JP2005250212A - ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 250nm以下、特に露光光源がF2エキシマレーザー光(157nm)である場合に好適なポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。具体的には157nmの光源使用時に十分な透過性を示し、且つPEB時間依存性が小さく、露光ラチチュードが大きいポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】(A)フッ素原子及び脂環構造を有する特定の基を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有する、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)酸の作用により水を発生する化合物、
(D)溶剤
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、超LSI、高容量マイクロチップの製造などのマイクロリソグラフィープロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物に関する。更に詳しくは、250nm以下の真空紫外光を使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型レジスト組成物に関する。
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては、クオーターミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される露光光源の短波長化が知られている。
例えば64Mビットまでの集積度の半導体素子の製造には、現在まで高圧水銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。この光源に対応するポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物を含む組成物が、数多く開発され、0.3μm程度までの線幅の加工においては十分な成果をおさめてきた。また256Mビット以上の集積度の半導体素子の製造には、i線に代わりKrFエキシマレーザー光(248nm)が露光光源として採用されてきた。
更に1Gビット以上の集積度の半導体製造を目的として、近年、より短波長の光源であるArFエキシマレーザー光(193nm)の使用、更には0.1μm以下のパターンを形成する為にF2エキシマレーザー光(157nm)の使用が検討されている。
これら光源の短波長化に合わせ、レジスト材料の構成成分及びその化合物構造も大きく変化している。
KrFエキシマレーザー光による露光用のレジスト組成物として、248nm領域での吸収の小さいポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とし酸分解基で保護した樹脂を主成分として用い、遠紫外光の照射で酸を発生する化合物(光酸発生剤)を組み合わせた組成物、所謂化学増幅型レジストが開発されてきた。
また、ArFエキシマレーザー光(193nm)露光用のレジスト組成物として、193nmに吸収を持たない脂環式構造をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した酸分解性樹脂を使用した化学増幅型レジストが開発されてきている(例えば、特許文献1参照)。
2エキシマレーザー光(157nm)に対しては、上記脂環型樹脂においても157nm領域の吸収が大きく、目的とする0.1μm以下のパターンを得るには不十分であることが判明し、これに対し、フッ素原子(パーフルオロ構造)を導入した樹脂が157nmに十分な透明性を有することが報告され(例えば、非特許文献1参照)、有効なフッ素樹脂の構造が提案され(例えば、特許文献2及び非特許文献2〜4参照)、フッ素含有樹脂を含有するレジスト組成物の検討がなされてきている(例えば、特許文献3及び4参照)。
また、特許文献5〜7は、酸などの作用により水を発生する化合物を含有するレジスト組成物を開示している。
しかしながら、F2エキシマレーザー光露光用のフッ素樹脂を含有するレジスト組成物は、PEB時間依存性が大きく、露光ラチチュードが小さいという問題があり、これらの解決が望まれている。
PEB時間依存性は露光後の熱処理時間の変動によるパターン幅の変動を示す指標であ
り、露光ラチチュードとは露光量の変動によるパターン幅の変動の指標である。
特開2003−43690号公報 国際公開00/17712号パンフレット 特開2002−6501号公報 特開2002−15298号公報 特開2002−351062号公報 特開平11−282167号公報 特開平11−307524号公報 国際光工学会紀要 (Proc. SPIE), 1999年, Vol.3678, 13頁 国際光工学会紀要(Proc. SPIE), 2000年, Vol.3999, 330頁 国際光工学会紀要(Proc. SPIE), 2000年, Vol.3999, 357頁 国際光工学会紀要(Proc. SPIE), 2000年, Vol.3999, 365頁
本発明は、250nm以下、特に露光光源がF2エキシマレーザー光(157nm)である場合に好適なポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。具体的には157nmの光源使用時に十分な透過性を示し、且つPEB時間依存性が小さく、露光ラチチュードが大きいポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法の提供を目的とする。
上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が以下の特定の組成物によって達成されることを見出し、本発明に到達した。
(1)(A)下記一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有する、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)酸の作用により水を発生する化合物、
(D)溶剤
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
一般式(I)中、
1〜R6は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。ただし、R1〜R6の少なくとも1つは水素原子ではない。また、R1〜R6に連結している炭素原子は、R1〜R6のいずれか一つを有する代わりに連結基を介し、又は介さずに該樹脂の主鎖に連結していてもよい。
1及びX2は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Zは、少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する1価の有機基である。
(2) 一般式(I)に於けるZの環状炭化水素構造が、少なくとも1つの橋かけ構造を有する脂環炭化水素構造であることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(3) 一般式(I)に於けるZの有機基が、少なくとも1つのフッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4) 一般式(I)に於けるZの環状炭化水素構造が、ノルボルナン環又はアダマンタン環であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
好ましい態様として、更に以下の構成を挙げることができる。
(5) 一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位が、下記一般式(IA)〜(IC)で表される繰り返し単位の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(IA)〜(IC)中、
1〜R6、X1、X2、及びZは一般式(I)のそれらと同義である。
mは、0又は1を表す。
