JP2005252218A - 電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はセラミック電子部品に用いられるセラミックグリーンシートに感するものであり、薄層のセラミックグリーンシートを用いて薄層化してもショート率・絶縁耐圧の低下を抑制できる電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた高容量・高信頼性の積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】電極パターン12が形成された下部セラミックグリーンシート11の上に、セラミックスラリーをオーバーコートすることにより形成した電極埋め込みセラミックグリーンシート15とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極パターンが埋め込まれた電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
従来、積層セラミック電子部品は積層セラミックコンデンサの技術をもとに積層インダクタ、LCフィルタあるいはノイズフィルタとして高密度実装を実現するための電子部品として発展してきている。この積層セラミック電子部品の代表例である積層セラミックコンデンサは以下のように製造されている。
まず、水もしくは有機溶剤等の分散媒にBaTiO3などを主成分とする誘電体組成物と有機バインダ、可塑剤等を加えた後、混合して誘電体のスラリーを作製し、その後ドクターブレード法などによりシート成型して所定厚みの誘電体のセラミックグリーンシート(以下、単にセラミックグリーンシートと呼ぶ)を得る。次に、前記セラミックグリーンシートに電極ペーストを用いてスクリーン印刷法などにより電極パターンを形成した後、この印刷形成された電極が個片化したときに交互に個片の両端に外部と接続できるように表出するように位置あわせを行いながら複数枚積層して積層体を得る。最後に得られた前記積層体を個片化した後1300℃前後の焼成温度で焼成し、その後個片化した焼成体の両端に表出した電極に接続するように一対の外部電極を形成することにより作製されている。
また、高容量の積層セラミックコンデンサを得るためにセラミックグリーンシートを薄くする場合には電極パターンをセラミックグリーンシートに直接印刷する方法の他に、たとえば特許文献1、特許文献2などに開示されているように、電極パターンをPETフィルムなどの支持体に形成した後セラミックグリーンシートに圧着して電極パターンを転写する方法などが提案されている。
特開昭63−31104号公報 特開昭63−32909号公報
しかしながら、上記従来方法のようにセラミックグリーンシートに直接印刷する場合、高容量を得るためにセラミックグリーンシートを薄くしていくと、電極パターンの印刷時に起こる電極ペーストによるセラミックグリーンシートの侵食が無視できなくなり、ショート率の増大や絶縁耐圧の低下などを招くという問題点を有していた。
また、電極パターンをPETフィルムなど他の支持体に形成した後セラミックグリーンシートに転写する方法では、電極ペーストによるセラミックグリーンシートの侵食がないことから比較的誘電体層の厚みを薄くすることができるが、例えばセラミックグリーンシートが2.5μmを切るような場合にはセラミックグリーンシート自体にピンホールなどの欠陥が発生しやすくなり、ショート率の増加や絶縁耐圧の低下などを招くという問題点を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、誘電体層または絶縁体層となるセラミックグリーンシートを薄層化してもショート率の悪化・絶縁耐圧の低下を抑制できる電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート上に、セラミックスラリーをオーバーコートすることにより電極埋め込みセラミックグリーンシートを形成したものである。
本発明の電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法は、電極パターンを形成したセラミックグリーンシートにセラミックスラリーをオーバーコートすることにより電極段差を軽減した電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法を実現し、この電極埋め込みセラミックグリーンシートを用いて積層することによって、薄層/高積層化時でもデラミあるいはクラックの発生率を抑制し、ショート率・絶縁耐圧の低下を抑制した高信頼性の積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができるものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
一般に、積層構造のセラミック電子部品は小型化、高性能化に対応できる技術として幅広く実用化されており、特に薄層/高積層化の代表的なセラミック電子部品としては積層セラミックコンデンサが挙げられる。この積層セラミックコンデンサに用いるセラミックグリーンシートとしてはチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料が基本材料であり、電極材料としては高融点のパラジウムなどの貴金属材料とニッケルなどの卑金属材料が最も多く利用されている。本実施の形態1においてもこの積層セラミックコンデンサを例として説明する。
図1は本発明の電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図であり、図2は本発明の電極埋め込みセラミックグリーンシートの断面図である。
