JP2017023452A - スプリンクラヘッドおよびスプリンクラ消火設備 - Google Patents

スプリンクラヘッドおよびスプリンクラ消火設備 Download PDF

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Abstract

【課題】流水検知装置がなくても設備が作動していることを検出できるスプリンクラヘッド、およびこのスプリンクラヘッドを用いたスプリンクラ消火設備を提供する。【解決手段】流水検知装置に代えてスプリンクラヘッド内に充填した粉末消火剤が放出することを検出する作動検知スイッチを設け、作動検知スイッチがスプリンクラヘッドから粉末消火剤が放出したことを検出したことに基づきスプリンクラ消火設備が作動したことを判断するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、火災の熱により作動し、水を放出して消火するスプリンクラヘッド、および該スプリンクラヘッドを用いたスプリンクラ消火設備に関するものである。
従来のスプリンクラ消火設備には、加圧送水装置からスプリンクラヘッドに至る配管内に常時圧力水が充水され、火災の熱によりスプリンクラヘッドが作動すると管内の圧力が低下して加圧送水装置が起動し、消火水が加圧送水され、スプリンクラヘッドから消火水を放水して消火する湿式スプリンクラ消火設備がある。
また、スプリンクラ消火設備には、寒冷地のように湿式スプリンクラ消火設備では流水検知装置の二次側配管内の水が凍結し、火災時に水が流れなかったり、凍結により水の体積が増加して配管やスプリンクラヘッドを破損したりという不具合が発生する恐れがあり、このような不具合を防止するために、常時は流水検知装置の二次側に水を充水しない乾式スプリンクラ消火設備がある。
また、スプリンクラ消火設備には、湿式スプリンクラ消火設備や乾式スプリンクラ消火設備では、物がぶつかるなどによりスプリンクラヘッドが破損した場合でも、火災時と同様に放水してしまうという不具合が発生する恐れがあり、このような不具合を防止するために、スプリンクラヘッドの作動による配管内圧力の低下と火災感知器の火災信号により流水検知装置が開放、加圧送水装置を起動する予作動式スプリンクラ消火設備がある。
特開2013−255638号公報 特開2006−83887号公報
これまでのスプリンクラ消火設備では、流水検知装置を用いて設備が作動していることを検出していた。流水検知装置は、内部に流水により稼働する内部部品を有しており、内部部品にはパッキン等の定期的に交換を要する部品が含まれていた。これらの部品を交換するためには、流水検知装置を分解する必要があり、そのためには、スプリンクラ消火設備の配管内の水を抜くなど手間のかかる作業が発生していた。
また、これまでの乾式スプリンクラ消火設備は、流水検知装置を用いて流水検知装置の一次側に加圧充填された水に対し、二次側には水より伸縮しやすい空気を加圧充填して流水検知装置を閉止している。
このため、乾式スプリンクラ消火設備では、スプリンクラヘッドが作動してから流水検知装置が開放して、水が放出されるまでに放出する空気の量が多く、流水検出信号を発信したり、水を放出したりするまでに時間がかかってしまい、対応策として急速排気弁を用いて、スプリンクラヘッドが作動した場合は、配管内の空気を急速排気弁からも排出するようにしていた。
また、圧縮空気は加圧水と比較して、配管のねじ込み部分などから漏れやすいため、漏れた分の空気を補充するためにコンプレッサーなどの装置も必要であり、設備が高価になっていた。
また、これまでの予作動式スプリンクラ消火設備は、流水検知装置の一次側に圧力水が充填されていたため、火災感知器の誤報で流水検知装置が開放した場合でも、流水検知装置が開放すると、流水検知装置内に流水が発生し、流水検知信号を発信してしまうため、建物内に火災警報が鳴動し、建物利用者に多大な混乱をもたらすという問題点があった。(通常、火災感知器の作動の場合、第一報は防災センターへの通報のみであり、建物内に火災警報が鳴動されることはない。一方で流水検知装置の流水検知信号は第一報から火災警報が鳴動される。)また、このとき加圧送水装置が起動するため、配管内に水が入り、設備を復旧するのに流水検知装置二次側の配管内の水を抜くなど、手間がかかるという問題点があった。
本発明は、流水検知装置に代えて、スプリンクラヘッドが作動したことを検出する作動検知スイッチを取り付けて、スプリンクラヘッドの作動を検知するようにしたもので、流水検知装置を不要として、そのオーバーホール等の手間を大幅に軽減することを目的とする。
また、本発明は、流水検知装置に代えて、スプリンクラヘッドにその作動を検出して信号を送信する作動検知スイッチを取り付けて、スプリンクラヘッドの作動を検知した時に加圧送水装置を起動するようにしたもので、配管および巻きだし配管内は常時大気圧となっているので、従来の乾式スプリンクラ消火設備よりスプリンクラヘッドが作動してから水が放出されるまでの時間を短縮した乾式スプリンクラ消火設備を提供することを目的とする。
