JP2005253532A - 消防システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
保守管理や安全性の確保が容易である低コストな消防システムを提供する。
【解決手段】
消防システムであって、所定の場所に設けられた水を放出するスプリンクラーとSP、スプリンクラー(SP)に向けて送水する加圧送水装置4と、消火物放出信号を所定の場合に送信するスプリンクラー(SP)ごとに設けられた圧力スイッチ2と、圧力スイッチ2から消火物放出信号を受信し、この受信した消火物放出信号に基づいて水を放出しているスプリンクラー(SP)を特定し、この特定したスプリンクラー(SP)の種類および設置場所に基づいて加圧送水装置4に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置5と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、消防設備に関する。
一般に、建物などに適用される消防システムでは、スプリンクラーや屋内消火栓などの放出装置への給水が、加圧送水装置から最も離れた放出装置で必要とされる圧力および送水量で行われている。このため、一般の消防システムでは、加圧送水装置から最も離れた放出装置以外の放出装置への給水が過剰な圧力および送水量で行われる。したがって、一般の消防システムでは、加圧送水装置から最も離れた放出装置以外の放出装置から水や泡水溶液などの消火物が放出される場合に、水損(放出された消火物が過剰な圧力や過剰な量であることによる2次的損害)が生じるという問題があった。
そこで、従来、放出装置に対しその設置場所に応じた圧力・送水量の給水を行うべく、配管中の給水圧力を検知し、この検知された圧力により、ポンプを駆動する駆動装置の回転数や電動弁の開度を制御する給水圧力制御システムが提案された(特許文献1、特許文献2参照)。
特許第3109845号公報 特許第3109846号公報
しかしながら、検知された給水圧力によって、ポンプを駆動する駆動装置の回転数や電動弁の開度を制御するためには、流水検知装置と放出装置とを繋ぐ2次側配管や加圧送水装置と流水検知装置とを繋ぐ1次側配管に圧力センサなどを設置して、この圧力センサが検知した圧力と放出装置の設置場所ごとにあらかじめ設定された基準圧力とを比較し、圧力センサが検知する圧力が基準圧力に一致するようにポンプや電動弁を制御するという、極めて複雑な制御を行わなければならない。したがって、上記従来の給水圧力制御システムには、その保守管理が困難であるという問題があった。
また、このように保守管理が困難であるために、上記従来の給水圧力制御システムには、安全性の確保が困難であるという問題もあった。
さらには、このように保守管理や安全性の確保が困難であるために、上記従来の給水圧力制御システムを建物などへ適用するためには、物的にも人的にも相当のコストがかかるという問題もあった。
そこで、本発明は、保守管理や安全性の確保が容易である低コストな消防システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、次の手段によって、解決される。
第1の発明は、所定の場所に設けられた消火物を放出する放出装置と、前記放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、前記消火物放出信号送信装置から消火物放出信号を受信し、この受信した消火物放出信号に基づいて消火物を放出している放出装置を特定し、この特定した放出装置の種類および設置場所に基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、を備えたことを特徴とする消防システムである。
第2の発明は、所定の場所に設けられた消火物を放出する放出装置と、前記放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、前記消火物放出信号送信装置から消火物放出信号を受信し、この受信した消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、前記自動火災報知装置から信号を受信し、この受信した信号に基づいて消火物を放出している放出装置を特定し、この特定した放出装置の種類および設置場所に基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、を備えたことを特徴とする消防システムである。
第3の発明は、前記放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置であり、前記消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチである、ことを特徴とする第1の発明または第2の発明に係る消防システムである。
第4の発明は、前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であることを特徴とする第3の発明に係る消防システムである。
第5の発明は、前記放出装置は、手動で消火物を放出する手動放出装置であり、前記消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、ことを特徴とする第1の発明または第2の発明に係る消防システムである。
第6の発明は、前記手動放出装置は、屋内消火栓装置であることを特徴とする第5の発明に係る消防システムである。
第7の発明は、前記放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置および手動で消火物を放出する手動放出装置であり、前記自動放出装置について設けられている消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチであり、前記手動放出装置について設けられている消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、ことを特徴とする第1の発明または第2の発明に係る消防システムである。
