JP2005248046A - ホイール用熱硬化型粉体塗料、その塗料を使用してなる塗膜の形成方法、その塗装製品の製造方法及び塗装製品 - Google Patents

ホイール用熱硬化型粉体塗料、その塗料を使用してなる塗膜の形成方法、その塗装製品の製造方法及び塗装製品 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホイール用熱硬化型粉体塗料を提供する。
【解決手段】カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、水酸基含有重合体(C)、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とするホイール用熱硬化型粉体塗料。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホイール用熱硬化型粉体塗料、その塗料を使用してなる塗膜の形成方法、その塗装製品の製造方法及び塗装製品に関するものである。更に、詳しくは、コンタミによるハジキやヘコミがなく意匠性に優れ、且つ上塗り塗装適性(上塗り付着性、平滑性など)に優れた仕上がり外観のよい防食塗膜が形成できる。
自動車部品の中で、アルミニウムホイールは、高度な防食性と優れた意匠性を要求される商品であるが、このアルミニウムホイールには、保護と美観のために、通常、例えば、熱硬化型粉体プライマを塗装し、加熱硬化させた後、上塗り塗料として熱硬化型アクリル系溶剤型塗料が塗装されている。また、切削光輝意匠を有するアルミニウムホイールは、通常、例えば、熱硬化型粉体プライマを塗装し、加熱硬化させた後、上塗り塗料として光輝性の熱硬化型アクリル系溶剤型塗料を塗装し、加熱硬化させた後、切削加工が行われる。そして、再度、熱硬化型クリヤー塗料が塗装されている。
アルミニウムホイールの塗膜形成方法においては、特に優れた平滑性、鮮映性を有した塗膜を形成することが重要であり、複数の層からなる場合、それぞれの塗料の組成と併せて、焼付条件及び膜厚も適切なものにする必要がある。例えば、エポキシ-ポリエステル系ハイブリッド粉体塗料をプライマとして、アクリルハイソリッドメタリック塗料をベースコート層として、その上にアクリル系粉体クリヤーをトップコートとする方法(特許文献1)、及び同様な方法で、トップコートをアクリル系粉体クリヤーの替わりにアクリル系ハイソリッド塗料を用いる方法(特許文献2)が公知である。
また、粉体塗料に異種塗料が混入することにより、形成される粉体塗膜に、いわゆるハジキやヘコミという塗面異常が発生して塗膜外観を損ねるという問題があり、このような塗膜外観の不良化を防止する粉体塗料組成物が公知である(特許文献3)。
特開平5−202319号
特開平5−209141号 特開平5−186721号
特許文献1及び2に記載の方法において、通常、静電粉体塗装機を用いてアルミニウムホイールなどの凹凸部を多く有する金属素材に塗装した場合、塗装膜厚が不均一となり、膜厚が薄い部分はハジキ、ヘコミなどの塗膜欠陥を発生したり、またその塗膜の平滑性も劣る。このような問題点は塗装膜厚を厚くすることによりある程度改善されるが、逆に塗膜に垂れなどの塗膜欠陥を生じ、両者のバランスを保つことは難しかった。
また、特許文献3に記載の粉体塗料は、ハジキやヘコミといった塗面異常を改善するものであるが、このものでは、例えば、仕上がり外観や塗膜性能(特に防食性など)が高度に要求されるアルミニウムホイールの用途には適していない。
本発明は、仕上がり外観、防食性に優れた、特にアルミニウムホイール用粉体プライマを提供することを目的とする。
本発明に係わるホイール用熱硬化型粉体塗料は、カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、水酸基含有重合体(C)を含有することを特徴としている。
本発明に係わるホイール用熱硬化型粉体塗料は、更に、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂(D)を含有することが好ましい。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、当該ホイール用熱硬化型粉体塗料を、アルミニウムホイールに静電粉体塗装して粉体プライマ層を形成することを特徴としている。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、上記プライマ層表面に、着色ベース塗膜層を形成してなる。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、上記着色ベース層表面に、トップクリヤ層を形成してなる。
本発明に係わる塗装製品の製造方法は、粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、上記ホイール用熱硬化型粉体塗料をアルミニウムホイールに静電粉体塗装して粉体プライマ層を形成する工程を含むことを特徴としている。
本発明に係わる製造方法は、上記プライマ層表面に、着色ベース塗膜層を形成する工程を含む。
本発明に係わる製造方法は、上記着色ベース層表面に、トップクリヤ層を形成する工程を含む。
本発明に係わる塗装製品は、当該方法により製造されていることを特徴としている。
本発明は、水酸基含有重合体を含有させることによって、焼付時に該水酸基含有重合体が塗膜表面上に配向することにより、異種粉体塗料に対するハジキ抵抗性が向上したものと推察される。
更に、当該水酸基により、溶液型塗料などの上塗り塗料に対する濡れ性が向上し、上塗り塗料との付着性、仕上がり外観などが良くなる。
本発明において、特定のリン酸変性エポキシ樹脂を配合することにより、アルミニウムホイールと粉体プライマーとの付着力が増大し、防食性、耐チッピング性が向上した。
