JP2005245904A - デジタルx線断層撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イメージインテンシファイアなどにおける固有の構造ノイズの影響を避けながら、リアルタイムで所望の裁断面の断層像を得る。
【解決手段】 イメージインテンシファイア12とTVカメラ13とによって得た画像信号を一定の時間間隔で取り込んでA/D変換器14に通した上で、画像メモリ15に送り、この画像メモリ15上で、各画像を、その取り込みごとにピクセル数aずつ順次シフトさせて重ね合わせ、その重ね合わせによって形成された画像データをD/A変換器16を経て画像モニター装置17に送って表示する。X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とはリンク機構によって連結され、相対的に反対方向に移動させられるが、揺動棹25を回転させる駆動装置19をCPU18によって制御することにより、揺動棹25の回転角速度を角度が大きくなるほど遅くする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、X線発生器とX線撮像装置とを被検体を中心に相対的に反対方向に移動させて得た画像信号をデジタル化して加算することにより被検体内の所定の裁断面の画像(断層像)を得るデジタルX線断層撮影装置に関する。
X線断層撮影装置は、周知の通り、被検体の撮像すべき任意高さ(深さ)の一断面の1点を中心としてX線発生器(X線管)とフィルムとを相対的に反対方向に移動させながら多重露光することにより、その深さ以外の部分をぼかし、その一断面の画像(断層像)を撮影するものである。デジタルX線断層撮影装置は、フィルムの代わりにイメージインテンシファイアとTVカメラの組み合わせまたはフラットパネルディテクタと呼ばれる平面型半導体放射線検出器などのX線撮像装置を用いてX線透過像の画像信号を取得し、デジタル化して画像メモリに加算していくようにしてフィルムに多重露光したのと同様の断層像を得ようというものである。
デジタルX線断層撮影装置では、X線発生器とX線撮像装置とが相対的に反対方向に移動していくときにX線投射方向が傾いていくことになるが、撮影すべき裁断面の像は受像面上でつねに同一の位置に投射され、その面以外の面上の像はX線投射方向に傾きに応じて他の位置に投射されるよう、移動量が定められ、その撮影像がデジタル加算される。そのため、撮像装置の受像面において同じ位置に入射した信号が加算されることになるので、撮像装置の構造ノイズが強調されて、診断能に劣る断層像しか得られない。ここで構造ノイズというのは、イメージインテンシファイアの蛍光面の非均一性に起因するものや、TVカメラの傷、平面型半導体放射線検出器における各ピクセル感度の不均一性によるものなどである。
これに対して、つぎの特許文献1、2や非特許文献1に記載されているように、X線発生器と撮像装置とが相対的に反対方向に移動していくときの各位置で得た画像をそのままいったん記憶し、後に読み出して、各位置ごとの画像をシフトさせて加算するようにすれば、そのシフト量に応じて、任意の高さ(深さ)の裁断面の画像を得ることができる。また、このように画像をシフトさせて加算するため、受像面の違う位置に入射した信号を加算することになり、上記のような構造ノイズが加算されることがなく分散されるので、優れた画質の断層像を得ることができる。
特開2001−286458 特開昭57−203430 Shusuke Sone, et al., "Development of a High-Resolution Digital Tomosynthesis System and Its Clinical Application", 11 Radio Graphics 807 (Sep. 1991).
