JP2005247668A - 単結晶育成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原料棒および/または種結晶棒が蒸発し易い材料であっても単結晶を育成可能な単結晶育成装置を提供する。
【解決手段】 回転楕円面鏡11,12の一方側の焦点F1,F2に配置された加熱源13,14と、他方側の共通焦点F0の被加熱部15を囲む石英管23と、石英管23内にあって上結晶駆動軸16に支持された原料棒17と、下結晶駆動軸18に支持された種結晶棒19とを有する単結晶育成装置10において、前記石英管23内に少なくとも原料棒17を囲繞するように、蒸発物吸着ジャケット24を設け、その端部24aの位置を、溶融帯42の中心部から50±20mmの範囲内に設定した。蒸発物吸着ジャケット24は、冷却媒体通路を有し、この冷却媒体通路に冷却媒体供給口と冷却媒体出口とを設けて冷却媒体で冷却し、溶融帯からの蒸発物質を蒸発物吸着ジャケット24で吸着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は単結晶育成装置に関し、詳しくは、集中加熱方式のフローティング法により単結晶を育成する際に、蒸発し易い材料からの蒸発物を吸着して加熱源から石英管の赤外線透過率の低下を防止し安定して結晶育成を可能にする単結晶育成装置に関するものである。
単結晶を育成する場合、フローティングゾーン式の単結晶育成装置を用いることは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
このフローティングゾーン式の単結晶育成装置の一例を、図7に示す。図7は、熱源にハロゲンランプを用いた双楕円型の単結晶育成装置50の縦断正面図で、図8は図7のB−B線に沿う横断面図を示し、図9は被加熱部の拡大正面図を示す。
単結晶育成装置50は、対称形の2つの回転楕円面鏡51,52を有し、各々の一方の焦点F0,F0が一致するように対向結合させて加熱炉を構成する。この回転楕円面鏡51,52の内面、すなわち反射面は、赤外線を高反射率で反射させるために金めっき処理が施されている。各回転楕円面鏡51,52の他方の焦点F1,F2付近には、加熱源、例えば、ハロゲンランプ等の赤外線ランプ53,54が固定配置してある。各回転楕円面鏡51,52の一致した焦点F0には被加熱部55が位置し、上方から鉛直方向に延びる上結晶駆動軸56の下端に固定した原料棒57と、下方から鉛直方向に延びる下結晶駆動軸58の上端に固定された種結晶棒59とを突き合わせてある。前記上結晶駆動軸56および下結晶駆動軸58は、図示するように、保持部材60,61によって気密に保持され、図示しないサーボモータ等の駆動モータで回転自在、かつ、同期または相対速度を有して昇降自在に保持されている。
前記原料棒57および種結晶棒59が配置された空間m1を、赤外線ランプ53,54が配置された空間m2と区画して、単結晶育成室62を形成する透明な石英管63を設けて、上記単結晶育成室62に結晶育成に対して好適な不活性ガス等を充満させ、一方、赤外線ランプ53,54を安全に点灯させるために、赤外線ランプ53,54を空冷する。
このように、回転楕円面鏡51,52内において、石英管63によって限定された空間m1を単結晶育成室62とすることにより、石英管63を設けないで回転楕円面鏡51,52からなる加熱炉全体を単結晶育成室とする場合に比較して、単結晶育成室62の容積が格段に小さくなり、したがって、この単結晶育成室62を短時間で所定の単結晶育成雰囲気に置換でき、かつ、その雰囲気状態を容易に維持できる。
前記の単結晶育成装置50によれば、回転楕円面鏡51,52の第1,第2の焦点F1,F2に配置された赤外線ランプ53,54から照射される赤外線を、上記回転楕円面鏡51,52で反射させ、共通の焦点F0に位置する被加熱部55に集光させて赤外線加熱する。この赤外線加熱による輻射エネルギにより、被加熱部55の原料棒57の下端および種結晶棒59の上端を加熱溶融させながら、円滑に接触させることにより、図9に示すように、原料棒57と種結晶棒59間の被加熱部55にフローティングゾーン64を形成させる。