図1および図2において、PETなどのベースフィルム10の上にチタン酸バリウムなどの誘電体を主成分とする下部セラミックグリーンシート11を形成し、その上に積層セラミックコンデンサの内部電極となるパラジウムまたはニッケルなどの電極ペーストを用いて電極パターン12を形成する。その後この電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11の上に下部セラミックグリーンシート11と同じ組成の誘電体スラリーを用いてオーバーコートすることにより上部セラミックグリーンシート13を形成することにより電極埋め込みセラミックグリーンシート15の構成を有している。
この電極埋め込みセラミックグリーンシート15をこのような構成とすることにより電極パターン12の電極段差を軽減した構造とすることができるので積層したときの段差を大幅に低減することができる。
さらに、この電極埋め込みセラミックグリーンシート15を2枚積層した場合を考えると、1枚目の電極埋め込みセラミックグリーンシート15の上部セラミックグリーンシート13と、2枚目の電極埋め込みセラミックグリーンシート15の下部セラミックグリーンシート11が1枚目の電極埋め込みセラミックグリーンシート15の電極パターン12と2枚目の電極埋め込みセラミックグリーンシート15の電極パターン12との間に配置されるため、誘電体層が2層構造となり、欠陥の確率が高い薄層化時のセラミックグリーンシートにおいても電極段差を低減できることから積層性に優れ、ショートに至る可能性を軽減することができる。この作用は積層数を増やした場合においてショート率を激減することが可能となり、さらに絶縁耐圧の低下を抑制した高信頼性の積層セラミックコンデンサが製造できるという作用効果が得られる。
また、オーバーコートした上部セラミックグリーンシート13の厚みを電極パターン12の厚みよりも大きくすることにより、より電極段差を低減するとともに高信頼性のセラミックグリーンシート15を提供することができる。
この電極埋め込みセラミックグリーンシート15の作製方法についてさらに詳細に説明する。
まず、誘電率が高くかつ誘電率の温度特性が良好なチタン酸バリウム、アルカリ土類金属化合物、希土類酸化物、遷移金属酸化物からなる誘電体セラミック原料にポリビニルブチラールなどの有機バインダ、DOP、DBPなどの可塑剤等を加えて有機系溶媒中で十分に分散することによって誘電体スラリーとし、その後ドクターブレード法によってPETフィルムなどのベースフィルム10上に1.8〜3.8μmの厚みの異なる下部セラミックグリーンシート11を作製した。次に、前記下部セラミックグリーンシート11の上にスクリーン印刷によって粘度調節されたニッケル電極ペーストを用いて積層セラミックコンデンサの内部電極の電極パターン12を形成した。
次に、図1に示すように前記電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11の上面に乾燥厚みが0.2μmになるように上部セラミックグリーンシート13をドクターブレード14によりオーバーコートし、電極埋め込みセラミックグリーンシート15を作製した。このように、セラミックグリーンシートの上面に電極パターンを形成する工程と、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの上面にセラミックスラリーをオーバーコートして電極パターンを埋め込む工程から構成することにより、高信頼性を実現する電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を実現することができる。
このとき、電極パターン12の厚みよりも上部セラミックグリーンシート13の厚みを大きくしておくことによって電極パターン12による電極段差を大きく低減できるとともに絶縁性の信頼性をより高めることができる。
次に、電極埋め込みセラミックグリーンシート15に形成した電極パターン12が交互に外部と接続できるように300枚積層することにより積層体を作製した。
最後に、得られた前記積層体を個片化し、個片化した積層体の脱バインダ処理を行った後ニッケル電極が酸化しない程度の還元雰囲気中にて1350℃−2時間の焼成条件で焼成した。
その後、焼成した積層体の両端に一対の外部電極を形成して積層セラミックコンデンサ(実施例1)を得た。
また、図3は比較のための従来の一例としてのセラミックグリーンシートの断面図であり、比較のために厚み2.0〜4.0μmの通常のセラミックグリーンシート31の上面に表面が撥水性を有する電極パターン32を形成した後、その周囲に水系セラミック誘電体スラリーを用いて段差埋め込み用セラミックグリーンシート33を形成したセラミックグリーンシート34を300枚積層することによって得られる積層セラミックコンデンサを作製した(比較例1)。
さらに、電極パターン32をあらかじめPETフィルム上に形成した後、厚みの異なるセラミックグリーンシート31のそれぞれに電極パターン32を転写したセラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートを300枚積層することによって得られる誘電体厚みの異なる積層セラミックコンデンサを作製した(比較例2)。
(表1)は本発明の実施の形態1によって作製された積層セラミックコンデンサおよび比較例1、比較例2のそれぞれのロットについて、焼成後の積層セラミックコンデンサ1000個中の構造欠陥を比較して示したものである。
Figure 2005252218
(表1)の結果より、比較例2は電極段差が最も大きくなるために1000個中50個の構造欠陥が見られる。また実施例1及び比較例1は段差が軽減または解消されることで構造欠陥が非常に少ないことが分かった。
