JP2005251328A - 光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】センターホールとトラックとの偏心量が小さく、高記録密度にして記録再生の互換特性に優れた光ディスクを提供すること、及びこのような光ディスクを製造可能な光ディスク製造方法を提供すること。
【解決手段】光ディスクを、センターホール1を有しかつ片面にトラック2がプリフォーマットされた1枚の基板3と、当該1枚の基板3の信号面に形成された情報記録膜又は反射膜4と、当該情報記録膜又は反射膜4の表面を覆うカバー層5とから構成する。センターホール1を切削加工により形成し、センターホール1とトラック2との偏心量を11μm以下に調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は光ディスク及びその製造方法に係り、特に、回転中心であるセンターホールに対するトラックの偏心が少なく、情報の高密度記録が可能な光ディスクの構成とその製造方法とに関わる。
従来より、ポリカーボネートなどのプラスチックを射出成形してなる基板と、当該基板の信号面に成膜又は塗布された磁気薄膜、相変化薄膜又は色素薄膜などからなる記録膜とを備えた光ディスクが知られている。上記基板の信号面には予めトラックがプリフォーマットされており、これをレーザー光で走査することにより情報の記録再生が行われる。
従来より知られている光ディスクの多くは、基板を介して記録再生用のレーザー光を入射し情報の記録再生を行う構成になっているため、基板上の傷や粉塵などによってデータ再生ができなくなる可能性が低い。このため、この種の光ディスクは所望の場所へ自由に持ち運びできる可搬型の記録媒体として有用である。
これに対して、カートリッジ等を工夫をして媒体を傷や粉塵から守ることにより、基板を介さずにレーザー光を直接記録面ヘ照射するタイプの光ディスク(ファーストサーフェス媒体)も考案されている。このファーストサーフェス媒体は、記録面に集光されるレーザースポット径をより小さくできるため、高記録密度媒体の作製に有利である。
記録密度の向上は、トラック間隔(トラックピッチ)を狭くすることと記録マーク間隔(ビットピッチと呼ぶ)を狭くすることで対応する。しかし、トラックピッチやビットピッチを記録再生用のレーザー光のスポット径よりも狭めると、光スポット内に複数の記録マークが入るようになるため記録マークの分別ができなくなり、いわゆる信号のクロストークが発生する。
この問題に対する解決策として、光磁気ディスクにおいては、磁気超解像方式と磁区拡大転写方式という2つの方法が提案されている。
磁気超解像方式は、情報記録層が情報に対応する記録磁区を記録する記録層とその記録磁区の再生を補助するための磁性層とから構成されており、レーザースポット内の温度分布と磁気超解像媒体自身が持つ磁気的特性を組み合わせることにより、実効的にレーザーの分解能を超えた情報再生が可能となる。
また、磁区拡大転写方式は、情報記録層が情報に対応する記録磁区を記録する記録層とその記録層の磁区を磁気的に拡大して転写させる機能をもった磁性層(再生層と呼ぶ)とから構成されており、元々は小さな記録マークであってもレーザー光の照射により再生時に拡大された情報磁区として検知できるため、十分な信号振幅で情報を再生することが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
磁気超解像方式方式では再生に寄与する光スポットサイズが減少するために再生信号振幅自体も小さくなるのに対して、磁区拡大転写方式にはかかる不都合がなく、磁区拡大転写方式はより高密度記録の光ディスクの開発する上で有効である。
以上のことから、記録再生用のレーザー光の入射方式をファーストサーフェス方式とし、かつ、情報記録層の積層方式を磁区拡大転写方式とすれば、超高記録密度の光ディスクの作製が可能となる。
ところで、このように光ディスクの記録面に集光されるレーザー光のスポット径が小さくなりかつトラックピッチも狭くなると、光ディスク及びその駆動装置に許容される機械的な精度、即ち、メカ精度も必然的に厳しくなる。光ディスクに起因するものに関して言うと、上記メカ精度とは、光ディスクの中心部に設けられ記録再生装置のスピンドルに設置されるためのセンターホールと基板の信号面にプリフォーマットされたトラックとの偏心量に対応する。この偏心量が大きいと、記録面に集光されるレーザー光がトラック中心からずれたときの特性劣化度(デトッラクマージン)が大きくなるのはもちろんのこと、最悪の場合には、光ディスク上に刻まれているトラック自体を追従できなくなる。デトラックマージンは、光ディスクドライブを工夫すること、例えばトラックサーボの周波数特性を変更したり、トラックサーボ方式そのものを変えることによって、ある程度確保することは可能であるが、光ディスクの偏心量が少なければその分より安定した光ディスクシステムを構築できる。
