JP2005251929A - 半導体発光モジュール、照明装置、画像表示装置および半導体発光モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 反射部200は、LEDベアチップ150が載置された部分を中心とする開口部200hを有しており、開口部200hの側壁200aは、基板100の厚み方向(図面における上下方向)に対して角度を有しており、図の上方に向けて開いた形状となり光学反射面としての機能を有する。また、開口部200hを臨む反射部200の側面200aの下方には、これに連続して凸部200bが形成されている。
反射部200における凸部200bは、基板100の凹部100hの内方に没入された状態となっており、基板100における表面上には、側壁200aが存在する位置関係を有する。
【選択図】 図3
Description
(1)基板の一方の主面上に、発光層を含む積層構造を有し当該発光層から光を出射する半導体発光素子と、出射された光を基板の厚み方向における外方に向け反射する光学反射面を有する反射部とが実装され、基板を平面視するときに光学反射面が半導体発光素子の近傍領域に配されてなるモジュールであって、反射部における光学反射面は、基板の厚み方向において、少なくとも半導体発光素子における発光層の形成領域を包含する範囲に形成されていることを特徴とする。
(3)上記(2)に係るモジュールにおいて、基板の反射部が実装される領域には、基板の厚み方向における内方に向けて凹部が形成されており、反射部には、光学反射面の近傍領域であって、且つ、基板の表面に対向する側に基板の凹部に対応する凸部が形成されており、当該凸部が基板の凹部に対して侵入した状態にあることを特徴とする。
(5)上記(4)に係るモジュールにおいて、反射部は、基板の厚み方向において、基準面よりも基板の内方にまで光学反射面が形成されていることを特徴とする。
(7)上記(3)〜(6)の何れかに係るモジュールにおいて、反射部における凸部は、基板の凹部に対して相似形状を有することを特徴とする。
(8)上記(1)〜(7)に係るモジュールにおいて、反射部は、基板表面に対して、絶縁性を有する接合層を介して接合されていることを特徴とする。
(10)上記(1)〜(9)の何れかに係るモジュールにいて、半導体発光素子は、基板における一方の主面上の導電ランドフリップチップ実装されていることを特徴とする。
また、上記(1)〜(10)の何れかに係るモジュールにおいて、反射部を、金属材料、樹脂材料あるいはセラミック材料から形成しておくことが望ましい。ただし、反射部は、半導体発光素子から出射された光をモジュール外へと効率よく反射するという機能を必要とするため、少なくとも光学的な反射面を形成しておく必要がある。例えば、樹脂材料を用いて反射部を形成するような場合には、光学反射面に相当する面にメッキ等を施すことが望ましい。
(11)上記(1)〜(10)の何れかに係るモジュールを発光部として備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像表示装置は、次のような特徴を有する。
(12)上記(1)〜(10)の何れかに係るモジュールを画像表示部における発光源として備えることを特徴とする。
(13)本発明に係る(半導体発光)モジュールの製造方法は、金属層および絶縁層の積層構造を有し、少なくとも一方の主面に絶縁層が露出してなる基板に対し、絶縁層が露出してなる主面の一部領域にマスクを形成し(マスク形成ステップ)、マスクが形成されてなる基板の主面に対して、前記絶縁層の表面から厚み方向の内方に向けて開口面積が漸減する状態の凹部を形成し(凹部形成ステップ)、凹部形成後の基板からマスクを除去し、積層構造中に発光層を有してなる半導体発光素子を基板の表面における凹部の近傍に実装し(素子実装ステップ)、半導体発光素子が実装された基板に対して、凹部およびその近傍領域における表面に接着剤またはアンダーフィルを塗布し(塗布ステップ)、接着剤またはアンダーフィルが塗布された基板に対して、半導体発光素子が実装されてなる主面に対して、一方の主面に前記凹部に相対する形状を有する凸部と、半導体発光素子から出射された光を反射する光学反射面とが形成されてなる反射部を、凸部を前記凹部に侵入させて配置し、接合を図る(反射部接合ステップ)という各ステップを備え、反射部接合ステップの後において、反射部における光学反射面は、基板の厚み方向において、少なくとも半導体発光素子における発光層の形成領域を包含する範囲に位置することを特徴とする。
また、上記(13)に係るモジュールの製造方法において、反射部を、金属材料から構成し、2段プレス法を用いて凸部と光学反射面とを形成することが望ましい。具体的には、メス型とオス型との間に金属板を挟みこみ、両型間にプレス圧力をかけることで、金属板に開口部を設け、次に、上記のオス型よりも大きなサイズであってテーパー形状を有する第2のオス型で再度開口部を打ち抜くことで、反射部における光学反射面および凸部の形成ができる。