また、本発明は、流水検知装置に代えて、スプリンクラヘッドにその作動を検出して信号を送信する作動検知スイッチを取り付けて、スプリンクラヘッドの作動を検出した検出信号と、火災感知器が火災感知した火災感知信号の両方を検出した時に開放する選択弁を備え、作動検知スイッチがスプリンクラヘッドの作動を検出したときに火災警報を鳴動し、加圧送水装置を起動するようにしたもので、従来の予作動式スプリンクラ消火設備のように火災感知器の誤報で火災警報が鳴動してしまうことがない予作動式スプリンクラ消火設備を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るスプリンクラヘッドは、放水口を有するヘッド本体と、前記放水口を塞ぐ弁体と、前記弁体を指示する感熱分解部を備えたスプリンクラヘッドであって、前記ヘッド本体に充填された粉末消火剤と、前記感熱分解部が分解して前記弁体が開放し、前記粉末消火剤が放出されたことを検出する作動検知スイッチと、を備えたことを特徴とするものである。
(2)本発明に係るスプリンクラ消火設備は、(1)に記載のスプリンクラヘッドと、加圧送水装置と、前記スプリンクラヘッドと前記加圧送水装置とを接続する配管とを備え、前記作動検出スイッチが前記粉末消火剤が放出されたことを検出したことに基づき前記加圧送水装置を起動することを特徴とするものである。
本発明によれば、流水検知装置に代えて、スプリンクラヘッドが作動したことを検出する作動検知スイッチを設けたので、流水検知装置が不要となり、そのオーバーホール等の手間を大幅に軽減することができる。
また、本発明によれば、流水検知装置の二次側配管内に圧縮空気を充填する必要がなく、配管内が大気圧となっているので、スプリンクラヘッドが作動してから水が放出されるまでの時間を従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも短くすることができる。
また、本発明によれば、作動検知スイッチがスプリンクラヘッド内に貯蔵した粉体の放出を検出した時点で検出信号を発信するので、従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも警報装置を早く鳴動させることができる。
また、本発明によれば、流水検知装置の二次側配管内の空気を圧縮する必要がないので、二次側配管内の空気が漏れることがなく、コンプレッサーなどの装置を不要とすることができる。
また、本発明によれば、作動検知スイッチがスプリンクラヘッド内に貯蔵した粉体の放出を検出したことと、火災感知器が火災を感知したことのアンドで火災警報を鳴動したり、加圧送水装置を起動したりするので、スプリンクラ消火設備の火災監視の精度を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備1の設備系統図である。 図1のスプリンクラヘッド2の構造図である。 図1のスプリンクラ消火設備1におけるスプリンクラヘッド2の作動場所および作動数量に基づくポンプ5の送水圧力の一例を示した表である。 本発明の実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備100の設備系統図である。 本発明の実施の形態3に係るスプリンクラ消火設備200の設備系統図である。 本発明の実施の形態4に係るスプリンクラ消火設備300の設備系統図である。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備1の一例を示す設備系統図である。
また、図2は本実施の形態1に係るスプリンクラヘッドの構造図である。
スプリンクラ消火設備1は、監視区画の天井面に取り付けられたスプリンクラヘッド2と、スプリンクラヘッド2内に充填された粉末消火剤11(粉体に相当)と、スプリンクラヘッド2に水を供給する配管3と、一端が配管3に接続され、他端にスプリンクラヘッド2が接続された巻きだし配管31と、水槽6から水を汲み上げて配管3に供給するポンプ5(加圧送水装置に相当)と、ポンプ5を制御するポンプ制御盤51とスプリンクラ消火設備1を含む防災システム全体を制御する受信機7とスプリンクラ消火設備1の動作試験を行うための末端試験弁8と、火災発生を知らせる図示しないベルや非常放送等の警報装置により構成されている。
スプリンクラヘッド2は、平常時には感熱部としての半田やアルコールを封入したグラスバルブにより放水口を塞ぐ弁体22がリンク機構(感熱分解部23)により支持されて閉鎖しており、火災時には、火災の熱により感熱部の形状が物理的に変化して感熱分解部23が分解し弁体22が開放し作動する。
また、スプリンクラヘッド2は、その閉鎖されたヘッド本体21の内部に粉末消火剤11を充填しており、充填した粉末消火剤11の上に乗るように作動検知スイッチ4が備えられている。
作動検知スイッチ4は、水平軸を基軸として検知部41が上下方向に回転するもので、例えば、粉末消火剤11が放出し、検知部41が水平から下向きに60度以上回転するとスイッチがONとなり、下向きに60度より上側に検知部41があるときには、スイッチはOFFとなっている。
なお、作動検知スイッチ4のON・OFFは検知部41の回転軸に接点を設けてもよいし、検知部41が回転した先に接点を設けてもよいし、検知部41の位置が変化したことを検出する位置検出スイッチであってもよい。
また、作動検知スイッチ4がON・OFFする検知部41の角度はこれに限定せず、適正な値とすることができる。
また、作動検知スイッチ4は、平常時にスイッチがONとなっており、粉末消火剤11が放出されたときにOFFとなるようにしてもよい。そうすることで平常時の断線確認を行うことができる。
作動検知スイッチ4は、検知部41が粉末消火剤11の放出を検知したとき、流出検出信号(検出信号に相当)を送信する図示しない信号送信部を備える。
