JP5705026B2 - スプリンクラ消火設備及びスプリンクラ消火設備の制御方法 - Google Patents
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Description
火災発生時に予作動弁を開放したときは消火用水が二次側配管に流れ込むが、真空ポンプは、水を吸引すると過負荷で停止したり故障を起こしたりする虞がある。そこで、予作動弁の開放に連動して閉止する電動弁または逆止弁である流水遮断弁を真空配管に設け、真空配管に水が流入しないようにしている。また、スプリンクラヘッドが開栓したときに、二次側配管の所定の圧力上昇によってスプリンクラヘッドの作動を検出するようにしているが、開栓したスプリンクラヘッドから流入する空気量は多くないので、真空ポンプが運転中であってもスプリンクラヘッド開栓時に二次側配管の圧力が十分に上昇するよう真空配管にオリフィスを設け、スプリンクラヘッドの作動を確実に検出できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このような真空式のスプリンクラ消火設備では、スプリンクラヘッドが接続される立ち下がり管部分に水が残っていても、二次側配管内は負圧空気となるので、何らかの原因でスプリンクラヘッドが破損しても漏水を防ぐことができる。
第2の目的は、スプリンクラヘッドが破損しても立ち下がり配管内の残水を確実に吸引し、漏水を起こさないスプリンクラ消火設備及びスプリンクラ消火設備の制御方法を得るものである。
本実施の形態のスプリンクラ消火設備は、水源である消火用水槽WT、消火用水槽WTの近くに設置された加圧送水装置1、予作動弁2、予作動弁2の一次側に接続され、加圧送水装置1からの消火用水(加圧水)が充満された一次側配管4、予作動弁2の二次側に接続され、平常時に予作動弁2により通水が遮断され、平常時は充水されない二次側配管5、二次側配管5に接続され、防護区画Aに配置された複数のスプリンクラヘッド3、二次側配管5に真空配管7を介して接続され、二次側配管5内を負圧にする真空ポンプ8、真空配管7に設けられ、放水時に二次側配管5へ圧送される消火用水の圧力によって閉弁する常開の流水遮断弁9、流水遮断弁9と真空ポンプ8の間の真空配管7に介在するように設けられたオリフィス12、等から構成されている。なお、スプリンクラヘッド3が設置された防護区画Aには火災感知器21が配設され、火災感知器21は火災受信機22とで自動火災報知設備を構成している。
(1)二次圧上昇の場合
消火システム制御盤23は、予作動弁2が開放していない場合(即ち、流水信号用圧力スイッチ2aからの流水信号が入力されていない場合、あるいは、遠隔起動弁2bを介して予作動弁2を開弁する制御信号を送出していない場合)に、真空スイッチ10あるいはヘッド作動検出装置11からの二次圧上昇信号の入力を検知すると、急速吸引弁13を開放する。これは、防護区画A内での火災発生でスプリンクラヘッド3の放水口が開栓したことにより、あるいはスプリンクラヘッド3の破損により、外気が二次側配管5内に流入して圧力が上昇したときである。火災発生時は問題ないが、スプリンクラヘッド3を破損した場合には、立ち下がり配管6に溜まっている消火用水をオリフィス12での圧損によって十分に吸引できずに漏水してしまうことがある。この水漏れを防止するために、急速吸引弁13を開放してオリフィス12における圧損を無くし、二次側配管5に至る真空配管7内を強力に吸引する。これにより、二次側配管5内が所定の負圧を維持できるので、立ち下がり配管6内の残水が二次側配管5側に吸引され、破損したスプリンクラヘッド3から漏出することはない。
消火システム制御盤23は、ヘッド作動検知スイッチ11または真空スイッチ10からの二次圧上昇信号を受信するとともに火災受信機22からの火災信号を受信すると、遠隔起動弁2bに開弁信号を送出し、予作動弁2を開放する。この時、一次側配管4内の消火用水が二次側配管5内に流入する。一方、消火ポンプ制御盤25は、加圧送水装置1を通して一次側配管4内の圧力が低下したことを検知したときに、加圧送水装置1を駆動して消火用水槽WTから消火用水を吸引させ、消火用水を一次側配管4へ圧送し、二次側配管5及び立ち下がり配管6を介して開栓したスプリンクラヘッド3から散水させる。
また、消火システム制御盤23は、急速吸引弁13を開放してから火災受信機22からの火災信号が入力されないときには、前述の二次圧上昇信号が無い状態での復旧操作が行われたかどうかを判定し、二次圧上昇信号が出力されたままの場合、あるいは、二次圧上昇信号の出力が停止しても復旧操作が無い場合は、スプリンクラ消火設備の動作に変化は無い。二次圧上昇信号が停止(例えば、破損したスプリンクラヘッド3が交換されて二次側配管5への外気流入が停止)し、復旧操作が行われたときには急速吸引弁13を閉止し、平常状態に復する。ここに、復旧操作とは、消火システム制御盤23の操作部に設けられた復旧スイッチを操作することである。