さらに、上記(13)に係るモジュールの製造方法において、樹脂材料を型枠を用い、光学反射面に相当する部分に対して表面メッキを施すことにより反射部を形成するという方法を採用することもできる。
また、上記(13)のように、本発明に係るモジュールの製造方法では、凹部形成ステップで絶縁層の表面から厚み方向の内方に向けて開口面積が漸減する状態の凹部を形成し、反射部接合ステップで、凹部が形成された基板に対して、凹部に凸部を侵入させるようにして反射部を実装するが、ここで、実装後の反射部と半導体発光素子とが基板の厚み方向において、少なくとも半導体発光素子における発光層が形成されてなる領域を包含する範囲となるように実装を実施する。よって、上述のように、上記図8に示す従来のモジュールよりも高い光取り出し効率を有するモジュールを確実且つ容易に製造することができる。
(実施の形態)
1.照明装置1の構成
先ず、本実施の形態に係る照明装置1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、照明装置1の構成を示すための斜視図であり、便宜上、構成の一部を切り欠いた状態で図示している。
なお、本実施の形態に係る照明装置1では、1ユニットのLEDモジュール10を備える構成としているが、必要とされる光量等を考慮し、2ユニット以上のLEDモジュール10を備えることにしてもよい。
2.LEDモジュール10の構成
次に、上記図1に示す照明装置1に備えられるLEDモジュール10の構成について、図2を用いて説明する。図2は、説明の便宜上、LEDモジュール10を構成する部品の内、レンズ部300を外したところを示す展開斜視図である。
3.LEDモジュール10におけるA部詳細
上記図2におけるA部の詳細について、図3を用いて説明する。図3は、(a)がA部を図2のZ方向上方より見た上面図であり、(b)が(a)のB−B矢視断面図である。
次に、図3(b)に示すように、LEDベアチップ150が実装されている基板100は、上述のように、金属層101、絶縁層102、103、104が順に積層された構成を有し、絶縁層102と絶縁層103との間の界面部分、絶縁層103と絶縁層104との界面部分、および絶縁層104の表面上には、各LEDベアチップ150を直列接続するように所望のパターンに形成されたパターン配線105、106、107がそれぞれ形成されている。そして、各パターン配線105、106、107の間は、コンタクトプラグ108、109で接続されている。パターン配線104については、金(Au)メッキが施されている。
4.LEDベアチップ150と反射部200との位置関係
次に、LEDベアチップ150と反射部200との相対位置関係について、図4を用いて説明する。図4は、上記図3(b)の一部を模式的に抜き出して示した断面図である。
図4に示すように、本実施の形態に係るLEDベアチップ150は、図面の上方から、ベース層151、n型層152が積層され、その下にカソード電極156が形成された領域と、活性層153、p型層155およびアノード電極155が形成された領域とが分けて存在する。この内、ベース層151は、ノンドープGaNから構成されている。
一方、基板100の表面から上方には、反射部200の側壁200aの相当する部分が突出された状態となっており、基板100の表面から反射部200の上端面(LEDモジュール10の外方側の端位置)までの距離は、T1である。また、反射部200の凸部200bは、基板100の凹部100h内に没入しており、これより、基板100の表面から反射部200の下端面までの距離はT2である。そして、基板100の凹部100hの深さは、T4であり、この深さT4とパターン配線106の厚みとを足し合わせた数値、即ち、絶縁層104の厚みは、T3である。
このように規定されている各寸法は、次のような関係を有している。
(1)T1>T9
(2)T2>0
(3)T2<T4
(4)(T2+T5)>(T5−T9)
(5)D1<D2≦D3
なお、(1)の関係については、次の関係を満足することがより望ましい。
以上の(1)〜(5)の関係、望ましくは、(2)〜(6)の各関係を有することが本実施の形態に係るLEDモジュール10における最も顕著な特徴である。
5.本実施の形態に係るLEDモジュール10およびこれを備える照明装置1の優位性
以上の1.〜4.の各項目に記載の通り、本実施の形態に係るLEDモジュール10においては、金属ベースの基板100における最上層に配された絶縁層104の一部領域に凹部100hを形成しておき、この凹部100hに凸部200bが侵入する状態で、反射部200を載置・接合している。よって、LEDモジュール10においては、必然的に上記(1)〜(5)あるいは(2)〜(6)の各関係を満足することになる。
なお、このように光取り出し効率が高いLEDモジュール10については、本実施の形態で一例とした照明装置1以外にも、屋外で使用するような画像表示装置や、道路に設置される信号機などに用いるのにも適する。
