JPH10334518A - 光ディスク及びスタンパー - Google Patents

光ディスク及びスタンパー

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JPH10334518A
JPH10334518A JP9139696A JP13969697A JPH10334518A JP H10334518 A JPH10334518 A JP H10334518A JP 9139696 A JP9139696 A JP 9139696A JP 13969697 A JP13969697 A JP 13969697A JP H10334518 A JPH10334518 A JP H10334518A
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JP
Japan
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stamper
optical disk
substrate
diameter
disk substrate
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JP9139696A
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English (en)
Inventor
Masato Terada
正人 寺田
Masaru Kobayashi
賢 小林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板複屈折が小さく、また機械精度に優れた
基板厚さ0.6mmの光ディスク基板を提供する。 【解決手段】 内径サイズが22mmφより大きく34
mmφより小さいスタンパーを用いて射出成形し、円盤
状プラスチック基板に形成される内周スタンパーホルダ
ーの爪部跡である周溝または段差の直径が22mmφよ
り大きく34mmφより小さい範囲に設定された光ディ
スクを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザービーム等によ
り情報を記録、再生、消去できる光ディスクに関するも
ので、基板の厚さが0.6mmという薄い基板におい
て、基板複屈折が小さく、また機械的精度に優れた光デ
ィスクおよび光ディスク基板製造用スタンパーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、高密度で大容量であるこ
とから注目され、これまでにも様々な用途で使用されて
いる。例えば、再生専用の光ディスクとしては、コンパ
クトディスクやデータ再生専用のCD−ROM等があ
り、音楽分野、コンピュータ分野、ゲーム分野等におい
て広く使用されている。また、一回だけ記録可能な追記
型光ディスクは、文書ファイリングシステム、データフ
ァイリングシステム等で特にデータのセキュリティが重
要視される分野で利用されている。
【0003】さらに、記録された情報の消去と再記録が
できる書換え可能型光ディスクは、データの修復や更新
が可能であるとともに、書換えによって繰り返し使用で
きるため、光ディスクの用途拡大に貢献するものとして
期待される。このような書換え可能型光ディスクとして
は、これまでに光磁気型光ディスクや相変化型光ディス
クが実用化されており、データファイル等に使用されて
いる。特に、相変化型光ディスクは、温度変化により結
晶質と非晶質との間で可逆的に相変化する記録材料を用
いて、情報の記録、消去を行うもので、レーザビームの
パワーを変化させるだけで古い情報を消去しながら同時
に新しい情報を記録するオーバーライトが容易であり注
目されている。
【0004】近年、光ディスク基板としては、DVD
(ディジタル・ビデオ・ディスク)に代表されるよう
に、ディスク基板の厚さ0.6mmという薄肉基板が主
流になりつつある。これは光ディスクの高密度化に当た
り、レーザビームスポット径を小さくする必要があるた
め、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を0.
6程度に大きくすることで対応している。
【0005】一方、光ディスクの傾き角(Tilt)に
対する収差の影響は、ディスク基板の厚さと(NA)3
に比例して大きくなるため、この収差を小さくする方法
として、ディスク基板の薄板化がある。例えば、従来の
CDなどで使われている1.2mmのディスク基板にお
いてはNAを0.6とするとディスクの傾き角が4mr
ad程度しか許容できず、実際の使用環境あるいは生産
性等を考慮すると現実的ではない。この問題を解決する
方法として、例えば0.6mmのディスク基板を用いた
場合には、NAが0.6においてもディスクの傾き角が
8mrad程度まで許容できるようになり、十分実用的
に使用可能な範囲となる(T.Sugaya et a
l.:Jpn.J.Appl.Phys.32(199
