JP2005248151A - 脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造法 - Google Patents

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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
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Abstract

【課題】 生分解性を有し、実用上十分に高分子量であり、優れた機械的特性、特に、十分な破断強度及び良好な柔軟性を備え、フィルム、シートその他各種成形品の製造に適した成形加工性の優れた高分子量脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を提供する。また、その製造過程において酸化防止剤を内添重合することによる製造安定性と保存安定性を改善する。
【解決手段】 脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位、下記一般式(1)で表されるポリエーテル単位、並びに3個以上のヒドロキシル基を有しかつ数平均分子量が200以上であるポリエーテルポリオール単位及び/又はポリエステルポリオール単位とを有することを特徴とする脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造法。さらに、製造安定性を改善するために酸化防止剤を添加した製造法。
Figure 2005248151

(式中、Rは水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子量の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、生分解性を有し、実用上十分に高分子量であり機械的物性と成形性に優れた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法に関する。
従来より、生分解性高分子としてはポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキシブチレート等の種々の樹脂が提案されている。しかしながら、これら生分解性高分子は生分解性を有するという特徴を有するが、ポリオレフィン、芳香族ポリエステル樹脂及びエンジニアリングプラスチックス等の樹脂と比較すると、物性面、特に機械的強度が実用に耐え得るほど十分なものでないという問題があった。これらの問題を解決するために、生分解性ポリエステル樹脂にポリエチレングリコールのようなポリエーテルを共重合させた樹脂が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、特許文献1に提案されている共重合体では、十分な分子量が得られず、機械的物性が実用上十分なものではなかった。また、溶融粘度や溶融張力が小さく、成形性が不十分であった。また特許文献2に提案されている共重合体では、十分な分子量は得られるものの引張伸びが実用上十分なものではなかった。
また、少量の多官能化合物を共重合し、ポリマー鎖中に分岐成分を導入することで溶融粘度や溶融張力を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。しかしながら、これらの方法では成形性は改良されるものの強度や伸びなどの機械的物性は改良されず満足できるものではなかった。そのため、生分解性を有し、十分な成形性と機械的物性を有する重合体が要望されていた。
特開平8−59808号公報 特開平8−295727号公報 特開平5−179016号公報 特開平9−031179号公報
本発明は、生分解性を有し、十分な成形性と機械的物性を有する脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法を提供する。
本発明の一つは、脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位、下記一般式(1)で表されるポリエーテル単位、並びに3個以上のヒドロキシル基を有しかつ数平均分子量が200以上であるポリエーテルポリオール単位及び/又はポリエステルポリオール単位とを有することを特徴とする脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体、に存する。
Figure 2005248151
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)
また、別の発明は、触媒の存在下、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体、一般式(2)で示されるポリエーテルと3個以上のヒドロキシル基を有しかつ数平均分子量が200以上であるポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール、並びに必要に応じて脂肪族オキシカルボン酸を重縮合反応させることを特徴とする脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法に存する。
Figure 2005248151
(式中、R1は水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜100
0の整数を示し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は有機基を示し、R2及びR3の少なくとも一つは水素原子である。)
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は優れた機械特性を有し、特に引張試験における良好な柔軟性と十分な破断強度を有している。また、フィルム、シートその他各種成形品の製造に適した成形加工性の優れた高分子量脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<脂肪族ジオールに関して>
脂肪族ジオール単位を構成する脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中で、得られる共重合体の物性の面から、1,4−ブタンジオール及びエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらは単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。好ましい脂肪族ジオール単位の量はポリエステル部分の35〜50モル%である。
<脂肪族ジカルボン酸に関して>
脂肪族ジカルボン酸単位を構成するジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン二酸、1,6−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル等の誘導体及び酸無水物等も挙げられる。これらの中で、物性の面から、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン二酸が好ましく、特にはコハク酸、またはこれらの混合物が好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。好ましい脂肪族ジカルボン酸単位或いは脂環式ジカルボン酸単位の量はポリエステル部分の35〜50モル%である。
