JP2005247962A - シリカ配合ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリカ配合ゴム組成物の加硫速度の問題を解決する。
【解決手段】 少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部、シリカ5〜150重量部及び分子中に少なくとも1個のアリル基又はベンジル基を有する有機アンモニウム化合物0.3〜8重量部を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部、シリカ5〜150重量部及び分子中に少なくとも1個のアリル基又はベンジル基を有する有機アンモニウム化合物0.3〜8重量部を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は加硫性の改良されたシリカ配合ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
ゴム組成物の低発熱化、耐摩耗性の改良などの目的でゴム組成物にシリカを配合することは知られているが、このようなシリカ配合系ゴム組成物には、シリカを多量に配合すると、加硫促進剤の吸着によると考えられる加硫遅延があり、実用上問題であった(例えば特許文献1参照)。かかる問題を加硫促進剤の増量といった単純な方法で解決しようとすると、加硫速度は上がるものの、耐スコーチ性の悪化や加硫ゴム物性の低下といった別の問題が生ずる。
本発明の目的は、前述の従来技術の問題点であるシリカ配合ゴム組成物における加硫速度の問題を解決して、耐スコーチ性を悪化させることなく、加硫速度の低下を防止し、更に加硫ゴム物性を改良することにある。
本発明に従えば、少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部、シリカ5〜150重量部及び分子中に少なくとも1個のアリル基又はベンジル基を有する有機アンモニウム化合物0.3〜8重量部を含んでなるゴム組成物が提供される。
本発明によれば、ゴム組成物中に、シリカを多量配合した場合の加硫速度の低下が抑制でき、加硫ゴムの物性も改良することができる。この理由は明らかではないが、前記有機アンモニウム化合物(I)又は(II)は、分子中に2重結合や芳香族環と極性基を有し、これらがゴム分子やシリカ極性基に作用するためと考えられ、通常の界面活性剤である4級アンモニウム塩を用いた場合に比較して加硫速度が増加する。
本発明者らは前記式(I)又は(II)の4級アンモニウム塩をジエン系ゴムに0.3〜8phr、好ましくは0.5〜3phr配合したところ、耐スコーチ性を変えること無く、加硫速度を高くすることができ、また加硫して得られる加硫ゴムでは、引張破断強度(TB)が増加し、耐摩耗性向上が認められ、タイヤトレッド用組成物として有用なゴム組成物を見出すことができた。
本発明に係るゴム組成物に配合されるジエン系ゴムは空気入りタイヤなどに使用することができる任意のジエン系ゴムをあげることができ、具体例としては、各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種ポリクロロプレンゴム(CR)、各種アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)などをあげることができる。これらは単独又は任意のブレンドとして用いることができる。
本発明に係るゴム組成物にはジエン系ゴム100重量部に対し、5〜150重量部、好ましくは30〜100重量部のシリカを配合する。このシリカの配合量が少な過ぎると、シリカ特有の優れた粘弾性特性などの加硫ゴム物性が発現しないので好ましくなく、逆に多過ぎると未加硫ゴムの粘度上昇などの加工性の低下が起こるので好ましくない。本発明で使用することができるシリカとしては空気入りタイヤなどに使用することができる任意のシリカとすることができ、具体的には湿式法シリカ、乾式法シリカなどを用いることができる。
本発明に従ったゴム組成物にはジエン系ゴム100重量部に対し0.3〜8重量部、好ましくは0.5〜3重量部の以下の式(I)又は(II)などのアリル基又はベンジル基を有する有機アンモニウム化合物を配合する。この配合量が少な過ぎると、加硫速度向上などの所望の効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎるとスコーチを起こし易くなるので好ましくない。
本発明で使用する有機アンモニウム化合物はアリル基又はベンジル基を少なくとも一つ有するものであれば特に限定はない。好ましい化合物は以下の式(I)又は(II)の有機アンモニウム化合物である。
式(I)及び(II)においてR1は炭素数12〜36の有機基、好ましくは炭素数12〜19の有機基(例えばドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基)を示し、R2及びR3は独立に水素原子又は炭素数1〜36の有機基、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基)を示し、Xは塩素、臭素などのハロゲン原子を示す。
式(I)のアリル基を有する有機アンモニウム化合物は例えば、アリルハロゲン化物(アリルクロライド、アリルブロマイド)などと市販されている3級アミン化合物とを反応させることによって容易に得ることができる。式(II)のベンジル基を有する有機アンモニウム化合物は公知の化合物であり、例えば日本油脂よりカチオンS2−100、ライオン・アクゾよりアーカードCB−50などとして市販もされている。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜3及び比較例1〜4
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、155±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて以下に示す試験法で未加硫物性を評価した。結果は表Iに示す。
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、155±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて以下に示す試験法で未加硫物性を評価した。結果は表Iに示す。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、引張試験用に用いた。同様に金型を用い、直径63.5mm、厚さ5mmのランボーン摩耗試験用円盤状試験片も作製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表Iに示す。
ゴム物性評価試験法
JIS K 6300準拠
ムーニー粘度:ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、厚さ5.5mm)で測定。余熱1分測定4分、100℃、2rpm
ムーニースコーチ:ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、厚さ5.5mm)で測定。余熱1分測定4分、125℃、2rpm、ムーニー粘度最低値から5ムーニー上昇時間を測定
加硫速度:振動式ディスク加硫試験機にて振幅1度で160℃でT30、T95時間を測定。