次に、図4は本発明の実施の形態1の方法によって作製された積層セラミックコンデンサおよび比較例1,2のそれぞれのロットについて、焼成後の誘電体厚みと得られる積層セラミックコンデンサ500個中のショート率の関係を比較して誘電体層厚みとショート率の関係を示した図である。
比較例2は誘電体層厚みが2.4μm程度でもショート率が比較的高く、50%以上がショート品となっている。また、比較例1では比較例2に比べショート率を低く抑えることができているが、誘電体層厚みが2.0μm以下になると顕著にショート率が増加している。これに対して、実施例1においては誘電体層厚みが2.0μm以下の領域においてもショート率が低く抑えられているのが分かる。
また、図5は実施例1および比較例1、比較例2のそれぞれのロットにおいて、誘電体層厚みがほぼ2.0μmの試料の絶縁破壊電圧分布を比較して示した図である。
図5に示すように比較例1は絶縁破壊電圧のばらつきが大きく、分布の最頻値が低くなっている。また比較例2では絶縁破壊電圧のばらつきは比較的小さく抑えられているが、信頼性的に問題となる絶縁破壊電圧の低い試料が比較的多く存在している。これに対して、実施例1は絶縁破壊電圧のばらつきが小さくなっているとともに、比較例2に比べても絶縁破壊電圧の低い試料がより小さくなっていることが分かる。
以上のように、本発明によれば積層性に優れた電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法を実現するとともにこの電極埋め込みセラミックグリーンシートを用いることにより高信頼性の薄層/高積層化に適した積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
また、この電極埋め込みセラミックグリーンシート15は低温焼結配線基板、積層インダクタンス部品および積層複合部品などの積層構造を有するセラミック電子部品に用いることができるものであり、薄層化、高積層化時の焼結時のクラック発生などの構造欠陥を抑制するとともに絶縁信頼性に優れたセラミック電子部品とすることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
まず、実施の形態1で用いた誘電体材料であるセラミック原料に有機バインダ、可塑剤等を加えて有機溶剤中で十分に分散することによって誘電体スラリーとし、その後ドクターブレード法によって2.8μmの誘電体厚みの下部セラミックグリーンシート11を作製した。
次に、前記下部セラミックグリーンシート11にNi粉と水溶性樹脂、可塑剤等からなる水性電極インクを用いてスクリーン印刷し、積層セラミックコンデンサの内部電極の電極パターン12を形成した。
次に、実施の形態1と同様の方法により前記電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11の上面に、誘電体スラリーをオーバーコートして、電極埋め込みセラミックグリーンシート15を作製した。
以下、このようにして作製された電極埋め込みセラミックグリーンシート15を用いて、積層セラミックコンデンサを作製する工程については、実施の形態1と略同等なので省略する。
このようにして作製された積層セラミックコンデンサの電気特性について評価した結果を図6に示す。
図6は誘電体厚みがほぼ1.8μmである実施の形態2で作製された積層セラミックコンデンサ(実施例2)と実施の形態1で作製した(実施例1)のうち誘電体層厚みがほぼ1.8μmである試料の絶縁破壊電圧分布の比較を示したものである。図6の結果より、実施例2ではほぼ同じ厚みの誘電体層を有する実施例1よりも更に絶縁破壊電圧のばらつきが小さく抑えられており、絶縁破壊電圧の最大値や最頻値が良化していることが分かる。
以上説明してきたように、非水系スラリーから形成されたセラミックグリーンシートの上面に水性電極インクを用いて電極パターンを形成する工程と、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの上面にセラミックスラリーをオーバーコートして電極パターンを埋め込む工程から電極埋め込みセラミックグリーンシートを製造することにより、電極パターンの印刷時に起こる電極ペーストによるセラミックグリーンシートへの侵食が抑制できることから、より絶縁信頼性に優れた電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を実現することができ、このセラミックグリーンシートを用いることにより高信頼性の積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
図7は本発明の実施の形態3におけるグラビア版を用いた電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図であり、図8はコーティングのためのノズルを用いた電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図である。
まず、実施の形態1で用いた誘電体材料であるセラミック原料に有機バインダ、可塑剤等を加えて有機溶剤中で十分に分散することによって誘電体スラリーとし、その後ドクターブレード法によって2.8μmの厚みの下部セラミックグリーンシート11を作製した。
次に、前記下部セラミックグリーンシート11にNi粉と水溶性樹脂、可塑剤等からなる水性電極インクを用いてスクリーン印刷し、積層セラミックコンデンサの内部電極の電極パターン12を形成した。