<ポリエーテルに関して>
ポリエーテル単位は前記一般式(1)で表されるが、式中のRの具体例及び好ましい例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。この内、水素原子及びメチル基が好ましく、最も好ましくは水素原子である。式中のmは1〜10の整数、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは、2又は3、最も好ましくは3である。また、式中のnは4以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、10
00以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、最も好ましくは50以下の整数である。
ポリエーテル単位を構成するポリエーテール成分としては前記一般式(2)で示されるポリエーテルが挙げられる。一般式(2)中のR1の具体例及び好ましい例は一般式(1
)におけるRと同じである。またR2及びR3は、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示し、少なくとも一つは水素原子である。有機基の例としては、アルキル基、グリシジル基、エポキシキ基及びアシル基が挙げられる。好ましいR2及びR3としては、水素原子、メチル基、エチル基及びグリシジル基が、反応性及び入手のし易さから水素原子及びメチル基が最も好ましい。これらのポリエーテル成分は、一種類でも、2種以上を混合して使用することもできる。一般式(2)中のm及びnの好ましい範囲は一般式(1)におけるのと同様である。
好ましいポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリテトラメチレングリコールから選択されるものであり、これらを複数併用しても良い。この中でも特にポリ1,3−プロパンジオール及びポリテトラメチレングリコールが好ましく、ポリテトラメチレングリコールが最も好ましい。
ポリエーテル成分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、0.1〜90重量%であり、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、また好ましくは、70重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。ポリエーテル成分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合が0.1重量%未満であると機械物性改良効果が小さく、90重量%を超えると、耐熱性が低下し、成形性が低下する傾向がある。
<ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールに関して>
ポリエーテルポリオール単位及びポリエステルポリオール単位を構成するポリエーテルポリオール、及びポリエステルポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する多官能化合物である。重合反応の容易さなどから3個あるいは4個のヒドロキシル基を持つポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが好ましい。また、その数平均分子量は200以上が好ましい。200以下であると物性改良効果が小さい。更に好ましくは、500以上、最も好ましくは1000以上が好ましい。ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの数平均分子量は、水酸基価から算出される。このようなポリオールを共重合体中に導入することによって、重合速度の加速や溶融粘度、溶融張力の向上が達成され、成形加工性が向上する。また、適度な柔軟性、靱性の向上を達成することが可能である。フィルムに加工した場合、引き裂き強度が改善される。
ポリエーテルポリオールの構成単位としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はこれらのランダム共重合体又はブロック共重合体から選ばれる繰り返し単位から構成されることが好ましい。ポリエステルポリオールの構成単位としては、特に限定されないが、ポリカプロラクトンの繰り返し単位から構成されることが好ましい。これらのポリオールは、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物を中心化合物として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトンなどの環状エーテルや環状エステルを反応させて得られる。3個のヒドロキシル基を持つ場合、例えば以下の化学式で示される。
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、n、x、y、zは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、n、x、y、zは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
Figure 2005248151
(式中、l、m、nは1以上の整数を示す。)
ポリエーテルポリオール単位またはポリエステルポリオール単位の共重合体中の重量割合をX%、該ポリオールの数平均分子量をMとしたときに、下記の数式(1)を満たすことが好ましい。
Figure 2005248151
数式(1)におけるX/M×100が少なすぎると重合反応性の低下、溶融粘度・溶
融張力が低く物性改良効果、成形性改良効果が現れない傾向がる。また、多すぎると溶融粘度・溶融張力が上がりすぎて成形加工性を損なったり、柔軟性を損なって脆くなってしまう傾向がある。好ましくは、0.005≦X/M×100≦0.5である。この多官能
ポリオールの分子量、使用量、構成成分を変化させることによって用途に適した機械的物性と成形加工性を付与することができる。
<脂肪族オキシカルボン酸に関して>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、上記成分に加えて脂肪族オキシカルボン酸単位を有していてもよい。これを構成する脂肪族オキシカルボン酸としては、分子中に1個の水酸基とカルボン酸基を有する脂肪族化合物であれば特に限定されるものではないが、α−ヒドロキシカルボン酸が重合活性の点で最も好ましい。脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸及び2−ヒドロキシイソカプロン酸が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で、特に好ましいのは、使用時の重合速度の増大が顕著で、かつ入手の容易な乳酸及び/又はグリコール酸であり、最も好ましくは乳酸である。これらの形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。好ましい脂肪族オキシカルボン酸単位は、脂肪族ジカルボン酸単位に対して0.04〜30モル%である。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、高分子量化を達成することができるという点で、脂肪族オキシカルボン酸を含有することが好ましい。更に、得られる脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体をポリ乳酸とブレンドした場合などは特に相溶性の点からみても脂肪族オキシカルボン酸を含有することが好ましい。
