JP2005247891A - 保水性の改善された吸水材及びその製造方法並びに吸水性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生分解性を有し、安全性が高く、実用的な吸収性能(吸水量と保水率)を有し、且つ適度なゲル強度を有する優れた吸水材、およびその製造方法、並びにこれらを含む吸収性物品を提供する。
【解決手段】 ホウ酸イオン、二価の金属イオン、及び三価以上の多価金属イオンにより少なくとも部分的に架橋されているガラクトマンナン及びカラギーナンを含み、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に対する吸水量が自重の30倍以上であり、該水溶液に対する保水量を吸水量で除した百分率(保水率)が80%以上であることを特徴とする吸水材を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた生分解性、吸水性、保水性を有する吸水材及びその製造方法並びにそれを含む吸水性物品に関する。
[吸水材の技術的背景]
吸水材は、自重の数十倍から数千倍の水を吸水できる樹脂であり、例えばアクリル系吸水材などが知られている。これらの吸水材は、その高い吸水性から広く使い捨て衛生用品に使用されている。しかし、こういった吸水材は生分解性を有さず、それを含む衛生用品の処理方法に問題があった。
[生分解性吸水材の技術的背景]
生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレンオキシド架橋体(例えば、特許文献1参照)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体(例えば、特許文献2参照)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(例えば、特許文献3参照)、ポリアミノ酸架橋体(例えば、特許文献4〜8参照)、ガラクトマンナン−金属イオン架橋体(例えば、特許文献9〜11参照)などが知られている。
しかし、これらの生分解性を有する吸水材を非生分解性の合成高分子系吸水材と比較した場合、生分解性を有する吸水材の方が製造コストが高い、吸水性能が低い、吸水後のゲル強度が弱いなどの問題があり実用化には至っていない。そこで、本発明者らはガラクトマンナンとホウ酸イオン及び/又は三価以上の多価金属イオンからなる吸水材が生分解性であり、吸水性能が比較的優れていることを報告した(例えば、特許文献12、特許文献13、特許文献14)。
本発明者らが提案した上記のガラクトマンナンとホウ酸イオン及び/又は三価以上の多価金属イオンからなる吸水材は、極めて有意義なものであるが、まだ実用的性能面で改善の余地が有る。特に、吸水材が尿などの水分を吸水した後に加圧された場合、ゲル内に液体を保持できる指標である保水率(保水量を吸水量で除し百分率で示したもの)の改善が望まれていた。具体的には、紙おむつなどを装着した使用者が排尿後にイスなどに座った場合などに一旦吸収された尿が加圧により再び逆戻りして装着者の皮膚と接触することによる不快感が生じるといった問題があった。このような問題を軽減するためには、保水率を改善する必要ある。したがって、加圧された場合でも内部に保持した水分を閉じ込め、外部に漏らさない吸水材、即ち保水率が改善された吸水材が望まれていた。
なお既に発明者らは特許文献12においてガラクトマンナンがチタンイオン及びホウ酸イオンにより架橋された吸水材、特許文献13においてガラクトマンナンとホウ酸イオン及び三価以上の多価金属イオンから構成され、吸水量とゲル強度に優れた吸水材、特願2001−359302号にてガラクトマンナンとカラギーナンから成り、吸水量と吸水後のゲル強度に優れた吸水材などについて報告している。これらの吸水材はいずれもガラクトマンナン等の多糖類のゲルを調製し、これを脱水・乾燥して得られる。
これらの吸水材は通常、多糖類を、架橋剤を含有する水溶液にて膨潤させて得られるゲルより調製される。しかしながらかかる水溶液中の多糖類の固形分濃度が10質量%未満でゲルを作成してこれを脱水・乾燥して吸水材を得た場合にはいずれの吸水材も優れた吸水量と保水量を有しているものの、得られた吸水材の吸水後のゲル強度がやや弱く、ゲル同士が融着して不透水性層を形成して2回目以降の吸収を妨げるゲルブロッキングを引き起こす可能性が高かった。
一方、固形分濃度を10質量%以上にしてゲルを作成し吸水材を得た場合には得られた吸水材の吸水後のゲルがスポンジ様になる傾向があるため保水量が低下してしまい、保水率が80%以下のものしか得られず、実用的には不充分であることから解決方法が期待されていた。
吸水材の保水率を改良する方法として、例えば吸水材の架橋密度を低める方法が考えられる。しかしながら架橋密度を低くすると保水量及び保水率は向上するものの同時に吸水量も高くなり、吸水後のゲル強度が低下するのでゲルの表面にヌメリが生じるケースが多く、このヌメリは紙おむつなどの装着時に風合いの低下を招いたり、ゲルブロッキングの原因となる。
また別の方法として前述のように、吸水材作成時におけるゲルの固形分濃度を10質量%未満に低める方法も考えられる。しかしながら、固形分濃度を低めるとゲルブロッキングだけでなく、製造効率は低下し、さらにゲルを破砕・脱水する工程で使用する親水性揮発性溶媒の使用量が著しく増加するため経済的でない。
