッケル等と複合酸化物を形成しやすく、この場合には、マグネシアを多量に添加することで活性にも悪影響を与える場合がある。
前記担体におけるマグネシアの含有量は、触媒全量基準で0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5質量%、特に0.5〜2質量%が好ましい。0.1質量%以下では充分な摩耗強度が得られず、10質量%以上ではマグネシアがモリブデン、ニッケル等の担持金属と反応して複合酸化物を形成することにより活性が低下することがある。
本発明の水素化処理触媒の担体形状は特に限定されず、円柱、球状、三〜六葉、ハニカム等目的とする反応形式に好適な形状を自由に選択することができる。特に固定床直接水素化脱硫反応装置では、円柱、三つ葉、四つ葉の形が好適に用いられる。
前記担体は比表面積が通常、5〜500m2/g、好ましくは50〜300m2/gのものが用いられる。比表面積が5m2/g以上であると担持金属の分散性が確保され、500m2/g以下であると反応物の拡散が阻害されず好適である。細孔容積は、0.2〜1.5cm3/g、好ましくは0.3〜1.2cm3/gのものが用いられる。細孔容積が0.2cm3/g以上であると原料油中のメタル及びコークの析出により直ちに触媒細孔が埋まってしまうことがなく、また1.5cm3/g以下であると実用に耐え得る十分な触媒強度が確保され好ましい。また、細孔径は、100〜300Åの平均細孔径を有するものが好ましく、より好ましくは110〜200Åであり、さらに好ましくは120〜150Åである。これは反応物である石油留分の分子サイズに適した大きさであり十分に触媒細孔内部の反応活性点に拡散できるサイズである。これらの物性値については、細孔容積及び細孔分布は窒素による吸脱着法により測定し、BJH法[E.P.Barreff.L.G.Joyner and P.P.Halnda, J.Amer.Chem.Soc., 73,373(1951)]にて解析して求められる。比表面積は、窒素によるB.E.T.法により求められる。
次に、本発明における水素化処理触媒は、前記担体に、周期表第6族金属、第9族又は第10族金属、及び第15族金属を担持させることにより製造される。ここで、第6族金属、第9族又は第10族金属、及び第15族金属は、それぞれが単独金属からなるものでもよく、複数金属を含むものであってもよい。
担持処理の含浸液に用いられる好ましい金属化合物としては、酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩等が水溶液として用いられる。
すなわち、触媒担体に担持される金属(担持金属)は、周期表第6族金属としてはモリブデン、タングステンなどが好ましく、特にモリブデンが好適に使用される。モリブデン化合物としては、三酸化モリブデン、パラモリブデン酸アンモニウムなどが好適である。タングステン化合物としては、三酸化タングステン、タングステン酸アンモニウムなどが好適である。
第9族金属としては、コバルトが好ましく使用される。コバルト化合物としては、炭酸コバルトや硝酸コバルトなどが好適に使用される。第10族金属としてはニッケルが好ましく使用される。ニッケル化合物としては、塩基性炭酸ニッケルや硝酸ニッケルなどが好ましい。
さらに、第15族金属としては、リンが好適に使用できる。このリン化合物としては、五酸化リン、正リン酸などが使用されるが、これを添加する場合は、触媒に担持させる金属化合物の水溶液の安定性を高めると同時に触媒成分として触媒活性を向上させる作用を有している。
上記担持金属の化合物は、通常含浸法により担体に担持される。上記の第6族及び第9、10族金属ならびに第15族金属は別々に含浸してもよいが、同時に行なうのが効率的である。通常は、含浸液中の第6族金属、第9族金属、第10族金属及び第15族金属の含有量は、目標とする担持量から計算で求める。活性金属の担持量は、通常は、担体に対して、酸化物として好ましくは2〜35質量%、より好ましくは3〜25質量%の範囲である。
これらの金属を脱イオン水に溶解させた後、その含浸液の液量を、用いる担体の吸水量に等しくなるように調整した後、含浸させる。含浸時のpHは含浸液の安定性を考慮し、一般には酸性領域では1〜4、好ましくは1.5〜3.5、アルカリ領域では9〜12、好ましくは10〜11である。pHの調整は、有機酸やアンモニアなどを用いて行なうことができる。
