JP2005252035A - マスク、マスクブランクス、露光方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスク、マスクブランクス、露光方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターンの位置精度の向上と、アライメントの容易性を兼ね備えたマスク、露光方法、半導体装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】4つのマスク領域11〜14には、補強部として、主補強部3と、主補強部3より幅の狭い第1補助補強部4とが互いに平行に配置されており、さらに、主補強部3および第1補助補強部4に直交する第2補助補強部5が配置されている。このように補強部3〜5により、長方形状の薄膜(メンブレン)2が規定される。第2の補助補強部5によりメンブレン2の長辺の長さを制御することにより、メンブレン2にパターンの貫通孔を形成した場合のパターン位置誤差が緩和される。また、X軸あるいはY軸の方向が長辺となる長方形状のメンブレン2が形成されることから、当該座標軸に沿ってアライメントを行う際に、アライメントとの相性がよいマスクとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、パターンが貫通孔により形成されたマスク、マスクブランクス、露光方法および半導体装置の製造方法に関する。
従来、電子線近接転写リソグラフィ(LEEPL:low energy electron beam proximity projection lithography)では、厚さ数百nmから数μmの薄膜(メンブレン)に貫通孔により回路パターンが形成されているステンシルマスクが用いられる。LEEPLでは、レジストを塗布したウエハ上に数十μmの間隔を空けてステンシルマスクを設置し、電子光学系により数keVの運動エネルギーをもつ電子線(EB)がステンシルマスク上に走査される。メンブレン部に入射した電子線は、非弾性散乱によりエネルギーを失い、メンブレンに吸収され、貫通孔を通過した電子線のみがウエハ上に転写される。
ステンシルマスクには、その構造上、ドーナツ状に閉じた図形を形成することができない。なぜならば、閉じた回路パターン、すなわち貫通孔で囲まれた領域が脱落してしまうからである。これは、ドーナツ問題として広く認識されている。そのため、LEEPLに限らず、電子線転写リソグラフィ(EPL)やイオンビーム転写リソグラフィ(IPL)等のステンシルマスクを用いるリソグラフィ技術においては、回路パターンを2つの相補的な部分に分割した後、両者をマスク上の別領域に配置し、2重露光によりウエハ上で重ね合わせるという方法がとられている。
しかし、相補分割された領域をマスク上の離れた領域、もしくは別マスクに配置し、露光を2回繰り返すことは、生産のスループットを半減させることになる。そこで、図14(a)に示すように、チップCのサイズ(図14(a)では一辺Lの正方形と仮定している)と同じマスク領域111,112を隣接して配置し、マスク領域111,112に相補分割された図形AとB(A+B=元の図形)を配置する方法が考案された(特許文献1,2参照)。
このマスクに対して、図14(b)に示すように、ウエハWをピッチLで移動させると、ウエハ上の各チップCがマスク領域111とマスク領域112とで2重露光されるので、図形Aと図形Bを転写することができ、いかなる図形でも露光することができる。なお、図では分かりやすいように、マスク100がウエハWに対して移動しているように矢印を描いているが、実際の露光装置では、マスクを固定し、ウエハを動作させる。
このマスクの利点は、マスクを2枚作製したり、あるいは離れた場所にある領域を2回露光したりする必要がなく、それらの方式よりもスループットが高いということである。そこで、上記のマスクを相補ステンシルマスク(Complementary stencil mask :COSM)と称する。
相補ステンシルマスクを実現するためには、少なくともチップ2個分の領域を単一のメンブレンで構成しなくてはならない。しかしながら、厚さ数μm以下のメンブレンを数十mm角の大きさで保持することは技術的に容易ではない。まず、機械的強度が低く破壊しやすいため、搬送や取り扱いに細心の注意が必要である。そのため、マスク製造の歩留りが低く、また、露光時に衝撃やウエハ上の異物で破損してしまうという問題がある。
次に、マスクパターンの位置誤差は、メンブレンの大きさにほぼ比例するので、高い位置精度を保証することが困難である。また、メンブレンのたわみを防ぐためにメンブレンの内部応力を増加させると、さらに位置精度が低下してしまう。さらに、メンブレンサイズが大きいと露光中の電子線の照射によりメンブレンの温度が上昇し、パターンの熱変位も増加するという問題がある。
そこで、相補ステンシルマスクの考え方を踏襲しつつ、マスクの機械的強度を確保する方法として、図15(a)に示すマスクが提案された。すなわち、マスク102上にチップ4個分の露光領域を設定する。そして、図14と同様に図形Aと図形Bを2つの領域、例えばマスク領域111とマスク領域112に配置する。ここで、メンブレンを補強するために、そのマスク領域111,112に補強部(梁部)103を設ける。補強部103で遮蔽されてしまった部分は露光されないので、その部分の図形は残りの2つのマスク領域113,114に配置する。マスク領域113には、マスク領域111の補強部103と重ならない位置に補強部103を設け、マスク領域114にはマスク領域112の補強部103と重ならない位置に補強部103を設ける。
上記のマスク102では、図15(b)に示すように、ウエハWをピッチLで移動させると、ウエハW上のチップCにマスク領域111〜114の図形が多重露光されるので、いかなる図形でも露光することができる。
