JP2005248090A - 防曇塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに透明性、防曇性、耐水性および密着性に優れ、長期的にその性能を発現する防曇塗膜を形成する防曇塗料組成物を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに下記一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位と重合性親油性モノマー由来の構成単位の総和が80重量%以上である (メタ)アクリル酸系共重合体と親水性無機物を含む防曇塗料組成物を塗布することで、透明性、耐水性および密着性に優れ、長期的に防曇性能を発現する防曇塗膜が形成された防曇性フィルム/シートを得ることが出来る。
【化1】
(但し、R1はHまたはCH3、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基。nは1〜30の整数を示す)
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに下記一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位と重合性親油性モノマー由来の構成単位の総和が80重量%以上である (メタ)アクリル酸系共重合体と親水性無機物を含む防曇塗料組成物を塗布することで、透明性、耐水性および密着性に優れ、長期的に防曇性能を発現する防曇塗膜が形成された防曇性フィルム/シートを得ることが出来る。
【化1】
(但し、R1はHまたはCH3、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基。nは1〜30の整数を示す)
Description
ポリオレフィン系樹脂フィルムまたはシート(以下フィルム/シートと省略)に透明性、防曇性、耐水性および密着性に優れ、長期的にその性能を維持する防曇塗膜を形成する防曇塗料に関するものである。
近年、種々の熱可塑性樹脂が工業的に製造され、広い分野に使用されている。これら熱可塑性樹脂より製造された成形品の多くは、その表面が疎水性であるため、成形品を使用する条件によっては、成形品の表面に凝集水による曇りを生じ、種々の不都合をきたしている。例えば、食品包装用フィルムでは、食品から放出される水蒸気が低温下に置かれることでフィルム表面に凝集し、それが曇りとして内容物を見え難くする。農業用フィルムでは、ハウス内の温度が上昇することで土壌から水蒸気が放出し、曇りとしてフィルム表面に凝集するとこで太陽光の透過を悪くし、植物の生育が遅延する。また、この凝集水がさらに集まることで水滴となって植物に落下することで病害の発生原因になる。
このような不都合を解消するために、熱可塑性樹脂成形品の表面に防曇性を付与する事が一般的に知られている。その方法としては、熱可塑性樹脂中に界面活性剤のような親水性物質(防曇剤)を練り込んで成形する方法、成形品の表面に対して親水性物質または水溶性高分子物質を塗布する方法が採用されている。
前者の方法では、熱可塑性樹脂に練り込まれた親水性物質が成形品より噴出して防曇性を付与するが、水と一緒に流出するために防曇性能が低下してしまうといった問題点がある。また、後者では、親水性高分子と界面活性剤等からなる組成物を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、耐水性に乏しいだけではなく、熱可塑性樹脂との密着性に劣るため、多湿条件下では親水性物質に由来する塗膜が樹脂成形品表面から剥離し易く、防曇性能を十分発揮しない。
これを改良するために、ヒドロキシル基を含有する親水性アクリルエステル共重合体を架橋剤で水不溶性にする方法(例えば、特許文献2参照)、界面活性剤に無機コロイドであるシリカゾルを加える方法(例えば、特許文献3参照)等が開示されている。しかし、前述の方法では防曇性能の低下を抑えることができるが、熱可塑性樹脂との密着性に乏しいために、形成塗膜は時間の経過とともに脱落して、長期にわたって防曇効果を持続することができなかった。塗膜の密着性を向上するためにアクリル系樹脂と無機微粒子を組み合わせる方法も開示されている(例えば、特許文献4参照)が、イオン性モノマーを含むために塗膜の防曇性は向上しても長期使用すれば吸水白化によって透明性が低下するといった問題がある。
本発明の課題は、ポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに透明性、防曇性、耐水性および密着性に優れ、長期的にその性能を発現する防曇塗膜を形成する防曇塗料組成物を提供することである。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の(メタ)アクリル酸共重合体と親水性無機物を含む防曇塗料組成物が、透明性、防曇性、耐水性および密着性に優れ、長期的にその性能を発現する防曇塗膜を形成することを見出した。すなわち本発明は、下記一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位と重合性親油性モノマー由来の構成単位の総和が80重量%以上である (メタ)アクリル酸系共重合体と親水性無機物を含む防曇塗料組成物である。
(但し、R1はHまたはCH3、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基。nは1〜30の整数を示す)
本発明はまた、該防曇塗料組成物由来の防曇性被膜が形成されてなるポリオレフィン系防曇性樹脂フィルムまたはシートでもある。
本発明はまた、該防曇塗料組成物由来の防曇性被膜が形成されてなるポリオレフィン系防曇性樹脂フィルムまたはシートでもある。
