以下、実施例について説明する。以下では、本発明をパチスロ機に適用した場合を例にして説明する。
図1は、本発明に係る遊技機1の概観を示す斜視図である。尚、この遊技機1では、遊技価値としてメダルが用いられているが、遊技価値はこれに限られるものではなく、コイン、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、又は付与される遊技価値の情報を記憶したカード等も適用可能である。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、メインドア20が設けられている。メインドア20の略中央部には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。
表示窓4L,4C,4Rの後方であって、キャビネット2の内部には、3個のリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。リール3L,3C,3Rの各々の外周面には、複数種類の図柄が描かれている。各リール3L,3C,3Rの図柄は表示窓4L,4C,4Rを透して観察できるようになっている。各リール3L,3C,3Rは、縦方向に定速回転(例えば、80回転/分)が可能なように構成されている。
表示窓4L,4C,4Rの各々には、各リール3L,3C,3Rの外周面に描かれた図柄が上段、中段及び下段に表示され、合計で9つの図柄が表示される。そして、表示窓4L,4C,4Rに表示される9つの図柄について入賞判定の基準となる入賞ラインが設けられる。入賞ラインには、水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後述のBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、情報表示部18が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、1回のゲームを行うために使用されたメダルの数(以下「BET数」と称す)に応じて点灯する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化された場合に点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化された場合に点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化された場合に点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから構成される。この情報表示部18には、クレジットされているメダルの枚数、入賞時のメダルの払出枚数などが表示される。
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、例えば、遊技に関する演出等の様々な画像が表示される。
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられている。液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうち1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11〜13の操作に応じて、所定の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、クレジットされたメダルや成立した入賞役に対応する枚数のメダルが正面下部のメダル払出口15から払出される。払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
C/Pスイッチ14の右側には、スタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。遊技者によりこのスタートレバー6の操作が行われると、3つのリール3L,3C,3Rが回転し、図柄の変動表示を開始する。
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。スピーカ21L,21Rからは、後述の3つのストップボタン7L,7C,7Rのうち、2つのストップボタンについての入力が行われた際に出力される停止音(後述のテンパイ音)など、遊技に関する演出音等が出力される。
次に、図2を参照して、遊技機1の図柄配列例について説明する。図2は、リール3L,3C,3Rの外周面(より詳しくは、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されるリールシート)に描かれた図柄配列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後述する主制御回路71のROM32(図5)に記憶されている。図2に示すように、各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”、及び“チェリー(図柄97)”の図柄から構成された図柄配列が描かれている。リール3L,3C,3Rは、図柄配列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
次に、図3を参照して、実施例の遊技機1における、入賞が成立する図柄組合せと、その配当について、遊技状態毎に説明する。また、図3は、データテーブルとして後述する主制御回路71のROM32(図5)に記憶されている。
ここで、実施例の入賞役には、ビッグボーナス(第1種特別役物に係る役物連続作動装置。以下、BBという)、レギュラーボーナス(第1種特別役物。以下、RBという)、再遊技、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、及びJACの小役が設けられている。実施例の遊技機では、遊技状態に応じて異なる種類の入賞役が設けられている。ここで、以下の実施例では、BB及びRBを総称してボーナスという場合がある。また、再遊技、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、及びJACの小役を総称して小役という場合がある。
実施例の遊技状態には、一般遊技状態、BB中一般遊技状態及びRB遊技状態がある。各遊技状態におけるゲームや遊技状態間の移行は、後述の主制御回路71(図5)が制御する。
一般遊技状態は、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態として設定されている。
BB遊技状態は、BB中一般遊技状態とRB遊技状態により構成される遊技状態として設定されている。また、BB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。実施例では、一般遊技状態において、一つの有効ラインに沿って“赤7(図柄91)”又は“青7(図柄92)”が3つ並ぶと、BBの入賞が成立する。BBの入賞が成立すると、15枚のメダルが払出されると共に、BB中一般遊技状態に移行する(いわゆるBBゲームの開始)。実施例のBB中一般遊技状態では、小役及びRBに当選する確率が、一般遊技状態と比べて高くなるように構成されている。また、実施例のBB遊技状態は、BB中一般遊技状態において30回のゲームを消化したとき、3回目のRB遊技状態の最後のゲームが終了したとき、又は、獲得枚数(例えば、いわゆる「純増枚数」或いは「払出枚数」)が所定枚数(例えば、461枚)以上となることにより終了し、遊技状態が一般遊技状態へ移行する。
RB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。実施例では、一般遊技状態において、一つの有効ラインに沿って“BAR”が3つ並ぶと、RBの入賞が成立する。RBの入賞が成立すると、15枚のメダルが払出されると共に、RB遊技状態に移行する(いわゆるRBゲームの開始)。また、BB中一般遊技状態において、一つの有効ラインに沿って“Replay”が3つ並ぶと、RBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、RB遊技状態に移行する(RBゲームの開始)。また、実施例のRB遊技状態は、メダルを1枚賭けることにより、一つの有効ラインに沿って“Replay”が3つ並び、高確率でJACの小役の入賞が成立する遊技状態である。JACの小役の入賞が成立すると、15枚のメダルが払出される。また、実施例のRB遊技状態は、RB遊技状態で実行されたゲーム回数が12回に達するか、JACの小役の入賞が8回成立することにより終了し、遊技状態が一般遊技状態或いはBB中一般遊技状態へ移行する。
一般遊技状態において、一つの有効ラインに沿って、“Replay”が3つ並ぶと、いわゆる再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく、次のゲームを行うことができる。
