JP2005251693A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池の目標発電量に基づいて冷却液供給流量の基本値を算出すると共に、燃料電池の冷却状態を推定し、その冷却状態に応じて冷却液供給流量の基本値に対する補正値を算出する。そして、この補正値で補正した後の冷却液供給流量を実現するための冷却液ポンプモータ回転数指令値に基づいて、燃料電池の発電応答時間を推定する。
【選択図】図3
Description
図1は、本発明を適用した燃料電池システムの一例を示すシステム構成図である。この燃料電池システムは、燃料電池1と、この燃料電池1に燃料ガスである水素を供給する燃料供給系、燃料電池1に酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系、燃料電池1に供給される水素及び空気を加湿する加湿系、燃料電池1に温度調整のための冷却液を供給する冷却液供給系とを備え、燃料電池1の発電によって得られた電力を、燃料電池車両の駆動ユニット2に供給する構成となっている。
更に、燃料電池1で所定の発電を行ったときの燃料電池1の発熱量を予め実験等によって調べ、図6に示すような燃料電池1の実発電量と発熱量との関係を求めておく。そして、実際に燃料電池1に要求される目標発電量GTarget[kW]と、図6に示した燃料電池1の発電量と発熱量との関係とから、燃料電池1で目標発電量GTarget[kW]を発電したときの発熱量Ht[kW]を算出する。
次に、ステップS3において、ステップS2で推定した燃料電池1の冷却状態に基づいて、ステップS1で算出した冷却液供給流量の基本値に対する補正値を算出し、この補正値で基本値を補正した後の目標冷却液供給流量を求める(冷却液供給流量補正値算出手段103)。
Q1=k1×Q0 ・・・(4)
次に、ステップS4において、ステップS3で算出した補正値で補正した後の目標冷却液流量が燃料電池1に供給されるように、冷却液ポンプモータに対して回転数指令値を出力して冷却液ポンプモータの回転数を制御する(モータ回転数制御手段104)。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、大気圧の変化等によって変動する燃料電池1の冷却状態を推定し、その推定結果を用いて燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、例えば大気圧低下に伴う燃料電池1の冷却状態悪化を回避するための制御を行った場合でも、そのときの燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。そして、この推定した燃料電池1の発電応答時間に応じて駆動ユニット2の動作制御を実行することで、駆動ユニット2の動作制御が不安定になることを有効に抑制して、高精度な動作制御を実現することができる。
次に、本発明を適用した第2の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、システムコントローラ100が燃料電池1の発電応答時間を推定する手法も基本的には第1の実施形態と同様であるが、冷却液ポンプモータに過剰なトルク要求を行った場合に懸念される故障等の問題を回避できるように、冷却液供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにした点に特徴を有するものである。
次に、システムコントローラ100は、ステップS14において、補正後の目標冷却液供給流量Q1[L/min]を実現するために冷却液ポンプモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS11で推定した冷却液ポンプモータのトルク推定値が上限トルクを上回ると判断され、ステップS13で冷却液供給流量の変化量の制限値Q1_LMT2[L/min/sec]を算出した場合には、この制限値Q1_LMT2[L/min/sec]に基づいて、冷却液ポンプモータの回転数を制御する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100が冷却液ポンプモータの回転数を制御する際に、冷却液ポンプモータのトルクが上限トルクを上回ることが推定される場合には、冷却液ポンプモータのトルクが上限トルク以下となるように冷却液ポンプ26に要求する冷却液供給流量の変化量に制限を加えるようにし、また、この制限値に基づく冷却液ポンプモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、冷却液ポンプモータのトルクが上限トルクを上回ることに起因して生じる故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
次に、本発明を適用した第3の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、システムコントローラ100が燃料電池1の発電応答時間を推定する手法も基本的には第1の実施形態と同様であるが、冷却液ポンプ26が吐出する冷却液の圧力が過剰となった場合に懸念される冷却液ポンプ26下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を回避できるように、冷却液供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにした点に特徴を有するものである。