本発明の防曇塗料組成物をポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに塗布することで、透明性、耐水性、密着性に優れ、長期的に防曇性能が持続する塗膜を形成した防曇フィルム/シートを得ることが出来る。
本発明が対象とするポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種のモノマーとの共重合体、すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等を挙げることができる。これらは公知の重合法・重合触媒により製造することができる。
本発明のかかるフィルム/シートの形態としては、単一樹脂からなる単層フィルム/シート、2種類以上の樹脂を積層してなる積層フィルム/シートのどちらでもよく、使用用途によってその形態を選ぶことができる。例えば、農業ハウス用フィルムでは柔軟性および強度等の面から3層の積層フィルムが良く使用され、その構成としてはポリエチレン外層、酢酸ビニル含有量10〜20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体中間層、酢酸ビニル含有量3〜12重量%エチレン−酢酸ビニル共重合体内層といったものが挙げられる。
本発明の防曇塗料由来の塗膜を形成してなるフィルム/シートは公知の方法で製造できる。例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機、1または2軸押出し機を用いて原料樹脂の加熱溶融混練時に酸化防止剤、光安定剤等樹脂添加剤を添加・混合し、従来から知られている溶融押出成形法(Tダイ法、インフレーション法等)等により製造することができる。
また、該フィルム又はシートには、防曇塗膜の透明性、密着性等を阻害しない程度で必要に応じて任意成分を配合することができる。任意成分としては、帯電防止剤、防霧剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、造核剤、アンチブロッキング剤、保温剤、各種安定剤等の添加剤や、炭酸カルシュウム、シリカ、酸化チタン、タルク等の無機充填剤、及び顔料等を挙げることが出来る。
本発明の防曇塗料は、(メタ)アクリル酸系樹脂共重合体と親水性無機物を含むことを特徴とする。
本発明に係わる(メタ)アクリル酸系共重合体の好ましい態様は、上記一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位が5〜80重量%、重合性親油性モノマー由来の構成単位が20〜95重量%であり、双方の和が80重量%以上である(メタ)アクリル酸系共重合体である。
一般式(A)に示すモノマーにおいて、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であるが、nが2以上の場合はそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、ランダムに結合していてもブロック的に結合していてもよい。R3は炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基であるが、炭素数は1〜18が好ましく、さらに好ましくは1〜12である。nは1〜30の整数であるが、好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜3である。nが大き過ぎると防曇性能は発現するが、濡れの速さと塗膜の耐水性の点で劣る。また、該共重合体中の含有量は5〜80重量%の範囲であるが、好ましくは10〜80重量%である。少な過ぎると安定した防曇性能が得られない、濡れ方に斑がある傾向にあり、多過ぎると塗膜のべたつき感が出るために好ましくない。
また、重合性親油性モノマーとは、ラジカル重合性モノマーであり、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、アルケニルベンゼン類、アクリルアミド類が該当する。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類としてはアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸シクロヘキシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−t−ブチルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエステル等アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アルケニルベンゼン類としてはスチルベンゼン、α−メチルスチルベンゼン、ビニルトルエン等が挙げられ、共重合組成物を構成する全モノマー比で10〜80重量%含有することが耐水性、密着性の向上の面で好ましい。また、アクリルアミド類としては非イオン性のモノマーが好ましく、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性、塗膜の透明性、ベタツキ等を考慮するとその割合は全モノマー比で10重量%以下が好ましい。
本発明に係わる(メタ)アクリル酸系共重合体には本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合体可能なモノマーを使用することもできるが、全モノマー比で20重量%を超えることはない。すなわち、本発明に係わる(メタ)アクリル酸系共重合体中の上記一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位と重合性親油性モノマー由来の構成単位の総和が80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
