JP2005245287A - メタン発酵微生物系の診断方法およびプライマー - Google Patents

メタン発酵微生物系の診断方法およびプライマー Download PDF

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Abstract

【課題】有機性廃棄物・廃水のメタン発酵処理汚泥中に存在するメタン生成に関与する微生物を検出する方法及びそれに用いるプライマーを提供する。
【解決手段】(a)メタン発酵に係わる細菌の全体に共通な16SrRNAをコードする塩基配列に対応するプライマー。;又は(b)Clostridium属に特異的なプライマー。;又は(c)Methanothermobacter属に特異的なプライマー、が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機性廃棄物や廃水等のメタン発酵処理汚泥中に存在するメタン生成に関与する微生物を検出する方法及びそれに用いるプライマー等に関する。より詳しくは、本発明は、メタン生成に関与する微生物の群集構造を網羅的かつ総括的に把握するのに有用なメタン生成に関与する微生物の検出方法等に関する。
有機性汚濁物質を含有する廃水の処理には、従来から好気性の生物処理法が多く用いられている一方、高濃度の有機性汚濁物質を含有する廃水や有機性汚泥の処理には、従来から嫌気性処理方式(メタン発酵)が多用されている。好気性処理方式は、エネルギー消費が多く、また、余剰汚泥の処分が大きな問題になっているのに対し、嫌気性処理方式は、曝気動力が不要なのでエネルギー消費量が節約できること、余剰汚泥の発生量が少ないので処理費用が廉価であること、エネルギーとして有用なメタンガスを回収できることなどの利点がある。
一般に、メタン発酵は、(1)高分子の有機物を可溶化する過程、(2)可溶化された有機物を酸発酵する過程、(3)メタン生成過程の3つのステップに大きく分けられ、様々な微生物が関与する複雑な生物反応系である。
また、メタン発酵においては、特に有機物負荷が高くなると、メタン発酵汚泥中に有機酸の蓄積が生じ、バイオガス生成の安定性が失われる。すなわち、メタン発酵においては、メタン生成に関与する微生物の活性または濃度が、最終的なメタン発生速度・量を決定する重要な因子である。
さらに、固体性有機性廃棄物のメタン発酵においては、高分子の有機物を可溶化する工程が律速になってメタン発酵が十分に進まない場合が多いため、高分子有機物の低分子化に係る微生物の活性または濃度が、メタン生成に関与する微生物の活性と共に、最終的なメタン発生速度・量を決定する重要な因子である。
このように、メタン生成に関連するパラメータを測定することは重要であり、その方法として以下のようなものが知られている。
まず、生物反応系環境試料中のメタン生成活性を定量する方法として、メタン生成細菌が持つ自家蛍光を持つ補酵素F420の蛍光強度を測定することが試みられている。しかし、F420を持つメタン生成細菌の種類が限られているため、必ずしも総括的なメタン生成活性を示すことができず、また、夾雑物の影響を受けやすいなどの問題がある。
他にも、メタン生成細菌数を測定するために、培養を基本とするMPN法などが用いられている。しかし、メタン生成細菌は生育が遅いため、計数までに約1ヶ月という長期間を要する。しかも、寒天培地で生育可能な細菌の割合は、汚泥試料等の場合、存在している全菌の1%以下にすぎないと言われており、培養できない細菌については、存在していても検出することができない。
一方、近年、生物学的手法を利用した微生物の検出法が発達してきた。例えば、目的の細菌遺伝子配列の特異的な部分に相補的な配列を持つオリゴヌクレオチドを作製し、これに蛍光色素をつけたDNAプローブを細胞内でハイブリダイゼーションするFISH(fluorescent in situ hybridization)法(非特許文献1)や、細菌遺伝子に特異的なプローブを使用したPCR(polymerase chain reaction)法によれば、標的の細菌を、培養を経ずに環境試料から検出することができる。
例えば、FISH法では2,3種類の蛍光色素を別々のDNAプローブにつけ、同一試料にハイブリダイズさせることにより、同一視野で色素別に標的細菌を検出することができる。しかし、定量には蛍光顕微鏡を用いて複数視野を計数して平均値を算出することが必要であるため、標的細菌の種類が増えると、労力と時間が非常にかかることが問題である。
また、PCR法に関しては、試料中のDNAを抽出し、メタン生成細菌間で共通に保存されている16S rRNA遺伝子に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、16S rRNA遺伝子をPCR法によって選択的に増幅する検出法が公知である(特許文献1)。
さらに、PCR産物を解析する手法の1つとして、同じ長さの2本鎖DNAをそのGC含量の違いにより分離することができる変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(以下、DGGE法とも記述する)が公知である(非特許文献2)。
特開2001-327290号公報 R. I. Amman, L. Krumholz and D. A. Stahl: Fluorescent-oligonucleotide probing of whole cells for determinative, phylogenetic and environmental studies in microbiology, J. Bacteriol., 172, 762〜770, 1990 G. Muyzer, E.C. De Waal, and A.G. Uitterlinden: Profiling of complex microbial populations by denaturing gradient gel electrophoresis analysis of polymerase chain reaction-amplified genes coding for 16S rRNA, Applied and Environmental Microbiol., Vol.59, No.3, p.695-700, 1993
以上のような状況の中、有機性廃棄物・廃水等の環境試料を診断等するために、その中に存在する微生物群に由来する遺伝子を調べる微生物群集構造解析が有効であると考えられるようになった。この種の解析を、メタン発酵汚泥を対象として行う場合、採取された汚泥試料に上述した遺伝子検出法を適用し、メタン生成細菌を検出することが必要である。
しかしながら、メタン発酵汚泥中のメタン生成細菌群集構造を調べる場合、従来の検出方法を適用するだけでは、以下のような問題点があった。
