JP2004091612A - 吸水材及び吸水性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】生分解性を有し、血液、尿等の体液の吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)に優れる吸水材を提供する。
【解決手段】ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋されたガラクトマンナン架橋体からなり、かつ界面活性剤を含むことを特徴とする吸水材であって、嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつ比表面積が0.1m2/g以上であるものであり、また、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収時間が、1回目:180秒以内、2回目:600秒以内であるものである。
【選択図】 なし
【解決手段】ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋されたガラクトマンナン架橋体からなり、かつ界面活性剤を含むことを特徴とする吸水材であって、嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつ比表面積が0.1m2/g以上であるものであり、また、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収時間が、1回目:180秒以内、2回目:600秒以内であるものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた生分解性、吸水性能、特に血液に対して速い吸収速度を有する吸水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[吸水材の技術的背景]
吸水材は、自重の数十倍から数千倍の水を吸水できる樹脂であり、例えばアクリル系吸水材などが知られている。これらの吸水材は、その高い吸水性から広く使い捨て衛生用品に使用されている。しかし、これまでの吸水材は分解性がなく、それを含む衛生用品の処理方法に問題があった。また、血液に対する吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)が不充分であった。
【0003】
被吸収液が血液などの場合には、血液吸収時に血液成分が個々の吸水性樹脂粒子を包囲し吸収を妨げるために吸水性樹脂の吸引量が低下する等の特別の事情があるため、尿に対する吸引量が高い吸水性樹脂であっても、血液に対する吸引量も高いとは限らない。このような事情に鑑み、吸水性樹脂の血液吸収特性を改良する試みとして、種々の提案がなされている。例えば、互いに血液吸収速度の異なる二種以上の吸水性樹脂を混合する方法(特開平11−246625号公報)、また、吸水性樹脂に対して20〜900重量%の水を含有させることにより血液の吸引量を改善する提案(特開平11−47588号公報)や血液吸収性組成物として、ポリアミノ酸塩を含む吸収性組成物(特開平7−310021号公報)などが提案されているが、血液の繰り返し吸収性という点では実用上必ずしも満足のいくものではなかった。更に、その他にも吸水性樹脂と陰イオン性界面活性剤及び/又はHLB7以上の非イオン性界面活性剤から成る組成物(特開昭58−32641号公報)、界面活性剤あるいは該界面活性剤とカルボン酸類とを吸水性樹脂に処理することにより、血液に対して優れた吸収特性を有する吸収性組成物(特開2002−35580号公報)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法は、血液の吸収性はある程度改善されるものの、未だ実用上不十分であり、血液と接触した時にゲルブロッキングやママコを生じやすく、特に繰り返し吸収性に劣るという問題があった。血液を繰り返し吸収させた場合、血液中に含まれる赤血球、白血球、血小板などの血球成分や、細胞、タンパク質などの高分子量物質などの固形分が吸水性樹脂表面に沈着したり、次の血液を吸収する前に血液凝固が起こるなどの現象により、血液の吸収速度が極端に遅くなり、血液吸収量も低いものとなってしまう。
【0005】
[生分解性吸水材の技術的背景]
生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−157795号公報等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(特開昭55−15634号公報)、ポリアミノ酸架橋体(特開平7−224163号公報、特開平7−309943号公報、特開平8−59820号公報、特開平8−504219号公報、特開平9−169840号公報など)、ガラクトマンナン−金属イオン架橋体(特開平8−59891号公報、特公平3−66321号公報、特開昭56−97450号公報)などが知られている。
【0006】
ところで、これらの生分解性を有する吸水材を非生分解性の合成高分子系吸水材と比較した場合、生分解性を有する吸水材の方が吸水性能が低い、吸水後のゲル強度が弱いなどの問題があり実用化には至っていない。そこで、本発明者らはガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンからなる吸水材が生分解があり、吸水性能、吸水後のゲル強度が優れていることを報告した(特開2002−37924号、特願2001−359302号、特願2001−072127号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に用いられる吸水材に求められる性能としては、一価以上のカチオンを含む尿、血液、経血、汗等の体液、さらに泥水、海水、河川水などの環境中の液体を大量に、かつ速やかに吸収し、保液することが要求される。
本発明者らが提案した上記のガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンからなる吸水材は、極めて有意義なものであるが、まだ十分満足しているとは言えず、特に血液に対する吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)の改善が望まれていた。
【0008】
本発明の目的は、生分解性を有し、血液、尿等の体液の吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)に優れる吸水材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明の第一は、ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋されたガラクトマンナン架橋体からなり、かつ界面活性剤を含むことを特徴とする吸水材を要旨とするものである。本発明の吸水材は、好ましくは嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつ比表面積が0.1m2/g以上であるものであり、また、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収速度が、1回目:180秒以内、2回目:600秒以内であるものである。