図16に示すように、メンブレン上に補強部を有する代表的なマスクとしては、2つのタイプがある。
図16(a)に示すタイプ1のマスク101(特許文献3参照)では、各マスク領域111〜114に、メンブレン104を正方形に分割し区画する補強部103が配置されている。補強部103は、各マスク領域111〜104でずれて配置されている。
図16(b)に示すタイプ2のマスク102(特許文献4参照)では、マスク領域111とマスク領域113には、x方向に延びる補強部103が設けられ、マスク領域112とマスク領域114にはy方向に延びる補強部103が設けられている。これにより、マスク領域111とマスク領域113にはx方向が長手方向となる長方形のメンブレン104が構成され、マスク領域112とマスク領域114にはy方向が長手方向となる長方形のメンブレン104が構成されている。
タイプ2のマスク102の利点として、露光装置で用いられるダイバイダイアライメントとの整合性が高いことが挙げられる。マスク上とウエハ上に形成されたアライメントマークに白色光を照射し、反射散乱光をCCDカメラ等で検出することで、ウエハとマスクの相対位置を計測することができる。露光に用いる電子線と干渉しないよう、アライメント光は斜め入射されるので、タイプ1のような正方形にメンブレンを区画する補強部103では、補強部103とアライメント光が干渉してしまう可能性が高い。
一方、タイプ2の場合、図17に示すように、4つのアライメント光学系50をメンブレン104の長手方向と平行に観察するように設置することにより、アライメント光と補強部103との干渉を防ぐことができる。
特開2002−373845号公報 特開2002−367885号公報 特開2003−59819号公報 国際公開第03/052803号パンフレット
しかしながら、タイプ2のマスク102では、各マスク領域111〜114において、メンブレン104を補強するのは一方向に延在する補強部103のみであったことから、メンブレン104の長さが長辺方向ではチップの寸法と等しくなり、一方向に非常に長いため、正方形に細かくメンブレン104を区画するタイプ1に比べてパターン位置精度が悪くなってしまうという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械的強度を向上させることによるパターンの位置精度の向上と、アライメントの容易性を兼ね備えたマスクを提供することにある。
本発明の他の目的は、機械的強度を向上させることによるパターンの位置精度の向上と、アライメントの容易性を兼ね備えたマスクを作製するためのマスクブランクスを提供することにある。
本発明の他の目的は、パターン位置精度の向上を図ることができる露光方法および半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクは、パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、を有し、各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている。
上記の本発明のマスクでは、4つのマスク領域には、補強部として、主補強部と、主補強部より幅の狭い第1補助補強部とが互いに平行に配置されており、さらに、主補強部および第1補助補強部に直交する第2補助補強部が配置されている。このように主補強部、第1補助補強部および第2補助補強部により、長方形状のパターン形成領域が規定される。第2の補助補強部によりパターン形成領域の長辺の長さを制御することにより、パターン形成領域の薄膜にパターンの貫通孔を形成した場合のパターン位置誤差が緩和される。また、第1の座標軸あるいは第2の座標軸の方向が長辺となる長方形状のパターン形成領域が形成されることから、当該座標軸に沿ってアライメントを行う際に、アライメントとの相性がよいマスクとなる。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクブランクスは、パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、を有し、各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクブランクスでは、4つのマスク領域には、補強部として、主補強部と、主補強部より幅の狭い第1補助補強部とが互いに平行に配置されており、さらに、主補強部および第1補助補強部に直交する第2補助補強部が配置されている。このように主補強部、第1補助補強部および第2補助補強部により、長方形状のパターン形成領域が規定される。第2の補助補強部によりパターン形成領域の長辺の長さを制御することにより、パターン形成領域の薄膜にパターンの貫通孔を形成した場合のパターン位置誤差を緩和できるマスクを作製できる。また、第1の座標軸あるいは第2の座標軸の方向が長辺となる長方形状のパターン形成領域が形成されることから、当該座標軸に沿ってアライメントを行う際に、アライメントとの相性がよいマスクを作製できる。
上記の目的を達成するため、本発明の露光方法は、パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、を有し、各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されているマスクを用い、前記パターン形成領域の長辺方向から前記マスクと被露光体のアライメントマークを観察して、前記マスクと前記被露光体とのアライメントを行うアライメント工程と、前記マスクの4つの前記マスク領域に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射工程と、前記マスクと被露光体との相対位置を移動させる移動工程と、を繰り返し行い、前記被露光体に前記マスクの4つの前記マスク領域を重ねて露光する。