特開平8−7350号公報
従来において、上記センターホールの開設は、基板の成形機にセンターホール打ち抜き用のパンチを備えておき、成形機内において射出成形された基板の中心部に上記パンチを打ち込むという方法で行われている。そして、センターホールとトラックとの偏心量は、成形機に対するスタンパの取り付け精度によって決定される場合が多い。しかしながら、スタンパのセンターホールと成形機のチャッキング冶具又は金型とのはめ合い較差は、通常、数10μmから100μm程度あるので、何も工夫をしなければ、成形機の中心軸に対してスタンパの中心軸がこの程度ずれてしまい、成形された光ディスク基板にそのずれがセンターホールとトラックとの偏心量として残る。
従来より、センターホールとトラックとの偏心量をなるべく小さいものにするため、成形機へのスタンパの取り付けに際しては、成形機へのスタンパの取り付けと基板の射出成形と成形された基板の偏心量測定と成形機に対するスタンパの取付位置の修正とを繰り返すという試行錯誤的な手法がとられている。
しかるに、成形を行うためには成形機の温度を成形に適した温度まで上げねばならず、また、スタンパの取付位置を修正するためには成形機の温度を下げねばならず、一度の試行だけでも数時間を要するので、この方法でより一層の偏心量の低減を図ることは事実上困難である。
これに対して、例えば特開2002−260299号公報に記載されているように、成形機金型とスタンパのそれぞれが持つ偏心成分を測定し、その偏心がお互いに打ち消しあうように成形機金型とスタンパを設置する方法も従来より提案されている。しかしながら、成形機金型やスタンパのような対象物の偏心成分を実測するのは事実上極めて困難であり、仮に測定できたとしても、互いの偏心量が違い過ぎる場合には、そもそも偏心量を打ち消しあうことができない。
また、基板のセンターホールをパンチにより打ち抜き成形すると、上述したセンターホールとトラックとの偏心とは別に、センターホールにばりが発生したり真円度が高いセンターホールを形成できないという問題もある。センターホールにばりが発生したりセンターホールの穴径の精度が良くないと、記録再生装置に光ディスクを装着したときの偏心量が大きく変化する。更には、記録再生装置の光ディスク駆動部にも偏心がある。したがって、光ディスクを同一又は異なる記録再生装置に装着する毎に、これらの各偏心要因が重なり合い、記録再生装置の光ディスク駆動部とトラックとの偏心量が大きく変化し、記録再生の互換特性(インターチェンジヤビリテイ)が劣化する要因となる。
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みて発明されたものであり、その目的は、センターホールとトラックとの偏心量が小さく、高記録密度にして記録再生の互換特性に優れた光ディスクを提供すること、及びこのような光ディスクを製造可能な光ディスク製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、光ディスクに関しては、基板面に同心円状又は渦巻き状のトラックが形成され、当該トラックの中心とほぼ同心に回転中心であるセンターホールが開設されたプラスチック基板を備えた光ディスクであって、上記センターホールが切削加工により形成されており、上記センターホールと上記トラックとの偏心量が11μm以下に調整されているという構成にした。
このように、切削加工により形成されたセンターホールを有する光ディスクは、成形時にパンチングされたセンターホールを有する光ディスクに比べて、センターホールとトラックとの偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度を高めることができるので、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、情報の高密度記録に対応することができて、記録再生の互換特性も改善することができる。
また、本発明は、上記構成の光ディスクにおいて、センターホールが切削加工により形成されており、上記センターホールと上記トラックとの偏心量が11μm以下に調整された2枚の光ディスクを同心に貼り合わせるという構成にした。
このようにすると、高密度記録にして記録再生の互換特性が高い両面記録型の光ディスクを得ることができる。