特開平6−157795号公報 米国特許4650716号公報 特開昭55−15634号公報 特開平7−224163号公報 特開平7−309943号公報 特開平8−59820号公報、 特開平8−504219号公報 特開平9−169840号公報 特開平8−59891号公報 特公平3−66321号公報 特開昭56−97450号公報 特開2001−120992号公報 特開2002−37924号公報 特開2002−265672号公報
本発明の目的は、生分解性を有し、安全性が高く、優れた吸水量と保水率を有する優れた吸水材及び該吸水材を効率よく製造する方法、及びそれを含む吸水性物品を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ガラクトマンナン及びカラギーナンを、ホウ酸イオン、二価の金属イオン、及び三価以上の多価金属イオンで架橋することにより、吸水材の保水率が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ホウ酸イオン、二価の金属イオン、及び三価以上の多価金属イオンにより少なくとも部分的に架橋されているガラクトマンナン及びカラギーナンを含み、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に対する吸水量が自重の30倍以上であり、該水溶液に対する保水量を吸水量で除した百分率(保水率)が80%以上であることを特徴とする吸水材を提供する。
本発明はまた、
a)ホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオン、及び界面活性剤を含有する起泡された水溶液を得る工程、
b)ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量が、工程a)で得た水溶液と該多糖類の合計質量との合計に対して10質量%以上になるように、該多糖類の粉末を該水溶液に添加して、部分的に水和及び架橋させる工程、
c)該混合物を50℃以上に加熱してゲル化する工程、
d)得られたゲルを親水性揮発性溶媒と接触させて脱水する工程、及び
e)脱水したゲルを乾燥する工程、
を含む、上記の吸水材の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記製造方法において、工程d)により得られた固形物又は工程e)により得られた固形物を、さらに表面架橋処理する工程を含む、上記の吸水材の製造方法を提供する。
さらに本発明は、本発明の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品を提供する。
[用語の定義]
本発明における吸水量とは以下のティーバッグ法にて、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用いて測定されるものである。
255メッシュのナイロン製ティーバッグに吸水材1gを入れ、1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に吸水材を含むティーバッグを60分間浸して引き上げ、10分間吊るして自重による水切りを行った後、ティーバッグと吸水材の合計質量を測定する。また空のティーバッグを同様に60分間0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に浸漬後水切りし、その重量をブランクとする。吸水後のティーバッグと吸水材の合計質量から膨潤前の吸水材の重量1gとブランクの重量を減じ、その値を膨潤前の吸水材の重量1gで除した値を吸水量(g/g樹脂)とする。
また本発明における保水量とは以下の方法で測定されるものである。
上記吸水量の測定において60分間吸水後に10分間自重で水切りして秤量したティーバッグ(膨潤した吸水材を含む)をさらに150xgにて90秒間遠心分離し、余分な水分を完全に除去した後、その重量を測定する。空のティーバッグを同様に60分間浸漬後、10分間自重で水切りし、遠心分離したティーバッグの重量をブランクとする。遠心分離した吸水材とティーバッグの合計質量から膨潤前の吸水材の重量1gとブランクの重量を減じた値を、膨潤前の吸水材の重量1gで除した値を保水量(g/g樹脂)とする。
なお測定時の吸水材の粉末粒径範囲は200〜1000μmのものを用いた。
また本発明におけるゲル強度とは以下の方法で測定されるものである。
20倍吸水時でのゲル強度の測定は、500〜1,000μmに篩い分けた吸水材粒子を攪拌しながら、20倍量の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を吸水させて1時間放置後、サイエンティフィク社のレオメトリックSR−5000を用いて1Hz、室温にて粘弾性G*を測定し、その数値をゲル強度とする。
本発明によると、安価な原料を用いて吸水量と保水率が共に高く、実用的なゲル強度を有し、且つ安全性の高い優れた吸水材が製造できる。該吸水材は、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして、動物用屎尿処理材、飼料添加剤、農園芸用分野、鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や保水を必要とする種々の用途に好適に利用できる。