また、担持金属を担体に担持するに際しては、分子量が200以上のポリエチレングリコールの存在下で行うことが必要である。ポリエチレングリコールの分子量は、好ましくは分子量が200〜10,000、更に好ましくは分子量350〜6,000のものが用いられる。200以上であると触媒活性が確保され、10,000以下であると溶解性や担持工程の時間の観点から取扱いが容易となる。
ポリエチレングリコールの添加量は、担体100質量部に対して好ましくは、0.5〜30質量部、更に好ましくは1〜15質量部である。0.5質量部以上であると添加効果が発揮され、30質量部以下であると担持が容易に行える。
担持方法は特に限定されないが、常圧含浸法、真空含浸法、塗布法等の公知の担持操作及びこれらを組み合わせた方法が用いられる。
さらに、上記によりマグネシウムを添加して得られた担体は、400℃以上の温度で焼成することが必要である。ただし、逐次的に含浸を実施する場合は、含浸の度に400℃以上の温度で熱処理を行うことも可能であるし、複数の含浸を行った後、最後に400℃以上の温度で熱処理を行うこともできる。また、熱処理時間としては2〜48時間程度、さらに好ましくは3〜16時間程度行うことが好ましい。
焼成温度は、好ましくは400℃〜700℃で空気あるいは酸素雰囲気下行う。好ましくは、上記のポリエチレングリコールによる触媒中の残留炭素分が1.0質量%以下になるような条件で行う。
担持金属の一つにニッケルを使用した場合、担体成分であるアルミナとスピネルを形成し不活性化することが知られている。リン化合物はこのニッケルのスピネル化を抑制する作用があり、触媒活性を向上させるが、前記ポリエチレングリコールを用いないでリン化合物を多量に用いると、ニッケル−モリブデン−リンの複合酸化物が生成するため、逆に触媒活性が低下することになる。本発明のように前記ポリエチレングリコールを添加した金属化合物水溶液を用いた場合には、リン化合物の添加量を3〜5質量%と増加させることができ、触媒活性を飛躍的に向上させることができる。
本発明における水素化処理触媒は、触媒全量基準で、酸化ニッケルを1〜10質量%、三酸化モリブデンを5〜20質量%及び五酸化リンを3〜5質量%担持していることが好ましい。酸化ニッケルが1質量%以上であると十分な活性を発揮し、10質量%以下であるとメタルの凝集により低活性化することがなく好適である。三酸化モリブデンが5質量%以上であると十分な活性を発揮し、20質量%以下であるとメタルの凝集により低活性化することがなく好適である。五酸化リンが3質量%以上であるとスピネル抑制効果が十分に発揮され、5質量%以下であるとモリブデン、ニッケル等と複合酸化物を形成し低活性化することがなく好適である。
さらに、本発明における水素化処理方法は、前記触媒の存在下で、重質油の水素化脱硫などに適用される。水素化処理に用いられる重質油としては、常圧残油、減圧残油、減圧軽油、脱蝋減圧残油、アスファルテン油、タールサンド油及びこれらを一旦予備的に水素化処理した残油等が挙げられる。
本発明の触媒を用いて水素化処理を行うに際しては、水素化処理反応を行う前に触媒の活性化若しくは安定化処理として予備硫化処理を行うことが好ましい。この予備硫化処理は予備硫化剤として、硫化水素、二硫化炭素、チオフェン、ジメチルジスルフィド(DMDS)等を使用し、200〜400℃の温度範囲で行われる。
本発明における水素化処理の反応条件は対象となる原料油の種類により異なるが、反応温度は好ましくは200〜500℃の範囲に選定する。反応圧力は、1.47〜24.5MPa(15〜250kg/cm2)の範囲に選定するのが好適である。
反応形式としては、特に制限はないが、通常は、固定床、移動床、沸騰床、懸濁床等の種々のプロセスが採用され、好ましくは経済性から固定床による流通方式が好適に採用される。こうした流通方式の場合には、LHSV(液空間速度)を0.1〜45(1/hr)の範囲に選定するのがよい。
水素ガスとオイルの供給割合(水素/オイル比)は通常、50〜2,000Nm3/キロリットルの範囲に選定するのが好適である。
以上のように、本発明の水素化処理触媒を用いて重質油の水素化脱硫処理を効率よく行うことができる。
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
触媒Aの製造(担体成型前にマグネシア担持)
塩基性炭酸マグネシウムを酸化マグネシウム相当量で14.0質量部と、リンゴ酸21.5質量部と、イオン交換水100質量部を加え、水溶液pHを約5.0に調整して溶解させた。このマグネシウム水溶夜をアルミナゲルに加えてよく混合し、成型し、120℃で乾燥後、550℃で焼成して、マグネシア含有アルミナ担体Aを得た。