3)5402.、T.Ohta et al.:Jp
n.J.Appl.Phys.32(1993)521
4.)。
【0006】しかしながら、プラスチック基材の強度は
基材の厚さと関係があり(剛性は厚さの3乗に反比例す
る)、基材の薄板化に伴い基材の強度は低下する傾向が
ある。このため、ポリカーボネート等のプラスチック基
材を用いる光ディスクにおいては、例えば成膜中に発生
する熱の影響や、基板上に形成した薄膜の応力の影響等
により、ディスク基板に局所的な歪みが発生し、良好な
機械精度が得られないという問題があった。
【0007】このような問題を改善する手段として、本
発明者らは、基板の面内に応力が発生している成膜部と
発生していない未成膜部が存在しているため、成膜部と
内側未成膜部との境界に応力が集中して歪を発生させて
いることを見出し、この観点に基づき、ディスク基板上
に形成される薄膜の応力に応じて、内周側の未成膜領域
の外径を35mm以下にする方法を提案している(特開
平9−35328号公報参照)。
【0008】通常の光ディスクでは、ディスク基板上に
形成する薄膜の最表面に紫外線硬化樹脂を塗布して、薄
膜を保護することが行われる。また、射出成形で作製さ
れる一般的なディスク基板には、ディスク基板の中心穴
より少し外側にスタンパーの内径サイズに起因する、ス
タンパー内径サイズとほぼ同じ直径の周溝あるいは段差
(スタンパーを固定するスタンパー押さえの爪部跡)が
形成される。従来、この周溝の大きさは35mmφ以上
に設定されているのが一般的であった。
【0009】周溝の大きさが35mmφ以上にある透明
基板上に、成膜中に発生する熱や薄膜の応力による基板
の局所的歪みを緩和する目的で内周側の未成膜領域の外
径を35mmより小さくした場合、前述の紫外線硬化樹
脂による薄膜の保護コートは少なくとも薄膜全体を覆う
必要があるため、紫外線硬化樹脂の塗布範囲にスタンパ
ー内径サイズに起因する周溝あるいは段差が存在する事
態となる。こうした場合、この周溝あるいは段差の影響
を受けて塗布厚を一定にコントロールし難い、ディスク
面内で塗布厚を均一にし難い、あるいは泡が入り込んだ
り、放射状のスジが入るなど塗布状態に問題があった。
【0010】また、近年の大容量化に伴い、記録に使わ
れるユーザー領域が 内周側、外周側ともに拡大される
傾向にある。内径サイズが35mmφ以上の従来スタン
パーでは、スタンパー内径サイズに起因する周溝あるい
は段差と、記録領域との間隔が狭く、例えば、スタンパ
ーを識別するナンバーを刻印する充分なスペースを確保
出来ない、あるいは、将来のさらなる大容量化に際して
内周側への記録領域拡大が充分図れないといった問題が
あった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に着目してなされたものであり、ディ
スク基板に求められる複屈折などの悪化を来すことな
く、さらに成膜による基板歪みを低減すべく、光ディス
クの内周側の未成膜領域を小さくした場合でも、紫外線
硬化樹脂による保護コートを良好に行うことができ、保
護コートの塗布ムラ等の不具合による機械特性を悪化さ
せない光ディスク基板を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、下記の発明を提供する。 (1)内径サイズが22mmφより大きく34mmφよ
り小さいことを特徴とする光ディスク基板製造用スタン
パー。 (2)上記(1)記載の光ディスク基板製造用スタンパ
ーを用いて射出成形した、厚さ0.6mmの円盤状のプ
ラスチック基板上に、少なくとも光照射により光学定数
が変化して情報の記録および消去が行われる記録層を有
した光ディスクであって、該円盤状のプラスチック基板
に形成された内周スタンパーホルダーの爪部跡である周
溝または段差の直径が22mmφより大きく34mmφ
より小さいことを特徴とする光ディスク。 (3)光ディスクの内周側に存在する未成膜部の外径
a、薄膜を保護する紫外線硬化樹脂からなる保護コート
の塗布内径b、および内周スタンパーホルダーの爪部跡
である周溝または段差の直径cの位置関係が、 a>b≧c を満足することを特徴とする請求項2記載の光ディス
ク。 (4)一対の基板を記録層を施した面を内側にして貼り
合わせた上記(2)または(3)記載の光ディスク。
【0013】本発明者らは、本発明を完成する前に、光
ディスクの内側未成膜部の直径として、全応力が0.7
5N/m程度である薄膜を、厚さ0.6mmのディスク
基板上に積層した場合、内側未成膜部の直径を35mm
以下とすることにより基板に生じる歪みが抑えられてフ
ォーカス加速度を小さくすることができ、さらに前記未
成膜部の直径を32mm以下にするとより好ましいこと
を見出していた。
【0014】すなわち、本発明は、こうした光ディスク
基板に生じる歪みを抑制するために内周未成膜部の直径
を35mm以下と小さくした場合でも、スピンコートな
どによって紫外線硬化樹脂などによる保護コートを均一
に行うために、スタンパーサイズに起因する周溝あるい
