JP2003068635A - 電子線露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

電子線露光方法及びデバイス製造方法

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JP2003068635A
JP2003068635A JP2002161468A JP2002161468A JP2003068635A JP 2003068635 A JP2003068635 A JP 2003068635A JP 2002161468 A JP2002161468 A JP 2002161468A JP 2002161468 A JP2002161468 A JP 2002161468A JP 2003068635 A JP2003068635 A JP 2003068635A
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reticle
electron beam
sensitive substrate
opening
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JP2002161468A
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Sumuto Shimizu
澄人 清水
Kazuaki Suzuki
一明 鈴木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IT機器のより一層の高速化、高度処理化を実
現することができ、半導体デバイスを作るための基礎技
術である電子線露光方法等を提供する。 【解決手段】 レチクル開口部又は低散乱部と高散乱部
との正・反転使い分け、及び、ポジ型・ネガ型レジスト
の使い分けを行うことにより、前記レチクルを通過又は
透過する電流(100%電流)のうち感応基板に到達す
る電流の割合を、1レイヤー全露光時で50%以下とす
る。到達電流量を50%以下にする具体的方法として
は、 前記レチクル上の開口部又は低散乱部の比率(パ
ターン密度=開口率又は低散乱部率=100×開口部又
は低散乱部面積/(開口部又は低散乱部面積+高散乱部
面積))を、1レイヤー全体で50%以下とすることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投影転写方式の電
子線露光方法及びそれを用いるデバイス製造方法に関す
る。特には、いわゆるクーロン効果を抑制できるような
レチクルパターンの取り扱いおよびレジストイメージト
ーンの取り扱いを含む電子線露光方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、0.1μmルール以降の微細パターン
形成技術の開発が活発に行われている。その中で、メモ
リー量産対応も可能なほどにスループットの高いEB縮小
投影露光法が注目されている。これは、株式会社ニコン
ではEBステッパーと呼んでいる技術で、0.1μmノード以
下のデバイス作製に対応する量産対応技術と考えられて
いる。
【0003】従来のEB露光技術にはいわゆる直描技術
とは異なるセルプロジェクション法があって、これは、
単純な基本図形アパーチャを持ち、それらのパターンの
繋ぎ合わせで所望のパターンを形成していく技術であ
る。一方、EBステッパーは、光ステッパーと同様に所望
のパターンの拡大パターンをレチクルパターンとして持
ち、そのパターンをそのまま縮小投影露光してデバイス
パターンを形成するところに大きな特徴がある。この技
術はレチクルを用いた縮小転写方法の採用及び大口径ビ
ームを可能とした革新的なEB光学系の採用により、量産
性(スループット)を格段に向上させることが可能な方
法である。
【0004】EBステッパーで推奨されるレチクルタイプ
は、いわゆる散乱ステンシル型レチクルである。散乱ス
テンシル型レチクルとは、電子散乱体となるメンブレン
とそのメンブレンの保持構造を基本構造としており、パ
ターン要素図形に相当する部分は開口となっている。つ
まり、電子線を散乱させずに通過させたい部分は開口と
し、そのようにさせたくない部分はメンブレン材料でも
ある電子散乱体で電子を散乱させることになる。因み
に、電子散乱体にて散乱された電子は、大半が散乱制限
アパーチャにてカットされてしまい、ウェハ面上に届く
電子は、ほぼ開口部を通過した電子のみということにな
る。もう1つのレチクルの形式として、いわゆるメンブ
レン型レチクルがある。メンブレン型レチクルは、比較
的に電子が散乱されずに透過するような薄いメンブレン
上に、電子の高散乱体のパターン膜を形成したものであ
る。なお、メンブレン型レチクルでは、該メンブレンが
0.1μm以下の厚さであり、透過電子量は40%前後となる
が、パターン転写露光の観点からは問題ない程度のビー
ムコントラストを得ることができる。ただし、メンブレ
ン透過時の散乱電子による色収差が、解像性に与える影
響が懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】EBステッパーは16Gbit
以降のDRAM製造にも使えることを目的にした、量産対応
機を目指したものであり、当然、それに見合った解像性
を確保しなければならない。EBステッパーにおける解像
性を決定する要因には、電子線の高加速化、低幾何
収差、クーロン効果抑制を可能とする電子光学系など
が挙げられる。
【0006】また、さらに重要な要因としてクーロン効
果低減が挙げられる。EBステッパーでは量産性をできる
限り上げることを目標として、ビーム電流量をできるだ
け高くしたいところだが、ビーム電流量が高くなると、
電子密度が高くなり電子間の反発力が強くなる。これ
が、いわゆるクーロン効果であるが、この条件で転写露
光すると、ウェハ面上に到達した電子は電子同士の反発
によっていわゆるボケを生じてしまい、結果として解像
性が低下してしまう。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、IT機器のより一層の高速化、高度処理
化を実現することができ、半導体デバイスを作るための
基礎技術である電子線露光方法等を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の第1の態様の電子線露光方法は、 感応基
板上に形成すべきデバイスパターンを、電子線が散乱さ
れずに通過する部分(開口部という)、又は、電子線が
比較的散乱されずに透過する部分(低散乱部という)
と、電子線が比較的大きく散乱されて透過する部分(高
散乱部という)と、に特性分けした原パターンとしてレ
チクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明し、 前
記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラスト開口
で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開口部又は
低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応基板まで
導き投影結像させて前記原パターンを前記感応基板上に
転写する電子線露光方法であって、 前記レチクル開口
部又は低散乱部と高散乱部との正・反転使い分け、及
び、ポジ型・ネガ型レジストの使い分けを行うことによ
り、前記レチクルを通過又は透過する電流(100%電
流)のうち前記感応基板に到達する電流の割合を、1レ
イヤー全露光時で50%以下とすることを特徴とする。