また、当該リン酸エポキシ樹脂は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂との架橋反応に携わり、このリン酸基とアルミニウムホイール基材との結合力により塗膜の付着力を増大させたものと考えられる。
本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料は、カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)(以下、単に「ポリエステル樹脂(A)」と略すことがある。)、エポキシ樹脂(B)、水酸基含有重合体(C)を含有する。
本発明粉体塗料で使用するポリエステル樹脂(A)は、本発明粉体塗料を構成する基体樹脂成分であって、当該樹脂中のカルボキシル基は、塗膜を焼付する際にエポキシ樹脂(B)中のエポキシ基及びリン酸変性エポキシ樹脂(D)中のエポキシ基と反応して硬化塗膜を形成するものである。
該ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、400〜20,000、好ましくは、1,000〜15,000である。400未満の場合は機械的物性が低下し、20,000を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
また、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は30〜140℃、好ましくは、40〜100℃である。軟化温度が30℃未満の場合は粉体塗料の貯蔵中に、粉体塗料粒子同士が融着して塗膜のブツの発生原因になる。また、140℃を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
該ポリエステル樹脂(A)の酸価は、10〜200mgKOH/g、特に20〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。酸価が10mgKOH/g未満になると、硬化性が低下し、その結果として耐水性、防食性、耐チッピング性などの塗膜性能が劣るものとなり、一方、200mgKOH/gを超えると塗膜の親水性が増すため、耐水性、防食性が低下する。
該ポリエステル樹脂(A)として、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの芳香族、脂環族又は脂肪族のジカルボン酸と(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-へキサンジオール、ジメチルプロピオン酸などの2価アルコール、必要に応じて安息香酸などのモノカルボン酸、(無水)トリメリット酸などの3価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットール等の3価以上のアルコールとを上記した酸価の範囲になるように適宜反応させて得られる樹脂が挙げられる。
本発明で使用するエポキシ樹脂(B)は、該樹脂中のエポキシ基がポリエステル樹脂(A)中のカルボキシル基と反応して硬化塗膜を形成するものである。エポキシ樹脂(B)としては、軟化点が50〜140℃、エポキシ当量が200〜6,000及び数平均分子量が800〜10,000の範囲の基本固形樹脂が好適に用いられる。具体的には、商品名として、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエピコート1001、エピコート1002、エピコート1004、エピコート1007、チバ・ガイギー社製のアラルダイトGY―6084、アラルダイトGY―6097、ダウ・ケミカル社製のDER―662、DER―664、DER―667、アデカレジンEP―4100(旭電化工業社製、商品名)などのビスフェノール/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、又は、日本化薬株式会社製のEPPN―201、EPPN―202、EOCN―1020などのノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。本発明では、これらから選択した1種又は2種以上の組み合わせを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂(B)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、3〜150重量部、好ましくは10〜120重量部が好ましい。3重量部未満の場合は硬化性が低下するため、塗膜の耐水性、防食性が劣り、150重量部を超えると、架橋反応に関わらない未反応のエポキシ樹脂が塗膜中に残存するため、耐水性、防食性、耐チッピング性が低下する。
本発明で使用する水酸基含有重合体(C)は、一分子中に平均1個以上の水酸基を有する重合体であれば従来から公知のものを使用することができる。
