JP2005248407A - 生分解性フラットヤーン、布状体、及び、シート - Google Patents

生分解性フラットヤーン、布状体、及び、シート Download PDF

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Abstract

【課題】滑り性がよく、生産性、耐切断性に優れ、また、熱溶着可能な生分解性プラスチックの一軸延伸フラットヤーン、該生分解性フラットヤーンによって得られた生分解性布状体、及び、生分解性シートの提供
【解決手段】 生分解性脂肪族ポリエステルからなり一軸延伸された基層と、該基層の生分解性脂肪族ポリエステルより融点が10℃以上低い生分解性脂肪族ポリエステル、及び/又は、非晶性で融点を有しない生分解性脂肪族ポリエステルからなる表層との積層体であることを特徴とする生分解性フラットヤーン。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生分解性フラットヤーン、生分解性布状体、及び、生分解性シートに関し、さらに詳しくは、生分解性脂肪族ポリエステルからなり、一軸延伸された基層と、該基層よりも融点の低い生分解性脂肪族ポリエステルからなる表層との積層体からなる生分解性フラットヤーン、該生分解性フラットヤーンによって得られた生分解性布状体、及び、生分解性シートに関する。
近年、トンネル栽培、農業用ハウス等の農業分野、天幕、日覆等の屋外施設、産業機器の保護カバー等としてプラスチックフィルムが広く使用されるに至っている。しかし、ポリエチレン、塩化ビニール等の汎用プラスチックは、化学的に安定で、また、微生物によっても分解されないため、風等によって飛散した場合、腐蝕されずにいつまでも残存することとなり、環境問題としてその解決が要請されるに至っている。
この問題に対応する方法として、近年、生分解性プラスチックが利用されるようになっている。生分解性プラスチックは、土壌中で微生物によって分解され消滅するため、環境問題を軽減することができる。
しかし、生分解性プラスチックフィルムとして広く使用されているポリ乳酸フィルムは、滑り性が悪く、ワインダーで巻き取る作業中にフィルムが蛇行したり、しわが生じたりするため、巻き取りが困難となり、生産性を上げることが難しい問題がある。このため、滑剤をポリマーに練り込むことが行なわれているが(特許文献1)、充分に満足し得る効果を得るには至っていないのが現状である。
また、ポリ乳酸等の生分解性プラスチックを延伸して使用する方法が提案されている(特許文献2、特許文献3)。生分解性プラスチックは延伸することによって、抗張力が高くなると共に、滑り性を改良し、また、脆性を改良することができる。従って、生分解性プラスチックを用いて一軸延伸フラットヤーンを形成し、織成することによって布状体として利用する技術が期待される。
しかし、一軸延伸したフラットヤーンは熱による収縮性が大きくなる。一方、織成することによって織布として使用する場合、糸間に間隔を有する織布とするときは、使用中に目ずれが生じるため、これを防ぐために糸間を結合する必要が生じる。また、布状体を構成する糸を一方向に並列し、その上に他の糸を交差する方向に並列した上で糸間を接合する交差結合布(ソフ)を製造する際にも、糸間を結合することが必須となる。この場合、結合手法としては熱溶着が最も容易であり、生産性を向上することができることから、生分解性プラスチックを一軸延伸フラットヤーンとして使用するためには、熱溶着できることが必要条件となる。
このような理由から、滑り性がよく、生産性が高く、また、熱収縮が少なく、熱溶着が可能な生分解性プラスチックの一軸延伸フラットヤーンの開発が要請されていた。
特開2001−131827 特開平9−157408 特開2000−129646
本発明は、滑り性がよく、生産性が高く、耐切断性に優れ、また、熱溶着可能な生分解性プラスチックの一軸延伸フラットヤーン、該生分解性フラットヤーンによって得られる生分解性布状体、及び、生分解性シートを提供するものである。
本発明はかかる問題に着目して鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、生分解性脂肪族ポリエステルからなり一軸延伸された基層と、該基層の生分解性脂肪族ポリエステルより融点が10℃以上低い生分解性脂肪族ポリエステル、及び/又は、非晶性で融点を有しない生分解性脂肪族ポリエステルからなる表層との積層体であることを特徴とする生分解性フラットヤーンを提供するものである。
また、本発明は、基層を形成する生分解性脂肪族ポリエステルが結晶性のポリ乳酸系重合体からなる上記の生分解性フラットヤーン、基層と表層がD−乳酸とL−乳酸からなるポリ乳酸系重合体で形成され、表層を形成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有量が20重量%以下で、かつ、基層を形成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸含有量より多いポリ乳酸系重合体からなる上記の生分解性フラットヤーン、基層と表層がD−乳酸とL−乳酸からなるポリ乳酸系重合体で形成され、表層を形成するポリ乳酸系重合体のL−乳酸の含有量が20重量%以下で、基層を形成するポリ乳酸系重合体のL−乳酸含有量より多いポリ乳酸系重合体からなる上記の生分解性フラットヤーン、一軸延伸され表面に長さ方向に延びる複数の筋条が形成されてなる上記の生分解性フラットヤーン、及び、表層がガラス転移点が−5℃以下の脂肪族ポリエステルを0〜50重量%含有するポリ乳酸系重合体からなる上記の生分解性フラットヤーン、及び、表層が無機充填剤を含有する上記の生分解性フラットヤーンを提供するものである。