は段差の直径を内側未成膜部分の直径より小さく形成す
るものである。
【0015】従って、内周スタンパーホルダーの爪部跡
である周溝あるいは段差の直径は34mmより小さくす
るのが良い。これらの直径を内側未成膜部の直径より小
さくしているのは、光ディスク基板上に形成した薄膜の
紫外線硬化樹脂による保護を完全に行うという点からで
あり、より好ましくは、周溝あるいは段差の直径として
30mm以下に設定するのが良い。
【0016】また、スタンパー内径を34mmより小さ
くすることで、例えば、記録領域より内側に、スタンパ
ー種を識別するナンバーやバーコードなどをスタンパー
に刻印できる充分なスペースを確保できる。通常の光デ
ィスクでは、データ領域より内側からスタンパー内径ま
でが、識別ナンバー等を刻印できる領域となるが、この
範囲には、通常、フォーカス引き込みを容易にする目的
や、基準となる反射光量をモニターする目的で凹凸の無
いミラー領域が設けられたり、あるいは前述のスタンパ
ー識別コードが設けられたりする。現状の光ディスクで
は、直径42mmより外側をデータ領域として使用する
のが一般的であり、内径サイズが35mm以上の従来ス
タンパーでは、3.5mm以下の間隔にミラー領域や識
別コードを設ける必要があり、充分な大きさの文字やバ
ーコードを刻印するのに制限があった。こうした問題に
対しても、スタンパー内径を34mmより小さくするこ
とで、充分なスペースを確保できるようになり、スタン
パー種の管理をはじめ、刻印された成形基板の管理、混
入防止等を容易に行なえるようになる。
【0017】一方、周溝あるいは段差の直径(スタンパ
ー押さえの爪部跡)の大きさは小さすぎても支障を来た
す。この爪部はスタンパー中心穴を固定するため、通常
0.2mm程度の厚さを持つ。従って、ディスク成形基
板上で爪部跡に相当する周溝部分の厚さは、0.6mm
厚基板の場合0.4mm程度の厚さとなり、爪部部分が
成形におけるゲートの働きをする。このゲート作用を持
つスタンパー押さえの爪部の直径が22mmφ以下にな
ると、キャビティ内に充填された溶融樹脂のバックフロ
ーが大きくなり、内周側の複屈折が大幅に悪化してしま
い、特に情報の記録および消去がなされる記録層を有す
る光ディスクでは好ましくない。
【0018】また、スタンパーを固定する爪部の大きさ
の下限は、光ディスク基板を射出成形する金型構成から
も決まってくる。第1図に金型の基本構造の説明図を示
す。第1図において、スタンパー1を保持、固定する内
周スタンパー押え2の内側に構成すべき部品として、金
型固定側にスタンパーを設置する場合、型の中心よりス
プルーを形成するスプルーブッシュ3、雌カッターとな
る固定側ブッシュ4がある。また、金型可動側にスタン
パーを設置する場合、型の中心よりスプルーを抜き出す
エジェクトピン5、ゲートカットする雄カッター6、基
板を型から抜き出すエジェクター7が最低必要である。
ここで、基板の内径は15mmφと規定されるため、固
定側ブッシュ4とエジェクター7の内径は15mmφと
なる。これら、固定側ブッシュ4およびエジェクター7
は部品強度を確保するため、1.5mm以上の厚さから
なるのが望ましい。また、固定側ブッシュ4あるいはエ
ジェクター7はの外側に設置する内周スタンパー押え2
の全厚は、爪部の厚さを含めて2mm以上からなるのが
望ましい。これらより、内周スタンパー押え2を固定
側、可動側のいずれに設置する場合も内周スタンパー押
えの爪部の外径は、 15mmφ+(1.5mm+2mm)×2=22mmφ より大きく設定することが好ましい。。
【0019】本発明の光ディスクは、片面に少なくとも
一層の薄膜が形成されている二枚の光ディスク基板を、
薄膜形成面同士を対向させて貼り合わせた状態で使用す
るものであることが好ましい。すなわち、内側の未成膜
部領域を小さくすることにより基板歪みは低減される
が、反り(チルト)が生じる場合があり、前述のような
貼り合わせ構造とすればこの反りを矯正することができ
る。
【0020】本発明の光ディスクにおいて、基板上に形
成される薄膜の構成についての制限はなく、例えば、通
常の相変化型光ディスクおよび光磁気ディスクで用いら
れる様な積層構造とすることができる。本発明におい
て、光ディスク基板に使用できるプラスチック材料とし
ては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリスチレン樹脂等を挙げることができるが、光
学的特性および強度の面からポリカーボネート樹脂を用
いることが好ましい。
【0021】また、薄膜の形成方法の基本的な点につい
ては特に制限はなく、公知の方法、例えば真空蒸着、ス
パッタリング、イオンビームスパッタリング、イオンビ
ーム蒸着、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、プ
ラズマ重合等の方法から、適宜採用することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を具体的