<製造法に関して>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法は、ポリエステルの製造に関する公知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。エステル化反応を進行させた後、減圧操作を行うことによってさらに重合度を高めることができる。脂肪族ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化反応中の留出があることから、1〜20モル%過剰に用いられる。脂肪族オキシカルボン酸を添加する場合は、脂肪族ジカルボン酸100重量部に対し0.1〜100重量部の割合で添加して重縮合反応を行う。0.1重量部未満であると添加効果が現れず、また、多すぎると耐熱性、機械的特性などが不十分である。好ましい割合は、1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上が、また、好ましくは、50重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
脂肪族オキシカルボン酸を添加する場合、脂肪族オキシカルボン酸の添加時期及び方法は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、例えば、(1)あらかじめ触媒を脂肪族
オキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で添加する方法、(2) 原料仕込み時触媒を添
加すると同時に添加する方法、などが挙げられる。ポリエーテル成分の導入時期は、重合初期の他のモノマーと同時に仕込むまたはエステル交換反応後、減圧を開始する前でもどちらでも良いが他のモノマーと同時に仕込むほうが工程の簡略化の点で好ましい。
ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールの使用量は、原料仕込み量の50重量%以下が好ましい。50重量%以上だとポリマー鎖中の架橋反応が過度に起こり、ゲル化を起こしたり、成形性を損なったりするので好ましくない。これらは、最初の原料仕込み時に添加しても良いし、エステル化反応がある程度進行してから添加しても良く、減圧操作を行う前に添加しても良いが他のモノマーと同時に仕込むほうが工程の簡略化の点
で好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を製造する際の温度、時間及び圧力などの条件は、温度が150℃以上、好ましくは180℃以上、260℃以下、好ましくは230℃以下の範囲で選ぶのがよく、重合時間は2時間以上、好ましくは4〜15時間の範囲で選ぶのがよい。最終的な減圧度は1.33×103Pa以下、より好ましくは0
.27×103Pa以下で選ぶのがよい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、触媒の存在下で製造される。触媒としては、ポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒を選択することができるが、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、スズ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの金属化合物が好適である。中でもゲルマニウム化合物、チタン化合物が好適である。ゲルマニウム化合物としては、特に制限されるものではなく、酸化ゲルマニウム及びテトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特には、酸化ゲルマニウムが好適である。チタン化合物としては、特に制限されるものではなく、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネート等のテトラアルコキシチタンなどの有機チタン化合物が挙げられる。これらの中では価格や入手の容易さなどからテトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどが好ましい。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。
触媒の使用量は、使用するモノマー量に対して0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、3重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下である。触媒の添加時期は、重縮合以前であれば特に限定されないが、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時に乳酸及び/又はグリコール酸等の脂肪族オキシカルボン酸と同時に添加するか、または脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましく、特には、重合速度が大きくなるという点で脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの他にも3官能以上のヒドロキシ化合物、3官能以上のオキシカルボン酸、無水トリメリット酸や無水ピメリット酸のような酸無水物や3官能以上のカルボン酸を用いても良い。また、ジイソシアネート、ビスオキサゾリン、ジイミド、エポキシ化合物などの鎖延長剤を使用してもよい。また、ジフェニルカーボネートを添加してポリエステルカーボネートにしても良い。その場合は、ジフェニルカーボネートを20重量%以下、特に10重量%以下とすることが好ましい。また、少量のパーオキサイドを添加することもよい。
<酸化防止剤に関して>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は酸化防止剤を含有するものであることが好ましい。酸化防止剤の量の下限値は、通常10ppm以上、好ましくは100ppm以上であり、上限値は、通常10000ppm以下、好ましくは5000ppm以下で
ある。この量が多すぎると重合性が低下し、また少なすぎると重合時の安定効果が発揮されない傾向がある。
酸化防止剤としては、BHT、2,2’−メチレンビス(4-メチルー6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオンアミド等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系酸化防止剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン-2−オンとキシレンの反応性生物
等の
ラクトン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤及びこれらの2種以上の混合物などが例示できる。この中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に用いられる。好ましいヒンダードフェノール系酸化防止剤としてはイルガノックス 3790、イルガノックス 1330、イルガノックス 1010、イルガノックス 1076、イルガノックス 3114、イルガノックス 1425WL、イルガノックス 1098、イルガノックス HP2225FL、イルガノックス HP2341、イルガフォス XP-30(以上チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ社製)、スミライザーBBM-S(住友化学社製)が用いられる。最も好ましい酸化防止剤