【0009】到達電流量を50%以下にする具体的方法
としては、 前記レチクル上の開口部又は低散乱部の比
率(パターン密度=開口率又は低散乱部率=100×開
口部又は低散乱部面積/(開口部又は低散乱部面積+高
散乱部面積))を、1レイヤー全体で50%以下とする
ことができる。
【0010】EBリソグラフィーでは前述の説明のように
クーロン効果をできる限り低減しなければならない。そ
こで、本発明者らは、光リソグラフィーで言うところの
暗視野像に相対するレチクルパターンの取り扱いおよび
レジストイメージトーンに改良を加えることで、その実
現手段を見出した。
【0011】すなわち、レチクルを照射するビーム電流
量が同一として、ウェハまで到達する時点でのビーム電
流量が少ないほどクーロン効果の影響を抑制することが
できる。そのためには散乱ステンシル型レチクルの場
合、レチクル上転写パターンの開口率を抑制すればよい
ことになる。しかし、レチクル上パターンのポジネガを
反転させた場合、ウェハ上には所望のパターンと逆のト
ーンのパターンが形成されてしまうこともあり得る。こ
の点については、レチクルパターン開口に見合ってウェ
ハ上に所望のトーンのパターンを形成できるよう、レジ
ストのトーンも調整することで本発明の実現に道を開い
た。
【0012】より具体的には、一つのデバイスチップを
構成する際の1レイヤー分のパターン全てを考えて、全
パターン換算でウェハ上全電流量を抑制するようにでき
れば、EB縮小転写露光時のクーロン効果による解像度劣
化を極力抑制できる。この為には、レチクル開口トーン
とレジストのネガポジトーンを最適なものにすればよ
い。しかし、EB縮小投影露光法ではステンシル型レチク
ルがより適していると考えられているが、ステンシル型
レチクルはあらゆるパターンを形成できるわけではな
い。つまり、ドーナツパターン、片持ちパターンなどは
形成できない、あるいは出来てもクリティカル・ディメ
ンジョンのパターンの線幅精度を高精度に制御できない
という問題がある。ゆえにレジストネガポジトーンを先
に決めて、それに合わせたトーンのステンシル型レチク
ルを作製するというのはスループット等も考慮すると現
実的な解ではない。そこで、本発明によるところのクー
ロン効果抑制方法の実現のためにはステンシル型レチク
ルで形成可能なトーンをまず決め、そのステンシル型レ
チクルのトーンに見合ったレジストネガポジトーンを選
択するのが好ましい。
【0013】本発明の第2の態様の電子線露光方法は、
感応基板上に形成すべきデバイスパターンを、電子線
が散乱されずに通過する部分(開口部という)、又は、
電子線が比較的散乱されずに透過する部分(低散乱部と
いう)と、電子線が比較的大きく散乱されて透過する部
分(高散乱部という)と、に特性分けした原パターンと
してレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明
し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラ
スト開口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開
口部又は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応
基板まで導き投影結像させて前記原パターンを前記感応
基板上に転写する電子線露光方法であって、 形成する
デバイスパターンの1レイヤー中におけるクリティカル
パターンを含む領域(クリティカル領域)について、
レチクル開口部又は低散乱部と高散乱部との正・反転使
い分け、及び、ポジ型・ネガ型レジストの使い分けを行
うことにより、前記レチクルを通過又は透過する電流
(100%電流)のうち前記感応基板に到達する電流の
割合を、1レイヤーの全クリティカル領域露光時で50
%以下となるようにすることを特徴とする。
【0014】到達電流量を50%以下にする具体的方法
としては、 前記レチクル上の開口部又は低散乱部の比
率(パターン密度=開口率又は低散乱部率=100×開
口部又は低散乱部面積/(開口部又は低散乱部面積+高
散乱部面積))を、1レイヤー全体で50%以下とする
ことができる。
【0015】デバイス回路パターンは1レイヤー全面で
見ると、パターン密度が非常に密な部分と疎な部分があ
ることも多い。そのような場合、1レイヤー全面でパタ
ーン密度50%以下としても、クリティカルパターン部で
はパターン密度が50%以上となってしまう場合もあり得
る。この場合は、クリティカルパターン領域以外の部分
あるいは周辺回路領域のパターン密度が極めて低い場合
である。この条件で露光すると、クリティカル回路パタ
ーン部分ではクーロン効果が比較的大きくなってしま
い、解像性の劣化を招いてしまう。
【0016】そこで、我々は鋭意研究の結果、クリティ
カル回路パターン領域のみに注目して、そのパターン密
度が50%以下にすればよいことを見出した。この場合、
時としてクリティカル回路パターン部以外の、例えば周
辺回路部分などではパターン密度が50%を超えてしまう
場合もあり得るが、これらの解像度はクリティカルパタ
ーンに比べ緩く、クーロン効果により多少、解像性が劣
化しても支障はない。この場合のステンシル型レチクル
のトーン、レジスト像のトーン選択は1レイヤー全体で
レチクルトーン、レジストトーン選択する場合と全く同
じでよい。
【0017】前記の電子線露光方法においては、 前記
レチクルが開口部を有するステンシル型レチクルの場合
であって、該レチクル開口部と高散乱体部(メンブレン
部)の正・反転を行うことが単枚のレチクルでは不可能
な場合、複数枚のステンシル型レチクルでコンプリメン
タリ分割するか、あるいは低散乱部を有するメンブレン
型レチクルを用いることが好ましい。
【0018】ウェハ上におけるパターン密度を50%以下
にする為に、レジストのトーン選択の制限から、場合に
よっては散乱ステンシル型レチクル1枚で構成できない
場合もあり得る。例えば、ゲートレイヤーのようなライ
ンアンドスペースパターンを例にとれば、レジストパタ
ーン形成する部分のみ開口とすることはできるが、逆に
レジストパターン形成する部分のみを電子散乱させるこ
とはできない。というのは、この場合、電子散乱パター
ン部はレチクル構造体から完全に浮いてしまい、全く保
持構造をもたなくなってしまうからである。
【0019】そのような場合は、散乱ステンシル型レチ
クルでコンプリメンタリとするか、あるいはメンブレン
型レチクルを用いるとよい。もちろん、散乱ステンシル
型レチクルでコンプリメンタリとする場合はスループッ
トの低下は避けられないが、メンブレンレチクルに比べ
て高解像度が得られるという利点がある。一方、メンブ
レンレチクルを使えば、電子線のメンブレン透過率によ
る露光タイムの増大はあるものの、スループットの低下
は散乱ステンシル型レチクルのコンプリメンタリ時より
は極めて小さい。ただし、メンブレンレチクルでは電子
線のメンブレン透過時のエネルギロスに伴う色収差によ
るビームボケ量の増大によって解像度が劣化するという
問題は生じてしまう。
【0020】本発明の第3の態様の電子線露光方法は、
感応基板上に形成すべきデバイスパターンを、電子線
が散乱されずに通過する部分(開口部という)、又は、
電子線が比較的散乱されずに透過する部分(低散乱部と
いう)と、電子線が比較的大きく散乱されて透過する部
分(高散乱部という)と、に特性分けした原パターンと
してレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明
し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラ
スト開口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開
口部又は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応
基板まで導き投影結像させて前記原パターンを前記感応
基板上に転写し、 前記デバイスパターンを複数の小領
域(サブフィールド)に分割して前記レチクル上に形成
し、該サブフィールドを単位として前記感応基板上に露
光転写し、該感応基板上では各サブフィールドのパター
ンの像を繋ぎ合せて前記デバイスパターン全体を転写す
る電子線露光方法であって、 前記デバイスパターンの
1レイヤー分全体での平均パターン密度をη、各サブフ
ィールドのパターン密度の最大値をηmax、最小値をηm
inとした時、(ηmax+ηmin)/2≦50%の場合は、
レチクルパターンは正パターンとし、ネガレジストを用
い、(ηmax+ηmin)/2>50%の場合は、レチクル
パターンは反転パターンとし、ポジレジストを用いる、
という条件に従って露光することを特徴とする。
【0021】鋭意研究の結果、高解像露光を目的とした
EB投影露光において、上記レチクル及びレジストトーン
の使い分けを簡単な条件式で設定できることを見出し
た。図4は、レチクル及びレジストトーンの使い分けの
一例を示す図(表)である。図4の第1例に示すよう
に、例えば、パターン密度の最大値ηmax=40%、最
小値ηmin=30%の場合には、(ηmax+ηmin)/2
=35%≦50%であるので、レチクルパターンは正パ
ターンとし、ネガレジストを用いる。第2例のように、
パターン密度の最大値ηmax=60%、最小値ηmin=5
0%の場合には、(ηmax+ηmin)/2=55%>50
%であるので、レチクルパターンは反転パターンとし、
ポジレジストを用いる。第3例のように、パターン密度
の最大値ηmax=70%、最小値ηmin=60%の場合に
は、(ηmax+ηmin)/2=65%>50%であるの
で、レチクルパターンは反転パターンとし、ポジレジス
トを用いる。このように、上記の条件式に従えば、容易
にそして明快に高解像露光を行う条件を整えることが出
来る。
【0022】本発明の第4の態様の電子線露光方法は、
感応基板上に形成すべきデバイスパターンを、電子線
が散乱されずに通過する部分(開口部という)、又は、
電子線が比較的散乱されずに透過する部分(低散乱部と
いう)と、電子線が比較的大きく散乱されて透過する部
分(高散乱部という)と、に特性分けした原パターンと
してレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明
し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラ
スト開口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開
口部又は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応
基板まで導き投影結像させて前記原パターンを前記感応
基板上に転写し、 前記デバイスパターンを複数の小領
域(サブフィールド)に分割して前記レチクル上に形成
し、該サブフィールドを単位として前記感応基板上に露
光転写し、該感応基板上では各サブフィールドのパター
ンの像を繋ぎ合せて前記デバイスパターン全体を転写す
る電子線露光方法であって、 前記デバイスパターンの
1レイヤー中のクリティカルパターンを含む領域(クリ
ティカル領域)全体での平均パターン密度をη、該クリ
ティカル領域中の各サブフィールドのパターン密度の最
大値をηmax、最小値をηminとした時、(ηmax+ηmi
n)/2≦50%の場合は、レチクルパターンは正パタ
ーンとし、ネガレジストを用い、(ηmax+ηmin)/2
>50%の場合は、レチクルパターンは反転パターンと
し、ポジレジストを用いる、という条件に従って露光す
ることを特徴とする。
【0023】クリティカル回路パターン部分に上記の条
件を適用することにより、クリティカル回路パターン部
分でのクーロン効果を抑えることができ、解像性を向上
できる。
【0024】前記の電子線露光方法においては、 コン
プリメンタリ分割が必要なデバイスパターンの場合につ
いても、それぞれのコンプリメンタリ分割パターンにつ
いて前記条件に従って露光することができる。
【0025】上記の条件式は、EB投影露光におけるステ
ンシルレチクルの使用時のコンプリメンタリ分割時にも
もちろん適用できる。ここで、パターン開口率のほぼ等
分なコンプリメンタリ分割を行うとすると、ほとんどの
パターンの開口率は50%以下となり、レチクルは正パ
ターンを使い、ネガレジストを使えばよいことになる。
【0026】前記の電子線露光方法においては、デバイ
スパターン形状に応じて、ダミーパターンあるいは露光
転写時に解像しない程度の微細パターンを配置すること
により、パターン密度を制御することもできる。
【0027】レチクルトーンあるいはレジストトーンに
ついて、上記条件式で指定される条件とは異なる逆のト
ーンを使いたい場合も想定される。例えば、レチクルパ
ターンの剛性の優劣とかレジスト性能から、本来上記条
件式ではポジのところをネガにしたい場合などである。
このような場合にはデバイス回路パターンから独立した
不要パターンを配置するとか、ウェハ転写露光時には解
像しない程度の微笑パターンを配置して開口率を調整す
るという方法が有効である。ただし、調整前のパターン
開口率が50%を超えたものを50%以下にすることはでき
ない。また、調整前のパターン開口率が10%程度のもの
を50%超にするのは、ウェハ転写露光時のクーロン効果
抑制という観点から逸脱してしまう場合もある。ただ
し、クーロン効果が発生しても所望の解像性が得られれ
ばよいわけなので、本手段は有効である。
【0028】本発明のデバイス製造方法は、上記いずれ
かの態様の電子線露光方法を用いるリソグラフィー工程
を含むことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。まず、分割転写方式の電子線投影露光技術の概要を
図面を参照しつつ説明する。図5は、分割転写方式の電
子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制
御系の概要を示す図である。光学系の最上流に配置され
ている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電
子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備え
られており、電子線は、これらのコンデンサレンズ2、
3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバ
ーC.O.を結像する。
【0030】二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩
形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム
成形開口)4は、レチクル(マスク)10の一つのサブ
フィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照
明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像
は、レンズ9によってレチクル10に結像される。
【0031】ビーム成形開口4の下方には、ブランキン
グ偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に