第8の発明は、前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であり、前記手動放出装置は、屋内消火栓装置である、ことを特徴とする第7の発明に係る消防システムである。
第9の発明は、所定の場所に設けられた消火物を放出する第1の放出装置と、所定の場所に設けられた消火物を放出する第2の放出装置と、前記第1の放出装置および第2の放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第1の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第2の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、前記第2の消火物放出信号送信装置から第2の消火物放出信号を受信し、この受信した第2の消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、前記第1の消火物放出信号送信装置からの第1の消火物放出信号および前記自動火災報知装置からの信号を受信し、受信した第1の消火物放出信号に基づいて消火物を放出している第1の消火装置を特定し、受信した自動火災報知装置からの信号に基づいて消火物を放出している第2の放出装置を特定し、特定した第1の放出装置の種類および設置場所と第2の放出装置の種類および設置場所とに基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、を備えたことを特徴とする消防システムである。
第10の発明は、所定の場所に設けられた消火物を放出する第1の放出装置と、所定の場所に設けられた消火物を放出する第2の放出装置と、前記第1の放出装置に向けて送水する第1の加圧送水装置と、前記第2の放出装置に向けて送水する第2の加圧送水装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第1の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第2の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、前記第2の消火物放出信号送信装置から第2の消火物放出信号を受信し、この受信した第2の消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、前記第1の消火物放出信号送信装置からの第1の消火物放出信号を受信し、受信した第1の消火物放出信号に基づいて消火物を放出している第1の消火装置を特定し、特定した第1の放出装置の種類および設置場所に基づいて前記第1の加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、前記自動火災報知装置からの信号を受信し、受信した自動火災報知装置からの信号に基づいて消火物を放出している第2の放出装置を特定し、特定した第2の放出装置の種類および設置場所に基づいて前記第2の加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、を備えたことを特徴とする消防システムである。
第11の発明は、前記第1の放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置であり、前記第1の消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチであり、前記第2の放出装置は、手動で消火物を放出する手動放出装置であり、前記第2の消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、ことを特徴とする第9の発明または第10の発明に係る消防システムである。
第12の発明は、前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であり、前記手動放出装置は、屋内消火栓装置である、ことを特徴とする第11の発明に係る消防システムである。
第13の発明は、前記加圧送水装置は、回転数がインバータ制御される駆動装置により駆動される少なくとも1つのポンプを具備することを特徴とする第1の発明〜第12の発明のいずれか1つに係る消防システムである。
以上説明したように、本発明によれば、保守管理や安全性の確保が容易である低コストな消防システムを提供することができる。
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る消防システムを示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る消防システムは、スプリンクラー(SP)と、このスプリンクラー(SP)に2次側の配管を介して接続された流水検知装置1と、スプリンクラー(SP)ごとに設けられ流水検知装置1にそれぞれ接続された圧力スイッチ2と、流水検知装置1と1次側配管を介して接続された1次側配管に水を充満させる高架水槽3と、流水検知装置1に1次側配管を介して接続された加圧送水装置4と、この加圧送水装置4を制御する制御装置5と、呼水槽6と、圧力スイッチ7と、消火水槽8と、を備えている。
以下、4階で火災が発生したと仮定して、第1の実施の形態に係る消防システムについて説明する。なお、4階で火災が発生したと仮定したのは、説明の便宜のためである。