さらに、本発明は、上記の生分解性フラットヤーンを織成してなることを特徴とする生分解性布状体、上記の生分解性フラットヤーンを使用しフラットヤーンを一方向に並列すると共に、その上に他のフラットヤーンを交差する方向に並列してフラットヤーンの交点を熱溶着してなることを特徴とする生分解性布状体、上記の生分解性フラットヤーンを編成してなることを特徴とする生分解性布状体、及び、上記の生分解性布状体に、生分解性脂肪族ポリエステルからなるフィルムを積層してなることを特徴とする生分解性シートを提供するものである。
本発明生分解性フラットヤーンは、基層として高融点の生分解性樹脂が使用され、一軸延伸されているから、滑り性、耐切断性、熱寸法安定性に優れており、生産性を高めることができる。また、表面層として低融点生分解性樹脂が積層されているから、ヒートシール性能の優れた生分解性フラットヤーンが得られ、二次加工によって生分解性布状体、あるいは、生分解性シートとして使用するのに適する。
本発明の生分解性フラットヤーン1は、図1(A)〜(D)に示すように、生分解性脂肪族ポリエステルからなり一軸延伸された基層2と、該基層2の生分解性脂肪族ポリエステルより融点が10℃以上低い生分解性脂肪族ポリエステル、及び/又は、非晶性で融点を有しない生分解性脂肪族ポリエステルからなる表層3との積層によって構成される。
本発明において、フラットヤーンとは扁平なリボン状の長尺物を意味する。また、リボン状体に縦方向の筋条を多数形成することも可能である。
本発明において基層2として使用される生分解性脂肪族ポリエステルとしては、微生物産生物であっても、化学合成物であってもよく、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、ヒドロキシ脂肪酸、あるいは、環状ラクトン類を重合した脂肪族ポリエステルが用いられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等を使用することができる。
ヒドロキシ脂肪酸、あるいは、環状ラクトン類から出発する場合のヒドロキシ脂肪酸又は環状モノマーとしては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸グリコリド、乳酸、ε−カプロラクトン、ラクチド、ブチロラクトン等が挙げられる。これらの化合物は、環状体とした後に開環重合することができ、また、直接重合することも可能である。
菌体内で生合成される脂肪族ポリエステルとしては、主にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとしての実用特性を向上するために、吉草酸ユニット(HV)を共重合し、ポリ(3HB−3HV)の共重合体にすることが有利である。HV共重合量は一般的に0〜95%である。さらに長鎖のヒドロキシアルカノエートを共重合してもよい。
また、分子量の増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを使用することができ、また、カーボネート化合物で変性したもの、テレフタル酸を共重合して改質したものを使用することもできる。
ポリ乳酸についてさらに詳細に述べれば、ポリ乳酸としては、構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、さらには、L−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸がある。
重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。
また、開環重合法では乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合することによってポリ乳酸を得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性、融点をもつポリ乳酸を得ることができる。
重合体の重量平均分子量の好ましい範囲としては6万から100万であり、この範囲を下回る場合は実用物性が発現されず、上回る場合には、溶融粘度が高すぎるため成形加工性に劣る。これら脂肪族ポリエステルは、単独で、あるいは、二種以上を混合して使用することができる。また、本発明においては、通常、基層2は結晶性の生分解性脂肪族ポリエステルが使用される。
本発明において、表層3として使用される脂肪族ポリエステルとしては、基層2との関係において、融点が10℃以上、好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上低い脂肪族ポリエステル、及び/又は、非晶性で融点を有しない脂肪族ポリエステルが使用される。表層3の脂肪族ポリエステルとしては、上記の基層2として記述した脂肪族ポリエステルと同様の脂肪族ポリエステルを使用することができ、基層2と表層3の融点差を10℃以上とする方法としては、基層2と表層3を形成するそれぞれの生分解性脂肪族ポリエステルの種類を選択することによって行なうことができる。例えば、基層2としてポリ乳酸、ポリグリコール酸等を使用し、表層3として、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等を用いることによって基層2と表層3の融点差を10℃以上とすることができる。