すなわち、分子生物学的手法による検出法を適用する場合、従来のメタン生成細菌検出用オリゴヌクレオチドプライマーでは、特定の属および/またはグループのみしか検出できず、メタン発酵処理汚泥中に存在するメタン生成に関与する微生物群を十分網羅的に検出することができなかった。
また、上記特許文献1には、その文献中に記載されているオリゴヌクレオチドプライマーによればすべてのメタン生成細菌を検出可能であると記載されているが、そのプライマーによって、汚泥中に混在するメタン生成細菌群集構造を首尾良く解析することができるか否かは、何ら検討されていない。特に、特許文献1に記載のプライマーによって、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法を適用するのに適切な増幅産物を得られるか否かは、何ら検討されていない。
このような状況の中で、メタン発酵処理汚泥等の環境試料からメタン生成に関与する微生物群を網羅的に検出し、メタン生成に関与する微生物群の状況を総括的に把握することのできる迅速かつ簡易的な検出法、およびそれに適したプライマーが切望されていた。
そこで、本発明者らは、発酵においてもメタン生成に係る微生物を網羅的に検出し、メタン生成細菌群集構造の変化を調べることによってメタン発酵の指標データを得る方法を提案している(特願2003−56081)。
しかし、原料や運転条件が異なる様々なメタン発酵装置から採取した汚泥においては、その汚泥中に存在するメタン生成に関与する細菌の群集構造がそれぞれ異なるため、メタン発酵の指標として利用するには、特定の装置における標準的なメタン生成に関与する細菌の群集構造をそれぞれ把握する等の必要があった。また、メタン発酵におけるメタン生成過程は、高分子有機物の可溶化過程および酸発酵過程に続く、最終工程であるため、メタン生成工程より前段の工程の不良化によりメタン生成が不調になった場合、原因を特定するのは困難である、という問題があった。
そのため、複雑な微生物系であるメタン発酵装置の運転管理は、熟練したオペレーターの経験に頼っており、一旦、メタン生成が悪化すると原因の特定が難しく、回復するまでに長期間要するという問題が依然として残っていた。
以上のような問題に鑑み、本発明の課題は、有機性廃棄物や廃水等のメタン発酵処理汚泥中に存在するメタン生成に関与する微生物を検出する方法及びそれに用いるプライマーを提供することである。より詳細には、本発明の課題は、メタン生成に関与する微生物の群集構造及びメタン生成に関与する微生物の検出方法を提供することにより、メタン発酵装置の適切な運転管理指標を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、有機性廃棄物・廃水のメタン発酵処理汚泥中に存在するメタン生成に関与する細菌を検出する方法及びそれに用いるプライマーを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(a)又は(b)又は(c)に記載の一組のオリゴヌクレオチドを含むプライマーセットである:
(a)配列番号1の塩基配列(CT110F: AACGCGTGAGCAACCTGCC)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号2の塩基配列(CT1363R: CTCATGGTGTGACGGGCGGTGTG)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド;又は
(b)配列番号3の塩基配列(CT11F: AACGCGTGAGCAACCTGCC)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号4の塩基配列(CT325GC: GCGCGCGGCGCGCCCCGCGCCCGTCCCGCCGGGCCCGCGGCTCCCGTAGGAGTCTGG)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド;又は
(c)配列番号5の塩基配列(168R: CTTCACCGAAACACCCTTCGG)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号6の塩基配列(1072R: ATAAGGGTTCCGCTGGTAACTAAG)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
また、本発明は、メタン発酵微生物系を診断する方法であって、メタン発酵汚泥試料中のメタン生成に関与する細菌に由来する核酸試料を対象にして、メタン生成に関与する細菌検出用のプライマーセットを使用してPCR法を行い、該PCR法により得られた増幅産物を検出すると同時に、メタン生成菌検出用のプライマーセットを使用してPCR法を行い、該PCR法により得られた増幅産物を検出することを含む方法である。
本発明による検出法の好ましい一態様は、メタン発酵汚泥試料中のメタン生成に関与する細菌に由来する核酸試料を対象にして、上記(a)に記載のプライマーセットを使用して第1のPCR法を行い、そして、該第1のPCR法により得られた増幅産物を対象にして、更に上記(b)に記載のプライマーセットを使用して第2のPCR法を行うことを含む、上記方法である。
また、本発明者等は、上記(a)又は(b)に記載のプライマーを用いて選択的に増幅された核酸断片群を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)にかけることによって、メタン発酵系の中で高分子有機化合物、特にセルロースの分解に関係の深い細菌の群集構造を網羅的且つ総括的に捕らえることができることを明らかにした。すなわち、本発明によるメタン生成に関与する細菌の検出方法は、上記(b)に記載のプライマーセットを使用して第1のPCR法を行う場合に、該PCR法により得られた増幅産物を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動にかけることを更に含むことが好ましい。
また、本発明者等は、上記(c)に記載のプライマーを用いて選択的に増幅された核酸断片の特徴が、メタン生成活性と良く相関することを明らかにした。すなわち、簡易的には、上記(c)に記載のプライマーを用いて選択的に増幅された核酸断片を検出することで、メタン発酵系の状況を診断することができる。さらに、上記(c)に記載のプライマーを用いてPCR法を行うと共に、メタン生成細菌を網羅的且つ総括的に把握できる下記の(d)および/または(e)のプライマーセットを用いてPCR法を行うこともできる:
(d)配列番号7の塩基配列(M85F:ckgctcakta acwcgtgg)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号8の塩基配列(M1350R:ggcggtgtgy gcaaggag)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド;