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、一つの有効ラインに沿って、“スイカ”が3つ並ぶと、スイカの小役の入賞が成立し、7枚のメダルが払出される。また、一つの有効ラインに沿って、“チェリー−any(如何なる図柄でも良いことを示す)−any”が並ぶと、チェリーの小役の入賞が成立し、2枚のメダルが払出される。また、一つの有効ラインに沿って、“ベル”が3つ並ぶと、ベルの小役の入賞が成立し、15枚のメダルが払出される。
次に、図4を参照して、図1の表示窓4L,4C,4R内の表示状態例について説明する。図4は、表示窓4L,4C,4Rを拡大した図である。
図4では、3つのストップボタン7L,7C,7Rのうち、2つのストップボタン、即ち左のストップボタン7Lと中央のストップボタン7Cが操作され、左のストップボタン7Lに対応するリール3Lと中央のストップボタン7Cに対応するリール3Cが停止した状態を示す。また、残りの右のストップボタン7Rに対応するリール3Rは変動している状態を示す。
図4(1)では、左の表示窓4Lの中段の位置に“赤7(図柄91)”が表示されている。また、中央の表示窓4Cの中段の位置に“赤7(図柄91)”が表示されている。これにより、有効ラインの1つであるセンターライン8cに沿って“赤7(図柄91)”が2つ並んで表示された状態が示されている。
この状態において、右のストップボタン7Rが操作され、変動している右のリール3Rが停止した場合に、“赤7(図柄91)”が右の表示窓4Rの中段の位置に表示されると、センターライン8cに沿って“赤7(図柄91)”が3つ並び、BBが入賞することとなる。
このように、実施例では、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した場合に、何れかの有効ラインに沿って同一の図柄が2つ並んで表示された状態であって、残りの1つのリールの停止により入賞を期待できる状態をテンパイ状態と称する。
ここで、テンパイ状態について、図4(1)では、残り1つのリールとして右のリール3Rが変動している場合を例にして説明したが、これに限られるものではない。左のリール3Lが変動している場合や中央のリール3Cが変動している場合も採用することができる。また、有効ラインもセンターライン8cに限らず、他の4つのラインについても採用することができる。
また、図4(2)では、左の表示窓4Lの中段の位置に“赤7(図柄91)”が表示されている。また、中央の表示窓4Cの下段の位置に“赤7(図柄91)”が表示されている。これによって、いずれの有効ラインについても“赤7(図柄91)”が2つ並ぶことなく表示された状態が示されている。
この状態で、残りのストップボタン7Rが操作され、変動している右のリール3Rが停止した場合に、“赤7(図柄91)”が右の表示窓4Rのいずれの位置に表示されても、“赤7(図柄91)”が3つ並んでBBが入賞する可能性はない。
このように、実施例では、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した場合に、何れかの有効ラインに沿って同一の図柄が2つ並ぶことなく表示された状態であって、残りの1つのリールの停止によって入賞を期待できない状態を非テンパイ状態と称する。つまり、非テンパイ状態は、テンパイ状態にならなかった状態である。
ここで、テンパイ状態は、基本的に、BBに限らず“チェリー(図柄97)”を除く他の図柄についても生じ得る状態である。しかし、以下の実施例では、テンパイ状態といった場合には、ボーナスに関するテンパイ状態を称するものとする。即ち、ボーナスに対応する図柄{“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”}が有効ラインの1つに沿って2つ並んで表示され、残りの1つのリールの停止により入賞を期待できる状態を、特にテンパイ状態と称す。また、以下の実施例では、非テンパイ状態は、特に、ボーナスに関するテンパイ状態にならなかった状態を称することとする。
次に、図5及び図6を参照して遊技機1の制御部と制御部に接続される周辺装置との構成について説明する。遊技機1の制御部は主制御回路71と副制御回路72から構成される。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5、スピーカ21L,21R、LED101及びランプ102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、CPU31に制御動作を行わせるためのプログラム(後述の図10〜図12など)、スタートレバー6を操作する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル(後述の図7など)、ストップボタン7L,7C,7Rの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群、停止テーブルを選択するためのテーブルナンバー選択テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、CPU31がプログラムを実行する際の作業用の記憶手段として構成され、フラグやカウンタなど種々の情報が格納される。
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ9a,9b,9cと、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパ駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパ40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパ40を駆動制御するホッパ駆動回路41、BETランプ9a,9b,9cを駆動制御するランプ駆動回路45、及び情報表示部18を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各ストップボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を出力する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ出力する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、当選役が決定される。確率抽選テーブルには、BB、RB、小役、ハズレ(なし)などの当選役の情報とその当選役を決定するための乱数範囲の情報が格納されている。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブル(例えば図3参照)が格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行う場合に参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理により当選役を決定した場合には、CPU31は、遊技者がストップボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
また、CPU31は、リール3L,3C,3Rの停止図柄が当選した役の入賞を示す停止態様となり、メダルの払出しを行うと決定すると、払出指令信号をホッパ駆動回路41に出力してホッパ40から所定枚数のメダルの払出しを行う。また、メダル検出部40Sは、1枚ごとに排出されるメダルを検出する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sによりメダルが検出されるとメダル検出信号をCPU31に出力する。また、払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sによるメダルの検出回数を計数し、計数値(即ち、ホッパ40から払出されたメダルの枚数)がCPU31により指定された枚数データに達した場合、メダル払出完了を検知するための払出完了信号をCPU31に出力する。CPU31は、メダルの払出しが完了したと判別すると、ホッパ駆動回路41に対して払出停止指令信号を出力し、払出停止指令信号を介してホッパ40の駆動を停止させ、メダル払出処理を終了する。
図6は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a又は音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報等を出力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報等を出力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM{CROM(キャラクタROM)}88及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って各種の処理を行う。尚、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラム(後述の図13など)や決定用テーブル(後述の図8、図9など)等を格納する。また、主制御回路71から送信されるコマンド(後述のリール停止コマンド)に基づいて、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止された場合に、テンパイ状態であるか否かを判別するためのテンパイ状態判定テーブル(図示せず)が格納されている。