該水酸基含有重合体(C)は、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体の同重合体又は、該単量体と必要に応じてその他のラジカル重合性不飽和単量体との共重合体が包含される。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体との付加物;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とのモノエステル化物又はジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール等;α,β−エチレン性不飽和カルボン酸とカージュラE10(シェル石油化学株式会社製、商品名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記水酸基含有単量体とラクトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等を挙げることができる。これらの単量体は1種又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの内、特に(メタ)アクリレート系不飽和単量体が好ましく、更に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、その他のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又は環状アルキルエステル等が挙げられる。
水酸基含有重合体(C)は、特に共重合体が好ましく、その共重合体を構成する単量体を基準として、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体の配合割合が5〜40重量%の範囲で使用するのが好ましく、特に10〜30重量%の範囲で使用するのがより好ましい。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体が上記範囲を超えた領域では、塗膜の平滑性等の仕上がり外観が悪くなるので好ましくない。
該水酸基含有重合体(C)の数平均分子量は、1,000〜10,000、特に2,000〜6,000の範囲が好ましい。数平均分子量が1,000を下回ると耐溶剤性、耐酸性等の塗膜性能が低下し、一方、数平均分子量が10,000を超えると塗膜の平滑性等の仕上がり外観が低下するので好ましくはない。
該水酸基含有重合体(C)の配合割合は、(A)及び(B)成分の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、特に0.5〜15重量部が好ましい。配合量が、0.1重量部未満では、ハジキ、ヘコミなどの塗膜欠陥を生じ易く、上塗りに対するヌレ性向上効果が得られないため仕上がり外観や付着性が低下する、一方、20重量部を超えると硬化性が低下する。
本発明で使用するリン酸変性エポキシ樹脂(D)は、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるものである。
該モノグリシジルエーテル化合物としては、下記一般式(I)、及びモノグリシジルエステル化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2005248046
また、上記一般式(I)及び(II)において、R及びR’で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ベヘニルなどの直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、アルケニル基としては、上記アルキル基中に1乃至3個の不飽和結合を有するものなどが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、これらのアリール基は1乃至3個の上記アルキル基で置換されたものでもよく、これらの置換基は一緒になって環を形成することもできる。
また、上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物及び上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物は、エピクロルヒドリン及びアルコール類、フェノール類または有機カルボン酸などから常法により容易にえられるものである。
上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルへキシルグリシジルエーテル、sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、2-メチルオクチルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2-エチルへキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、べへニン酸、モンタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸、p-tert―ブチル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n-プロピル安息香酸などの一価カルボン酸のグリシジルエステル化合物が挙げられる。
上記リン酸類としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1、1-ジホスホン酸、ホスフィン酸などが挙げられる。
前記(a)成分であるリン酸エステル化合物を得る際に、リン酸類と上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物又は一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物とは、該リン酸類のP―OH基1当量に対して、該一般式(I)又は(II)の化合物のエポキシ基(エポキシ当量)が0.1〜0.9当量、好ましくは0.3〜0.8当量になる量で使用される。ここで、エポキシ基が0.1当量未満であると、過剰のリン酸類と後述の(b)成分であるエポキシ化合物とが反応してゲル化する恐れがあり、0.9当量を超えた場合は変性が困難になるため、好ましくない。