はイルガノックス 3790(1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン)、イルガノックス 1330(3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール)が用いられる。
酸化防止剤を添加する場合、酸化防止剤の添加時期及び方法は、重縮合反応開始以前であれば特に限定されず、例えば、(1)原料と同時に仕込む方法、(2)エステル化終了時に添加する方法などが挙げられ、他の原料モノマーと同時に仕込む方が工程の簡略化の点で好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体には、その生分解性を損なわない程度に芳香族ジカルボン酸等の芳香族化合物を含有させることもできる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが用いられ、テレフタル酸を使用する場合には、ジカルボン酸単位中50モル%以下とすることが生分解性保持の点から好ましい。
<重合割合の算出に関して>
本発明において、脂肪族ポリエステル部分の各成分のモル%は、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を、1H−NMRにより測定して求めることができる。また、ポリエ
ーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、ポリエーテル部分のモル分率よりポリエーテルの重量を求め、共重合体中の重量割合を算出することにより求めることができる。
<粘度に関して>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の還元粘度ηsp/Cは、1.4以上であるが、さらに好ましくは1.8以上、最も好ましくは2.0以上である。上限は通常4.0以下であるが、好ましくは3.8以下さらに好ましくは3.2以下である。
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、適度な溶融粘度と溶融張力を持ち合わせており成形加工性が良好である。190℃において測定したメルトインデックスが通常0.1g/10分以上であり、好ましくは0.5g/10分以上である。上
限値は通常、50g/10分、好ましくは10g/10分である。
<引張試験に関して>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を成形して得られたサンプルの引張試験における破断伸度は、800%以上が好ましく、より好ましくは900%以上、最も好ましくは1000%以上であり、上限は通常3000%以下である。
引張試験における破断点強度10MPa以上が好ましく、より好ましくは20MPa以上、最も好ましくは30MPa以上であり、上限は通常60MPa以下である。
<シート状成型体に関して>
本発明に係る脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体のシート状成型体とは射出成形法、中空成形法および押出成形法などの汎用プラスチック成形法などによって成型された1μm〜1cm程度の厚さのシート状物であり、インフレーションフィルム、Tダイフィルム、ラミネートフィルム、熱プレスシート、延伸シート、板などがある。その際、結晶核剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなど、必要に応じ添加することができる。
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は汎用プラスチック成形法によりモノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、ブローボトル、複合繊維及び発泡体などの成形品に利用可能である。その際、結晶核剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなど、必要に応じ添加することができる。
また、本発明の脂肪族ポリエステル共重合体は、生分解性を有しており、土中のバクテリアによって、完全に分解する特性があり、環境衛生上極めて有用な重合体である。そのため、ショッピングバッグ、ゴミ袋、農業用フィルム、合成紙、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱及びクッション材などの各種の用途に使用可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
還元粘度(ηsp/C):実施例及び比較例で得られた共重合体をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(1:1重量比)中、30℃で溶液濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度からもとめた。
熱プレス:38トンプレス(ラム径150mmφ、250mm角、上島製試験用プレス機)を用い150℃で熱プレスを行い、厚み170μmのプレスシートを作製した。
インフレーション成形:エンプラ産業(株)製インフレ成形機を用い160℃にて成形を行い、ブロー比約1.7、厚み約50μmのフィルムを得た。
引張試験:熱プレスで得られたプレスシートからサンプルをダンベル形状に打ち抜き、JIS K7127に従って引張試験を行った。
メルトインデックス:JIS K7210に基づき、メルトインデクサーを用いて190℃、荷重2.16kgにて測定した。
1H−NMR測定:得られた共重合体の各成分のモル分率は、1H−NMRによって測定した。また、ポリオールのモル分率よりポリオールの共重合体中の重量割合を算出した。1H−NMR測定は、日本電子製 JEOL EX270を用いた。
熱劣化試験:得られたポリマーペレットを80℃ 12hr以上のギアオーブン(タバイ
エスペック GPH−101)中に放置後、還元粘度(ηsp/C)を測定し、還元粘度保持率を算出した。
実施例1
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸50.19g、1,4−ブタンジオールを37.16g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)74.75g、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合トリオール(旭硝子(株)製エクセノール230、OH価:55.5KOHmg/g、数平均分子量(Mn)3027)2.54g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%L−