また、同種の生分解性脂肪族ポリエステルであっても、使用する単量体の配合割合を調整することによって行なうことができ、例えば、L−乳酸とD−乳酸からなるポリDL−乳酸を使用する場合、D−乳酸が20重量%以下の領域においては、D−乳酸の含有量が少ない程高融点の重合体が得られ、また、L−乳酸が20重量%以下の領域においては、L−乳酸の含有量が少ない程高融点の重合体が得られる。従って、L−乳酸とD−乳酸の配合割合を調整することによって融点差を10℃以上とすることができる。
本発明において、基層2と表層3とを生分解性脂肪族ポリエステルで形成する場合、表層3として、D−乳酸又はL−乳酸の含有量が20重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは6重量%以下の生分解性脂肪族ポリエステルが使用される。
さらに、その他、生分解性脂肪族ポリエステルの重合度の制御、イソシアネート、テレフタル酸等の変性剤の添加量の調整によって制御することも可能である。
また、これら生分解性脂肪族ポリエステルは、柔軟性を付与するために、ガラス転移点が−5℃以下の生分解性脂肪族ポリエステルを含有することが望ましい。ガラス転移点が−5℃以下の生分解性脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン等を使用することができる。ガラス転移点が−5℃以下の生分解性脂肪族ポリエステルの含有量としては、50重量%以下、好ましくは5〜45重量%程度が望ましい。
生分解性脂肪族ポリエステルには、滑性の向上、光透過率の調節、あるいは、風合いを向上する目的で無機充填材を添加することができ、また、望ましい態様である。
無機の充填材としては、一般には、微粉末からなる無機充填材が使用される。微粉末無機充填材としては、例えば、タルク、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、オキシサルフェート、酸化スズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラスパウダー等が挙げられる。無機充填材の添加は、基層2であってもよく、表層3又はその双方であってもよいが、表層3に選択的に添加することによって、少量の無機充填材で滑性を向上することができ、その結果、強度が高く滑性に優れたものが得られる。
また、これらの充填材としては表面処理したものが好ましい。表面処理に用いられるカップリング剤は、充填材と生分解性脂肪族ポリエステルとの接着性を良好にするために用いられるものであり、いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等、従来公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。中でもγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラン、エポキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネートが好ましい。
生分解性脂肪族ポリエステルは、基層2となる生分解性脂肪族ポリエステルと表層3となる生分解性脂肪族ポリエステルを押出成形して積層することによって本発明生分解性フラットヤーン1を成形する原反が形成される。生分解性フラットヤーン1は、図1(A)に示すように、基層2の片面に表層3を形成したものであってもよく、また、図1(B)に示すように、基層2の両面に表層3を形成したものであってもよい。また、図1(C)、(D)に示すように、シースコアー構造、サイドバイサイド構造とすることもできる。また、目的に応じて、基層2と表層3は、それぞれが複層であってもよい。生分解性脂肪族ポリエステル原反は目的とする生分解性フラットヤーン1の構造に合わせて形成される。
また、図4に示すように、本発明生分解性脂肪族ポリエステルのフラットヤーン1には、その表面に長さ方向に延びる筋条6、6を設けることができる。筋条6を設けることによって製織時等の取り扱い時の滑り性をよくすることができる。筋条6は表面に突出した突条とするのが一般的であるが、溝状であってもよい。なお、筋条6、6は、筋条6、6の頂部の間隔が0.3から5mm、好ましくは0.5〜3mmの間隔が望ましい。
生分解性脂肪族ポリエステルは、押出機に所定の原料を投入して直接シートを成形する方法、あるいは、一旦、ストランド形状に押出してペレットを作製した後、再び押出機にてシートを成形する方法を採ることができる。生分解性脂肪族ポリエステルを均一にするためには、後者の方が好ましい。
しかし、いずれの場合にも、押出機中での分解による分子量の低下を考慮しなければならない。一般には、生分解性脂肪族ポリエステルを十分に乾燥して水分を除去した後、押出機で溶融し、Tダイ、インフレーションダイを用いてフィルム状に成形する。
基層2と表層3の生分解性脂肪族ポリエステルを積層する手段としては、予め基層2となるフィルムと表層3となるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層2となるフィルムの表面に表層3となる合成樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層2となるフィルムに表層3を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層フィルムとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いることができる。
