JP2005251732A - 偏向ヨーク及び陰極線管装置 - Google Patents
偏向ヨーク及び陰極線管装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005251732A JP2005251732A JP2005017369A JP2005017369A JP2005251732A JP 2005251732 A JP2005251732 A JP 2005251732A JP 2005017369 A JP2005017369 A JP 2005017369A JP 2005017369 A JP2005017369 A JP 2005017369A JP 2005251732 A JP2005251732 A JP 2005251732A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deflection
- insulating frame
- deflection yoke
- resin material
- soft resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 偏向電流供給時に偏向ヨークが発するノイズを低減する。
【解決手段】 偏向ヨーク10は、水平偏向コイル11と、垂直偏向コイル12と、絶縁材料からなる絶縁枠13と、絶縁枠13の外周面上に取り付けられた偏向調整板20と、絶縁枠13の外周の少なくとも一部を覆うフェライトコア14とを備える。偏向調整板20は、硬度が10〜60の高軟性樹脂材21で包囲されて絶縁枠13の外周面上に固定されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 偏向ヨーク10は、水平偏向コイル11と、垂直偏向コイル12と、絶縁材料からなる絶縁枠13と、絶縁枠13の外周面上に取り付けられた偏向調整板20と、絶縁枠13の外周の少なくとも一部を覆うフェライトコア14とを備える。偏向調整板20は、硬度が10〜60の高軟性樹脂材21で包囲されて絶縁枠13の外周面上に固定されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、陰極線管のファンネルに装着されて、電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向するための偏向ヨークに関する。また、本発明は、この偏向ヨークが搭載された陰極線管装置に関する。
従来の偏向ヨークの概略構成(例えば特許文献1参照)を図6を用いて説明する。図6においてZ軸は偏向ヨーク100が搭載される陰極線管の管軸である。偏向ヨーク100の断面形状はZ軸に対して略対称であるので、図6では偏向ヨーク100をZ軸に対して一方の側の片断面図として示している。
11はサドル型水平偏向コイル、12はフェライトコア14にトロイダル巻きされた垂直偏向コイル、13は水平偏向コイル11と垂直偏向コイル12とを絶縁するための樹脂製の絶縁枠である。20は、水平偏向コイル11及び垂直偏向コイル12が発する磁界を補正するための、磁性体材料からなる板状の偏向調整板である。
偏向調整板20は、これより大きなサイズのアセテートテープ29を用いて、絶縁枠13の外周面上の所定位置に貼り付けられて固定される。このとき、偏向調整板20の一方の面は絶縁枠13の外周面に直接接触し、他方の面はアセテートテープ29で覆われる。絶縁枠13の外周面に偏向調整板20を貼り付けた後、絶縁枠13を覆うように垂直偏向コイル12及びフェライトコア14の一体化物が装着される。その後、垂直偏向コイル12及びフェライトコア14の一体化物と絶縁枠13との間の空間にホットメルト接着剤25が注入される。ホットメルト接着剤25によりフェライトコア14と絶縁枠13とが一体化される。
特開平4−308634号公報
偏向ヨーク100の水平偏向コイル11及び垂直偏向コイル12に偏向電流を供給すると、これらが発する交番磁界に応じて偏向調整板20が振動する。
図6の従来の偏向ヨーク100では、ホットメルト接着剤25は、速乾性であるので、フェライトコア14と絶縁枠13との間の空間の隅々にまで十分に行き渡る前に硬化してしまう。従って、アセテートテープ29とホットメルト接着剤25との間に隙間が形成されることがある。この状態では偏向調整板20を拘束する力は比較的弱いので、偏向調整板20の振動により、偏向調整板20はいずれも高硬度である絶縁枠13及びホットメルト接着剤25に衝突してノイズが発生する。