乳酸水溶液2.08gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、0.07×103Paで5時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.921であった。メルトインデックスは、7.2g/10分であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位46.6モル%、1,4−ブタンジオール単位48.5モル%、乳酸単位1.91モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は48.5重量%であった。ポリエチレングリコールトリオール単位の重量割合は、共重合体中1.7重量%であった。また、得られた共重合体を熱プレスによってプレスシートを成形し引張試験を行ったところ、伸び1000%、破断強度26.5MPaであった。
実施例2
原料としてコハク酸50.2g、1,4−ブタンジオールを37.3g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)74.8gとポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業(株)製プラクセル320、OH価:84.3KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1996)1.7g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%L−乳酸水溶液2.08gを仕込み、実施例1と同様の方法で反応を行い、0.07×103Paで6時間で重合を終了
し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.850であった。メルトインデックスは、8.0g/10分であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位49.2モル%、1,4−ブタンジオール単位49.0モル%、乳酸単位1.80モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は49.0重量%であった。ポリカプロラクトントリオール単位の重量割合は、共重合体中1.71重量%であった。また、得られた共重合体を熱プレスによってプレスシートを成形し引張試験を行ったところ、伸び990%、破断強度27MPaであった。
実施例3
原料としてコハク酸47.2g、1,4−ブタンジオール35.0g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)79.2gとポリプロピレングリコールトリオール(日本油脂(株)製ユニオールTG40
00、OH価:42.6KOHmg/g、数平均分子量(Mn)3951)6.72g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%L−乳酸水溶液2.23gを仕込み、実施例1と同様の方法で反応を行い、0.07×103Paで6時間で重合を
終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.880であった。メルトインデックスは、8.0g/10分であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位49.5モル%、1,4−ブタンジオール単位48.5モル%、乳酸単位2.00モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は49.5重量%であった。ポリプロピレングリコールトリオール単位の重量割合は、共重合体中4
.48重量%であった。また、得られた共重合体を熱プレスによってプレスシートを成形し引張試験を行ったところ、伸び960%、破断強度28MPaであった。
実施例4
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸47.2g、1,4−ブタンジオールを35.0g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)70.4gとポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合トリオール(旭硝子(株)製エクセノール230、OH価:56KOHmg/g、数平均分子量(Mn)3027)2.42gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。この時点で、テトラブトキシチタネート0.05gを添加した。次に、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるよう
に減圧し、0.07×103Paで5.5時間反応を行い重合を終了し、乳白色の共重合
体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.850であった。メルトインデックスは、7.9g/10分であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位49.8モル%、1,4−ブタンジオール単位50.2モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は49.0重量%であった。ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合トリオール単位は共重合体中1.6重量%であった。また、得られた共重合体を熱プレスによってプレスシートを成形し引張試験を行ったところ、伸び980%、破断強度25MPaであった。
実施例5
27Lオートクレーブを用い、原料としてコハク酸1617g、1,4−ブタンジオール1198g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)2409g、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合トリオール(旭硝子(株)製エクセノール230、OH価:55.5KOHmg/g、数平均分子量(Mn)3027)82.94g、酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%L−乳酸水溶液67.86gを仕込んだ以外は、実施例1と同様に重合反応を行った。重合時間は6時間反応し、得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は3.20であった。メルトインデックスは、6.0g/10分であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位49.8モル%、1,4−ブタンジオール単位50.2モル%、乳酸単位1.80モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は49.0重量%であった。ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合トリオール単位は共重合体中1.6重量%であった。また、インフレーション成形によってフィルムの成形が可能であった。
実施例6
原料仕込み時に酸化防止剤(イルガノックス 1330:チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.15g(1000ppm)を添加した以外は実施例1と全く同様に重合を行った。重合時間は4.6時間であった。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られたペレットを80℃オーブン中に12時間放置後、還元粘度(ηsp/C)を測定したところ、オーブンに放置前と全く溶液粘度に違いが見られなかった(粘度保持率100%)。表−2に80℃オーブン中、12時間の熱履歴前後の還元粘度(ηsp/C)の保持率をまとめた。