また、延伸してフラットヤーン1とする手段としては、基層2となるフィルムを一軸方向に延伸した後表層3となる合成樹脂を積層し、これをテープ状にスリットしてもよく、あるいは、基層2と表層3とが積層された積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした後、一軸方向に延伸することによって得ることもできる。延伸倍率は通常1.5〜8倍程度である。
フラットヤーン1の太さは、なんらの制限はなく目的に応じて任意に設定することができるが、一般的には50〜6000デシテックス、好ましくは150〜4500デシテックス、肉厚が10〜200μm、糸幅が0.3〜10mm、好ましくは0.5〜7mmの範囲とされる。
フラットヤーンの層構造は、三層構造とする場合、一般的には、肉厚構成比を表層:基層:表層=1:98:1から25:50:25とされる。
こうして得られたフラットヤーン1は、図2(A)、(B)に示すように、単独で、あるいは、他の線状体と共に平織によって織成して布状体4とすることができ、また、綾織等に織製することもできる。さらに、タテ編み、ヨコ編み、ラッセル編み、トリコット編み等に編込むことによって布状体4とすることも可能である。また、図3に示すように、多数のフラットヤーン1aを並列し、その上に該フラットヤーン1aと交差する方向に他のフラットヤーン1bを並列してその交点を熱接合したソフからなる布状体3とすることができる。
この場合、本発明で規定するフラットヤーン1は、布状体4のタテ、ヨコ、ナナメの少なくとも一方向として使用される。他の線状体としては、本発明の目的から、木綿、羊毛、麻等の天然繊維、スフ、酢酸セルロース等の再生繊維等の生分解性天然繊維が望ましい。
こうして得られたフラットヤーン1からなる布状体4には、目的に応じて、図3に示すように生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム5を積層して生分解性シートとすることができる。生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム5を形成するための材料としては、フラットヤーン1の場合に述べた生分解性脂肪族ポリエステルと同種の樹脂を使用することができる。
生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム5を積層する手段としては、予め布状体4と生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム5を形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、布状体4の表面に生分解性脂肪族ポリエステルをコーティングする方法、布状体4に生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム5を押出ラミネートする方法等、公知の手段から適宜選択して用いることができる。
1.測定法
(1)抗張力 :JIS L1013
測定温度 20℃ ±2℃
チャック間距離 300mm
引張速度 300mm/min
(2)摩擦係数:JIS K7125
測定温度 20℃ ±2℃
滑り片寸法 一辺 63mm
滑り片質量 200g
引張速度 100mm/min
測定距離 70mm
(3)ヒートシール性
フラットヤーンを長手方向100mm、幅方向10mmのサイズに切り出した試験片を、2枚そろえて重ね、片方の端を10mmヒートシールした。シール面は10mm×10mmになる。ヒートシール条件は10mm幅の加熱バーで、圧力2.0Kgf/cm、温度140℃、シール時間5秒で行ない、ヒートシール強度を測定する試料を作成した。
ヒートシール強度は幅10mm当たりの強度(N/cm)で示した。引張り試験は東洋精機(株)テンシロン2型機を用いチャック間80mm、引張速度100mm/minで行なった。
(実施例1)
D−乳酸とL−乳酸からなるポリ乳酸系重合体で形成され、D−乳酸2重量%、L−乳酸98重量%のポリ乳酸系生分解性樹脂(融点165℃)100重量部にガラス転移点が−5℃以下の脂肪酸ポリエステルを10重量部添加した生分解性樹脂組成物を基層とし、その両面に、D−乳酸10重量%、L−乳酸90重量%のポリ乳酸系生分解性樹脂(非晶性のため明瞭な融点示さず、軟化温度約115℃)を積層してサンドイッチ構造とし、テープ状体を調製した(厚み比;10:80:10)。
得られたテープ状体をレザーでスリットし、100℃で5倍の一軸延伸を行ない、120℃で5.0%弛緩処理することによって、厚さ27μm、幅3.0mm(ヒートシール測定用フラットヤーンは幅10mm)のフラットヤーンを得た。得られたフラットヤーンの物性を測定した結果は表1の通りであった。
(実施例2)
実施例1における厚み比を15:70:15として同様に実験した。得られたフラットヤーンの物性を測定した結果は表1の通りであった。
(実施例3)