10は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
lは、0又は1を表す。
(6) 酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂が、下記一般式(II)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(II)中、
1〜R6は一般式(I)のそれらと同義である。
21は、水素原子、又は、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。
Wは、6〜30個の炭素原子を有する有機基を表す。
nは、0〜4の整数を表す。
(7) 酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂が、下記一般式(III)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(III)中、
1〜R6は一般式(I)のそれらと同義である。
31は、水素原子、又は、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。
Wは、6〜30個の炭素原子を有する有機基を表す。
nは、0〜4の整数を表す。
(8) (C)酸の作用により水を発生する化合物が、酸の作用により水を発生後、付加反応及び/又は極性変換を起こす化合物であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(9) (C)酸の作用により水を発生する化合物が、芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する二級又は三級アルコール構造を有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(10) (C)酸の作用により水を発生する化合物が、芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコール構造を有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(11) 上記(1)〜(10)のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
本発明により、157nmに十分な透明性を有し、PEB時間依存性が小さく、露光ラチチュードが大きいポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また、−C(R123)又は−CR123は、炭素原子にR1〜R3の各々で表される基が単結合で結合している基を意味する。
〔1〕(A)酸の作用により分解してアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂
本発明の化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、下記一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解してアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂(以下、「樹脂(A)」ともいう)を含有する。
一般式(I)中、
1〜R6は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。ただし、R1〜R6の少なくとも1つは水素原子ではない。また、R1〜R6に連結している炭素原子は、R1〜R6のいずれか一つを有する代わりに連結基を介し、又は介さずに該樹脂の主鎖に連結していてもよい。
1及びX2は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Zは、少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する、1価の有機基である。
1〜R6のフルオロアルキル基とは、少なくとも1つの水素原子がフルオロ化されたアルキル基をいい、炭素数1〜6個のものが好ましく、炭素数1〜3個のものが更に好ましい。フルオロアルキル基の具体例としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基等を挙げることができる。特に好ましいものはトリフルオロメチル基である。
1〜R6のフルオロアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
1〜R6は、好ましくはフッ素原子である。
一般式(I)において、R1及びR2に連結している炭素原子は、R3に連結する代わりに直接又は連結基を介して該樹脂の主鎖に連結していてもよい。この場合、連結基としては、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜3、例えばメチレン基)を挙げることができる。
1及びX2のアルキル基としては、炭素数1〜6個のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3個のアルキル基が更に好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。
1及びX2は、好ましくは水素原子である。
Zの環状炭化水素構造としては、例えば、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環構造等が挙げられる。Zの環状炭化水素構造として、好ましくは、少なくとも1つの橋かけ構造を有する脂環炭化水素構造である。具体的には下記の様な環構造が挙げられる。
少なくとも1つの橋かけ構造を有する脂環炭化水素構造の好ましい例として、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基等の脂環炭化水素基を挙げることができる。より好ましくは、
アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基である。
これらの脂環炭化水素構造は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜6個のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子等が挙げられる。
アルコキシ基(アルコキシカルボニル基のアルコキシ基も含む)としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
Zで表される、少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する1価の有機基は、脂環炭化水素構造自体であってもよいし、或いは脂環炭化水素構造と、直鎖状又は分岐状アルキレン基、オキシ基等とを結合したものであってもよい。直鎖状又は分岐状アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができる。直鎖状又は分岐状アルキレン基は、フッ素原子、フッ素原子で置換されたアルキル基等を置換基として有していてもよい。
Zで表される、少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する、1価の有機基は、少なくとも1つのフッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を有すると、157nmの吸収を下げることができ、好ましい。フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基は、脂環炭化水素構造及び/又はアルキレン基に直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。フッ素原子で置換されたアルキル基としては、R1〜R6のフルオロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
一般式(I)で表される部分構造に於いて、−C(X12)−O−Z基は、酸の作用により分解する基(酸分解性基)であり、酸の作用により、−C(X12)−O−Z基が分解して親水性のヒドロキシル基が形成されることにより、樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ性現像液への溶解性が増大する。
