JP2005245439A - (s)−2−ペンタノール又は(s)−2−ヘキサノールの製造方法 - Google Patents

(s)−2−ペンタノール又は(s)−2−ヘキサノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(S)−2−ペンタノール、又は、(S)−2−ヘキサノールを製造方法を提供する。
【解決手段】2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、ブレッタノマイセス属、キャンディダ属、ホルテア属、ロッデロマイセス属、ピキア属、ロドトルラ属、アルスロバクター属、ブレビバクテリウム属、クルトバクテリウム属、ゲオバチルス属、ミクロバクテリウム属、オクロバクトラム属、パラコッカス属、リゾビウム属、ロドコッカス属の微生物、該処理物、該培養液、及び/又は、該微生物から得られるカルボニル還元酵素の粗精製物若しくは精製物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させる。2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、上記微生物由来のカルボニル還元酵素をコードするDNAを発現させた形質転換体、該処理物及び/又は該培養物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、2−ペンタノン又は2−ヘキサノンにイサチェンキア属等に属する微生物、該微生物処理物及び/又は該微生物培養物を作用させて、医薬、農薬等の中間体原料として産業上有用な化合物である(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを製造する方法に関し、また、2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、上記微生物から得られるカルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質(カルボニル還元酵素)をコードするDNAを発現させた形質転換体細胞、該細胞処理物および/または該細胞培養液を作用させて、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを製造する方法に関する。
(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを化学的に製造する方法としては、例えば、2−ペンタノンに対しポリアミドアミンとグルコノラクトンから成るデンドリマー存在下で還元を行う方法(非特許文献1)又は、2−ヘキサノンに対し光学活性ボロンを用いて還元する方法(特許文献1)などが知られている。しかしながらこれらは生成物の光学純度が満足のいくものではない。
一方、微生物の菌体及び/又は該菌体処理物を用いて光学活性なアルコール体を生成する方法としては、ラセミ体のエステル化合物に微生物を作用させることにより光学選択的にエステルを加水分解することにより、光学活性なアルコール体を生成する方法が知られているが(特許文献2)、収率が低いという問題、また望みの立体化学ではないアルコールもしくはそのエステルを捨てなければならない等の問題があった。また、ケト基を有する化合物を立体選択的に還元し、光学活性なアルコール体を生成する方法としては、2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに微生物を作用させることより製造する方法(非特許文献2)が知られているが生成物の光学純度又は生産濃度が満足のいくものではない、菌体の固定化又はアセトン処理等の反応に用いる菌体の前処理が煩雑である、基質の仕込み濃度が低い等の問題があり実用的ではなかった。
特開平11−240894号公報 特開平10−4998号公報 J. Am. Chem. Soc.、Vol.123、p.5956-5961、2001 Tetrahedron: Asymmetry、vol.14、p.2659-2681、2003
従って、より光学純度の高い(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノール、好ましくは光学純度99.0%e.e.以上の(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを工業的に簡便で、安価に製造できる新規な製造方法を提供することを本発明の課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールの製造方法について鋭意検討した結果、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物を用いることにより、2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンを基質として(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを簡便に、効率よく生成することができることを見出した。さらに、上記微生物の一つとしてイサチェンキア(Issatchenkia)属微生物より2−ペンタノン又は2−ヘキサノンを還元して(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成するカルボニル還元酵素、及び該酵素をコードするDNAを単離してその塩基配列を解析した。さらに、該DNAを発現させた形質転換体を作製し、該形質転換体細胞、該細胞処理物および/または該細胞培養液を、原料となる2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンに作用させることにより、高い光学純度かつ高濃度で目的物(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを得ることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、下記(A)〜(F)の何れかのDNAを発現させた形質転換体細胞、該細胞処理物及び/又は該細胞培養液を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA。
(B)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1から複数個のアミノ酸が欠失、付加または置換されているアミノ酸配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
(C)配列番号1に記載のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
(D)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA。
(E)配列番号2に記載の塩基配列において、1から複数個の塩基が欠失、付加または置換されている塩基配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA。
(F)配列番号2に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA。
(2) 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)
属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物、該微生物処理物及び/又は該微生物培養液、及び/又は該微生物から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
(3) 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)
属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物から得られるカルボニル還元酵素をコードするDNAを発現させた形質転換体細胞、該細胞処理物、該細胞培養液、及び/又は、該細胞から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
(4) 微生物が、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)、ブレッタノマイセス・アノマラス(Brettanomyces anomalus)、キャンディダ・ファマータ(Candida famata)、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、ホルテア・ウェ ルネッキ(Hortaea werneckii)、イサチェンキア・スクチュラータ(Issatchenkia scutulata)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyceselongisporus)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・ベッセイ(Pichia besseyi)、ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)、アルスロバクター・ポリクロモゲネス(Arthrobacter polychromogenes)、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、アルスロバクター・スルフロウス(Arthrobacter sulfurous)、ブレビバクテリウム・ブタニカム(Brevibacterium butanicum)、クロトバクテリウム・フラキュムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)、ミクロバクテリウム・ケラタノリチカム(Microbacterium keratanolyticum)、ミクロバクテリウム・サペルダエ(Microbacterium saperdae)、ミクロバクテリウム・エスピー(Microbacterium sp.)、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)、オクロバトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))、パラコッカス・デニトリフィカンス(Pracoccus denitrificans)、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)(コリネバクテリウム・ハイドロカルボクラスタム(Corynebacterium hydrocarboclastum))からなる群より選ばれる微生物であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の製造方法。