1次側配管および2次側配管には、高架水槽3からの水が充填されているが、4階で火災が発生すると、4階のスプリンクラー(SP)のスプリンクラーヘッドが熱により開放され水が放出される。スプリンクラー(SP)から水が放出され、高架水槽3単独では1次側配管および2次側配管に水を充填できなくなると、1次側配管および2次側配管の圧力が低下する。2次側配管の圧力が所定の圧力にまで低下すると、4階のスプリンクラー(SP)について設けられた圧力スイッチ2から信号が制御装置5へ送信される。制御装置5は、4階のスプリンクラー(SP)について設けられた圧力スイッチ2からの信号を受信すると、この受信した信号に基づいて水を放出しているスプリンクラー(ここでは、4階のスプリンクラー(SP))を特定する。制御装置5は、その記録手段に格納されている圧力送水量テーブル(図2)から、特定されたスプリンクラー(SP)が設置されている場所(ここでは4階)についてあらかじめ定められた圧力(ここでは、BMPa)と送水量(ここでは、1(丸付き数字)L/min)を読み出す。制御装置5は、読み出した圧力・送水量に基づく圧力制御信号・送水量制御信号を加圧送水装置4に送信する。加圧送水装置4は、呼水槽6からの水を利用して消火水槽8の水を4階のスプリンクラー(SP)に向けて送信するが、その際、制御装置5から受信した圧力制御信号・送水量制御信号に基づいて、送水の圧力・量を制御する。その結果、第1の実施の形態においては、加圧送水装置4からの送水圧力・送水量が、それぞれ、BMPa、1(丸付き数字)L/minに維持される。
なお、1次側配管の圧力低下は、火災が発生していない場合であっても、配管の老化等によって配管から消火物が漏洩することにより、起こり得る。このように、火災とは異なる原因によって1次側配管の圧力が低下した場合、圧力スイッチ2から制御装置5に所定の信号が送信される。制御装置5は、圧力スイッチ2からの信号を受信すると、1次側配管の圧力を所定の圧力に維持すべく、加圧送水装置4を動作させる。
図2は、圧力送水量テーブルの例を示す図である。
図2の圧力送水量テーブルは、制御装置5の記録手段に格納されており、放出装置の種類および設置場所と圧力および送水量との対応関係を示すテーブルである。
図2においては、放出装置の種類として、スプリンクラー(SP)、屋内消火栓装置(X)、泡放出装置(F)、スプリンクラー(SP)+屋内消火栓装置(X)、スプリンクラー(SP)+泡放出装置(F)、屋内消火栓装置(X)+泡放出装置(F)、スプリンクラー(SP)+泡放出装置(F)+屋内消火栓装置(X)の7種類が示されている。ここで、スプリンクラー(SP)+屋内消火栓装置(X)というのは、スプリンクラー(SP)と屋内消火栓装置(X)が消火物を放出しているということを意味し、スプリンクラー(SP)+泡放出装置(F)というのは、スプリンクラー(SP)と泡消火装置Fが消火物を放出していることを意味し、屋内消火栓装置(X)+泡放出装置(F)というのは、屋内消火栓装置(X)と泡放出装置(F)が消火物を放出していることを意味し、スプリンクラー(SP)+泡放出装置(F)+屋内消火栓装置(X)というのは、スプリンクラー(SP)と泡放出装置(F)と屋内消火栓装置(X)が消火物を放出しているということを意味する。
圧力送水量テーブルにおいて放出装置の種類および設置場所と対応付けられている圧力および送水量は、放出装置の種類および設置場所の観点から、最適な値に設定されている。したがって、この圧力送水量テーブルによれば、放出装置の種類および設置場所に最適な圧力および送水量で、加圧送水装置4から送水をなすことができる。
なお、図2におけるA〜Wの値は、たとえば圧力損失計算によって算出することができるが、本発明は、A〜Wの値の算出方法を圧力損失計算に限定するものではない。したがって、A〜Wの値は、各放出装置の種類にとって最適な圧力を示すものであればなんでもよい。よって、A〜Wの値は、各放出装置の種類にとって最適な圧力を示すものであるならば、たとえば、すべて同一の値であってもよいし、すべて別々の値であってもよいし、A〜Wの一部に値を同じくするものがあってもよい。
また、図2における1(丸付き数字)〜7(丸付き数字)の値は、各放出装置の種類にとって最適な送水量を示すものであればなんでもよい。したがって、1(丸付き数字)〜7(丸付き数字)の値は、各放出装置の種類にとって最適な送水量を示すものであるならば、たとえば、すべて同一の値(ポンプの最大吐出量など)であってもよいし、すべて別々の値であってもよいし、1(丸付き数字)〜7(丸付き数字)の一部に値を同じくするものがあってもよい。
図3は、加圧送水装置4の例を示す図である。
図3に示すように、加圧送水装置4は、モータにより駆動される2台のポンプを具備している。
加圧送水装置4は、制御装置5からの圧力制御信号に基づいて、ポンプを駆動するモータの回転数を制御し、もって送水圧力を所定の値とする。また、加圧送水装置4は、制御装置5からの送水量制御信号に基づいて、起動させるポンプの数を変化させ、もって送水量を所定の値とする。
なお、本発明は、ポンプを駆動するモータの回転数を制御する方法を限定するものではないが、ポンプを駆動するモータの回転数の制御は、回転数を直接可変するVVVFインバータ(Variable Voltage Variable Frequency Inverter:可変電圧可変周波数インバータ)などのインバータ制御により行なうのが望ましい。このVVVFインバータは、可変電圧可変周波数制御方法を採用しており、出力トルク特性・システム効率・変速範囲において優れている。
なお、本発明の実施の形態においては、理解を容易にするため、加圧送水装置が2台のポンプを具備するとしたが、本発明に係る加圧送水装置には、1台以上のポンプを具備するすべての加圧送水装置が含まれる。したがって、たとえば、1台のポンプを具備する加圧送水装置も、本発明に含まれる。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る消防システムを示す図である。