上記の本発明の露光方法では、長方形状のパターン形成領域を有し、パターン形成領域の薄膜にパターンの貫通孔を形成した場合のパターン位置誤差が緩和されたマスクを用いる。
そして、パターン形成領域の長辺方向、すなわち第1の座標軸あるいは第2の座標軸の方向から、マスクと被露光体のアライメントマークを観察して、マスクと被露光体とのアライメントを行う。このように、長辺方向に沿ってマスクのアライメントマークを観察することにより、補強部によりアライメントマークの観察が遮られることが防止される。
アライメント後、マスクの4つのマスク領域に荷電粒子線を照射する。
荷電粒子線を走査後、マスクと被露光体との相対位置を移動させ、さらにアライメント工程、荷電粒子線工程を繰り返し行う。
これにより、被露光体にマスクの4つのマスク領域が重ねて露光される。
上記の目的を達成するため、本発明の半導体装置の製造方法は、基板に被加工膜を形成する工程と、前記被加工膜上に感光膜を形成する工程と、前記感光膜に対してマスクのパターンを露光する工程と、パターン露光された感光膜をエッチングマスクとして前記被加工膜をエッチングすることにより前記被加工膜をパターン加工する工程とを繰り返すことにより、パターンの層を形成する半導体装置の製造方法であって、パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、を有し、各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されているマスクを用い、前記感光膜に対し前記マスクのパターンを露光する工程において、前記パターン形成領域の長辺方向から前記マスクと前記基板のアライメントマークを観察して、前記マスクと前記基板とのアライメントを行うアライメント工程と、前記マスクの4つの前記マスク領域に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射工程と、前記マスクと前記基板との相対位置を移動させる移動工程と、を繰り返し行い、前記感光膜に前記マスクの4つの前記マスク領域を重ねて露光する。
上記の本発明の半導体装置の製造方法では、露光工程において、長方形状のパターン形成領域を有し、パターン形成領域の薄膜にパターンの貫通孔を形成した場合のパターン位置誤差が緩和されたマスクを用いる。
そして、パターン形成領域の長辺方向、すなわち第1の座標軸あるいは第2の座標軸の方向から、マスクと被露光体のアライメントマークを観察して、マスクと基板とのアライメントを行う。このように、長辺方向に沿ってマスクのアライメントマークを観察することにより、補強部によりアライメントマークの観察が遮られることが防止される。
アライメント後、マスクの4つのマスク領域に荷電粒子線を照射する。
荷電粒子線を走査後、マスクと基板との相対位置を移動させ、さらにアライメント工程、荷電粒子線工程を繰り返し行う。これにより、基板の感光膜にマスクの4つのマスク領域が重ねて露光される。
露光後、パターン露光された感光膜をエッチングマスクとして被加工膜をエッチングすることにより被加工膜をパターン加工する。これにより、パターンの層が形成される。
本発明のマスクおよびマスクブランクスによれば、機械的強度を向上させることによるパターンの位置精度の向上と、アライメントの容易性を兼ね備えたマスクを実現することができる。
本発明の露光方法および半導体装置の製造方法では、パターン位置精度の向上を図ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るマスクを説明するための図である。図1では、説明を容易にするため、仮想的にマス目に区切って図解している。
図1に示すように、マスク1は、パターンの位置を指定するためのXY座標系の第1象限に位置する第1マスク領域11と、第2象限に位置する第2マスク領域12と、第3象限に位置する第3マスク領域13と、第4象限に位置する第4マスク領域14とを有する。各マスク領域11〜14は、図示しない支持枠により囲まれている。
パターンの位置を指定する座標系は、例えばウエハの矩形のチップの2辺に沿って設定される。XY座標系は、後述する露光装置のステージ制御においても、X方向制御、Y方向制御のための基準座標となる。また、電子線走査においても同様に使用され、例えば、当該XY座標系を構成するX軸方向に沿って電子線が走査され(水平走査)、当該水平走査がY軸方向に順に行われる。このように、基準となるXY座標系は、パターン位置の指定、ステージ制御、電子線走査の全てに共通に設定される。
各マスク領域11〜14は、周囲の支持枠より薄い薄膜(メンブレン)2と、XY座標系を構成するX軸(第1の座標軸)あるいはY軸(第2の座標軸)に平行に配置され、メンブレン2を複数のパターン形成領域に分割する梁状の補強部3,4,5とを有する。図示はしないが、パターン形成領域におけるメンブレン2には、パターンの貫通孔が形成される。
各マスク領域11〜14は、補強部として、主補強部3と、主補強部3と平行で主補強部3より幅の狭い第1補助補強部4と、主補強部3および第1補助補強部4に直交する第2補助補強部5とを有する。
図1では、第1マスク領域11および第3マスク領域13は、X軸の方向に延在する主補強部3および第1補助補強部4と、Y軸の方向に延在する第2補助補強部5とを有する。また、第2マスク領域12および第4マスク領域14は、Y軸の方向に延在する主補強部3および第1補助補強部4と、X軸の方向に延在する第2補助補強部5とを有する。
第1マスク領域11および第3マスク領域13の主補強部3は、第1マスク領域11と第3マスク領域13を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置され、第2マスク領域12および第4マスク領域14の主補強部3は、第2マスク領域12と第4マスク領域14を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置されている。