(e)配列番号9の塩基配列(AP5F-GC:ggcaacacgc gggctacaat gg)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号10の塩基配列(AP7R:ggcggtgtgt gcaaggagca g)又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
この方法によれば、メタン発酵汚泥等の試料をより詳細に分析することが可能である。特に、上記(c)に記載のプライマーを用いてPCR法を行うと共に、メタン生成細菌を網羅的且つ総括的に把握できる(d)および/または(e)のプライマーセットを用いてPCR法を行い、その増幅産物をDGGEによって分析することも可能である。
本発明によれば、メタン発酵汚泥中に存在するメタン生成に関与する細菌群を網羅的あるいは特異的に検出することができ、さらには、そのメタン生成についての指標データを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、有機性廃棄物や廃水等を処理するための、メタン発酵処理汚泥等の微生物反応系環境試料(以下、単に「環境試料」または「汚泥試料」とも記述する)中に存在するメタン生成に関与する細菌に由来する16S rRNA遺伝子の存在を、PCR法を介して選択的に検出することを含む、メタン発酵微生物系の診断方法に関する。
本検出法において、PCR法に使用されるプライマーは、所定のPCR条件下で、メタン発酵汚泥中で優占化するような有機化合物の分解に関わりの深い真正細菌のうち、特にClostridium属細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールできるが、それと同一の条件下では、乳酸菌群を含むその他の真正細菌、及びメタン生成細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールしないような塩基配列を有するように設計され、Clostridium属細菌群に対して包括的な特異性を有する。さらに、本検出法において、PCR法に使用されるプライマーは、Clostridium属細菌群の中から、特にセルラーゼ生産菌群として知られる菌群に対して包括的な特異性を有する。なお、16S rRNA遺伝子は、当業者によっては、16S rDNAと呼ばれることもある。
そのようなPCR用プライマーとして、配列番号1の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又は、配列番号3の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を例示できるが、これらに限定される訳ではない。本検出法に使用可能なプライマーには、塩基長やPCR条件等に依存して、上に列挙した塩基配列と実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対も含まれる。
PCR法で得られた増幅産物が目的の核酸断片であることを確認するためには、増幅産物の電気泳動を行ってもよいし、使用されたプライマー間の核酸領域、つまり当該増幅される核酸領域に相補的なDNAプローブ等を使用して検出してもよい。
また、増幅された目的核酸の量は、環境試料中に生息していたセルラーゼ生産菌群として知られる一群のClostridium属細菌の菌数(或いはその16S rRNA遺伝子コピー数が加味されて)と相関する。すなわち、それら増幅産物の電気泳動により得られる目的核酸のバンドの太さ(輝度又は濃度)に基づき、或いは、競合PCR等による定量容易な検出等に基づき、一定の環境試料中に含まれるセルラーゼ生産菌群として知られる一群のClostridium属細菌の総合的な生菌数を知ることができる。これら増幅産物の検出・定量法には、当該技術分野において公知のあらゆる手段を使用できる。
また、本検出法において、PCR法に使用されるもう一つのプライマーは、所定のPCR条件下で、メタン生成細菌のうち、Methanobacterium 属細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールできるが、それと同一の条件下では、真正細菌及びその他のメタン生成細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールしないような塩基配列を有するように設計され、Methanobacterium 属細菌に対して特異性を有する。
そのようなPCR用プライマーとして、配列番号5の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を例示できるが、これらに限定される訳ではない。本検出法に使用可能なプライマーには、塩基長やPCR条件等に依存して、上に列挙した塩基配列と実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対も含まれる。
PCR法で得られた増幅産物が目的の核酸断片であることを確認するためには、増幅産物の電気泳動を行ってもよいし、使用されたプライマー間の核酸領域、つまり当該増幅される核酸領域に相補的なDNAプローブ等を使用して検出してもよい。
また、増幅された目的核酸の量は、環境試料中に生息していたMethanobacterium 属細菌の菌数(或いはその16S rRNA遺伝子コピー数が加味されて)と相関する。すなわち、それら増幅産物の電気泳動により得られる目的核酸のバンドの太さ(輝度又は濃度)に基づき、或いは、競合PCR等による定量容易な検出等に基づき、一定の環境試料中に含まれるMethanobacterium 属細菌の生菌数を知ることができる。これら増幅産物の検出・定量法には、当該技術分野に知られているあらゆる公知の手段を使用できる。
本検出法を適用するためにメタン発酵汚泥試料から核酸試料を抽出・精製する方法としては、公知のあらゆる手段を用いることができる。
上記PCRの条件は、被検試料等によって異なるが、いずれにしても当該技術分野の技術常識、又は当業者なら認識できる経験則を基づき、適宜選択することができる。好ましいPCRの条件は、例えば、下記実施例に記載された条件である。
本明細書においてオリゴヌクレオチドに関して使用される「塩基配列が実質的に相同である」という表現は、当該オリゴヌクレオチドがPCRプライマー等として機能し得る程度の断片長と相同性を有することを意味する。