図4に示すように、第2の実施の形態に係る消防システムは、スプリンクラー(SP)、屋内消火栓装置(X)、および泡放出装置(F)を備えている点で、スプリンクラー(SP)のみ備えている第1の実施の形態に係る消防システムと相違する。
以下、2階で火災が発生したと仮定して、第2の実施の形態に係る消防システムについて説明する。なお、2階で火災が発生したと仮定したのは、説明の便宜のためである。
2階で火災が発生すると、2階の泡放出装置(F)のヘッドが熱により開放され泡が放出されるとともに、2階のスプリンクラー(SP)のスプリンクラーヘッドが熱により開放され水が放出される。泡放出装置(F)から泡が放出され、スプリンクラーFから水が放出されると、2次側配管の圧力が低下する。2次側配管の圧力が所定の圧力にまで低下すると、圧力スイッチ2から信号が制御装置5へ送信される。制御装置5は、圧力スイッチ2からの信号を受信すると、この受信した信号に基づいて水を放出している放出装置を特定する。制御装置5は、記録手段に格納されている圧力送水量テーブルから、特定された放出装置の種類および設置場所(ここでは、種類:泡放出装置(F)+スプリンクラー(SP)、設置場所:2階)についてあらかじめ定められた圧力と送水量を読み出す。制御装置5は、読み出した圧力・送水量に基づく圧力制御信号および送水量制御信号を加圧送水装置4に送信する。そして、加圧送水装置4は、制御装置5から受信した圧力制御信号・送水量制御信号で、スプリンクラー(SP)および泡消火装置Fに向けて送水を行う。
なお、2階の屋内消火栓装置(X)について設けられている起動押しボタンが押されると、2階の圧力スイッチ2からの信号のみならず、2階の屋内消火栓装置(X)についての押しボタンからの信号も、制御装置5に送信される。この場合、制御装置5は、圧力スイッチ2からの信号と起動押しボタンからの信号を受信し、この受信した信号に基づいて水を放出している放出装置を特定する。制御装置5は、記録手段に格納されている圧力送水量テーブルから、特定された放出装置の種類および設置場所(ここでは、種類:泡放出装置(F)+スプリンクラー(SP)+屋内消火栓装置(X)、設置場所:2階)についてあらかじめ定められた圧力と送水量を読み出す。制御装置5は、読み出した圧力・送水量に基づく圧力制御信号および送水量制御信号を加圧送水装置4に送信する。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る消防システムを示す図である。
図5に示すように、第3の実施の形態は、泡放出装置(F)、スプリンクラー(SP)、屋内消火栓装置(X)に向けて送水を行う加圧送水装置4および消火水槽8をそれぞれ別個のものとした点で、第2の実施の形態と相違する。
このように加圧送水装置4を別個のものとすれば、加圧送水装置4の故障という危険を分散できる。また、消火水槽8を別個のものとすれば、1つの消火水槽8の容量が法令などで定められている場合にでも、多量の水を確保できる。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る消防システムを示す図である。
図6に示すように、第4の実施の形態に係る消防システムは、バックアップ用のポンプ11を備える点で、バックアップ用のポンプ11を備えない第2の実施の形態に係る消防システムと相違する。また、第4の実施の形態に係る消防システムは、連結送水管14を備える点でも、第2の実施の形態に係る消防システムと相違する。
第4の実施の形態に係る消防システムにおいては、加圧送水装置4が故障した場合、操作盤12の手動操作で、バックアップ用のポンプ11を動作させることができる。したがって、第4の実施の形態に係る消防システムによれば、主たる加圧送水装置4が故障しても、消火活動を行うことができる。
また、大規模火災が発生して予想以上の水量が必要になった場合、連結送水管14と消防車13とが接続され、スプリンクラー(SP)、泡放出装置(F)、屋内消火栓装置(X)に加えて、連結送水管14を介した消防車13からの消火活動が行われるが、第4の実施の形態によれば、この連結送水管14と加圧送水装置4が接続されている。したがって、第4の実施の形態によれば、消防車13が到着しない場合や消防車13からの送水が不可能となった場合でも、加圧送水装置4から連結送水管14に送水が行われるため、スプリンクラー(SP)、泡放出装置(F)、屋内消火栓装置(X)、連結送水管14による消火活動が可能となる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、放出装置の種類および設置場所に基づいて加圧送水装置4からの送水圧力および送水量が制御される。したがって、第1の実施の形態〜第4の実施の形態によれば、加圧送水装置4からの送水が必要以上の圧力および送水量となることがないため、水損(放出される消火物が過剰な圧力や過剰な量であることによる2次的損害)を防止できるとともに、効率的な消火を行うことができる。そして、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムは、その保守管理が容易であり、このため安全性も容易に確保できる。したがって、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、消防設備を、物的にも人的にも低コストで実現することができるため、建物などへの適用を容易に行うことができる。
また、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、加圧送水装置4からの送水圧力および送水量が制御されるため、減圧弁や調圧弁などを配管に設ける必要がなくなるとともに、配管への圧力鋼管の使用量などが減少する。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態、および第4の実施の形態に係る消防システムが使用する加圧送水装置4は、1台である。したがって、第1の実施の形態、第2の実施の形態、および第4の実施の形態によれば、消防システムの保守管理、安全性の確保、低コスト化が極めて容易になるとともに、加圧送水装置4を設置するために広いスペースを確保する必要性が減少する。