本発明の方法により、医薬、農薬等の中間体原料として産業上有用な化合物である(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを高光学純度かつ高濃度で得ることができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に特定はされない。
本発明の(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質、又は該アミノ酸配列のホモログであってカルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質(以下これを単に「カルボニル還元酵素」と称することがある)をコードするDNAを発現させた形質転換株を用いて実施することができる。
本明細書において、カルボニル還元酵素活性とは、カルボニル基含有化合物中のカルボニル基を不斉還元して光学活性なアルコール類とする活性をいう。このような活性は、カルボニル基含有化合物を基質として含有し、さらにNADPH又はNADHを補酵素として含有する反応液において、酵素として、目的のタンパク質、該タンパク質を発現する能力を有する形質転換体、形質転換体処理物、または培養液を作用させ、反応液中のNADPH又はNADHの減少初速度を反応液の吸光度の変化を測定することにより算出することができる。
本発明に用いるカルボニル還元酵素は2−ペンタノン又は2−ヘキサノンから(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成することができる酵素であればよい。本発明に用いるカルボニル還元酵素のカルボニル還元酵素活性を測定するに当たっては、カルボニル基含有化合物を基質として用いるが、カルボニル基含有化合物としては、2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに限らず、その置換体・誘導体等の構造類似化合物も好適に使用することができる。そのような例としては、1−アセトキシ−3−クロロ−2−プロパノン等を挙げることができる。
カルボニル還元酵素は、本明細書の記載によってそのアミノ酸配列および該アミノ酸配列をコードする塩基配列が明らかになったので、後述するようにカルボニル還元酵素のアミノ酸配列の一部又は全部をコードする塩基配列を元にして作製したプローブを用いて、カルボニル還元酵素活性を有する任意の微生物からカルボニル還元酵素をコードするDNAを単離した後、それを元に通常の遺伝子工学的手法を用いて得ることができる。
また、本発明を完成するにあたってなされたように、カルボニル還元酵素活性を有する微生物、すなわち、カルボニル還元酵素をコードするDNAを有する微生物、例えば、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物、好ましくはイサチェンキア(Issatchenkia)属酵母の培養物より精製することも出来る。
イサチェンキア(Issatchenkia)属酵母としては、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)が好ましく用いることができ、例えば、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株由来のカルボニル還元酵素が特に本発明のカルボニル還元酵素として用いることに光学活性アルコールの製造の点において優れている。本菌株は、理化学研究所微生物系統保存施設(Japan Collection of Microorganism(JCM))より入手可能である。
2−ペンタノンに作用させることにより、(S)−2−ペンタノールを製造する場合のカルボニル還元酵素あるいは該酵素をコードするDNAとしては、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、又は、ピキア(Pichia)属に属する微生物由来のものが好ましく用いられる。
さらに好ましくは、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、ホルテア・ウェルネッキ(Hortaea werneckii)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)、アルスロバクター・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)、アルスロバクター・ポリクロモゲナーゼ(Arthrobacter polychromogenes)、クルトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)、オクロバクトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)由来のものが用いられる。
具体的には、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)NBRC 0629、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)NBRC 0797、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)NBRC 0006、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)CBS 6408、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)JCM 1627、ホルテア・ウェルネッキ(Hortaea werneckii)NBRC 4875、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)NBRC 1676、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)JCM 10740、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)JCM 10741、アルスロバクター・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)NBRC 12137、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)DSM 20120、アルスロバクター・ポリクロモゲナーゼ(Arthrobacter polychromogenes)DSM 342、クルトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)ATCC 12813、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)NBRC 12550、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)IAM 11002、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)IAM 11004、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus )IAM 12043、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)JCM 1353、オクロバクトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)ATCC 49237、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12950、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis)) NBRC 12952、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12953、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 12048由来のものが特に好ましく用いられる
また、2−ヘキサノンに作用させることにより、(S)−2−ヘキサノールを製造する場合カルボニル還元酵素あるいは該酵素をコードするDNAとしては、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、又は、ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する微生物由来のものが好ましく用いられる。
それらの中で、ブレッタノマイセス・アノマーラ(Brettanomyces anomala)、キャンデ
ィダ・ファマータ(Candida famata)、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、イサチェンキア・スクチュラータ(Issatchenkia scutulata)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)及び、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)由来のものが特に好ましく用いられる。