本発明の第二は、上記の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるガラクトマンナン類とは、D−マンノース主鎖にD−ガラクトース側鎖を持つ多糖類で、グアガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム等が知られている。例えば、グアガムの製造方法としては、グア豆の種子から胚乳部分(スプリット)を取り出した後に、湿潤状態で加熱し、ガラクトマンナンをα化(糊化)させ、スプリットをすり潰し、熱風乾燥したあと、破砕する方法などが知られている。本発明で用いられるグアガムとは、このような天然のグアガムだけでなく、これらをガラクトシダーゼやマンノシダーゼなどの酵素で処理することにより得られた酵素処理物、及び化学薬品によりカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、硫酸基、リン酸基などを導入したガラクトマンナン誘導体も含むが、安価であることから未修飾グアガムが好ましい。また必要に応じて、カラギーナン、キサンタンガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、タラガントガム、プルラン、ジェランガム、タマリンドシードガム、カードラン、アラビアガム、グルコマンナン、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸などのグアガム以外の天然多糖類を混合してもよい。
【0011】
ガラクトマンナンは食品部門(乳製品、アイスクリーム、調味料、ソース、飲料等)において広く用いられている多糖類であり、増粘剤や安定剤として使用されていることからも、安全性の高い材料であると言える。
【0012】
本発明で用いられるガラクトマンナンの分子量は、1万以上が好ましく、より好ましくは5万以上である。分子量が1万以下の場合は金属イオンで架橋してもゲルを形成しないので不適当である。
【0013】
本発明で用いられるホウ素以外の三価以上の多価金属イオンとしては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、イットリウム、セリウムなどが挙げられるが、安価で安全性が高いことからチタン、ジルコニウムが最も好ましい。使用する架橋剤としてはこれらからなる群の1種だけでもよいが、2種以上を使用してもよい。ホウ素イオン、チタンイオン及びジルコニウムイオンなどの形態としては特に限定せず、ガラクトマンナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物であれば特に制限はないが、好ましくは親水性、より好ましくは水溶性の金属塩である。
【0014】
チタニウム塩としては、チタニウム ジイソプロポキシド ビスアセチルアミネート、チタニウム テトラ−2−エチルヘキソキシド、チタニウム テトライソプロポキシド、チタニウム ジ−n−ブトキシ ビストリエタノールアミネート、チタニウム イソプロポキシオクチレン グリコレート、チタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート、Tyzor131(デュポン社製)、TyzorGBA(デュポン社製)、塩化チタンが例示される。
【0015】
ジルコニウム塩としては、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニウム、ナトリウムジルコニウムラクテート、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、ジルコニウム モノアセチルアセトネート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムノルマルプロピレートが例示される。
【0016】
架橋剤としてのホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの濃度としては、ホウ素に関してはガラクトマンナン重量1kg当たり10〜2,000ミリモルが好ましく、50〜1,000ミリモルが特に好ましい。ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンに関しては、金属イオンの種類やその形態によって適宜異なるが、ガラクトマンナン重量1kg当たり概ね1〜300ミリモルが好ましく、10〜150ミリモルが特に好ましい。
【0017】
本発明において用いられる界面活性剤としては、血液に対する吸収性能を悪化させるようなものでなければ特に限定されるものではない。例えば、アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けん等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等がある。
【0018】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等がある。
【0019】
カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがあるが、水溶性で、発泡性を有するものがより好ましい。
【0020】
ガラクトマンナンに対する界面活性剤の添加量は、界面活性剤にもよるが、ガラクトマンナン100質量部に対して界面活性剤0.05〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。ガラクトマンナンに対する界面活性剤の添加量が0.05質量部未満の場合、血液吸収特性の改善効果が不十分となる。一方、界面活性剤の添加量が20質量部を超えると、血液吸収速度の改善効果は認められるが、血液吸収量が低下してくる。
【0021】
界面活性剤を添加する場合には、ガラクトマンナンを膨潤する水にあらかじめ界面活性剤を溶解することで吸水材全体に均一に界面活性剤を添加する方法と、乾燥した吸水材に界面活性剤を溶解した溶液を含浸することによって吸水材表面にコートする方法があるが、いずれの方法でも構わない。これらの方法によって界面活性剤が吸水材全体または表面に均一に含有され、吸水材の親水性やぬれ性が向上し、吸収速度や繰返し吸収性能が改善される。
【0022】
本発明の吸水材は、好ましくは嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつその表面積が0.1m2/g以上を有するものである。嵩密度が0.15g/cm3未満の場合、血液吸収速度、特に繰返し吸収能が悪化すると共に輸送コストも上昇するため好ましくない。一方、吸水材の表面積が0.1m2/g未満の場合、吸水材と血液との接触面積が小さく、吸収速度が遅くなる傾向があり好ましくない。
【0023】