実施例1における基層樹脂をD−乳酸98重量%、L−乳酸2重量%のポリ乳酸系生分解性樹脂(融点165℃)100重量部に、ガラス転移点が−5℃以下の脂肪酸ポリエステルを10重量部添加した生分解性樹脂組成物を基層とし、また、表層樹脂をD−乳酸90重量%、L−乳酸10重量%の生分解性樹脂(非晶性のため明瞭な融点示さず、軟化温度約115℃)を用いて積層してサンドイッチ構造とし(厚み比;10:80:10)、 実施例1と同様に実験した。得られたフラットヤーンの物性を測定した結果は表1の通りであった。
(比較例1)
D−乳酸2重量%、L−乳酸98重量%のポリ乳酸系生分解性樹脂100重量部(融点165℃)にガラス転移点が−5℃以下の脂肪酸ポリエステルを10重量部添加した生分解性樹脂組成物を用いて、フィルム状に押出し成形してスリットし、100℃で5.0倍に延伸した後、120℃で5.0%弛緩処理することによって、厚さ27μm、幅3.0mm(ヒートシール測定用は幅10mm)のフラットヤーンを得た。
得られたフラットヤーンの物性を測定した結果は表1の通りであった。
(比較例2)
D−乳酸10重量%、L−乳酸90重量%のポリ乳酸系生分解性樹脂を用いて、フィルム状に押出し成形してスリットし、100℃で5.0倍に延伸した後、120℃で5.0%弛緩処理することによって、厚さ27μm、幅3.0mm(ヒートシール測定用は幅10mm)のフラットヤーンを得た。
得られたフラットヤーンの物性を測定した結果は表1の通りであった。
Figure 2005248407
本発明生分解性フラットヤーンの例を示す縦断面図 本発明生分解性布状体の例を示す(A)は平面図、(B)は縦断面図 本発明生分解性布状体の他の例を示す縦断面図 本発明生分解性フラットヤーンの他の例を示す斜視図
符号の説明
1.生分解性フラットヤーン
2.基層
3.表層
4.布状体
5.生分解性脂肪族ポリエステルのフィルム
6.筋条

Claims (11)

  1. 生分解性脂肪族ポリエステルからなり一軸延伸された基層と、該基層の生分解性脂肪族ポリエステルより融点が10℃以上低い生分解性脂肪族ポリエステル、及び/又は、非晶性で融点を有しない生分解性脂肪族ポリエステルからなる表層との積層体であることを特徴とする生分解性フラットヤーン。
  2. 基層を形成する生分解性脂肪族ポリエステルが、結晶性のポリ乳酸系重合体からなる請求項1記載の生分解性フラットヤーン。
  3. 基層と表層が、D−乳酸とL−乳酸からなるポリ乳酸系重合体で形成され、表層を形成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有量が20重量%以下で、基層を形成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸含有量より多いポリ乳酸系重合体からなる請求項2に記載の生分解性フラットヤーン。
  4. 基層と表層が、D−乳酸とL−乳酸からなるポリ乳酸系重合体で形成され、表層を形成するポリ乳酸系重合体のL−乳酸の含有量が20重量%以下で、基層を形成するポリ乳酸系重合体のL−乳酸含有量より多いポリ乳酸系重合体からなる請求項2に記載の生分解性フラットヤーン。
  5. 基層及び/又は表層が、ガラス転移点が−5℃以下の脂肪族ポリエステルを0〜50重量%含有するポリ乳酸系重合体からなる請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性フラットヤーン。
  6. 表層が、無機充填剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性フラットヤーン。
  7. 一軸延伸され、表面に長さ方向に延びる筋条が複数本形成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性フラットヤーン。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性フラットヤーンを織成してなることを特徴とする生分解性布状体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性フラットヤーンを使用し、フラットヤーンを一方向に並列すると共に、その上に他のフラットヤーンを交差する方向に並列してフラットヤーンの交点を熱溶着してなることを特徴とする生分解性布状体。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性フラットヤーンを編成してなることを特徴とする生分解性布状体。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の生分解性布状体に、生分解性脂肪族ポリエステルからなるフィルムを積層してなることを特徴とする生分解性シート。
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EP2639348A1 (en) 2012-03-13 2013-09-18 Precision Fukuhara Works, Ltd. Slit yarn knitting method in circular knitting machine, apparatus therefor and knit fabric
JP2014526988A (ja) * 2011-08-10 2014-10-09 ランクホルスト ピューレ コンポジッツ ビー.ブイ. 多成分系テープ、フィルム又は糸及びその調製方法

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