具体的には、ブレッタノマイセス・アノマーラ(Brettanomyces anomala)NBRC 0627、キャンディダ・ファマータ(Candida famata)ATCC 10539、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)NBRC 1664、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)JCM 2284、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)JCM 2341、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)NBRC 1977、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)CBS 6408、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)JCM 1828、 ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)NBRC 1676、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)NBRC 1024、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)NBRC 1071ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila) JCM 1830、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis) JCM 10740、ピキア・トレハロフィラ(Pichiatrehalophila)JCM 3651及び、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)NBRC 0879、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)DSM 20407、アルスロバクター・サルフレウス(Arthrobacter sulfureus)(ブレビバクテリウム・サルフレウム(Brevibacterium sulfureum))JCM 1338、ブレビバクテリウム・ブタニカム(Brevibacterium butanicum)ATCC 21196、ブレビバクテリウム・サルフレウム(Brevibacterium sulfureum)JCM 1485、クロトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)ATCC 12813、ミクロバクテリウム・ケラタノリティカム(Microbacterium keratanolyticum)NBRC 13309、ミクロバクテリウム・サペルダエ(Microbacterium saperdae)JCM 1352、ミクロバクテリウム・エスピー(Microbacterium sp.)NBRC 15615、オクロバクトラム・アンスロピー(Ochrobactrum anthropi)ATCC 49237、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp .)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12952、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12953、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)NBRC 12442、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 12048、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 13129、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)ATCC 15960由来のものが好ましく用いられる。
微生物の培養物からのカルボニル還元酵素の取得方法としては、通常の酵素の精製方法を用いることができ、例えば、以下の方法で行うことができる。上記微生物をYM培地等の酵母の培養に用いられる一般的な培地で培養することで十分に増殖させた後に回収し、DTT(dithiothreitol)等の還元剤や、フェニルメタンスルホニルフルオリド(phenylmethansulfonyl fluoride;PMSF)の様なプロテアーゼ阻害剤を加えた緩衝液中で破砕して無細胞抽出液とする。無細胞抽出液から、タンパク質の溶解度による分画(有機溶媒による沈殿や硫安などによる塩析など)や、陽イオン交換、陰イオン交換、ゲル濾過、疎水、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、キレート、色素、抗体等を用いたアフィニティークロマトグラフィー等を適宜組み合わせることにより精製することが出来る。
例えば、本明細書の実施例に示すように、DEAE Sepharose Fast Flow(Amersham Biosciences社製)を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー、B
utyl Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Biosciences社製)を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィー、MonoQ(Amersham Biosciences社製)を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー、Superdex 200(Amersham Biosciences社製)を用いたゲル ろ過クロマトグラフィー等を経ることにより電気泳動的にほぼ単一バンドまで精製することが出来る。
このように精製されたイサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株に由来するカルボニル還元酵素(以下、本酵素を「IsADH1」と称することがある。)は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS−PAGEと省略)によると分子量約40,000Daのサブユニット1種からなり、また、Superdex200 HR10/30(Amersham Biosciences社製)を用いたゲル濾過に決定された分子量は、約40,000Daであった。以上のことから、IsADH1は、約40,000Daのサブユニット1種からなる単量体であると推察される。
カルボニル還元酵素をコードするDNAは、例えば、以下のような方法によって単離することができる。
まず、カルボニル還元酵素を上記の方法等にて精製後、N末端アミノ酸配列を解析し、さらに、リジルエンドペプチダーゼ、V8プロテアーゼなどの酵素により切断し、逆相液体クロマトグラフィーなどによりペプチド断片を精製後、プロテインシーケンサーによりアミノ酸配列を解析することにより複数のアミノ酸配列を決めることができる。
決定したアミノ酸配列を元にPCR用のプライマーを設計し、カルボニル還元酵素生産微生物株の染色体DNAもしくは、cDNAライブラリーを鋳型とし、アミノ酸配列から設計したPCRプライマーを用いてPCRを行うことにより本発明のDNAの一部を得ることができる。さらに、得られたDNA断片をプローブとして、カルボニル還元酵素生産微生物株の染色体DNAの制限酵素消化物をファージ、プラスミドなどに導入し、大腸菌を形質転換して得られたライブラリーやcDNAライブラリーを利用して、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーションなどにより、カルボニル還元酵素をコードするDNAを得ることができる。
また、PCRにより得られたDNA断片の塩基配列を解析し、得られた配列から、既知のDNAの外側に伸長させるためのPCRプライマーを設計し、カルボニル還元酵素生産微生物株のcDNAを用いてRACE(Rapid amplification of cDNA ends)法(Molecular Cloning 3rd Ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、以下、Molecular Cloning)により本発明のDNAを得ることも可能である。
このようにしてイサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株の染色体DNAから単離されたカルボニル還元酵素IsADH1をコードするDNAの塩基配列は、配列番号2に示すとおりである。
なおカルボニル還元酵素IsADH1をコードするDNAは、以上のような方法によってクローニングされたゲノムDNA、あるいはcDNAの他、本明細書に記載の通りその塩基配列が明らかになったため、配列番号2に基づく化学合成等によって得ることもできる。
IsADH1をコードするDNAのホモログとは、カルボニル基還元酵素活性を害さない範囲内において配列番号1に記載のアミノ酸配列に一個若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列を有するものである。ここで複数個とは、具体的には20個以下、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下である。
また、IsADH1のホモログとは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上のホモロジーを有するタンパク質をいう。
ちなみに上記タンパク質のホモロジー検索は、例えば、日本DNAデータバンク(DNA Databank of JAPAN(DDBJ))等を対象に、FASTAやBLASTなどのプログラ ムを用いて行うことができる。配列番号1に記載のアミノ酸配列を用いてDDBJを対象にBLAST programを用いてホモロジー検索を行った結果、既知のタンパク質の中でもっとも高いホモロジーを示したのは、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)由来の機能未知のタンパク質Ydr541cp protein(配列番号3:Accession No. AAB64983)であり、42%の相同性を示した。
また、IsADH1をコードするDNAは、上記IsADH1をコードするDNAまたはそのホモログであって、カルボニル還元酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAである。
上記タンパク質をコードするDNAとしては、例えば、配列番号2で表される塩基配列を含むものが挙げられる。