一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位としては、例えば、次の一般式(IA)〜(IC)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(IA)〜(IC)中、R1〜R6、X1、X2及びZは、一般式(I)のそれらと同義である。mは、0又は1を表す。R10は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表す。nは、1〜5の整数を表す。lは、0又は1を表す。
以下、一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂(A)として、下記一般式(II)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を含有することも好ましい。
一般式(II)中、R1〜R6は一般式(I)のそれらと同義である。
21は、水素原子、又は、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。
Wは、6〜30個の炭素原子を有する有機基であり、フッ素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
nは、0〜4の整数を表す。
21のアルキル基は、炭素数1〜4個のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基等を挙げることができる。
Wの有機基は、6〜30個、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する有機基であり、例えば、直鎖状もしくは分岐状アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、アシル基(好ましくは炭素数1〜12)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5)等を挙げることができる。
この有機基の中には、フッ素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
nは、0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2である。
なお、Wで表される有機基が少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する場合、一般式(II)で表される部分構造は、一般式(I)で表される部分構造である。
本発明において、一般式(II)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位としては特に限定されないが、好ましい繰り返し単位として下記一般式(IIA)〜(IID)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式中、R1〜R6、R21、W、及び、nは、上記一般式(II)のそれらと同義である。mは1または2を表す。環Aはベンゼン環またはシクロヘキサン環を表す。R20は、水素原子、メチル基、フッ素原子、トリフルオロメチル基またはシアノ基を表す。Bは2価の連結基を表す。
2価の連結基とは、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基若しくはアリーレン基又は−O−CO−R22a−、−CO−O−R22b−、−CO−N(R22c)−R22d−を表す。R22a、R22b及びR22dは、同じでも異なっていてもよく、単結合又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基若しくはウレイド基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基若しくはアリーレン基を表す。R22cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
アルキレン基としては、直鎖状及び分岐状アルキレン基を挙げることができ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
アリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
Bで表される2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を有する基が特に好ましい。
本発明において、上記した部分構造は、下記一般式(III)で表されるのが好ましい。
一般式(III)中、R1〜R6、W、及び、nは、上記一般式(II)のそれらと同義であり、R31は一般式(II)のR21と同義である。。
なお、一般式(III)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位は、一般式(II)で表される側鎖を有する繰り返し単位の好ましい例である。また、一般式(III)のWで表される有機基が少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する場合には、一般式(III)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位は、一般式(I)で表される側鎖を有する繰り返し単位の好ましい例である。
以下、前記一般式(II)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位の好ましい具体例(II−1)〜(II−32)を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の樹脂(A)は、上記した特定の部分構造を側鎖に有する繰り返し単位以外に、他の繰り返し単位を1種又は2種以上含有していてもよい。他の繰り返し単位としては、例えば下記一般式(IV)〜(VII)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(IV)中、R41〜R46は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。但し、R41〜R46の全てが同時に水素原子を表すことはない。X4は、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。mは、0又は1を表す。
一般式(V)中、R5aは、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。mは、0又は1を表す。
一般式(VI)中、R6aは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はトリフルオロメチル基を表す。R61〜R66は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。但し、R61〜R66の全てが同時に水素原子を表すことはない。X6は、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。nは、1〜5の整数を示す。nが2以上である場合に、2つ以上あるR61〜R66及びX6は、同じでも異なっていてもよい。
一般式(VII)中、R41〜R46及びX4は、一般式(IV)中のそれらと同義である。lは、0又は1を表す。
一般式(IV)〜(VII)で表される繰り返し単位について、下記に詳しく説明する。
一般式(IV)において、R41〜R46のフルオロアルキル基としては、一般式(I)に於けるR1〜R6としてのフルオロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
4の酸の作用により分解する基としては、例えば−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−COO−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)COO−C(R36)(R37)(R38)等が挙げられる。