本発明は、上記の従来の偏向ヨークが有していた問題を解決し、偏向電流供給時にノイズの発生が抑制された偏向ヨーク及び陰極線管装置を提供することを目的とする。
本発明の偏向ヨークは、水平偏向コイルと、垂直偏向コイルと、絶縁材料からなる絶縁枠と、前記絶縁枠の外周面上に取り付けられた偏向調整板と、前記絶縁枠の外周の少なくとも一部を覆うフェライトコアとを備える。そして、前記偏向調整板は、硬度が10〜60の高軟性樹脂材で包囲されて前記絶縁枠の外周面上に固定されていることを特徴とする。
また、本発明の陰極線管装置は、前面パネル及びファンネルからなる外囲器と、前記ファンネルのネック部内に設けられた電子銃と、前記電子銃から放射された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向させる偏向ヨークとを備える。そして、前記偏向ヨークが上記の本発明の偏向ヨークであることを特徴とする。
本発明によれば、偏向調整板が、硬度が10〜60の高軟性樹脂材で包囲されているので、駆動時に偏向調整板が振動しても、偏向調整板が、絶縁枠及びホットメルト接着剤に直接衝突することがない。これにより、駆動時に偏向ヨークが発するノイズを大幅に低減することができる。
本発明の上記の偏向ヨークにおいては、前記フェライトコアと、前記絶縁枠及び前記高軟性樹脂材との間に、前記高軟性樹脂材よりも硬度が高い低軟性接着剤が充填されていることが好ましい。これにより、主に高周波数の垂直偏向電流を供給した際に顕著となりやすい、フェライトコアの振動に起因して偏向ヨークが発するノイズを大幅に低減することができる。
また、本発明の上記の偏向ヨークは、更に、金属磁性体からなるコアと、前記コアの周囲に巻回された補助コイルとからなり、前記絶縁枠に取付けられた補助コイル装置を備えていても良い。この場合、前記補助コイル装置と前記絶縁枠との間の少なくとも一部に硬度が10〜60の高軟性樹脂材が介在していることが好ましい。補助コイル装置を備えることにより、高精細な画像表示が可能になる。また、補助コイル装置と絶縁枠との間に高軟性樹脂材が介在していることにより、補助コイルに交番電流を印加したときに補助コイル装置と絶縁枠とが衝突することにより発生するノイズを低減することができる。
以下に本発明を具体的な実施の形態を示しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかる陰極線管装置の構成図である。図中、Z軸は陰極線管の管軸を意味する。図1では、Z軸より上側に断面図を、下側に外観図をそれぞれ示している。
図1は本発明の実施の形態1にかかる陰極線管装置の構成図である。図中、Z軸は陰極線管の管軸を意味する。図1では、Z軸より上側に断面図を、下側に外観図をそれぞれ示している。
陰極線管(CRT)は、前面パネル2及びファンネル3とからなる外囲器と、ファンネル3のネック部3a内に設けられた電子銃4とを備える。陰極線管装置1は、この陰極線管と、ファンネル3の外周面に装着された偏向ヨーク10とを備える。前面パネル2の内面には、青(B)、緑(G)、赤(R)の各蛍光体ドット(又は蛍光体ストライプ)が配列されてなる蛍光体スクリーン2aが形成されている。蛍光体スクリーン2aに対向してシャドウマスク5が前面パネル2の内壁面に取り付けられている。シャドウマスク5は、電子ビーム通過孔である略スロット形の開孔がエッチングにより多数形成された金属平板からなり、電子銃4から射出される3本の電子ビーム7はこの開孔を通過して所定の蛍光体ドットに射突する。
31はCPU(Convergence and Purity Unit)であり、画面中央における電子ビームの静コンバーゼンス調整およびピュリティー調整を行う。CPU31は、2極マグネットリング、4極マグネットリング、及び6極マグネットリングよりなる。2極、4極、6極の各マグネットリングは、いずれも円環状の2枚の磁石を重ね合わせて構成されている。
30はCPU31を保持する略円筒形状のホルダである。ホルダ30は、ネック部3aの外周上に外挿されている。
32はZ軸を含む水平面を挟んで該水平面に対して略対称に設けられた一対のビーム速度変調(BVM)コイルである。その巻線はホルダ30の外周面に沿って配置され、ほぼ垂直方向の磁界を発生する。
33は、BVMコイル32の磁界密度強化のための磁性体リングである。磁性体リング33はホルダ30に保持されている。