ワークRAM84は、画像制御マイコン81が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。カレンダIC85は、日時データを記憶する。また、ワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容に応じた画像を生成し、液晶表示装置5に出力する。制御RAM87は、画像制御IC86の中に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルとを所定のタイミングごとに更新する。画像制御IC86には、液晶表示装置5と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。尚、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置5に転送終了する(例えば1/60秒)毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、副制御回路72では、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン91、シリアルポート92、プログラムROM93、ワークRAM94、音源IC95、パワーアンプ96、音源ROM97で構成される。
音・ランプ制御マイコン91は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン91に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM93内に格納された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン91には、LED101及びランプ102が接続されている。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED101及びランプ102に出力信号を送信する。これにより、LED101及びランプ102が演出などに応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート92は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM93は、音・ランプ制御マイコン91で実行する制御プログラム等を格納する。ワークRAM94は、音・ランプ制御マイコン91が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。音源IC95は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて後述の停止音などの音源を生成し、パワーアンプ96に出力する。パワーアンプ96は増幅器であり、このパワーアンプ96にはスピーカ21L,21Rが接続されている。パワーアンプ96は、音源IC95から出力された後述の停止音などの音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ21L,21Rから出力させる。音源ROM97は、後述の停止音などの音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を格納する。また、音・ランプ制御マイコン91には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ21L,21Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン91は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ21L,21Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う。
次に、図7を参照して、前述の主制御回路71のROM32に記憶される確率抽選テーブルなどについて説明する。このテーブルでは、“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数の値に基づいて当選役が決定される。
図7(1)は、実施例の一般遊技状態において、当選役を決定する際に用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。この確率抽選テーブルでは、“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数値が“0”〜“67”の範囲内の値である場合に、当選役がBBと決定される。BBが当選する確率は“68/16384”である。また、乱数値が“68”〜“112”の範囲内の値である場合に当選役がRBと決定される。RBが当選する確率は“45/16384”である。
また、実施例の一般遊技状態において、再遊技が当選する確率は“2245/16384”、スイカの小役が当選する確率は“100/16384”、ベルの小役が当選する確率は“2011/16384”、チェリーの小役が当選する確率は“105/16384”であり、上記以外の場合は“11810/16384”の確率でいわゆるハズレ(なし)に当選する。
ここで、実施例の遊技機1では、前述の確率抽選テーブルを使用してボーナスや小役のいずれかの当選役が決定されると、CPU31はその当選役に応じたリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。
実施例の遊技機では、入賞を発生させるためには、(A)確率抽選処理において、いずれかの当選役に当選すること、(B)当選役に対応する図柄を狙った適切なタイミング(いわゆる引き込み可能な位置)でストップボタン7L,7C,7Rの操作を行うこと、の2つの条件が満たされなければならない。従って、ボーナスや小役が当選したとしても、前記(B)の条件を満たさなければ、入賞が発生することはない。
つまり、ボーナスや小役の当選役が決定されたとしても、直ちに入賞が発生するわけではなく、有効ライン上に当選役に対応する図柄を停止させることができるという許可(即ち、停止許可)を与えるにすぎないということである。
例えば、(1)確率抽選処理においてボーナスや小役の当選役が決定され、かつ、当選役に対応する図柄を狙った適切なタイミングでストップボタン7L,7C,7Rの操作を行った場合、(2)確率抽選処理においてボーナスや小役の当選役が決定され、かつ、適切なタイミングでストップボタン7L,7C,7Rの操作を行うことができなかった場合、(3)確率抽選処理において当選役がハズレである場合、の3つに分けた場合において、(1)のように当選役に対応する図柄を狙った適切なタイミングでストップボタン7L,7C,7Rの操作を行った場合は、入賞となる。
しかし、(2)のように当選役に対応する図柄を狙った適切なタイミングでストップボタン7L,7C,7Rの操作を行うことができなかった場合は、当選していても入賞とはならない。
また、(3)のように当選役がハズレである場合は、例えばボーナスに対応する図柄を狙った適切なタイミングでストップボタン7L,7C,7Rの操作を行ったとしても、有効ライン上に沿って図柄を3つ並ばせないようにする制御がCPU31において行われるため、入賞が発生することはない。
ここで、当選役が小役の場合は、停止許可が与えられた一回のゲームで入賞させることができないと、次回のゲームではその当選は無効となり停止許可が解除される。一方、当選役がボーナスの場合は、ボーナスに入賞するまでの間、複数のゲームにわたってボーナスに入賞する機会が持ち越され、停止許可が継続する。これにより、遊技者にとっては、ボーナスが当選役として決定されたゲームで、ストップボタン7L,7C,7Rを適切なタイミングで操作できず、入賞させることができない場合であっても、次以降のゲームでストップボタン7L,7C,7Rを適切なタイミングで操作できればボーナスを入賞させることができる。
図7(2)は、BB中一般遊技状態において、当選役を決定する際に用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。BB中一般遊技状態では、RB、スイカの小役、ベルの小役、チェリーの小役、ハズレ(なし)に当選する可能性があり、各々の役に当選する確率は図示の通りである。図7(2)に示すように、BB中一般遊技状態では、RBや小役に当選する確率が一般遊技状態よりも高く設定されている。
図7(3)は、RB遊技状態において、当選役を決定する際に用いられるRB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。RB遊技状態では、JACの小役、ハズレ(なし)に当選する可能性がある。JACの小役には、“16220/16384”の確率で当選し、ハズレ(なし)には“164/16384”の確率で当選する。RB遊技状態では、JACの小役が高確率で当選し、ハズレ(なし)に当選する確率は低い。
次に、図8と図9を参照して、副制御回路72のプログラムROM83に格納される停止音決定テーブルについて説明する。図8と図9に示す停止音決定テーブルは、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に使用される。