以下、本発明の製造方法における各工程を説明することにより詳細に記載する。
工程a)は、ホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオン、及び界面活性剤を含有する起泡された水溶液を得る工程である。なお、ホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオンは、吸水材を構成する多糖の架橋剤として作用する。
この工程で用いられるホウ酸イオンの形態(化合物の化学構造)としては特に限定されず、ガラクトマンナン及び/又はカラギーナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する水溶性化合物であればよい。かかるホウ酸イオンとしては、ホウ酸ナトリウム、オルトホウ酸、メタホウ酸などが例示される。なお、ホウ酸化合物としては、安価なことから、ホウ酸ナトリム、特に四ホウ酸ナトリウム水和物又は無水物が好ましい。
また本工程で用いられる「二価の金属イオン」とは、ガラクトマンナン及び/またはカラギーナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する、二価の金属を含有する化合物のイオンである。これらの例としてはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオンが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を使用すればよい。かかる二価の金属イオンを含有する化合物の形態は特に限定されず、例えば、上記二価の金属イオンの、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩などが挙げられる。
また本工程で用いられる「三価以上の多価金属イオン」とは、ガラクトマンナン及び/又はカラギーナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する、三価以上の多価金属を含有する化合物のイオンである。なお、「三価以上の多価金属イオン」はホウ酸イオンを含まないものとする。以上の三価以上の多価金属イオンとしては、チタンイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイオン、イットリウムイオンが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を使用すればよい。特に、安価で安全性が高いことからチタンイオン、ジルコニウムイオンが好ましい。
チタンイオン、ジルコニウムイオン等の形態(水溶液へ配合する化合物の化学構造)は特に限定しないが、好ましくは親水性、より好ましくは水溶性の金属塩として配合される。
チタンイオンを含む塩、即ち、チタニウム塩としては、チタニウムジイソプロポキシドビスアセチルアミネート、チタニウムテトラ−2−エチルヘキソキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウム−ジ−n−ブトキシ−ビストリエタノールアミネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、チタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート、Tyzor131(デュポン社製)、TyzorGBA(デュポン社製)、塩化チタンが例示される。
ジルコニウム塩としては、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニウム、ナトリウムジルコニウムラクテート、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムノルマルプロピレートが例示される。
架橋剤の使用量としては、ホウ酸イオンに関しては、ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量1kg当たり2〜200ミリモルが好ましく、5〜100ミリモルが特に好ましい。二価の金属イオンに関しては、金属イオンの種類やその形態によって適宜異なるが、ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量1kg当たり40〜1,000ミリモルが好ましく、180〜700ミリモルが特に好ましい。三価以上の多価金属イオンに関しても、金属イオンの種類やその形態によって適宜異なるが、ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量1kg当たり概ね1〜200ミリモルが好ましく、5〜100ミリモルが特に好ましい。
本工程で用いる界面活性剤としては、人体や環境に対して毒性が低く、生分解性を有し、水溶性であり、適度な起泡性を有するものであれば特に限定されない。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けん等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等が例示される。
カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドが例示される。