そして、下端に原料棒57を固定した上結晶駆動軸56と上端に種結晶棒59を固定した下結晶駆動軸58とを共に回転させ、かつ、同期または相対速度を有してゆっくり下方に向かって移動させることによって、原料棒57と種結晶棒59間のフローティングゾーン64が次第に原料棒57側に移動していって、結晶が成長していき単結晶が育成される。なお、図9における57aは原料棒57側の固液界面を示し、59aは種結晶棒59側の固液界面を示している。
このようなフローティングゾーン式の単結晶育成装置50を用いれば、ハロゲンランプ等の赤外線ランプ53,54から照射される赤外線を、上記回転楕円面鏡51,52の全面で反射させ、共通の焦点F0に位置する被加熱部55に集光させて赤外線加熱するので、比較的低出力の小型の赤外線ランプ53,54で、被加熱部55を高温度に加熱できるのみならず、赤外線ランプ53,54の入力電力を制御することで、被加熱部55の温度を容易かつ確実に制御できる。
また、原料棒57および種結晶棒59の融液が他の物質に接触しないフローティング状態で単結晶が育成できるので、坩堝式単結晶育成に比較して坩堝から溶出する不純物によって育成される単結晶の純度を低下させることがなく、高純度の単結晶を容易に育成することができる。
このような単結晶育成装置50において、原料棒57および/または種結晶棒59が融点近傍で蒸発し易い物質である場合は、赤外線ランプ53,54の集中加熱によって、原料棒57と種結晶棒59の間の被加熱部55,すなわちフローティングゾーンから蒸発が始まり、その蒸発物が石英管63内に拡がり、これを放置しておくと石英管63の内壁面の比較的温度の低い部分に付着する。すると、蒸発物が付着した石英管63の内壁面は、蒸発物自体が赤外線を吸収し、石英管の赤外線透過率を低下させる。また、石英管63内での蒸発物質の浮遊滞留により、石英管63内の赤外線透過率が低下することもある。つまり、蒸発物質を放置しておくと、前述の2つの赤外線透過率低下現象が生じて、被加熱物の加熱条件が変化し、所望の組成の単結晶育成ができなくなることがある。
さらに、蒸発物が付着した石英管63は、付着した蒸発物自体が赤外線を吸収し、発熱するので、蒸発物が付着した石英管部位の温度が上昇し微細に再結晶化し、白濁化し、石英ガラス強度が著しく低下し、破損し易くなる。
このため、このような被加熱部55からの蒸発物質による赤外線透過率低下現象や石英管63の破損を防止するため、石英管63内に水冷ジャケットを配置して、被加熱部55から発生する蒸発物質を積極的に排除することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平3−88790号公報(第2欄第9行〜第4欄第32行、第2図〜第4図) 特公昭63−62873号公報(第2欄第12行〜第4欄第32行、図2〜図4)
ところで、上記の特許文献2に記載された単結晶育成装置においては、第2図からも明らかなとおり、水冷ジャケットの端部が被加熱部から相当離れているために、水冷ジャケットによる蒸発物の吸着作用よりも石英管の焦点から少し離れた比較的高温でない石英管内壁面に蒸発物が付着する作用が優勢になって蒸発物が付着し、上記の蒸発物質による赤外線透過率低下現象を効果的に抑制したり、石英管の破損を確実に防止したりすることが困難であった。特に、焦点断面直上の20〜150mmの間で著しく蒸発物が付着する。
例えば、ルテニウム酸化物であるSr2RuO4を育成するためには、被加熱部55を2,200〜2,300℃に加熱しなければならず、このような高温状態のフローティングゾーンから、単結晶育成中にRuO2が蒸発し易いため、RuO2の蒸発物質による赤外線透過率低下現象が顕著であった。