偏向ヨーク10は、電子銃4から射出される3本の電子ビーム7を水平方向及び垂直方向に偏向し、蛍光体スクリーン2a上を走査させる。本実施の形態の偏向ヨーク10を図2を用いて説明する。偏向ヨーク10の断面形状はZ軸に対して略対称であるので、図2では偏向ヨーク10をZ軸に対して一方の側の片断面図として示している。
偏向ヨーク10は、サドル型の水平偏向コイル11とトロイダル型の垂直偏向コイル12とフェライトコア14とを備えている。水平偏向コイル11と垂直偏向コイル12との間には、絶縁材料(例えば樹脂)からなる絶縁枠13が設けられている。絶縁枠13は、水平偏向コイル11を保持するとともに、水平偏向コイル11と垂直偏向コイル12との間の電気的な絶縁状態を維持する役割を果たしている。
絶縁枠13の外周面の所定位置に、周囲が高軟性樹脂材21で覆われた板状の偏向調整板20が設置されている。偏向調整板20は、偏向ヨーク10が発する偏向磁界(特に垂直偏向磁界)の分布を調整する。偏向調整板20の材料は特に制限はないが、例えば透磁率が500以上(更には1000以上)の高透磁率材料(金属板、金属粉の焼結体など)を用いることができる。ここで、透磁率とは、周波数100kHz、電流0.5mAで測定した交流初透磁率(μiac)を意味する。偏向調整板20は、例えば珪素鋼板、パーマロイからなる。高軟性樹脂材21の硬度(アスカー硬度、タイプC)は10〜60である。
高軟性樹脂材21で包囲された偏向調整板20の絶縁枠13への取付方法は特に制限はなく、例えば従来と同様にアセテートテープなどの接着(又は粘着)テープを利用して固定することができる。また、高軟性樹脂材21自体が粘着性を有している場合には、その粘着力を利用して取り付けても良い。
絶縁枠13の外周面上に高軟性樹脂材21で包囲された偏向調整板20を取り付けた後、従来と同様に、垂直偏向コイル12及びフェライトコア14の一体化物と絶縁枠13との間の空間にホットメルト接着剤25を注入する。ホットメルト接着剤25によりフェライトコア14と絶縁枠13とが一体化される。
このように構成された本実施の形態1の偏向ヨーク10の作用を説明する。
従来と同様に、本実施の形態においても、フェライトコア14と絶縁枠13との間にホットメルト接着剤25を注入して両者を固定する。従って、ホットメルト接着剤25が、その速乾性により、フェライトコア14と絶縁枠13との間の空間を全て埋め尽くすことができずに、ホットメルト接着剤25と偏向調整板20を包囲する高軟性樹脂材21との間に隙間が形成されることがある。従って、偏向ヨーク10の水平偏向コイル11及び垂直偏向コイル12に偏向電流を供給すると、これらが発する交番磁界に応じて偏向調整板20がこの隙間内で振動する。ところが、偏向調整板20の周囲が高軟性樹脂材21で覆われているので、偏向調整板20が、いずれも高硬度の絶縁枠13及びホットメルト接着剤25に直接衝突することがない。これにより、駆動時に偏向ヨーク10が発するノイズを大幅に低減することができる。
高軟性樹脂材21の硬度(アスカー硬度、タイプC)が10未満であると、高軟性樹脂材21が柔らかすぎるので、偏向調整板20を絶縁枠13の所定の位置に保持させることが困難になる。その結果、偏向調整板20による所望の磁界調整効果が得られず、画像が劣化する。また、高軟性樹脂材21の硬度が60より大きいと、高軟性樹脂材21が硬すぎるので、偏向調整板20が振動した際に、高軟性樹脂材21が絶縁枠13及びホットメルト接着剤25に衝突して発するノイズが増大する。
本実施の形態1では、ホットメルト接着剤25をフェライトコア14と絶縁枠13との間の空間に充填したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フェライトコア14と絶縁枠13との間の空間のうち、小径側及び大径側のそれぞれの開口近傍にのみ付与しても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る偏向ヨークの片断面図を図3に示す。図2に示した実施の形態1に係る偏向ヨーク10と同一の要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
本実施の形態2に係る偏向ヨークの片断面図を図3に示す。図2に示した実施の形態1に係る偏向ヨーク10と同一の要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
本実施の形態2は、垂直偏向コイル12及びフェライトコア14の一体化物と絶縁枠13との間の空間に、高軟性樹脂材21よりも硬度が高い低軟性接着剤22が充填されている点で実施の形態1と異なる。フェライトコア14と絶縁枠13との間の小径側及び大径側のそれぞれの開口近傍にはホットメルト接着剤25が付与されて、両者が一体化されている。