照明ビームを偏向させてブランキング開口7の非開口部
に当て、ビームがレチクル10に当たらないようにす
る。ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器8
が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームを
図5の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の
視野内にあるレチクル10の各サブフィールドの照明を
行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されて
いる。照明レンズ9は、レチクル10上にビーム成形開
口4を結像させる。
【0032】レチクル10は、実際には(図6を参照し
つつ後述)光軸垂直面内(X−Y面)に広がっており、
多数のサブフィールドを有する。レチクル10上には、
全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン
(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数
のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパター
ンを分割して配置しても良い。レチクル10は移動可能
なレチクルステージ11上に載置されており、レチクル
10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、
照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるレチクル上の
各サブフィールドを照明することができる。レチクルス
テージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12
が付設されており、レチクルステージ11の位置をリア
ルタイムで正確に把握することができる。
【0033】レチクル10の下方には投影レンズ15及
び19並びに偏向器16が設けられている。レチクル1
0の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レ
ンズ15、19、偏向器16によってウェハ23上の所
定の位置に結像される。投影レンズ15、19及び偏向
器16(像位置調整偏向器)の詳しい作用については、
図7を参照して後述する。ウェハ23上には、適当なレ
ジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが
与えられ、レチクル上のパターンが縮小されてウェハ2
3上に転写される。
【0034】レチクル10とウェハ23の間を縮小率比
で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロ
スオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられて
いる。同開口18は、レチクル10の非パターン部で散
乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断す
る。
【0035】ウェハ23の直上には反射電子検出器22
が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ
23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子
の量を検出する。例えばレチクル10上のマークパター
ンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、
その際のマークからの反射電子を検出することにより、
レチクル10と23の相対的位置関係を知ることができ
る。
【0036】ウェハ23は、静電チャック(図示され
ず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ2
4上に載置されている。上記レチクルステージ11とウ
ェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査する
ことにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパ
ターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウ
ェハステージ24にも、上述のレチクルステージ11と
同様の位置検出器25が装備されている。
【0037】上記各レンズ2、3、9、15、19及び
各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2
a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16
aを介してコントローラ31によりコントロールされ
る。また、レチクルステージ11及びウェハステージ2
4も、ステージ制御部11a、24aを介して、コント
ローラ31により制御される。ステージ位置検出器1
2、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフ
ェース12a、25aを介してコントローラ31に信号
を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフ
ェース22aを介してコントローラ31に信号を送る。
【0038】コントローラ31は、ステージ位置の制御
誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器16で補正
する。これにより、レチクル10上のサブフィールドの
縮小像がウェハ23上の目標位置に正確に転写される。
そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わ
されて、レチクル上のチップパターン全体がウェハ上に
転写される。
【0039】次に、分割転写方式の電子線投影露光に用
いられるレチクルの詳細例について、図6を参照しつつ
説明する。図6は、電子線投影露光用のレチクルの構成
例を模式的に示す図である。(A)は全体の平面図であ
り、(B)は一部の斜視図であり、(C)は一つの小メ
ンブレン領域の平面図である。このようなレチクルは、
例えばシリコンウェハに電子線描画・エッチングを行う
ことにより製作できる。
【0040】図6(A)には、レチクル10における全
体のパターン分割配置状態が示されている。同図中に多
数の正方形41で示されている領域が、一つのサブフィ
ールドに対応したパターン領域を含む小メンブレン領域
(厚さ0.1μm 〜数μm )である。図6(C)に示す
ように、小メンブレン領域41は、中央部のパターン領
域(サブフィールド)42と、その周囲の額縁状の非パ
ターン領域(スカート43)とからなる。サブフィール
ド42は転写すべきパターンの形成された部分である。
スカート43はパターンの形成されてない部分であり、
照明ビームの縁の部分が当たる。パターン形成の形態と
しては、メンブレンに孔開き部を設けるステンシルタイ
プと、電子線の高散乱体からなるパターン層をメンブレ
ン上に形成する散乱メンブレンタイプとがある。
【0041】一つのサブフィールド42は、現在検討さ
れているところでは、レチクル上で0.5〜5mm角程度
の大きさを有する。投影の縮小率を1/5とすると、サ
ブフィールドがウェハ上に縮小投影された投影像の大き
さは、0.1〜1mm角である。小メンブレン領域41の
周囲の直交する格子状のグリレージと呼ばれる部分45
は、レチクルの機械強度を保つための、例えば厚さ0.
