JP2005302249A - ディスク状光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中心孔のあるディスク状光記録媒体を記録再生装置に装着したときに、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できるとともに光透過層の剥離を防止できるようにしたディスク状光記録媒体を提供をする。
【解決手段】 この光ディスク10は、ディスク状の基体11と、基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面13と、情報記録面を覆う光透過層12と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔15と、を備え、中心孔は、中心孔の光透過層側の径d2が光透過層の反対側の径d1に比べて大きくなるように光透過層側の表面から傾斜した傾斜面16を有し、傾斜面内に基体と光透過層の境界が位置しないように構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】 この光ディスク10は、ディスク状の基体11と、基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面13と、情報記録面を覆う光透過層12と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔15と、を備え、中心孔は、中心孔の光透過層側の径d2が光透過層の反対側の径d1に比べて大きくなるように光透過層側の表面から傾斜した傾斜面16を有し、傾斜面内に基体と光透過層の境界が位置しないように構成した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、記録及び再生の少なくとも一方を行う装置に装着される光ディスク等のディスク状光記録媒体に関するものである。
従来、ディスク状光記録媒体としてCD(Compact Disc)に加えてDVD(Digital Versatile Disc)が公知であり、両光ディスクともに、外径が120mm、厚さが1.2mmに統一されているが、DVDは照射光として波長が650nm程度のCDよりも短いレーザ光を用い、対物レンズの開口数を0.6とCDよりも大きくすることでCDよりも高密度で大容量の情報を記録・再生できる。光ディスクは、照射光の波長が短く、レンズの開口数が大きいほどディスクの傾き(反り)によりコマ収差が発生して情報の記録・再生精度が低下する傾向があるため、DVDでは光透過層の厚さをCDの半分の0.6mmとすることで、ディスクの傾き(反り)に対するマージンを確保し、情報の記録・再生精度を維持している。
最近、ディスク状光記録媒体の更なる高密度化を目指して開発が行われており、DVDよりも高い記録密度を有するブルーレイディスク等の高密度光ディスクが実用化されている。かかる高密度光ディスクは、例えば、光透過層(カバー層)の厚さを0.1mmとし、波長が405nm程度の青紫色半導体レーザと、開口数が0.85程度の対物レンズとを用いることにより、DVDと同じ直径120mmの光ディスクでDVDよりも約5倍以上の情報を記録可能である。
光ディスクには例えば径15mmの中心孔が形成されており、光ディスクが記録再生装置に装着されたときに、装置内で中心孔を利用してチャッキングが行われ、回転駆動されるようになっている。かかる中心孔は、打ち抜き等の加工により形成されるが(下記特許文献1参照)、図12に示すような問題点があった。即ち、図12のように、光ディスクDは光透過層b及び中心孔Cを有し、光透過層bの形成後に中心孔Cを打ち抜き加工で形成すると、中心孔C近傍の光透過層bにばり等の突き出し部b1が形成されてしまうことがある。
図12で、光ディスクDは、装置に装着されると、装置側の駆動スピンドルSが中心孔Cにはまり込み、図の上部から押さえ部材Hのマグネットで押さえ付けられることでチャッキングされる。このとき、中心孔Cに突き出し部b1があると、駆動スピンドルSによるチャッキング動作に悪影響を与えるおそれがある。また、光透過層bの厚さが光ディスクの高密度化に伴い薄くなると、光透過層bが剥離し易くなってしまう。
特開2004−39149号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、中心孔のあるディスク状光記録媒体を記録再生装置に装着したときに、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できるとともに、光透過層の剥離を防止できるようにしたディスク状光記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による第1のディスク状光記録媒体は、ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、前記中心孔は、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きくなるように前記光透過層側の表面から傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面内に前記基体と前記光透過層の境界が位置しないように構成したことを特徴とする。