上記の界面活性剤のうち、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類にもよるが、ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量に対して0.05〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。界面活性剤を必要とする理由としてはまず吸水材そのものの親水性を高めることが挙げられる。また、界面活性剤の作用により起泡された泡には架橋剤が含まれており、架橋剤とガラクトマンナンやカラギーナンの粉末とが接触すると、泡中の架橋剤とこれら多糖類粉末の表面が反応して一部が架橋されると同時に、泡中の水分により多糖類は部分的に水和される。この水和された多糖類は、泡があるために流動性のあるムース状物(多糖類粒子が部分的に架橋・水和されたもの)として得られ、このムース状物の流動性により、ママコの発生が抑制される。このようなママコの発生の抑制は、均一なゲルを得るために必要である。このため、特に10%以上の高い固形分濃度にてゲルを作成する際には、界面活性剤の使用による適度な起泡が必要とされる。
ガラクトマンナンとカラギーナンの合計質量に対する界面活性剤の添加量が0.05質量%未満の場合、起泡性が不十分となりムース状物の製造が困難になる。界面活性剤の添加量が20質量%を超えてもその効果(親水性向上、起泡性)は変わらず、逆にコスト向上や毒性の影響が懸念されるため好ましくない。
本発明における工程a)における架橋剤と界面活性剤を水へ添加する手順は特に限定されず、例えば、水に界面活性剤を添加して攪拌して溶解させ、さらにホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオンを添加して攪拌して混合し、さらに攪拌を続けて適度に起泡させた状態にすればよい。
攪拌による起泡の程度(起泡度)については起泡前の原液の高さの1.2倍以上5倍以下になるよう起泡すればよく、好ましくは1.5倍以上3倍以下とすればよい。1.2倍以下の起泡度では、続く工程b)におけるカラギーナンとガラクトマンナン投入時に粘度が急激に上昇して流動性の低いムース状物となりママコなどが発生し均一なゲルが得られない。また起泡度が5倍よりも高いと、作成装置容量に対して得られる吸水材の量が少なく作業効率が悪い。
工程a)における水温は特に限定されるものではなく5〜80℃が好ましいが、より好ましくは架橋剤が影響を受けにくい10〜60℃である。
工程a)における攪拌混合装置としては加温や冷却が可能であり、界面活性剤による起泡が可能な装置であれば特に限定されるものではなく、下羽根式ミキサー、上羽根式ミキサー、二軸ニーダーなど一般的な攪拌装置が使用可能である。界面活性剤が分解せず、良好な起泡が可能な範囲であれば特に水溶液のpHは限定しない。また攪拌時間や攪拌速度については使用する装置の種類や大きさによって種々異なるため適宜選択すればよい。
次の工程b)は、ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の粉末を該水溶液に添加して、部分的に水和及び架橋させる工程である。ここで、ガラクトマンナンとカラギーナンを含む多糖類の合計質量は、工程a)で得た水溶液の質量と該多糖類の合計質量との合計に対して10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましい。10質量%以下では製造効率が低く、ゲルを脱水する際に用いる親水性揮発性溶媒の使用量が増大し、製造コストの上昇を招き、工業的にも採用できない。
本工程で用いられるガラクトマンナンとは、グアガムやローカストビーンガムのような天然のガラクトマンナンだけでなく、これらをガラクトシダーゼやマンノシダーゼなどの酵素で処理することにより得られた酵素処理物、及び化学薬品によりカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、硫酸基、リン酸基などを導入したガラクトマンナン誘導体も含むが、安価であることからグアガムが好ましい。
一方、カラギーナンとは、紅藻類に含まれるガラクトース硫酸エステルを主成分とする水溶性多糖類である。カラギーナンには硫酸基含有量、あるいはアンヒドロガラクトースの含有量の違いにより、κ(カッパ)、ι(イオタ)、λ(ラムダ)の3つのフラクションが存在し、これらの含有割合によってゲル化時の性質や架橋できる金属イオンの種類が異なる。これらのフラクションの含有割合は紅藻類の種類や存在部位、生育時期や収穫時期などによって異なる。κ−カラギーナンの構造は1,3結合したガラクトース−4−サルフェイトと1,4結合した3,6−アンヒドロ−D−ガラクトースから成り、カリウムイオンやナトリウムイオンなど一価のカチオンの存在下で強いゲルを形成する。また、ι−カラギーナンの構造は1,3結合したガラクトース−4−サルフェイトと1,4結合した3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース−2−サルフェイトから成り、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなど二価のカチオンの存在下で弱いゲル化能を示す。λ−カラギーナンの構造は1,3結合したガラクトース−2−サルフェイトと1,4結合したD−ガラクトース−2,6−サルフェイトから成り、ゲル化能を有していない。