5〜1mm程度の梁である。グリレージ45の幅は、例え
ば0.1mm程度である。なお、スカート43の幅は、例
えば0.05mm程度である。
【0042】図6(A)に示すように、図の横方向(X
方向)に多数の小メンブレン領域41が並んで一つのグ
ループ(エレクトリカルストライプ44)をなし、その
ようなエレクトリカルストライプ44が図の縦方向(Y
方向)に多数並んで1つのメカニカルストライプ49を
形成している。エレクトリカルストライプ44の長さ
(メカニカルストライプ49の幅)は照明光学系の偏向
可能視野の大きさによって制限される。なお、一つのエ
レクトリカルストライプ44内における隣り合うサブフ
ィールド間に、スカートやグリレージのような非パター
ン領域を設けない方式も検討されている。
【0043】メカニカルストライプ49は、X方向に並
列に複数存在する。隣り合うメカニカルストライプ49
の間にストラット47として示されている幅の太い梁
は、レチクル全体のたわみを小さく保つためのものであ
る。ストラット47はグリレージ45と一体である。
【0044】現在有力と考えられている方式によれば、
1つのメカニカルストライプ(以下単にストライプと呼
ぶ)49内のX方向のサブフィールド42の列(エレク
トリカルストライプ44)は電子線偏向により順次露光
される。一方、ストライプ49内のY方向の列は、連続
ステージ走査により順次露光される。
【0045】図7は、レチクルからウェハへのパターン
転写の様子を模式的に示す斜視図である。図の上部にレ
チクル10上の1つのストライプ49が示されている。
ストライプ49には上述のように多数のサブフィールド
42(スカートについては図示省略)及びグリレージ4
5が形成されている。図の下部には、レチクル10と対
向するウェハ23が示されている。
【0046】この図では、レチクル上のストライプ49
の一番手前の偏向帯44の左隅のサブフィールド42−
1が上方からの照明ビームIBにより照明されている。
そして、サブフィールド42−1を通過したパターンビ
ームPBが、2段の投影レンズと像位置調整偏向器(図
5参照)の作用によりウェハ23上の所定の領域52−
1に縮小投影されている。パターンビームPBは、レチ
クル10とウェハ23の間で、2段の投影レンズの作用
により、光軸と平行な方向から光軸と交差する方向へ、
そしてその逆に計2回偏向される。
【0047】ウェハ23上におけるサブフィールド像の
転写位置は、レチクル10とウェハ23との間の光路中
に設けられた偏向器(図5の符号16)により、各パタ
ーン小領域42に対応する被転写小領域52が互いに接
するように調整される。すなわち、レチクル上のパター
ン小領域42を通過したパターンビームPBを第1投影
レンズ及び第2投影レンズでウェハ23上に収束させる
だけでは、レチクル10のパターン小領域42のみなら
ずグリレージ45及びスカートの像までも所定の縮小率
で転写することとなり、グリレージ45等の非パターン
領域に相当する無露光領域が各被転写小領域52の間に
生じる。このようにならないよう、非パターン領域の幅
に相当する分だけパターン像の転写位置をずらしてい
る。なお、X方向とY方向に1つずつの位置調整用偏向
器が設けられている。
【0048】次に上記説明した電子線露光方法を利用し
たデバイス製造方法の実施例を説明する。図8は、微小
デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネ
ル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製
造のフローを示す。
【0049】ステップ1(回路設計)では、半導体デバ
イスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)で
は、設計した回路パターンを形成したマスクを製作す
る。この時、パターンについて局部的にリサイズを施す
ことにより近接効果や空間電荷効果によるビームボケの
補正を行ってもよい。一方、ステップ3(ウェハ製造)
では、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0050】ステップ4(酸化)では、ウェハの表面を
酸化させる。ステップ5(CVD)では、ウェハ表面に
絶縁膜を形成する。ステップ6(電極形成)では、ウェ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ7(イオ
ン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステッ
プ8(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布す
る。ステップ9(電子ビーム露光)では、ステップ2で
作ったマスクを用いて電子ビーム転写装置によって、マ
スクの回路パターンをウェハに焼付露光する。その際、
上述の露光方法を用いる。ステップ10(光露光)で
は、同じくステップ2で作った光露光用マスクを用い
て、光ステッパーによってマスクの回路パターンをウェ
ハに焼付露光する。この前又は後に、電子ビームの後方
散乱電子を均一化する近接効果補正露光を行ってもよ
い。
【0051】ステップ11(現像)では、露光したウェ
ハを現像する。ステップ12(エッチング)では、レジ
スト像以外の部分を選択的に削り取る。ステップ13
(レジスト剥離)では、エッチングがすんで不要となっ
たレジストを取り除く。ステップ4からステップ13を
繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パタ
ーンが形成される。
【0052】ステップ14(組立)は、後工程と呼ば
れ、上の工程によって作製されたウェハを用いて半導体
チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシン
グ、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。ステップ15(検査)では、ステ
ップ14で作製された半導体デバイスの動作確認テス
ト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て
半導体デバイスが完成しこれが出荷(ステップ16)さ
れる。
【0053】以下、本発明の実施の形態に係る電子線露
光方法の実施例について詳細に説明する。
【0054】実施例1 この例においては、100nmノードのロジックデバイスの
作製プロセステストを目的として、ゲートレイヤーの露
光評価を実施した。図1は、あるサブフィールド上に形
成されたゲートレイヤーパターンの一例を模式的に示す
図である。
【0055】図1では、電子通過部が白抜きで示されて
いる。電子線が通過する部分は、開口パターン(図中央