低軟性接着剤22としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、シリコン接着剤、シリル基含有樹脂(例えば、セメダイン株式会社製の「スーパーX8008」)を用いることができる。
このように構成された本実施の形態2の偏向ヨーク10の作用を説明する。
低軟性接着剤22はホットメルト接着剤25に比べて硬化するまでに長時間を要する。従って、偏向ヨーク10の組立時に、低軟性接着剤22をフェライトコア14と絶縁枠13との間の空間の隅々まで十分に行き渡らせやすい。また、硬化後は、低軟性接着剤22の硬度はホットメルト接着剤25より低い。
偏向ヨーク10に供給される偏向電流の周波数が高い場合には、偏向調整板20のみならずフェライトコア14の振動も無視できなくなる。従来の偏向ヨーク100では、フェライトコア14が振動すると、フェライトコア14とこの周辺部材とが衝突してノイズが発生していた。ところが、本実施の形態のように、フェライトコア14と絶縁枠13との間の低軟性接着剤22は、ホットメルト接着剤25よりも高い充填密度で充填されており、且つ低硬度であるので、フェライトコア14の振動吸収作用はホットメルト接着剤25よりも格段に大きい。従って、駆動時に、フェライトコア14の振動に起因して偏向ヨーク10が発するノイズを大幅に低減することができる。
更に、偏向調整板20を包囲する高軟性樹脂材21は低軟性接着剤22と接触することになる。従って、低軟性接着剤22より高硬度のホットメルト接着剤25と接触する実施の形態1に比べて、偏向調整板20の振動吸収作用が増大するので、駆動時に、偏向調整板20の振動に起因して偏向ヨーク10が発するノイズを更に低減することができる。
本実施の形態において、低軟性接着剤22及び/又はホットメルト接着剤25は、フェライトコア14と絶縁枠13との間の空間を全て埋め尽くしている必要はなく、該空間内に前記接着剤が充填されていない隙間が存在していても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る偏向ヨークの片断面図を図4に示す。図2に示した実施の形態1に係る偏向ヨーク10と同一の要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
本実施の形態3に係る偏向ヨークの片断面図を図4に示す。図2に示した実施の形態1に係る偏向ヨーク10と同一の要素には同一の符号を付してそれらについての説明を省略する。
本実施の形態3は、絶縁枠13の、Z軸方向において水平偏向コイル11よりもCPU31側に位置する背面板13aに、Z軸に対して対称位置に一対の補助コイル装置40が取り付けられている点で実施の形態1と異なる。絶縁枠13の背面板13a上に取り付けられた一対の補助コイル装置40をCPU31側から見た様子を図5に示す。
各補助コイル装置40は、金属磁性体からなるU字状コア41と、コア41に外挿された略中空円筒形状のボビン43と、ボビン43の外周面上に巻回された補助コイル42とからなる。補助コイル42は、垂直偏向コイル12と直列又は並列に接続され、垂直偏向磁界と同期した磁界を発して、蛍光体スクリーン2a上でのビームスポット形状のコマ収差及び3本の電子ビーム7のコンバーゼンスを補正する。
補助コイル装置40は、例えば、絶縁枠13に形成した溝、爪などの取付け機構にコア41を嵌入又は係止することにより、絶縁枠13に取り付けられている。更に、補助コイル装置40と取付け機構との間に接着剤が付与されていても良い。
本実施の形態では、補助コイル装置40と絶縁枠13との間に硬度(アスカー硬度、タイプC)が10〜60の高軟性樹脂材50が介在している。これによる作用を説明する。
補助コイル42に垂直偏向コイル12と同期した電流を供給すると、補助コイル42が発する交番磁界に応じてコア41が振動する。高軟性樹脂材50が介在しない従来の偏向ヨークでは、コア41が振動することにより、補助コイル装置40と絶縁枠13とが衝突してノイズが発生するという問題があった。本発明では、補助コイル装置40と絶縁枠13との間に高軟性樹脂材50が介在しているので、補助コイル装置40と絶縁枠13とが直接衝突することがなく、従って駆動時のノイズの発生を抑制できる。