36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01、R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でのよい。単環型としては、炭素数3〜8個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基としては、炭素数2〜8個のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアリール基としては、炭素数6〜10個のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02で表されるシクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基
、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
酸分解性基の好ましい具体例としては、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルオキシカルボニル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、t−アルキルカルボニルメチル基等が好ましく挙げられる。
以下、一般式(IV)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
一般式(V)において、R5aの酸の作用により分解する基としては、例えば−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)等が挙げられる。なお、R36〜R39は、上記一般式(IV)におけるそれらと同義である。
一般式(V)において、R5aが表す酸の作用により分解する基の好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の第3級アルキル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルカルボニルメチル基等が挙げられる。中でも、第3級アルキル基がより好ましく、脂環式環を有する第3級アルキル基が特に好ましい。
以下、一般式(V)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(VI)において、R61〜R66のフルオロアルキル基は、一般式(I)に於けるR1〜R5としてのフルオロアルキル基と同義である。
また、X6の酸の作用により分解する基は、一般式(IV)に於けるX4と同義である。
以下、一般式(VI)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
以下、一般式(VII)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を挙げるが、これらに限定されない。
樹脂(A)は、上記の繰り返し単位以外に、他の重合性モノマーを重合させてもよい。
併用することができる共重合モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類、マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類、無水マレイン酸、マレイミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、C(R1a)(R2a)=C(R3a)(R4a)(式中、R1a〜R4aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜10個)を表す)等を挙げることができ、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−マレイミド、C(R1a)(R2a)=C(R3a)(R4a)が特に好ましい。その他、一般的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
樹脂(A)に於いて、一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位の総量は、5〜90モル%が好ましく、7〜80モル%がより好ましく、10〜50モル%が更に好ましい。
樹脂(A)に於いて、一般式(II)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位の総量は、5〜90モル%が好ましく、7〜80モル%がより好ましく、10〜50モル%が更に好ましい。
樹脂(A)に於いて、一般式(III)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位
の総量は、5〜90モル%が好ましく、7〜80モル%がより好ましく、10〜50モル%が更に好ましい。
樹脂(A)に於いて、一般式(IV)〜(VII)で表される繰り返し単位の総量は、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、15〜50モル%が更に好ましい。
樹脂(A)に於いて、酸の作用により分解する基を有する繰り返し単位の総量は、5〜50モル%とすることが好ましく、10〜40モル%とすることがより好ましい。
樹脂(A)は、酸の作用により分解する基が酸の作用により分解してヒドロキシル基、カルボキシル基等の親水性基が形成されることにより、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜50,000が好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000である。レジストの耐熱性の点で分子量2,000以上が好ましく、現像液への溶解性による良好な感度及び解像力の点で50,000以下が好ましい。
樹脂(A)の分子量分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0とすることが好ましく、さらに好ましくは1.1〜2.0であり、特に好ましくは1.1〜1.5である。分子量分散度を下げる方法としては、通常のラジカル重合で得られたポリマーを、良溶剤に溶かしたのち、貧溶剤を添加して分子量の低い成分を除去する方法、あるいはリビングラジカル重合法などのリビング重合法による方法があり、いずれも好適に使用できる。
リビングラジカル重合法としてはジョージらのニトロキシドを用いる方法、金属錯体を用いる澤本やマチャウフスキーらの方法など、いずれも用いることができる。
またパターンのラフネスが良化するという観点から、上記通常のラジカル重合法においては、滴下重合法(ラジカル重合開始剤の存在下でモノマーをラジカル重合させている際に、さらにモノマーを連続的または断続的に加えるラジカル重合の方法)の適用が好ましい。
滴下重合法においては、最初に反応容器に仕込むモノマーの種類および組成と、ラジカル重合進行中に後から添加するモノマーの種類および組成は同じであっても、異なっていても良い。
また重合開始剤についても後から添加するモノマーとともに更に追加していく方法を利用すると、未反応で残存するモノマーを低減できるので好ましい。
樹脂(A)の添加量は、組成物の全固形分を基準として、一般的に50〜99.5質量%、好ましくは80〜99質量%、更に好ましくは90〜98質量%の範囲で使用される。
〔2〕(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)
本発明において、光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号
、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基
、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基と同様のものを挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換されたアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換されたアリールスル
ホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、(Z1−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、及び(Z1−3)を挙げることができる。
化合物(Z1−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアルキル基は、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。
201〜R203のアリール基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキ
ル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(Z1−2)について説明する。
化合物(Z1−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
化合物(Z1−3)とは、以下の一般式(Z1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基及びシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、アルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物として、スルホン酸基を1つ有するスルホン酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパー
フルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、またはフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物である。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
〔3〕(C)酸の作用により水を発生する化合物
本発明において、(C)酸の作用により水を発生する化合物(水発生剤ともいう)としては、(A)成分から発生した酸により水を発生するもので、付加反応及び/又は極性変換を起こすものが好ましい。ここで、付加反応とは、2種以上の分子が直接結合する反応のことを意味する。本発明においては、本発明のレジスト組成物中の構成成分(アルカリ可溶性樹脂等)と(C)成分が付加反応を起こすことが好ましい。また、本発明の(C)酸の作用により水を発生する化合物は、(A)成分から発生した酸により、(B)成分と付加する作用を有するものが好ましい。また、極性変換とは、本発明を例にとると、水酸基のようなアルカリ水溶液に対して溶解促進(プロモーション)作用を有する部位が、二重結合のようなリ水溶液に対して溶解阻害(インヒビション)作用のある部位に変換されることを意味する。このようにアルカリ水溶液に対して溶解阻害(インヒビション)作用のある部位に変換されることで、(C)の化合物がレジスト膜全体のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害するものであることが好ましい。この溶解阻害(インヒビション)作用により、アルカリ水溶液に対する溶解性が急激に減少することからネガ化として観察される。
(C)酸の作用により水を発生する化合物は、芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する二級又は三級アルコール構造を含有することが好ましく、より好ましくは、芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する三級アルコール構造を含有する化合物である。
本発明において、(C)酸の作用により水を発生する化合物は、下記一般式(1)〜(5)で示される化合物が好ましく例示される。
ここでR1は水素、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数3〜9のシクロアルキル基、水酸基、アセトキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
2は炭素数1〜9アルキル基又は炭素数3〜9のシクロアルキル基を表す。
lは1〜4の整数、mは0〜3の整数、nは1〜3の整数、qは1〜4の整数、rは1
〜6の整数を表す。
各式における芳香族、R1、R2上の置換基としては、炭素数2〜6のアシル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルエステル基、水酸基、カルボキシ基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、スルホニル基、スルホンアミド基、アシル基、アシルオキシ基等の置換基が例示される。
1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、アセトキシ基が例示されるが、その中でもメチル基、エチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
2の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基が例示されるが、その中でもメチル基、エチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
−C(R1)(R2)OHで置換されていない、縮合環炭素原子上には、置換基で置換されてもよい。
Xは、単結合、炭素数1〜6の直鎖又は分鎖のアルキレン、炭素数6〜15のフェニレン、アリーレン、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2―、−S−S−、−O−、−NH2−、及びそれらの組み合わせからなる基を表す。
YはCH、N、又はC(OH)を表す。
Xのアルキレン、フェニレン、アリーレン上の置換基、及び−C(R1)(R2)OHで置換されていない縮合環炭素原子上の置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアシル基、第一級脂肪族アミノ基、第二級脂肪族アミノ基、混成アミン類置換基、芳香族アミン類置換基、複素環アミン類置換基、アミド基、イミド基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルエステル基、ヘテロ環基、水酸基、カルボキシ基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、スルホニル基、スルホンアミド基、アシル基、アシルオキシ基等の置換基が例示される。
以下、これらの具体例を例示する。
アルキル基は、炭素数1〜20のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デカニル基、ラウリル基、パルチミル基、ステアリル基等が例示される。
アルキル基はハロゲンで置換されていてよく、ハロゲン置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が例示される。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のものが好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が例示される。
アリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、具体的には、フェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基、フェナントレニル基、アントラニル基、フルオレニル基、ピレン基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が例示される。
アリール基は、ハロゲンで置換されていてよく、ハロゲン置換アリール基としては、フルオロベンゼン基、クロロベンゼン基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン基等が例示される。
アルケニル基は、炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が例示される。