本発明における吸水材の嵩密度は、European Disposable and Nowovena Association(edana)のDENSITY460.1−99に従って測定した値である。また、比表面積は、JIS標準篩で200〜1000μmに分級した吸収材を80℃で180分脱気した後、液体窒素で冷却しながら窒素ガスを標準ガスとするBET(Brunauer−Emmett−Teller)吸着法による比表面積によって測定した値である。
【0024】
また、本発明の吸水材は、好ましくは、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収時間が1回目:180秒以内、2回目:600秒以内である吸収特性を有するものである。さらに好ましくは、1回目:60秒以内、2回目;300秒以内であり、最も好ましくは1回目:30秒以内、2回目:60秒以内である。ここでの血液吸収時間の測定法は、φ60mmのシャーレに吸水材0.5gをシャーレ底面全体に均一に撒布し、馬血(抗凝固剤ヘパリン含有;ジャパン・ラム社製)2.5gを中央に2秒間で滴下し、吸収が完了(血液が吸収されることを目視で確認)するまでの時間を測定して1回目の吸収時間とし、1回目の吸収時間測定終了時から10分後に、再度馬血2.5gを滴下し、吸収が完了するまでの時間を測定して2回目の吸収時間とするものである。
【0025】
本発明の第二の吸水性物品は、上述した吸水材を含んでなることを特徴とするものであり、具体例としては、血液や尿、汗、膿、胃液、唾液、鼻分泌粘液などの体液を吸収することを目的とした吸水物品、例えば、子供用紙オムツ、大人用紙オムツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティーライナー、生理用シーツ、失禁用パッド、携帯用トイレ、携帯用汚物処理袋、動物用屎尿処理剤、医療用手当材、創傷被覆材、肉や魚などの鮮度保持材、さらには家畜の飼料添加物等が挙げられる。また体液だけでなく、泥水や海水、河川水などを吸水することを目的とした建材や土壌保水材、汚泥固化剤、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水材、種子被覆材等の農園芸用物品なども挙げることができる。
【0026】
次に吸水材の製造方法について説明する。
本発明における吸水材の製造方法としては、いかなる方法でも限定されるものではないが、基本的な製造方法は、ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンと界面活性剤を溶解させた水溶液を調製する工程、該水溶液にガラクトマンナンを添加し、ガラクトマンナン架橋ゲルを形成する工程、及びガラクトマンナン架橋ゲルに親水性有機溶媒を添加して脱水、必要に応じて表面架橋を施し、その後乾燥する工程からなっている。
【0027】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルの固形分濃度は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜25質量%であるため、そのようになるようにガラクトマンナンを添加する。
この際の温度は特に限定されないが、反応を促進させるためにも5〜100℃が好ましく、55〜80℃がさらに好ましい。
【0028】
架橋ゲルが形成される際、ゲルのpHが変化するが、ゲルの最終的なpHは5〜13が好ましく、7〜10がさらに好ましい。このためpHがこの範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸などを添加してゲルpHを調整すればよい。特にガラクトマンナンは強酸の存在下で加水分解されて低分子化するため、酸性の架橋剤液を用いる場合は架橋剤添加と同時或いは直後にpH調整を行う必要がある。またこの場合は、加水分解反応速度を遅くするためにできるだけガラクトマンナンゲルを冷却してから添加したほうがよい。冷却温度は1〜10℃の範囲である。ガラクトマンナンが低分子化すると吸水後のゲルの風合いが悪化(滑りが発生)しやすいので、出来るだけ回避することが望ましい。
【0029】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルを親水性揮発性有機溶媒で脱水する方法としては、脱水後の吸水性能を悪化させるような方法でなければ特に限定されない。ここで使用する親水性揮発性有機溶媒は特に制限されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができるが、コストや安全性の面からメタノール、エタノール、iso−プロピルアルコールなどの低級アルコール類が好ましい。
【0030】
該親水性揮発性有機溶媒の使用量は、容量として、ガラクトマンナンからなる架橋ゲル中の水分に対して0.5〜5倍量の使用が好ましく、1〜2.5倍量が特に好ましい。使用量がゲル中の水分に対して0.5倍量未満の場合は、ゲル中の水分の親水性有機溶媒との置換が不十分であり、吸水量、吸水速度が低下する場合がある。また5倍量を超える量を用いても使用量に見合った効果は得られず、コストの上昇を招くだけであり、工業的に好ましくない。
【0031】
親水性揮発性有機溶媒と接触させた後に得られる固形物の形状は特に限定されるものではないが、使用する目的に合わせて種々の形状とすることができる。例えば、顆粒状、フレーク状、シート状、粉末状、断片状、薄片状、棒状、線状などである。例えば顆粒状、粉末状固形物を得る場合は、ゲルを親水性揮発性有機溶媒と接触させると同時に破砕すればよい。破砕する混合装置としては、剪断力の大きいものが好ましいが、通常の混合機、捏和機を用いることができる。例えば円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等である。
【0032】
また得られる固形物を繊維状にする場合は、ゲルを適切なノズル径の紡糸機により連続的に繊維状ゲルを吐出させてから親水性揮発性有機溶媒に接触させればよい。さらに固形物をフィルム状にする場合は適切な支持体上にゲルを適度な厚さに塗布、コーティングし、次いで親水性揮発性有機溶媒と接触させればよい。
【0033】
有機溶媒でゲル中の水分を置換した後、固形物を回収する方法としては、濾過、デカンテーション、遠心分離などの公知の方法により、固形物と含水親水性揮発性溶媒とを分離し、固形分を回収すればよい。
【0034】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルを乾燥する方法としては、乾燥後の吸水能、吸水速度、吸水後のゲル強度を低下させるような方法でなければいかなる乾燥方法でも限定されるものではないが、例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥があるが、好ましくは経済的な30〜100℃での加熱乾燥である。加熱乾燥では装置内を風が循環しないものでもよいが、速やかな乾燥を行うためには発生させた熱風が装置内を循環する熱風循環式乾燥機、流動床式乾燥機などが好ましい。
【0035】