また、本発明は、上記構成の光ディスクにおいて、上記プラスチック基板の表裏両面にそれぞれ上記トラックが形成されると共に、各面の上記トラックに対応して2つの上記センターホールが開設されており、上記各センターホールが切削加工により形成されており、かつ、上記対応するセンターホールとトラックとの偏心量がそれぞれ11μm以下に調整されているという構成にした。
このようにすると、高密度記録にして記録再生の互換特性が高い両面記録型の光ディスクを得ることができると共に、1枚の基板を用いて両面記録型の光ディスクを得ることができるので、部品点数の低減及び製造方法の簡略化を図ることができ、両面記録型光ディスクの低コスト化を図ることができる。
一方、本発明は、上記の課題を解決するため、光ディスク製造方法に関しては、射出成形によって基板面に同心円状又は渦巻き状のトラックが形成され、当該トラックの中心とほぼ同心にセンターホールの下孔が開設されたプラスチック基板を作製する工程と、作製された上記プラスチック基板を切削加工機の回転部に装着する工程と、上記切削加工機の回転部に装着された上記プラスチック基板のトラックの中心と上記切削加工機の回転部の回転中心とを合致させる工程と、上記下孔を切削加工して所要の上記センターホールを開設する工程とを含むという構成にした。
このように、センターホールの下孔が開設されたプラスチック基板を作製した後に切削加工機の回転部に装着されたプラスチック基板のトラックの中心と切削加工機の回転部の回転中心とを合致させて所要のセンターホールを開設すると、単に光ディスクの成形時にパンチングによってセンターホールを開設する場合に比べて、センターホールとトラックとの偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度の高いセンターホールを開設することができるので、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、高密度記録にして記録再生の互換特性も高い光ディスクを製造することができる。
また、本発明は、上記構成の光ディスク製造方法において、上記プラスチック基板を上記切削加工機の回転部に装着する工程に先立って、複数枚の上記プラスチック基板を互いに偏心方向が合致された状態で一体化し、この一体化された複数枚の上記プラスチック基板を上記切削加工機の回転部に装着するという構成にした。
このようにすると、複数枚の光ディスクのセンターホールを同時に加工することができるので、光ディスクの製造効率を改善することができ、高密度記録にして記録再生の互換特性も高い光ディスクを低コストに製造することができる。
本発明の光ディスクは、切削加工により形成されたセンターホールを有するので、成形時にパンチングされたセンターホールを有する光ディスクに比べて、センターホールとトラックとの偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度を高めることができる。よって、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、情報の高密度記録に対応することができると共に、記録再生の互換特性も改善することができる。
本発明の光ディスク製造方法は、センターホールの下孔が開設されたプラスチック基板を作製した後に切削加工機の回転部に装着されたプラスチック基板のトラックの中心と切削加工機の回転部の回転中心とを合致させて所要のセンターホールを開設するので、単に光ディスクの成形時にパンチングによってセンターホールを開設する場合に比べて、センターホールとトラックとの偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度の高いセンターホールを開設することができるので、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、高密度記録にして記録再生の互換特性も高い光ディスクを製造することができる。
まず、本発明に係る光ディスクの実施形態を、図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本発明に係る光ディスクの第1例を示す断面図、図2は本発明に係る光ディスクの第2例を示す断面図、図3は本発明に係る光ディスクの第3例を示す断面図である。
第1例に係る光ディスクは、図1に示すように、単板構造の光ディスクであって、センターホール1を有しかつ片面にトラック2がプリフォーマットされた1枚の基板3と、当該1枚の基板3の信号面に形成された情報記録膜又は反射膜4と、当該情報記録膜又は反射膜4の表面を覆うカバー層5とから構成されている。