この第1のディスク状光記録媒体によれば、中心孔が光透過層側の表面から傾斜した傾斜面を有し光透過層側の中心孔径が反対側の径に比べて大きいので、光透過層側から装置側の駆動部材がはまり込むとき、はまり込み易くなり、中心孔近傍の光透過層にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できる。また、中心孔の傾斜面内に基体と光透過層の境界が位置しないので、傾斜面内で光透過層の剥離が起きない。
上記第1のディスク状光記録媒体において、前記中心孔の垂直壁に対する前記傾斜面の傾斜角が5乃至45度の範囲内であり、前記中心孔の前記光透過層の表面における径d2及び前記中心孔の前記傾斜面以外における径d1に関し、(d2−d1)/2が10μm乃至100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明による第2のディスク状光記録媒体は、ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、前記中心孔は、前記中心孔近傍の前記光透過層の表面が凹むことでリング状に形成された段差面を有し、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きいことを特徴とする。
この第2のディスク状光記録媒体によれば、中心孔が光透過層側の表面で凹むことで段差面が存在し、はまり込み易くなり、中心孔近傍の光透過層にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できる。
上記第2のディスク状光記録媒体において、前記傾斜面と前記段差面との境界近傍に切り込み部を有することが好ましく、これにより、光透過層が剥離し難くなり、光透過層の剥離をより確実に防止できる。
また、前記段差面の凹み深さは、前記光透過層の厚みとほぼ同じであることで、光透過層が段差面とほぼ同じ高さになるので、光透過層が剥離し難くなり、光透過層の剥離をより確実に防止できる。
また、前記中心孔の前記光透過層の表面における径d3及び前記中心孔の前記前記段差面以外における径d1に関し、(d3−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることが好ましい。
本発明による第3のディスク状光記録媒体は、ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、前記中心孔は、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きくなるように前記光透過層側の表面から傾斜した傾斜面と、前記傾斜面の前記中心孔内の端から前記光透過層の表面と略平行に前記中心孔の垂直壁まで延びる段差面と、を有することを特徴とする。
この第3のディスク状光記録媒体によれば、中心孔が光透過層側の表面から傾斜した傾斜面を有し光透過層側の中心孔径が反対側の径に比べて大きく、更に段差面が傾斜面の端から中心孔の垂直壁まで延びているので、中心孔近傍の光透過層にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できる。
上記第3のディスク状光記録媒体において前記傾斜面と前記段差面との境界近傍に切り込み部を有することが好ましく、これにより、光透過層が剥離し難くなり、光透過層の剥離を防止できる。
また、前記傾斜面と前記段差面との境界近傍に前記基体と前記光透過層の境界が位置することで、光透過層が剥離し難くなり、光透過層の剥離を防止できる。
また、前記中心孔の垂直壁に対する前記傾斜面の傾斜角が45度以下であり、前記中心孔の前記光透過層の表面における径d4及び前記傾斜面及び前記中心孔の前記段差面以外における径d1に関し、(d4−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることが好ましい。この場合、前記傾斜面の前記垂直壁方向の深さが10μm乃至100μmの範囲内であることが好ましい。
上記各ディスク状光記録媒体において、ディスク状光記録媒体が記録及び再生の少なくとも一方を行う装置に装着されたとき、前記装置側の駆動部材が前記光透過層側から前記中心孔に対し係合することで前記ディスク状光記録媒体がチャッキングされるようになっていることが好ましい。