高軟性樹脂材50の硬度は10〜60であることが好ましい。高軟性樹脂材50の硬度が10未満であると、高軟性樹脂材50が柔らかすぎるので、長期にわたって所望の形状を維持することが困難になる。また、高軟性樹脂材50の硬度が60より大きいと、高軟性樹脂材50が硬すぎるので、コア41が振動した際のノイズ抑制効果が低下する。
高軟性樹脂材50の材料は、硬度が10〜60であれば特に制限はなく、偏向調整板20を包囲する高軟性樹脂材21と同じものを用いることができる。
高軟性樹脂材50は、補助コイル装置40の絶縁枠13に対向する領域のうち、コア41が振動したときに発生するノイズを低減するのに効果的な部分に少なくとも設けられていればよい。
上記の説明では、コア41がU字形状である場合を示したが、コアの形状はこれに限定されず、I字形状、E字形状などであっても良い。また、一対の補助コイル装置40の取付位置は、Z軸(即ち、3本の電子ビーム7)を挟むように配置されていれば良く、所望する効果に応じて、垂直軸上、水平軸上等に取り付けることができる。
本発明を対角サイズが29インチ、画面のアスペクト比が4:3のカラー陰極線管装置用の偏向ヨークに適用した例を示す。
(実施例1)
図2に示すように、内周面にサドル型水平偏向コイル11が巻装された樹脂製の絶縁枠13と、トロイダル型垂直偏向コイル12が巻装されたフェライトコア14とを作成した。偏向調整板20として、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mmの珪素鋼板を用い、これを、取り付けられる絶縁枠13の外周面の曲率に一致するように曲面に変形させた。高軟性樹脂材21として、ブチルゴムを主成分とするスリーボンド株式会社製「スリーシーラーU0」(アスカー硬度(タイプC)がカタログ値で25±5度)を、偏向調整板20よりも大きなサイズの2枚のシートに切り出した。
図2に示すように、内周面にサドル型水平偏向コイル11が巻装された樹脂製の絶縁枠13と、トロイダル型垂直偏向コイル12が巻装されたフェライトコア14とを作成した。偏向調整板20として、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.5mmの珪素鋼板を用い、これを、取り付けられる絶縁枠13の外周面の曲率に一致するように曲面に変形させた。高軟性樹脂材21として、ブチルゴムを主成分とするスリーボンド株式会社製「スリーシーラーU0」(アスカー硬度(タイプC)がカタログ値で25±5度)を、偏向調整板20よりも大きなサイズの2枚のシートに切り出した。
絶縁枠13の外周面の所定位置に、1枚のシート状の高軟性樹脂材21を、その粘着性を利用して貼り付けた。次いで、この高軟性樹脂材21上に、偏向調整板20を、高軟性樹脂材21の粘着性を利用して取り付けた。更に、この上に、残りの1枚のシート状の高軟性樹脂材21を貼り付けた。かくして、絶縁枠13の外周面上に、偏向調整板20を、その全周囲面を高軟性樹脂材21で覆った状態で固定することができた。
絶縁枠13の外周の一部を覆うようにフェライトコア14を装着した後、フェライトコア14と絶縁枠13との間の空間にヒロダイン株式会社製のホットメルト接着剤を注入し固化させた。かくして、フェライトコア14と絶縁枠13とが、その間に充填されたホットメルト接着剤25で固着されてなる、図2に示す偏向ヨーク10を得た。
この偏向ヨーク10を無響室内に設置して、垂直偏向コイル12に50Hzの垂直偏向電流を供給した。そのとき偏向ヨーク10が発する騒音を、偏向ヨーク10より110mm離れた位置に設置したマイクロホンにて測定した。その結果、騒音レベルは33.6dBであった。
(実施例2)
フェライトコア14の内周面に、低軟性接着剤22としてエポキシ樹脂系接着剤を塗布した後、フェライトコア14を絶縁枠13に装着した。従って、フェライトコア14と、絶縁枠13及び高軟性樹脂材21との間の空間には、低軟性接着剤22がほぼ充填された。その後、フェライトコア14と絶縁枠13との間の小径側及び大径側のそれぞれの開口近傍にヒロダイン株式会社製のホットメルト接着剤25を付与した。上記以外は実施例1と同様にして図3に示す偏向ヨーク10を得た。
フェライトコア14の内周面に、低軟性接着剤22としてエポキシ樹脂系接着剤を塗布した後、フェライトコア14を絶縁枠13に装着した。従って、フェライトコア14と、絶縁枠13及び高軟性樹脂材21との間の空間には、低軟性接着剤22がほぼ充填された。その後、フェライトコア14と絶縁枠13との間の小径側及び大径側のそれぞれの開口近傍にヒロダイン株式会社製のホットメルト接着剤25を付与した。上記以外は実施例1と同様にして図3に示す偏向ヨーク10を得た。
