JP2005248058A - 浸透乾燥型平版印刷インキ - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷時、濃度変動を起こさず、オペレート容易な印刷インキを提供することを課題とする。
【解決手段】 一次粒子径が2ないし50nmである粉末状シリカを0.1ないし20重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型平版印刷インキ。さらに、上記平版印刷インキを用いて印刷してなる印刷物。
【解決手段】 一次粒子径が2ないし50nmである粉末状シリカを0.1ないし20重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型平版印刷インキ。さらに、上記平版印刷インキを用いて印刷してなる印刷物。
Description
本発明は、浸透乾燥型平版インキに関するものであり、印刷時における印刷物の濃度変動を少なくすることができる浸透乾燥型平版印刷インキに関するものである。
本発明の浸透乾燥型平版インキとは新聞印刷に用いられるものの他、コミック、週刊誌等の低い紙質の印刷用紙に印刷するための平版印刷インキに関する。
更に本発明はインキが画線部に対応する部分を感脂性面とし、非画線部に対応する部分を親水性面とした刷版を用いた請求項1記載の平版印刷インキに関する。
本発明において粉末状シリカとは、乾式親水性シリカ、乾式疎水性シリカ、湿式親水性シリカ等を云う。
本発明の浸透乾燥型平版インキとは新聞印刷に用いられるものの他、コミック、週刊誌等の低い紙質の印刷用紙に印刷するための平版印刷インキに関する。
更に本発明はインキが画線部に対応する部分を感脂性面とし、非画線部に対応する部分を親水性面とした刷版を用いた請求項1記載の平版印刷インキに関する。
本発明において粉末状シリカとは、乾式親水性シリカ、乾式疎水性シリカ、湿式親水性シリカ等を云う。
浸透乾燥型平版インキが一般的に使用される新聞輪転印刷機は壺元ローラーとピックアップローラーの接触しない連続呼び出し方式や、ポンプを用いてインキを供給するポンプ方式の2種類が一般的で、ローラー本数も少なくシンプルな構成である。新聞輪転印刷機ではスパイラルブラシや、スプレーダンプナー装置を用いた給水方式が一般的で、湿し水供給量は商業印刷の連続給水方式に比べて多いことから、湿し水に関するトラブルは多い。例えば、地汚れ、ローラーはげ、水着ローラー絡み等の湿し水を使用することにより発生する問題の他に、新聞平版印刷では壺元ローラーのインキやレールから吐出されたインキがピックアップローラーに受け渡されないことによる濃度低下や、受け渡されないインキがレール部に溜まりそれが一度にローラーへ持って行かれることによる一時的な濃度上昇など、濃度変動が発生しやすい。
上記の現象は印刷時の湿し水量が多いことに加えて、インキ粘度が低く乳化が促進されやすいことに起因している。印刷時に過剰に供給される湿し水がインキに取り込まれ、印刷機ローラー上のインキの含水率が上昇する。このローラー上のインキ含水率が高くなると、壺供給方式の印刷機では、低速で回転している壺元ローラー上の乳化していないインキと、高速で回転しているピックアップローラー上の乳化したインキとの間に水膜が生成することによってインキの転移阻害が起こり、版面へインキが供給されなくなるため、印刷紙面の濃度低下が起こる。
ポンプ供給方式の印刷機は、インキレールと呼ばれるスリットからインキが供給されるが、壺供給方式の印刷機同様にローラー上のインキの含水率が高くなると、インキレールから供給された乳化していないインキが高速で回転しているローラーへの転移が悪くなる。転移されないインキは高速回転のローラーで飛ばされ、インキレール上部や下部に著しくインキを溜め込み、その溜め込んだインキが一度にローラーに巻き込まれることにより、一時的な紙面濃度上昇が発生し、巻き込まれたインキ量が著しく多い時には紙面を汚してしまい、不良紙面が大量に発生する場合もある。
紙面品質向上と管理のために自動紙面検査装置の導入が一般的になり、今まで見過ごされてきた紙面の濃度変動が検知できるようになった。これらの濃度変動によって品質に影響が出てくると、印刷を中止してレール周辺の洗浄を行わなければならず、損紙の増大、生産性の低下等の重大な要因となる。省力化による人員削減によって、インキにまで手をかけられないのが現状であり、上記のトラブルの発生がなく、安定して使用できる浸透乾燥型平版印刷インキが要望されていた。
このような濃度変動を減少させる目的で従来とられてきた方法としては、1)インキ粘度を低くする、2)湿し水供給量を少なくする等が行われてきたが、1)はドットゲインの上昇を起こし、2)はオペレーターの負担増となり省力化に逆行することになるため、有効的な手段は見いだせていなかった。
本発明は前記ような課題を解決するためのものであり、高粘度のインキでも印刷適性を損なわず、濃度低下、上昇などの濃度変動を抑制することができる浸透乾燥型平版印刷インキを提供するものである。
本発明はインキの乳化を抑制することによって、ローラー上のインキと供給されるインキの物性差を少なくし、上記の水膜生成の抑制やレール部に溜め込むインキ量を減少させる事を最も主要な特徴とする。
即ち本発明は一次粒子径が2ないし50nmである粉末状シリカを0.1ないし20重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型平版印刷インキに関する。
さらに本発明は、上記平版印刷インキを用いて印刷してなる印刷物に関する。
本発明により、ローラー上のインキの乳化を抑制することによって印刷紙面の濃度変動の発生が減少し、安定した印刷紙面得られるため、紙面検査装置での警告、排紙の頻度を飛躍的に少なくすることができる。また、インキ出力、湿し水供給量の調整頻度も減少することから、オペレータの負担も軽減する。
本発明に用いられる浸透乾燥型平版インキ中の粉末状シリカの含有量は、0.1重量%〜20重量%であり、好ましくは0.5重量%〜10重量%の範囲である。含有量が0.1重量%未満であれば、印刷時の濃度変動を抑制させることができず、20重量%を超えると浸透乾燥型平版インキの流動性、転移性が損なわれるため好ましくない。