(メタ)アクリル酸系樹脂共重合体は公知の乳化剤を用い、常法の乳化重合により得ることができる。乳化剤の添加量としては0.05〜15重量%の範囲内で使用することが望ましく、重合物の安定性、重合速度の調整面からは添加量が0.1〜10重量%の範囲内であることがより好ましい。
乳化重合の際に用いられる重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸の塩、クメンヒドロキシパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等のラジカル生成触媒が挙げられ、分子量調節剤としては、ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等が挙げられる。また、重合の際に用いられる媒質は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキシルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン等のケトン類、3−酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類が挙げられ、作業環境を考慮すると水またはアルコール類が主であることが好ましく、これらは1種もしくは2種類以上を混合して使用することが出来る。
また、乳化重合に用いられる乳化剤としては一般的に使用される陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を使用でき、この中から選ばれる単独または2種以上の混合物として添加することが出来る。重合時の乳化安定性および重合後のエマルションの分散安定性より非イオン性−陽イオン、非イオン性−陰イオン性といった併用系がより好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、アルケニルコハク酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンノニウムクロライド、ラウリルアミンアセテート等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノール、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノココレート、ジグリセリンモノステアレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸系樹脂共重合体のガラス転移温度は30〜80℃の範囲のものが良く、好ましくは40〜80℃の範囲のものである。該共重合体のガラス転移温度が前述の範囲より低い場合ではフィルムの表面がべたつき、フィルム同士の融着が起こり易くなるだけではなく、親水性無機物の凝集により分散系が不均一になるために防曇性能が経時で低下してしまう。また、高い場合では塗膜の柔軟性が極端に低下するためにフィルム/シートを折り曲げた際に皹が入って剥離してしまうため外観を損なうだけではなく、防曇性能が低下するために実用性に乏しい。
本発明にかかる親水性無機物の好ましい態様はコロイド状無機物であり、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、水酸化鉄、水酸化錫、硫酸バリウム等の無機物を水系分散媒に分散した水性ゾルを挙げることができる。その粒子径または粒子長は塗膜の透明性、防曇性から考慮すると10〜200nmが望ましい。これら水性ゾルは正負イオンに帯電しているものが好ましく、塗布液の安定性やコスト、塗膜の防曇性能安定性の点を考慮するとシリカ・アルミナがより好ましい。さらにこれらは単独またはその他との併用系でも良い。
本発明の防曇塗料組成物は上記(メタ)アクリル酸系共重合体と親水性無機物を含むが、その組成比は固形分換算で(親水性無機物)/(共重合体)=0.1〜5の範囲にあることが好ましい。これ以下であれば防曇性能が十分に発揮されず、これ以上であれば防曇性能が組成比の増加に比例して性能の向上が見られない、塗膜が白濁して透明性を損なうために好ましくない。
基体フィルム/シートの表面に本発明の防曇塗料組成物由来の防曇塗膜を形成する方法としては防曇塗料組成物をドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法等公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥する方法がよい。乾燥方法としては熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法が挙げられるが、乾燥速度等を考慮すると熱風乾燥が適していると考えられる。
また、本発明の防曇塗料組成物由来の塗膜の密着性をさらに高めるために塗布前に基材フィルム/シートをアルコールまたは水による洗浄、プラズマ放電、コロナ放電による表面処理を施しておいてもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、これらの例に制約されるものではない。はじめに、フィルムの作製、評価方法を提示し、最後に本発明の実施例、比較例について表にまとめる。
A.基材フィルムの作製
日本ポリケム(株)製ノバテックEVA(品番:LV440)ペレットをインフレーションダイが備えられた(株)東洋精機製インフレーション成形機に供給して、ダイ温度180℃、ブロー比2.0、引取速度12m/分で成形することで、厚さ約100μmの基材フィルムを作製した。