例えば、プライマーは、使用目的や条件によっては必ずしも100%の相同性を有している部位から設計する必要はなく、目的とする領域のプライマーの5’末端付近で数塩基が異なっていてもよい。そのようなプライマーを使用しても、アニーリング温度等を検討することによって目的DNA断片を適宜増幅させることは可能である。すなわち、本発明を実施するに際し、高い特異性が要求されるならば、完全に相同な配列部位(典型的には、配列番号1〜6の塩基配列)を使用し且つそのような配列でしかアニーリングしないPCR条件を選択する必要がある。その反面、例えば網羅的に微生物群集構造を解析する場合のように、比較的特異性の低い条件が許容されるなら、配列番号1〜6の塩基配列とは数塩基異なる配列を使用し且つそれでもアニーリングするようなPCR条件を選択すればよい。
また、プライマーとして実質的に相同或いは相補的であるか否かは、例えば、インターネット上に公開されている上記のプローブチェックプログラム(The RDP-II:Ribosomal Database Project, Maidak BL, Cole JR, Lilburn TG, Parker CT Jr, Saxman PR, Farris RJ, Garrity GM, Olsen GJ, Schmidt TM, Tiedje JM., Nucleic Acids Res 2001 Jan 1;29(1):173-4)によって行うこともできる。
第1の実施態様
本発明の好ましい検出法の第1の実施態様は、上記のようなClostridium属細菌群に特異的なプライマーを使用すると共に、そのプライマーによってClostridium属細菌の16S rRNAの「全長配列」に近い領域を増幅するように企図された第1のPCR法に基づくものである。
この態様によると、得られる増幅産物は、それらがクローニングされた場合に系統学的解析に役立つのに十分な規模の16S rRNA遺伝子情報を提供できるので、Clostridium属細菌種の同定等が容易になるという利点をもたらす。例えば、得られた増幅核酸を試料として大腸菌を用いた公知の遺伝子クローニング法を適用し、クローン化された核酸に基づいて詳細な解析を行うことができる。公知の遺伝子クローニング法としては、例えば、バイオ実験イラストレイテッド2・遺伝子解析の基礎(秀潤社、69〜88ページ、1995)に記載されている方法を挙げることができる。
上記第1の実施態様に使用可能なプライマーとしては、例えば、配列番号1及び配列番号2の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドを挙げることができる。このプライマーセットによると、典型的な高温性セルラーゼ生産菌であるClostridium thermocellum DSM1237(Accession L09173)の16S rRNAの全長(塩基数にして約1500個)のうち、5’末端側から数えた塩基位置で110番目〜1385番目の領域に相当する1275塩基数の断片が増幅される。
第2の実施態様
本発明の好ましい検出法の第2の実施態様は、上記のようなClostridium属細菌群に特異的なプライマーを使用すると共に、そのプライマーによってClostridium属細菌の16S rRNA塩基配列中の「部分配列」を増幅するように企図された第2のPCR法に基づくものである。
この態様によると、得られる増幅産物は、PCR-DGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法を好ましく適用できる断片長の増幅核酸として得られる。そのような好ましい断片長は、塩基数にして約100〜約300個、典型的には、約200〜300個である。
上記第2の実施態様に使用可能なプライマーとしては、例えば、配列番号3及び配列番号4の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドを挙げることができる。このプライマーセットを使用すると、典型的な高温性セルラーゼ生産菌であるClostridium thermocellum DSM1237(Accession L09173)の16S rRNA塩基配列のうち、5’末端側から数えた塩基位置で110番目〜340番目に相当する230塩基数の断片が増幅される。この増幅される断片長は、上述したように、PCR-DGGE法を適用するのに好ましい長さである。
ここで、PCR-DGGEとは、DNA変性剤の濃度勾配が形成されたゲル内で、PCR産物を電気泳動(DGGE)する方法であり、通常の電気泳動ではバンドが重なってしまうような同じ長さのDNA断片を分離することができる。PCR-DGGE法によれば、同じ塩基長のPCR増幅核酸断片からなるPCR産物が2本鎖形態で泳動を開始し、DNA変性剤の濃度勾配が上昇する方向へ泳動されるに従い、個々のDNA断片は固有のGC含量に依存して異なる変性剤濃度で解離し得るので、塩基配列の相違が泳動距離の差になって表れる。なお、DGGEの条件は、増幅核酸のGC含量に依拠するので、必要に応じて上記プライマーの端部に、適切な泳動距離を与えるためのCGクランプ配列を付加するとよい。
PCR増幅された当該16S rRNA断片群をDGGEにより分離すると、個々の16S rRNA断片が有する塩基配列の相違を反映した形で複数本のバンドが形成される。16S rRNA上の塩基配列情報の相違は、概して、この種の細菌の系統学的位置づけに強く相関することから、DGGEで分離したそれらのバンドは、異なる16S rRNA配列を有するClostridium属細菌の存在を示す。
かくしてDGGEで現れるバンドの分布は、当該Clostridium属細菌群集中の各種Clostridium属細菌の相対的な存在比(多様性)を示し、また、それぞれのバンドの太さ(輝度又は濃度)は、各バンドに対応する同一細菌群の相対的な存在量(菌数)を示すとされる。このようにして、本検出法は、可視的なバンド分布として、メタン発酵汚泥中に優占化するセルラーゼ生産菌群として知られる一群のClostridium属細菌群集構造に関する網羅的且つ総括的な基礎データ、つまりメタン発酵汚泥中のセルラーゼ生産菌群として知られる一群のClostridium属細菌群の種類と菌数の双方を写し取った形の指標データを提示することができる。
第1および第2の実施態様ならびに実施例に記載されているように、配列番号1〜4で示される配列のプライマーを使用することにより、Clostridium CLUSTER IIIに属する真性細菌群の16S rRNA遺伝子を検出することができる。
第3の実施態様
本発明の好ましい検出法の第3の実施態様は、上記のようなMethanobacterium 属細菌に特異的なプライマーを使用すると共に、そのプライマーによってMethanobacterium 属細菌の16S rRNAの全長配列のうち、大部分の領域を増幅するように企図された第3のPCR法に基づくものである。ここで、Methanobacterium 属細菌は、メタン生成細菌群に属する古細菌の1種である。
この態様によると、得られた増幅産物によって、Methanobacterium 属細菌に特異的な16S rRNA遺伝子情報が提供されるので、Methanobacterium 属細菌の存在の確認が容易になるという利点がある。