リン酸変性エポキシ樹脂(D)に使用されるエポキシ化合物(b)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であって、それ自体既知のものが使用できる。具体的には、エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂肪族ポリヒドロキシ化合物(例えば、グリコール又はグリセリン)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラックフェノール、クレゾールフェノールなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂環族ポリヒドロキシ化合物(例えば、水添ビスフェノールAなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリカルボン酸化合物(例えば、フタル酸など)とのグリシジルエーテル類;エポキシ化油;脂環式エポキシ樹脂;などが挙げられる。
リン酸変性エポキシ樹脂(D)を構成するリン酸エステル化合物(a)の配合割合は、付加物にエポキシ基が残存する範囲であれば特に制限されるものではないが、通常はエポキシ化合物(b)のエポキシ基1当量に対して、該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01〜0.8当量、特に0.03〜0.5当量になる量であることが好ましい。該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01当量未満の場合にはリン酸付加による効果が発現しにくく、また、0.8当量を超える場合には塗膜の耐水性が低下する恐れがある。
該リン酸変性エポキシ樹脂は、数平均分子量は300〜2,000、エポキシ当量は150〜2,100の範囲が好ましい。
該リン酸変性エポキシ樹脂(D)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満の場合は基材との付着性が低下し、30重量部を超える場合は塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
本発明の粉体塗料において、前記(A)〜(D)成分以外に必要に応じて着色顔料、体質顔料、その他充填材、硬化触媒、流動性調整剤、ハジキ防止剤、ワキ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが配合できる。
本発明の粉体塗料は、従来からの方法、例えば、上記(A)〜(D)成分を配合して、ミキサーでドライブレンドした後、加熱溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級により製造できる。
このように製造された粉体塗料の平均粒子径は10〜100μm、特に塗膜平滑性の観点から15〜40μmの範囲が好ましい。
本発明の粉体塗料の最低溶融粘度は0.5〜200Pa・s、特に塗膜平滑性の観点から0.5〜20Pa・sの範囲が好ましい。
本明細書において、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)の測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
本明細書において、軟化温度は、例えば、環球式自動軟化点試験機(明峰社製作所社製)を用い、グリセリンの加熱浴で3℃/分の昇温速度で昇温し、試料が軟化して球が落下した時の温度(℃)として測定することができる。
本明細書において、平均粒子径は、日機装社製のマイクロトラック9220FRA、マイクロトラックHRAなどにより測定できる。該平均粒子径は小粒子径側からの積算値50%の粒度(D50)の値をいう。
本明細書において、最低溶融粘度は、粉体塗料を塗装した後、加熱硬化させる段階において、熱によって塗料中の各成分が溶融する際の塗料の呈する最低の溶融粘度である。このような最低溶融粘度は、例えば、ソリキッドメーターMR−300(レオロジー社製)等の同芯式粘弾性測定装置によって測定することができる。
本発明の塗膜の形成方法は、本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料を、アルミニウムホイールに静電粉体塗装して粉体プライマ層を形成する方法である。
該アルミニウムホイールは、油分などの付着が想定される場合はアルカリ系や酸系もしくは溶剤系などの脱脂剤を用いて油分を取り除く脱脂工程を経て、次いで必要に応じて、リン酸クロメート処理またはクロミウムクロメート処理などの方法によるクロメート処理もしくはノンクロム処理として、チタン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、シリカなどの金属或いはそれら金属を組み合わせた複合金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩などで処理した後に脱イオン水でよく洗浄し、乾燥させたものを使用することができる。
静電粉体塗装は、従来から公知の静電粉体塗装機、例えば、コロナ放電式塗装機、摩擦静電式塗装機などを使用することができる。
粉体プライマ層の膜厚は、焼付後の粉体膜厚として、30μm〜200μmであり、好ましくは50〜110μmである。30μm未満の場合は、平滑性が低下し、ゴミブツが目立つなどの外観上の不具合が生じやすい。また、200μmを超える膜厚の場合、ワキの発生、静電反発による肌荒れなどが生じる場合がある。
焼付は、アルミニウムホイールの表面温度が120〜200℃、好ましくは140〜170℃で10〜60分保持することにより行われる。