本発明に用いられる粉末状シリカの種類には乾式親水性シリカ、乾式疎水性シリカ、湿式親水性シリカ等、特に制限はないが、好ましくは湿式親水性シリカを使用することが望ましい。
また、本発明において浸透乾燥型平版インキに粉末状シリカを含有させるに際しては、製造時に添加するにあたってはフラッシング工程を経るインキの場合には、好ましくはフラッシング工程が終了した時点で90℃以下の条件にて添加、分散する方が本発明の効果を発揮することができるが、更に好ましくは80℃以下の条件にて添加、分散する方が本発明の所期の効果を十分に発揮することができる。
本発明の浸透乾燥型平版インキとは新聞印刷に用いられるものの他、コミック、週刊誌等の低い紙質の印刷用紙に印刷するための平版印刷インキに関するもので、インキに使用している樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アマニ油ロジンフェノール樹脂、アクリル酸変性ロジンフェノール樹脂、ギルソナイト類樹脂などがある。その他乾性油、エステル、溶剤、補助剤、顔料等は全ての種類のものに適用できるものであり、従来公知の酸化重合型、ヒートセット型の平版印刷インキ全て本発明の対象になり得るものである。
[実施例]
以下、具体例を示して本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施例により、何ら制限されるものではない。なお、例中「部」とは重量部を示す。
A:ロジン変性樹脂ワニスの調整
ハリフェノールPT234(ハリマ化成製ロジン変性フェノール樹脂、商品名)45重量%、大豆油45重量%、AFソルベント5(新日本石油製溶剤、商品名)10重量%を撹拌機、コンデンサー、温度計付きの釜に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱し、180℃にて1時間撹拌後汲み出した。
ハリフェノールPT234(ハリマ化成製ロジン変性フェノール樹脂、商品名)45重量%、大豆油45重量%、AFソルベント5(新日本石油製溶剤、商品名)10重量%を撹拌機、コンデンサー、温度計付きの釜に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱し、180℃にて1時間撹拌後汲み出した。
B:インキの調整
表1の処方に従い3本ロールミルにより分散し、AFソルベント5及び、ワニスを添加し、総量が5000部でL型粘度計粘度が10.0〜10.5パスカル・秒となるように調整した。以下の実施例、比較例は全て、粉末状シリカ混合工程及び、混合後の工程は70℃以下の条件で行った。
表1の処方に従い3本ロールミルにより分散し、AFソルベント5及び、ワニスを添加し、総量が5000部でL型粘度計粘度が10.0〜10.5パスカル・秒となるように調整した。以下の実施例、比較例は全て、粉末状シリカ混合工程及び、混合後の工程は70℃以下の条件で行った。
ミックスマスター法による最大乳化量を測定した結果を表2に示す。実施例全てに置いて最大乳化率が少なくなっていることが確認された。ミックスマスター法とはインキを一定量取り、撹拌しながら一定の速度で水を滴下し、インキがスリップするときの滴下量からインキの最大乳化率を求める手法である。
実施例1〜4及び、比較例1〜3のインキを東京機械製作所(株)製VBW型印刷機壺供給ユニットを用いて2万部印刷後、ピックアップローラー上のインキを採取し、カールフィッシャー水分計にて乳化率を測定した結果を表3に示す。実施例全てにおいて含水率が下がっていることが確認された。また、紙面濃度低下も実施例は確認されなかったが、
比較例では8千部を印刷したあたりから確認された。
比較例では8千部を印刷したあたりから確認された。
実施例1〜4及び、比較例1〜2のインキを上記印刷機ポンプ供給ユニットを用いて2万部印刷後、レール部を開き、上部及び下部に溜まったインキを全て掻き取り質量を測定した結果を表4に示す。実施例全てにおいて溜まったインキ量が半量程度に減少していることが確認された。また、紙面濃度上昇も実施例では確認されなかったことに対して、比較例では12千部程度印刷したあたりから、レール部に溜まったインキが巻き込まれたことに起因する濃度上昇が確認された。
Claims (2)
- 一次粒子径が2ないし50nmである粉末状シリカを0.1ないし20重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型平版印刷インキ。
- 請求項1記載の平版印刷インキを用いて印刷してなる印刷物。
Priority Applications (1)
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JP2004061872A JP2005248058A (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | 浸透乾燥型平版印刷インキ |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015189914A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | オフセットインキ組成物および印刷物 |
WO2016104285A1 (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | Dicグラフィックス株式会社 | 浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物、浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物の製造方法および印刷物 |
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2004
- 2004-03-05 JP JP2004061872A patent/JP2005248058A/ja active Pending
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