上記第3の実施態様に使用可能なプライマーとしては、例えば、配列番号5及び配列番号6の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドを挙げることができる。このプライマーセットによると、典型的なMethanobacterium 属細菌であるMethanobacterium thermoautotorophicum KHT-2 (Accession AB020530)において、16S rRNAの全長(塩基数にして約1300個)のうち5’末端側から数えた塩基位置で168番目〜1072番目の領域に相当する904塩基数の断片が増幅される。
メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマーの使用
本発明の1つの態様において、本発明のメタン発酵微生物系の診断方法は、メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマーを使用してPCR法を行い、その増幅産物を検出することをさらに含んでいてもよい。この態様によれば、メタン発酵微生物系について、より詳細な診断を行うことが可能になる。より詳細には、上記の(d)および/または(e)のプライマーを使用することにより、メタン生成細菌群に属する古細菌群を網羅的かつ総括的に把握することができる。
以下、メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマー、およびそのプライマーを利用したメタン生成細菌の検出方法について、詳細に説明する。
本検出法において、PCR法に使用されるプライマーは、所定のPCR条件下で、メタン発酵汚泥中で優占化するようなメタン生成細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールできるが、それと同一の条件下では、真性細菌及び非メタン生成細菌由来の16S rRNA遺伝子にはアニールしないような塩基配列を有するように設計され、メタン生成細菌群に対して包括的な特異的を有する。
そのようなPCR用プライマーとして、配列番号7の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号8の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又は、配列番号9の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号10の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を例示できるが、これらに限定される訳ではない。本検出法に使用可能なプライマーには、塩基長やPCR条件等に依存して、上に列挙した塩基配列と実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対も含まれる。
上記のように所望の特異的を有する本発明のプライマーを使用するPCRによると、その結果として、少なくとも1種のメタン生成細菌が存在する試料では所望の核酸増幅が起こるが、メタン生成細菌が実質的に存在しない試料では有意な核酸増幅は起こらないこととなる。したがって、本発明のプライマーを使用するPCR法においては、期待される核酸が増幅されるか否かを調べるだけで、環境試料中に存在するメタン生成細菌群についての網羅的検出が可能となる。かくして、本発明によれば、短時間で簡易なPCR法によるメタン生成細菌群の検出法が提供される。
PCR法で得られた増幅産物が目的の核酸断片であることを確認するためには、増幅産物の電気泳動を行ってもよいし、使用されたプライマー間の核酸領域、つまり当該増幅される核酸領域に相補的なDNAプローブ等を使用して検出してもよい。
また、増幅された目的核酸の量は、環境試料中に生息していたメタン生成細菌の菌数(或いはその16S rRNA遺伝子コピー数が加味されて)と相関する。すなわち、それら増幅産物の電気泳動により得られる目的核酸のバンドの太さ(輝度又は濃度)に基づき、或いは、競合PCR等による定量容易な検出等に基づき、一定の環境試料中に含まれる各種メタン生成細菌の総合的な生菌数を知ることができる。これら増幅産物の検出・定量法には、当該技術分野に知られているあらゆる公知の手段を使用できる。
メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマーに関する第1の実施態様
本発明の検出法の第1の実施態様は、上記のようなメタン生成細菌群に特異的なプライマーを使用すると共に、そのプライマーによってメタン生成細菌の16S rRNAの「全長配列」に近い領域を増幅するように企図された第1のPCR法に基づくものである。
この態様によると、得られた増幅産物は、それらがクローニングされた場合に系統学的解析に役立つのに十分な規模の16S rRNA遺伝子情報を提供できるので、メタン生成細菌種の同定等が容易になるという利点をもたらす。例えば、得られた増幅核酸を試料として大腸菌を用いた公知の遺伝子クローニング法(中山広樹・西方敬人、バイオ実験イラストレイテッド(2)遺伝子解析の基礎、秀潤社、p.69-88、1995等)を適用し、クローン化された核酸に基づいて詳細な解析を行うことができる。
上記第1の実施態様に使用可能なプライマーは、例えば、配列番号1及び配列番号2の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドである。このプライマーセットによると、16S rRNAの全長(塩基数にして約1500個)のうち、典型的には、5’末端側から数えた塩基位置で約85番目〜約1350番目の領域に相当する約1265塩基の断片が増幅される。
メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマーに関する第2の実施態様
本発明の検出法の第2の実施態様は、上記のようなメタン生成細菌群に特異的なプライマーを使用すると共に、それらプライマーによってメタン生成細菌の16S rRNA塩基配列中の「部分配列」を増幅するように企図された第2のPCR法に基づくものである。すなわち、この態様によると、得られる増幅産物は、PCR-DGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法を好ましく適用できる断片長の増幅核酸として得られる。そのような好ましい断片長は、塩基数にして約200個前後である。
上記第2の実施態様に使用可能なプライマーは、例えば、配列番号3及び配列番号4の各塩基配列の一組のオリゴヌクレオチドである。このプライマーセットを使用すると、典型的には、16S rRNA塩基配列中の5’末端側から数えた塩基位置で約1200番目〜約1400番目に相当する約200塩基の断片が増幅される。