日本ポリケム(株)製ノバテックEVA(品番:LV440)ペレットをインフレーションダイが備えられた(株)東洋精機製インフレーション成形機に供給して、ダイ温度180℃、ブロー比2.0、引取速度12m/分で成形することで、厚さ約100μmの基材フィルムを作製した。
B.防曇フィルムの作製
表1に記載の配合よりなる防曇塗料組成物を固形分が10%になるように溶媒で希釈し、上記フィルムにバーコーターで塗布した後、100℃に温度調節した温風乾燥機に1分間放置して溶媒を飛散させて防曇塗膜を形成させた。この時の塗膜の厚さは約2μmであった。
表1に記載の配合よりなる防曇塗料組成物を固形分が10%になるように溶媒で希釈し、上記フィルムにバーコーターで塗布した後、100℃に温度調節した温風乾燥機に1分間放置して溶媒を飛散させて防曇塗膜を形成させた。この時の塗膜の厚さは約2μmであった。
C.防曇性能の評価
各防曇性フィルムの防曇性を評価し、表3に示す結果を得た。
評価基準
◎ :一面に均一に濡れ透明
○ :ほぼ一面に均一に濡れ透明
× :一部透明部分もあるが全体に不透明
××:完全に不透明
低温濡れ性:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:5℃、水温:15℃、
傾斜角10度でフィルムの濡れ状態を評価。
高温持続性:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:20℃、水温:50℃、
傾斜角10度でフィルムの濡れ状態を評価。
各防曇性フィルムの防曇性を評価し、表3に示す結果を得た。
評価基準
◎ :一面に均一に濡れ透明
○ :ほぼ一面に均一に濡れ透明
× :一部透明部分もあるが全体に不透明
××:完全に不透明
低温濡れ性:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:5℃、水温:15℃、
傾斜角10度でフィルムの濡れ状態を評価。
高温持続性:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:20℃、水温:50℃、
傾斜角10度でフィルムの濡れ状態を評価。
D.塗膜の密着性評価
JIS D0202 「碁盤目セロファンテープ」試験にて評価した。
○ :残存個数が80〜100個
△ :残存個数が50〜80個
× :残存個数が 0〜50個
JIS D0202 「碁盤目セロファンテープ」試験にて評価した。
○ :残存個数が80〜100個
△ :残存個数が50〜80個
× :残存個数が 0〜50個
E.フィルムの吸水白化評価
作製した防曇性フィルムを水温40℃の水に浸漬させ、任意の期間毎に切取り、東京電色(株)製ヘーズメーターTC−H3DPKを用いて曇価を測定し、測定値からフィルムの吸水白化度を評価した。この値が小さい程、透明性は良いことを示す。つまり、耐水性が良好であることが分かる。
また、浸漬後にフィルムを乾燥し、防曇塗膜表面のべたつきについても評価を行った。
作製した防曇性フィルムを水温40℃の水に浸漬させ、任意の期間毎に切取り、東京電色(株)製ヘーズメーターTC−H3DPKを用いて曇価を測定し、測定値からフィルムの吸水白化度を評価した。この値が小さい程、透明性は良いことを示す。つまり、耐水性が良好であることが分かる。
また、浸漬後にフィルムを乾燥し、防曇塗膜表面のべたつきについても評価を行った。
表3の結果より、本発明の防曇塗料組成物を用いることでポリオレフィン系樹脂フィルム/シートに透明性、防曇性、耐水性および密着性に優れ、長期的にその性能を維持する防曇塗膜を形成することが分かる。
Claims (7)
- (メタ)アクリル酸系共重合体の組成比が、一般式(A)に示すモノマー由来の構成単位が5〜80重量%、重合性親油性モノマー由来の構成単位が20〜95重量%であることを特徴とする請求項1記載の防曇塗料組成物。
- 重合性親油性モノマー成分がアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類、アルケニルベンゼン類、アクリルアミド類より1種または2種類以上選ばれてなる請求項1または2に記載の防曇塗料組成物。
- (メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度が30〜80℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。
- 親水性無機物が無機物のコロイドゾルであり、正・負イオンに解離していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。
- ポリオレフィン系樹脂フィルムまたはシートに請求項1〜5のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物由来の防曇性被膜が形成されてなる防曇性樹脂フィルムまたはシート。
- ポリオレフィン系樹脂フィルムまたはシートが単一樹脂からなる単層フィルムまたは2種類以上の樹脂を積層してなる積層フィルムである請求項6記載の防曇性樹脂フィルムまたはシート。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN113637205A (zh) * | 2021-09-03 | 2021-11-12 | 海南赛诺实业有限公司 | 一种防雾易揭抗菌高阻隔bopet涂布膜及其制备方法 |
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2004
- 2004-03-05 JP JP2004063245A patent/JP2005248090A/ja active Pending
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