本発明のディスク状光記録媒体によれば、中心孔のあるディスク状光記録媒体を記録再生装置に装着したときに、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上でき、また光透過層の剥離を防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は第1の実施の形態による光ディスクの断面図である。図2は図1の光ディスクの中心孔近傍を拡大して示す要部断面図である。図3は図2の中心孔近傍を更に拡大して示す拡大要部断面図である。
図1に示すように、第1の実施の形態によるディスク状光記録媒体としての光ディスク10は、ディスク状の基体11と、基体11の一方の面上に設けられた情報記録面13と、情報記録面13を覆うようにして設けられた光透過層12と、ディスク状の基体11の中心に設けられた中心孔15と、を備える。
図2,図3のように、中心孔15は、基体11の両面に対し垂直に形成された直径d1の垂直壁17と、光透過層12側の表面14で直径d2が直径d1よりも大きくなるように表面14から傾斜する傾斜面16と、を有する。
傾斜面16は、図3のように、垂直壁17との間でなす傾斜角θが5〜45度の範囲内であることが好ましく、5度未満であると、チャッキングし難くなり、45度を超えると、製造時に光透過層12を切断し難くなる。
また、中心孔15の光透過層12側の表面14における直径d2と傾斜面以外における直径d1とは、(d2−d1)/2が10μm乃至100μmの範囲内であることが好ましい。(d2−d1)/2が10μm未満であると、チャッキングし難くなり、100μmを越えると、光透過層12が剥離する可能性が生じる。
また、基体11と光透過層12との間の境界に情報記録面13が位置するが、この境界位置が垂直壁17にあり、傾斜面16内に存在しない。
次に、図1乃至図3の光ディスクの製造工程について図4(a)乃至(d)を参照して説明する。
まず、基体11を樹脂成形により製造する。一対の成形金型(図示省略)に溶融したポリカーボネート等の樹脂を射出することで、例えば、直径が120mm、厚さが1.1mmで情報記録面13の反対面中心部に円形凹部15aを有するディスク状に成形する。円形凹部15aは後工程を経ることで中心孔15となるが、図1〜図3の中心孔15の垂直壁17は円形凹部15aの成形時に形成される。また、この成形の際に、成形金型内に配置されたスタンパ(図示省略)により情報記録面13に所定の微細な凹凸等を形成する。なお、成形樹脂として、ポリカーボネートに代えてアクリル、エポキシ等の樹脂を用いてもよい。
次に、ディスク状基体11の情報記録面13に機能層を形成する。例えば、光ディスク10が情報再生専用タイプの場合、機能層として反射層を情報記録面13に形成する。また、光ディスク10が情報の記録・再生可能なタイプである場合、機能層として反射層、記録層をこの順で情報記録面13に形成する。反射層はAl、Ag、Au等からなり、スパッタリング法、蒸着法等により形成できる。記録層は相変化材料、色素材料、光磁気材料等からなり、スパッタリング法、スピンコート法、蒸着法等により形成できる。
次に、図4(b)のように、ディスク状基体11の情報記録面13上に光透過層12をスピンコート法により形成する。即ち、基体11を水平に配置して回転駆動し、基体11の中心部に紫外線硬化性樹脂を上方から所定量供給し、樹脂に遠心力が作用することで樹脂が径方向外側に付勢されて情報記録面13全体に展延される。この後、紫外線照射により樹脂を硬化させることで、情報記録面13上に例えば厚さ0.1mmの平坦な光透過層12を形成する。
次に、ディスク状基体11の光透過層12の表面14に切り込みを形成する。即ち、図4(c)の破線のように、切り込み工具の刃部18aを凹部15aの垂直壁17に対応する位置で光透過層12の表面14に当接させた状態で基体11を回転させることにより光透過層12に円形の切り込み18を円形状に形成する。切り込み18の深さは光透過層12の厚さに達しない程度とする。
上記切り込み18の外周側の傾斜面は、図3の光ディスク10の傾斜面16に対応する。従って、刃部18aの外周側面18bの切り込み工具の垂直方向に対する傾斜角を変えることで、図1〜図3の光ディスク10の傾斜面16の傾斜角θ及び中心孔15の表面14側の直径d2を調整することができる。
次に、上記円形の切り込み18を打ち抜くことで中心孔を形成する。即ち、図4(d)のように、円形の打ち抜き工具19は、図1〜図3の光ディスクの中心孔15の直径と等しい外径の刃部19aを有する。この刃部19aを円形の切り込み18に一致するように打ち抜き工具19を表面14に対向させてから、打ち抜き工具19を表面14の方向に付勢し、光透過層12及び基体11を打ち抜く。
上記打ち抜きにより、基体11の凹部15aが貫通し、図1〜図3のように、基体11及び光透過層12の中心に中心孔15が形成された光ディスク10を得ることができる。
