JP2005249050A - 自動変速機における湿式多板クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒートスポットによる変形を低減した自動変速機の湿式多板クラッチを提供すること。
【解決手段】 摩擦部材14を表面に有するフリクションプレート13と、フリクションプレート13の摩擦部材14の表面に摺接して回転力を伝達するセパレータプレート15と、を有し、セパレータプレート15が、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されてなる自動変速機における湿式多板クラッチ10。
【選択図】 図1
【解決手段】 摩擦部材14を表面に有するフリクションプレート13と、フリクションプレート13の摩擦部材14の表面に摺接して回転力を伝達するセパレータプレート15と、を有し、セパレータプレート15が、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されてなる自動変速機における湿式多板クラッチ10。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車、農業機械、建設機械、等に使用されるオートマチックトランスミッション(自動変速機)に用いられる湿式多板クラッチに関する。
従来、自動変速機における湿式多板クラッチは、フリクションプレートがエンジントルクの入力軸に固定されており、セパレータプレートがハウジング側に固定されている。
ここで、セパレータプレートは完全な平面ではなく、わずかに面外方向に波打っているので、フリクションプレートとの係合時に局所的な接触が生じる。このとき、セパレータプレートの局所的な接触部では、接触側と反接触側とで温度差が生じ、さらにセパレータプレートの反りが大きくなる。局所的な接触部の反りが大きくなることによりセパレータプレート全体の波打ちが大きくなり、ねずみ算的にヒートスポットが生じる。また、ヒートスポットが起きると瞬間的に700℃付近のフェライト/オーステナイト変態点を超えた温度となるため、その後の冷却により温度が低下しても、局所的な変態歪による変形が残るので、ヒートスポットの発生が促進される。その結果、このヒートスポットによるセパレータプレートの変形により、摩擦特性が変化するという問題があった。このような湿式多板クラッチでは、セパレータプレートが、質量%で0.2〜0.32%Cの中炭素合金(例えば、S20C相当鋼、S35C,S35CM等)を打抜いて形成したものを使用していた。
上記の問題に対する対策として、ヒートスポット発生時の発熱を防ぐという目的から、発熱原因となるすべり速度を小さくするため、フローティングディスク(フローティングプレート)を使用するデファレンシャル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、各サイドギアの円錐面と、円錐面と対向するデフケースの円錐面との間にそれぞれコーンリングおよびフローティングプレートを配置したことにより、デフケースとサイドギアの間の摺動面が、デフケースとコーンリング間、コーンリングとフローティングプレート間およびフローティングプレートとサイドギア間のいずれか又は3者の対向面となり、3者の対向面が摺動面となった場合に、各摺動面での摺動速度の低減を図って耐摩耗性を向上するようにしている。
また、フリクションプレートの裏表に溝を配置して油を流して冷却する構造が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
特許文献2では、コアプレート上に固着した摩擦材に、摩擦材の内周面から外周面まで貫通する油通路と、内周面には開口しているが貫通はしていない油溝とを交互に設けることにより、油の流通と貯溜とを摩擦材上で適切に行い、クラッチディスクの冷却と、クラッチ解放の場合の引き離しと、が良好に行われるとともに、作動時のトルクを安定させ、耐久寿命も長くなるようとしている。
特許文献3では、回転部材の外周スプラインの山部又は谷部と、基板の内周スプラインの谷部又は山部と、により摩擦材の半径方向に延びる油通路に連通する油溜り部を区画形成することで、油通路により多量の油を循環させて、ドライブプレートとドリブンプレートとの間の摺接部をより有効に冷却し、ドライブプレートとドリブンプレートとの間の摺接部を有効に冷却し、クラッチ焼けや特性の劣化を防止して耐久性を向上するのみならず、クラッチ切れを改良しようとしている。
特開2003−049927号公報(第3−4頁、図1)
特開平11−141570号公報(第3頁、図3)
特開2002−372074号公報(第4−第5頁、図1)
しかしながら、上記の特許文献1,2,3では、材料面からの根本的な対策がなされておらず、それによって、ヒートスポットによる変形を解消でき難かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ヒートスポットによる変形を低減した自動変速機の湿式多板クラッチを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1) プラネタリギアユニットの所定回転要素と入力部材とを接離する湿式多板クラッチを備えてなる自動変速機における湿式多板クラッチにおいて、
前記湿式多板クラッチが、摩擦部材を表面に有するフリクションプレートと、前記フリクションプレートの前記摩擦部材の表面に摺接して回転力を伝達するセパレータプレートと、を有し、