IsADH1をコードするDNAのホモログとは、カルボニル基還元酵素活性を害さない範囲内において配列番号1に記載のアミノ酸配列に1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNAを含む。ここで複数個とは、具体的には60個以下、好ましくは30個以下、より好ましくは10個以下である。
当業者であれば、配列番号2に記載のDNAに部位特異的変異導入法(Nucleic Acids Res.、vol.10、pp.6487(1982)、Methods in Enzymol.、vol.100、pp.448(1983)、Molecular Cloning、PCR - A Practical Approach、IRL Press、pp.200(1991))等を用 いて適宜置換、欠失、挿入及び/または付加変異を導入することによりIsADH1をコードするDNAのホモログを得ることが可能である。
また、IsADH1のアミノ酸配列またはその一部や、IsADH1をコードするDNAまたはその一部を元に、例えばDNA Databank of JAPAN(DDBJ)等のデータベース に対してホモロジー検索を行って、本発明のタンパク質をコードするDNAホモログの塩基配列情報を手に入れることも可能である。当業者であれば、この塩基配列情報を元に寄託菌株からのPCR等により該DNA断片を手に入れることが可能である。
さらに、IsADH1をコードするDNAのホモログは、IsADH1をコードするDNAまたはその一部をプローブとして用いて、カルボニル還元酵素活性を有する任意の微生物から調製したDNAに対し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等によりストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションを行い、ハイブリダイズするDNAを得ることによっても取得できる。本発明のタンパク質をコードするDNAの「一部」とは、プローブとして用いるのに十分な長さのDNAのことであり、具体的には15bp以上、好ましくは50bp以上、より好ましくは100bp以上のものである。
各ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning等に記載されてい
る方法に準じて行うことができる。
本明細書において「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA」とは、DNAをプローブとして使用し、ストリンジェントな条件下、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、ストリンジェントな条件としては、例えば、コロニーハイブリダイゼーション法およびプラークハイブリダイゼーション法においては、コロニーあるいはプラーク由来のDNAまたは該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0Mの塩化ナトリウム存在下65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSCの組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄する条件を挙げることができる。
上記のようにして単離された、カルボニル還元酵素をコードするDNAを公知の発現ベクターに発現可能に挿入することにより、カルボニル還元酵素発現ベクターが提供される。また、この発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養することにより、カルボニル還元酵素を該形質転換体から得ることができる。あるいは、形質転換体は、公知の宿主の染色体DNAにカルボニル還元酵素をコードするDNAを発現可能に組み込むことによっても得ることができる。
形質転換体の作製方法としては、具体的には、微生物中において安定に存在するプラスミドベクターやファージベクター中に、本発明のDNAを導入し、構築された発現ベクターを該微生物中に導入するか、もしくは、直接宿主ゲノム中にカルボニル還元酵素をコードするDNAを導入し、その遺伝情報を転写・翻訳させる必要がある。
このとき、カルボニル還元酵素をコードするDNAが宿主微生物中で発現可能なプロモーターを含んでいない場合には、適当なプロモーターを本発明のDNA鎖の5'−側上流に、より好ましくはターミネーターを3'−側下流にそれぞれ組み込む必要がある。この プロモーター及びターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーター及びターミネーターであれば特に限定されず、これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーター及びターミネーターなどに関しては、例えば「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」、特に酵母に関しては、Adv.Biochem.Eng. 43,75−102(1990)、Yeast 8,423−488(1992)などに詳細に記述されている。
本発明のカルボニル還元酵素を発現させるための形質転換の対象となる宿主微生物としては、宿主自体が本反応に悪影響を与えない限り特に限定されることはなく、具体的には以下に示すような微生物を挙げることができる。
エシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属などに属する宿主ベクター系の確立されている細菌。
ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属などに属する宿主ベクター系の確立されている放線菌。
サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属などに属する宿主ベクター系の確立されている酵母。
ノイロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属などに属する宿主ベクター系の確立されているカビ。
上記微生物の中で宿主として好ましくは、エシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属であり、特に好ましくは、エシェリヒア(Escherichia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属である。
形質転換体作製のための手順、宿主に適合した組換えベクターの構築および宿主の培養方法は、分子生物学、生物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術に準じて行うことができる(例えば、Molecular Cloningに記載の方法)。
以下、具体的に、好ましい宿主微生物、各微生物における好ましい形質転換の手法、ベクター、プロモーター、ターミネーターなどの例を挙げるが、本発明はこれらの例に限定されない。
エシェリヒア属、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)においては、プラスミドベクターとしては、pBR、pUC系プラスミドが挙げられ、lac(β−ガラクトシダーゼ)、trp(トリプトファンオペロン)、tac、trc(lac、trpの融合)、λファージPL、PRなどに由来するプロモーターなどが挙げられる。また、ターミネーターとしては、trpA由来、ファージ由来、rrnBリボソーマルRNA由来のターミネーターなどが挙げられる。
バチルス属においては、ベクターとしては、pUB110系プラスミド、pC194系プラスミドなどを挙げることができ、また、染色体にインテグレートすることもできる。プロモーター及びターミネーターとしては、アルカリプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、α−アミラーゼ等の酵素遺伝子のプロモーターやターミネーターなどが利用できる。
シュードモナス属においては、ベクターとしては、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas
cepacia)などで確立されている一般的な宿主ベクター系や、トルエン化合物の
分解に関与するプラスミド、TOLプラスミドを基本にした広宿主域ベクター(RSF1010などに由来する自律的複製に必要な遺伝子を含む)pKT240(Gene,26,273−82(1983))を挙げることができる。
ブレビバクテリウム属、特にブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)においては、ベクターとしては、pAJ43(Gene 39,281(1985))などのプラスミドベクターを挙げることができる。プロモーター及びターミネーターとしては、大腸菌で使用されている各種プロモーター及びターミネーターが利用可能である。
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)においては、ベクターとしては、pCS11(特開昭57−183799号公報)、pCB101(Mol.Gen.Genet.196,175(1984))などのプラスミドベクターが挙げられる。
サッカロマイセス(Saccharomyces)属、特にサッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)においては、ベクターとしては、YRp系、YEp系、YCp系、YIp系プラスミドが挙げられる。また、アルコール脱水素酵素、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、酸性フォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ホスホグリセレートキナーゼ、エノラーゼといった各種酵素遺伝子のプロモーター、ターミネーターが利用可能である。
シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属においては、ベクターとしては、Mol.Cell.Biol.6,80(1986)に記載のシゾサッカロマイセス・ポンベ由来のプラスミドベクターを挙げることができる。特に、pAUR224は、宝酒造から市販されており容易に利用できる。