因みに、PCR-DGGEは、PCR産物をDNA変性剤の濃度勾配を形成したゲル内で電気泳動(DGGE)させることによって、通常の電気泳動ではバンドが重なってしまうような同じ長さのDNA断片を分離することができる公知の手段である。PCR-DGGE法によれば、同じ塩基長のPCR増幅核酸断片からなるPCR産物が2本鎖形態で泳動を開始し、DNA変性剤の濃度勾配が上昇する方向へ泳動されるに従い、個々のDNA断片は固有のGC含量に依存して異なる変性剤濃度で解離し得るので、塩基配列の相違が泳動距離の差になって表れる。なお、DGGEの条件は、増幅核酸のGC含量に依拠するので、必要に応じて上記プライマーの端部に、適切な泳動距離を与えるためのCGクランプ配列を付加するとよい。
PCR増幅された当該16S rRNA断片群のDGGEによる分離は、個々の16S rRNA断片が有する塩基配列の相違を反映した形で複数本のバンドを形成し、概して、それら16S rRNA上の塩基配列情報の相違がこの種の細菌の系統学的位置づけに強く相関することから、DGGEで分離したそれらバンドは、異なるメタン生成細菌の存在を示す。
かくしてDGGEで現れるバンドの分布は、当該メタン生成細菌群集中の各種メタン生成細菌の相対的な存在比(多様性)を示し、また、それぞれのバンドの太さ(輝度又は濃度)は、各バンドに対応する同一細菌群の相対的な存在量(菌数)を示すとされる。このようにして、本検出法は、可視的なバンド分布として、メタン生成細菌群集構造に関する網羅的且つ総括的な基礎データ、つまりメタン生成細菌群の種類と菌数の双方を写し取った形の指標データを提示することができる。
メタン生成細菌を網羅的かつ総括的に把握できるプライマーに関する第3の実施態様
本発明の検出法の第3の実施態様は、メタン生成細菌の16S rRNAの全長配列に近い領域を増幅させる第1のPCR法と、その16S rRNA上の部分配列領域を増幅させる第2のPCR法とを組み合わせた方法である。
この態様によると、汚泥試料由来の様々な微生物の核酸が混在する試料について、先ず第1のPCR法によりメタン生成細菌群の網羅的な検出を行って目的核酸の濃縮を行い、このようにして濃縮された産物に対して更に第2のPCR法が行われる。このような2段階のPCRを行うことにより、メタン生成細菌群への特異性が増し、より精度の高い検出が可能となる。なお、この態様を実施するには、第2のPCR法に使用されるプライマーは、第1のPCR法により得られる増幅核酸中の領域を標的として、特異的な塩基配列が選択され、設計される必要がある。
上記第3の態様もまた、第2のPCR法による増幅産物をDEEGで分離することによって、メタン生成細菌群に関する指標データを得ることができる。
さらに、上記第3の態様を利用することによって、下記のようなメタン生成細菌群集の解析方法を提供することができる。
第1のPCR法で増幅させた長鎖の16S rRNA断片をクローニングしてその塩基配列決定と解析を行うと共に、さらにそれらクローン化16S rRNA断片を個々に第2のPCR法とDEEG法にかけて、各クローン化試料に由来する単一バンドを得る。このとき、各クローン化試料のDEEG泳動を、試料汚泥由来の非クローン化DNA試料の泳動と同時に行うことで、各々のクローン化試料に由来する単一バンドが、汚泥試料由来する複数バンドのうち、いずれのバンドに対応するのかを確認することができる。そして、各クローン化試料の16S rRNAは、前記のように長鎖の16S rRNA断片としてクローニングされた際に塩基配列解析により細菌の種類を同定し得るので、かくして、各バンドを構成する細菌群について系統学上の分類も可能である。このようにして、メタン生成細菌群集の構造の指標となる基礎データを解析し、評価することもできる。
上記第3の実施態様に使用可能なプライマーとしては、配列番号7及び配列番号8の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドを用いたプライマーセットと、配列番号9及び配列番号10の各塩基配列からなる一組のオリゴヌクレオチドとの組み合わせが挙げられる。
本検出法を適用するために汚泥試料から核酸試料を抽出・精製する方法としては、あらゆる公知の手段を用いることができる。
上記PCRの条件は、被検試料等によって異なるが、いずれにしても当該技術分野の技術常識、又は当業者なら認識できる経験則を基づき、適宜選択することができる。好ましいPCRの条件は、例えば、下記実施例に記載された条件である。
本明細書に使用される「メタン生成細菌の群集構造」という用語は、メタン発酵汚泥のような環境試料中に生息するメタン生成細菌群の分類と存在量により把握される存在状態を示し、具体的には、比較的小数の構成員で構成されるが、系統分類学上多岐にわたるメタン生成細菌群についての、分類学的位置づけ及びそれら各群の菌数で定義される。また本発明においては、電気泳動ゲル上に現れる泳動バンド群の分布(各泳動バンドの泳動距離と太さのばらつき)に対応する。
本明細書内で言及される「環境試料」又は「汚泥試料」とは、有機物の浄化ないし資化作用が期待されるメタン発酵汚泥のような微生物反応系を持つ有機物含有試料を意味するが、典型的には、約2000mg/L〜約10,000mg/LのBOD及び/又は約6000mg/L〜約30,000mg/LのCODCr(重クロム酸カリウムによる酸素消費量)を有し、メタン生成細菌がメタン発酵を行うのに適した高温嫌気条件下にある汚泥試料である。また、「核酸試料」とは、前記環境試料中に存在する微生物由来のDNA及び/又はRNAを含み、PCRに利用され得るように調製された試料であり、特に、微生物由来の16S rRNAがPCRの鋳型として利用され得る試料である。
本明細書においてオリゴヌクレオチドに関して使用される「塩基配列が実質的に相同である」という表現は、当該オリゴヌクレオチドがPCRプライマー等として機能し得る程度の断片長と相同性を有することを意味する。
例えば、プライマーは、使用目的や条件によっては必ずしも100%の相同性を有している部位から設計する必要はなく、目的とする領域のプライマーの5’末端付近で数塩基が異なっていてもよい。そのようなプライマーを使用しても、アニーリング温度等を検討することによって目的DNA断片を適宜増幅させることは可能である。すなわち、本発明を実施するに際し、高い特異性が要求されるならば、完全に相同な配列部位(典型的には、配列番号7〜10の塩基配列)を使用し且つそのような配列でしかアニーリングしないPCR条件を選択すればよく、その反面、比較的特異性の低い条件が許容されるなら、配列番号7〜10の塩基配列とは数塩基異なる配列を使用し且つそれでもアニーリングするようなPCR条件を選択すればよい。