実施例の遊技機1では、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に、当選役がボーナスであるか否かの判別とテンパイ状態であるか否かの判別を行い、判別の結果に基づいて、図8と図9に示す停止音決定テーブルを選択する。そして、選択した停止音決定テーブルに基づいて停止音の出力パターン(例えば、テンパイ音の有無、テンパイ音の種類)を決定し、決定した出力パターンに基づいて停止音の出力を行う。
実施例では、4種類の停止音決定テーブルが設けられており、決定された当選役がボーナスであるか否か、及び、テンパイ状態であるか否か、に応じていずれかのテーブルが用いられる。
図8(1)は、テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)を示す。このテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)は、ボーナスが当選役として決定された場合であって、2つのリールが停止した際にテンパイ状態となった場合に使用される。このテンパイ状態では、ボーナスが当選役として決定されているので、ボーナスが入賞する可能性がある。
また、図8(2)は、テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)を示す。このテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)は、ボーナス以外の役(ハズレを含む)が当選役として決定された場合であって、2つのリールが停止した際にテンパイ状態となった場合に使用される。このテンパイ状態では、ボーナスが当選役として決定されていないため、ボーナスが入賞する可能性がない。
また、図9(1)は、非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)を示す。この非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)は、ボーナスが当選役として決定された場合であって、2つのリールが停止した際に非テンパイ状態となった場合に使用される。この非テンパイ状態では、そのゲームにおいてボーナスの入賞する可能性はない。しかし、ボーナスが当選役として決定されているため、ボーナスの入賞機会が次ゲーム以降に持ち越される。従って、次ゲーム以降においてボーナスが入賞する可能性がある。
また、図9(2)は、非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)を示す。この非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)は、ボーナスが当選役として決定されなかった場合であって、2つのリールが停止した際に非テンパイ状態となった場合に使用される。この非テンパイ状態では、そのゲームにおいてボーナスの入賞する可能性はない。また、ボーナスが当選役として決定されていないため、ボーナスの入賞機会が次ゲーム以降に持ち越されることもない。
図8と図9に示す4種類の停止音決定テーブルには、いずれも停止音の出力パターンとして4つの情報が用意されている。また、4つの停止音の出力パターンの各々に当選となる乱数範囲が“0”〜“255”の範囲で割り当てられている。そして、“0”〜“255”の範囲から抽出した乱数の値に基づいて4つの停止音の出力パターンから1つの停止音の出力パターンを決定する。
パターンAは、「テンパイ音無し」である。パターンAが決定されると、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に、スピーカ21L,21Rからテンパイ音は出力されない。
パターンBは、「通常テンパイ音」である。パターンBが決定されると、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に、スピーカ21L,21Rから「通常テンパイ音」が出力される。
パターンCは、「特別テンパイ音1」である。パターンCが決定されると、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に、スピーカ21L,21Rから「特別テンパイ音1」が出力される。
パターンDは、「特別テンパイ音2」である。パターンDが決定されると、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した際に、スピーカ21L,21Rから「特別テンパイ音2」が出力される。
また、「通常テンパイ音」、「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」は各々異なる音源を定めた情報であり、各々で異なる音源がスピーカ21L,21Rから出力されることとなる。これにより、遊技者はいずれの停止音が出力されたかを識別することができるようになっている。尚、パターンAの「テンパイ音無し」が決定された場合には、「通常テンパイ音」、「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」などのテンパイ音を出力しないこととしたが、テンパイ音以外の通常の停止音を出力させるようにしても良い。
図8(1)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)では、「テンパイ音なし」に当選する確率は“32/256”、「通常テンパイ音」に当選する確率は“128/256”、「特別テンパイ音1」に当選する確率は“64/256”、「特別テンパイ音2」に当選する確率は“32/256”である。
図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)では、「テンパイ音なし」に当選する確率は“1/256”、「通常テンパイ音」に当選する確率は“254/256”、「特別テンパイ音1」に当選する確率は“1/256”、「特別テンパイ音2」に当選する確率は“0/256”である。
図9(1)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)では、「テンパイ音なし」に当選する確率は“128/256”、「通常テンパイ音」に当選する確率は“64/256”、「特別テンパイ音1」に当選する確率は“32/256”、「特別テンパイ音2」に当選する確率は“32/256”である。
図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)では、「テンパイ音なし」に当選する確率は“254/256”、「通常テンパイ音」に当選する確率は“1/256”、「特別テンパイ音1」に当選する確率は“1/256”、「特別テンパイ音2」に当選する確率は“0/256”である。
以上から、当選役がボーナスであり、テンパイ状態である場合に選択されるテーブル{図8(1)}では、停止音の出力パターンが決定される確率は、「通常テンパイ音(128/256)」、「特別テンパイ音1(64/256)」、「特別テンパイ音2(32/256)」、「テンパイ音なし(32/256)」の順となる。このテーブルでは、「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」が決定される確率が、他のテーブルと比べて最も高い。
また、当選役がボーナス以外の役であり、テンパイ状態である場合に選択されるテーブル{図8(2)}では、停止音の出力パターンが決定される確率は、「通常テンパイ音(254/256)」、「特別テンパイ音1(1/256)」、「テンパイ音なし(1/256)」、「特別テンパイ音2(0/256)」の順となる。このテーブルでは、極めて高い確率で「通常テンパイ音」が決定され、「特別テンパイ音2」が決定されることはない。
また、当選役がボーナスであり、非テンパイ状態である場合に選択されるテーブル{図9(1)}では、停止音の出力パターンが決定される確率は、「テンパイ音なし(128/256)」、「通常テンパイ音(64/256)」、「特別テンパイ音1(32/256)」、「特別テンパイ音2(32/256)」の順となる。全体の1/4の確率で「特別テンパイ音1」か「特別テンパイ音2」の何れかが決定される。
また、当選役がボーナス以外の役であり、非テンパイ状態である場合に選択されるテーブル{図9(2)}では、出力パターンが決定される確率は、「テンパイ音なし(254/256)」、「通常テンパイ音(1/256)」、「特別テンパイ音1(1/256)」、「特別テンパイ音2(0/256)」の順となる。このテーブルでは、極めて高い確率で「テンパイ音なし」が決定され、「特別テンパイ音2」が決定されることはない。
次に、図10〜図12に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、ゲーム開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容{所定の記憶領域(例えば、当選役を記憶する領域)の情報}を消去する処理などを行う(ステップS2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアにおけるデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次ゲームのシーケンスプログラムを開始するためのアドレスの指定等を行う。