な実施例により説明する。
【0023】
【実施例1および比較例1】以下のようにして、スタン
パー内径サイズに起因す周溝(スタンパー内周部を保持
し固定する内周スタンパー押さえの爪部跡)の直径が異
なる2種類に光ディスク成形基板を作製した。ポリカー
ボネート樹脂(帝人化成製パンライトAD5503)を
用いて射出成形により、中心穴径(内径)15mm、外
径120mm、厚さ0.6mmの円盤状の光ディスク基
板の成形を行った。この時、実施例1では、内径サイズ
29.0mmのスタンパー及び内径29.0mmに合致
した内周スタンパー押さえを持つ金型を用いて射出成形
を行い、また比較例1では、内径サイズ21.0mmの
スタンパー及び内径21.0mmに合致した内周スタン
パー押さえを持つ金型を用いて行った。
【0024】成形条件は、可塑化温度360℃、金型温
度125℃とし、実施例1および比較例1とも同一条件
とした。こうして得た光ディスク成形基板の複屈折を評
価した。測定は、(株)溝尻光学製のエリプソメーター
を用いて行い、半径位置23mm、シングルパスとし
た。表1に複屈折の測定値を示す。
【0025】
【表1】
【0026】スタンパーの内径サイズによって、内周側
の複屈折が大幅に異なる結果が得られた。比較例1の内
径21.0mmのスタンパーにて成形した、直径21m
mに周溝を持つディスク基板の内周複屈折は、大幅に悪
化しており、記録・消去を行う光ディスクの成形基板と
しては好ましくない。
【0027】
【実施例2および比較例2】以下のようにして、スタン
パー内径サイズに起因する周溝(スタンパー内周部を保
持し固定する内周スタンパー押さえの爪部跡)の直径が
異なる2種類の貼り合わせタイプの相変化型光ディスク
を作製した。まず、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製
パンライトAD5503)を用いて射出成形により、中
心穴径(内径)15mm、外径120mm、厚さ0.6
mmの円盤状の光ディスク基板の成形を行った。この
時、実施例2では、内径サイズ29.0mmのスタンパ
ー及び内径29.0mmに合致した内周スタンパー押さ
えを持つ金型を用いて射出成形を行い、また比較例2で
は、内径サイズ37.4mmのスタンパー及び内径3
7.4mmに合致した内周スタンパー押さえを持つ金型
を用いて行った。
【0028】こうして、スタンパー内径サイズに起因す
る周溝の直径が異なる2種類の透明基板の上に、ZnS
-SiO2薄膜からなる下層保護層、SbTeGe合金薄
膜からなる記録層、次いでZnS−SiO2薄膜からな
る上層保護層、さらにAl合金薄膜からなる反射層を順
次スパッタリング成膜法により積層した。この成膜時に
は、第2図に示すように、基板8を上側から中心穴9に
はめ込む内周マスク10と、縁部全体を上側から覆う外
周マスク11とで支持し、上側に薄膜を形成した。内周
マスク10で覆われた内周部と外周マスク11で覆われ
た縁部は、薄膜が形成されない未成膜部12、13とな
り、両未成膜部の間が成膜部14となるが、今回、内周
マスクの直径を30mmとしたため、内側の未成膜部1
2の直径は、内周マスクの直径と同じく30mmとし
た。
【0029】そして、反射層の表面に紫外線硬化樹脂を
スピンコート法で塗布し、硬化させることにより保護コ
ート層を形成した。紫外線硬化樹脂による保護コートの
範囲は、成膜された薄膜を完全に保護するため、成膜部
7の内側から行い、直径29mmから外側を保護コート
した。この時、実施例2では、保護コートを塗布する範
囲に障害となるような凹凸が存在しない為、塗布状態の
外観に泡が入り込んだり、スジが発生するような不良は
なかった。一方、比較例2では、塗布範囲にスタンパー
内径サイズに起因す周溝が存在するため、この周溝の影
響を受けて泡やスジの発生がみられた。
【0030】次いで、こうして作製した片面ディスクの
貼り合わせを行った。貼り合わせにおける接着剤として
は、カチオン重合硬化樹脂(ソニーケミカル製SK−7
000)を使用した。この接着剤は、スクリーン印刷法
で塗布するのに適した粘性の液状接着剤であり、遅効性
の光硬化型接着剤である。すなわち、光ディスク基板の
内径サイズより大きく外径サイズより小さいドーナツ状
のメッシュ面を有するスクリーン版を使用し、保護コー
ト上に前述のカチオン重合硬化樹脂をスクリーン印刷法
で塗布した。そして、接着剤の塗布面に、メタルハライ
ドランプを用いて、ディスク面全体に紫外線を照射した
後、この上にもう一枚同様のプロセスを経た片面ディス
クを接着剤同士を向かい合わせてプレスし、貼り合わせ
タイプの相変化型光ディスクを作製した。
【0031】第3図に、実施例2で作製したサンプルの
スタンパー内径サイズに起因する周溝および成膜部の位
置関係を表す概略正面図を示す。また、第4図には、比
較例2で作製したサンプルのスタンパー内径サイズに起
因する周溝および成膜部の位置関係を表す概略正面図を
示す。このようにして得られた各相変化型光ディスクに