垂直偏向コイル12に供給する垂直偏向電流の周波数を100Hzとする以外は実施例1と同様にして、偏向ヨーク10を駆動した際に発する騒音を測定した。その結果、騒音レベルは32.6dBであった。
(比較例1)
偏向調整板20の片面を絶縁枠13の外周面上に当接させて、偏向調整板20の他面にこれよりサイズの大きなアセテートテープを貼り付けて、偏向調整板20を絶縁枠13の外周面に固定した。上記以外は実施例1と同様にして図6に示す偏向ヨーク100を得た。
偏向調整板20の片面を絶縁枠13の外周面上に当接させて、偏向調整板20の他面にこれよりサイズの大きなアセテートテープを貼り付けて、偏向調整板20を絶縁枠13の外周面に固定した。上記以外は実施例1と同様にして図6に示す偏向ヨーク100を得た。
垂直偏向コイル12に供給する垂直偏向電流の周波数を50Hz及び100Hzの2通りに変えて、実施例1と同様に偏向ヨーク10を駆動した際に発する騒音を測定した。その結果、騒音レベルは、垂直偏向周波数が50Hzのとき36dB、100Hzのとき37dBであった。
垂直偏向周波数が50Hzのとき、比較例1の偏向ヨーク100では主に偏向調整板20の振動に起因する騒音が発生した。これに対して、実施例1の偏向ヨーク10ではこの騒音レベルが静音の基準とされる34dB以下に低減されていた。
また、垂直偏向周波数が100Hzのとき、比較例1の偏向ヨーク100では偏向調整板20の振動に加えてフェライトコア14の振動に起因する騒音が発生した。これに対して、実施例2の偏向ヨーク10ではこの騒音レベルが静音の基準とされる34dB以下に低減されていた。
本発明は上記の実施の形態及び実施例に限定されない。例えば、偏向調整板20の形状や取付位置は偏向磁界の調整のために適宜変更することができる。垂直偏向コイル12はトロイダル型ではなく、サドル型であっても良い。また、カラー陰極線管装置ではなく、単色表示の陰極線管装置に本発明を適用することも可能である。
本発明の偏向ヨーク及びこれが搭載された陰極線管装置の利用分野は特に限定されない。例えば、テレビジョンまたはコンピュータディスプレイ等に広範囲に利用できる。
1 陰極線管装置
2 前面パネル
2a 蛍光体スクリーン
3 ファンネル
3a ネック部
4 電子銃
5 シャドウマスク
7 電子ビーム
10 偏向ヨーク
11 水平偏向コイル
12 垂直偏向コイル
13 絶縁枠
14 フェライトコア
20 偏向調整板
21 高軟性樹脂材
22 低軟性接着剤
25 ホットメルト接着剤
30 ホルダ
31 CPU
32 ビーム速度変調(BVM)コイル
33 磁性体リング
40 補助コイル装置
41 コア
42 補助コイル
43 ボビン
50 高軟性樹脂材
2 前面パネル
2a 蛍光体スクリーン
3 ファンネル
3a ネック部
4 電子銃
5 シャドウマスク
7 電子ビーム
10 偏向ヨーク
11 水平偏向コイル
12 垂直偏向コイル
13 絶縁枠
14 フェライトコア
20 偏向調整板
21 高軟性樹脂材
22 低軟性接着剤
25 ホットメルト接着剤
30 ホルダ
31 CPU
32 ビーム速度変調(BVM)コイル
33 磁性体リング
40 補助コイル装置
41 コア
42 補助コイル
43 ボビン
50 高軟性樹脂材
Claims (4)
- 水平偏向コイルと、垂直偏向コイルと、絶縁材料からなる絶縁枠と、前記絶縁枠の外周面上に取り付けられた偏向調整板と、前記絶縁枠の外周の少なくとも一部を覆うフェライトコアとを備えた偏向ヨークであって、
前記偏向調整板は、硬度が10〜60の高軟性樹脂材で包囲されて前記絶縁枠の外周面上に固定されていることを特徴とする偏向ヨーク。 - 前記フェライトコアと、前記絶縁枠及び前記高軟性樹脂材との間に、前記高軟性樹脂材よりも硬度が高い低軟性接着剤が付与されている請求項1に記載の偏向ヨーク。
- 更に、金属磁性体からなるコアと、前記コアの周囲に巻回された補助コイルとからなり、前記絶縁枠に取付けられた補助コイル装置を備え、前記補助コイル装置と前記絶縁枠との間の少なくとも一部に硬度が10〜60の高軟性樹脂材が介在している請求項1又は2に記載の偏向ヨーク。