本発明の吸水材に、さらに必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、顔料、染料、抗菌剤、発泡剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸水材に種々の機能を付与してもよい。
【0036】
ここで用いられる無機粉末としては、水性液体等に対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。該無機粉体は、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不溶もしくは難溶であるものが好ましい。具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合製ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち、二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
【0037】
ここでの無機粉末の使用量は、ガラクトマンナン100質量部に対し0.001〜10質量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内とすればよい。吸水材と無機粉体との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えばドライブレンド法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法を採用するのが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例中における血液に対する吸収速度並びに吸水材の嵩密度及び比表面積は、上述した方法で行った。
【0039】
実施例1
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0040】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0041】
実施例2
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0042】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0043】
実施例3
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度18質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0044】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0045】
実施例4
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度25質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0046】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0047】
比較例1
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0048】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0049】
比較例2
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度2質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0050】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した後、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱処理を行った。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0051】
比較例3
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。得られた架橋ゲルをステンレストレイに約2cm厚以下になるように広げ、80℃で10時間熱風乾燥し、その乾燥物をブレンダーで1mm以下の粉末に破砕し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
比較例1から分かるように界面活性剤を添加することによって、血液に対する吸収速度および繰り返し吸収性能が改善している。比較例2は表面積が高くても、嵩密度が0.15g/cm3よりも低いと繰返し吸収性能が劣ることを示している。また、比較例3から、嵩密度が高くても、表面積が0.1m2/gに満たない場合には吸収速度、繰返し吸収性能が著しく劣ることが分かる。
以上のことから、本発明の吸水材は血液に対する吸収速度および繰り返し吸収性能が著しく改善されていることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、血液の吸収性能に優れた吸水材、特に血液吸収速度及び繰返し吸収能に優れた吸水材を得ることができる。よって、血液を短時間で素早く吸収することと、一旦血液を吸収した吸収材が再度血液を吸収することができ、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして、外科用血液吸収物品、手術用廃液処理材などの医用材料分野、動物用屎尿処理材、飼料添加剤、農園芸用分野、鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や保水を必要とする種々の用途に好適に利用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた生分解性、吸水性能、特に血液に対して速い吸収速度を有する吸水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[吸水材の技術的背景]
吸水材は、自重の数十倍から数千倍の水を吸水できる樹脂であり、例えばアクリル系吸水材などが知られている。これらの吸水材は、その高い吸水性から広く使い捨て衛生用品に使用されている。しかし、これまでの吸水材は分解性がなく、それを含む衛生用品の処理方法に問題があった。また、血液に対する吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)が不充分であった。
【0003】