また、このようにRuO2が育成中に蒸発し易いということは、原料棒や種結晶棒中のRu量が蒸発によって減少していくことに起因して、育成される単結晶の組成が所望の組成から変動することにもなるため、原料棒は予めRuO2の蒸発量を見込んで調製することが必要になる。
一方、水冷ジャケットの端部を被加熱部に必要以上に接近させることは、この水冷ジャケット端部によって被加熱部に照射される赤外線が遮蔽されるために、特に、高融点材料については、被加熱部を所定温度に加熱することができないという問題点があった。
さらに、一般的には、単結晶育成速度が遅いほど結晶品質が良くなるが、蒸発が著しい物質では、可及的に蒸発を抑えるために、単結晶育成速度を、例えば、40mm/hrと速くして育成が行われている。しかしながら、結晶品質の観点からは、もっと低速度で育成することによって、より結晶品質を向上させ、機能性を発現できる可能性がある。したがって、蒸発し易い物質を含む材料であっても、より低速度で単結晶を育成したいという要求がある。
そこで、本発明は、融点近傍で蒸発し易い材料からの蒸発物質を効果的に吸着して、石英管の赤外線透過率の低下現象抑制や破損防止ができるとともに、被加熱部を安定して所定温度で加熱できる単結晶育成装置を提供することを目的とするものである。
本発明の単結晶育成装置は、上記課題を解決するために、回転楕円面鏡と、この回転楕円面鏡の一方の焦点に配置された加熱源と、回転楕円面鏡の他方の焦点に配置された原料棒および種結晶棒と、この原料棒および種結晶棒を囲繞する石英管とを有し、前記加熱源の赤外線を回転楕円面鏡で反射して他方の焦点に配置された原料棒および種結晶棒に照射して単結晶を育成する単結晶育成装置において、前記原料棒または、原料棒および種結晶棒を囲繞する蒸発物吸着ジャケットの端部位置を、原料棒および種結晶棒の溶融帯中央部から50±20mmの範囲内に設定したことを特徴とするものである(請求項1)。
また、本発明の単結晶育成装置は、前記原料棒が上方に配置され、種結晶棒が下方に配置されており、少なくとも原料棒を前記蒸発物吸着ジャケットが囲繞していることを特徴とするものである(請求項2)。
また、本発明の単結晶育成装置は、前記蒸発物吸着ジャケットが、冷却手段を備えていることを特徴とするものである(請求項3)。
また、本発明の単結晶育成装置は、前記冷却手段が、蒸発物吸着ジャケットの内部に冷却媒体を流すものであることを特徴とするものである(請求項4)。
また、本発明の単結晶育成装置は、蒸発物吸着ジャケットの外表面が蒸発物吸着面積を増大するためにフィン形状を有することを特徴とするものである(請求項5)。
また、本発明の単結晶育成装置は、前記フィン形状が、蒸発物吸着ジャケットの軸方向に沿って平行状に形成されていることを特徴とするものである(請求項6)。
上記の単結晶育成装置によれば、蒸発物吸着ジャケットの端部位置が原料棒と種結晶棒との溶融帯の近傍部分まで接近しているので、溶融体から蒸発した蒸発物を蒸発物吸着ジャケットですばやく吸着して石英管内を蒸発物が浮遊滞留することを防止するとともに、被加熱部近傍の石英管の内壁面に蒸発物が付着凝集して石英管の赤外線透過率低下現象を防止することができるため、原料棒や種結晶棒が蒸発し易い材料からなる場合や、蒸発し易い物質を含む場合であっても、単結晶を育成することができる。しかも、蒸発物吸着ジャケットの端部位置が原料棒と種結晶棒との溶融帯の近傍部分に必要以上に接近していないので、加熱源から被加熱部へ照射される赤外線が蒸発物吸着ジャケットによって遮蔽されることが無く、被加熱部に十分な赤外線エネルギを供給して所定温度に加熱することができ、単結晶育成に必要な溶融帯を形成することができる。
なお、蒸発物吸着ジャケットの端部位置が、原料棒と種結晶棒との溶融帯の中心位置から50+20mm=70mmを越えると、蒸発物吸着ジャケットの端部位置が、原料棒と種結晶棒との溶融帯の中心位置から離れすぎて、蒸発物吸着ジャケットによる蒸発物の吸着作用が不十分になり、蒸発物の浮遊滞留や石英管内壁面への付着凝縮物質による赤外線透過率低下現象の抑制効果が十分発揮されなくなる。