また、プライマーとして実質的に相同或いは相補的であるか否かは、例えば、インターネット上に公開されている上記のプローブチェックプログラム(The RDP-II:Ribosomal Database Project, Maidak BL, Cole JR, Lilburn TG, Parker CT Jr, Saxman PR, Farris RJ, Garrity GM, Olsen GJ, Schmidt TM, Tiedje JM., Nucleic Acids Res 2001 Jan 1;29(1):173-4)によって行うこともきる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
セルロース系廃棄物の高温メタン発酵実験
メタン発酵原料には、生ごみと紙ごみの混合物を用いた。表1に原水性状を示す。有効容積3.5 L、温度55℃の完全混合型メタン発酵装置を用い、表2に示すように、容積当たりの有機物負荷を変動させて、メタンガス発生量の変化を観察した。
図1(a)に、メタンガス発生量とメタン発酵汚泥中の固形性全糖量の変化(上段)、および汚泥のpHの変化(下段)を示す。図中、横軸は時間、上段左側の縦軸はメタンガス発生量(ml/d)、上段右側の縦軸は固形性全糖量(mg/l)、下段の縦軸は汚泥のpHである。
この結果から明らかなように、過負荷になると固形性全糖量で示されるセルロース系物質の蓄積とpHの低下が起こり、これに伴ってメタン生成が悪化した。その後、原水の投入を停止すると蓄積されたセルロース系物質が徐々に分解を始め、汚泥のpHも回復したため、原水投入を再開すると、メタンガスが良好に生成されることが観察された。
[実施例2]
第1の実施態様による、メタン発酵汚泥からの16S rRNA遺伝子断片の検出及びクローニング
メタン発酵汚泥から採取した被検試料からQIAamp DNA Stool Mini KitによりDNA試料を抽出・精製し、そのDNA試料に対し直接に、配列番号1及び配列番号2の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用してDNA試料中の16S rRNA遺伝子をPCR増幅させ(反応条件:94℃ 3min- (94℃ 1min, 62℃ 1min, 72℃ 2min)×10 cycle- (94℃ 1min, 60℃ 1min, 72℃ 2min)×20 cycle- 72℃ 3min- 4℃∞)、得られた増幅断片をアガロースゲルで電気泳動後、目的遺伝子のDNA断片を含むバンドを切り出した。切り出したDNA断片を精製し、pT7 Blue T-Vectorを用いてTAクローニングを行った。
クローニングはE.coli DH5αを用いて行い、アンピシリン、IPTG、X-galを含む選択培地でカラーセレクションを行った。選択培地上に形成されたホワイトコロニーをアンピシリン入りの液体LB培地で一晩37℃培養後、QIAGEN QIAprep spin Miniprep Kitを用いて形質転換されたE.coli DH5αよりプラスミドを抽出した。配列番号1及び配列番号2の一組の塩基配列からなるプライマーセットを用いて、被検試料中から抽出したDNA試料を鋳型にしてPCRにより増幅し、その増幅断片をアガロースゲルでの電気泳動を行ったところ、予想された約1300塩基の増幅断片長と同じ長さを示す位置に強度レベルの高いバンドが検出された。このPCR増幅断片に対して限酵素HaeIIIを用いたRFLP(Restriction Fragment
Length Polymorphism)を行い、様々な塩基配列を有するクローン配列を選別し、塩基配列をキャピラリーシークエンサーにより決定した。この一連の操作は、迅速に多様なクローン配列を決定するのに有効な手段であった。
得られたクローン配列について系統解析を行った結果、それら塩基配列の大部分はClostridium属細菌に相同性を有する配列であった。また、これまでに検出されたそれらClostridium属細菌に相同性を有するクローン配列の多くは、Clostridium CLUSTERIIIという系統位置に分類された。表3に、Clostridium CLUSTERIIIに分類されたクローン配列を示す。このCLUSTERはClostridium属細菌の中でも高いセルラーゼ生産能を有する菌株の分類群として知られている。図3は、検出されたクローンの分類学的な位置を表す系統樹である。また、図中、1〜8の数字は、表3のクローン配列(Clone)の番号に対応している。表3および図3に示されているように、本発明のプライマーを使用すればClostridium CLUSTER IIIに分類される未知の菌群も検出することができ、メタン生成に関与する微生物を網羅的に検出することが可能である。
さらに、発酵不良期と発酵回復期に出現する配列はそれぞれ異なるClostridium属細菌に近縁であることが判明し、発酵経過を解析する上で有用なデータを得られることが確認された。
このようにして、配列番号1及び配列番号2の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用するPCR法により、当該被検試料中のメタン生成過程の中で有機物分解に係る細菌のうち、特にセルラーゼ生産性のClostridium属細菌に由来する16S rRNA遺伝子を特異的且つ網羅的に増幅して、同定することにより、発酵状況の変化を把握することができた。
[実施例3]
第2の実施態様によるPCR−DGGE解析
メタン発酵汚泥から採取した被検試料からQIAamp DNA Stool Mini KitによりDNA試料を抽出・精製し、そのDNA試料に対し直接に、配列番号3及び配列番号4の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用してDNA試料中の16S rRNA遺伝子をPCR増幅させ(反応条件:94℃ 3min- (94℃ 1min, 68℃ 1min) × 3 cycle-(94℃ 1min, 66℃ 1min, 72℃ 1min) × 3 cycle-(94℃ 1min, 64℃ 1min, 72℃ 1min) × 3 cycle-(94℃ 1min, 62℃ 1min, 72℃ 2min) × 25 cycle-72℃ 3min- 4℃∞)、そのPCR産物をDGGE法により電気泳動した。
図1(b)に、実施例1において採取したメタン発酵汚泥抽出DNAをDGGE法によって電気泳動したバンドパターンを示す。この結果から、発酵不良期と発酵回復期におけるDGGEバンドパターンが異なることが明らかとなった。
このようにして、配列番号3及び配列番号4の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用するPCR法により、当該被検試料中の各種メタン生成に係る細菌のうち、特にセルラーゼ生産菌群として知られる一群のClostridium属細菌に由来する16S rRNA遺伝子を特異的且つ網羅的に増幅してPCR-DGGE解析を行うことが可能となり、発酵状況の変化を把握することができた。