の白抜き部)である。この開口パターンを透過した電子
が縮小投影されることにより同パターンがウェハ上に転
写される。図1中の中央には複数の線状のゲートパター
ン部101が形成されている。ゲートパターン部101
のゲート線幅は、約0.28μmを目標とした。ゲートパタ
ーン部101の周囲には周辺回路パターン部103が形
成されており、ちょうど一つのサブフィールド(250μm
×250μm□)に収まるサイズであった。このサブフィー
ルドに対応する回路パターン部のパターン密度(=レジ
ストパターンが形成されるべき部分)のは約35%であっ
た。一方ゲートレイヤー全体ではゲートパターン部以外
は大きなパターン密度を発生するようなパターンはなか
った。因みにゲートレイヤー全体の回路パターン密度
(=レジストパターンが形成されるべき部分)ηは約10
%であった。
【0056】ここで、同回路パターンを散乱ステンシル
型レチクルに展開できるかを検討する。同回路パターン
は孤立パターンからのみなるので、同回路パターン部を
透過部とすると該レチクルパターンを形成できる。
【0057】また、上述の条件から、(ηmax+ηmin)
/2≦50%であるので、レチクルパターンは正パター
ンとし、ネガレジストを用いる。
【0058】レチクル基板は6インチのSOIウェハに応
力制御を目的としたボロンを熱拡散ドープし、ウエット
エッチング及びドライエッチング法にてメンブレンとメ
イン・マイナー各ストラット構造からなるSi製散乱ステ
ンシル用ブランクスメンブレンを作製した。このブラン
クスメンブレン上にEBレジスト(ZEP520 0.5μm厚さ)
を塗布して、EB直描機にて上記回路パターンの4倍像を
形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとし
て、Siブランクスメンブレンにエッチング転写して、散
乱ステンシル型レチクルを作製した。
【0059】この散乱ステンシル型レチクルをEBステッ
パーのプロト機(ニコン製)に搭載して、ウェハ上へ縮
小露光転写した。そのスペックは、電子線加速電圧100k
V、縮小倍率4倍、一括露光エリア0.25mm□とし、露光
基板には8インチSiウェハ(P型、抵抗率4〜6Ωcm、結
晶軸(100)面)とし、ソース/ドレイン構造、トレンチ
分離構造からなる素子分離レイヤーの加工を終了したも
のを用いた。
【0060】同8インチウェハ上にレジスト0.3μm厚を
塗布、プリベークを行い露光装置内に搬送した。なお、
EBレジストには住友化学(株)製の化学増幅型ネガ型レ
ジストNEBシリーズを用いた。ゲートレイヤー対応レチ
クルもEBステッパ内に搬送し、ウェハ、レチクルともア
ライメントを実施した後、ゲートレイヤー全体を順次露
光させた。このときの100kVでの最適露光ドーズ量は約3
0μC/cm2であった。レチクル上ビーム電流は15μAであ
り、レチクル開口率をレイヤー全体で約10%としたた
め、ウェハ上ビーム電流量は1.5μAと低く抑えることが
でき、クーロン効果による解像劣化の影響はなかった。
ゲートパターン部のみのサブフィールドで見ても、レチ
クル開口率が約35%、ウェハ上ビーム電流量が5.25μA
とクーロン効果による解像劣化の影響は、本デバイスル
ールでは問題にならなかった。
【0061】実施例2 この例においても、100nmノードのメモリデバイスの作
製プロセステストを目的として、ゲートレイヤーの露光
評価を実施した。図2は、あるサブフィールド上に形成
されたゲートレイヤーパターンの他の一例を模式的に示
す図である。
【0062】図2では、電子通過部が白抜きで示されて
いる。図2中の中央には複数の線状のゲートパターン部
111が形成されている。ゲートパターン部111のゲ
ート線幅は、約0.28μmを目標とした。ゲートパターン
部111の周囲には周辺回路パターン部113が形成さ
れており、ちょうど一つのサブフィールド(250μm×25
0μm□)に収まるサイズであった。このサブフィールド
に対応する回路パターン部のパターン密度(=レジスト
パターンが形成されるべき部分)は約56%であった。一
方ゲートレイヤー全体を見ると、メモリゲートパターン
で7割方埋め尽くされていた。因みにゲートレイヤー全
体の回路パターン密度(=レジストパターンが形成され
るべき部分)は約40%であった。
【0063】本実施例の場合、ゲートレイヤー全体でパ
ターン開口率を定義してレチクル開口トーン、レジスト
トーンを決めてしまうと、クリティカルパターン部に当
たるゲートパターン部ではパターン密度が50%を超えて
しまい、ウェハ露光時のクーロン効果抑制には逆効果と
なってしまう。しかし、同回路パターンはL/S=1/1のワ
ード線から構成され、散乱ステンシル型レチクルのライ
ン長が長い為、レチクルをコンプリメンタリにする必要
がある。そこで、該ゲートパターン部をパターン密度が
ほぼ半分になるようにコンプリメンタリ分割して、散乱
ステンシル型レチクルパターンを作製した。
【0064】図3は、コンプリメンタリ分割した散乱ス
テンシル型レチクルパターンを示す図である。図3
(A)はパターン密度がほぼ半分になるようにコンプリ
メンタリ分割されたゲートパターン部111aと周辺回
路パターン113を形成されたパターンであり、図3
(B)はパターン密度がほぼ半分になるようにコンプリ
メンタリ分割されたゲートパターン部111bのみを形
成されたパターンである。
【0065】図3に示すように散乱ステンシル型レチク
ルパターンをコンプリメンタリ分割することにより、本
レチクルのレイヤー全体のパターン開口率は20%、ゲ
ートパターン部のみの開口率は約28%となった。図2
の回路パターン密度ではゲートワード線近傍で局所的に
パターン密度が50%を下回ったが、コンプリメンタリ
レチクルとしたことにより、図3に示すコンプリメンタ
リレチクル一つのパターン開口率は50%を大きく下回
ることができ、露光時のクーロン効果低減に大きく寄与
することができた。なお、コンプリメンタリ分割したこ
とにより、同回路パターン部を透過部とすると該レチク
ルパターンを形成できる。この場合にもネガレジストを
使う。
【0066】レチクル基板は6インチのSOIウェハに応
力制御を目的としたボロンを熱拡散ドープし、ウエット
エッチング及びドライエッチング法にてメンブレンとメ
イン・マイナー各ストラット構造からなるSi製散乱ステ
ンシル用ブランクスメンブレンを作製した。このブラン
クスメンブレン上にEBレジスト(ZEP520 0.5μm厚さ)
を塗布して、EB直描機にて上記回路パターン4倍像を形
成し、このレジストパターンをエッチングマスクとし
て、Siブランクスメンブレンにエッチング転写して、散
乱ステンシル型レチクルを作製した。
【0067】この散乱ステンシル型レチクルをEBステッ
パプロト機(ニコン製)に搭載して、ウェハ上へ縮小露