一方、蒸発物吸着ジャケットの端部位置が、原料棒と種結晶棒との溶融帯の中心位置から50−20mm=30mm未満であると、加熱源からの赤外線が蒸発物吸着ジャケットの端部によって遮蔽されて、被加熱部に到達する赤外線エネルギが低下して被加熱部を十分に加熱することができないため、低融点物質の加熱溶融は加熱源からの赤外線エネルギの増大で遮蔽分を補うことができても、高融点物質の単結晶育成は困難になる。
また、上記の単結晶育成装置によれば、原料棒が上方に配置され、種結晶棒が下方に配置されており、少なくとも原料棒を前記蒸発物吸着ジャケットが囲繞しているので、原料棒および種結晶棒の溶融帯から蒸発して雰囲気ガスとともに対流によって上昇する蒸発物質を、上方に配置された蒸発物吸着ジャケットによって、確実に吸着することができる。
また、上記の単結晶育成装置によれば、前記蒸発物吸着ジャケットが、冷却手段を備えているので、冷却手段によって蒸発物吸着ジャケットを十分に冷却することができ、蒸発物吸着ジャケットの内面温度を十分低くして、原料棒および種結晶棒の溶融帯からの蒸発物質を迅速、かつ確実に吸着することができる。
また、上記の単結晶育成装置によれば、前記冷却手段が、蒸発物吸着ジャケットの内部に冷却媒体を流すものであるから、冷却水などの手軽に入手可能で安価な冷却媒体によって蒸発物吸着ジャケットを冷却することができ、蒸発物吸着ジャケットを安価に構成することができるとともに、維持費を低減することができる。
また、上記の単結晶育成装置によれば、蒸発物吸着ジャケットの外表面はフィン形状に構成してあるので、より大きな吸着面積をもつことにより、効果的に多くの蒸発物の吸着が可能になる。
また、上記の単結晶育成装置によれば、前記フィン形状が、蒸発物吸着ジャケットの軸方向に沿って平行状に形成されているので、蒸発物吸着ジャケットの外表面側に回った蒸発物は上昇流に従って複数のフィン間の溝部を通り、効果的に蒸発物質を吸着することができる。
以下、本発明における単結晶育成装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、加熱源に赤外線ランプを用いた双楕円型の単結晶育成装置10における要部の概略縦断正面図で、図2は図1の単結晶育成装置10におけるA−A線に沿う概略横断面図を示す。
単結晶育成装置10は、対称形の2つの回転楕円面鏡11,12を有する。各回転楕円面鏡11,12は一方の焦点F1,F2と他方の焦点F0とを有し、各々の他方の焦点F0(図2参照)が一致するように対向結合させて加熱炉を構成している。この回転楕円面鏡11,12の内面,すなわち反射面は、赤外線を高反射率で反射させるために金めっき処理が施されている。
各回転楕円面鏡11,12の一方の焦点F1,F2付近には、加熱源の一例として、例えば、ハロゲンランプ等の赤外線ランプ13,14が固定配置してある。各回転楕円面鏡11,12の一致した他方の焦点F0には被加熱部15が位置し、この被加熱部15を含むように石英管23が鉛直方向に設置されている。
この石英管23は、石英管23の内方部分m1をそれ以外の回転楕円面鏡11,12の内方部分m2と区分することによって、石英管23の内方部分m1を単結晶育成に適する雰囲気に置換し、かつ、その雰囲気状態を維持し易くするものである。一方で、各回転楕円面鏡11,12内の内方部分m2の赤外線ランプ13,14を、石英管23の内方部分m1内の被加熱部15に影響を与えることなく冷却するのに役立つ。
各回転楕円面鏡11,12の一致した焦点F0に位置する被加熱部15では、上方から鉛直方向に延びる上結晶駆動軸16の下端に固定した原料棒17と、下方から鉛直方向に延びる下結晶駆動軸18の上端に固定された種結晶棒19とを突き合わせている。前記上結晶駆動軸16および下結晶駆動軸18は、図示するように、保持部材20,21によって気密に保持され、図示しないサーボモータ等の駆動モータで回転自在、かつ、同期して、または相対速度を有して昇降自在に保持されている。