次に、LEDモジュール10の作製工程において、基板100に対して凹部100hを形成する段階から、反射部200を接合するに至るまでの過程について、図5および図6を用いて説明する。
先ず、図5(a)に示すように、金属層101上に3層の絶縁層102、103、1040が積層され、且つ、パターン配線105、106、107が形成された基板1000を予め準備する。ここで、パターン配線105、106、107については、予め所望のパターンで形成されており、上述のように、実装される64個のLEDベアチップ150が直列接続されるように形成されている。なお、凹部100hの形成前における基板1000については、凹部100hの形成後に係る基板100との間での区別を容易にするために、符号を変えている。
図6(a)に示すように、エッチングが終了した基板100のパターン配線107における導電ランド107a、107b(上記図3(a)参照。)に対して、金(Au)などの材料からなるバンプ400を形成する。その後に、超音波の印加により、導電ランド107a、107bに対してLEDベアチップ150をフリップチップ実装する。
以下では、上述の本実施の形態に係るLEDモジュール10の優位性について、一例をもって検証する。優位性の確認に際しては、上記図3の本発明に係るLEDモジュール10と、比較例としての上記図8の従来のLEDモジュールとの相対的な光束を比較することによって実施した。
先ず、上記図3の本発明に係るLEDモジュール10の各寸法値は、次の通りに設定した。
T1=1120μm
T2=20μm
T4=80μm
T5=100μm
T6=90μm
T7=20μm
T8=10μm
T9=35μm
(2)比較例
上記(1)の実施例に係るLEDモジュール10に対して、寸法T6〜T9については、上記と同一の値に設定した。そして、図8における接着層750の層厚みを100μm、反射部700の厚みを1000μに設定した。
以上のような条件設定において、両LEDモジュールの光束を測定して比較したところ、上記(2)の比較例に係るLEDモジュールで得られる光束を"100"とするとき、上記(1)の実施例に係るLEDモジュール10の光束は、"114"となり、比較例に対して14ポイント優れることが判明した。
上記確認結果を考察するとき、上記図8に係る従来のLEDモジュールにおいては、LEDベアチップ650の活性層からの光は、その一部が基板600の表面に沿って進み、反射部700へと到達するのであるが、LEDベアチップ650と反射部700との位置関係から、接着層750に吸収される光が多かったと考えられる。
(変形例)
次に、変形例に係るLEDモジュール11の構成について、図7を用いて説明する。図7では、上記LEDモジュール10と共通する部分については同一の符号を付しており、また、その全体構成については、上記図2と同様であるので省略している。
また、変形例に係るLEDモジュール11においては、反射部210の形状が上記図8に示す従来のLEDモジュールのものと同様に、複雑な形状を取る必要がなく、製造コスト面で優位性を有する。さらに、上記図6(b)に示すように、LEDモジュール10の製造過程においては、基板100の凹部100hの形成位置と反射部200の凸部200bの形成位置とを高い寸法精度をもって設定することが必要とされるが、本変形例に係るLEDモジュール11では、基板110における凹部および反射部210における凸部の形成が必要ないことから、製造に用いる部品の製造精度を上記LEDモジュール10のものほど要求されることはなく、この面からも製造コストを低く抑えることができる。
(その他の事項)
上記実施の形態に係る照明装置1およびLEDモジュール10、変形例に係るLEDモジュール11などについては、本発明の構成面での特徴およびこの作用・効果を説明するために一例として用いたものであり、本発明がこれらの構成に限定されるものではない。
また、実施の形態および変形例に係るLEDモジュール10、11に用いたLEDベアチップ150については、ノンドープGaN層101をベースとして形成されたものとしたが、サファイヤ層をベースとするものであってもよいし、それ以外でも上記同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施の形態等におけるLEDモジュール10の形成においては、基板100の凹部100hの形成にウェットエッチング法を一例として用いたが、ガスエッチング法を用いることもできる。
10、11.LEDモジュール
20.ケース
30.口金
100、110.基板
100h.凹部
102、103、104、113.絶縁層
113a.島状部
150.LEDベアチップ
154.活性層
200、210.反射部
250.接着層
300.レンズ部
400.バンプ
2000.マスク
Claims (14)