光転写した。そのスペックは、電子線加速電圧100kV、
縮小倍率4倍、一括露光エリア0.25mm□とし、露光基板
には8インチSiウェハ(P型、抵抗率4〜6Ωcm、結晶軸
(100)面)とし、ソース/ドレイン構造、トレンチ分離
構造からなる素子分離レイヤーの加工を終了したものを
用いた。
【0068】同8インチウェハ上にレジスト0.3μm厚を
塗布、プリベークを行い露光装置内に搬送した。なお、
EBレジストには住友化学(株)製の化学増幅型ネガ型レ
ジストNEBシリーズを用いた。ゲートレイヤー対応レチ
クルもEBステッパ内に搬送し、ウェハ、レチクルともア
ライメントを実施した後、ゲートレイヤー全体を順次露
光させた。このときの100kVでの最適露光ドーズ量は約3
0μC/cmであった。レチクル上ビーム電流は15μAであ
り、コンプリメンタリレチクル開口率をレイヤー全体で
約20%としたため、ウェハ上ビーム電流量は3μAであ
り、クーロン効果による解像劣化の影響はなかった。ゲ
ートパターン部のみのサブフィールドで見ても、コンプ
リメンタリレチクル開口率が約28%、ウェハ上ビーム電
流量が4.2μAとクーロン効果による解像劣化の影響は、
本デバイスルールでは問題にならなかった。
【0069】以上図1〜図8を参照しつつ、本発明の実
施の形態に係る電子線露光方法等について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変更を
加えることができる。
【0070】
【発明の効果】本発明により、EPLにおける100nmノード
以降のデバイス作製プロセスに、解像度確保という点で
明確な指針を与え、同ノード以降のデバイス実現に大き
く貢献すると思われる。同デバイスの実現は、IT機器の
より一層の高速化、高度処理化を実現すると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】あるサブフィールド上に形成されたゲートレイ
ヤーパターンの一例を模式的に示す図である。
【図2】あるサブフィールド上に形成されたゲートレイ
ヤーパターンの他の一例を模式的に示す図である。
【図3】コンプリメンタリ分割した散乱ステンシル型レ
チクルパターンを示す図である。図3(A)はパターン
密度がほぼ半分になるようにコンプリメンタリ分割され
たゲートパターン部と周辺回路パターンを形成されたパ
ターンであり、図3(B)はパターン密度がほぼ半分に
なるようにコンプリメンタリ分割されたゲートパターン
部のみを形成されたパターンである。
【図4】レチクル及びレジストトーンの使い分けの一例
を示す図(表)である。
【図5】分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全
体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図6】電子線投影露光用のレチクルの構成例を模式的
に示す図である。(A)は全体の平面図であり、(B)
は一部の斜視図であり、(C)は一つの小メンブレン領
域の平面図である。
【図7】レチクルからウェハへのパターン転写の様子を
模式的に示す斜視図である。
【図8】微小デバイス(ICやLSI等の半導体チッ
プ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマ
シン等)の製造のフローを示す。
【符号の説明】
1 電子銃 2,3 コンデ
ンサレンズ 4 照明ビーム成形開口 5 ブランキ
ング偏向器 7 ブランキング開口 8 照明ビー
ム偏向器 9 コンデンサレンズ 10 レチクル
(マスク) 11 レチクルステージ 12 レチクル
ステージ位置検出器 15 第1投影レンズ 16 像位置調
整偏向器 18 コントラスト開口 19 第2投影
レンズ 22 反射電子検出器 23 ウェハ 24 ウェハステージ 25 ウェハス
テージ位置検出器 31 コントローラ 41 小メンブレン領域 42 サブフィ
ールド 43 スカート 44 エレクト
リカルストライプ 45 グリレージ 47 ストラッ
ト 49 メカニカルストライプ 50 チップ 52 サブフィールド 59 ストライ
プ 101 ゲートパターン部 103 周辺回路パターン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H095 BA09 BB02 2H097 CA16 FA02 FA03 GB01 LA10 5C034 BB05 5F056 CA12 CB03 CC14 FA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感応基板上に形成すべきデバイスパター
    ンを、電子線が散乱されずに通過する部分(開口部とい
    う)、又は、電子線が比較的散乱されずに透過する部分
    (低散乱部という)と、電子線が比較的大きく散乱され
    て透過する部分(高散乱部という)と、に特性分けした
    原パターンとしてレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラスト開
    口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開口部又
    は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応基板ま
    で導き投影結像させて前記原パターンを前記感応基板上
    に転写する電子線露光方法であって、 前記レチクル開口部又は低散乱部と高散乱部との正・反
    転使い分け、及び、ポジ型・ネガ型レジストの使い分け
    を行うことにより、前記レチクルを通過又は透過する電
    流(100%電流)のうち前記感応基板に到達する電流
    の割合を、1レイヤー全露光時で50%以下とすること
    を特徴とする電子線露光方法。
  2. 【請求項2】 前記レチクル上の開口部又は低散乱部の
    比率(パターン密度=開口率又は低散乱部率=100×
    開口部又は低散乱部面積/(開口部又は低散乱部面積+
    高散乱部面積))を、1レイヤー全体で50%以下とす
    ることを特徴とする請求項1記載の電子線露光方法。
  3. 【請求項3】 感応基板上に形成すべきデバイスパター
    ンを、電子線が散乱されずに通過する部分(開口部とい
    う)、又は、電子線が比較的散乱されずに透過する部分
    (低散乱部という)と、電子線が比較的大きく散乱され
    て透過する部分(高散乱部という)と、に特性分けした
    原パターンとしてレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラスト開