前記セパレータプレートが、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されてなることを特徴とする自動変速機における湿式多板クラッチ。
(1) プラネタリギアユニットの所定回転要素と入力部材とを接離する湿式多板クラッチを備えてなる自動変速機における湿式多板クラッチにおいて、
前記湿式多板クラッチが、摩擦部材を表面に有するフリクションプレートと、前記フリクションプレートの前記摩擦部材の表面に摺接して回転力を伝達するセパレータプレートと、を有し、
前記セパレータプレートが、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されてなることを特徴とする自動変速機における湿式多板クラッチ。
(2) 前記セパレータプレートが、油を通過させる油孔を円周方向に複数配していることを特徴とする(1)に記載した自動変速機における湿式多板クラッチ。
本発明の自動変速機における湿式多板クラッチによれば、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金を用いてセパレータプレートが成形されるために、従来のものと比べて、その炭素含有量を少なくすることにより、「オーステナイト」単相域が高温側に変位され、「フェライト+オーステナイト」2相域に加熱された際に、所謂、てこの法則で定められる「フェライト」から「オーステナイト」への変態量を小さく抑えることができる。従って、ヒートスポット発生時の「フェライト/オーステナイト」変態が抑制され、変態のよる歪を低減することができるので、セパレータプレートの変形を防止し、摩擦特性の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の自動変速機における湿式多板クラッチによれば、セパレータプレートが、油を通過させる油孔を円周方向に複数配しているために、クラッチオイルが油孔内を通過することによってセパレータプレートが冷却されるので、冷却効果を高めることができる。
以下、本発明の実施形態に係る自動変速機における湿式多板クラッチを図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る一実施形態の自動変速機における湿式多板クラッチの断面図、図2は図1に示す湿式多板クラッチに用いるセパレータプレートの正面図、図3は図2に示すセパレータプレートにおける変形例の正面図、図4は実施例の測定データ表である。本発明は、湿式多板クラッチを構成するセパレータプレートの材料性状を工夫することにより、その耐久性向上を図るものである。そのため、本発明を実施する際に図面に表れる構造に関しては、従来から知られている湿式多板クラッチと同様である。よって、湿式多板クラッチの具体的構造の説明については省略する。
図1に示すように、本発明の一実施形態である自動変速機における湿式多板クラッチ10は、ハウジング(入力部材に相当する)11と、インナードラム(回転要素に相当する。)12と、両面に摩擦材14,14が固着された複数の4枚のフリクションプレート13と、複数の5枚のセパレータプレート15と、から構成されている。
ハウジング(アウタードラムとも言う。)11は、円筒形状に形成されており、内周面の円周方向に、セパレータプレート15の外周部に形成された8個の複数の鍔部(図2に示す)16と同一数の8個の凹溝(不図示)が筒方向に形成されている。ハウジング11は、出力側のギア(不図示)に一体的に結合される。ハウジング11には、複数のセパレータプレート15及び複数のフリクションプレート13を筒方向に押圧するためのピストン(不図示)をシリンダ(不図示)内に配した油圧機構(不図示)が図中の左方側に内蔵されている。
インナードラム12は、円筒形状に形成されており、外周面の円周方向に、フリクションプレート13の内周部に形成された複数の鍔部(不図示)と同一数の凹溝(不図示)が筒方向に形成されている。インナードラム12は、エンジン側の回転要素(クラッチハブ、入力軸)に結合されるために、エンジンの回転が入力される。
フリクションプレート13は、円環形状に形成された板部材であって、ハウジング11の内径よりも小さい外径を有し、内周部に形成された複数の鍔部がインナードラム12の凹溝に挿入されることによってスプライン嵌合されている。そのため、フリクションプレート13は、インナードラム12の回転方向に係止され、インナードラム12の筒方向に移動可能に結合されている。フリクションプレート13の両面には、摩擦材14,14が固着されている。
セパレータプレート15は、円環形状に形成された板部材であって、インナードラム12の外径よりも大きい内径を有し、本体17の外周部に8個の複数の鍔部16が突出形成されている。鍔部16は、ハウジング11の凹溝に挿入されることによってスプライン嵌合されている。そのため、セパレータプレート15は、ハウジング11の回転方向に係止され、ハウジング11の筒方向に移動可能に結合されている。
セパレータプレート15は、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されている。セパレータプレート15は、従来のものと比べて、その炭素含有量を少なくすることにより、「オーステナイト」単相域が高温側に変位され、「フェライト+オーステナイト」2相域に加熱された際に、所謂、てこの法則で定められる「フェライト」から「オーステナイト」への変態量を小さく抑えることができる。従って、ヒートスポット発生時の「フェライト/オーステナイト」変態が抑制され、変態のよる歪を低減することができるので、セパレータプレート15の変形を防止し、摩擦特性の劣化を防ぐことができる。