アスペルギルス(Aspergillus)属においては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリジー(Aspergillus oryzae)などがカビの中で最もよく研究されており、プラスミドや染色体へのインテグレーションが利用可能であり、菌体外プロテアーゼやアミラーゼ由来のプロモーターが利用可能である(Trends in Biotechnology 7,283−287(1989))。
また、上記以外でも、各種微生物に応じた宿主ベクター系が確立されており、それらを適宜使用することができる。
また、微生物以外でも、植物、動物において様々な宿主・ベクター系が確立されており、特に蚕を用いた昆虫などの動物中(Nature 315,592−594(1985))や菜種、トウモロコシ、ジャガイモなどの植物中に大量に異種タンパク質を発現させる系、及び大腸菌無細胞抽出液や小麦胚芽などの無細胞タンパク質合成系を用いた系が確立されており、好適に利用できる。
本発明は、上記の方法などで得られる配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNAを保有する形質転換体、又は、該DNAを染色体DNAに組み込んで得られる形質転換体細胞、該形質転換体細胞処理物および/または培養液を、反応基質である2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンに作用させることにより、該化合物のカルボニル基を不斉還元させ、(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを製造することができる。
また本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質であって、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNAを保有する形質転換体細胞又は、該DNAを染色体DNAに組み込んで得られる形質転換体細胞、該形質転換体細胞処理物および/または培養液を、反応基質である2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンに作用させることにより、該化合物のカルボニル基を不斉還元させ、(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを製造することができる。
また本発明は、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物、該微生物処理物、該微生物培養液、及び/又は、該微生物から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物を、反応基質である2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンに作用させることにより、該化合物のカルボニル基を不斉還元させ、(S)−2−ペンタノールあるいは(S)−2−ヘキサノールを製造することができる。
2−ペンタノンに作用させることにより、(S)−2−ペンタノールを製造する場合は、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、又は、ピキア(Pichia)属に属する微生物が好ましく用いられ、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、ホルテア・ウェルネッキ(Hortaea werneckii)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)、アルスロバクター・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)、アルスロバクター・ポリクロモゲナーゼ(Arthrobacter polychromogenes)、クルトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)、オクロバクトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)が特に好ましく用いられ、具体的には、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)NBRC 0629、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)NBRC 0797、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)NBRC 0006、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)CBS 6408、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)JCM 1627、ホルテア・ウェルネッキ(Hortaea werneckii)NBRC 4875、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)NBRC 1676、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)JCM 10740、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)JCM 10741、アルスロバクター・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)NBRC 12137、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)DSM 20120、アルスロバクター・ポリクロモゲナーゼ(Arthrobacter polychromogenes)DSM 342、クルトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)ATCC 12813、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)NBRC 12550、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)IAM 11002、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)IAM 11004、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus )IAM 12043、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)JCM 1353、オクロバクトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)ATCC 49237、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12950、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis)) NBRC 12952、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12953、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 12048が好ましく用いられる
2−ヘキサノンに作用させることにより、(S)−2−ヘキサノールを製造する場合は、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キャンディダ(Candida)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、又は、ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する微生物が好ましく用いられる。
それらの中で、ブレッタノマイセス・アノマーラ(Brettanomyces anomala)、キャンデ
ィダ・ファマータ(Candida famata)、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、イサチェンキア・スクチュラータ(Issatchenkia scutulata)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)及び、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)が特に好ましく用いられる。
具体的には、ブレッタノマイセス・アノマーラ(Brettanomyces anomala)NBRC 0627、キャンディダ・ファマータ(Candida famata)ATCC 10539、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)NBRC 1664、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)JCM 2284、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)JCM 2341、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)NBRC 1977、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)CBS 6408、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchenkia scutulata var. scutulata)JCM 1828、 ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyces elongisporus)NBRC 1676、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)NBRC 1024、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)NBRC 1071ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila) JCM 1830、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis) JCM 