次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3Rの停止後から“30秒”経過したか否かを判別する(ステップS3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信し(ステップS4)、ステップS5に移る。ステップS3の判別が“NO”のときは、ステップS5に移る。
ステップS5では、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技の入賞が成立したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS6)、ステップS8に移る。ステップS5の判別が“NO”のときは、メダル投入か、即ちメダルセンサ22S又はBETスイッチ11〜13からの入力があるか否かを判別する(ステップS7)。この判別が“YES”のときは、ステップS8に移り、“NO”のときは、ステップS3に移る。
ステップS8では、BETスイッチ11〜13の操作又はメダルを投入する操作が行われたことを示すBETコマンドを副制御回路72へ送信する。続いて、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ステップS9)。この判別が“YES”のときは、ステップS10に移り、“NO”のときは、ステップS9を繰り返す。
ステップS10では、抽選用の乱数を抽出する。この処理で抽出した乱数は、後述の確率抽選処理において使用される。続いて、遊技状態監視処理を行い(ステップS11)、確率抽選処理を行う(ステップS12)。この確率抽選処理では、ROM32に格納されている確率抽選テーブル(図7)を使用し、ステップS10の処理で抽出した乱数と遊技状態とに応じて当選役の決定を行う。
次に、リール3L,3C,3Rの回転を停止制御する際に使用する停止テーブルを選択する処理を行い(ステップS13)、図11のステップS14に移る。この停止テーブル選択処理では、基本的に当選役に応じた停止テーブルが選択される。例えば、当選役がBBである場合は、BBに対応する図柄(“赤7”)が一つの有効ラインに沿って並ぶことを許可するBB入賞許可停止テーブルが選択される。また、ハズレ(なし)の場合は、いずれの入賞も許可しない入賞不許可停止テーブルが選択される。また、ボーナスが持ち越されている場合は、当選役がボーナス又はハズレ(なし)である場合に、ボーナス入賞許可停止テーブルが選択され、それ以外は当選役に応じた入賞許可停止テーブルが選択される。
図11のステップS14では、副制御回路72へスタートコマンドを送信し、ステップS15に移る。スタートコマンドは、ステップS12で決定した当選役の情報や遊技状態の情報などを含む。ステップS15では、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別する。この判別が“YES”のときはステップS17に移り、“NO”のときはステップS16に移る。ステップS16では、ゲーム開始待ち時間消化の処理を行い、ステップS17に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、“4.1秒”など)経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS17では、CPU31は、1ゲーム監視用タイマをセットする。ステップS17の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者のストップボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。続いて、リール3L,3C,3Rの回転処理を行い(ステップS18)、ステップS19に移る。
ステップS19では、CPU31は、ストップボタンが“オン”であるか否かを判別する。具体的には、いずれかのストップボタン7L,7C,7Rが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ステップS21に移り、“NO”のときは、ステップS20に移る。ステップS20では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ステップS21に移り、“NO”のときは、ステップS19に移る。
ステップS21では、CPU31は、滑りコマ数決定処理を行う。滑りコマ数は、ストップボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、停止テーブルとの関係から決定される。そして、停止テーブルに基づいて、最大の滑りコマ数である“4コマ”の範囲で図柄の引込み制御や蹴飛ばし制御を行う。
次に、ステップS21で決定された滑りコマ数分、停止操作されたストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rを回転させてから停止させる(ステップS22)。
次に、CPU31は、副制御回路72に対してリール停止コマンドを送信し(ステップS23)、ステップS24に移る。リール停止コマンドは、ストップボタン7L,7C,7Rの操作に対応してステップS22で停止させたリール3L,3C,3Rの情報、表示窓4L,4C,4Rに表示された図柄の種類や表示位置(例えば上段、中段、下段)の情報などが含まれる。尚、副制御回路72では、このリール停止コマンドに基づいて、2つのリールが停止されたか否か、テンパイ状態か否かなどを判別し、後で図13を参照して説明する停止音の出力パターンを決定する処理を行う。
次に、全てのリール3L,3C,3Rが停止したかどうかを判別する(ステップS24)。この判別が“YES”のときは、ステップS25に移り、“NO”のときは、ステップS19に移る。ステップS25では、副制御回路72に対して全てのリール3L,3C,3Rが停止したことを示す全リール停止コマンドを送信し、図12のステップS26に移る。
図12のステップS26では、CPU31は、入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ステップS27)。この判別が“YES”のときはステップS29に移り、“NO”のときはステップS28に移る。
ステップS28では、イリーガルエラーの表示を行う。この場合、遊技は中止となる。ステップS29では、副制御回路72に対して入賞役の情報を示す入賞役コマンドを送信する。続いて、遊技状態と入賞した役の種類に応じてメダルのクレジット又は払出しを行う(ステップS30)。
次に、獲得枚数を更新する(ステップS31)。実施例のBB遊技状態では獲得枚数が計数されており、CPU31は、ステップS30で決定された入賞役に対応する払出枚数を獲得枚数カウンタに加算する。続いて、遊技状態、当選役、入賞役などに基づいて遊技状態を更新する(ステップS32)。具体的には、BBが入賞した場合にBB遊技状態、RBが入賞した場合にRB遊技状態に更新する。また、ステップS12の確率抽選処理でボーナスが当選役として決定された場合であって、ステップS26の入賞検索処理でボーナスの入賞が成立しないと判別された場合は、ボーナスの種類に対応した持越フラグをオンにセットし、RAM33に格納する。さらに、持越フラグがオンにセットされている場合であって、ステップS26の入賞検索処理でボーナスの入賞が成立したと判別された場合は、持越フラグをオフにセットし、RAM33に格納する。尚、CPU31は、この持越フラグに基づいてボーナスが持ち越されているか否かを判別する。
次に、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態中において発生したRB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS33)。この判別が“YES”のときは、ステップS34に移り、“NO”のときは、ステップS35に移る。
ステップS34では、RB遊技状態制御処理を行い、図10のステップS2に移る。ステップS34のRB遊技状態制御処理では、回数の情報(ゲーム回数、入賞回数)の更新、更新した回数の情報に基づいて、RB遊技状態を維持するか、又は一般遊技状態へ移行するかの決定などを行う。
ステップS33の判別が“NO”のときは、現在の遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS35)。この判別が“YES”のときは、ステップS36に移り、“NO”のときは、図10のステップS2に移る。
ステップS36では、BB遊技状態制御処理を行い、ステップS37に移る。ステップS36のBB遊技状態制御処理では、BB中一般遊技状態からRB遊技状態への遊技状態の移行、回数の情報(RB遊技状態の回数、BB中一般遊技状態でのゲーム回数)の更新、更新した回数の情報又はステップS31の処理で更新した獲得枚数カウンタの情報に基づいて一般遊技状態へ移行するか否かの決定などを行う。