図2に示すように、セパレータプレート15は、外周上に8個の複数の鍔部16が突出形成されている。鍔部16は、中央部を半円形状に切除した四角形形状に形成されている。セパレータプレート15は、8個の鍔部16が、ハウジング11の凹溝にスプライン嵌合されるために、クラッチ動作を行うためにハウジング11の筒方向に移動される際に、ずれや、がたつきを生じることなく確実に作動される。
このような湿式多板クラッチ10は、クラッチオイルが充填されているトランスミッションケース(不図示)内に収納され、エンジンの動力によってインナードラム12が回転される。このとき、各セパレータプレート15と、各フリクションプレート13とは非接触状態にあり、インナードラム12の回転力はハウジング11に伝達されない。
そして、油圧機構が作動されてシリンダ内に油圧がかかり、ピストンにより、図1中左端部のセパレータプレート15が筒方向に図1中右方向に押圧される。すると、そのセパレータプレート15がフリクションプレート13の摩擦材14に当接され、各セパレータプレート15が各フリクションプレート13の摩擦材14,14を挟んで、各セパレータプレート15と、各フリクションプレート13と、が交互に密着される。それにより、インナードラム12がハウジング11に連結され、エンジンの動力で出力側のギアが回転される。
これに反して、エンジンの動力を遮断するには、油圧機構によってピストンに油圧をかけ、同時に、油圧を解除する。これにより、ピストンが戻り移動され、各セパレータプレート15が、各フリクションプレート13の摩擦材14,14から離れ、インナードラム12の回転力がハウジング11に伝達されなくなって遮断状態となる。
本実施形態の自動変速機における湿式多板クラッチ10によれば、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金を用いてセパレータプレート15が成形されるために、従来のものと比べて、その炭素含有量を少なくすることにより、「オーステナイト」単相域が高温側に変位され、「フェライト+オーステナイト」2相域に加熱された際に、所謂、てこの法則で定められる「フェライト」から「オーステナイト」への変態量を小さく抑えることができる。従って、ヒートスポット発生時の「フェライト/オーステナイト」変態が抑制され、変態による歪を低減することができるので、セパレータプレート15の変形を防止し、摩擦特性の劣化を防ぐことができる。
次に、図3を参照して、セパレータプレートの変形例について説明する。
図3に示すように、本変形例のセパレータプレート20は、円環形状に形成された板部材であって、本体21の外周部に8個の複数の鍔部22が突出形成されている。鍔部22は、ハウジング(図1参照)の凹溝に挿入されることによってスプライン嵌合されている。そして、セパレータプレート20には、本体21の円周方向に複数の32個の油孔(ざぐり孔とも言う)23が形成されている。油孔23は、本体21の表面から裏面まで貫通して形成されているために、クラッチオイル(油)が表面から裏面または裏面から表面に通過して、セパレータプレート20を冷却する。
セパレータプレート20は、セパレータプレート15と同様にして、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されている。セパレータプレート20は、従来のものと比べて、その炭素含有量を少なくすることにより、「オーステナイト」単相域が高温側に変位され、「フェライト+オーステナイト」2相域に加熱された際に、所謂、てこの法則で定められる「フェライト」から「オーステナイト」への変態量を小さく抑えることができる。従って、ヒートスポット発生時の「フェライト/オーステナイト」変態が抑制され、変態のよる歪を低減することができるので、セパレータプレート20の変形を防止し、摩擦特性の劣化を防ぐことができる。
本変形例によれば、セパレータプレート20が、油を通過させる油孔23を円周方向に複数配しているために、クラッチオイルが油孔23内を通過することによってセパレータプレート20が冷却されるので、冷却効果を高めることができる。
(実施例)
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態及び変形例に係る自動変速機における湿式多板クラッチの作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態及び変形例に係る自動変速機における湿式多板クラッチの作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例には、以下に示す異なる5種類の低炭素合金よりなるセパレータプレートを作製した。
実施例1:質量%で0.15%C,0.20%Si,0.45%Mnの合金鋼
実施例2:質量%で0.10%C,0.20%Si,0.50%Mnの合金鋼
実施例3:質量%で0.02%C,0.01%Siの合金鋼
実施例4:質量%で0.01%C,0.01%Si,0.02%Mnの合金鋼
実施例5:質量%で0.002%C,0.0001%Si,0.0001%Mnの合金鋼
なお、比較のため、比較例として以下の組成によるセパレータプレートを用いた。
比較例1:質量%で0.35%C,0.25%Si,0.75%Mnの合金鋼
比較例2:質量%で0.20%C,0.20%Si,0.50%Mnの合金鋼
(実験)