一方、三酸化モリブデン165.0質量部及び塩基性炭酸ニッケルをNiO相当量で39.3質量部をイオン交換水500質量部に溶解させた。溶解に際しては80〜90℃に加温し、1時間の攪拌を行った。次に、リン酸を五酸化リン相当量で50.8質量部加え、溶解を確認した後、このとき水溶液温度は約40℃に保った。次にポリエチレングリコール(分子量400)を60質量部加えることにより含浸液を調製した。
次にこの含浸液を、上記マグネシア含有アルミナ担体Aの1,000質量部の吸収率に見合った量に調整し、常圧含浸法にて担持した。この担持物を120℃で3時間乾燥して、空気中で550℃、5時間焼成して触媒Aを得た。
こうして得られた触媒Aは、乾燥質量当たり、NiOとして3.0質量%、MoO3として13.4質量%、MgOとして1.0質量%、P25として3.6質量%を含有するものであり、平均細孔径は134Å、細孔容積は0.55ミリリットル/g、比表面積は183m2/gであった。
実施例2
触媒Bの製造(担体成型前にマグネシア担持)
実施例1で、酸化マグネシウム相当量を28.0質量部とリンゴ酸43質量部とした以外は同様の操作を行い、マグネシア含有アルミナ担体Bを得た。
さらに、このマグネシア含有アルミナ担体Bに実施例1と同様の操作でニッケルーモリブデンーリンを担持して触媒Bを得た。
こうして得た触媒Bは、乾燥質量当たり、NiOとして3.2質量%、MoO3として13.2質量%、MgOとして1.9質量%、P25として3.8質量%を含有するものであり、平均細孔径は136Å、細孔容積は0.55ミリリットル/g、比表面積は185m2/gであった。
比較例1
触媒Cの製造(担体成型後にマグネシア担持)
三酸化モリブデン165.0質量部、及びNiO相当量で39.3質量部の塩基性炭酸ニッケルをイオン交換水500質量部に溶解させた。溶解に際しては80〜90℃に加温し、1時間の攪拌を行った。次に、リン酸を五酸化リン相当量で50.8質量部加え、溶解を確認した後、塩基性炭酸マグネシウムを酸化マグネシウム相当量で14.0質量部加え、更に水溶液のpHを約2.0に調整(調整範囲としては好ましくは1.0<pH≦2.0)するためにリンゴ酸を加えた。このとき水溶液温度は約40℃に保った。
次にポリエチレングリコール(分子量400)を60質量部加えた。次にこの含浸液を担体の吸収率に見合った量に調整し、前記性状を有するアルミナ担体1,000質量部に常圧含浸法にて担持した。この担持物を120℃で3時間乾燥して、空気中で550℃、5時間焼成して触媒Cを得た。
こうして得た触媒Cは、乾燥質量当たり、NiOとして3.1質量%、MoO3として13.1質量%、MgOとして1.0質量%、P25として4.0質量%を含有するものであり、平均細孔径は130Å、細孔容積は0.54ミリリットル/g、比表面積は187m2/gであった。
比較例2
触媒Dの製造
比較例1にて、マグネシウムを添加しない以外は、同様の操作を行い、触媒Dを得た。
こうして得た触媒Dは、乾燥質量当たり、NiOとして3.0質量%、MoO3として13.2質量%、P25として3.9質量%を含有するものであり、平均細孔径は128Å、細孔容積は0.58ミリリットル/g、比表面積は180m2/gであった。
実施例3及び比較例3,4
<水素化脱硫処理性能(初期の活性)の評価>
触媒A、C,Dについて、触媒充填量50cc規模の高圧固定床流通式反応装置を用い、第1表に示す中東系の重質原油から得られる常圧残油を原料として、初期脱硫性能の評価を行い、マグネシウム添加効果と添加方法の影響を比較評価した。なお、本発明の触媒は脱硫触媒であるため市販されている脱メタル触媒と組み合わせることにより評価した。
Figure 2005254083
反応に先立って、前処理として、該触媒にLGO(軽油)に、硫化剤であるDMDSを添加し、原料油(原料油中の硫黄濃度は2.5質量%に調整)を、水素ガスとともに250℃で24時間流通して、予備硫化した。
その後、該触媒に第1表に示す原料油を水素ガスとともに流通して以下の条件で水素化脱硫拠理を行った。
反応条件
水素分圧: 13.2MPa(135kg/cm2
液空間速度: 0.2(1/hr)
水素/オイル比: 700Nm3/キロリットル
評価結果を第2表に示す。この結果より、担体成型前(担体調製時)にマグネシウムを添加した本発明の触媒A(実施例3)は、初期の水素化脱硫性能が高いことが分かる。なお、担体成型後にマグネシウムを添加した触媒C(比較例3)の初期の脱硫性能も実施例3と同程度に高いが、後述するごとく、比較例3は再生後の脱硫性能は非常に劣るものである。