上記の4つのマスク領域11〜14は、ウエハ等の被処理基板に重ねて露光される。相補露光を可能にするため、4つのマスク領域11〜14を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のメンブレン2が存在するように、主補強部3と、第1補助補強部4と、第2補助補強部5が配置されている。
上記の本実施形態に係るマスクの梁配置は、従来技術で述べたタイプ1(図16(a)参照)のマスクの補強部配置と、タイプ2(図15(a)、図16(b)、図17参照)のマスクの補強部配置の中間の補強部配置をもつ。マスクのパターン位置精度は、回路パターンの密度分布、メンブレンの内部応力およびサイズで力学的に決まってしまうものであり、始めの2要因を変えることは困難である。従って、本実施形態に係るマスクでは、タイプ2のマスクの利点を損なわない範囲で、長辺方向のメンブレン2のサイズを縮小させている。
次に、上記のマスク1の補強部の配置の設計方法について、図2〜図3を参照して説明する。本実施形態では、タイプ2のマスクの構造から出発し、タイプ2のマスクの利点を保持したままメンブレン2のサイズを縮小するフローについて説明する。図2および図3では、説明を容易にするため、仮想的にマス目に区切って図解している。
図2(a)は、出発点となるタイプ2のマスクの構造を示す図である。一例として、各マスク領域11〜14には、X軸あるいはY軸に平行な主補強部3が2つ配置されている例について説明する。なお、主補強部3の数は、図17に示すように各領域で4つの数でもよく、その数に限定はない。図2(a)に示す例では、メンブレン2の短辺寸法をM、長辺寸法をLとし、L>Mである。主補強部3の幅をS1とする。また、例えば、メンブレン2の短辺寸法Mと主補強部3の幅S1のサイズは、略同じとする。
上記の図2(a)に示すマスク構造を出発点として、まず、第2補助補強部5の幅S2を決定する。図16(a)に示すタイプ1のマスクの補強部103の幅と同じ程度、例えば数百μmかそれ以上であれば、現在の加工技術で問題なく製造可能である。図2(b)に示すように、主補強部3と直交する方向、すなわちメンブレン2の長辺と直交する方向に第2補助補強部5を設置する。これにより、図2(b)に示すように、例えば第1マスク領域11のメンブレン2の長辺寸法が縮小する。第2補助補強部5が形成された部分にはパターンを配置できなくなることから、第2補助補強部5を形成した部分に対応する他のマスク領域、例えば第4マスク領域14の主補強部3の一部分を削除する。これにより、第4マスク領域14には、変形後の主補強部3aが残る。
このような図形走査を他のマスク領域12〜14にも同様に行い、図2(a)の長方形のメンブレン2のサイズを縮小していく。これにより、図3(a)に示すように、各マスク領域11〜14に、主補強部3と直交する方向に第2補助補強部5が設置される。図3(a)では、各マスク領域11〜14に1つずつ、合計4つの第2補助補強部5を追加している。そして、元の形状のままの主補強部3と、第2補助補強部5の形成により一部を削除した変形後の主補強部3aが残る。
図3(a)に示すマスク構造でも、各マスク領域11〜14を重ねて露光することにより、相補分割された図形をウエハ等の被処理基板上で転写することが可能である。しかし、変形後の主補強部3aの加工の容易さやマスク全体の力学的バランスを考慮し、図3(b)に示すように、主補強部3aの凹凸をなくして、全てが直線上に配置されるように形状を整えることが望ましい。これにより、変形後の主補強部3aを滑らかに整形した第1補助補強部4となる。第1補助補強部4の幅は、主補強部3の幅S1から第2補助補強部5の幅S2を引いたものとなる。
図3(b)に示すマスク構造では、最外周を除いて、メンブレン2の短辺寸法はM+S2となり、長辺寸法はM+S1となる。なお、最外周では、短辺寸法はMであり、長辺寸法はM+S2となる。
上記の本実施形態に係るマスクでは、一般性を失わずにメンブレン2の長辺を短くすることができる。なお、第2補助補強部5を元の主補強部3よりも大きな周期で設けることにより、メンブレン2の長辺寸法を(M+S1)の整数倍にすることもできる。
次に、上記の補強部3〜5をもつマスクの作製プロセスの一例について、図4〜図6に示す工程断面図を参照して説明する。本例では、SOI基板を用いてマスクを作製する例について説明する。
図4(a)に示すように、シリコン基板20上に酸化シリコン膜21が形成され、酸化シリコン膜21上にシリコン層の薄膜(メンブレン2)が形成されたSOI基板を用意する。
図4(b)に示すように、SOI基板の表面および裏面を含む全面に、例えばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition) 法により窒化シリコンを成膜して、ハードマスク23を形成する。ハードマスク23の膜厚は、例えば400nm程度である。
次に、図4(c)に示すように、SOI基板のシリコン基板20側におけるハードマスク23上に、レジスト塗布、露光および現像を行い、レジストをエッチングマスクとしてハードマスク23をドライエッチングすることにより、支持枠および補強部のパターンをもつハードマスク23aを形成する。ハードマスク23のエッチングは、例えばフロロカーボン系のガスを用いる。その後、レジストを除去する。
次に、図5(a)に示すように、ハードマスク23aをエッチングマスクとして、酸化シリコン膜21に達するまでシリコン基板20をエッチングして、支持枠6および補強部3,4,5を形成する。これにより、図1に示す配置の補強部3,4,5が作製される。シリコン基板20のエッチングは、例えば塩素系ガスを用いる。