次に、図1〜図3の光ディスク10の記録再生装置への装着動作について図5を参照して説明する。図5(a)、(b)は、図1〜図3の光ディスクを記録再生装置に装着する動作を示す概略的な側断面図である。
図5(a)、(b)に示すように、記録再生装置は、光ディスク10を回転駆動するモータ5と、光ディスク10の中心孔15に嵌り込むクランプ軸6と、クランプ軸6が一体に設けられかつモータ5により回転されるクランプ台7と、光ディスク10を挟んでクランプ台7の反対側に位置するように配置されたクランプ押さえ部8と、クランプ押さえ部8を光ディスク10側に付勢するコイルばね等からなる付勢部材9と、を備える。クランプ軸6の先端面にはマグネット6aが設けられており、クランプ軸6が磁性材料からなるクランプ押さえ部8を吸引可能になっている。
図5(a)のように、図1〜図3の光ディスク10を記録再生装置に装着すると、光ディスク10が光透過層12側で駆動部材であるクランプ台7・クランプ軸6に対し相対的に接近し、図の破線のように、クランプ軸6が光ディスク10の中心孔15に接近し光透過層12側から嵌り込み始める。そして、図5(b)のように、クランプ軸6が光ディスク10の中心孔15に嵌り込むと、クランプ台7の反対側からクランプ押さえ部8が光ディスク10を中心孔15の近傍で付勢部材9により付勢されて押さえ付けかつマグネット6aがクランプ押さえ部8を吸引することで、クランプ台7が光ディスク10を中心孔15の近傍で固定しチャッキングする。かかるチャッキング状態でモータ5を回転させると、クランプ台7・クランプ軸6を介して光ディスクDが回転し、ピックアップ部(図素省略)で光ディスク10から情報を読み取る(再生)か、または、光ディスク10に情報を書き込む(記録)。
以上のように、第1の実施の形態の光ディスク10によれば、図1〜図3の光ディスク10を記録再生装置に装着し、クランプ軸6が光ディスク10の中心孔15に光透過層12側から嵌り込むとき、中心孔15が傾斜面16を有し光透過層12側の中心孔径d2が比較的大きいので、嵌り込み易くなり、中心孔15近傍の光透過層12にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側のクランプ台7・クランプ軸6によるチャッキング性を向上できる。
また、光ディスク10の中心孔15の傾斜面16内に基体11と光透過層12の境界が位置しないので、傾斜面16内で光透過層12の剥離が起きない。
〈第2の実施の形態〉
図6は第2の実施の形態による光ディスクの断面図である。図7は図6の光ディスクの中心孔近傍を拡大して示す要部断面図である。なお、図6,図7では、図1〜図3と同じ部分には、同じ符号を付し、その説明は省略する。
図6,図7に示すように、第2の実施の形態によるディスク状光記録媒体としての光ディスク20は、中心孔15近傍の光透過層12の表面14が凹むように形成され、リング状に段差面21が形成されている。段差面21が存在するので、中心孔15は光透過層12側の直径d3が反対側の径d1に比べて大きくなっている。
また、光透過層12の表面14と段差面21との高さh(図7)は、光透過層12の厚みとほほ同じになっているので、段差面21の位置が基体11と光透過層12との境界にほぼ一致している。このため、光透過層12が剥離し難くなっている。
また、図7の破線に示すように、段差面21と光透過層12との境界外周部22に基体11側に切り込み部23を設けることで、切り込み部23で光透過層12が基材11の切り込みで発生した樹脂で覆われるため光透過層12がより剥離し難くなり、好ましい。
中心孔15の光透過層12側の表面14における直径d3と段差面21以外における直径d1とは、(d3−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることが好ましい。(d3−d1)/2が0.1mm未満であると、チャッキングし難くなり、3mmを越えると、製造時に打ち抜いた光透過層12をはがし難くなる。
図6,図7の光ディスク20によれば、中心孔15が光透過層12側の表面14から凹むことで段差面21が存在し、光透過層12側の中心孔径d3が反対側の径d1に比べて大きいので、図5(a)、(b)と同様に、光透過層12側から装置側の駆動部材であるクランプ台7のクランプ軸6が中心孔15にはまり込むとき、はまり込み易くなり、中心孔15近傍の光透過層12にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できる。
〈第3の実施の形態〉
図8は第3の実施の形態による光ディスクの断面図である。図9は図8の光ディスクの中心孔近傍を拡大して示す要部断面図である。図10は図9の中心孔近傍を更に拡大して示す拡大要部断面図である。なお、図8〜図10では、図6,図7と同じ部分には、同じ符号を付し、その説明は省略する。