被吸収液が血液などの場合には、血液吸収時に血液成分が個々の吸水性樹脂粒子を包囲し吸収を妨げるために吸水性樹脂の吸引量が低下する等の特別の事情があるため、尿に対する吸引量が高い吸水性樹脂であっても、血液に対する吸引量も高いとは限らない。このような事情に鑑み、吸水性樹脂の血液吸収特性を改良する試みとして、種々の提案がなされている。例えば、互いに血液吸収速度の異なる二種以上の吸水性樹脂を混合する方法(特開平11−246625号公報)、また、吸水性樹脂に対して20〜900重量%の水を含有させることにより血液の吸引量を改善する提案(特開平11−47588号公報)や血液吸収性組成物として、ポリアミノ酸塩を含む吸収性組成物(特開平7−310021号公報)などが提案されているが、血液の繰り返し吸収性という点では実用上必ずしも満足のいくものではなかった。更に、その他にも吸水性樹脂と陰イオン性界面活性剤及び/又はHLB7以上の非イオン性界面活性剤から成る組成物(特開昭58−32641号公報)、界面活性剤あるいは該界面活性剤とカルボン酸類とを吸水性樹脂に処理することにより、血液に対して優れた吸収特性を有する吸収性組成物(特開2002−35580号公報)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法は、血液の吸収性はある程度改善されるものの、未だ実用上不十分であり、血液と接触した時にゲルブロッキングやママコを生じやすく、特に繰り返し吸収性に劣るという問題があった。血液を繰り返し吸収させた場合、血液中に含まれる赤血球、白血球、血小板などの血球成分や、細胞、タンパク質などの高分子量物質などの固形分が吸水性樹脂表面に沈着したり、次の血液を吸収する前に血液凝固が起こるなどの現象により、血液の吸収速度が極端に遅くなり、血液吸収量も低いものとなってしまう。
【0005】
[生分解性吸水材の技術的背景]
生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−157795号公報等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(特開昭55−15634号公報)、ポリアミノ酸架橋体(特開平7−224163号公報、特開平7−309943号公報、特開平8−59820号公報、特開平8−504219号公報、特開平9−169840号公報など)、ガラクトマンナン−金属イオン架橋体(特開平8−59891号公報、特公平3−66321号公報、特開昭56−97450号公報)などが知られている。
【0006】
ところで、これらの生分解性を有する吸水材を非生分解性の合成高分子系吸水材と比較した場合、生分解性を有する吸水材の方が吸水性能が低い、吸水後のゲル強度が弱いなどの問題があり実用化には至っていない。そこで、本発明者らはガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンからなる吸水材が生分解があり、吸水性能、吸水後のゲル強度が優れていることを報告した(特開2002−37924号、特願2001−359302号、特願2001−072127号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に用いられる吸水材に求められる性能としては、一価以上のカチオンを含む尿、血液、経血、汗等の体液、さらに泥水、海水、河川水などの環境中の液体を大量に、かつ速やかに吸収し、保液することが要求される。
本発明者らが提案した上記のガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンからなる吸水材は、極めて有意義なものであるが、まだ十分満足しているとは言えず、特に血液に対する吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)の改善が望まれていた。
【0008】
本発明の目的は、生分解性を有し、血液、尿等の体液の吸収性能(吸収速度、繰返し吸収能、吸収量等)に優れる吸水材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明の第一は、ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋されたガラクトマンナン架橋体からなり、かつ界面活性剤を含むことを特徴とする吸水材を要旨とするものである。本発明の吸水材は、好ましくは嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつ比表面積が0.1m2/g以上であるものであり、また、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収速度が、1回目:180秒以内、2回目:600秒以内であるものである。
本発明の第二は、上記の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるガラクトマンナン類とは、D−マンノース主鎖にD−ガラクトース側鎖を持つ多糖類で、グアガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム等が知られている。例えば、グアガムの製造方法としては、グア豆の種子から胚乳部分(スプリット)を取り出した後に、湿潤状態で加熱し、ガラクトマンナンをα化(糊化)させ、スプリットをすり潰し、熱風乾燥したあと、破砕する方法などが知られている。本発明で用いられるグアガムとは、このような天然のグアガムだけでなく、これらをガラクトシダーゼやマンノシダーゼなどの酵素で処理することにより得られた酵素処理物、及び化学薬品によりカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、硫酸基、リン酸基などを導入したガラクトマンナン誘導体も含むが、安価であることから未修飾グアガムが好ましい。また必要に応じて、カラギーナン、キサンタンガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、タラガントガム、プルラン、ジェランガム、タマリンドシードガム、カードラン、アラビアガム、グルコマンナン、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸などのグアガム以外の天然多糖類を混合してもよい。
【0011】
ガラクトマンナンは食品部門(乳製品、アイスクリーム、調味料、ソース、飲料等)において広く用いられている多糖類であり、増粘剤や安定剤として使用されていることからも、安全性の高い材料であると言える。
【0012】
本発明で用いられるガラクトマンナンの分子量は、1万以上が好ましく、より好ましくは5万以上である。分子量が1万以下の場合は金属イオンで架橋してもゲルを形成しないので不適当である。
【0013】
本発明で用いられるホウ素以外の三価以上の多価金属イオンとしては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、イットリウム、セリウムなどが挙げられるが、安価で安全性が高いことからチタン、ジルコニウムが最も好ましい。使用する架橋剤としてはこれらからなる群の1種だけでもよいが、2種以上を使用してもよい。ホウ素イオン、チタンイオン及びジルコニウムイオンなどの形態としては特に限定せず、ガラクトマンナンの有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物であれば特に制限はないが、好ましくは親水性、より好ましくは水溶性の金属塩である。
【0014】