次に、図5(b)に示すように、SOI基板のメンブレン2側におけるハードマスク23上に、レジスト塗布、露光および現像を行い、レジストをエッチングマスクとして、ハードマスク23をドライエッチングすることにより、支持枠6により囲まれた領域を露出するパターンのハードマスク23bに加工する。ハードマスク23のエッチングは、例えばフロロカーボン系のガスを用いる。その後、レジストを除去する。
本実施形態では、上記の工程を経たものをマスクブランクス1aとして、使用する。ただし、プロセスには特に限定はない。
次に、図6(a)に示すように、マスクブランクス1aのメンブレン2上に電子線レジストを形成し、電子線レジストにマスク描画機を用いて描画し現像することにより、マスクに形成するパターンをもつレジストパターン24を形成する。
次に、図6(b)に示すように、レジストパターン24をエッチングマスクとして、メンブレン2をドライエッチングすることにより、メンブレン2にパターンの貫通孔2aを形成する。シリコン層からなるメンブレン2のエッチングは、例えば塩素系ガスを用いる。その後、レジストパターン24を除去する。当該工程において、酸化シリコン膜21はエッチングストッパとなり、酸化シリコン膜21に達する貫通孔2aが形成される。
最後に、図6(c)に示すように、補強部3,4,5から露出した酸化シリコン膜21をエッチング除去し、さらにハードマスク23を除去することにより、パターンの貫通孔2aが形成されたマスクが完成する。
上記の本実施形態に係るマスクのパターン位置精度について説明する。
ここでは、シリコン単結晶(001)面からなるメンブレン2を有するタイプ1のマスク(図16(a)参照)と、タイプ2のマスク(16(b)参照)のパターン位置精度を比較した。メンブレン2の膜厚は500nmで、メンブレン2の短辺はタイプ1,2共に1mmとした(M=1mm)。一方、タイプ2のマスクのメンブレンの長辺は、L=20mmとした(図2(a)参照)。補強部の幅は250μmとした。マスクに形成する貫通孔からなるパターンは、65nm世代のデバイスのゲート層とした。
図7は、上記のタイプ1とタイプ2のマスクについて、横軸にメンブレンの内部応力を、縦軸に位置誤差の最大値をプロットした図である。図7において、CV1がタイプ1のマスクの位置誤差を示し、CV2がタイプ2のマスクの位置誤差を示す。図7に示すように、位置誤差は内部応力に比例し、また、タイプ2のマスクのパターン位置誤差がタイプ1のマスクに比べて大きいことがわかる。
図2〜図3に示した方法を用いて、タイプ2のマスク構造を強化し、メンブレン2の長辺寸法を縮小させた本実施形態に係るマスクを作製したところ、メンブレン2の長辺寸法を(M+S1)にした場合、パターンの位置誤差はタイプ1のマスクとほぼ同じになり、(M+S1)の2倍(元の主補強部3の1つおきに第2補助補強部5を設置)にした場合、タイプ1のマスクの約2倍に収まることが確認された。
メンブレン2の内部応力を5MPaにした場合、タイプ1のマスクのパターン位置誤差が1nm以下であるから、その2倍であっても、65nm世代のマスクのパターン位置精度としては問題はない。しかも、後述するように、メンブレンサイズがアライメント光学系の観察方向に約2倍大きいので、補強部3〜5とアライメント光が干渉することなく、アライメントマークを配置することができるようになった。
マスクのパターン位置の誤差は、メンブレンの寸法にほぼ比例する。図16(b)に示すタイプ2のマスクのメンブレンの長辺寸法は、チップサイズで規定されるので、これまで位置精度を制御することが困難であった。ところが、上記の本実施形態に係るマスクでは、補強部の配置、メンブレンの内部応力を適切に選択することにより、タイプ2のマスクの利点(後述するダイバイダイアライメントとの相性、分割の少なさ)を損なわずにタイプ1のマスクと同等のパターン位置精度を実現することができる。さらに、主補強部3に直交する第2補助補強部5の追加により、マスクの強度を補強することができるため、マスク歩留りを大幅に向上させることができる。
次に、上記のマスクを用いた露光方法について説明する。
図8は、本実施形態に係るマスクを用いた露光を実施する露光装置の構成の一例を示す図である。図8に示す露光装置は、LEEPL技術に適用される露光装置である。
図8に示す露光装置は、電子銃32と、アパーチャ33と、コンデンサレンズ34と、一対の主偏向器35a,35bと、一対の副偏向器36a,36bとを有する。
電子銃32は、2kV程度の加速電圧で電子線EBを出射する。電子銃32から出射された電子線EBの不要部分は、アパーチャ33によって遮断される。アパーチャ33を通過した電子線EBは、コンデンサレンズ34を通って平行ビームに収束する。
電子線EBは、主偏向器35aによって、電子線EBを照射する目標に向けて振られた後、主偏向器35bによって、光軸に平行な方向になるように振り戻される。これによって、電子線EBは、マスク1に略垂直に照射する。主偏向器35a,35bにより、電子線EBが走査される。
副偏向器36a,36bは、被露光体であるウエハ等の被処理基板40に転写されるパターンの位置を補正すべく電子線EBのマスク1への入射角を制御する。電子線EBを僅かに傾けることにより、正確な位置から変位しているマスク1のパターンを、被処理基板40上の正しい位置に補正して転写する。
図8においてマスク1のメンブレンに形成されたパターンの貫通孔を通過した電子線EBにより、被処理基板40上のレジスト42が露光される。図8に示す露光装置では、等倍露光を採用しており、マスク1と被処理基板40は近接して配置される。
図9に示すように、上記の露光装置には、アライメント光を照射し、アライメント光の照射によりアライメントマークを観察して相対位置を検出するアライメント光学系50X,50Yが、マスク1の4隅に設置される。