本発明におけるカラギーナンの種類としては特に限定しないが、得られる吸水材のゲル強度が高いことが好ましい点でκタイプが多く含まれるカラギーナンが好ましい。
本発明で用いられるカラギーナンにはこのような天然のカラギーナンだけでなく、これの酵素処理物、及び化学薬品によりカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、硫酸基、リン酸基などを導入したカラギーナン誘導体も含む。
また必要に応じて、ガラクトマンナン及びカラギーナン以外の多糖類として、キサンタンガム、寒天、ペクチン、アルギン酸塩、タラガントガム、プルラン、ジェランガム、タマリンドシードガム、カードラン、アラビアガム、グルコマンナン、カラヤガム、サイリウムシードガム、ガティガム、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸又はこれらの誘導体などを混合してもよい。誘導体としてはカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、硫酸基、リン酸基などを導入したものが挙げられる。これらのガラクトマンナン及びカラギーナンに対する配合割合は、ガラクトマンナン及びカラギーナンと上記多糖類との質量合計に対する百分率として1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
本発明で用いられるガラクトマンナンとカラギーナンの分子量は、1万以上が好ましく、より好ましくは5万以上である。分子量が1万以下の場合は金属イオンで架橋してもゲルを形成しないので不適当である。
ガラクトマンナンとカラギーナンの混合割合については、ガラクトマンナンとカラギーナンとの合計質量に対するカラギーナンの質量比率が1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜10質量%であることがより好ましい。1質量%以下であると、十分なゲル強度が得られず、一方30質量%を超えるとコストの上昇を招くだけであり、工業的に好ましくない。
工程b)におけるムース状物の作製方法は、工程a)で作成した適度に起泡させた混合液にガラクトマンナンとカラギーナンの粉を添加して攪拌を続け、均一に水和させればよい。この時の攪拌時間は特に限定されず、10秒以上が好ましく、1分以上がさらに好ましいが、水和物の増粘度が高まり攪拌が困難になった場合にはこの限りではない。本工程は工程a)と同一の装置にて実施するが、必要であれば他の装置に移して実施することも可能である。また本工程の温度は10〜90℃が好ましく、25〜50℃が更に好ましい。
またガラクトマンナンとカラギーナンを、ホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオンと混合することにより得られるムース状物(ガラクトマンナン及びカラギーナンの粉末粒子表面近傍が架橋され、部分的に水で膨潤したもの)のpHはpH7.0〜9.0が好ましく、pH7.5〜8.5がより好ましい。pH7.0以下の場合はこれらの各種金属イオンによる架橋が弱まり架橋ゲルの強度が不充分になり性能の著しい悪化を引き起こす。またpH9.0以上では皮膚に対する悪影響が懸念され、かぶれや紅斑の原因となるため好ましくない。このためpHがこの範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸などを添加してゲルのpHを調整すればよい。特にカラギーナンとグアガムは強酸の存在下で加水分解されて低分子化するため、酸性の架橋剤液を用いる場合は架橋剤添加と同時或いは直後にpH調整を行う必要がある。
本発明の方法の工程c)は、工程b)で得られた混合物を50℃以上に加熱してゲル化する工程である。
工程c)の加熱処理は、工程b)で得られたカラギーナン及びガラクトマンナンのムース状物をさらに水和・膨潤させて均一にゲル化させることを促進させること、及び、ガラクトマンナンとカラギーナンとの分子鎖レベルでの絡み合い(水素結合)により相互作用を発揮させることを目的とする。その加熱温度は、50℃以上150℃以下であることが必要であり、より好ましくは70℃以上150℃以下である。50℃以下ではガラクトマンナンとカラギーナンの相互作用によるゲル化が起こり難くその効果が低くなる可能性があり、また均一なゲル化に時間を要するため採用できない。150℃を超えると多糖類が分解してしまう可能性がある。
工程c)での加熱時間は架橋剤の添加量、ガラクトマンナンとカラギーナンの固形分濃度や加熱温度により変わるため適宜選択すればよい。加熱時間は加熱温度により変わるため適宜選択する必要があるが、概ね1分〜10時間であり、好ましくは10分〜2時間である。均一な混合ゲルを作製するためには10分間以上の加熱処理が好ましい。
本発明の方法の工程d)は、工程c)で得られたゲルを親水性揮発性溶媒と接触させて脱水する工程である。この工程により、ゲル中の一部又は全部の水分が親水性揮発性溶媒中に脱水され、固形物内の水分が溶媒に置換される。ここで使用する親水性揮発性有機溶媒は特に制限されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができるが、コストや安全性の面からメタノール、エタノール、iso−プロピルアルコールなどの低級アルコール類が好ましい。