しかしながら、この画像をそのままいったん記憶して後にシフトさせながら加算するものは、後処理で画像データのシフト・加算を行い、しかもそのシフト量を1枚1枚の画像ごとに計算して定める必要があるため処理に時間がかかり、リアルタイムで断層像を得ることができず、断層像を得るまでに時間がかかるという欠点がある。
この発明は、上記に鑑み、構造ノイズの影響を避けながら、しかもリアルタイムで断層像を得ることができるように改善したデジタルX線断層撮影装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明のデジタルX線断層撮影装置においては、X線発生器と、X撮像装置と、該X線発生器およびX線撮像装置を、これらを結ぶ線上の1点を中心に相対的に反対方向に移動させる移動機構と、その移動中に一定時間間隔で取り込んだ上記X線撮像装置からのデジタル画像データを、予め定めたピクセル数ずつ順次シフトさせながら加算していく画像メモリと、上記のX線発生器およびX線撮像装置の移動速度が、X線発生器とX線撮像装置が正面に相対する角度より傾いていくほど遅くなるように上記移動機構を制御する制御装置とが備えられることが特徴となっている。
X線発生器およびX線撮像装置が、これらを結ぶ線上の1点を中心に相対的に反対方向に移動させられていくとき、それらが互いに正面に相対する角度より傾いていくほど遅くなるようにそれらの移動速度が制御される。これにより、一定時間間隔で取り込まれる画像の角度間隔が、傾きが大きくなるほどに狭くなっていく。そのため、画像メモリにおいて画像データを書き込んでいく位置(番地)を同じピクセル数ずつ順次シフトさせても、上記の中心点の位置する裁断面とは異なる所望の裁断面上の画像を画像メモリに同一番地に加算していくことができ、この所望の裁断面上の画像を画像メモリにおいて形成することができる。
つぎに、この発明を実施したデジタルX線断層撮影装置について図面を参照して説明する。
図1において、X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とを組み合わせたX線撮像装置とが、所定の間隔を隔てて対向配置させられている。この間隔内に、検査台(ベッド)22に横たえられた被検体(患者)21が挿入される。
TVカメラ13から得られる画像信号はA/D変換器14を経てデジタル化された後、画像メモリに書き込まれる。ここでは、この画像信号取り込み、デジタル化、書き込みが一定の時間間隔で行われるよう制御されている。そして、その書き込みごとに、書き込み位置が一定のピクセル数aごとにシフトされる。これによりピクセル数aずつシフトさせられながら画像データが順次加算されることになり、この加算によって形成された画像データが読み出されてD/A変換器16を経てアナログ信号に変換され、画像モニター装置17で表示されることになる。
X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とは、一種のリンク機構により結ばれ、被検体21中に想定された基準裁断面31上の1点を中心にして矢印に示すように相対的に反対方向に移動させられる。X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とはそれぞれ、検査台22と平行な異なる平面(この平面の高さは後述のように設定可能である)上で図の左右方向に移動自由に保持されており、これらにはリンク棒23、24が連結されている。揺動棹25は駆動装置19によって1点を中心に傾けられるようになっているが、その中心点は揺動棹25の任意の位置(高さ)に設定できるようになっている。そして、揺動棹25は、リンク棒23、24に対して傾き可能でかつ揺動棹25の長さ方向にスライド可能に結合されている。これにより揺動棹25が傾く方向に駆動されると、それに応じてX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とが相対的に反対方向に移動することとなる。また、揺動棹25の傾き中心点の位置(高さ)を変えることにより、X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13との相対的な反対方向の移動の中心点の位置(高さ)を変化させることができる。
CPU18は、画像メモリ15および揺動棹25を傾動させる駆動装置19を含めて全体を制御する。このCPU18による制御動作は図2に示す通りである。まず裁断面を指定すると映像系が初期位置に移動する。つまりX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とがそれぞれ移動する平面の位置(高さ)が定められ、かつ揺動棹25の傾き中心位置(高さ)が図4の基準裁断面31と同じ高さとなるように定められる。こうして撮影が開始され、画像データの取り込みとシフトしながら画像データを画像メモリ15に書き込んでいく動作が、一定の時間間隔で繰り返される。このとき同時にX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13の移動速度が計算され、それに応じて移動が行われるよう駆動装置19の制御が行われるという動作が、上記の書き込みタイミングごとに繰り返される。このような画像取り込み・メモリ15への書き込みと、速度計算およびそれに応じた移動制御とがなされつつ、X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13の移動の全行程が終了すると、画像メモリ15において図4に示すような所望の裁断面32上の断層像が形成されるので、この断層画像が表示され、撮影が終了することになる。
X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13の移動速度は、収集経過時間tに応じて図3に示すように変化させられる。つまり、この図3においてt1はX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とが互いに正面に相対する角度となる時刻であり、この正面に相対する角度より傾いていくほど遅くなるようにそれらの移動速度が制御される。