破断強度(TB)及び破断伸び(EB):JIS 3号ダンベルにて2mmシートを打ち抜き、500mm/分の引張強度にて測定(JIS K 6251に準拠)。
JIS K 6300準拠
ムーニー粘度:ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、厚さ5.5mm)で測定。余熱1分測定4分、100℃、2rpm
ムーニースコーチ:ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、厚さ5.5mm)で測定。余熱1分測定4分、125℃、2rpm、ムーニー粘度最低値から5ムーニー上昇時間を測定
加硫速度:振動式ディスク加硫試験機にて振幅1度で160℃でT30、T95時間を測定。
破断強度(TB)及び破断伸び(EB):JIS 3号ダンベルにて2mmシートを打ち抜き、500mm/分の引張強度にて測定(JIS K 6251に準拠)。
耐摩耗性:ランボーン試験用円盤状試験片を用い、一連ランボーン試験機にて、温度20℃、スリップ率50%、荷重15Nの条件下で、摩耗減量を測定した(JIS K 6264に準拠)。比較例1の値を100として指数表示した。数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
表I脚注
油展SBR:日本ゼオン製Nipol1712(スチレン量23.5重量% 油展量37.5phr)
シリカ1:日本シリカ工業製ニップシールAQ
シランカップリング剤:Degussa社製Si69
亜鉛華:正同化学製亜鉛華3号
ステアリン酸:日本油脂製ビーズステアリン酸 桐
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−P−フェニレンジアミン 日本モンサント製サントフレックス13
アロマオイル:昭和シェル石油製デゾレックス3号
硫黄:軽井沢精錬所製油処理硫黄(油含量5%)
加硫促進剤1:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 大内新興化学製NS ノクセラーCZ−G
加硫促進剤2:1,3−ジフェニルグアニジン 三新化学工業製 サンセラーD−G
4級アンモニウム塩1:花王製 コータミン86Pコンク乾燥品(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド)
4級アンモニウム塩2:下記式(III)で示されるジメチルステアリルアミン(花王製ファーミンDM8098)38.5gとアリルクロライド10.0gを80℃×24時間反応させた化合物
4級アンモニウム塩3:日本油脂製 カチオンS2−100 ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド
油展SBR:日本ゼオン製Nipol1712(スチレン量23.5重量% 油展量37.5phr)
シリカ1:日本シリカ工業製ニップシールAQ
シランカップリング剤:Degussa社製Si69
亜鉛華:正同化学製亜鉛華3号
ステアリン酸:日本油脂製ビーズステアリン酸 桐
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−P−フェニレンジアミン 日本モンサント製サントフレックス13
アロマオイル:昭和シェル石油製デゾレックス3号
硫黄:軽井沢精錬所製油処理硫黄(油含量5%)
加硫促進剤1:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 大内新興化学製NS ノクセラーCZ−G
加硫促進剤2:1,3−ジフェニルグアニジン 三新化学工業製 サンセラーD−G
4級アンモニウム塩1:花王製 コータミン86Pコンク乾燥品(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド)
4級アンモニウム塩2:下記式(III)で示されるジメチルステアリルアミン(花王製ファーミンDM8098)38.5gとアリルクロライド10.0gを80℃×24時間反応させた化合物
4級アンモニウム塩3:日本油脂製 カチオンS2−100 ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド
本発明に従えば、耐スコーチ性を変えることなく、加硫速度を高めることができ、しかも、引張破断強度、耐摩耗性が改良されるので、例えば空気入りタイヤのトレッド用組成物として有用である。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004058897A JP2005247962A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | シリカ配合ゴム組成物 |
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JP2004058897A JP2005247962A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | シリカ配合ゴム組成物 |
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Family Applications (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011038539A1 (en) * | 2009-09-29 | 2011-04-07 | Dow Global Technologies Inc. | Anti-scorch compositions, methods of making the same, and articles prepared from the same |
JP2012506934A (ja) * | 2008-10-30 | 2012-03-22 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ製造用水系セメント |
JP2018002940A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ |
JP2018009054A (ja) * | 2016-07-11 | 2018-01-18 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ |
CN114989487A (zh) * | 2022-05-14 | 2022-09-02 | 戴近禹 | 一种橡胶硫化活性剂及其在橡胶制品替代氧化锌中的应用 |
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2004
- 2004-03-03 JP JP2004058897A patent/JP2005247962A/ja active Pending
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US9556324B2 (en) | 2009-09-29 | 2017-01-31 | Dow Global Technologies Llc | Anti-scorch compositions, methods of making the same, and articles prepared from the same |
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