実施例7
原料仕込み時に酸化防止剤(イルガノックス 3790:チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.15g(1000ppm)を添加した以外は実施例2と全く同様に重合を行った。重合時間は5時間であった。反応終了後、反応器から溶融ポリマーを糸状に引き出し、それを粒状にカットし脂肪族ポリエステルペレットを得た。得られたペレットを80℃オーブン中に12時間放置後、還元粘度(ηsp/C)を測定したところ、オーブンに放置前と
全く溶液粘度に違いが見られなかった(粘度保持率99.8%)。表−2に80℃オーブ
ン中、12時間の熱履歴前後の還元粘度(ηsp/C)の保持率をまとめた。
比較例1
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸50.2g、1,4−ブタンジオール37.2g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)74.8g及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%乳酸水溶液2.11gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃に昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、0.07×103Paで9時間反応を行い重合を終了し、白色のポリエ
ステルを得た。メルトインデックスは、20g/10分であった。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は1.918であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%はコハク酸単位49.2モル%、1,4−ブタンジオール単位49.0モル%、乳酸単位1.80モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は48.5重量%であった。また、得られた共重合体を熱プレスによってプレスシートを成形し引張試験を行ったところ、伸び790%、破断強度16MPaであった。表−1から明らかなようにポリエー
テルポリオールが存在する実施例1から4の方法は比較例1の方法に比べ重合速度が速く、得られた共重合体はメルトインデックスが7〜8と低く成形加工性が優れており、インフレーションフィルムなどに好適である。それに対し比較例1の方法は重合時間が長く、得られた共重合体はメルトインデックスが20と高く、インフレーションフィルムなどの成形加工性に乏しく、不適である。
比較例2
27Lオートクレーブを用い、原料としてコハク酸1617g、1,4−ブタンジオール1198g、ポリテトラメチレングリコール(OH価:56.9KOHmg/g、数平均分子量(Mn)1958)2409g、酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%L−乳酸水溶液67.86gを仕込んだ以外は、比較例1と同様に重合反応を行った。重合時間は9時間30分かかり、得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.70であった。メルトインデックスは、19.0g/10分であった。また、インフレーション成形によるフィルム成形は溶融粘度が低く成形ができなかった。
Figure 2005248151
Figure 2005248151

Claims (11)

  1. 脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位、下記一般式(1)で表されるポリエーテル単位、並びに3個以上のヒドロキシル基を有しかつ数平均分子量が200以上であるポリエーテルポリオール単位及び/又はポリエステルポリオール単位とを有することを特徴とする脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体。
    Figure 2005248151
    (式中、Rは水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)
  2. 引張り試験における破断伸度が800%以上である請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体。
  3. 溶液粘度におけるηsp/Cが1.4以上である請求項1または2に記載の脂肪族ポリエス
    テルポリエーテル共重合体。
  4. ポリエーテルポリオール単位及び/又はポリエステルポリオール単位の数平均分子量をM、該ポリオールの脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の重量割合をX%として、下記数式(1)を満足する請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体。
    Figure 2005248151
  5. さらに脂肪族オキシカルボン酸単位を、脂肪族ジカルボン酸単位に対して0.04モル%以上30モル%以下の範囲で有する請求項1〜4のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体。
  6. 酸化防止剤を共重合体中、10〜10000ppm含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体。
  7. 触媒の存在下、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体、下記一般式(2)であらわされるポリエーテル、並びに3個以上のヒドロキシル基を有しかつ数平均分子量が200以上のポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールを重縮合反応させることを特徴とする脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法。
    Figure 2005248151
    (式中、R1は水素原子またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜100
    0の整数を示し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は有機基を示し、R2及びR3の少なくとも一つは水素原子である。)
  8. さらに脂肪族オキシカルボン酸を加えて重縮合反応させることを特徴とする請求項7に
    記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法。
  9. 触媒がゲルマニウム化合物及び/又はチタン化合物である請求項7または8に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法。
  10. 重縮合反応開始前に酸化防止剤を添加する、請求項7〜9のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を用いてなるシート状成型体。
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