10740、ピキア・トレハロフィラ(Pichiatrehalophila)JCM 3651及び、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)NBRC 0879、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)DSM 20407、アルスロバクター・サルフレウス(Arthrobacter sulfureus)(ブレビバクテリウム・サルフレウム(Brevibacterium sulfureum))JCM 1338、ブレビバクテリウム・ブタニカム(Brevibacterium butanicum)ATCC 21196、ブレビバクテリウム・サルフレウム(Brevibacterium sulfureum)JCM 1485、クロトバクテリウム・フラキュファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)ATCC 12813、ミクロバクテリウム・ケラタノリティカム(Microbacterium keratanolyticum)NBRC 13309、ミクロバクテリウム・サペルダエ(Microbacterium saperdae)JCM 1352、ミクロバクテリウム・エスピー(Microbacterium sp.)NBRC 15615、オクロバクトラム・アンスロピー(Ochrobactrum anthropi)ATCC 49237、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp .)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12952、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))NBRC 12953、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)NBRC 12442、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 12048、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)IAM 13129、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)ATCC 15960が好ましく用いられる。
また、反応基質となる2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンは、通常、基質濃度が0.01〜90%w/v、好ましくは0.1〜30%w/vの範囲で用いられる。反応基質は、反応開始時に一括して添加しても良いが、酵素の基質阻害があった場合の影響を減らすという点や生成物の蓄積濃度を向上させるという観点からすると、連続的もしくは間欠的に添加することが望ましい。
本発明の製造方法において、2−ペンタノンあるいは2−ヘキサノンのカルボニル基含有化合物(反応基質)に上記形質転換体細胞又はカルボニル還元活性を有する微生物を作用させるにあたっては、該形質転換体細胞又は微生物細胞をそのまま用いることもできるが、該細胞処理物、例えば、該細胞をアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン等の有機溶媒や界面活性剤により処理したもの、凍結乾燥処理したもの、物理的または酵素的に破砕したもの等の細胞処理物、該細胞中のカルボニル還元酵素画分を粗精製物あるいは精製物として取り出したもの、さらには、これらをポリアクリルアミドゲル、カラギーナンゲル等に代表される担体に固定化したもの等を用いることができる。反応液に添加する形質転換体細胞若しくは微生物細胞及び/又は該細胞処理物の量は、反応液にその細胞の濃度が通常、湿菌体重で0.1〜50%w/v程度、好ましくは1〜20%w/vとなるように添加し、酵素のような調製物を用いる場合には、酵素の比活性を求め、添加したときに上記細胞濃度になるような量を添加する。
また、本発明の製造方法においては、補酵素NADP+もしくはNADPH、又はNA
+もしくはNADHを添加するのが好ましく、補酵素の濃度としては、通常0.001
mM〜100mM、好ましくは0.01〜10mM添加する。
上記補酵素を添加する場合には、NADPH(NDAH)から生成するNADP+(N
AD+)をNADPH(NADH)へ再生させることが生産効率向上のため好ましく、再
生方法としては、1)宿主微生物自体のNADP+(NAD+)還元能を利用する方法、2)NADP+(NAD+)からNADPH(NADH)を生成する能力を有する微生物やその処理物、あるいは、グルコース脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アミノ酸脱水素酵素、有機酸脱水素酵素(リンゴ酸脱水素酵素など)などのNADPH(NADH)の再生に利用可能な酵素(再生酵素)を反応系内に添加する方法、3)形質転換体を製造するに当たり、NADPH(NADH)の再生に利用可能な酵素である上記再生酵素類の遺伝子を本発明のDNAと同時に宿主に導入し発現させる方法、等が挙げられる。
このうち、上記1)の方法においては、反応系にグルコースやエタノール、ギ酸などを添加する方が好ましい。
また、上記2)の方法においては、上記再生酵素類を含む微生物、該微生物菌体をアセトン処理したもの、凍結乾燥処理したもの、物理的または酵素的に破砕したもの等の菌体処理物、該酵素画分を粗製物あるいは精製物として取り出したもの、さらには、これらをポリアクリルアミドゲル、カラギーナンゲル等に代表される担体に固定化したもの等を用いてもよく、また市販の酵素を用いても良い。
この場合、上記再生酵素の使用量としては、具体的には、本発明のカルボニル還元酵素に比較して、酵素活性で通常0.01〜100倍、好ましくは0.5〜20倍程度となるよう添加する。
また、上記再生酵素の基質となる化合物、例えば、グルコース脱水素酵素を利用する場合のグルコース、ギ酸脱水素酵素を利用する場合のギ酸、アルコール脱水素酵素を利用する場合のエタノールもしくはイソプロパノールなどの添加も必要となるが、その添加量としては、反応原料である2−ペンタノン、又は、2−ヘキサノンに対して、通常0.1〜20倍モル当量、好ましくは1〜5倍モル当量添加する。
また、上記3)の方法においては、カルボニル還元酵素をコードするDNAと上記再生酵素類のDNAを染色体に組み込む方法、単一のベクター中に両DNAを導入し、宿主を形質転換する方法及び両DNAをそれぞれ別個にベクターに導入した後に宿主を形質転換する方法を用いることができるが、両DNAをそれぞれ別個にベクターに導入した後に宿主を形質転換する方法の場合、両ベクター同士の不和合性を考慮してベクターを選択する必要がある。
単一のベクター中に複数の遺伝子を導入する場合には、プロモーター及びターミネーターなど発現制御に関わる領域をそれぞれの遺伝子に連結する方法やラクトースオペロンのような複数のシストロンを含むオペロンとして発現させることも可能である。
本発明の製造方法は、反応基質及びカルボニル還元酵素をコードするDNAを発現させた形質転換体細胞、該細胞処理物、該細胞培養液、及び/又は、該細胞から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物、並びに、必要に応じて添加された各種補酵素及びその再生システムを含有する水性媒体中もしくは該水性媒体と有機溶媒との混合物中で行われる。
また、本発明の製造方法は、反応基質及びブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、
キャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属のカルボニル還元酵素活性を有する微生物、該微生物処理物、該微生物培養液、及び/又は、該微生物から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物、並びに、必要に応じて添加された各種補酵素及びその再生システムを含有する水性媒体中もしくは該水性媒体と有機溶媒との混合物中で行われる。
上記、水性媒体としては、水又は緩衝液が挙げられる。緩衝液としては、リン酸ナトリウムやリン酸カリウム、トリス、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ、また、有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサン、ジメチルスルホキシド等、反応基質の溶解度が高い物を使用することができる。
本発明の方法は、通常4〜60℃、好ましくは10〜45℃の反応温度で、通常pH3〜11、好ましくはpH5〜8で行われる。反応時間は通常、1〜72時間程度である。また、膜リアクターなどを利用して行うことも可能である。
本発明の方法により生成する光学活性アルコールは、反応終了後、反応液中の菌体やタンパク質を遠心分離、膜処理などにより分離した後に、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶媒による抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、晶析等を適宜組み合わせることにより精製を行うことができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(1)2−ペンタノンから(S)−2−ペンタノールを生成する微生物、及び、2−へキサノンから(S)−2−ヘキサノールを生成する微生物の単離
イーストエキス(Difco社製) 5g/L、ポリペプトン(日本製薬社製) 5g/L,麦芽エキス(Difco社製) 3g/L、グルコース(日本食品加工社製) 20g/Lの組成からなる液体培地2.5mLに、表1に示した各種の菌株を接種し、30℃で24から72時間好気的に培養した。得られた各培養液から1mLづつ培養液を採取し遠心分離により菌体を集めた。この菌体にトリス塩酸緩衝液(pH7.0)を0.04mL、脱塩水を0.028mL加え、菌体を十分に懸濁させたのちに、グルコース100g/Lを0.05mL、NADP+(オリエンタル酵母社製)12g/Lを0.02mL添加し、さらに反応基質として2−ペンタノン又は2−ヘキサノンをイソプロパノールに100g/Lとなるように溶かした溶液を0.01mL加え、30℃で20時間反応させた。