チタニウム塩としては、チタニウム ジイソプロポキシド ビスアセチルアミネート、チタニウム テトラ−2−エチルヘキソキシド、チタニウム テトライソプロポキシド、チタニウム ジ−n−ブトキシ ビストリエタノールアミネート、チタニウム イソプロポキシオクチレン グリコレート、チタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート、Tyzor131(デュポン社製)、TyzorGBA(デュポン社製)、塩化チタンが例示される。
【0015】
ジルコニウム塩としては、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニウム、ナトリウムジルコニウムラクテート、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、ジルコニウム モノアセチルアセトネート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムノルマルプロピレートが例示される。
【0016】
架橋剤としてのホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの濃度としては、ホウ素に関してはガラクトマンナン重量1kg当たり10〜2,000ミリモルが好ましく、50〜1,000ミリモルが特に好ましい。ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンに関しては、金属イオンの種類やその形態によって適宜異なるが、ガラクトマンナン重量1kg当たり概ね1〜300ミリモルが好ましく、10〜150ミリモルが特に好ましい。
【0017】
本発明において用いられる界面活性剤としては、血液に対する吸収性能を悪化させるようなものでなければ特に限定されるものではない。例えば、アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けん等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等がある。
【0018】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等がある。
【0019】
カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがあるが、水溶性で、発泡性を有するものがより好ましい。
【0020】
ガラクトマンナンに対する界面活性剤の添加量は、界面活性剤にもよるが、ガラクトマンナン100質量部に対して界面活性剤0.05〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。ガラクトマンナンに対する界面活性剤の添加量が0.05質量部未満の場合、血液吸収特性の改善効果が不十分となる。一方、界面活性剤の添加量が20質量部を超えると、血液吸収速度の改善効果は認められるが、血液吸収量が低下してくる。
【0021】
界面活性剤を添加する場合には、ガラクトマンナンを膨潤する水にあらかじめ界面活性剤を溶解することで吸水材全体に均一に界面活性剤を添加する方法と、乾燥した吸水材に界面活性剤を溶解した溶液を含浸することによって吸水材表面にコートする方法があるが、いずれの方法でも構わない。これらの方法によって界面活性剤が吸水材全体または表面に均一に含有され、吸水材の親水性やぬれ性が向上し、吸収速度や繰返し吸収性能が改善される。
【0022】
本発明の吸水材は、好ましくは嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつその表面積が0.1m2/g以上を有するものである。嵩密度が0.15g/cm3未満の場合、血液吸収速度、特に繰返し吸収能が悪化すると共に輸送コストも上昇するため好ましくない。一方、吸水材の表面積が0.1m2/g未満の場合、吸水材と血液との接触面積が小さく、吸収速度が遅くなる傾向があり好ましくない。
【0023】
本発明における吸水材の嵩密度は、European Disposable and Nowovena Association(edana)のDENSITY460.1−99に従って測定した値である。また、比表面積は、JIS標準篩で200〜1000μmに分級した吸収材を80℃で180分脱気した後、液体窒素で冷却しながら窒素ガスを標準ガスとするBET(Brunauer−Emmett−Teller)吸着法による比表面積によって測定した値である。
【0024】
また、本発明の吸水材は、好ましくは、0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収時間が1回目:180秒以内、2回目:600秒以内である吸収特性を有するものである。さらに好ましくは、1回目:60秒以内、2回目;300秒以内であり、最も好ましくは1回目:30秒以内、2回目:60秒以内である。ここでの血液吸収時間の測定法は、φ60mmのシャーレに吸水材0.5gをシャーレ底面全体に均一に撒布し、馬血(抗凝固剤ヘパリン含有;ジャパン・ラム社製)2.5gを中央に2秒間で滴下し、吸収が完了(血液が吸収されることを目視で確認)するまでの時間を測定して1回目の吸収時間とし、1回目の吸収時間測定終了時から10分後に、再度馬血2.5gを滴下し、吸収が完了するまでの時間を測定して2回目の吸収時間とするものである。
【0025】
本発明の第二の吸水性物品は、上述した吸水材を含んでなることを特徴とするものであり、具体例としては、血液や尿、汗、膿、胃液、唾液、鼻分泌粘液などの体液を吸収することを目的とした吸水物品、例えば、子供用紙オムツ、大人用紙オムツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティーライナー、生理用シーツ、失禁用パッド、携帯用トイレ、携帯用汚物処理袋、動物用屎尿処理剤、医療用手当材、創傷被覆材、肉や魚などの鮮度保持材、さらには家畜の飼料添加物等が挙げられる。また体液だけでなく、泥水や海水、河川水などを吸水することを目的とした建材や土壌保水材、汚泥固化剤、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水材、種子被覆材等の農園芸用物品なども挙げることができる。
【0026】
次に吸水材の製造方法について説明する。
本発明における吸水材の製造方法としては、いかなる方法でも限定されるものではないが、基本的な製造方法は、ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンと界面活性剤を溶解させた水溶液を調製する工程、該水溶液にガラクトマンナンを添加し、ガラクトマンナン架橋ゲルを形成する工程、及びガラクトマンナン架橋ゲルに親水性有機溶媒を添加して脱水、必要に応じて表面架橋を施し、その後乾燥する工程からなっている。
【0027】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルの固形分濃度は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜25質量%であるため、そのようになるようにガラクトマンナンを添加する。