ついて、(株)小野測器製の光ディスク機械特性測定装
置LM−2100を用いて、半径24mmにおけるフォ
ーカス加速度を測定した。この装置は、レーザ光の波長
680nm、対物レンズのNA=0.6である。また、
測定時の線速は6m/sとした。
【0032】ここで、フォーカス加速度は、光ディスク
のフォーカス方向の変位の瞬時加速度であり、ディスク
面内における瞬時加速度の最大値が代表として使用され
る。表2に、フォーカス加速度の測定値(代表値)を示
す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例2のフォーカス加速度悪化原因を調
査すると、成膜した薄膜上に紫外線硬化樹脂を保護コー
トした際に、スタンパー内径サイズに起因する周溝が障
害となってできたスジが発生した箇所でフォーカス加速
度が悪化していた。保護コートのスジ(厚さの部分的盛
り上がり)が貼り合わせによって干渉しあい、精度の悪
化に繋がったものと考えれる。
【0035】上記の結果より、紫外線硬化樹脂からなる
保護コートの塗布範囲がスタンパーの内径サイズに起因
する周溝より外側であることが好ましく、この周溝の直
径を内側未成膜部分の直径より小さくすることにより、
保護コートの塗布状態が良好で貼り合わせ後の機械特性
も良好な光ディスクが得られた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、厚さ0.6mmの円盤
状プラスチック基板上に、少なくとも光照射により光学
定数が変化して情報の記録および消去がなされる記録層
が形成された光ディスク媒体において、スタンパー内径
サイズに起因する内周スタンパー押さえの爪部跡の直径
を22mmφより大きく34mmφより小さくすること
で、基板複屈折が小さく、かつ、成膜時の熱や応力によ
る基材の変形を抑える目的や、さらに内周側に記録領域
を拡げる目的で内周側に成膜領域を拡大した場合でも、
紫外線硬化樹脂からなる保護コートの塗布範囲をスタン
パー押さえの爪部跡より外側でとすることで、機械精度
のよい光ディスクを提供することができる。
【0037】さらに、スタンパー内径を34mmφより
小さくすることで、例えば、スタンパー種を識別するナ
ンバーやバーコードなどをスタンパーに刻印できる充分
なスペースを確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、成形に使用される金型の基本構造を
表す説明図である。
【図2】第2図は、成膜装置内で光ディスクの基板を支
持する内周マスクおよび外周マスクを示す概略断面図で
ある。
【図3】第3図は、本発明の実施例2で作製したサンプ
ルのスタンパー内径サイズに起因する周溝および成膜部
の位置関係を表す概略正面図を示す。
【図4】第4図は、版発明の比較例2で作製したサンプ
ルのスタンパー内径サイズに起因する周溝および成膜部
の位置関係を表す概略正面図を示す。
【符号の説明】
1 スタンパー 2 内周スタンパー押え 3 スプルーブッシュ 4 固定側ブッシュ 5 エジェクトピン 6 雄カッター 7 エジェクター 8 ディスク基板 9 中心穴 10 内周マスク 11 外周マスク 12 内側未成膜部 13 外側未成膜部 14 成膜部 15 周溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径サイズが22mmφより大きく34
    mmφより小さいことを特徴とする光ディスク基板製造
    用スタンパー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ディスク基板製造用ス
    タンパーを用いて射出成形した、厚さ0.6mmの円盤
    状のプラスチック基板上に、少なくとも光照射により光
    学定数が変化して情報の記録および消去が行われる記録
    層を有した光ディスクであって、該円盤状のプラスチッ
    ク基板に形成された内周スタンパーホルダーの爪部跡で
    ある周溝または段差の直径が22mmφより大きく34
    mmφより小さいことを特徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】 光ディスクの内周側に存在する未成膜部
    の外径a、薄膜を保護する紫外線硬化樹脂からなる保護
    コートの塗布内径b、および内周スタンパーホルダーの
    爪部跡である周溝または段差の直径cの位置関係が、 a>b≧c を満足することを特徴とする請求項2記載の光ディス
    ク。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002098671A3 (en) * 2001-06-06 2003-11-27 Spectra Systems Corp Marking and authenticating articles
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