ステップS37では、BB遊技状態中のRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときはステップS38に移り、“NO”のときは図10のステップS2に移る。
ステップS38では、RB遊技状態制御処理を行い、図10のステップS2に移る。ステップS38のRB遊技状態制御処理では、回数の情報(ゲーム回数、入賞回数)の更新、更新した回数の情報に基づいて、RB遊技状態を維持するか、又はBB中一般遊技状態へ移行するかの決定などを行う。
次に、図13に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の制御動作について説明する。
図13は、副制御回路72の停止音出力処理を示すフローチャートである。
初めに、画像制御マイコン81は、シリアルポート82を介して、主制御回路71からスタートコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS101)。スタートコマンドには、今回のゲームにおいて決定された当選役の情報や現在の遊技状態の情報などが含まれる。この判別が“YES”のときは、ステップS102に移り、“NO”のときは、ステップS101を繰り返す。
スタートコマンドを受信した場合のステップS102では、画像制御マイコン81は、シリアルポート82を介して、主制御回路71から2回分のリール停止コマンドを受信したか否かを判別する。リール停止コマンドは、1回のゲームで3つのリール3L,3C,3Rに対応して3回分送信される。2回分のリール停止コマンドを受信することにより2つのリールが停止されたことが示される。また、リール停止コマンドには、ストップボタン7L,7C,7Rの操作に対応して主制御回路71のステップS22で停止させたリール3L,3C,3Rの情報、表示窓4L,4C,4Rに表示された図柄の種類や表示位置(例えば上段、中段、下段)の情報などが含まれる。この判別が“YES”、即ち2つのリールが停止されたと判別したときはステップS103に移り、“NO”、即ちまだ全てのリールが変動しているか1つのリールしか停止されていないと判別したときはステップS102を繰り返す。
2つのリールが停止された場合のステップS103では、画像制御マイコン81は、リール停止コマンドに含まれる情報から停止させたリール3L,3C,3Rの情報、表示窓4L,4C,4Rに表示された図柄の種類や表示位置(例えば上段、中段、下段)の情報を読み取り、読み取った情報に基づいてテンパイ状態であるか否かを判別する。具体的には、ボーナスに対応する図柄(即ち、“赤7”、“青7”、“BAR”)が何れかの有効ラインに沿って2つ並んで表示されたか否かを判別する。この判別が“YES”、即ちテンパイ状態であると判別したときはステップS104に移り、“NO”、即ち非テンパイ状態であると判別したときはステップS107に移る。
テンパイ状態である場合のステップS104では、画像制御マイコン81は、当選役がボーナスであるか否かを判別する。具体的には、ステップS101の処理で主制御回路71から受信したスタートコマンドから当選役を識別可能な情報を読み取り、読み取った当選役の情報がボーナスを示す情報であるか否かを判別する。この判別が“YES”、即ち当選役がボーナスのときはステップS105に移り、“NO”、即ち当選役がボーナス以外の役のときはステップS106に移る。
テンパイ状態であって、当選役がボーナスである場合のステップS105では、画像制御マイコン81は、図8(1)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)に基づいて停止音の出力パターンを決定する。前述したように、このテーブルに基づくと、出力パターンが決定される確率は、「通常テンパイ音(128/256)」、「特別テンパイ音1(64/256)」、「特別テンパイ音2(32/256)」、「テンパイ音なし(32/256)」の順となる。また、「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」が決定される確率は、他のテーブルと比べて最も高い。
一方、テンパイ状態であって、当選役がボーナス以外の役である場合のステップS106では、画像制御マイコン81は、図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)に基づいて停止音の出力パターンを決定する。前述したように、このテーブルに基づくと、出力パターンが決定される確率は、「通常テンパイ音(254/256)」、「特別テンパイ音1(1/256)」、「テンパイ音なし(1/256)」、「特別テンパイ音2(0/256)」の順となる。極めて高い確率で「通常テンパイ音」が決定され、「特別テンパイ音2」が決定されることはない。
また、ステップS103で非テンパイ状態であると判別された場合のステップS107では、画像制御マイコン81は、当選役がボーナスであるか否かを判別する。この判別が“YES”、即ち当選役がボーナスのときはステップS108に移り、“NO”、即ち当選役がボーナス以外の役のときはステップS109に移る。
非テンパイ状態であって、当選役がボーナスである場合のステップS108では、画像制御マイコン81は、図9(1)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)に基づいて停止音の出力パターンを決定する。前述したように、このテーブルに基づくと、出力パターンが決定される確率は、「テンパイ音なし(128/256)」、「通常テンパイ音(64/256)」、「特別テンパイ音1(32/256)」、「特別テンパイ音2(32/256)」の順となる。全体の1/4の確率で「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」が決定される。
一方、非テンパイ状態であって、当選役がボーナス以外の役である場合のステップS109では、画像制御マイコン81は、図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)に基づいて停止音の出力パターンを決定する。前述したように、このテーブルに基づくと、出力パターンが決定される確率は、「テンパイ音なし(254/256)」、「通常テンパイ音(1/256)」、「特別テンパイ音1(1/256)」、「特別テンパイ音2(0/256)」の順となる。極めて高い確率で「テンパイ音なし」が決定され、「特別テンパイ音2」が決定されることはない。
次に、画像制御マイコン81は、ステップS105、ステップS106、ステップS108、ステップS109の何れかの処理で停止音決定テーブルから決定した停止音の出力パターンに基づいて停止音の出力を制御する(ステップS110)。この処理では、画像制御マイコン81は、停止音を出力するコマンドを音・ランプ制御回路72bに送信する。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御マイコン81からコマンドを受信すると、音源IC95などを制御し、スピーカ21L,21Rから「通常テンパイ音」、「特別テンパイ音1」又は「特別テンパイ音2」のいずれかを出力する。具体的には、音源IC95により「通常テンパイ音」、「特別テンパイ音1」又は「特別テンパイ音2」の音源を生成し、生成した停止音の音源をパワーアンプ96により増幅させ、スピーカ21L,21Rから出力させる。この処理が終了すると、停止音出力処理を終了する。また、出力パターンが「テンパイ音なし」の場合は、テンパイ音を出力させることなく、停止音出力処理を終了する。
以上のように、実施例の遊技機では、3つのリール3L,3C,3Rのうち2つのリールが停止した場合に、停止音を出力させることとした。そして、テンパイ状態であるか否か、及び、当選役がボーナスであるか否かに応じて、停止音決定テーブルを選択し、選択した停止音決定テーブルに基づいて停止音の出力パターンを決定した。これにより、テンパイ状態及び当選役に応じた出力パターンとなるように停止音を出力させることができる。
具体的には、(1)テンパイ状態であって当選役がボーナスである場合、(2)テンパイ状態であって当選役がボーナス以外の役である場合、(3)非テンパイ状態であって当選役がボーナスである場合、(4)非テンパイ状態であって当選役がボーナス以外の役である場合、の4つの場合に応じて停止音決定テーブルを選択する。また、停止音決定テーブルには、「テンパイ音なし」、「通常テンパイ音」、「特別テンパイ音1」、「特別テンパイ音2」の4つの出力パターンを設け、前述の4つの場合に応じて決定される確率が異なるようにした。これにより、テンパイ状態及び当選役に応じて異なる出力パターンとなるように停止音を出力させることができ、面白みのある演出を行うことのできる遊技機を提供することができる。また、停止音の出力パターンとテンパイ状態か非テンパイ状態かによって当選役がボーナスであるか否かを判別することができる。