反応終了後の反応液を酢酸エチルで抽出し、生成した(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの定量を行った。生成物の定量は、酢酸エチル抽出溶液をガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した。GCの条件は以下の通りである。
カラム:β−DEX120 (SUPELCO社製、30m×0.25mmID、0.25μm film)
キャリア:He 1.5ml/min、 split 1/50
カラム温度:(S)−2−ペンタノールの定量時は50℃、(S)−2−ヘキサノールの定量時は65℃
注入温度:250℃
検出:FID 250℃
GC:島津GC−14A
(S)−2−ペンタノールの定量結果を表1に、(S)−2−ヘキサノールの定量結果を表2に示す。
Figure 2005245439
Figure 2005245439
(2)イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ JCM1828株由来カルボニル還元酵素の単離
イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata) JCM1828株を2Lの培地(グルコース80g、酵母エキス(Difco社製)20g、ペプトン(極東製薬製)40g/L)で培養し、遠心分離により菌体を調製した。得られた湿菌体150gを10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)、0.1mM DTT(以下これを単に「バッファー」と称する)で懸濁し、ダイノーミルKDL(シンマルエンタープライゼス製)により破砕後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液に90g/Lの濃度になるようPEG6000を添加し4℃で1時間静置後、遠心分離により沈殿を除去した。この上清より、DEAE Sepharose Fast Flow(Amersham Biosciences社製)を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー、Butyl Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Biosciences社製)を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィー、Mo noQ(Amersham Biosciences社製)を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー、及び Superdex 200(Amersham Biosciences社製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーを経ることにより、目的のカルボニル還元酵素を電気泳動的に単一バンドまで精製した。
精製の際、カルボニル還元酵素の活性は、酵素液を含む反応液(100mM Tris−HCl pH7.5、0.32mM NADPH、2mM 1−アセトキシ−3−クロロ−2−プロパノン)を37℃で反応させ、NADPHの消費量を340nmの吸光度の減少から算出することにより測定した。吸光度の測定にはSPECTRAmax 190(Molecular Devices社製)を使用した。尚、上記反応において1分間に1nmolのNADPHを消費する活性を1Uとした。
イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ JCM1828株由来カルボニ
ル還元酵素の精製の結果を表3に示す。
Figure 2005245439
上記表3の精製段階のSuperdex200活性画分をポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により解析した結果、精製されたタンパク質はほぼ単一バンドであり、その分子量は約40,000Daであった。
(3)IsADH1の基質特異性
様々なカルボニル化合物について上記(2)で精製したカルボニル還元酵素液を含む反応液(100mM Tris−HCl pH7.5、0.32mM NADPH、2mM
基質)を調製し、37℃で反応させた。反応液中のNADPHの消費量を340nmの吸光度によりモニターすることによりそれぞれの化合物に対するカルボニル還元酵素活性を測定した。吸光度の測定にはSPECTRAmax 190(Molecular Devices社製)を使用した。1−アセトキシ−3−クロロ−2−プロパノンに対するカルボニル還元酵素活性を100とした時の、各基質化合物に対するカルボニル還元酵素の相対活性を表4に示す。
Figure 2005245439
(4)IsADH1のアミノ酸配列の解析
前記(2)で得られた上記表3の精製段階のSuperdex200のカルボニル還元酵素を含む画分を脱塩、濃縮後、エドマン法によりN末端アミノ酸の解析を行い18残基のN末端アミノ酸配列を決定した。結果を配列番号4に示す。
また、精製したカルボニル還元酵素を、リジルエンドペプチダーゼを用いた消化法(タンパク質実験ノート・下、羊土社)により消化して得たペプチドを逆相HPLC(アマシャム バイオサイエンス社製 μRPC C2/C18 PC3.2/3)を用い、ペプチドを分離し、分取した。分取したペプチドピーク1種をエドマン法によりアミノ酸配列の解析を行い、アミノ酸配列を配列番号5に示した。
(5)IsADH1をコードするDNAの配列解析及び形質転換体の作製
イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株を前記(2)に示した培地で培養し、菌体を調製した。
菌体からのゲノムDNAをDNeasy tissue kit(Qiagen社製)を用いて抽出、精製した。得られたゲノムDNAを元に、逆転写酵素SuperScript II Reverse Transcriptase(インビトロジェン社製)を用いて、酵素添付のプロトコルによりcDNAを合成した。
前記(4)で得られた配列番号4のN末端アミノ酸配列を元にセンスデジェネレイト(degenerate)プライマー及び配列番号5の内部アミノ酸配列を元にアンチセンスのデジェネレイト(degenerate)プライマーを計2種類合成した。それぞれの塩基配列を配列番号6,7に示した。この2種のプライマーを用いて、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株のcDNAに対してデジェネレイト(degenerate)PCRを行ったところ、約350bpの増幅断片が認められた。
このDNA断片を、アガロースゲル電気泳動を行い、約350bpの断片のバンドを切り出しMinElute Gel Extraction Kit(Qiagen社製)にて精製して回収した。得られたDNA断片を、pGEM−Teasy Vector(Promega社製)にライゲーションし、大腸菌DH5α株(東洋紡社製)を形質転換した。形質転換株を、アンピシリン(100μg/mL)を含むLB寒天培地で生育させ、いくつかのコロニーを用いて、T7プライマー(Promega社製)とSP6プライマー(Promega社製)を用いたコロニーダイレクトPCRを行い、挿入断片のサイズを確認した。目的とするDNA断片が挿入されていると考えられるコロニーを、100μg/mLアンピシリンを含むLB培地で培養し、QIAPrep Spin Mini Prep kit(Qiagen社製)によりプラスミドを精製した。
精製したプラスミドを用いて、挿入DNAの塩基配列をダイターミネーター法により解析した。決された塩基配列を配列番号8として示した。
次に、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata
var. scutulata)JCM1828株のゲノムDNAを元に、Molecular cl
oning記載の方法に従ってRACE反応用のcDNAを合成し、同文献記載の方法で5'−及び3'−RACE反応を行った。反応には上記塩基配列を元に設計した配列番号9および10に示す2種の遺伝子特異的プライマーを用いた。
RACE反応による増幅遺伝子断片の配列解析の結果、本カルボニル還元酵素の推定cDNA配列を配列番号11に、該DNAがコードするアミノ酸配列を配列番号1に示した。配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列を配列番号2に示した。
引き続き、上記配列番号11に記載の配列を元に、クローニング用のプライマーとして配列番号12に記載の塩基配列及び配列番号13に記載の塩基配列を合成し、上記プライマーを各50pmol、dNTP各1000nmol、イサチェンキア・スクチュラータ変種スクチュラータ(Issatchankia scutulata var. scutulata)JCM1828株のc DNA 250ng、ExTaq DNApolymerase用10×緩衝液(タカラバイオ社製)10μL、ExTaq DNA polymerase 5ユニット(タカラバイオ社製)を含む100μLの反応液を用い、変性(95℃、1分)、アニール(58℃、1分)、伸長(72℃、1分)を30サイクル、PTC−200(MJ Research社製)を用いて行った。PCR反応液の一部をアガロースゲル電気泳動により解析した結果、特異的と思われるバンドが検出できた。
上記反応液をMinElute PCR Purification kit(Qiagen社製)にて精製した。精製したDNA断片を制限酵素EcoRIとXbaIで消化し、アガロースゲル電気泳動を行い、目的とするバンドの部分を切り出し、Qiagen
Gel Extraction kit(Qiagen社製)により精製後回収した。
得られたDNA断片を、EcoRI、及びXbaIで消化したpUC118とLigation high(東洋紡績社製)を用いて、ライゲーションし、大腸菌JM109株を形質転換した。
形質転換体をアンピシリン(50μg/mL)を含むLB寒天培地上で生育させ、コロ
ニーダイレクトPCRを行い、挿入断片のサイズを確認した。
目的とするDNA断片が挿入されていると考えられる形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地で培養し、QIAPrepSpin Mini Prep kit(Qiagen社製)を用いてプラスミドを精製し、pUCIsADH1とした。