次に、図7に示すように電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11に、所定の間隔をあけて設けた2本のロール16の間で前記電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11の走行とは逆方向に回転するグラビア版17を接触させ、この電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11の裏面側にはバックロールによって印圧をかけないようにしながらセラミックスラリー20の所定量をドクターブレード14の押圧力またはギャップ寸法を調整しながらグラビア版17によってオーバーコートする方法(一般的にはキスコート法と呼ぶ)により電極埋め込みセラミックグリーンシート(実施例3)を作製した。
また、前記の方法とは別に図8に示すように電極パターン12を形成した下部セラミックグリーンシート11に、所定の間隔をあけて設けた2本のロール16の間に設置したノズル18によってオーバーコートした電極埋め込みセラミックグリーンシート(実施例4)を作製した。このノズル18にはスリット19を形成するとともに、このスリット19の両面にはR形状を有するテーパーを設けている。従って、セラミックスラリーを吐出させるノズル18の先端はR形状を有しており、その間にスリット19を設けた構造を有している。このように先端にR形状をしたスリット19を有するノズル18を用いてコーティングする方法を用いてセラミックスラリーをオーバーコートすることにより電極埋め込みセラミックグリーンシート15を作製した。
このような方法で作製された電極埋め込みセラミックグリーンシート15の特性を評価した。その評価結果を(表2)に示す。
Figure 2005252218
(表2)の結果より、電極上の塗布状態が良好で電極パターン12の上に厚みの薄いコーティングが可能となっていることが分かる。
以下、このようにして作製された電極埋め込みセラミックグリーンシート15を用いて、積層セラミックコンデンサを作製する工程については、実施の形態1と略同等なので省略する。このようにして作製した積層セラミックコンデンサは高信頼性で、絶縁耐圧の高均質な電気特性を示した。
以上のように、電極埋め込みセラミックグリーンシート15の製造において、特にオーバーコートを、間隔を開けた2本のロール16で電極パターン12が形成された下部セラミックグリーンシート11の走行方向と反対の方向に回転するグラビア版17を接触させて電極パターン12が形成された下部セラミックグリーンシート11にバックロールによる印圧をかけないでコーティングすることにより、電極パターン12にダメージを与えず、電極パターン12が形成されていない微細な隙間にも確実にセラミックスラリーが充填できるとともに高平滑な状態でオーバーコートできる電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を実現することができる。
このように電極パターン12に機械的なダメージを与えると電極パターン12の変形が発生し、この電極パターン12が変形すると、例えば積層セラミックコンデンサではショート率の増大、あるいは静電容量のバラツキなどの不良原因となる。
また、グラビア版17の直径を15〜60mmとすることにより、より高精度・高平滑な電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を提供することができる。このグラビア版17の直径が60mmを超えると曲率が小さくなり電極パターン12に対してダメージを与えやすくなり、15mmを下回るとグラビア版17の機械的強度が小さくなり、偏芯の発生、幅方向の寸法制限、あるいはバラツキが大きくなったりする。
また、グラビア版17の回転速度は下部セラミックグリーンシート11のライン速度の1〜3倍の速度範囲が精度の観点から好ましい。
なお、以上説明してきたような技術をもとにして各種の積層セラミック電子部品を実現することができる。例えば、セラミックグリーンシートにフェライト材料を用い、電極材料に銀ペーストを用いるとともに、スルホール構造を実現することにより積層インダクタンス部品を構成することもできる。さらに、積層セラミックコンデンサの技術と前記積層インダクタンス部品の技術を用いて積層LCフィルタという複合構成の積層セラミック電子部品の製造方法を実現することもできる。
また、別の方法としてオーバーコートを、間隔を開けた2本のロール16の間に先端の両面に曲面を有するスリット19を有するノズル18を設け、このノズル18を用いてコーティングすることにより、電極パターン12にダメージを与えず、高平滑にオーバーコートできる電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を実現することができる。先端の両面に曲面を有するスリット19を有するノズル18を設けることにより、電極パターン12に対して与えるダメージを非常に少なくすることができるとともにセラミックスラリーの吐出量をスリット19から高精度に管理しながら吐出することができるのでオーバーコートに用いるセラミックスラリーを高精度にコーティングすることができる。
なお、スリット19の曲率(R)は3〜20mmが好ましい。その範囲とすることによって薄くて高精度なオーバーコートを実現することができる。