また、本実施の形態1では、スプリンクラヘッド2に作動検知スイッチ4を設け、スプリンクラヘッド2内に粉末消火剤11を充填する構成としているが、これに限定せず、後述する巻きだし配管31にも粉末消火剤11を充填し、巻きだし配管31の上部に作動検知スイッチ4を設けるようにしても良い。
また、作動検知スイッチ4は、自身のアドレス情報を記憶する図示しない記憶部を備え、粉末消火剤11の流出を検出した場合には、流出検出信号等とともに自身のアドレス情報を送信する。
配管3は、一方を後述するポンプ5と接続され、他方は複数の区画に分岐している。複数の区画に分岐した配管3は、巻きだし配管31を介してスプリンクラヘッド2と接続されている。
巻きだし配管31の一端は天井裏で配管3に接続されており、他端には1本につき1個のスプリンクラヘッド2が取り付けられている。巻きだし配管31は、スプリンクラヘッド2が取り付けられる位置まで立ち下がりながら延長され、スプリンクラヘッド2のみが、天井の所定の位置に空けられた穴から室内に露出する
スプリンクラ消火設備1では、配管3および巻きだし配管31には、大気圧と同じ圧力の空気で満たされており、いわゆる空配管となっている。こうすることで、スプリンクラ消火設備1内の水が凍結して、配管3,巻きだし配管31およびスプリンクラヘッド2などが破損したり、火災時に配管3または巻きだし配管31内が凍結することにより水が堰き止められたりして、放出できないといった不具合を回避することができる。
ポンプ5は、後述する水槽6の水を配管3および巻きだし配管31を経由してスプリンクラヘッド2に加圧送水する。また、ポンプ5は、例えばインバータ方式などによって、送水圧力を任意に制御することができる。
ポンプ制御盤51はポンプ5を起動、停止する等の制御を行う。また、ポンプ制御盤51は、図示しない受信部を備え、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号を受信するとポンプ5を起動する。さらに、図示しない記憶部と図示しない制御部を備え、受信部が受信したアドレス情報を、あらかじめ記憶部に記憶していたアドレス情報と照らし合わせて、作動したスプリンクラヘッド2の位置、数量に応じた送水圧力で水を送水するようにポンプ5を制御する。
図3は、図1のスプリンクラ消火設備1が例えば3階建ての建物に設置されている場合において、記憶部に記憶させたスプリンクラヘッド2の作動した位置、数量に応じたポンプ5の送水圧力のテーブルを示した一例である。このスプリンクラ消火設備1において、例えば1階のスプリンクラヘッド2が3個作動した場合、ポンプ5は0.19MPaの送水圧力で配管3に水を送水する。
水槽6は、消火設備専用の水を貯蔵する。
受信機7は、建物全体の防災システムの制御を行う。また、受信機7は、図示しない送受信部および受信機制御部を備え、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号とアドレス情報により図示しないベルや非常放送等の警報装置を鳴動させ、図示しない表示部に火災発生場所や現在の状況等の情報を表示する。また、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号とアドレス情報をポンプ制御盤51の受信部に向けて送信、中継する。
末端試験弁8は、配管3の末端側の巻きだし配管31に設けられている。末端試験弁8は、1個のスプリンクラヘッド2と同じオリフィス径を備え、スプリンクラ消火設備1の試験時に開放して模擬的にスプリンクラヘッド2が作動した状態とする。なお、末端試験弁8内にも粉末消火剤11が内蔵され、その上部には作動検知スイッチ4が取り付けられており、試験時には、この作動検知スイッチ4が粉末消火剤11の流出を検出し、流出検出信号と自身のアドレス情報を発信する。このとき受信機7は、アドレス情報より末端試験弁8が開放したと判断し、試験として取り扱う(例えば、受信機7に試験であることを表示させたうえ、受信機7のみ警報を鳴動させ、他のベルや非常放送等の警報装置は鳴動させない)。こうすることで、特に受信機7を操作して試験状態にしなくても試験を行うことができる。
なお、本実施の形態1では、末端試験弁8内に粉末消火剤11を内蔵して、その上部に作動検知スイッチを備える構成としているが、これに限定せず、例えば末端試験弁8の開放をリミットスイッチなどにより検出して、末端試験弁8の開放をリミットスイッチが検出した場合は試験として取り扱うようにしてもよい。この場合には末端試験弁8内に粉末消火剤11を内蔵する必要はない。
粉末消火剤11は、リン酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなどを主成分としたもので、消火器に内蔵されている消火剤である。
なお、粉末消火剤として本実施の形態1では、リン酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなどを主成分としたものを用いているが、これに限定せず、例えば、炭酸水素ナトリウムを主成分としたもの、炭酸水素カリウムを主成分としたものなど、粉末状の消火剤であればいずれを使用しても良い。
次にスプリンクラ消火設備1の火災時の動作について説明する。
火災が発生し、スプリンクラヘッド2の周辺温度が所定の温度(例えば72℃)に達すると、スプリンクラヘッド2が作動し、スプリンクラヘッド2内の粉末消火剤11が放出される。