メンブレン2の長手方向がX方向の第1マスク領域11および第3マスク領域13には、X方向からマスクおよび被処理基板のアライメントマークを観察するアライメント光学系50Yが設置される。アライメント光学系50Yは、被処理基板40とマスク1とのY方向のずれを検出する。
メンブレン2の長手方向がY方向の第2マスク領域12および第4マスク領域14には、Y方向からマスクおよび被処理基板のアライメントマークを観察するアライメント光学系50Xが設置される。アライメント光学系50Xは、被処理基板40とマスク1とのX方向のずれを検出する。
図10(a)は、アライメント光学系50Yの概略構成を示す図である。なお、観察方向が異なる点を除いて、アライメント光学系50Xはアライメント光学系50Yと同様の構成を有する。アライメント光学系50Yは、マスク1の斜め上方に設置され、図10(a)に示すように、マスク1の貫通孔からなるアライメントマークMAおよび被処理基板40のアライメントマークWAをX方向から観察する。
アライメント光学系50は、光源51と、アパーチャ52と、ハーフミラー53と、対物レンズ54と、結像レンズ55と、CCD固体撮像素子等の光検出器56とを有する。
光源51から出射された白色光は、アパーチャ52によって成形され、ハーフミラー53により反射されて、対物レンズ54を通ってマスク1のアライメントマークMA、被処理基板のアライメントマークWAに照射される。
マスク1のアライメントマークMAおよび被処理基板のアライメントマークWAからの散乱光が、対物レンズ54によって集光され、ハーフミラー53を通って、結像レンズ55により光検出器56に結像される。
図10(b)は、アライメント光学系50Yによる観察画像の模式図である。
図10(b)に示すように、マスク1のアライメントマークMAと、被処理基板40のアライメントマークWAが観察される。各アライメントマークMA,WAは、2次元配列パターンにより構成され、長手方向が観察方向(X方向)に一致するように構成される。被処理基板40の2つのアライメントマークWAの中心に、マスク1のアライメントマークMAが位置するように、Y方向のアライメントが行われる。
このように、本実施形態では、全てのアライメント光学系50X,50Yは、アライメント光を照射する方向が、メンブレン2の長手方向に平行になるように構成されていることから、メンブレン2の形状が正方形のタイプ1のマスクと比較して、補強部3〜5によりアライメント光が遮られることを防止することができる。これにより、正確なアライメントに寄与することができる。
図11は、上記のマスクを用いた露光方法を説明するための図である。
露光時には、全てのマスク領域11〜14に電子線を照射する。そして、電子線の走査後に、1つのマスク領域の寸法分だけ被処理基板40を移動させて再び露光するステップアンドリピート露光により、被処理基板40の各チップCに、全てのマスク領域11〜14を重ねて露光し、回路パターンを転写する。なお、図11では分かり易いように、マスク1が被処理基板40に対して移動しているように矢印を描いているが、実際の露光装置ではマスクは固定され、被処理基板を移動させる。
上記の本実施形態に係るマスクを用いた露光方法では、パターンの位置精度を向上させたマスク1を用いることにより、被処理基板40に転写するパターン精度を向上させることができる。また、補強部3〜5によりアライメント光が遮られることを防止できるため、アライメントマークの配置制限が少なく、正確なアライメントを行うことができる。正確なアライメントの実施により、被処理基板40に転写するパターンの位置精度を向上させることができる。
本実施形態に係るマスクは、半導体装置の製造における露光工程において好適に使用される。
半導体装置の製造においては、図12(a)に示すように、例えば、被処理基板40上にポリシリコンや酸化シリコン等の被加工層41を形成し、被加工層41上に電子線レジストからなるレジスト膜42を形成する。
次に、図8に示す露光装置に被処理基板40をセットし、マスク1と被処理基板40のアライメントを行う。アライメント後、図12(b)に示すように、上記した本実施形態に係る露光方法を実施する。これにより、メンブレン2に形成されたパターンの貫通孔2aを通過した電子線EBにより被処理基板40のレジスト膜42が露光される。
次に、図12(c)に示すように、レジスト膜42を現像することにより、例えばレジスト膜42がポジ型であれば電子線照射部分が除去されて、レジスト膜42にパターンが形成される。
次に、図12(d)に示すように、レジスト膜42をマスクとして被加工層41をエッチングすることにより、被加工層41がパターン加工されて、回路パターンが形成される。回路パターンとしては、例えばゲートパターンやコンタクトホールパターンがある。
その後、図12(e)に示すように、レジスト膜42を除去することにより、被加工層41のパターン加工が終了する。
半導体装置の製造においては、上層をさらに堆積させて、上記の図12(a)〜図12(e)に示す工程を繰り返すことにより、集積回路が形成される。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、全ての層の加工に電子線露光を用いる場合だけでなく、ゲート等のクリティカルな層のみを電子線露光を用いて加工して、他の層を光露光を用いて加工するといった、ミックスアンドマッチ露光により半導体装置を製造する場合も含む。
半導体装置の製造の露光工程において本実施形態に係るマスクを用いた半導体装置の製造方法によれば、パターンの位置精度を向上させたマスク1を用いることにより、レジスト膜42に転写するパターン精度を向上させることができる。従って、現像後のレジスト膜42を用いて被加工層41をエッチングすることにより形成される回路パターンの位置精度を向上させることができる。また、補強部3〜5によりアライメント光が遮られることを防止できるため、アライメントマークの配置制限が少なく、正確なアライメントを行うことができる。正確なアライメントの実施により、被処理基板40に転写するパターンの位置精度を向上させることができる。