上記の単結晶育成装置10において、石英管23内の原料棒17と種結晶棒19との周囲には、円筒状の蒸発物吸着ジャケット24,25が配置されている。溶融帯(フローティングゾーン。以下、FZという)42の中心位置から原料棒17側の蒸発物吸着ジャケット24の下端24aまでの寸法L1および種結晶棒19側の蒸発物吸着ジャケット25の上端25aまでの寸法L2は、それぞれ50±20mmの範囲内に設定されている。
前記蒸発物吸着ジャケット24,25は、図3(A)〜(C)に示すように、耐食性の高いステンレス(例えば、SUS 304)などによって略2重円筒状に形成されており、内部に冷却媒体通路26,27を有する。冷却媒体通路26の上端部の一部および冷却媒体通路27の端部の一部にそれぞれ冷却媒体供給口28,29を有するとともに、冷却媒体供給口28,29に対して周方向に適当な角度位置,例えばそれぞれ180°の位置に、冷却媒体出口30,31を有する。
また、前記冷却媒体通路26,27内には、前記冷却媒体供給口28,29と冷却媒体出口30,31とを結ぶ線と直交する方向に、冷却媒体通路26,27をそれぞれ冷却媒体通路26a,26bと,27a,27bとにほぼ2分するように、軸方向に沿って仕切板32a,32b,33a,33bを設けてある。仕切板32a,32bの下端位置は、冷却媒体通路26の下端位置よりも高く、また、仕切板33a,33bの上端位置は、冷却媒体通路27の上端よりも低く設定してある。
このため、冷却媒体供給口28から一方の冷却媒体通路26a内に供給された冷却媒体は、仕切板32a,32bの下方を通って、冷却媒体出口30側の他方の冷却媒体通路26bに入り、冷却媒体出口30から外部に排出される。また、冷却媒体供給口29から一方の冷却媒体通路27aに供給された冷却媒体は、仕切板33a,33bの上方を通って、冷却媒体出口31側の他方の冷却媒体通路27bに入り、冷却媒体出口31から外部に排出される。
このように、冷却媒体が被加熱部15から離隔した位置にある冷却媒体供給口28,29から冷却媒体通路26,27内に供給され、仕切板32a,32b,33a,33bによって被加熱部15に近い位置を通って、冷却媒体出口30,31から排出されることによって、蒸発物吸着ジャケット24,25全体,特に被加熱部15に近い端部24a,25aを効率良く冷却して、蒸発物質の吸着効果を高めるようにしている。
さらに、前記蒸発物吸着ジャケット24,25は、内表面34,35が直円筒状の吸着部と、外表面に吸着部36,37を有する。図示例の外表面の吸着部36,37は、軸線方向に沿って突条に形成された複数のフィン38,39によって凹凸状に形成されており、各フィン38,38間および39,39間に溝部40,41が形成されている。
次に、上記の単結晶育成装置10の動作について説明する。まず、蒸発物吸着ジャケット24,25の冷却媒体供給口28,29から冷却媒体通路26,27内に冷却水などの冷却媒体を供給しながら、冷却媒体出口30,31から冷却媒体を排出して、蒸発物吸着ジャケット24,25を所定温度に冷却しておく。このとき、前述のように、冷却媒体が仕切板32a,32b,33a,33bによって、冷却媒体通路26,27内の被加熱部15に近い端部を効率良く冷却し、所定の低温状態に維持する。
そして、石英管23内を不活性ガス等適切な雰囲気ガスで置換した後、回転楕円面鏡11,12の一方の焦点F1,F2近傍に配置された赤外線ランプ13,14に通電して、赤外線ランプ13,14から照射される赤外線を、上記回転楕円面鏡11,12で反射させ、共通の他方の焦点F0に位置する被加熱部15に集光させて赤外線加熱する。この赤外線加熱による輻射エネルギにより、被加熱部15の原料棒17の下端および種結晶棒19の上端を加熱溶融させながら、円滑に接触させることにより、図4に示すように、原料棒17と種結晶棒19間の被加熱部15に、断面積が小さいFZ42を形成させる。