このとき、作動したスプリンクラヘッド2では、充填されていた粉末消火剤11に支えられていた作動検知スイッチ4が下向きに回転する。
作動検知スイッチ4は、下向きに所定の角度以上回転した場合に、流出検出信号を発信するので、作動したスプリンクラヘッド2の作動検知スイッチ4のみが流出検出信号とアドレス情報を発信する。
作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報は、受信機7の送受信部が受信し、ポンプ制御盤51の受信部に送信、中継する。また、このとき受信機7はベルや非常放送等の警報装置を鳴動させるとともに、表示部に火災発生箇所を表示する。
流出検出信号を受信したポンプ制御盤51は、ポンプ5を起動させ水槽6の水を汲み上げて、アドレス情報に基づき、作動したスプリンクラヘッド2の位置、数量に応じた送水圧力と送水量で水を配管3に送水させる。例えば、3階で1個のスプリンクラヘッド2が作動している場合には、ポンプ5は0.12MPaの送水圧力で配管3に水を送水する。なお、ポンプ5が送水開始後にさらにスプリンクラヘッド2が作動した場合には、ポンプ制御盤の記憶部に記憶したテーブルに従って、放水圧力を変動させる。
このとき、空配管に急激に高い圧力で送水されると、配管3内にウォーターハンマーが発生し、スプリンクラヘッド2、巻きだし配管31および配管3等を破損する恐れがあるため、送水開始から所定時間(例えば最も遠方のスプリンクラヘッド2に水が到達する時間)は、必要な放水圧力よりも低い圧力で送水し、所定時間経過後から所定の放水圧力に変動させるようにしてもよい。
次に、末端試験弁8によるスプリンクラ消火設備1の試験方法について説明する。
試験は、任意の末端試験弁8を手動にて開放することによって行う。
任意の末端試験弁8を開放すると、当該末端試験弁8より粉末消火剤11が放出され、作動検知スイッチ4は粉末消火剤11が放出されたことを検出する。
粉末消火剤11の放出を検出した作動検知スイッチ4は、流出検出信号と自身のアドレス情報を発信する。これを受信した受信機7は、ポンプ制御盤51に流出検出信号とアドレス情報を中継するが、受信したアドレス情報より、末端試験弁8が開放されたことによる試験であると判断する。このとき、ポンプ制御盤51は流水検出信号を受信したことに対し、受信確認信号を受信機7に返信してもよい。こうすることで、受信機7とポンプ制御盤51間の通信状態が正常であることが確認できる。
受信機7は、試験であると判断したため、ベルや非常放送等の警報装置は鳴動させず、受信機7の警報のみ鳴動させ、表示部に試験中である旨と、開放された末端試験弁8の位置を表示する。
なお、本実施の形態1のスプリンクラ消火設備1では、作動検知スイッチ4が発信する流出検出信号とアドレス情報を受信機7が受信してポンプ制御盤51に中継する構成としているが、これに限定せず、ポンプ制御盤51が直接作動検知スイッチ4から受信する構成としてもよい。
また、本実施の形態1の末端試験弁8は、手動にて開放する構成としているがこれに限定せず、例えば、受信機7からの指示により電動にて開放する構成としてもよい。
以上のように、本実施の形態1のスプリンクラ消火設備1は、乾式スプリンクラ消火設備でありながら、流水検知装置の二次側配管内に圧縮空気を充填する必要がなく、配管内が大気圧となっているので、スプリンクラヘッドが作動してから水が放出されるまでの時間を従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも短くすることができる。
また、本実施の形態1のスプリンクラ消火設備1は、作動検知スイッチ4がスプリンクラヘッド2内に内蔵した粉末消火剤11の流出を検出した時点で流出検出信号を発信するので、従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも警報装置を早く鳴動させることができる。
また、本実施の形態1のスプリンクラ消火設備1は、配管内の空気を圧縮する必要がないので、配管内の空気が漏れることがなく、コンプレッサーなどの装置を不要とすることができる。
<実施の形態2>
図4は本実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備100の一例を示す設備系統図である。
スプリンクラ消火設備100は、実施の形態1のスプリンクラ消火設備1に対し、火災感知器10を加えたものであり、作動検知スイッチ4の流出検出信号と火災感知器10の火災感知信号の両方を受信機107が受信したとき、ポンプ5を起動するものであり、その他の部品については共通の部品を使用し、符号も同じものを使用している。
火災感知器10は、火災による煙を検出して、火災と判断すると火災感知信号を発信するものである。火災感知器10は、図示しない発光素子と受光素子を備え、常時は受光素子が発光素子の発する光を受光しないようにレイアウトされている。ここに煙が流入すると発光素子の発する光が煙の粒子に衝突して散乱し、受光素子がその散乱光を受光すると火災と判断する。
なお、本実施の形態2では、火災感知器10が煙を検出する構成としているが、これに限定せず、例えば、熱を検出するもの、炎を検出するもの、ガスを検出するもの、さらにこれらを複合的に検出して判断するものなどであっても良い。
また、火災感知器10は、図示しない感知器制御部、感知器記憶部および感知器送信部とを備え、火災を感知すると火災感知信号および記憶している自身のアドレス情報を送信部より発信する。