具体的には、テンパイ状態で、「特別テンパイ音1」が出力された場合は、図8(1)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(64/256)と図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(1/256)との比較から、遊技者に当選役がボーナスである可能性が高いと判別させることができる。
また、テンパイ状態で、「特別テンパイ音2」が出力された場合は、図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)では決定される確率がないことから、遊技者に当選役がボーナスであることを確実に認識させることができる。
また、テンパイ状態で、「通常テンパイ音」が出力された場合は、図8(1)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(128/256)と図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(254/256)との比較から、判別することが困難であるため、当選役がボーナスであるかボーナス以外の役であるかを憶測する楽しみを遊技者に与えることができる。
また、テンパイ状態で、「テンパイ音なし」が決定され、テンパイ音が出力されなかった場合は、図8(1)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(32/256)と図8(2)のテンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(1/256)との比較から、遊技者に当選役がボーナスである可能性が高いと判別させることができる。
一方、非テンパイ状態で、「特別テンパイ音1」が出力された場合は、図9(1)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(32/256)と図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(1/256)との比較から、遊技者に当選役がボーナスである可能性が高いと判別させることができる。
また、非テンパイ状態で、「特別テンパイ音2」が出力された場合は、図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)では決定される確率がないことから、遊技者に当選役がボーナスであることを確実に認識させることができる。
また、非テンパイ状態で、「通常テンパイ音」が出力された場合は、図9(1)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(64/256)と図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(1/256)との比較から、遊技者に当選役がボーナスである可能性が高いと判別させることができる。
また、非テンパイ状態で、「テンパイ音なし」が出力された場合は、図9(1)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選用)での当選確率(128/256)と図9(2)の非テンパイ時停止音決定テーブル(ボーナス当選以外用)での当選確率(254/256)との比較から、判別することが困難であるため、当選役がボーナスであるかボーナス以外の役であるかを憶測する楽しみを遊技者に与えることができる。
このように、テンパイ状態又は非テンパイ状態において、出力させる停止音の出力パターンによって、当選役がボーナスであるかボーナス以外の役であるかを報知することができる。即ち、遊技者に対して、出力させる停止音の出力パターンによって、当選役がボーナスであるかボーナス以外の役であるかを判別する楽しみを与えることができる。
また、テンパイ状態において、当選役がボーナスである場合に、当選役がボーナス以外の役であるときには出力される確率が低い特定の停止音(特別テンパイ音1、2)を出力させることにより、当選役がボーナスであるかもしれないといった遊技者のボーナスへの期待感を増大させることができ、遊技者の遊技への興趣を向上させることができる。
また、非テンパイ状態であっても、当選役がボーナスである場合には、通常、出力されるはずのない停止音、即ち通常テンパイ音、特別テンパイ音1、特別テンパイ音2などのテンパイ音を出力させるので、遊技者にとって思いがけない停止音を出力させることができる。これにより、遊技者にボーナス当選の可能性があることへの驚きを与えることができるとともに、ボーナスへの期待感を一層増大させることができ、面白みのある遊技機を提供することができる。
また、テンパイ状態や非テンパイ状態などの表示された図柄の態様にかかわらず当選役がボーナスであることへの期待を報知することができる遊技機を提供することができる。
また、当選役がボーナスであることを遊技者に判別させることによって、遊技者が3つめのリールを停止させた場合にボーナスを入賞させることができなくても、次以降のゲームでボーナスに対応する図柄のみを狙ってストップボタン7L,7C,7Rを適切なタイミングで操作するように促すことができる。
以上、実施例について説明した。ここで、上述した実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
複数の図柄が配列された複数の図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4L,4C,4Rなど)と、前記複数の図柄表示手段を変動表示する図柄変動表示手段(例えば、主制御回路71、リール3L,3C,3R、モータ駆動回路39、ステッピングモータ49L,49C,49Rなど)と、単位遊技毎に当選役(例えば、ボーナス、小役、ハズレなど)を決定する当選役決定手段(例えば、主制御回路71、図7の確率抽選テーブル、図10のステップS12の処理を行う手段など)と、遊技者による操作に基づいて、前記図柄変動表示手段が行う複数の図柄表示手段の変動表示を停止指示する停止指示手段(例えば、ストップボタン7L,7C,7R、リール停止信号回路46など)と、前記当選役決定手段が決定した当選役に応じて、前記図柄変動表示手段による変動表示を停止制御する停止制御手段(例えば、主制御回路71、図11のステップS21、ステップS22の処理を行う手段など)と、前記停止制御手段によって停止表示された図柄組合せ(例えば、表示窓4L,4C,4R内の有効ラインに沿って並んだ図柄組合せなど)に基づいて、入賞か否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路71、図12のステップS26の処理を行う手段など)と、前記入賞判定手段が前記図柄組合せに基づいて入賞と判定すると、遊技者に対して入賞に対応する遊技価値(例えば、配当、メダル、クレジット、ボーナスゲームなど)を付与する遊技価値付与手段(例えば、主制御回路71、図12のステップS30、ステップS32の処理を行う手段など)と、所定の演出(例えば、停止音など)を実行する演出実行手段(例えば、副制御回路72、スピーカ21L,21Rなど)と、前記演出実行手段に実行させる演出パターン(例えば、図8と図9のパターンA〜パターンDの停止音の出力パターンなど)を定めた演出情報を複数記憶する演出情報記憶手段(例えば、副制御回路72、プログラムROM83、停止音決定テーブルなど)と、前記当選役決定手段が決定した当選役に応じて、前記演出情報記憶手段が複数記憶する演出情報から演出情報を決定する演出情報決定手段(例えば、副制御回路72、図13のステップS101〜ステップS109の処理を行う手段など)と、前記演出情報決定手段が決定した演出情報に定めた演出パターンを前記演出実行手段に実行させる演出実行制御手段(例えば、副制御回路72、図13のステップS110の処理を行う手段など)と、前記停止制御手段が、残り一つの図柄表示手段の変動表示を除いた図柄表示手段(例えば、変動する3つのリール3L,3C,3Rのうちの2つのリールなど)の変動表示を停止制御した場合に、停止制御された図柄表示手段における図柄組合せ(例えば、表示窓4L,4C,4R内の有効ラインに沿って並んだ2つの図柄組合せなど)が、前記入賞判定手段が入賞と判定する入賞図柄組合せ(例えば、表示窓4L,4C,4R内の有効ラインに沿って3つの同一の図柄が並ぶ図柄組合せ、“赤7−赤7−赤7”など)を形成可能か否かを判断するためのテンパイ状態認識手段(例えば、副制御回路72、図13のステップS103の処理を行う手段など)を備え、前記演出情報決定手段は、前記当選役決定手段が特定の役を当選役として決定した場合において、前記テンパイ状態認識手段がテンパイ状態であると判定したときに、前記演出情報記憶手段が複数記憶する演出情報から所定の確率で特定の演出情報(例えば、パターンCの「特別テンパイ音1」、パターンDの「特別テンパイ音2」など)を決定する一方で、前記テンパイ状態認識手段がテンパイ状態ではない(例えば、非テンパイ状態など)と判定したときでも、前記演出情報記憶手段が複数記憶する演出情報から所定の確率で特定の演出情報(例えば、パターンCの「特別テンパイ音1」、パターンDの「特別テンパイ音2」など)を決定することを特徴とする遊技機。