図8〜図10に示すように、第3の実施の形態によるディスク状光記録媒体としての光ディスク30は、中心孔15近傍の光透過層12の表面14から傾斜した傾斜面25と、傾斜面25の端部26から中心孔15の垂直壁17に向けて表面14にほぼ平行に延びるようにしてリング状に形成された段差面24と、を有する。光透過層12の表面14側に傾斜面25及び段差面24が存在するので、中心孔15は光透過層12側の直径d4が反対側の径d1に比べて大きくなっている。
また、光透過層12の表面14と段差面24との高さh(図9)は、光透過層12の厚みとほほ同じになっているので、段差面24の位置が基体11と光透過層12との境界にほぼ一致している。このため、光透過層12が剥離し難くなっている。
また、図10の破線に示すように、段差面24と傾斜面25との端部26に基体11側に切り込み部27を設けることで、切り込み部27で光透過層12が基材11の切り込みで発生した樹脂で覆われるため光透過層12がより剥離し難くなり、好ましい。
傾斜面25は、図9のように、垂直壁17との間でなす傾斜角γが45度以下であることが好ましく、45度を超えると、製造時に傾斜面を形成し難くなる。
中心孔15の光透過層12側の表面14における直径d4と段差面24及び傾斜面25以外における直径d1とは、(d4−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることが好ましい。(d4−d1)/2が0.1mm未満であると、チャッキングし難くなり、3mmを越えると、製造時に打ち抜いた光透過層12をはがし難くなる。
図8〜図10の光ディスク30によれば、中心孔15が光透過層12側の表面14に傾斜面25及び段差面24が存在し、光透過層12側の中心孔径d4が反対側の径d1に比べて大きいので、図5(a)、(b)と同様に、光透過層12側から装置側の駆動部材であるクランプ台7のクランプ軸6が中心孔15にはまり込むとき、はまり込み易くなり、中心孔15近傍の光透過層12にばり等の突き出し部が存在したとしても障害とならず、装置側の駆動部材によるチャッキング性を向上できる。
なお、図6,図7の光ディスク20及び図8〜図10の光ディスク30は、図4(a)乃至(d)と同様にして形成することができるが、光ディスク20、30の場合は、図11のように、円形の切り込み28を凹部15aよりも直径を大きくかつ光透過層12の厚みとほぼ同じ深さに形成する。なお、図7の切り込み部23及び図9の切り込み部27を形成する場合は、図11の切り込み28を光透過層12の厚みよりも深く形成する。
光ディスク20の場合は、図11において円形の切り込み28の外周側面28aを表面14に対しほぼ垂直になるように形成する。このため、切り込み工具の刃部において切り込み28の外周側面28aに対応する刃面を表面14に対しほぼ垂直な面にする。
光ディスク30の場合は、図11において円形の切り込み28の外周側面28aを表面14に対し傾斜するように形成する。このため、切り込み工具の刃部において切り込み28の外周側面28aに対応する刃面を表面14に対し傾斜した面にする。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、光ディスク10,20,30は、一方の面にだけ情報記録面を有する片面タイプであるが、本発明はこれに限定されず、両面に情報記録面を有する両面タイプでであってもよく、この場合は、両面に、傾斜面16または段差面21または傾斜面25及び段差面24を設けることで、片面タイプと同様に効果を得ることができる。
6 クランプ軸(装置側の駆動部材)
7 クランプ台(装置側の駆動部材)
10,20,30 光ディスク
11 ディスク状の基体
12 光透過層
13 情報記録面
14 光透過層の表面
15 中心孔
16 傾斜面
17 垂直壁
18 切り込み
21 段差面
22 境界外周部
23,27 切り込み部
24 段差面
25 傾斜面
θ,γ 傾斜角
d1 中心孔の直径
d2、d3,d4 表面14側の中心孔の直径
7 クランプ台(装置側の駆動部材)
10,20,30 光ディスク
11 ディスク状の基体
12 光透過層
13 情報記録面
14 光透過層の表面
15 中心孔
16 傾斜面
17 垂直壁
18 切り込み
21 段差面
22 境界外周部
23,27 切り込み部
24 段差面
25 傾斜面
θ,γ 傾斜角
d1 中心孔の直径
d2、d3,d4 表面14側の中心孔の直径
Claims (12)
- ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、
前記中心孔は、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きくなるように前記光透過層側の表面から傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面内に前記基体と前記光透過層の境界が位置しないように構成したことを特徴とするディスク状光記録媒体。 - 前記中心孔の垂直壁に対する前記傾斜面の傾斜角が5乃至45度の範囲内であり、