受信機107は、建物全体の防災システムの制御を行う。また、受信機107は、図示しない送受信部および受信機制御部を備え、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10が発信した火災感知信号とアドレス情報により、同一の監視区画で発生した火災であることを確認(アンド条件)すると、図示しないベルや非常放送等の警報装置を鳴動させ、図示しない表示部に火災発生場所や現在の状況等の情報を表示し、さらに、作動検知スイッチ4が発信したアドレス情報をポンプ制御盤51の受信部に向けて送信、中継する。
つまり、受信機107は、各監視区画に属する作動検知スイッチ4のアドレス情報と火災感知器10のアドレス情報との対応関係を示す図示しない「作動検知スイッチ−火災感知器」アドレス対照テーブルを記憶する図示しない受信機記憶部を有し、「作動検知スイッチ−火災感知器」アドレス対照テーブルを参照して、流出検出信号を発信した作動検知スイッチ4のアドレス情報と火災感知信号を発信した火災感知器10のアドレス情報とに基づいて、同一の監視区画で発生した火災であることを判別する。
ポンプ制御盤51は、図示しない受信部を備え、受信機107が発信した流出検出信号を受信するとポンプ5を起動する。さらに、図示しない記憶部と図示しない制御部を備え、受信部が受信したアドレス情報を、あらかじめ記憶部に記憶していたアドレス情報と照らし合わせて、作動したスプリンクラヘッド2の位置、数量に応じた送水圧力で水を送水するようにポンプ5を制御する。
なお、本実施の形態2では、受信機107が作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10が発信した火災感知信号とアドレス情報とを受信すると、そのアンド条件でポンプ制御盤51に対し、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を送信する構成としたが、これに限定せず、ポンプ制御盤51が「作動検知スイッチ−火災感知器」アドレス対照テーブルを記憶するようにして、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10の発信した火災感知信号とアドレス情報の両方を受信したときに、アンド条件を確認してポンプ5を起動するようにしてもよい。
また、火災感知器10が発信する火災感知信号とアドレス情報は受信機107が受信して、ポンプ制御盤51に中継し、作動検知スイッチ4の発信する流出検出信号とアドレス情報はポンプ制御盤51が受信して、ポンプ制御盤51がアンド条件を確認してポンプ5を起動させる構成としてもよいし、作動検知スイッチ4が発信する流出検出信号とアドレス情報は受信機107が受信して、ポンプ制御盤51に中継し、火災感知器10の発信する火災感知信号とアドレス情報はポンプ制御盤51が受信して、ポンプ制御盤51がアンド条件を確認してポンプ5を起動させる構成としてもよい
こうすることで、火災感知器10とスプリンクラヘッド2の両方が作動したときにポンプ5を起動することができ、火災監視の精度を高めるとともに、火災感知器10の誤報やスプリンクラヘッド2の破損といった不具合があった場合に、無駄にポンプ5を起動することがないので、その後の復旧処理を容易にすることができる。
<実施の形態3>
図5は本実施の形態3に係るスプリンクラ消火設備200の一例を示す設備系統図である。
スプリンクラ消火設備200は、実施の形態1のスプリンクラ消火設備1に対し、開閉弁9を加えたものであり、作動検知スイッチ4の流出検出信号とアドレス情報を受信機207が受信したとき、ポンプ5を起動し、該当する監視区画(流出検出信号を送信した作動検知スイッチ4を含む監視区画)につながる配管3に接続された開閉弁9(選択弁に相当)を開放するものであり、その他の部品については共通の部品を使用し、符号も同じものを使用している。
開閉弁9は、常時閉の電動弁91を備えており、一次側から所定以上の水圧で加圧されたとき、電動弁91が開放していると、加圧水が開閉弁9の図示しないピストン室内に流入し開放する加圧開放型の一斉開放弁であり、常時は閉止している。
電動弁91は、図示しないアクチュエータを備え、電動弁開信号を受信すると開放し、電動弁閉信号を受信すると閉止する。
開閉弁9は、例えば、監視区画毎に設けられており、監視区画は例えば1フロア毎であったり、1部屋毎であったり、建物の床面積や用途に応じて定められる。
配管3の配管内は、開閉弁9の一次側、二次側ともに実施の形態1と同様に空配管となっている。
受信機207は、建物全体の防災システムの制御を行う。また、受信機207は、図示しない送受信部および受信機制御部を備え、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号とアドレス情報により、図示しないベルや非常放送等の警報装置を鳴動させ、図示しない表示部に火災発生場所や現在の状況等の情報を表示し、さらに、該当する監視区画の電動弁91に電動弁開信号を送信する。また、このとき受信機207は、作動検知スイッチ4が発信したアドレス情報をポンプ制御盤51の図示しない受信部に向けて送信、中継する。