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
本実施形態では、マスクの補強部の配置を、図2(a)に示すタイプ2のマスクの補強部の配置を出発点として設計する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示すようなマスク構造を出発点として補強部の配置を設計することも可能である。
図13に示すマスクは、全てのマスク領域11〜14において、X方向に延在する主補強部3が形成されているものである。第1マスク領域11と第4マスク領域14とを重ねた際に、主補強部3が重ならないように主補強部3がずれて配置され、同様に、第2マスク領域12と第3マスク領域13とを重ねた際に、主補強部3が重ならないように主補強部3がずれて配置されているものである。
図13に示すマスクに、Y方向に沿った第2補助補強部を設定し、第2補助補強部を設けた箇所に対応する他のマスク領域の主補強部を除去することによって、新しい補強部の配置をもつマスクを作製することも可能である。
また、本実施形態では、電子線を用いる例について説明したが、イオンビーム等の荷電粒子線に適用することができる。また、本実施形態ではマスクを等倍近接露光に適用する例について説明したが、電子線縮小投影露光に適用することも可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本実施形態に係るマスクの補強部の配置を説明するための平面図である。 本実施形態に係るマスクの補強部の配置の設計方法について、説明するための図である。 本実施形態に係るマスクの補強部の配置の設計方法について、説明するための図である。 本実施形態に係るマスクの作製方法を説明するための工程断面図である。 本実施形態に係るマスクの作製方法を説明するための工程断面図である。 本実施形態に係るマスクの作製方法を説明するための工程断面図である。 本実施形態に係るマスクのパターン位置精度について説明するための図である。 本実施形態に係るマスクを用いた露光を実現する露光装置の概略構成を示す図である。 アライメント光学系の配置を説明するための平面図である。 アライメント光学系によるアライメント原理を説明するための図である。 ステップアンドリピート露光を説明するための図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程断面図である。 本実施形態に係るマスクの補強部の配置の設計方法の出発点となる、他の補強部配置について説明するための図である。 従来例に係るマスクの構成および露光方法を説明するための図である。 従来例に係るマスクの構成および露光方法を説明するための図である。 従来例に係る補強部をもつマスクについて説明するための図であり、(a)はタイプ1のマスクの斜視図、(b)はタイプ2のマスクの斜視図である。 タイプ2のマスクの利点を説明するための平面図である。
符号の説明
1…マスク、2…メンブレン、3…主補強部、4…第1補助補強部、5…第2補助補強部、6…支持枠、11…第1マスク領域、12…第2マスク領域、13…第3マスク領域、14…第4マスク領域、20…シリコン基板、21…酸化シリコン膜、23…ハードマスク

Claims (8)

  1. パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、
    各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、
    前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、
    前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、
    を有し、
    各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、
    4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、
    前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている
    マスク。
  2. 4つの前記マスク領域の最外周を除いて、前記パターン形成領域を規定する前記長方形の短辺が所定値に第2補助補強部の幅を加えた寸法であり、前記長方形の長辺が前記所定値に前記主補強部の幅を加えた値の整数倍の寸法に規定されている
    請求項1記載のマスク。
  3. 前記第1および第3マスク領域は、第1の座標軸の方向に延在する主補強部および第1補助補強部と、第2の座標軸の方向に延在する第2補助補強部とを有し、
    前記第2および第4マスク領域は、第2の座標軸の方向に延在する主補強部および第1補助補強部と、第1の座標軸の方向に延在する第2補助補強部とを有し、
    前記第1および第3マスク領域の主補強部は、前記第1マスク領域と前記第3マスク領域を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置され、
    前記第2および第4マスク領域の主補強部は、前記第2マスク領域と前記第4マスク領域を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置されている
    請求項1記載のマスク。
  4. パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、