第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、任意の位置に設置された任意の性能を有する放出装置への送水を適切な圧力および送水量とすることができる。したがって、第1の実施の形態〜第4の実施の形態によれば、消防システムを導入する際における、放出装置の設置場所や放出装置の性能についての選択肢を広げることができる。
また、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、加圧送水装置4から各放出装置に向けて最適な圧力および送水量で送水が行われる。したがって、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムによれば、各放出装置の性能を最大限に発揮することができる。
また、第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る消防システムは、既存の放出装置に圧力スイッチを設けて、この圧力スイッチと制御装置とを繋ぎ、この制御装置5によって加圧送水装置を制御することにより、既存の消防システムにも容易に適用することができる。
なお、上記した第1の実施の形態〜第4の実施の形態においては、圧力スイッチからの信号および起動押しボタンからの信号が制御装置5によって直接受信されることとしたが、本発明は、制御装置5がこれらの信号を直接受信する形態に限定されるものではない。したがって、たとえば、圧力スイッチ2からの信号や起動押しボタンからの信号を自動火災報知装置9が受信し、この自動火災報知装置9からの信号を制御装置5が受信することとしてもよい。この場合、制御装置5は、自動火災報知装置9からの信号に基づいて、水を放出している放出装置を特定し、このようにして特定した放出装置の種類と設置場所とに基づいて、加圧送水装置4から送水される水の圧力および量を制御する。
なお、自動火災報知装置9とは、火災の発生を防火対象物の関係者などに自動的に放置する消防関係法に基づく装置であって、感知器・中継器・受信機・発信機などで構成されたものをいう。
なお、圧力スイッチは、制御装置5と自動火災報知装置9の双方に信号を送信してもよい。この場合は、加圧送水装置4からの送水圧力および送水量の制御が可能となるとともに、自動火災報知装置9による火災発生の報知も可能になる。
また、2つの圧力スイッチを設けて、一方の圧力スイッチの信号を制御装置5に送信し、他方の圧力スイッチ2の信号を自動火災報知装置9に送信してもよい。この場合は、一方の圧力スイッチ2からの信号に基づいて加圧送水装置4の送水圧力および送水量が制御され、他方の圧力スイッチ2からの信号に基づいて自動火災報知装置9による火災発生の報知がなされる。
なお、制御装置5は、ハードウェア的に構成することができるが、ソフトウェア的に構成することもできる。
本発明に係る消防システムは、あらゆる場所(駐車場、競技場、工場、住宅、駅、空港など)の消防設備として用いることができるが、特に、高層ビルの消防設備に適している。
本発明の第1の実施の形態に係る消防システムを示す図である。 圧力流水量テーブルの例を示す図である。 加圧送水装置の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る消防システムを示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る消防システムを示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る消防システムを示す図である。
符号の説明
1 流水検知装置
2 圧力スイッチ
3 高架水槽
4 加圧送水装置
5 制御装置
6 呼水槽
7 圧力スイッチ
8 消火水槽
9 自動火災報知装置
10 泡原液装置
11 バックアップ用ポンプ
12 制御盤
13 消防車
14 連結送水管
SP スプリンクラー
F 泡放出装置
X 屋内消火栓装置

Claims (13)

  1. 所定の場所に設けられた消火物を放出する放出装置と、
    前記放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    前記消火物放出信号送信装置から消火物放出信号を受信し、この受信した消火物放出信号に基づいて消火物を放出している放出装置を特定し、この特定した放出装置の種類および設置場所に基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする消防システム。
  2. 所定の場所に設けられた消火物を放出する放出装置と、
    前記放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    前記消火物放出信号送信装置から消火物放出信号を受信し、この受信した消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、
    前記自動火災報知装置から信号を受信し、この受信した信号に基づいて消火物を放出している放出装置を特定し、この特定した放出装置の種類および設置場所に基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする消防システム。
  3. 前記放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置であり、