第2例に係る光ディスクは、図2に示すように、両面記録構造の光ディスクであって、センターホール1a,1bを有しかつ表裏両面にトラック2a,2bがプリフォーマットされた1枚の基板3と、当該1枚の基板3の表裏両面に形成された情報記録膜又は反射膜4a,4bと、各情報記録膜又は反射膜4a,4bの表面を覆うカバー層5a,5bとから構成されている。このように、1枚の基板3の表裏両面に2層の情報記録膜又は反射膜4a,4bを形成すると、ファーストサーフェス構造の両面記録形光ディスクが得られるので、部品点数の低減及び製造工程の低減を図ることができ、両面記録形の光ディスクの製造を容易なものにすることができて、その製造コストを低減することができる。
第3例に係る光ディスクも、図3に示すように、両面記録構造の光ディスクであって、センターホール1aを有しかつ片面にトラック2aがプリフォーマットされた第1基板3aと、当該第1基板3aの信号面に形成された情報記録膜又は反射膜4aと、当該情報記録膜又は反射膜4aの表面を覆うカバー層5aとからなる第1光ディスク単板と、センターホール1bを有しかつ片面にトラック2bがプリフォーマットされた第2基板3bと、当該第2基板3bの信号面に形成された情報記録膜又は反射膜4bと、当該情報記録膜又は反射膜4bの表面を覆うカバー層5bとからなる第2光ディスク単板とを有し、これら第1及び第2光ディスク単板の基板面が接着剤層6を介して同心に貼り合わされた構成になっている。
前記基板3,3a,3bは、ポリカーボネートなどのプラスチックの射出成形品をもって形成される。上記センターホール1,1a,1bは、切削加工(より詳細には、旋盤加工)により形成されており、上記センターホール1,1a,1bと上記トラック2,2a,2bとの偏心量が11μm以下に調整されている。
前記情報記録膜4は、情報記録膜の種類に応じて、真空成膜法又はスピン塗布法により形成される。また、反射膜4は、真空成膜法により形成される。これら情報記録膜又は反射膜4の材料及び積層構造に関しては、公知に属する任意のものを用いることができる。
前記カバー層5は、光感応型の樹脂を情報記録膜又は反射膜4の表面にスピン塗布することによって形成される。
前記接着剤層6を構成する接着剤としては、光感応型接着剤を用いることもできるし、熱感応型接着剤を用いることもできる。光感応型接着剤を用いる場合には、基板3に情報記録膜又は反射膜4を形成する前に接着剤の固化工程を行う必要がある。情報記録膜又は反射膜4を形成してしまうと基板3の接着層まで感光できないためである。一方、熱感応型接着剤を用いる場合には、情報記録膜又は反射膜4を形成後に接着剤の固化工程を行うこともできる。
本例の光ディスクは、切削加工によりセンターホール1,1a,1bを形成するので、成形時にパンチングされたセンターホールを有する光ディスクに比べて、センターホール1,1a,1bとトラック2との偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度を高めることができる。よって、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、情報の高密度記録に対応することができて、記録再生の互換特性も改善することができる。
以下、図1に示した単板構造の光ディスクを例にとり、図4乃至図6に基づいて上記センターホール1の切削加工方法を説明する。
第1に、通常の基板成形方法により、中心部にセンターホール1の下孔11を有しかつ片面にトラック2がプリフォーマットされた基板3を作製する。下孔11は、切削加工工程における切削しろを残すために、最終目的径よりやや小さめに形成される。具体的には、通常のディスク偏心量を考慮し、最終目的径よりも50〜100μm程度小さくすることが特に好ましい。
第2に、上記第1の工程で得られた基板3を図4及び図5に示すセンターホール切削装置(旋盤)の治具12に保護用のスペーサ13を介してチャッキングする。チャッキングは基板3の外周部を固定することとし、固定場所はディスクを変えても常に基板上の同じ場所になるようにする。治具12は、図6に示すように、ステッピングモータ14を駆動することにより、ねじ15の縮め付け量でチャッキング量を可変できるようになっており、円周方向に3個以上(図4の例では、3個)備えられている。
第3に、治具12にチャッキングされた基板3の偏心成分を、切削装置に備えられたモニター付き顕微鏡或いはレーザー測長器16などによって測定する。測定点は測定が行い易い光ディスク上の溝が広い場所(例えば溝部とミラー部との境目、BCAゾーンなど)が好ましく、少なくとも3箇所以上測定することによってその偏心成分と偏心量を測定する。