Figure 2005254083
実施例4,5及び比較例5、6
<再生触媒の摩耗強度の評価>
(1)使用済み触媒の製造
触媒A,B,C及びDの各触媒を用いて、固定床反応器を用いて第1表に示す常圧残油の水素化脱硫拠理を4,000時間行った。脱硫処理は生成油の硫黄分が一定になるように反応温度を調整しながら続けた。反応終了後、反応器中の触媒を軽油を通油することにより洗浄し、さらに窒素ガスを流通させて乾燥した触媒を抜出し、脱メタル触媒をふるいにより分離し使用済み触媒を得た。
(2)再生触媒の製造
上記で得られた使用済み各触媒を、回転式焼成炉(回転速度:5回転/分)にて100%窒素ガスを100cc/分で供給しながら300℃で1時間処理した。その後、50%窒素ガス、50%空気の混合ガスを100cc/分で供給しながら、450℃で3時間焼成した。得られた触媒を冷却後ふるい分けにより塊状物と粉化物を除去し、各再生触媒を得た。
(3)上記で得られた使用済み各触媒及び再生触媒について、組成分析(質量%)をするとともに、摩耗強度を測定した。なお、摩耗強度は、下記に示す粉化率を測定することにより求めた。
粉化率の測定法:
触媒を直径30cmの円筒形の回転体内に100g封入し、30分間、60rpmで回転させた。その後、触媒を取り出し、20メッシュのふるいでふるい、残った触媒の重量を測定した。触媒重量の減少量を粉化率として求めた。その値が小さい程、摩耗強度は大きいことを示している。
測定結果を第3表に示す。なお、比較のために、新触媒A〜Dについての組成及び摩耗強度についても併記した。
Figure 2005254083
上記の結果より、本発明における実施例4,5の再生触媒では、比較例5,6の再生触媒に比べて、粉化率は小さく摩耗強度に優れていることが分かる。
実施例6及び比較例7,8
<再生触媒の水素化脱硫処理性能評価>
実施例4及び比較例5、6において製造した各再生触媒について、小型高圧固定床反応器に、その各50ccを充填した。新触媒と同様の反応条件(実施例3及び比較例3,4参照)で、水素化脱硫反応を行った。用いた原料油の性状を第4表に示す。また、脱硫性能の評価結果を第5表に示す。
Figure 2005254083
Figure 2005254083
上記の結果より、マグネシアをアルミナゲルに添加して調製した担体を用いた本発明の実施例6では、再生後においても脱硫性能が高く、しかも、実施例4で説明した如く再生触媒の触媒摩耗強度も大きい。このことは、マグネシアを担体に予め添加しておくことで重油中のバナジウムとアルミナの反応が抑制されるためと考えられる。
本発明における水素化処理触媒は、重質油の水素化処理に用いられ、特に、再生触媒としての使用に適する。

Claims (8)

  1. アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体を調製し、該担体に、周期律表第6族金属、第9族又は第10族金属、及び第15族金属を、分子量200以上のポリエチレングリコールの存在下で担持し、400℃以上で焼成することを特徴とする重質油水素化処理触媒の製造方法。
  2. アルミナとマグネシアを含む無機酸化物担体が、マグネシウム化合物を有機酸に溶解しアルミナゲルに添加した後、400℃以上で焼成して得られたものである請求項1記載の重質油水素化処理触媒の製造方法。
  3. 周期律表6族金属がモリブデン、第9族金属がコバルト、第10族金属がニッケル、第15族金属がリンである請求項1又は2に記載の重質油水素化処理触媒の製造方法。
  4. マグネシアの含有量が、触媒全量基準で0.1質量%から10質量%である請求項1乃至3のいずれかに記載の水素化処理触媒の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により製造された重質油水素化処理触媒。
  6. 請求項5記載の触媒を用いて重質油の水素化処理を行った後、焼成処理した再生重質油水素化処理触媒。
  7. バナジウムを0.1質量%から35質量%含む請求項6記載の再生重質油水素化処理触媒。
  8. 重質油を、請求項5乃至7のいずれかに記載の触媒の存在下で水素化処理することを特徴とする重質油の水素化処理方法。


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