本発明の塗膜の形成方法において、上記プライマ層表面に、着色ベース塗膜層を形成することができる。この着色ベース塗膜層はアルミニウムホイールに上塗り塗膜として着色ベース塗料からなる塗膜を形成させて、意匠性を付与させることができる。当該着色ベース塗料は、屋外用途の場合は、その形成塗膜が紫外線、水、熱の影響を受けるため、塗膜形成樹脂として耐候性に優れた樹脂が望ましく、例えば、アクリル系熱硬化樹脂、ポリエステル系熱硬化樹脂、アクリル-ポリイソシアネート硬化系樹脂などであり、その塗料形態は溶剤型塗料でもよいし、或いは水性塗料、粉体塗料であってもよく、また、1液型塗料であっても2液型塗料であってもよい。
着色ベース塗料には、意匠性を発現できる着色顔料や光輝性顔料が配合されるが、着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、弁柄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、アゾ系顔料、アセトロン系顔料、各種焼成顔料などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、着色顔料は必要に応じて、光輝性顔料と併用されてもよい。
光輝性顔料としては、受けた光を反射して塗膜に光沢を与えるものであれば特に限定されないが、好ましいものとして、例えば、アルミニウム粉などの金属粉、ステンレス鋼フレークなどの金属フレーク、雲母、マイカシャスアイアンオキサイド(MIO、鱗片状酸化鉄)、ガラスフレーク、着色パール顔料及びパール顔料よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
着色ベース塗膜の形成方法は、溶剤型、水性などの液状塗料の場合は、スプレーで塗布されるのが一般的であり、粉体塗料の場合は静電粉体塗装方法で塗布される。焼付型の液状塗料では、120〜160℃で焼き付けられ、焼付後の膜厚は10〜50μmである。
本発明の塗膜の形成方法において、上記着色ベース層表面に、トップクリヤ層を形成することができる。該トップクリヤ層は、耐候性の付与、高い光沢を有する優れた仕上がり外観と優れた耐擦り傷性や耐薬品性などに優れた塗膜性能を得ることができる。
トップクリヤ層を形成する塗料としては、自動車ボデー、自動車部品などでトップコートとして通常用いられるアクリル系溶剤型クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、ALC−100クリヤー、酸エポキシ硬化型有機溶剤型塗料)、アクリル系溶剤型ハイソリッドクリヤー及び2液型の水酸基含有アクリルポリイソシアネート硬化系樹脂クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、スーパーダイヤモンドクリヤーQ)、紫外線硬化系塗料、アクリル系粉体塗料(例えば、関西ペイント製、エバクラッドNO.5600DK、エポキシ基含有アクリル樹脂―ドデカン2酸硬化系アクリル粉体塗料)を用いることができる。
トップクリヤとして用いられる塗料が、溶剤型クリヤ塗料の場合は、塗膜形成樹脂は水酸基含有アクリル―メラミン硬化系樹脂が一般的であり、通常スプレー塗装で塗布される。焼付けは120〜160℃で10〜40分保持される。乾燥後の膜厚は20〜50μmである。
2液型の水酸基含有アクリルポリイソシアネート硬化系樹脂からなるアクリル系溶剤型クリヤーの場合は、60〜80℃の低温硬化が可能である。乾燥膜厚が20〜50μmになるようにスプレー塗装で塗布される。
紫外線硬化系塗料では、10〜400mJ/cmの紫外線照射により、短時間での硬化が可能である。また、UV硬化系塗料においては、UV照射によって架橋する官能基と熱により架橋する官能基を併用することができる。乾燥膜厚が20〜50μmになるようにスプレー塗装で塗布される。
エポキシ基含有アクリル樹脂ドデカン2酸硬化系アクリル粉体塗料(例えば、関西ペイント株式会社製、商品名、エバクラッドNO.5600DK)をトップクリヤとして用いた場合、有害な有機溶剤の排出がなく、粉体プライマを含めて、有機溶剤の排出量が少ない塗膜形成方法が得られる。その上、粉体プライマと同様に、回収再利用が可能であるために、使用効率が高く、経済的効果が大きい。
粉体トップクリヤの塗装膜厚は、加熱後の膜厚で50〜150μm、好ましくは70〜110μmである。また、焼付は、通常、140〜180℃で10〜40分である。
本発明の塗装製品の製造方法は、本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料を上記アルミニウムホイールに上記静電粉体塗装して当該粉体プライマ層を形成する工程を含む塗装製品の製造方法である。粉体プライマ層の形成は上記粉体プライマ層の形成方法に記載と同様の方法で実施することができる。
本発明の塗装製品の製造方法は、本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料を上記アルミニウムホイールに塗装された上記粉体プライマ層表面に上記着色ベース塗料を塗装して着色ベース層を形成する工程を含む塗装製品の製造方法である。着色ベース層の形成は上記着色ベース層の形成方法に記載と同様の方法で実施することができる。
本発明の塗装製品の製造方法は、本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料を上記アルミニウムホイールに塗装された上記粉体プライマ層及び上記着色ベース層の表面にトップクリヤ塗料を塗装してトップクリヤ層を形成する工程を含む塗装製品の製造方法である。トップクリヤ層の形成は上記トップクリヤ層の形成方法に記載と同様の方法で実施することができる。
本発明の塗装製品は、上記塗装製品の製造方法によって製造されたアルミニウムホイールの塗装製品である。当該塗装製品は、アルミニウムホイール、粉体プライマ層、及び必要に応じて着色ベース層、トップクリヤ層が積層されてなる塗装製品である。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、部及び%は共に重量基準である。