つまり、受信機207は、各監視区画に属する作動検知スイッチ4のアドレス情報と開閉弁9(電動弁91)に接続される配線系統情報との対応関係を示す図示しない「作動検知スイッチ−開閉弁」対照テーブルを記憶する図示しない受信機記憶部を有し、「作動検知スイッチ−開閉弁」対照テーブルを参照して、流出検出信号を発信した作動検知スイッチ4のアドレス情報に対応する、同一の監視区画に設けられた開閉弁9(電動弁91)を判別して、当該開閉弁9(電動弁91)の配線系統に対して電動弁開信号を送信する。
受信機207から電動弁開信号を受信した電動弁91は開放する。
ポンプ制御盤51は、図示しない受信部を備え、受信機207が発信した流出検出信号を受信するとポンプ5を起動する。さらに、図示しない記憶部と図示しない制御部を備え、受信部が受信したアドレス情報を、あらかじめ記憶部に記憶していたアドレス情報と照らし合わせて、作動したスプリンクラヘッド2の位置、数量に応じた送水圧力で水を送水するようにポンプ5を制御する。
なお、本実施の形態3では、受信機207が作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を受信すると、ポンプ制御盤51に対し、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を送信する構成としたが、これに限定せず、ポンプ制御盤51が作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を直接受信してポンプ5を起動するようにしてもよい。
また、本実施の形態3では、受信機207が作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を受信すると、該当する監視区画の電動弁91が開放する構成としているが、これに限定せず、ポンプ制御盤51が「作動検知スイッチ−開閉弁」対照テーブルを記憶するようにして、流出検出信号を発信した作動検知スイッチ4と同一の監視区画に設けられた開閉弁9(電動弁91)を判別して、当該電動弁91に電動弁開信号を送信する構成としてもよい。この場合も、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報をポンプ制御盤51が直接受信して、電動弁開信号を送信しても良いし、受信機207が中継した流出検出信号とアドレス情報を基に電動弁開信号を送信してもよい。
また、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を電動弁91が受信し、該当する監視区画に設置された電動弁91が開放するようにしてもよい。その場合、電動弁91は、「作動検知スイッチ−開閉弁」対照テーブルを記憶するようにして、流出検出信号を発信した作動検知スイッチ4が同一の監視区画に設けられたものであれば、電動弁91を開放する。
スプリンクラ消火設備200は、火災により、スプリンクラヘッド2が開放すると、スプリンクラヘッド2内の粉末消火剤11が流出し、作動検知スイッチ4が流出検出信号とアドレス情報を送信する。これを受信した受信機207が、該当する監視区画の電動弁91に電動弁開信号を送信して電動弁91が開放し、ポンプ制御盤51に流出検出信号とアドレス情報を中継し、ポンプ制御盤51がポンプ5を起動して、加圧水が配管3内を送水される。
このとき、電動弁91が閉止している開閉弁9は閉止したままであり、開閉弁9の二次側には加圧水は送水されない。
一方、電動弁91が開放している開閉弁9は、加圧水がピストン室内に流入して開放し、開閉弁9の一次側と二次側が連通するので、開閉弁9の二次側の配管3内へ加圧水が送水され、開放しているスプリンクラヘッド2から放水する。
<実施の形態4>
図6は本実施の形態4に係るスプリンクラ消火設備300の一例を示す設備系統図である。
スプリンクラ消火設備300は、実施の形態3のスプリンクラ消火設備200に対し、火災感知器10を加えたものであり、作動検知スイッチ4の流出検出信号と火災感知器10の火災感知信号の両方を受信機307が受信したとき、該当する監視区画の電動弁91を開放し、ポンプ5を起動するものであり、その他の部品については共通の部品を使用し、符号も同じものを使用している。
受信機307は、建物全体の防災システムの制御を行う。また、受信機307は、図示しない送受信部および受信機制御部を備え、作動検知スイッチ4が発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10が発信した火災感知信号とアドレス情報により、同一の監視区画で発生した火事であることを確認(アンド条件)すると、図示しないベルや非常放送等を鳴動させ、図示しない表示部に火災発生場所や現在の状況等の情報を表示し、さらに、電動弁開信号を該当する監視区画の電動弁91に送信し、作動検知スイッチ4が発信したアドレス情報をポンプ制御盤51の受信部に向けて送信、中継する。
つまり、受信機307は、各監視区画に属する作動検知スイッチ4のアドレス情報と火災感知器10のアドレス情報と開閉弁9(電動弁91)に接続される配線系統情報との対応関係を示す図示しない「作動検知スイッチ−火災感知器−開閉弁」対照テーブルを記憶する図示しない受信機記憶部を有し、「作動検知スイッチ−火災感知器−開閉弁」対照テーブルを参照して、流出検出信号を発信した作動検知スイッチ4のアドレス情報と火災感知信号を発信した火災感知器10のアドレス情報とに基づいて、同一の監視区画で発生した火災であることを判別する。そして、同一の監視区画で火災が発生したと判別すると、「作動検知スイッチ−火災感知器−開閉弁」対照テーブルを参照して、当該同一の監視区画に設けられた開閉弁9(電動弁91)を判別して、当該開閉弁9(電動弁91)の配線系統に対して電動弁開信号を送信する。