第4に、上記第3の工程で得られた偏心データをもとに、基板3に対する切削装置のチヤツキング量を変更し、切削装置の回転駆動部の中心とトラック2の中心との偏心量をできる限り小さくする。
第5に、上記第1の工程で基板3の中心部に開設された下孔11にバイト17を当て、最終目的径になるまで切削加工を行って、センターホール1を形成する。
図3に示した第3例の光ディスクについても同様の方法でセンターホール1a,1bを形成することができる。また、図2に示した第2例の光ディスクについては、基板3の厚みの半量ずつセンターホール1a,1bを形成する。なお、第1例及び第3例の光ディスクについては、1枚ずつ切削加工するほか、切削加工に先立って複数枚の基板3を互いに偏心方向が合致された状態で一体化することにより、複数枚同時に切削加工することもできる。即ち、同一成形バッチから得られた基板は同一の偏心をもつため、基板の固定位置を円周上の同じ場所にすることにより、複数枚の同時加工が可能になる。さらに、ばり取り専用の第2バイトを用意し、切削加工によって発生するばりを除去することもできる。
本例の光ディスク製造方法は、センターホールの下孔11が開設されたプラスチック基板3を作製した後に切削加工機の回転部に装着されたプラスチック基板のトラック2の中心と切削加工機の回転部の回転中心とを合致させて所要のセンターホール1を開設するので、単に光ディスクの成形時にパンチングによってセンターホールを開設する場合に比べて、センターホールとトラックとの偏心量を小さくできると共に、ばりがなく、かつ真円度の高いセンターホールを開設することができる。よって、記録再生装置の光ディスク駆動部に対するトータルの偏心量を低減することができ、高密度記録にして記録再生の互換特性も高い光ディスクを製造することができる。
以下に、本発明に係る光ディスク及びその製造方法のより具体的な実施例を挙げて説明する。
直径130mm、厚さ2.0mmのポリカーボネート基板を図示しない成形機によって作製した。成形機によるセンターホール打ち抜き工程により、基板中心部に直径14.9mm(+0.0〜−0.1mm)の下孔をあけた。下孔の較差を上記のようにしたのは、切削代を確保するためであり、最終目的径は15.0mmである。上記基板の情報記録再生領域は、基板半径位置25mmから63mmの範囲であり、この領域に渦巻き状のトラックを形成した。トラックピッチは0.32μmとし、基板内周部には鏡面部を設けた。この基板を図4乃至図6に示した切削加工機に取り付け、上記の手順及び方法で偏心成分の測定とセンターホール1の切削加工とを行った。なお、切削加工時においては、基板回転数を1000rpm、バイトの移動速度を0.05mm/sとした。また、基板面への切削屑の付着を防止するため、真空吸い取り機を稼動させ、切削屑の吸引を行った。さらに、切削加工終了後においては、基板をイオンブロー装置にかけ、切削屑の除去とディスクの除電とを行った。
次に、上記のようにして作製されたセンターホール1が切削加工された基板とセンターホール1が成形時のパンチングにより形成された基板を3枚ずつ用意し、定法にしたがって当該基板の片面に図7に示す薄膜を形成した。エンハンス層21はSiNであり、ターゲット材料としてSiを用いArとNの混合ガス雰囲気中で成膜を行うことによってSiNとした。膜厚は35nmとした。記録層22の成膜はArガス雰囲気中で行い、Tb、Fe、Coの単体ターゲットを同時スパッタした。同時スパッタにおいて、各ターゲットへの投入電力の比を制御することにより膜組成を調整した。上記記録層22は、補償温度が約25℃、キュリー温度が約280℃となるように記録層22の膜組成を調整した。膜厚は30nmとした。放熱層23の成膜では、Al合金ターゲットを用い、膜厚を40nmとした。最後に、図示しないスピンコーターにより、成膜済みディスクに対して紫外線硬化樹脂からなるコート層を15μmの厚さで形成した。
次に、上記成膜プロセス及び紫外線硬化樹脂プロセスにより得られた光ディスクを波長405nm、対物レンズの開口率(NA)が0.85の光ディスク記録再生装置にかけた。上記光ディスク記録再生装置からは光磁気信号の他、クロストラック信号(トラック横断信号)が出力できるようになっており、この信号から評価機にかけたときの偏心量が推定できる。
一般に光ディスク記録再生装置自体も光ディスクを支持するスピンドルに偏心を有するので、たとえ偏心量ゼロの光ディスクに対しても得られる電気信号は相当の偏心量を示す。また、偏心量は光ディスクとスピンドルの設置のされ方によっても変わる。