[水酸基含有重合体の製造例1]
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、トルエン60部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、105℃に加熱して、スチレン30部、メチルメタクリレート35部、iso−ブチルメタクリレート10部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート25部及びアゾビスイソブチロニトリル4部の混合液を約3時間かけて滴下した。滴下終了後105℃で1時間放置し、更に、アゾビスイソブチロニトリル0.5部、トルエン10部を1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間105℃で放置し、共重合反応を終了した。その後、減圧操作を行い、系中の溶剤を除去し、水酸基含有重合体を得た。該重合体の軟化温度は54℃であり、数平均分子量は3,500であった。
[リン酸エステル化合物(a)の製造例2]
85%リン酸115部にブチルグリシジルエーテル280部を加え、50〜60℃で3時間反応させて、酸価142mgKOH/gのリン酸エステル化合物を得た。
[エポキシ化合物(b)の製造例3]
アデカレジンEP―4100(旭電化工業社製、商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)190部、ビスフェノールA58部及びジメチルベンジルアミン 1部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量500のエポキシ化合物を得た。
[リン酸変性エポキシ樹脂の製造例4]
上記製造例2で得たエポキシ化合物にキシレン115部及び上記製造例1で得たリン酸エステル化合物 20部を加え、80℃で5時間反応させ、キシレンを反応槽外に流出させた。その後、冷却してリン酸変性エポキシ樹脂を得た。
[粉体プライマ組成物1の製造例]
カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名、ファインディック M―8860、軟化点113℃、酸価35mgKOH/g)65部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エピコ−ト1002、エポキシ当量650、軟化点78℃、分子量1060)25部、製造例3で得たリン酸変性エポキシ樹脂を10部及び製造例4で得た水酸基含有重合体を5部配合し、次いでJR―603(テイカ株式会社製、商品名、二酸化チタン)30部配合して、ミキサーで混合し、エクストルーダーで溶融練し、冷却後にアトマイザーで微粉砕し、150メッシュのスクリーンを用いて分級して粉体プライマ組成物1を得た。
[粉体プライマ組成物2〜9の製造例]
上記粉体プライマ組成物1と同様な製造方法で、表1に示す塗料成分でもって粉体プライマ組成物2〜9を得た。
表1
Figure 2005248046
表1においてエピコ−ト1004はジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ当量900、軟化点97℃である。
実施例1
アルカリ脱脂後、よく水洗して乾燥させ、次いで、クロム酸クロメート(AL-1000:日本パーカーライジング社製)で化成処理を施したアルミ合金AC4C板上に、粉体プライマ組成物1を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。得られた粉体プライマ塗膜上に黒塗色の意匠性塗料イ(上塗り塗料)(関西ペイント製、商品名、ネオアミラックUS―300 NO.202)を膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化させた。
実施例2
実施例1と同様の処理を行ったアルミ合金AC4C板上に、粉体プライマ組成物2を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化させた。
得られた粉体プライマ塗膜上に光輝性顔料(アルミニウム顔料)を含むシルバー塗色の意匠性塗料Aを膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、次いで加熱硬化させることなく、その上に溶剤型のアクリル系クリヤー塗料aを、膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化させた。
実施例3〜7
実施例1と同様の処理を行ったアルミ合金AC4C板上に、表2に示す粉体プライマ組成物を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。その上に上塗り塗料として、表2に示すような意匠性塗料及びアクリル系クリヤー塗料を塗布して塗板を作製した。尚、それぞれの上塗り塗料の塗装方法膜厚、加熱硬化条件は表2に示す。
表2
Figure 2005248046
比較例1
実施例1と同様な処理を行ったアルミ合金AC4C板上に、粉体プライマ組成物5を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。得られた粉体プライマ塗膜上に光輝性顔料(アルミニウム顔料)を含むシルバー塗色の意匠性塗料Aを膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、次いで加熱硬化させることなく、その上に溶剤型のアクリル系クリヤー塗料aを、膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化させた。
比較例2〜5