この際の温度は特に限定されないが、反応を促進させるためにも5〜100℃が好ましく、55〜80℃がさらに好ましい。
【0028】
架橋ゲルが形成される際、ゲルのpHが変化するが、ゲルの最終的なpHは5〜13が好ましく、7〜10がさらに好ましい。このためpHがこの範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸などを添加してゲルpHを調整すればよい。特にガラクトマンナンは強酸の存在下で加水分解されて低分子化するため、酸性の架橋剤液を用いる場合は架橋剤添加と同時或いは直後にpH調整を行う必要がある。またこの場合は、加水分解反応速度を遅くするためにできるだけガラクトマンナンゲルを冷却してから添加したほうがよい。冷却温度は1〜10℃の範囲である。ガラクトマンナンが低分子化すると吸水後のゲルの風合いが悪化(滑りが発生)しやすいので、出来るだけ回避することが望ましい。
【0029】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルを親水性揮発性有機溶媒で脱水する方法としては、脱水後の吸水性能を悪化させるような方法でなければ特に限定されない。ここで使用する親水性揮発性有機溶媒は特に制限されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができるが、コストや安全性の面からメタノール、エタノール、iso−プロピルアルコールなどの低級アルコール類が好ましい。
【0030】
該親水性揮発性有機溶媒の使用量は、容量として、ガラクトマンナンからなる架橋ゲル中の水分に対して0.5〜5倍量の使用が好ましく、1〜2.5倍量が特に好ましい。使用量がゲル中の水分に対して0.5倍量未満の場合は、ゲル中の水分の親水性有機溶媒との置換が不十分であり、吸水量、吸水速度が低下する場合がある。また5倍量を超える量を用いても使用量に見合った効果は得られず、コストの上昇を招くだけであり、工業的に好ましくない。
【0031】
親水性揮発性有機溶媒と接触させた後に得られる固形物の形状は特に限定されるものではないが、使用する目的に合わせて種々の形状とすることができる。例えば、顆粒状、フレーク状、シート状、粉末状、断片状、薄片状、棒状、線状などである。例えば顆粒状、粉末状固形物を得る場合は、ゲルを親水性揮発性有機溶媒と接触させると同時に破砕すればよい。破砕する混合装置としては、剪断力の大きいものが好ましいが、通常の混合機、捏和機を用いることができる。例えば円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等である。
【0032】
また得られる固形物を繊維状にする場合は、ゲルを適切なノズル径の紡糸機により連続的に繊維状ゲルを吐出させてから親水性揮発性有機溶媒に接触させればよい。さらに固形物をフィルム状にする場合は適切な支持体上にゲルを適度な厚さに塗布、コーティングし、次いで親水性揮発性有機溶媒と接触させればよい。
【0033】
有機溶媒でゲル中の水分を置換した後、固形物を回収する方法としては、濾過、デカンテーション、遠心分離などの公知の方法により、固形物と含水親水性揮発性溶媒とを分離し、固形分を回収すればよい。
【0034】
本発明におけるガラクトマンナンからなる架橋ゲルを乾燥する方法としては、乾燥後の吸水能、吸水速度、吸水後のゲル強度を低下させるような方法でなければいかなる乾燥方法でも限定されるものではないが、例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥があるが、好ましくは経済的な30〜100℃での加熱乾燥である。加熱乾燥では装置内を風が循環しないものでもよいが、速やかな乾燥を行うためには発生させた熱風が装置内を循環する熱風循環式乾燥機、流動床式乾燥機などが好ましい。
【0035】
本発明の吸水材に、さらに必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、顔料、染料、抗菌剤、発泡剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸水材に種々の機能を付与してもよい。
【0036】
ここで用いられる無機粉末としては、水性液体等に対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。該無機粉体は、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不溶もしくは難溶であるものが好ましい。具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合製ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち、二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
【0037】
ここでの無機粉末の使用量は、ガラクトマンナン100質量部に対し0.001〜10質量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内とすればよい。吸水材と無機粉体との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えばドライブレンド法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法を採用するのが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例中における血液に対する吸収速度並びに吸水材の嵩密度及び比表面積は、上述した方法で行った。
【0039】
実施例1
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0040】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0041】
実施例2
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0042】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0043】
実施例3
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度18質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0044】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0045】
実施例4
グアガム100質量部に対して2質量部の界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウムを純水100mlにあらかじめ溶解させた後、該水溶液に架橋剤;炭酸ジルコニルアンモニウム(ニューテックス社製 ジルコゾールAC−7)をジルコニウムイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ攪拌しながら添加した。