    前記消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の消防システム。
  4. 前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であることを特徴とする請求項3に記載の消防システム。
  5. 前記放出装置は、手動で消火物を放出する手動放出装置であり、
    前記消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の消防システム。
  6. 前記手動放出装置は、屋内消火栓装置であることを特徴とする請求項5に記載の消防システム。
  7. 前記放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置および手動で消火物を放出する手動放出装置であり、
    前記自動放出装置について設けられている消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチであり、
    前記手動放出装置について設けられている消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の消防システム。
  8. 前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であり、
    前記手動放出装置は、屋内消火栓装置である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の消防システム。
  9. 所定の場所に設けられた消火物を放出する第1の放出装置と、
    所定の場所に設けられた消火物を放出する第2の放出装置と、
    前記第1の放出装置および第2の放出装置に向けて送水する加圧送水装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第1の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第2の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    前記第2の消火物放出信号送信装置から第2の消火物放出信号を受信し、この受信した第2の消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、
    前記第1の消火物放出信号送信装置からの第1の消火物放出信号および前記自動火災報知装置からの信号を受信し、受信した第1の消火物放出信号に基づいて消火物を放出している第1の消火装置を特定し、受信した自動火災報知装置からの信号に基づいて消火物を放出している第2の放出装置を特定し、特定した第1の放出装置の種類および設置場所と第2の放出装置の種類および設置場所とに基づいて前記加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする消防システム。
  10. 所定の場所に設けられた消火物を放出する第1の放出装置と、
    所定の場所に設けられた消火物を放出する第2の放出装置と、
    前記第1の放出装置に向けて送水する第1の加圧送水装置と、
    前記第2の放出装置に向けて送水する第2の加圧送水装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第1の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    消火物放出信号を所定の場合に送信する前記第2の放出装置ごとに設けられた消火物放出信号送信装置と、
    前記第2の消火物放出信号送信装置から第2の消火物放出信号を受信し、この受信した第2の消火物放出信号に基づく信号を送信する自動火災報知装置と、
    前記第1の消火物放出信号送信装置からの第1の消火物放出信号を受信し、受信した第1の消火物放出信号に基づいて消火物を放出している第1の消火装置を特定し、特定した第1の放出装置の種類および設置場所に基づいて前記第1の加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、
    前記自動火災報知装置からの信号を受信し、受信した自動火災報知装置からの信号に基づいて消火物を放出している第2の放出装置を特定し、特定した第2の放出装置の種類および設置場所に基づいて前記第2の加圧送水装置に送水圧力制御信号および送水量制御信号を送信する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする消防システム。
  11. 前記第1の放出装置は、火災が発生した場合に自動的に消火物を放出する自動放出装置であり、
    前記第1の消火物放出信号送信装置は、前記放出装置から放出される消火物の圧力が所定値以下となった場合に消火物放出信号を送信する圧力スイッチであり、
    前記第2の放出装置は、手動で消火物を放出する手動放出装置であり、
    前記第2の消火物放出信号送信装置は、起動押しボタンである、
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の消防システム。
  12. 前記自動放出装置は、スプリンクラー、泡放出装置、またはスプリンクラーおよび泡放出装置であり、
    前記手動放出装置は、屋内消火栓装置である、
    ことを特徴とする請求項11に記載の消防システム。
  13. 前記加圧送水装置は、回転数がインバータ制御される駆動装置により駆動される少なくとも1つのポンプを具備することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の消防システム。

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