実施例1と同様な処理を行ったアルミ合金AC4C板上に、表3に示す粉体プライマー組成物を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化させた。その上に上塗り塗料として、表3に示すような意匠性塗料及びアクリル系クリヤー塗料を塗布して塗板を作製した。尚、それぞれの上塗り塗料の塗装方法、膜厚、加熱硬化条件は表3に示す。
表3
Figure 2005248046
表2及び3における*1)〜*8)は次の通りである。
*1)意匠性塗料A:関西ペイント株式会社製、商品名、アクリル系溶剤型塗料、AL2500 11SV14
*2)意匠性塗料B:関西ペイント株式会社製、商品名、アクリル系水性塗料、WBCー710T NO.199-1
*3)意匠性塗料C:関西ペイント株式会社製、商品名、2液型のアクリル系溶剤型塗料、レタンPG2K サンメタリック
*4)アクリル系クリヤー塗料a:関西ペイント株式会社製、商品名、溶剤型塗料 ALC−100
*5)アクリル系クリヤー塗料b:関西ペイント株式会社製、商品名、溶剤型塗料 マジクロンKINO1200T
*6)アクリル系クリヤー塗料c:関西ペイント株式会社製、商品名、2液型の水酸基含有アクリル-ポリイソシアネート硬化系塗料 スーパーダイヤモンドクリヤーQ
*7)アクリル系クリヤー塗料d:関西ペイント株式会社製、商品名、エポキシ基含有アクリル-ドデカンジカルボン酸硬化系粉体塗料 エバクラッドNO.5600DK
*8)紫外線硬化系クリヤー塗料e:紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名、ヒタロイド7851)96部、光重合開始剤(第一工業製薬株式会社製、BDK:ベンジルジメチルケタール、商品名)3部、BYK306(ビックケミー社製、商品名)1部をディスパーで攪拌したもの。
実施例及び比較例の塗膜について試験を行った。その結果を表4に示す。
表4
Figure 2005248046
表4において、試験は次の方法で行った。
仕上がり外観: 上塗りまで塗装した試験板の塗膜外観を、次の基準で目視評価した。
○:平滑性、艶とも良好、 △:平滑性、艶がやや不良、 ×:平滑性、艶が不良
コンタミ性: 粉体プライマ100部に対して、上記エバクラッドNO.5600DK0.1部をドライブレンドした後、塗装焼付けた後の仕上がり外観を目視で評価した。次の基準で目視評価した。
○:ハジキがない、 △:ややハジキが発生、 ×:全面にハジキが発生。
防食性: 試験板の一部に素地まで達するようにクロスカットを行い、塩水噴霧試験(JIS K5400―9)を1000時間行った。試験後、水洗、乾燥を行い、一般部の状態とクロスカット部にセロハンテープを貼り付けて剥離した後の塗膜の剥離幅、錆幅を調べ、次の基準で評価した。
一般部・・・○:異常なし、 △:一部に点錆、フクレが発生、 ×全面に点錆、フクレが発生。
カット部の剥離幅、錆幅・・・◎:0.5mm以内、 ○:1mm以内、 △3〜5mm、 ×:10mm以上
耐チッピング性: Q-G-Rグラベロメーター(米国Q-PANEL社製、チッピング試験装置)の試験片保持台に試験板を設置し、−20℃で、4kg/cm2の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを吹き付けて、これによる塗膜の傷の状態を調べ、次の基準により評価した。
○:傷の径が1mm以下で傷の個数が少ない。 △:傷の径が1.5〜2.5mmで傷の個数がやや多い。 ×:傷の径が3mm以上で、傷の個数も多い。
耐水性: 40℃の温水に試験板を浸漬し、240時間後に引き上げて、フクレ、艶引けその他の塗面状態の異常の有無を観察し、碁盤目付着試験を行ない、次の基準により評価した。
○:塗面状態の異常がなく、付着性も異常はない。 △:フクレ、艶引けが発生しているが、付着性は異常はない。 ×:付着試験で剥れが発生する。
本発明のホイール用熱硬化型粉体塗料は、異種粉体塗料による混入汚染に対し強い抵抗性を有し、上塗りに対する濡れが優れることから、仕上がり性が極めて優れ、防食性、耐チッピング性に優れたアルミニウムホイール塗装物品に利用できる。

Claims (9)

  1. カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、水酸基含有重合体(C)を含有することを特徴とするホイール用熱硬化型粉体塗料。
  2. 更に、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂(D)を含有する請求項1に記載のホイール用熱硬化型粉体塗料。
  3. 請求項1又は2に記載のホイール用熱硬化型粉体塗料を、アルミニウムホイールに静電粉体塗装して粉体プライマ層を形成することを特徴とする塗膜の形成方法。
  4. 上記プライマ層表面に、着色ベース塗膜層を形成してなる請求項3に記載の塗膜の形成方法。
  5. 上記着色ベース層表面に、トップクリヤ層を形成してなる請求項3又は4に記載の塗膜の形成方法。
  6. 粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、請求項1又は2に記載のホイール用熱硬化型粉体塗料をアルミニウムホイールに静電粉体塗装して粉体プライマ層を形成する工程を含むことを特徴とする塗装製品の製造方法。
  7. 上記プライマ層表面に、着色ベース塗膜層を形成する工程を含む請求項4に記載の製造方法。
  8. 上記着色ベース層表面に、トップクリヤ層を形成する工程を含む請求項5に記載の製造方法。
  9. 請求項6〜8に記載の方法により製造されていることを特徴とする塗装製品。
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