    口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開口部又
    は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応基板ま
    で導き投影結像させて前記原パターンを前記感応基板上
    に転写する電子線露光方法であって、 形成するデバイスパターンの1レイヤー中におけるクリ
    ティカルパターンを含む領域(クリティカル領域)につ
    いて、 レチクル開口部又は低散乱部と高散乱部との正・反転使
    い分け、及び、ポジ型・ネガ型レジストの使い分けを行
    うことにより、前記レチクルを通過又は透過する電流
    (100%電流)のうち前記感応基板に到達する電流の
    割合を、1レイヤーの全クリティカル領域露光時で50
    %以下となるようにすることを特徴とする電子線露光方
    法。
  4. 【請求項4】 前記レチクル上の開口部又は低散乱部の
    比率(パターン密度=開口率又は低散乱部率=100×
    開口部又は低散乱部面積/(開口部又は低散乱部面積+
    高散乱部面積))を、1レイヤー全体で50%以下とす
    ることを特徴とする請求項3記載の電子線露光方法。
  5. 【請求項5】 前記レチクルが開口部を有するステンシ
    ル型レチクルの場合であって、該レチクル開口部と高散
    乱体部(メンブレン部)の正・反転を行うことが単枚の
    レチクルでは不可能な場合、複数枚のステンシル型レチ
    クルでコンプリメンタリ分割するか、あるいは低散乱部
    を有するメンブレン型レチクルを用いることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれか1項記載の電子線露光方法。
  6. 【請求項6】 感応基板上に形成すべきデバイスパター
    ンを、電子線が散乱されずに通過する部分(開口部とい
    う)、又は、電子線が比較的散乱されずに透過する部分
    (低散乱部という)と、電子線が比較的大きく散乱され
    て透過する部分(高散乱部という)と、に特性分けした
    原パターンとしてレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラスト開
    口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開口部又
    は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応基板ま
    で導き投影結像させて前記原パターンを前記感応基板上
    に転写し、 前記デバイスパターンを複数の小領域(サブフィール
    ド)に分割して前記レチクル上に形成し、該サブフィー
    ルドを単位として前記感応基板上に露光転写し、該感応
    基板上では各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合せ
    て前記デバイスパターン全体を転写する電子線露光方法
    であって、 前記デバイスパターンの1レイヤー分全体での平均パタ
    ーン密度をη、各サブフィールドのパターン密度の最大
    値をηmax、最小値をηminとした時、 (ηmax+ηmin)/2≦50%の場合は、レチクルパタ
    ーンは正パターンとし、ネガレジストを用い、 (ηmax+ηmin)/2>50%の場合は、レチクルパタ
    ーンは反転パターンとし、ポジレジストを用いる、 という条件に従って露光することを特徴とする電子線露
    光方法。
  7. 【請求項7】 感応基板上に形成すべきデバイスパター
    ンを、電子線が散乱されずに通過する部分(開口部とい
    う)、又は、電子線が比較的散乱されずに透過する部分
    (低散乱部という)と、電子線が比較的大きく散乱され
    て透過する部分(高散乱部という)と、に特性分けした
    原パターンとしてレチクル上に形成し、 該レチクルを電子線照明し、 前記高散乱部を透過した電子線の大半はコントラスト開
    口で遮断して前記感応基板に到達させず、前記開口部又
    は低散乱部を通過又は透過した電子線は前記感応基板ま
    で導き投影結像させて前記原パターンを前記感応基板上
    に転写し、 前記デバイスパターンを複数の小領域(サブフィール
    ド)に分割して前記レチクル上に形成し、該サブフィー
    ルドを単位として前記感応基板上に露光転写し、該感応
    基板上では各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合せ
    て前記デバイスパターン全体を転写する電子線露光方法
    であって、 前記デバイスパターンの1レイヤー中のクリティカルパ
    ターンを含む領域(クリティカル領域)全体での平均パ
    ターン密度をη、該クリティカル領域中の各サブフィー
    ルドのパターン密度の最大値をηmax、最小値をηminと
    した時、 (ηmax+ηmin)/2≦50%の場合は、レチクルパタ
    ーンは正パターンとし、ネガレジストを用い、 (ηmax+ηmin)/2>50%の場合は、レチクルパタ
    ーンは反転パターンとし、ポジレジストを用いる、 という条件に従って露光することを特徴とする電子線露
    光方法。
  8. 【請求項8】 コンプリメンタリ分割が必要なデバイス
    パターンの場合についても、それぞれのコンプリメンタ
    リ分割パターンについて前記条件に従って露光すること
    を特徴とする請求項6又は7記載の電子線露光方法。
  9. 【請求項9】 デバイスパターン形状に応じて、ダミー
    パターンあるいは露光転写時に解像しない程度の微細パ
    ターンを配置することにより、パターン密度を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の電子
    線露光方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の電
    子線露光方法を用いるリソグラフィー工程を含むことを
    特徴とするデバイス製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005033013A (ja) * 2003-07-14 2005-02-03 Hitachi High-Technologies Corp 半導体製造システム
JP2018073978A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法

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