- 基板の一方の主面上に、発光層を含む積層構造を有し当該発光層から光を出射する半導体発光素子と、前記出射された光を前記基板の厚み方向における外方に向け反射する光学反射面を有する反射部とが実装され、前記基板を平面視するときに前記光学反射面が前記半導体発光素子の近傍領域に配されてなる半導体発光モジュールであって、
前記反射部における光学反射面は、前記基板の厚み方向において、少なくとも前記半導体発光素子における発光層の形成領域を包含する範囲に形成されている
ことを特徴とする半導体発光モジュール。 - 前記光学反射面は、前記基板の厚み方向において、少なくとも前記半導体発光素子の実装領域を包含する範囲に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光モジュール。 - 前記基板における前記反射部が実装される領域には、前記基板の厚み方向における内方に向けて凹部が形成されており、
前記反射部には、前記光学反射面の近傍領域であって、且つ、前記基板の表面に対向する側に前記基板の凹部に対応する凸部が形成されており、当該凸部が前記基板の凹部に対して侵入した状態にある
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体発光モジュール。 - 前記基板の厚み方向において、前記半導体発光素子が実装されてなる領域の表面を基準面とするとき、前記凹部は、前記基準面よりも前記基板の内方に入り込んだ状態にある
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光モジュール。 - 前記反射部は、前記基板の厚み方向において、前記基準面よりも前記基板の内方にまで前記光学反射面が形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光モジュール。 - 前記基板における凹部は、前記基板の厚み方向における前記一方の主面から内方に向けて開口面積が漸減する状態に形成されている
ことを特徴とする請求項3から5の何れかに記載の半導体発光モジュール。 - 前記反射部における凸部は、前記基板の凹部に対して相似形状を有する
ことを特徴とする請求項3から6の何れかに記載の半導体発光モジュール。 - 前記反射部は、前記基板表面に対して、絶縁性を有する接合層を介して接合されている
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の半導体発光モジュール。 - 前記接合層における少なくとも前記半導体発光素子の側に面する領域には、光反射性物質が含まれている
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体発光モジュール。 - 前記半導体発光素子は、前記基板における一方の主面上の導電ランドにフリップチップ実装されている
ことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の半導体発光モジュール。 - 請求項1から10の何れかに記載の半導体発光モジュールを発光部として備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項1から10の何れかに記載の半導体発光モジュールを画像表示部における発光源として備えることを特徴とする画像表示装置。
- 金属層および絶縁層の積層構造を有し、少なくとも一方の主面に前記絶縁層が露出してなる基板に対し、前記絶縁層が露出してなる主面の一部領域にマスクを形成するマスク形成ステップと、
前記マスクが形成されてなる基板の主面に対して、前記絶縁層の表面から厚み方向の内方に向けて開口面積が漸減する状態の凹部を形成する凹部形成ステップと、
前記絶縁層に凹部が形成された基板から前記マスクを除去し、積層構造中に発光層を有してなる半導体発光素子を前記基板の表面における前記凹部の近傍領域に実装する素子実装ステップと、
前記半導体発光素子が実装された基板に対して、前記凹部およびその近傍領域における基板表面に接着剤またはアンダーフィルを塗布する塗布ステップと、
前記接着剤またはアンダーフィルが塗布された基板に対して、その前記半導体発光素子が実装されてなる主面に対して、一方の主面に前記凹部に相対する形状を有する凸部と、前記半導体発光素子から出射された光を反射する光学反射面とが形成されてなる反射部を、前記凸部を前記凹部に侵入させて配置し、接合を図る反射部接合ステップとを備え、
前記反射部接合ステップの後においては、前記反射部における光学反射面は、前記基板の厚み方向において、少なくとも前記半導体発光素子における発光層の形成領域を包含する範囲に位置する
ことを特徴とする半導体発光モジュールの製造方法。 - 前記素子実装ステップにおいては、フリップチップ実装法を用いて、前記半導体発光素子の実装が図られる
ことを特徴とする請求項13に記載の半導体発光モジュールの製造方法。
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