前記中心孔の前記光透過層の表面における径d2及び前記中心孔の前記傾斜面以外における径d1に関し、(d2−d1)/2が10μm乃至100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のディスク状光記録媒体。 - ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、
前記中心孔は、前記中心孔近傍の前記光透過層の表面が凹むことでリング状に形成された段差面を有し、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きいことを特徴とするディスク状光記録媒体。 - 前記段差面の外周に切り込み部を有することを特徴とする請求項3に記載のディスク状光記録媒体。
- 前記段差面の凹み深さは、前記光透過層の厚みとほぼ同じであることを特徴とする請求項3または4に記載のディスク状光記録媒体。
- 前記中心孔の前記光透過層の表面における径d3及び前記中心孔の前記前記段差面以外における径d1に関し、(d3−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることを特徴とする請求項3,4または5に記載のディスク状光記録媒体。
- ディスク状の基体と、前記基体の少なくとも一方の面上に形成された情報記録面と、前記情報記録面を覆う光透過層と、ディスク状の基体の中心に位置する中心孔と、を備えるディスク状光記録媒体であって、
前記中心孔は、前記中心孔の前記光透過層側の径が前記光透過層の反対側の径に比べて大きくなるように前記光透過層側の表面から傾斜した傾斜面と、前記傾斜面の前記中心孔内の端から前記光透過層の表面と略平行に前記中心孔の垂直壁まで延びる段差面と、を有することを特徴とするディスク状光記録媒体。 - 前記傾斜面と前記段差面との境界近傍に切り込み部を有することを特徴とする請求項7に記載のディスク状光記録媒体。
- 前記傾斜面と前記段差面との境界近傍に前記基体と前記光透過層の境界が位置することを特徴とする請求項7または8に記載のディスク状光記録媒体。
- 前記中心孔の垂直壁に対する前記傾斜面の傾斜角が45度以下であり、
前記中心孔の前記光透過層の表面における径d4及び前記中心孔の前記傾斜面及び前記段差面以外における径d1に関し、(d4−d1)/2が0.1mm乃至3mmの範囲内であることを特徴とする請求項7,8または9に記載のディスク状光記録媒体。 - 前記傾斜面の前記垂直壁方向の深さが10μm乃至100μmの範囲内であることを特徴とする請求項10に記載のディスク状光記録媒体。
- 前記ディスク状光記録媒体が記録及び再生の少なくとも一方を行う装置に装着されたとき、前記装置側の駆動部材が前記光透過層側から前記中心孔に対し係合することで前記ディスク状光記録媒体がチャッキングされるようになっていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のディスク状光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004148428A JP2005302249A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | ディスク状光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004148428A JP2005302249A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | ディスク状光記録媒体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005302249A true JP2005302249A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35333535
Family Applications (1)
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JP2004148428A Pending JP2005302249A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | ディスク状光記録媒体 |
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JP (1) | JP2005302249A (ja) |
-
2004
- 2004-04-14 JP JP2004148428A patent/JP2005302249A/ja active Pending
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