また、消火システム制御盤23は、前記操作部の手動操作により遠隔起動弁2bに開弁信号を送出し、予作動弁2を開放し、前記開弁信号を送出したこと、あるいは、流水信号用圧力スイッチ2aからの流水信号を受信したことにより、急速吸引弁13を開放する。これにより、オリフィス12を迂回する流路が開放され、オリフィス12による吸引圧力の損失を無くすので、流水遮断弁9に逆止弁構造を用いた場合はこれを予作動弁2の開放に連動して確実に閉止させる。即ち、急速吸引弁13を開放することによって、オリフィス12による圧損を受けることなく真空配管7内を真空ポンプ8が強力に吸引するので、二次側配管5内に流入する消火用水の圧力により、流水遮断弁9の一次側と二次側との間の差圧が流水遮断弁9を確実に閉止させる圧力となるので、流水遮断弁9の弁体が真空配管7側に移動して確実に閉止され、消火用水が真空配管へ流入することはない。なお、流水遮断弁9に電動弁を用い、消火システム制御盤23が遠隔起動弁2bに開弁信号を送出したとき、または、予作動弁2の開放に伴って流水信号用圧力スイッチ2aからの流水信号を消火システム制御盤23が受信したときに、流水遮断弁9を閉止するように制御してもよい。そして、消火システム制御盤23は、急速吸引弁13を開放した後に、火災信号の入力が無い状態での復旧操作が行われたかどうかを判定し、火災鎮火が確認されて操作員が自動火災報知設備の復旧操作を行ない、火災受信機22からの火災信号が消火システム制御盤23に入力されない状態で、消火システム制御盤23の盤面で復旧操作が行われたときには、急速吸引弁13を閉止すると共に、遠隔起動弁2bを閉止して予作動弁2を閉止、さらに消火ポンプ制御盤25を操作して加圧送水装置1を停止し、消火作業を終了する。
本実施の形態に係るスプリンクラ消火設備は、平常状態では、二次側配管5内には消火用水が無く、真空ポンプ8の運転により二次側配管5内と真空配管7内が外気より低い負圧となっている、真空式の予作動式スプリンクラ消火設備である。
Claims (4)
- 予作動弁と、
該予作動弁の一次側に接続され、基端側に加圧送水装置が接続され、水源からの加圧水が充満された一次側配管と、
前記予作動弁の二次側に接続され、スプリンクラヘッドが接続された、平常時は充水されない二次側配管と、
該二次側配管に真空配管を介して接続され、前記真空配管内を常に負圧とするように制御されて前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、
前記真空配管に接続され、前記真空配管内の圧力を通して前記二次側配管内の圧力を検出し、該圧力が所定値または所定の上昇率を超えたときに信号を送出する圧力検出手段と、
前記真空ポンプが運転中であっても前記スプリンクラヘッドの開栓時に上昇する前記二次側配管内の圧力を前記圧力検出手段が検出できるように、前記真空配管の基端側に介在するように設けられたオリフィスと、
前記オリフィスと前記二次側配管との間の真空配管に介在するように設けられ、前記予作動弁を開弁すると前記二次側配管に流入する加圧水に押圧されて閉弁する常開の流水遮断弁と、
を有するスプリンクラ消火設備において、
前記真空配管に前記オリフィスと並列になるように接続された常閉の開放弁と、
前記予作動弁が開放されたとき又は開放されるときに、前記流水遮断弁を吸引して、当該流水遮断弁の弁体のチャタリングを防止し確実に閉止するように前記開放弁を開放する弁制御手段と、
を備えたことを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 前記弁制御手段は、前記予作動弁が開放することなく前記圧力検出手段からの信号が入力されると、前記開放弁を開放することを特徴とする請求項1記載のスプリンクラ消火設備。
- 前記弁制御手段は、前記開放弁を開放するとともに、防護区画内に配設された火災感知器からの火災信号を受信したときに、前記予作動弁を開放することを特徴とする請求項1又は2記載のスプリンクラ消火設備。
- 予作動弁と、
該予作動弁の一次側に接続され、基端側に加圧送水装置が接続され、水源からの加圧水が充満された一次側配管と、
前記予作動弁の二次側に接続され、スプリンクラヘッドが接続された、平常時は充水されない二次側配管と、
該二次側配管に真空配管を介して接続され、前記真空配管内を常に負圧とするように制御されて前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、
前記真空配管に接続され、前記真空配管内の圧力を通して前記二次側配管内の圧力を検出し、該圧力が所定値または所定の上昇率を超えたときに信号を送出する圧力検出手段と、
前記真空ポンプが運転中であっても前記スプリンクラヘッドの開栓時に上昇する前記二次側配管内の圧力を前記圧力検出手段が検出できるように、前記真空配管の基端側に介在するように設けられたオリフィスと、
前記オリフィスと前記二次側配管との間の真空配管に介在するように設けられ、前記予作動弁を開弁すると前記二次側配管に流入する加圧水に押圧されて閉弁する常開の流水遮断弁と、
を有するスプリンクラ消火設備の制御方法において、
前記真空配管に前記オリフィスと並列になるように常閉の開放弁を接続し、
前記予作動弁が開放されたとき又は開放されるときに前記流水遮断弁を吸引して、当該流水遮断弁の弁体のチャタリングを防止し確実に閉止するように前記開放弁を開放し、
前記予作動弁が開放されることなく、前記二次側配管内の圧力または圧力上昇率のいずれかがそれぞれ予め定めた所定値を超えたときに、前記開放弁を開放し、
さらに、前記開放弁を開放するとともに防護区画内に配設された火災感知器が火災を感知したときには、前記予作動弁を開放して開栓した前記スプリンクラヘッドから散水することを特徴とするスプリンクラ消火設備の制御方法。
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