    各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、
    前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、
    を有し、
    各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、
    4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、
    前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている
    マスクブランクス。
  5. 4つの前記マスク領域領域の最外周を除いて、前記パターン形成領域を規定する前記長方形の短辺が所定値に第2補助補強部の幅を加えた寸法であり、前記長方形の長辺が前記所定値に前記主補強部の幅を加えた値の整数倍の寸法に規定されている
    請求項4記載のマスクブランクス。
  6. 前記第1および第3マスク領域は、第1の座標軸の方向に延在する主補強部および第1補助補強部と、第2の座標軸の方向に延在する第2補助補強部とを有し、
    前記第2および第4マスク領域は、第2の座標軸の方向に延在する主補強部および第1補助補強部と、第1の座標軸の方向に延在する第2補助補強部とを有し、
    前記第1および第3マスク領域の主補強部は、前記第1マスク領域と前記第3マスク領域を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置され、
    前記第2および第4マスク領域の主補強部は、前記第2マスク領域と前記第4マスク領域を重ねた際に、互いに重ならない位置に配置されている
    請求項4記載のマスクブランクス。
  7. パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、
    各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、
    前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、
    前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、
    を有し、
    各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、
    4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、
    前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている
    マスクを用い、
    前記パターン形成領域の長辺方向から前記マスクと被露光体のアライメントマークを観察して、前記マスクと前記被露光体とのアライメントを行うアライメント工程と、
    前記マスクの4つの前記マスク領域に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射工程と、
    前記マスクと被露光体との相対位置を移動させる移動工程と、
    を繰り返し行い、前記被露光体に前記マスクの4つの前記マスク領域を重ねて露光する
    露光方法。
  8. 基板に被加工膜を形成する工程と、前記被加工膜上に感光膜を形成する工程と、前記感光膜に対してマスクのパターンを露光する工程と、パターン露光された感光膜をエッチングマスクとして前記被加工膜をエッチングすることにより前記被加工膜をパターン加工する工程とを繰り返すことにより、パターンの層を形成する半導体装置の製造方法であって、
    パターンの位置を指定するための座標系の第1象限に位置する第1マスク領域と、第2象限に位置する第2マスク領域と、第3象限に位置する第3マスク領域と、第4象限に位置する第4マスク領域を囲む支持枠と、
    各マスク領域に形成され、前記支持枠より薄い薄膜と、
    前記座標系を構成する第1の座標軸あるいは第2の座標軸に平行に配置され、前記薄膜を複数のパターン形成領域に分割する補強部と、
    前記パターン形成領域における前記薄膜に形成された前記パターンの貫通孔と、
    を有し、
    各マスク領域は、前記補強部として、主補強部と、前記主補強部と平行で前記主補強部より幅の狭い第1補助補強部と、前記主補強部および前記第1補助補強部に直交する第2補助補強部とを有し、
    4つの前記マスク領域を重ねた際に、任意の位置において少なくとも2つのマスク領域のパターン形成領域が存在するように、前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部が配置され、
    前記主補強部と、前記第1補助補強部と、前記第2補助補強部とにより囲まれた前記パターン形成領域が長方形状に規定されている
    マスクを用い、
    前記感光膜に対し前記マスクのパターンを露光する工程において、
    前記パターン形成領域の長辺方向から前記マスクと前記基板のアライメントマークを観察して、前記マスクと前記基板とのアライメントを行うアライメント工程と、
    前記マスクの4つの前記マスク領域に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射工程と、
    前記マスクと前記基板との相対位置を移動させる移動工程と、
    を繰り返し行い、前記感光膜に前記マスクの4つの前記マスク領域を重ねて露光する
    半導体装置の製造方法。
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