なお、本実施の形態4では、受信機307が作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10が発信した火災感知信号とアドレス情報とを受信すると、そのアンド条件でポンプ制御盤51に対し、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報を送信する構成としたが、これに限定せず、ポンプ制御盤51が「作動検知スイッチ−火災感知器−開閉弁」アドレス対照テーブルを記憶するようにして、作動検知スイッチ4の発信した流出検出信号とアドレス情報および火災感知器10の発信した火災感知信号とアドレス情報の両方を受信したときに、アンド条件を確認してポンプ5を起動するようにしてもよい。
また、火災感知器10が発信する火災感知信号とアドレス情報は受信機307が受信して、ポンプ制御盤51に中継し、作動検知スイッチ4の発信する流出検出信号とアドレス情報はポンプ制御盤51が受信して、ポンプ制御盤51がアンド条件を確認してポンプ5を起動させる構成としてもよいし、作動検知スイッチ4が発信する流出検出信号とアドレス情報は受信機307が受信して、ポンプ制御盤51に中継し、火災感知器10の発信する火災感知信号とアドレス情報はポンプ制御盤51が受信して、ポンプ制御盤51がアンド条件を確認してポンプ5を起動させる構成としてもよい
また、火災時には、概ね火災感知器10がスプリンクラヘッド2より先に作動するので、火災感知信号のみにより電動弁91を開放し、ポンプ5を起動するようにしてもよいし、火災感知信号では、電動弁91を開放し、流出検出信号でポンプ5を起動するようにしてもよい。
なお、火災感知信号のみでポンプ5を起動する場合には、作動検知スイッチ4からのアドレス情報が送信されていないので、アドレス情報が送信されるまでの間、ポンプ5は、所定の圧力で送水し、アドレス情報が送信された際に、アドレス情報に応じた圧力に変動させるようにする。
また、火災感知信号のみにより、ポンプ5を起動し、流出検出信号で電動弁91を開放する構成としてもよい。
いずれにしても、火災感知器10とスプリンクラヘッド2の両方が作動したときに火災が発生したスプリンクラヘッド2から放水されるので、火災感知器10の誤報やスプリンクラヘッド2の破損といった不具合が発生した場合に水損の発生を防ぐことができる。
火災感知信号と流出検出信号のアンドで電動弁91を開放し、ポンプ5を起動する場合と、火災感知信号で電動弁91を開放する場合には、火災監視の精度を高めるとともに、不具合発生後の復旧処理を容易にすることができ、火災感知信号のみで電動弁91を開放し、ポンプ5を起動する場合には、不具合時には、電動弁91を開放した配管3内には水が送水されてしまうものの、火災時には速やかに放水開始することができる。
また、火災感知信号のみにより、ポンプ5を起動し、流出検出信号で電動弁91を開放する場合には、火災感知信号で開閉弁9の一次側が充水された状態となるので、火災感知信号と流出検出信号のアンドで電動弁91を開放し、ポンプ5を起動する場合よりも火災時には速やかに放水開始することができ、火災感知信号のみでは、開閉弁9の二次側には送水されないので、火災感知信号のみで電動弁91を開放し、ポンプ5を起動する場合よりも、不具合時の復旧処理が容易となる。
なお、実施の形態3、4では、開閉弁9の一次側、二次側とも空配管としているが、一次側は加圧水を充水させてもよい。
この場合、開閉弁9の一次側に図示しない圧力スイッチを設け、加圧水の圧力が所定値以下となると、圧力スイッチが圧力低下信号を送出し、圧力低下信号によりポンプ5を起動するようにしてもよい。この場合も圧力低下信号を受信機207、307が受信してポンプ制御盤51に中継しても良いし、ポンプ制御盤51が直接受信するようにしてもよい。
また、この場合、開閉弁9は配管3の径が配管3内に充填された水が凍結する恐れがない太さ(周囲温度や風速から算出)以上の径が確保できる位置に取り付けるか、保温措置を施す。一方で、開閉弁9は常時閉とし、その二次側の配管3内には、水を充填しない。こうすることで、スプリンクラ消火設備1内の水が凍結して、配管3,巻きだし配管31およびスプリンクラヘッド2などが破損したり、火災時に配管3または巻きだし配管31内が凍結することにより水が堰き止められ、放出できないといった不具合を回避したりすることができる。
また、実施の形態3、4では、電動弁91を備えた開閉弁9を備える構成としているが、これに限定せず、電動弁91が配管3に直接取り付けられる構成としてもよく、この場合、電動弁91が開放した時点で該当する配管3の一次側と二次側が連通する。
また、実施の形態3、4では、開閉弁9が加圧開放型の一斉開放弁であるとしているが、開閉弁の一次側を加圧充水する場合には、これに限定せず、減圧開放型の一斉開放弁である開閉弁92(図示しない)としても良い。この場合、開閉弁92は、ポンプ5の締め切り圧力でピストン室内が加圧されており、電動弁93(図示しない)が開放することにより、ピストン室内の加圧水が放出され、開閉弁92が開放する。