次に、システムコントローラ100は、ステップS24において、補正後の冷却液供給流量Q1[L/min]を実現するために冷却液ポンプモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS21で推定した冷却液ポンプ26の吐出側冷却液圧力推定値が上限圧力を上回ると判断され、ステップS23で冷却液供給流量の変化量の制限値Q1_LMT3[L/min/sec]を算出した場合には、この制限値Q1_LMT3[L/min/sec]に基づいて、冷却液ポンプモータの回転数を制御する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100が冷却液ポンプモータの回転数を制御する際に、冷却液ポンプ26が吐出する冷却液の圧力が上限圧力を上回ることが推定される場合には、冷却液ポンプ26が吐出する冷却液の圧力が上限圧力以下となるように冷却液ポンプ26に要求する冷却液供給流量の変化量に制限を加えるようにし、また、この制限値に基づく冷却液ポンプモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、冷却液ポンプ26が吐出する冷却液の圧力が上限圧力を上回ることに起因して生じる冷却液ポンプ26下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
次に、本発明を適用した第4の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、第2の実施形態で説明した冷却液ポンプモータの上限トルクによる冷却液供給流量変化量の制限と、第3の実施形態で説明した冷却液ポンプ26が吐出する冷却液の上限圧力による冷却液供給流量変化量の制限とを組み合わせたものである。
2 駆動ユニット
26 冷却液ポンプ
31 温度センサ
32 温度センサ
33 大気圧センサ
100 システムコントローラ
101 冷却液供給流量基本値算出手段
102 燃料電池冷却状態推定手段
103 冷却液供給流量補正値算出手段
104 モータ回転数制御手段
105 燃料電池発電応答時間推定手段
Claims (7)
- 燃料ガス及び酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池と、
前記燃料電池の冷却状態を推定する冷却状態推定手段と、
前記冷却状態推定手段による推定結果を用いて、前記燃料電池の発電応答時間を推定する燃料電池発電応答時間推定手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池に冷却液を供給する冷却液供給装置と、
前記燃料電池の目標発電量に基づいて、前記冷却液供給装置に要求される冷却液供給流量の基本値を算出する冷却液供給流量基本値算出手段と、
前記冷却状態推定手段による推定結果に基づいて、前記冷却液供給流量の補正値を算出する冷却液供給流量補正値算出手段と、
前記補正値で補正された後の冷却液供給流量が得られるように、前記冷却液供給装置のモータに回転数指令値を出力して当該モータの回転数を制御するモータ回転数制御手段とを更に備え、
前記燃料電池発電応答時間推定手段が、前記モータ回転数制御手段から出力される回転数指令値に基づいて、前記燃料電池の発電応答時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却状態推定手段が、前記燃料電池の冷却状態を推定するためのパラメータとして大気圧を検出し、
前記冷却液供給流量補正値算出手段が、大気圧の変化に伴って変化する前記冷却液供給装置の能力に応じて、前記冷却液供給流量の補正値を算出することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却状態推定手段が、前記燃料電池の冷却状態として当該燃料電池の発熱量予測値を算出し、
前記冷却液供給流量補正値算出手段が、前記冷却状態推定手段により算出された発熱量予測値に応じて、前記冷却液供給流量の補正値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却液供給装置に要求される冷却液供給流量をもとに、当該冷却液供給装置のモータのトルクを推定するモータトルク推定手段と、
前記モータトルク推定手段により推定されるトルクが所定値を超えないように、前記冷却液供給装置に要求する冷却液供給流量の変化量の制限値を算出する冷却液供給流量変化量制限値算出手段とを更に備え、
前記モータ回転数制御手段手段が、前記冷却液供給流量変化量制限値算出手段が算出した制限値に基づいて、前記冷却液供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。 - 前記冷却液供給装置に要求される冷却液供給流量をもとに、当該冷却液供給装置が吐出する冷却液の圧力を推定する吐出冷却液圧力推定手段と、
前記吐出冷却液圧力推定手段により推定される吐出冷却液圧力が所定値を超えないように、前記冷却液供給装置に要求する冷却液供給流量の変化量の制限値を算出する冷却液供給流量変化量制限値算出手段とを更に備え、
前記モータ回転数制御手段手段が、前記冷却液供給流量変化量制限値算出手段が算出した制限値に基づいて、前記冷却液供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。 - 前記冷却液供給流量変化量制限値算出手段が、前記モータトルク推定手段により推定されるトルクが所定値を超えない第1の制限値と、前記吐出冷却液圧力推定手段により推定される吐出冷却液圧力が所定値を超えない第2の制限値とをそれぞれ算出し、
前記モータ回転数制御手段手段が、前記冷却液供給流量変化量制限値算出手段が算出した第1の制限値又は第2の制限値のうちで小さい方の制限値に基づいて、前記冷却液供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
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