このとき、上側の蒸発物吸着ジャケット24の下端位置および下側の蒸発物吸着ジャケット25の上端位置が、FZ42の中心位置から50±20mmの範囲に設定されているから、蒸発物吸着ジャケット24,25の存在によって被加熱部15への赤外線が遮蔽されることがなく、被加熱部15は単結晶育成に必要な所定温度に加熱されて、良好なFZ42が形成される。
そして、下端に原料棒17を固定した上結晶駆動軸16と、上端に種結晶棒19を固定した下結晶駆動軸18とを共に回転させ(例えば、20〜30rpm)、かつ、同期してゆっくり下方に向かって移動させることによって、原料棒17と種結晶棒19間の被加熱部15に形成されたFZ42が次第に原料棒17側に移動していって、単結晶が育成される。なお、図4における17aは原料棒17側の固液界面を示し、19aは種結晶棒19側の固液界面を示している。
このとき、原料棒17および/または種結晶棒19が蒸発し易い材料からなる場合または蒸発し易い物質を含む場合は、赤外線加熱によってFZ42から蒸発し易い物質が蒸発する。しかしながら、石英管23内には蒸発物吸着ジャケット24,25が原料棒17および種結晶棒19を囲繞して設けられており、この蒸発物吸着ジャケット24,25が冷却媒体によって冷却されて低温度に維持されているので、FZ42からの蒸発物質は蒸発物吸着ジャケット24,25によって吸着されて、石英管23の内部を浮遊滞留したり石英管23の内壁面に付着したりすることが防止される。
このため、石英管23の内部を浮遊滞留する蒸発物質や石英管23の内壁面に付着凝縮した蒸発物質に起因する赤外線透過率の減少が防止されて、赤外線ランプ13,14から被加熱部15に所定の赤外線エネルギを供給して被加熱部15を所定温度に加熱することができ、良好なFZ42を形成して単結晶を育成することができる。
また、原料棒17および種結晶棒19のFZ42からの蒸発物質の石英管23内壁面への付着が抑制されるので、石英管23内壁面への蒸発物質の付着に起因する石英管23の赤外線透過率の低下、および蒸発物質の付着に起因する白濁化失透部分の温度上昇による石英管23の破損を防止することができる。
なお、FZ42から蒸発した蒸発物質が、万一蒸発物吸着ジャケット24,25の外表面側に移動しても、蒸発物質が複数のフィン38,38間および39,39間の溝部40,41を通過する過程で、FZ42に近い端部よりも低温の位置で吸着される。さらに、この外表面側は、複数のフィン38,39による凹凸状であるため、その大きな吸着表面積によって吸着可能な蒸発物質量を多くでき、蒸発物吸着ジャケット24,25はより長時間の結晶育成に使用することができる。
上記の蒸発物吸着ジャケット24,25の外表面における複数のフィン38,39の数および/またはその断面形状は、育成する単結晶に応じて、換言すれば、被加熱部15の加熱温度や原料棒17や種結晶棒19の材料、またはそれらに含まれる物質の蒸発性などに応じて任意に設定することができる。例えば、図5に示すように、蒸発物吸着ジャケット24,25の外表面の放熱部36,37を、周方向に等間隔の32個の逆台形断面形状のフィン38,39で軸線に沿って平行状に形成することができる。このような構成にすれば、放熱部36,37の表面積を大きく、かつ溝部40,41を幅が一定で深く形成することができる。
なお、上記実施形態では、原料棒17側および種結晶棒19側の両方に蒸発物吸着ジャケット24,25を設ける場合について説明したが、図6に示すように、原料棒17側(上側)にのみ、蒸発物吸着ジャケット24を設けるようにしてもよい。
このように、原料棒17側(上側)にのみ、蒸発物吸着ジャケット24を設けるようにしてもよい理由は、FZ42から蒸発した蒸発物質は石英管23内を対流する不活性ガスとともに石英管23内を対流により上昇する性質があるので、上方に位置する原料棒17側にのみ蒸発物吸着ジャケット24を設けるようにしても、蒸発物質の十分な吸着効果が得られるためである。