- 前面パネル及びファンネルからなる外囲器と、前記ファンネルのネック部内に設けられた電子銃と、前記電子銃から放射された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向させる偏向ヨークとを備え、前記偏向ヨークが請求項1〜3のいずれかに記載の偏向ヨークである陰極線管装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005017369A JP2005251732A (ja) | 2004-02-02 | 2005-01-25 | 偏向ヨーク及び陰極線管装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004025869 | 2004-02-02 | ||
JP2005017369A JP2005251732A (ja) | 2004-02-02 | 2005-01-25 | 偏向ヨーク及び陰極線管装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005251732A true JP2005251732A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35031976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005017369A Pending JP2005251732A (ja) | 2004-02-02 | 2005-01-25 | 偏向ヨーク及び陰極線管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005251732A (ja) |
-
2005
- 2005-01-25 JP JP2005017369A patent/JP2005251732A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1560250B1 (en) | Deflection yoke and cathode-ray tube apparatus | |
JPH03112039A (ja) | 偏向ヨーク | |
JP2005251732A (ja) | 偏向ヨーク及び陰極線管装置 | |
JP2004200089A (ja) | 陰極線管装置及びテレビジョン受像機 | |
KR20020030106A (ko) | 편향 유닛을 포함하는 디스플레이 디바이스 | |
JP2002270115A (ja) | カラー陰極線管装置 | |
JP3861595B2 (ja) | カラー受像管装置 | |
JP2003331752A (ja) | 陰極線管装置 | |
JP2001126642A (ja) | カラ−受像管装置 | |
JPH11354049A (ja) | 偏向ヨーク及び陰極線管表示装置 | |
KR100418041B1 (ko) | 음극선관용 편향요크 | |
US20070222359A1 (en) | Color cathode-ray tube apparatus | |
JP2002075249A (ja) | ブラウン管用偏向ヨーク | |
JPH1186755A (ja) | カラー陰極線管 | |
TW200406017A (en) | Cathode ray tube | |
JP2006209997A (ja) | 速度変調コイル装置および陰極線管装置 | |
JP2000353480A (ja) | 偏向ヨーク、陰極線管装置及びディスプレイ装置 | |
KR20010096097A (ko) | 편향요크 | |
KR20040068754A (ko) | 칼라 음극선관 | |
EP1372182A1 (en) | Colour picture tube device | |
JPH0517907U (ja) | 偏向ヨーク | |
JP2006024553A (ja) | 速度変調コイル装置及び陰極線管装置 | |
JPS61142633A (ja) | カラ−陰極線管およびそのランデイング補正方法 | |
JP2004281362A (ja) | 偏向ヨークの偏向コイル | |
KR20030091137A (ko) | 음극선관의 편향요크 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070725 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070821 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070911 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080513 |