また、実施の形態1乃至4では、各信号の送受信を無線信号にて送信する構成としてもよい。この場合、作動検知スイッチ4に無線送信部を設けてもよいし、無線送信部を備えた中継器を設け、作動検知スイッチ4と中継器は有線で接続する構成としてもよい。同様に電動弁91、93に無線受信部を設けてもよいし、無線受信部を備えた中継器を設け、電動弁91、93と中継器は有線で接続する構成としてもよい。
また、この場合、受信機7、107、207、307に無線受信部を設け、電動弁91、93およびポンプ制御盤51に中継してもよいし、ポンプ制御盤51に無線受信部を設け、受信機7、107、207、307および電動弁91、93に中継してもよい。
また、受信機7、107、207、307とポンプ制御盤51間の接続も有線としてもよいし、無線としてもよい。
また、圧力スイッチを設ける場合にも、信号の送受信は有線としてもよいし、無線としてもよい。
また、スプリンクラヘッド(作動検出スイッチ)の設置場所の特定はアドレス情報でなくてもよく、例えば、識別番号を送信し受信機等が識別番号から設置場所を特定できるように「識別番号−設置場所」対象テーブルを記憶し、火災発生場所を特定してもよい。
また、実施の形態1乃至4では、スプリンクラヘッド2、配管3、巻きだし配管31のいずれかに衝撃検出スイッチ(図示しない)を備える構成としてもよい。衝撃検出スイッチは、スプリンクラヘッド2に物がぶつかったり、配管3や巻きだし配管31が地震などにより天井や建物の躯体と激しくぶつかったりしたことを検出し、例えばそれにより振動が一定値以上であったときに衝撃検出信号を送信する。
例えば衝撃検出信号が送信された後、5秒以内に発生した流出検出信号は、スプリンクラヘッド2、配管3、巻きだし配管31のいずれかに強い衝撃が加えられたことによりスプリンクラヘッド2が破損したと判断し、ポンプ5は起動しない。こうすることで、火災以外の理由でスプリンクラヘッド2が開放した場合の水損を防止することができる。
なお、衝撃検出スイッチにもアドレスを与え、衝撃検出信号とともにアドレス情報を送信するようにすれば、衝撃を検出したスプリンクラヘッド2、または、衝撃を検出したエリアを限定することができ、衝撃を受けていないスプリンクラヘッド2の作動については、ポンプ5を起動することができ、スプリンクラヘッド2の開放が火災によるものか、衝撃によるものかをより詳細に見分けることができる。
以上のように、本発明によれば、配管内に圧縮空気を充填する必要がなく、配管内が大気圧となっている(一次側を加圧充水している部分は除く)ので、スプリンクラヘッドが作動してから水が放出されるまでの時間を従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも短くすることができる。
本発明によれば、作動検知スイッチがスプリンクラヘッド内に内蔵した粉末消火剤の流出を検出した時点で流出検出信号を発信するので、従来の乾式スプリンクラ消火設備よりも警報装置を早く鳴動させることができる。
また、本発明によれば、配管内の空気を圧縮する必要がないので、配管内の空気が漏れることがなく、コンプレッサーなどの装置を不要とすることができる。
また、本発明によれば、作動検知スイッチがスプリンクラヘッド内に内蔵した粉末消火剤の流出を検出したことと、火災感知器が火災を感知したことのアンドで火災警報を鳴動したり、加圧送水装置を起動したりするので、スプリンクラ消火設備の火災監視の精度を高めることができる。
1、100、200、300 スプリンクラ消火設備、2 スプリンクラヘッド、3 配管、4 作動検知スイッチ、5 ポンプ、6 水槽、7 受信機、8 末端試験弁、9 開閉弁、10 火災感知器、11 粉末消火剤、21 ヘッド本体、22 弁体、23 感熱分解部、31 巻きだし配管、41 検知部、51 ポンプ制御盤、91 電動弁、107、207、307 受信機

Claims (5)

  1. 放水口を有するヘッド本体と、前記放水口を塞ぐ弁体と、前記弁体を支持する感熱分解部を備えたスプリンクラヘッドであって、
    前記ヘッド本体に充填された粉末消火剤と、
    前記感熱分解部が分解して前記弁体が開放し、前記粉末消火剤が放出されたことを検出する作動検知スイッチと、
    を備えたことを特徴とするスプリンクラヘッド。
  2. 前記作動検知スイッチが前記粉末消火剤が放出されたことを検出すると検出信号を送信する信号送信部と、
    自身のアドレス情報を記憶する記憶部とを備え、
    前記信号送信部は、前記検出信号とともに前記自身のアドレス情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のスプリンクラヘッド。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のスプリンクラヘッドと、
    加圧送水装置と、
    前記スプリンクラヘッドと前記加圧送水装置とを接続する配管とを備え、
    前記作動検知スイッチが前記粉末消火剤が放出されたことを検出したことに基づき前記加圧送水装置を起動することを特徴とするスプリンクラ消火設備。
  4. 火災を感知して、火災感知信号を発信する火災感知器を備え、
    前記検出信号と、前記火災感知信号とのアンドにより前記加圧送水装置を起動することを特徴とする請求項3に記載のスプリンクラ消火設備。
  5. 前記検出信号に基づき、前記加圧送水装置の送水圧力を決定することを特徴とする請求項3または4に記載のスプリンクラ消火設備。
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