前記当選役決定手段が特別役(例えば、ボーナスなど)を当選役として決定した場合において、前記入賞判定手段が入賞と判定すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、BB遊技状態、RB遊技状態など)を発生させる特別遊技状態発生手段(例えば、主制御回路71、図12のステップS32の処理を行う手段など)と、前記当選役決定手段が特別役を当選役として決定した場合において、前記入賞判定手段が入賞と判定しなかったときに、前記入賞判定手段が入賞と判定するまで当該特別役を当選役として持ち越す持越手段(例えば、主制御回路71、図12のステップS32の処理を行う手段など)と、を備え、前記特定の役は、前記特別役であることを特徴とする遊技機。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。即ち、本発明を構成する、図柄表示手段、図柄変動表示手段、当選役決定手段、停止指示手段、停止制御手段、入賞判定手段、遊技価値付与手段、演出実行手段、演出パターン、演出情報、演出情報記憶手段、演出情報決定手段、演出実行制御手段、テンパイ状態認識手段、特別遊技状態発生手段、持越手段、特定の役、特別役などの具体的な構成については、実施例に挙げたものに限らず任意に変更可能である。
実施例では、例えば、演出情報記憶手段、演出情報決定手段、テンパイ状態認識手段などは、副制御回路72に設けることとしたが、これに限られるものではない。例えば、主制御回路71に設けるようにすることもできる。
即ち、実施例では、主制御回路71は、リール停止コマンドを副制御回路72に送信し、副制御回路72がリール停止コマンドに基づいてテンパイ状態か非テンパイ状態かの判定を行うようにしたが、これに限られるものではない。例えば、主制御回路71が停止されたリールに基づいてテンパイ状態か非テンパイ状態かの判定を行い、テンパイ状態か非テンパイ状態かを識別可能な情報を含むコマンドを副制御回路72に送信するようにしても良い。そして、副制御回路72は、このコマンドに基づいて、停止音決定テーブルを選択し、停止音の出力パターンを決定するようにすることとしても良い。また、主制御回路71で、停止音決定テーブルを所有し、テンパイ状態か非テンパイ状態かの判定の結果に基づいて、停止音決定テーブルを選択し、停止音の出力パターンを決定することもできる。この場合、主制御回路71は、副制御回路72に対して決定した停止音の出力パターンを識別可能な情報を含むコマンドを送信し、副制御回路72では、このコマンドに基づいて停止音を出力させるようにすることもできる。
また、図柄表示手段、図柄変動表示手段として、実施例では、3つのリール3L,3C,3Rを採用することとしたが、これに限られるものではない。例えば、リールの数を3つ以上設けるようにすることもできる。この場合にも、残り1つのリールが変動している状態で入賞の期待がある状態をテンパイ状態ということができる。
また、当選役決定手段として、実施例では、図7の確率抽選テーブルを使用し、図7に示す種類の当選役を決定することとしたが、これに限られるものではない。当選役の種類は任意に設定可能である。例えば、当選役決定手段が小役を当選役と決定する確率を1単位遊技の間だけ高確率とする「シングルボーナス(SB)」、当選役決定手段が決定した当選役に関する情報を遊技者による可変停止指令手段の操作より以前に報知する「アシスト機能」、遊技者による停止指令手段からの停止指令信号の出力から最小移動(又はほぼ最小変動)で図柄を停止させる所謂「CT」(例えば特開平1−238888号)などの当選役も採用することができる。この場合、特別役として、前記の当選役を採用するようにしても良い。
また、演出情報記憶手段として、実施例では、図8と図9の停止音決定テーブルに示す4つの停止音の出力パターンの情報を設けることとしたが、これに限られるものではない。例えば、停止音の出力パターンを4つ以上設けるようにすることもできる。これにより、出力する停止音のパターンを増やすことができ、より多様な演出を実行することができる。従って、当選役を判別する楽しさを増すことができる。
また、演出情報決定手段として、実施例では、当選役がボーナスかボーナス以外の役であるかに応じて停止音決定テーブルを選択し、停止音の出力パターンを決定することとしたが、これに限られるものではない。判別する当選役の種類を細分化するようにしても良い。例えば、当選役がボーナスである場合、当選役が小役である場合、当選役がハズレである場合などに応じて停止音決定テーブルを設けるようにし、それぞれの当選役が決定されることに応じて停止音決定テーブルを選択し、停止音の出力パターンを決定するようにすることもできる。
また、実施例では、ボーナスが当選役として決定されたゲームにおいて、停止音の出力パターンを決定することとしたが、これに限られるものではない。例えば、ボーナスが持ち越されている場合にも、図8(1)又は図9(1)の停止音決定テーブルを選択して、停止音の出力パターンを決定することもできる。
この場合、主制御回路71はボーナスが持ち越されているか否かの情報を副制御回路72に送信する処理(例えばステップS14のスタートコマンド送信処理など)を行う。そして、副制御回路72では、この情報に基づいて、ボーナスが持ち越されていると判別した場合に、テンパイ状態か否かに応じて図8(1)又は図9(1)の停止音決定テーブルを選択して、停止音の出力パターンを決定することができる。
これにより、ボーナスが持ち越されている間は、図8(1)又は図9(1)の停止音決定テーブルを選択して、停止音の出力パターンを決定するので、遊技者に対して、当選役がボーナスであることを判別する機会を多く与えることができ、遊技者がボーナスに当選していることを判別しやすくすることができる。
また、演出実行手段として、実施例では、スピーカ21L,21Rを採用し、演出実行制御手段として、実施例では、停止音の出力パターンに基づいて停止音をスピーカ21L,21Rから出力させることとしたが、これに限られるものではない。例えば、演出実行手段として、液晶表示装置5、ランプ102、リールバックランプなどを採用することもできる。
この場合、演出情報記憶手段として、液晶表示装置5に表示させる画像パターンの情報を複数記憶した画像決定テーブル、ランプ102などに発光させる発光パターンの情報などを複数記憶した発光決定テーブルを採用することとする。また、演出情報決定手段は、当選役がボーナスであるか否かやテンパイ状態であるか否かに応じて、画像決定テーブルや発光決定テーブルを選択し、選択したテーブルに基づいて画像パターンや発光パターンを決定するようにすることもできる。また、演出実行制御手段は、決定した画像パターンに基づいて液晶表示装置5に画像を表示させたり、決定した発光パターンに基づいてランプ102などを発光させるようにすることができる。このようにしても、実施例と同様の効果を奏することができる。
また、テンパイ状態として、実施例では、1つの有効ラインに沿って同一の図柄が2つ並んで表示された状態であって、残りの1つのリールの停止により入賞を期待できる状態を採用することとしたが、これに限られるものではない。例えば、2つの有効ラインに沿って同一の図柄が2つ並んで表示された状態(いわゆるダブルテンパイ状態)、3つの有効ラインに沿って同一の図柄が2つ並んで表示された状態(いわゆるトリプルテンパイ状態)を採用することもできる。
また、実施例では、テンパイ状態をボーナスに対応する図柄についてのみ採用することとしたが、これに限られるものではない。例えば、小役などに対応する図柄についても採用することができる。この場合は、いずれの小役が当選役として決定されたかを判別する楽しみを遊技者に対して与えることができる。
また、例えば、ボーナスのテンパイ状態において出力する停止音を小役のテンパイ状態において出力するようにすることもできる。これにより、ボーナスのテンパイ状態でしか出力させることのない停止音が出力されるので、遊技者に対してボーナスが当選役として決定されたことへの驚きと期待感を与えることができ、面白みのある演出を実行し、遊技者の遊技への興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態として、実施例では、BB遊技状態、RB遊技状態を採用することとしたが、これに限れられるものではない。例えば、所定の役(例えば、再遊技、BB、RB、小役、シングルボーナスなど)が当選役として決定される確率が一般遊技状態と比べて高い状態、遊技者が遊技を有利に進めるために必要な情報{例えば、所定の役の入賞を成立させる停止指示手段の操作態様(例えば、順番、タイミングなど)と所定の役の入賞を成立させない停止指示手段の操作態様とを決定する場合における、所定の役の入賞を成立させる停止指示手段の操作態様の情報など}が報知される状態、持ち越された所定の役の入賞成立が許可される確率が高い状態、基本的に遊技者のストップボタンの操作タイミングに基づいてリールが停止制御されるいわゆる「チャレンジタイム(CT)」などを採用することもできる。
実施例では、本発明をスロットマシンに適用して説明しているが、これに限られるものではない。スロットマシンの他、パチンコ機、ルーレットゲーム、競馬ゲーム等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。