該親水性揮発性有機溶媒の使用量は、架橋ゲル中の置換される水100質量%に対して50〜1000質量%の使用が好ましく、100〜500質量%が特に好ましい。使用量が50質量%未満の場合は、ゲル中の水分の親水性有機溶媒との置換が不十分であり、吸水量、吸水速度が低下する場合がある。また1000質量%を超える量を用いても使用量に見合った効果は得られず、コストの上昇を招くだけであり、工業的に好ましくない。
親水性揮発性有機溶媒と接触させた後に得られる固形物の形状は特に限定されるものではないが、使用する目的に合わせて種々の形状とすることができる。例えば、顆粒状、フレーク状、シート状、粉末状、断片状、薄片状、棒状、線状、繊維状、フィルム状などである。
例えば顆粒状、粉末状固形物を得る場合は、ゲルを親水性揮発性有機溶媒と接触させると同時に破砕すればよい。なお乾燥後に粒径を調整するために再破砕してもよい。破砕する混合装置としては、剪断力の大きいものが好ましいが、通常の混合機、捏和機を用いることができる。例えば円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が挙げられる。
また得られる固形物を繊維状にする場合は、ゲルを適切なノズル径の紡糸機により連続的に繊維状ゲルを吐出させてから親水性揮発性有機溶媒に接触させればよい。固形物をフィルム状にする場合は適切な支持体上にゲルを適度な厚さに塗布、コーティングし、次いで親水性揮発性有機溶媒と接触させればよい。
有機溶媒でゲル中の水分を置換した後、固形物を回収する方法としては、濾過、デカンテーション、遠心分離などの公知の方法が挙げられる。かかる常套方法により、固形物と含水親水性揮発性溶媒とを分離し、固形分を回収すればよい。
本発明における工程e)は、工程d)で脱水したゲルを乾燥する工程である。
乾燥方法としては、吸水性能(吸水量、吸水速度、吸水後のゲル強度など)を低下させるような方法でなければいかなる乾燥方法を用いてもよい。例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥があるが、好ましくは経済的な30〜100℃での加熱乾燥である。加熱乾燥に用いる装置は、装置内を風が循環しないものでもよいが、速やかな乾燥を行うためには発生させた熱風が装置内を循環する熱風循環式乾燥機、流動床式乾燥機などが好ましい。乾燥時間は乾燥温度や乾燥前の厚みなどによって適宜異なるため一概に規定できないが、概ね1〜20時間であり、好ましくは3〜10時間である。なお乾燥の終点は水分含量が5質量%以下になった場合を目安とすればよい。
上述した本発明の吸水材の製造方法において、さらに所望により工程d)により得られた固形物又は工程e)により得られた固形物を、表面架橋剤により処理する工程を含めてもよい。
ここで用いられる表面架橋剤とは、ガラクトマンナン及び/又はカラギーナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物であり、親水性、より好ましくは水溶性の化合物であれば特に限定されない。表面架橋処理に使用される架橋剤としては、金属イオン、例えば、チタンイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイオン、イットリウムイオンなどの三価以上の多価金属イオンが挙げられる。
工程a)で用いるもの以外の架橋剤の具体例としては、グルタルアルデヒド、グリオキサール等の如き多価アルデヒド類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、等の如き多価グリシジル化合物類;二塩化エタン、テトラメチレンクロロブロマイド、ジブロモプロパン、ジブロモブタン等の如き多価ハロゲン化物類、エピクロルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等の如きハロエポキシ化合物類、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、、セバシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ポリアスパラギン酸などのポリカルボン酸類を例示することができる。
好ましい表面架橋剤は、三価以上の金属イオンであり、特にチタンイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリンイオン、イットリウムイオンから選ばれる一種以上の使用が好ましい。
固形物に対する表面架橋剤の使用量は、固形物および表面架橋剤の組み合わせ等にもよるが、表面架橋剤が多価金属イオン系架橋剤の場合は原料となるガラクトマンナンとカラギーナンを含む多糖類の合計質量1kg当たり概ね1〜500ミリモルが好ましく、5〜100ミリモルが特に好ましい。多価アルデヒドやハロエポキシ化合物、ポリカルボン酸類などの有機化合物系架橋剤の場合は乾燥状態の吸水材100質量%に対して0.01〜10質量%の範囲内、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲内とすればよい。かかる範囲内で表面架橋剤を用いることにより、尿や汗、経血等の体液(水性液体)に対する吸水特性をさらに一層向上させることができる。