アラルキル基は、炭素数7〜15のものが好ましく、具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が例示される。
第1級の脂肪族アミン置換基として、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、tert−アミルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、セチルアミノ基、メチレンジアミノ基、エチレンジアミノ基、テトラエチレンペンタアミノ基等が例示される。
第2級の脂肪族アミン類置換基として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジセチルアミノ基等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類置換基(炭素原子または窒素原子上で置換される)の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N′−ジメチルアニリン、N,N′−ジエチルアニリン、N−プロピルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2,6−ジニトロアニリン等)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2
−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾロン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、グアニジン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
アミド基としては、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、プロピオンアミド基、ベンズアミド基、メタクリルアミド基、デカニルアミド基、ラウリルアミド基、パルミチルアミド基、ステアリルアミド基等が例示される。
イミド基としては、フタルイミド基、サクシンイミド基、マレイミド基等が例示される。
エステル基としては、カルバメート基、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、ペンチルエステル基、イソペンチルエステル基、tert−アミルエステル基、ヘキシルエステル基、ヘプチルエステル基、オクチルエステル基、シクロペンチルエステル基、シクロヘキシルエステル基、シクロヘプチルエステル基、ノルボルニルエステル基、アダマンチルエステル基等が例示される。
アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−アミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基等が例示される。
ヘテロ環基としては、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、チオカルバゾール、キサンテン基、チオキサンテン基が例示される。
本発明の(C)酸の作用により水を発生する化合物は、−C(R1)(R2)OHで表される官能基を3個以上有することが好ましく、特に3又は4個有することが好ましい。
以下、酸の作用により水を発生する化合物の具体例を示すが、本発明の内容はこれらに限定されない。
本発明における(C)酸の作用により水を発生する化合物は、市販品を使用することができ、例えば本州化学工業株式会社、東京化成工業株式会社、Sigma-AldrichCo.等から販売されているものを使用できる。
〔4〕有機塩基性化合物
本発明の組成物には、活性光線又は放射線の照射後、加熱処理までの経時による性能変動(パターンのT−top形状形成、感度変動、パターン線幅変動等)や塗布後の経時による性能変動、更には活性光線又は放射線の照射後、加熱処理時の酸の過剰な拡散(解像度の劣化)を防止する目的で、有機塩基性化合物を添加することが好ましい。有機塩基性化合物としては、例えば塩基性窒素を含有する有機塩基化合物であり、共役酸のpKa値で4以上の化合物が好ましく使用される。
具体的には下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜20個のシクロアルキル基又は炭素数6〜20個のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基は置換基を有していてよく、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基が好ましい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、アミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
好ましい具体例としては、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン、アミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。これらは置換基を有していてよく、好ましい置換基は、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p
−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
酸発生剤と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/有機塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/有機塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
〔5〕フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物がフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらのフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマー
と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔6〕溶剤
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、3−メトキシ−1−ブタノール等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
本発明に於いては、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類と、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類又は乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキル類とを混合した混合溶剤を使用することが好ましい。
上記各成分を溶剤に溶解させた際の固形分濃度は、3〜15質量%とすることが好ましく、5〜10質量%とすることがより好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明の組成物を塗布、乾燥し、レジスト膜を形成し、次に活性光線又は放射線描画装置を用いて照射を行い、好ましくは加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明の組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜15質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10〜15、好ましくは10.5〜14.5、更に好ましくは11〜14である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれに限定されない。
<酸分解性樹脂の合成>
合成例1(樹脂(F−1〜6及びAの合成)