また、上記実施形態では、蒸発物吸着ジャケット24,25の吸着部36,37に、軸線に沿う直線状のフィン38,39を形成する場合について説明したが、軸線に対して蛇行状または螺旋状のフィンを形成してもよい。このような蛇行状または螺旋状のフィンを形成すれば、軸線方向に沿った直線状のフィンに比較して、蒸発物吸着ジャケット24,25の吸着部36,37の吸着面積をさらに増大することができる。
なお、単結晶を育成する材料が比較的蒸発が少ない材料の場合は、蒸発物吸着ジャケット24,25の外表面にフィン状の吸着部36,37を形成することは必ずしも必要ではなく、単なる円筒状のものでも良い。
本発明の実施形態の単結晶育成装置における縦断正面図である。 図1に示す本発明の単結晶育成装置におけるA−A線に沿った横断面図である。 (A)は図1の単結晶育成装置における蒸発物吸着ジャケットの拡大部分縦断正面図である。 (B)は(A)の蒸発物吸着ジャケットの拡大平面図である。 (C)は(A)の蒸発物吸着ジャケットの拡大底面図である。 図1の単結晶育成装置におけるフローティングゾーンの拡大正面図である。 本発明に係る単結晶育成装置の蒸発物吸着ジャケットのフィン形状を示す底面図である。 本発明における単結晶育成装置の別の実施形態における要部拡大部分従断正面図である。 従来の単結晶育成装置における縦断正面図である。 図7の単結晶育成装置におけるB−B線に沿った横断面図である。 図7の単結晶育成装置における被加熱部の拡大正面図である。
符号の説明
10 単結晶育成装置
11,12 回転楕円面鏡
13,14 加熱源(赤外線ランプ)
15 被加熱部
16 上結晶駆動軸
17 原料棒
17a 原料棒側の固液界面
18 下結晶駆動軸
19 種結晶棒
19a 種結晶棒側の固液界面
23 石英管
24,25 蒸発物吸着ジャケット
24a,25a 蒸発物吸着ジャケットの端部
26,26a,27,27a 冷却媒体通路
28,29 冷却媒体供給口
30,31 冷却媒体出口
32a,33a,32b,33b 仕切板
34,35 内表面
36,37 吸着部
38,39 フィン
40,41 溝部
42 溶融帯(フローティングゾーン)
1,L2 溶融帯の中心位置から蒸発物吸着ジャケット端部までの寸法

Claims (6)

  1. 回転楕円面鏡と、この回転楕円面鏡の一方の焦点に配置された加熱源と、回転楕円面鏡の他方の焦点に配置された原料棒および種結晶棒と、この原料棒および種結晶棒を囲繞する石英管とを有し、前記加熱源の赤外線を回転楕円面鏡で反射して他方の焦点に配置された原料棒および種結晶棒に照射して単結晶を育成する単結晶育成装置において、
    前記原料棒または、原料棒および種結晶棒を囲繞する蒸発物吸着ジャケットの端部位置を、原料棒および種結晶棒の溶融帯中央部から50±20mmの範囲内に設定したことを特徴とする単結晶育成装置。
  2. 前記原料棒が上方に配置され、種結晶棒が下方に配置されており、少なくとも原料棒を前記蒸発物吸着ジャケットが囲繞していることを特徴とする請求項1に記載の単結晶育成装置。
  3. 前記蒸発物吸着ジャケットが、冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶育成装置。
  4. 前記冷却手段が、蒸発物吸着ジャケットの内部に冷却媒体を流すものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の単結晶育成装置。
  5. 蒸発物吸着ジャケットの外表面が蒸発物吸着面積を増大するためにフィン形状を有することを特徴とする請求項4に記載の単結晶育成装置。
  6. 前記フィン形状が、蒸発物吸着ジャケットの軸方向に沿って平行状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の単結晶育成装置。
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