次に上記水溶液にグアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度25質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤・架橋させた。得られた水和物をステンレストレイに約2cm厚となるように広げ、水分が飛ばないようにラップをかけた後、80℃を保持した状態で60分間、熱風乾燥機中で加熱し、その後室温まで冷却し、架橋ゲルを得た。
【0046】
次にゲル中に含まれる水100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0047】
比較例1
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0048】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した。エタノールで脱水された固形物にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモルになるように添加し水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱し、ゲル粒子表面を架橋した。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0049】
比較例2
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度2質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。
【0050】
次にゲル中に含まれる水分100mlをエタノール100mlで置換し、ブレンダーで破砕した後、水/エタノール混合溶液(水/エタノール=50/50)中75℃で2時間加熱処理を行った。濾過後、反応物をエタノール50mlで2回洗浄、吸引濾過し、その固形分を80℃で10時間真空乾燥し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0051】
比較例3
グアガム粉末(三栄薬品貿易社製)を固形分濃度10質量%となるように純水100mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ、水和物を得た。
次にグアガムゾル100ml中にチタニウム ジイソプロポキシ ビストリエタノールアミネート(三菱ガス化学社製 TEAT)溶液をチタンイオン換算量としてグアガム重量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液をホウ素イオン換算量としてグアガム重量1kg当たり100ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕しながら充分に架橋させた。得られた架橋ゲルをステンレストレイに約2cm厚以下になるように広げ、80℃で10時間熱風乾燥し、その乾燥物をブレンダーで1mm以下の粉末に破砕し、吸水材を得た。
得られた吸水材について、嵩密度、比表面積、馬血液に対する吸収速度の測定結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
比較例1から分かるように界面活性剤を添加することによって、血液に対する吸収速度および繰り返し吸収性能が改善している。比較例2は表面積が高くても、嵩密度が0.15g/cm3よりも低いと繰返し吸収性能が劣ることを示している。また、比較例3から、嵩密度が高くても、表面積が0.1m2/gに満たない場合には吸収速度、繰返し吸収性能が著しく劣ることが分かる。
以上のことから、本発明の吸水材は血液に対する吸収速度および繰り返し吸収性能が著しく改善されていることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、血液の吸収性能に優れた吸水材、特に血液吸収速度及び繰返し吸収能に優れた吸水材を得ることができる。よって、血液を短時間で素早く吸収することと、一旦血液を吸収した吸収材が再度血液を吸収することができ、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして、外科用血液吸収物品、手術用廃液処理材などの医用材料分野、動物用屎尿処理材、飼料添加剤、農園芸用分野、鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や保水を必要とする種々の用途に好適に利用できる。
Claims (4)
- ホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋されたガラクトマンナン架橋体からなり、かつ界面活性剤を含むことを特徴とする吸水材。
- 吸水材の嵩密度が0.15g/cm3以上で、かつ比表面積が0.1m2/g以上であることを特徴とする請求項1記載の吸水材。
- 0.5gの吸水材が2.5gの馬血を吸収する吸収時間が、1回目:180秒以内、2回目:600秒以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸水材。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品。
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JP2002253953A JP2004091612A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 吸水材及び吸水性物品 |
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JP (1) | JP2004091612A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024191359A1 (en) * | 2023-03-15 | 2024-09-19 | Evropa Medikal Ve Tibbi Cihazlari Limited Sirketi | Boron-based bioabsorbable hemostatic powder |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002253953A patent/JP2004091612A/ja active Pending
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WO2024191359A1 (en) * | 2023-03-15 | 2024-09-19 | Evropa Medikal Ve Tibbi Cihazlari Limited Sirketi | Boron-based bioabsorbable hemostatic powder |
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