多価金属イオン系表面架橋剤の使用量が多糖類に対して1ミリモル未満、又は有機化合物系表面架橋剤の使用量が吸水材に対して0.01質量%未満又はでは、吸水材としての表面近傍の架橋密度をほとんど高めることができない。また、多価金属イオン系表面架橋剤の使用量が500ミリモルより多い場合又は有機化合物系表面架橋剤の使用量が10質量%より多い場合には、該表面架橋剤が過剰となり、不経済であるとともに、未反応物が残存し皮膚へ悪影響を及ぼす危険性があると思われる。
固形物を表面架橋剤により処理する際の処理方法は、特に限定されない。例えば、工程d)又はe)において固形物を回収後、回収物と表面架橋剤とを無溶媒で混合する方法、シクロヘキサンやペンタン等の疎水性溶媒に回収物を分散させた後、表面架橋剤を混合する方法、親水性溶媒に表面架橋剤を溶解もしくは分散させた後、該溶液もしくは分散液を回収物に噴霧あるいは滴下して混合する方法等が挙げられる。なお、上記親水性溶媒としては、水、または水と水に可溶な前記工程e)で述べた親水性揮発性有機溶媒との混合物が好適である。表面架橋の反応温度は10〜100℃が好ましく、25〜80℃が特に好ましい。10℃以下では反応速度が遅いし、100℃よりも高いと架橋剤が加水分解される恐れがある。またその際のpHは多糖類が加水分解されにくい4〜10が好ましい。表面架橋時間は架橋温度により異なるので適宜選択する必要があるが、概ね1分〜5時間であり、好ましくは10分〜3時間である。
本発明の吸水材は、上述した製造方法により得ることができるものであり、吸水材の粉末粒径範囲が200〜1000μmの場合に、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に対する吸水量が自重の30倍以上であり、該水溶液に対する保水量を吸水量で除した百分率(保水率)が80%以上であることを特徴とするものである。
本発明の吸水材は、上記の製造方法により得られる吸水材に、さらに、必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、顔料、染料、抗菌剤、発泡剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸水材に種々の機能を付与してもよい。
ここで用いられる無機粉末としては、水性液体等に対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。該無機粉体は、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不溶もしくは難溶であるものが好ましい。具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合製ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち、二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
ここでの無機粉末の使用量は、吸水材および無機粉体の組み合わせ等にもよるが、吸水材100質量%に対し0.001〜10質量%の範囲内、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲内とすればよい。吸水材と無機粉体との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えばドライブレンド法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法を採用するのが好ましい。なお、添加剤は、工程b)において添加してもよい。
本発明はまた、本発明による吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品も提供する。のであり、具体例としては、血液や尿、汗、膿、胃液、唾液、鼻分泌粘液などの体液を吸収することを目的とした吸水物品、例えば、子供用紙オムツ、大人用紙オムツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティーライナー、生理用シーツ、失禁用パッド、携帯用トイレ、携帯用汚物処理袋、動物用屎尿処理剤、医療用手当材、創傷被覆材、肉や魚などの鮮度保持材、さらには家畜の飼料添加物等が挙げられる。
また体液だけでなく、泥水や海水、河川水などを吸水することを目的とした建材や土壌保水材、汚泥固化剤、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水材、種子被覆材等の農園芸用物品なども挙げることができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
グアガムとカラギーナンの合計質量に対して1質量%になるようポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリルニナトリウム(三洋化成工業社製;ビューライトLSS)を純水88mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製;ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガムとカラギーナンの合計質量1kg当たり10ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガムとカラギーナンの合計質量1kg当たり60ミリモル、塩化カルシウムをカルシウムイオン換算量としてグアガムとカラギーナンの合計質量1kg当たり45ミリモルになるようにそれぞれ添加し攪拌して溶解させた。さらにその後、攪拌を激しくして原液高さの1.5倍まで液面を起泡させた。
予めグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)11.4gとカラギーナン粉末(三菱ポリサッカライド MW451)0.6gをよく混合しておき、これを上記水溶液に攪拌しながら添加し、水和・架橋させてムース状物を得た。得られたムース状物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、50℃を保持した状態で2時間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
次に得られたゲル100gをメタノール88mlと共に下羽根式ブレンダーで破砕した。この破砕液にチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製;TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガムとカラギーナン合計質量1kg当たり5ミリモルになるように添加し、水/メタノール混合溶液(水:メタノール=1:1)中、室温で30分間攪拌し、ゲル粒子表面を表面架橋した。濾過後、反応物をメタノール44mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間熱風乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材を分級し、200〜1000μmの範囲の粒子を得、これを用いて0.9質量%生理食塩水の吸水量、保水量、ゲル強度の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1のグアガムとカラギーナンの合計質量1kg当たりのカルシムイオン換算量を225ミリモルに変更する以外は実施例1と同様にして吸水材を得た。これらについての測定結果を表1に示す。
実施例3
実施例2のグアガムとカラギーナンの合計質量1kg当たりのチタンイオン換算量を5ミリモルに変更する以外は実施例1と同様にして吸水材を得た。これらについての測定結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、カルシウムイオンを添加しない以外は実施例1と同様にして吸水材を得た。これらについての測定結果を表1に示す。
比較例2
実施例3において、カルシウムイオンを添加しない以外は実施例1と同様にして吸水材を得た。これらについての測定結果を表1に示す。
Figure 2005247891

Claims (7)

  1. ホウ酸イオン、二価の金属イオン、及び三価以上の多価金属イオンにより少なくとも部分的に架橋されているガラクトマンナン及びカラギーナンを含み、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に対する吸水量が自重の30倍以上であり、該水溶液に対する保水量を吸水量で除した百分率(保水率)が80%以上であることを特徴とする吸水材。
  2. 二価の金属イオンがカルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の吸水材。
  3. 三価以上の多価金属イオンがチタンイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイオン、イットリウムイオンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吸水材。
  4. a)ホウ酸イオン、二価の金属イオン、三価以上の多価金属イオン、及び界面活性剤を含有する起泡された水溶液を得る工程、
    b)ガラクトマンナン及びカラギーナンを含む多糖類の合計質量が、工程a)で得た水溶液と該多糖類の合計質量との合計に対して10質量%以上になるように、該多糖類の粉末を該水溶液に添加して、部分的に水和及び架橋させる工程、
    c)該混合物を50℃以上に加熱してゲル化する工程、
    d)得られたゲルを親水性揮発性溶媒と接触させて脱水する工程、及び
    e)脱水したゲルを乾燥する工程、
    を含む請求項1から3のいずれかに記載の吸水材の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、工程d)により得られた固形物又は工程e)により得られた固形物を、架橋剤を用いて表面架橋処理する工程をさらに含む請求項4記載の吸水材の製造方法。
  6. 架橋剤が、チタンイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイオン、イットリウムイオンから選ばれる1種以上の三価以上の多価金属イオンである、請求項5記載の吸水材の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品。
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