下記式(1)で表されるモノマー43.2g及び式(2)で表されるモノマー39.8gを窒素下で攪拌しているところに、アゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)1.24gを添加し、65℃まで加温した。そこに、別途準備した下記式(1)で表されるモノマー43.2g、式(2)で表されるモノマー39.8g及びアゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)2.48gをMEK160gに溶かして20℃に保った溶液を、65度で攪拌下反応中の重合反応液に4時間かけて滴下した。
反応液にヘキサン5Lを加えてポリマーを沈殿させた後、上層をデカンテーションにて除去した。残った粘調なポリマーをアセトン300mlに溶かし、再度ヘキサン5Lを加えることで、ポリマーを分別処理し、未反応モノマー及びオリゴマー成分を除去した。得られた樹脂(F−1)をGPCにて分子量測定を行ったところ、重量平均分子量は9500、分散度は1.50であった。
同様にして、下記表1に記載の樹脂(F−2)〜(F−6)及び比較のための樹脂(A)を得た。
合成例2 樹脂(B−1及びB−2)の合成
i−ブチルビニルエーテル10.12g(0.1mol)、3−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパノール18.72g(0.05mol)、2−トリフルオロメチルアクリル酸2−メチル−2−アダマンチルエステル52.86g(0.18mol)を乾燥テトラヒドロフラン90gに溶解し、反応系中を窒素置換した後、重合開始剤V−65(和光純薬工業製)4.14g(0.017mol)を添加し、反応系中に窒素を流しながら6
5℃で8時間加熱した。反応液を−20℃に冷却したのち、水素化ナトリウム 1.15g(0.05mol)を加え攪拌した後、クロロメチルシクロヘキシルメチルエーテル 8.1g(0.05mol)を添加、1時間後反応液を室温までもどした。 反応溶液をフィルターを通しながらメタノール1.5L中に滴下して、ポリマーを析出させた。ろ過によりポリマー粉体を取り出して100℃で減圧乾燥し、約55gの粉体を得た(収率約60%)。得られた粉体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による質量平均分子量は7800、分散度は1.68であった。また、1H、13C−NMR解析による組成比は下記に示す繰り返し単位の構成における、左の繰り返し単位からの順に30/13/57であった。
上記合成例と同様の操作で、樹脂(B−2)を合成した。樹脂(B−1)及び(B−2)が有する繰り返し単位の構成、繰り返し単位の含有比率、質量平均分子量を下記表1に示す。
尚、表1における繰り返し単位の比率は、下記に示す繰り返し単位の構成における、左の繰り返し単位からの順である。
実施例1〜8及び比較例1〜3
下記表2に示す樹脂:6.7g、酸発生剤:0.026g、界面活性剤:ポリマー溶液に対し100ppm、有機塩基性化合物:0.024g、場合により水発生剤:1.1g、を溶剤93gに溶解したポリマー溶液を孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過しポジ型レジストを調製した。
表2において、各成分について複数使用の場合の比は、質量比である。
表2における記号の内容は以下のとおりである。尚、樹脂、酸発生剤及び水発生剤については先に例示したものである。
〔有機塩基性化合物〕
N−1: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−2: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
N−3: N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
N−4: N,N−ジブチルアニリン
N−5: トリフェニルイミダゾール
N−6: 2−キヌクリジノール
N−7: トリオクチルアミン
N−8: テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコン系)
〔溶剤〕
S−1:乳酸メチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−4:プロピレンカーボネート
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して反射防止膜(DUV42−6:BrewerScience. Inc. 製)を塗布したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃60秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.1μmのポジ型レジスト膜を形成した。
<レジスト評価>
〔PEB時間依存性〕
このレジスト膜に対し、F2マイクロステッパーを用い、マスクサイズ0.13μmのコンタクトホールパターンを露光し、時間を45秒、90秒と変化させ後加熱を行い、現像後、形成したパターンを走査型電子顕微鏡で観察、0.14μmが再現する露光量(E45及びE90)を測定した後、下記式に従ってPEB時間依存性を算出した。得られた値は小さいほど好ましい。評価結果を上記表2に示した。
PEB時間依存性(%)={|E45−E90|}×100
〔露光ラチチュード〕
このレジスト膜に対し、F2マイクロステッパーを用い、マスクサイズ0.10μmのラインアンドスペースパターンを露光し、130℃90秒間加熱した後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、60秒間現像処理を行った。現像後、形成したパターンを走査型電子顕微鏡で観察、0.09μmが再現する露光量(Emax)及び0.10μmが再現する露光量(Eopt)、0.11μmが再現する露光量(Emin)を測定した後、下記式に従い、露光ラチィチュードを算出した。得られた値は、大きいほど好ましい。
露光ラチチュード(%)=(Emax−Emin)/Eopt ×100
表2の結果より、本発明のポジ型レジスト組成物では、PEB時間依存性、露光ラチチュードが改善されていることが分る。

Claims (5)

  1. (A)一般式(I)で表される部分構造を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有する、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂、
    (B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
    (C)酸の作用により水を発生する化合物、及び、
    (D)溶剤
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    一般式(I)中、
    1〜R6は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。ただし、R1〜R6の少なくとも1つは水素原子ではない。また、R1〜R6に連結している炭素原子は、R1〜R6のいずれか一つを有する代わりに連結基を介し、又は介さずに該樹脂の主鎖に連結していてもよい。
    1及びX2は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
    Zは、少なくとも1つの環状炭化水素構造を有する1価の有機基である。
  2. 一般式(I)に於けるZとしての1価の有機基が有する環状炭化水素構造が、少なくとも1つの橋かけ構造を有する脂環炭化水素構造であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 一般式(I)に於けるZとしての1価の有機基が、少なくとも1つのフッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 一般式(I)に於けるZとしての1価の有機基が有する環状炭化水素構造が、ノルボルナン環又はアダマンタン環であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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