これらのセパレータプレートに摺擦するクラッチプレートと、このクラッチプレートを軸方向に摺動自在に取付けるプラネタリギユニットのリングギアとによりなる湿式多板クラッチ装置を用いて試験を行った。
そして、上記の湿式多板クラッチ装置において、入力軸を8000rpmで回転させ、セパレータプレートとフリクションプレートの接合と切離しとを10秒間隔で所定時間繰り返した後に、セパレータプレートの変形量を測定することで、ヒートスポットによる変形の大小及び損傷の大小を判断した。
なお、図4の変形量比の欄においては、最も変形量の多かった比較例1相当の鋼種の変形量を1として、その変形量との比で表している。
実施例1:質量%で0.15%C,0.20%Si,0.45%Mnの合金鋼
実施例2:質量%で0.10%C,0.20%Si,0.50%Mnの合金鋼
実施例3:質量%で0.02%C,0.01%Siの合金鋼
実施例4:質量%で0.01%C,0.01%Si,0.02%Mnの合金鋼
実施例5:質量%で0.002%C,0.0001%Si,0.0001%Mnの合金鋼
なお、比較のため、比較例として以下の組成によるセパレータプレートを用いた。
比較例1:質量%で0.35%C,0.25%Si,0.75%Mnの合金鋼
比較例2:質量%で0.20%C,0.20%Si,0.50%Mnの合金鋼
(実験)
これらのセパレータプレートに摺擦するクラッチプレートと、このクラッチプレートを軸方向に摺動自在に取付けるプラネタリギユニットのリングギアとによりなる湿式多板クラッチ装置を用いて試験を行った。
そして、上記の湿式多板クラッチ装置において、入力軸を8000rpmで回転させ、セパレータプレートとフリクションプレートの接合と切離しとを10秒間隔で所定時間繰り返した後に、セパレータプレートの変形量を測定することで、ヒートスポットによる変形の大小及び損傷の大小を判断した。
なお、図4の変形量比の欄においては、最も変形量の多かった比較例1相当の鋼種の変形量を1として、その変形量との比で表している。
実験の結果、実施例1では、変形量比が0.50となった。また、実施例2では、変形量比が0.35となった。また、実施例3では、変形量比が0.10となった。また、実施例4では、変形量比が0.10となった。また、実施例5では、変形量比が0.05となった。そして、比較例2では、変形量比が0.95となった。
これにより明らかなように、実施例1,2,3,4,5に相当する、質量%で0.0020〜0.15%Cの低炭素合金を用いたセパレータプレートの変形量比が、比較例1,2と比べて小さくなった。また、特に実施例3,4,5に相当する、質量%で0.0020〜0.02%Cの低炭素合金を用いたセパレータプレートの変形量比が、比較例1,2と比べて著しく小さくなった。これは、本発明に係るセパレータプレートが、フェライト/オーステナイト変態のし難い低炭素鋼で構成されているために、セパレータプレートに局所的なヒートスポットが形成されても変態による変形が少なくなるからである。その結果、セパレータプレートとフリクションプレートとの間で円滑な動力伝達が維持できるととともに、これらセパレータプレート及びフリクションプレートが早期に劣化することを阻止できることがわかる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、上述したように、本発明を実施する際に図面に表れる構造に関しては、従来から知られている湿式多板クラッチと同様であるために、湿式多板クラッチの具体的構造の説明については省略するが、セパレータプレートの数及び、フリクションプレートの数については、図示した、5個のセパレータプレート、4個のフリクションプレートに限定されることはなく、本湿式多板クラッチを搭載するトランスミッションの容量を考慮して選択設定される。
例えば、上述したように、本発明を実施する際に図面に表れる構造に関しては、従来から知られている湿式多板クラッチと同様であるために、湿式多板クラッチの具体的構造の説明については省略するが、セパレータプレートの数及び、フリクションプレートの数については、図示した、5個のセパレータプレート、4個のフリクションプレートに限定されることはなく、本湿式多板クラッチを搭載するトランスミッションの容量を考慮して選択設定される。
また、本発明で用いた鋼は、炭素濃度だけを示したが、その他合金元素として、Mo,Cr,Ni等を必要に応じて添加することもできる。
10 湿式多板クラッチ(自動変速機における湿式多板クラッチ)
13 フリクションプレート
14 摩擦部材
15 セパレータプレート
23 油孔
13 フリクションプレート
14 摩擦部材
15 セパレータプレート
23 油孔
Claims (2)
- プラネタリギアユニットの所定回転要素と入力部材とを接離する湿式多板クラッチを備えてなる自動変速機における湿式多板クラッチにおいて、
前記湿式多板クラッチが、摩擦部材を表面に有するフリクションプレートと、前記フリクションプレートの前記摩擦部材の表面に摺接して回転力を伝達するセパレータプレートと、を有し、
前記セパレータプレートが、質量%で0.0020〜0.15%C,好ましくは0.0020〜0.02%Cの低炭素合金により成形されてなることを特徴とする自動変速機における湿式多板クラッチ。 - 前記セパレータプレートが、油を通過させる油孔を円周方向に複数配していることを特徴とする請求項1に記載した自動変速機における湿式多板クラッチ。
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