以上説明してきたようなオーバーコートの方法を用いることにより電極パターン12の間に十分なオーバーコートのためのセラミックスラリーを充填できることからピンホールの発生の非常に少ないオーバーコート(上部セラミックグリーンシート13)を有する電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を実現することができ、このセラミックグリーンシートを用いることによって高信頼性の積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明にかかる電極埋め込みセラミックグリーンシートとその製造方法およびそれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートの薄層化、高積層化時においても積層性に優れるとともにショート率を低減できるセラミックグリーンシートを実現することにより、この薄層の電極埋め込みセラミックグリーンシートを用いて高容量・高信頼性のセラミック電子部品である積層セラミック電子部品の製造方法等として有用である。
本発明の実施の形態1における電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図 同電極埋め込みセラミックグリーンシートの断面図 従来の一例であるセラミックグリーンシートの断面図 誘電体層厚みとショート率の関係を示した図 絶縁破壊電圧の分布の比較を示した図 絶縁破壊電圧の分布の比較を示した図 本発明の実施の形態3におけるグラビア版を用いた電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図 同ノズルを用いた電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法を説明するための概念図
符号の説明
10 ベースフィルム
11 下部セラミックグリーンシート
12 電極パターン
13 上部セラミックグリーンシート
14 ドクターブレード
15 電極埋め込みセラミックグリーンシート
16 ロール
17 グラビア版
18 ノズル
19 スリット
20 セラミックスラリー

Claims (9)

  1. 電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート上に、セラミックスラリーをオーバーコートすることにより形成された電極埋め込みセラミックグリーンシート。
  2. オーバーコートの厚みを電極パターンの厚みよりも大きくした請求項1に記載の電極埋め込みセラミックグリーンシート。
  3. セラミックグリーンシートの上面に電極パターンを形成する工程と、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの上面にセラミックスラリーをオーバーコートして電極パターンを埋め込む工程からなる電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法。
  4. 非水系スラリーから形成されたセラミックグリーンシートの上面に水性電極インクを用いて電極パターンを形成する工程と、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの上面にセラミックスラリーをオーバーコートして電極パターンを埋め込む工程からなる電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定の間隔を開けた2本のロールで支持し、この電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの走行方向と反対の方向に回転するグラビア版を前記2本のロールの中間にて前記電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートに接触させながらオーバーコートする請求項3または4に記載の電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法。
  6. グラビア版の直径を15〜60mmとする請求項5に記載の電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法。
  7. 電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定の間隔を開けた2本のロールで支持し、前記2本のロールの中間に先端の両面に曲面を有するスリットを有するノズルを設け、このノズルを前記電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートに接触させながらオーバーコートする請求項3または4に記載の電極埋め込みセラミックグリーンシートの製造方法。
  8. 電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート上に、セラミックスラリーをオーバーコートすることにより電極埋め込みセラミックグリーンシートを形成する工程と、この電極埋め込みセラミックグリーンシートを積層・圧着して積層体を形成する工程と、この積層体を個片化した後焼成する工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 非水系スラリーから形成されたセラミックグリーンシートの上面に水性電極インクを用いて電極パターンを形成し、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートの上面にセラミックスラリーをオーバーコートして電極パターンを埋め込むことにより電極埋め込みセラミックグリーンシートを形成する工程と、この電極埋め込みセラミックグリーンシートを積層・圧着して積層体を形成する工程と、この積層体を個片化した後焼成する工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
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