この移動速度の変化について、図4を参照しながらもう少し詳しく説明する。図4において、点41は基準裁断面31上の1点であり、この点41を中心にX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とが反対方向に移動するものとする。すると、イメージインテンシファイア12などの撮像装置の受像面50の中心点51には、つねに点41を通ったX線が入射する。これに対して、基準裁断面31より距離hだけ離れた所望裁断面32上の点42を通るX線は受像面40において中心点51から距離Xだけ離れた位置52に入射する。
ここで、X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とが互いに正面に相対する角度を0°(垂直)とし、これからの角度を図4に示すようにθとする。点41と42は垂直線上にあるとすると、つぎのような比例関係が成立する。
L:(L−H−h)=X:h*tan θ
この式で、LはX線管11のX線焦点から受像面までの垂直方向距離であり、Hは受像面50から基準裁断面31までの垂直方向距離である(*は乗算を表わす)。そのため、Xはつぎのように表わすことができる。
X=L*h*tan θ/(L−H−h)
そこで、画像メモリ15への書き込みのシフト量がつねにこの式で表わされるXになるように定めれば、所望裁断面42上の画像を形成することができる。ところが、上記のとおり、画像取り込み時間間隔をΔtとすると、Δtごとにピクセル数aずつXが変化するよう定められている。そのため、Xは、この関係を満たすような係数をkとして、つぎのような時間tの関数として表わされることになる。
X=kt
すると、
kt=L*h*tan θ/(L−H−h)
であるから、この関係が成立するようθをコントロールしていけばよい。つまり、
θが0(X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13との傾きが垂直)になるまで、
θ=arctan{(L−H−h)*k*(t1−t)/(L*h)}
θが0を超えて逆方向に傾くようになったとき、
θ=arctan{(L−H−h)*k*(t−t1)/(L*h)}
となるように、傾き角度θを経過時間tの関数として制御していけばよい。X線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13とが移動していく際の移動速度は、傾き角度θの変化速度(角速度)に対応しているため、上記の式で表わされるようにθが変化させられるとき、移動速度(単位時間あたりの移動距離)は図3のように表わされる。
したがって、ここでは、Xなどによって得られた画像信号は、取得される都度ピクセル数aずつシフトされて重ね合わされるため、イメージインテンシファイア12の受像位置固有のノイズなどが重ね合わさって強調されるということがなくなる。これらの構造ノイズは分散されることになり、その影響を軽減できる。画像メモリ15では、画像データをピクセル数aずつ順次シフトしながら重ね合わせる(加算する)動作だけが行われるので、データ処理操作が簡単となり、しかもその操作に時間がかかることはないのでX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13との移動行程が終了した時点で重ね合わせが完了して断層像が形成されることになり、リアルタイムで画像モニター装置17で表示することができる。
なお、この例では、X線撮像装置としてイメージインテンシファイア12とTVカメラ13とを組み合わせたものを用いているが、フラットパネルディテクタと呼ばれる平面型半導体放射線検出器などを用いることもできることはもちろんである。その他、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、具体的な構成などは種々に変更できる。
この発明によれば、画像のノイズを軽減しながらリアルタイムで所望の裁断面での断層像を得ることができ、しかも構成簡単で安価なデジタルX線断層撮影装置を得ることができる。
この発明の一実施例のブロック図。 動作説明のためのフローチャート。 経過時間に対するX線管11と、X線イメージインテンシファイア12およびTVカメラ13の移動速度例を示すグラフ。 裁断面位置と角度θとシフト量Xとの関係を説明するための線図。
符号の説明
11 X線管
12 イメージインテンシファイア
13 TVカメラ
14 A/D変換器
15 画像メモリ
16 D/A変換器
17 画像モニター装置
18 CPU
19 駆動装置
21 被検体
22 検査台
23、24 リンク棒
25 揺動棹
31 基準裁断面
32 所望の裁断面
50 受像面
51 点41の投影点
52 点42の投影点

Claims (1)

  1. X線発生器と、X撮像装置と、該X線発生器およびX線撮像装置を、これらを結ぶ線上の1点を中心に相対的に反対方向に移動させる移動機構と、その移動中に一定時間間隔で取り込んだ上記X線撮像装置からのデジタル画像データを、予め定めたピクセル数ずつ順次シフトさせながら加算していく画像メモリと、上記のX線発生器およびX線撮像装置の移動速度が、X線発生器とX線撮像装置が正面に相対する角度より傾いていくほど遅くなるように上記移動機構を制御する制御装置とを有するデジタルX線断層撮影装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012010891A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Fujifilm Corp 放射線撮影装置および方法並びにプログラム
JP2012010892A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Fujifilm Corp 放射線撮影装置および方法並びにプログラム
JP2014157136A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 画像生成装置、画像生成方法及びプログラム

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