プラスミドに挿入したDNAの塩基配列をダイターミネーター法により解析したところ、挿入されたDNA断片は、配列番号2の塩基配列と一致した。
(6)IsADH1をコードするDNAによって形質転換した大腸菌を用いた(S)−2−ペンタノールの合成
前記(5)で得られた形質転換体をアンピシリン(50μg/mL)を含むCircle Grow培地100mL(BIO 101社製)を10連で30℃で30時間培養した。得られた菌体を遠心分離により集菌後、下記に示す方法により、2−ペンタノンを基質として(S)−2−ペンタノールの合成を行った。
上記菌体10gに0.6g/L NADP+(オリエンタル酵母社製)20mg、1M トリス塩酸バッファー(pH7.0)10mL、100g/L グルコース 40mL、グルコースデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製、76unit/mg) 20mg、2−ペンタノン(東京化成社製、ニート)1gを添加後30℃で8時間反応させた。反応時のpHを2M 炭酸ナトリウムで7.0に保った。反応終了後の反応液を酢酸エチル抽出し、生成した(S)−2−ペンタノールの定量を行った。
定量は酢酸エチル溶液をガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した。GCの条件は以下の通りである。
カラム:β−DEX120 (SUPELCO社製、30m×0.25mmID、0.25μm film)
キャリア:He 1.5ml/min、 split 1/50
カラム温度:50℃
注入温度:250℃
検出:FID 250℃
GC:島津GC−14A
この結果、(S)−2−ペンタノールの収量は0.99gであり、光学純度は>99.0%e.e.であった。
(7)IsADH1をコードするDNAによって形質転換した大腸菌を用いた(S)−2−ヘキサノールの合成。
前記(6)で得られた形質転換体を用い下記に示す方法により、2−ヘキサノンを基質として(S)−2−ヘキサノールの合成を行った。
上記菌体10gに0.6g/L NADP+(オリエンタル酵母社製)20mg、1M トリス塩酸バッファー(pH7.0)10mL、100g/L グルコース 40mL、グルコースデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製、76unit/mg) 20mg、2−ヘキサノン(東京化成社製、ニート)1gを添加後30℃で6時間反応させた。反応時のpHを2M 炭酸ナトリウムで7.0に保った。反応終了後の反応液を酢酸エチル抽出し、生成した(S)−2−ヘキサノールの定量を行った。
定量は酢酸エチル溶液をガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した。GCの条件は以下の通りである。
カラム:β−DEX120 (SUPELCO社製、30m×0.25mmID、0.25μm film)
キャリア:He 1.5ml/min、 split 1/50
カラム温度:65℃
注入温度:250℃
検出:FID 250℃
GC:島津GC−14A
この結果、(S)−2−ヘキサノールの収量は0.99gであり、光学純度は>99.0%e.e.であった。

Claims (4)

  1. 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、下記(A)〜(F)の何れかのDNAを発現さ
    せた形質転換体細胞、該細胞処理物及び/又は該細胞培養液を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
    (A)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA。
    (B)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1から複数個のアミノ酸が欠失、付加または置換されているアミノ酸配列を有し、カルボニル基を還元し光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
    (C)配列番号1に記載のアミノ酸配列と50%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードするDNA。
    (D)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA。
    (E)配列番号2に記載の塩基配列において、1から複数個の塩基が欠失、付加または置換されている塩基配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA。
    (F)配列番号2に記載の塩基配列またはその相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、カルボニル基を還元して光学活性アルコールを合成する能力を有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDNA。
  2. 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キ
    ャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物、該微生物処理物、該微生物培養液、及び/又は、該微生物から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
  3. 2−ペンタノン又は2−ヘキサノンに、ブレッタノマイセス(Brettanomyces)属、キ
    ャンディダ(Candida)属、ホルテア(Hortaea)属、イサチェンキア(Issatchenkia)属、ロッデロマイセス(Lodderomyces)属、ピキア(Pichia)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クルトバクテリウム(Crutobacterium)属、ゲオバチルス(Geobacillus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属、パラコッカス(Paracoccus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属からなる群より選ばれる微生物から得られるカルボニル還元酵素をコードするDNAを発現させた形質転換体細胞、該細胞処理物、該細胞培養液、及び/又は、該細胞から得られるカルボニル還元酵素画分の粗精製物若しくは精製物を作用させ、(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールを生成させることを特徴とする高光学純度(S)−2−ペンタノール又は(S)−2−ヘキサノールの製造方法。
  4. 微生物が、ブレッタノマイセス・ブルクセレンシス(Brettanomyces bruxellensis)、ブレッタノマイセス・アノマラス(Brettanomyces anomalus)、キャンディダ・ファマータ(Candida famata)、キャンディダ・クルセイ(Candida krusei)、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・ゼイラノイデス(Candida zeylanoides)、ホルテア・ウェ ルネッキ(Hortaea werneckii)、イサチェンキア・スクチュラータ(Issatchenkia scutulata)、ロッデロマイセス・エロンジスポラス(Lodderomyceselongisporus)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・ベッセイ(Pichia besseyi)、ピキア・カクトフィラ(Pichia cactophila)、ピキア・セゴビエンシス(Pichia segobiensis)、ピキア・スパルティナエ(Pichia spartinae)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ロドトルラ・ミヌータ(Rhodotorula minuta)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)、アルスロバクター・ポリクロモゲネス(Arthrobacter polychromogenes)、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、アルスロバクター・スルフロウス(Arthrobacter sulfurous)、ブレビバクテリウム・ブタニカム(Brevibacterium butanicum)、クロトバクテリウム・フラキュムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)、ミクロバクテリウム・ケラタノリチカム(Microbacterium keratanolyticum)、ミクロバクテリウム・サペルダエ(Microbacterium saperdae)、ミクロバクテリウム・エスピー(Microbacterium sp.)、ミクロバクテリウム・テスタセウム(Microbacterium testaceum)、オクロバトラム・アントロピー(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクトラム・エスピー(Ochrobactrum sp.)(シュードモナス・オバリス(Pseudomonas ovalis))、パラコッカス・デニトリフィカンス(Pracoccus denitrificans)、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobacter)及び、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)(コリネバクテリウム・ハイドロカルボクラスタム(Corynebacterium hydrocarboclastum))からなる群より選ばれる微生物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の製造方法。
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