[実施例4]
第3の実施態様によるMethanobacterium 属細菌の検出
メタン発酵汚泥から採取した被検試料からQIAamp DNA Stool Mini KitによりDNA試料を抽出・精製し、そのDNA試料に対し直接に、配列番号5及び配列番号6の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用してDNA試料中の16S rRNA遺伝子をPCR増幅させ(反応条件:94℃ 3min- (94℃ 1min, 64℃ 1min, 72℃ 2min) × 30 cycle- 72℃ 3min- 4℃∞)、そのPCR産物をDGGE法で泳動させた。
図2下段は、実施例1において採取したメタン発酵汚泥抽出DNAをPCR法で処理した後の電気泳動像である(なお、図2上段は、実施例1における、メタンガス発生量とメタン発酵汚泥中の固形性全糖量の変化を示す)。その結果、Methanobacterium thermoautotrophicumを含むMethanothermobacter属に近縁の菌株に由来するPCR増幅産物は、発酵状態に正の相関性を示すことが明らかとなった。
このようにして、配列番号5及び配列番号6の一組の塩基配列からなるプライマーセットを使用するPCR法によって、当該被検試料中の各種メタン生成に係る細菌のうち、特にMethanobacterium thermoautotrophicumを含むMethanothermobacter属に近縁の菌株に由来する16S rRNA遺伝子を特異的に増幅してPCR解析を行うことにより、発酵状況の変化を把握することができた。
なお、上記の実施例で適用されたPCR及び電気泳動に関する諸条件は、以下の通りである。
〔PCR反応液組成〕
D.W. 31.75μl
10×Ex Taq Buffer 5μl
BSA 5μl
dNTP Mixture 4μl
Forward プライマー 0.5μl
Reverse プライマー 0.5μl
Ex Taq 0.25μl
DNA試料 3μl
Total 50μl
なお、上記PCR反応液組成において、各プライマーは1pmolずつ入っている。
〔Ligation反応液組成〕
D.W. 4μl
T4 DNA Ligase Buffer 1μl
10mM ATP 0.5μl
pT7 Blue T-Vector 1μl
T4DNA Ligase 0.5μl
PCR産物 3μl
Total 10μl
なお、上記PCR産物は、PCR反応後の液をアガロースゲルからDNAを抽出後、精製したものを用いた。
〔シークエンスPCR反応液〕
下記組成でTotal 20μになるように調製した。
プラスミド
(dsDNAで200-500ng) Xμl
M4 プライマー 4μl
RV プライマー 4μl
Pre Mix液(2倍希釈液) 10μl
D.W. Yμl
Total 20μl
〔PCR反応条件〕
96℃30sec-(96℃10sec-50℃5sec-60℃3min)×30cycle-(96℃10sec-60℃10sec-72℃1min×15cycle-4℃∞
〔DGGE泳動条件〕
使用ゲル:10% ポリアクリルアミドゲル
変性濃度勾配:20-70%
200V定電圧で3時間から3時間半泳動
なお、DGGEの泳動後は、Vistra green nucleic acidで染色し、FluorImager595によりバンドを検出した。
図1(a)は、メタンガス発生量とメタン発酵汚泥中の固形性全糖量の変化(上段)、および汚泥のpHの変化(下段)を示す。図中、横軸は時間、上段左側の縦軸はメタンガス発生量(ml/d)、上段右側の縦軸は固形性全糖量(mg/l)、下段の縦軸は汚泥のpHである。図1(b)は、実施例1において採取したメタン発酵汚泥抽出DNAをDGGE法によって電気泳動したバンドパターンである(実施例3)。 図2上段は、メタンガス発生量とメタン発酵汚泥中の固形性全糖量の変化を示し、図2下段は、実施例1において採取したメタン発酵汚泥抽出DNAをPCR処理した後の電気泳動像である(実施例4)。 図3は、実施例2において検出されたクローンの分類学的な位置を表す系統樹である。

Claims (7)

  1. 以下の(a)又は(b)又は(c)に記載の1組のオリゴヌクレオチドを含むプライマーセット:
    (a)配列番号1の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号2の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド;
    (b)配列番号3の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号4の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド;
    (c)配列番号5の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、配列番号6の塩基配列又はそれと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
  2. メタン生成に関与する微生物を検出する方法であって、メタン生成に関与する微生物に由来する核酸試料を対象として、請求項1に記載の少なくとも1組のプライマーセットを使用してPCR法を行い、該PCR法により得られた増幅産物を検出することを含む方法。
  3. メタン生成に関与する微生物に由来する核酸試料を対象として、請求項1(a)に記載のプライマーセットを使用して第1のPCR法を行い、そして、該第1のPCR法により得られた増幅産物を対象として、請求項1(b)に記載のプライマーセットを使用して第2のPCR法を行う、請求項2に記載の方法。
  4. 請求項1(b)に記載のプライマーセットを使用してPCR法を行ってから、該PCR法により得られた増幅産物を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動にかけることをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
  5. 検出対象のメタン生成に関与する微生物が環境試料中に存在するものである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項5に記載の方法による前記電気泳動によって得られる泳動バンドの分布を、前記環境試料に存在するメタン生成に関与する微生物の群集構造についての指標データとして使用することを含む、環境試料の評価方法。
  7. 前記環境試料がメタン発酵汚泥である、請求項5または6に記載の方法。
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