そこで、センターホールが成形機による打ち抜きによって形成された基板を用いた光ディスクと、センターホールが切削加工された基板を用いた光ディスクとについて、上記電気信号から見積もられる偏心量を調べた。偏心量の測定は、上記2種類の光ディスクをそれぞれ3枚用意し、かつ光ディスク記録再生装置を3台用意し、各光ディスクに対しドライブを変えて5回偏心量を調べた。その結果を図8に示す、図8中のAl−A3はセンターホールが成形機による打ち抜きによって形成された基板を用いた光ディスクの偏心量であり、Bl−B3はセンターホールが切削加工された基板を用いた光ディスクの偏心量である。AlとBl、A2とB2、A3とB3はそれぞれ同じドライブで測定を行った。
図8から、センターホールが成形機による打ち抜きによって形成された基板を用いた光ディスクは、偏心量の平均値が約55μmであり、最大偏心量と最小偏心量の差が20μmであったのに対し、センターホールが切削加工された基板を用いた光ディスクは、偏心量の平均値が約11μmであり、最大偏心量と最小偏心量の差が6μmであった。このことから、本発明の光ディスクによると、同じ光ディスク記録再生装置に対するデトラックマージンを拡大でき、様々な光ディスク記録再生装置にかけたときの記録再生の互換性(インターチェンジャビリテイ)を向上できるることが分かる。
実施の第1例に係る光ディスクの断面図である。 実施の第2例に係る光ディスクの断面図である。 実施の第3例に係る光ディスクの断面図である。 実施形態例に係る切削装置の構成を示す模式図である。 実施形態例に係る切削装置の構成を示す模式図である。 実施形態例に係る切削装置のチャッキング部の構成を示す模式図である。 実施形態例に係る光ディスクの膜構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る光ディスクの効果を従来例に係る光ディスクと比較して示す表図である。
符号の説明
1,1a,1b センターホール
2,2a,2b トラック
3,3a,3b 基板
4,4a,4b 情報記録膜又は反射膜
5,5a,5b カバー層
11 下孔
12 治具
13 スペーサ
14 ステッピングモータ
15 ねじ
16 モニター付き顕微鏡又はレーザー測長器
17 バイト

Claims (5)

  1. 基板面に同心円状又は渦巻き状のトラックが形成され、当該トラックの中心とほぼ同心に回転中心であるセンターホールが開設されたプラスチック基板を備えた光ディスクであって、上記センターホールが切削加工により形成されており、上記センターホールと上記トラックとの偏心量が11μm以下に調整されていることを特徴とする光ディスク。
  2. 上記センターホールが切削加工により形成されており、上記センターホールと上記トラックとの偏心量が11μm以下に調整された2枚の光ディスクを同心に貼り合わせたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  3. 上記プラスチック基板の表裏両面にそれぞれ上記トラックが形成されると共に、各面の上記トラックに対応して2つの上記センターホールが開設されており、上記各センターホールが切削加工により形成されており、かつ、上記対応するセンターホールとトラックとの偏心量がそれぞれ11μm以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  4. 射出成形によって基板面に同心円状又は渦巻き状のトラックが形成され、当該トラックの中心とほぼ同心にセンターホールの下孔が開設されたプラスチック基板を作製する工程と、作製された上記プラスチック基板を切削加工機の回転部に装着する工程と、上記切削加工機の回転部に装着された上記プラスチック基板のトラックの中心と上記切削加工機の回転部の回転中心とを合致させる工程と、上記下孔を切削加工して所要の上記センターホールを開設する工程とを含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  5. 上記プラスチック基板を上記切削加工機の回転部に装着する工程に先立って、複数枚の上記プラスチック基板を互いに偏心方向が合致された状態で一体化し、この一体化された複数枚の上記プラスチック基板を上記切削加工機の回転部に装着する特徴とする請求項4に記載の光ディスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008171532A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Hoya Corp 円板状基板の内径測定装置、内径測定方法、円板状基板の製造方法および磁気ディスク製造方法

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