JP2005244254A - 磁気抵抗センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗センサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大きな抵抗変化量を得ることのできるスピンバルブ磁気抵抗センサを提供することである。
【解決手段】 磁気抵抗センサであって、第1反強磁性層と、該第1反強磁性層上に配置されたピンド強磁性層と、該ピンド強磁性層上に配置された非磁性中間層と、該非磁性中間層上に配置されたフリー強磁性層と、該フリー強磁性層上に配置された、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層とを具備し、前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分が、該第2反強磁性層の構成元素とフッ素及び塩素からなる群から選択された反応性元素との化合物から構成される。
【選択図】 図26

Description

本発明は、スピンバルブ磁気抵抗センサ又はトランスデューサ及び該センサを用いたスピンバルブ磁気抵抗ヘッドに関する。
近年、磁気ディスク装置の小型化・高密度化に伴い、ヘッドスライダーの浮上量が減少し、極低浮上或いはスライダが記録媒体に接触する接触記録/再生の実現が望まれている。
また、従来の磁気誘導ヘッドは、磁気ディスクの小径化により周速(ヘッドと媒体との間の相対速度)が減少すると、再生出力が劣化する。そこで最近は、再生出力が周速に依存せず、低周速でも大出力の得られる磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)が盛んに開発され、磁気ヘッドの主流となっている。更に現在は、巨大磁気抵抗(GMR)効果を利用した磁気ヘッドも市販されている。
磁気ディスク装置の高記録密度化により、1ビットの記録面積が減少するとともに、発生する磁場は小さくなる。現在市販されている磁気ディスク装置の記録密度は10Gbit/in2前後であるが、記録密度の上昇は年率約2倍で大きくなっている。このため、更に微小な磁場範囲に対応するとともに、小さい外部磁場の変化を感知できる磁気抵抗センサ及び磁気抵抗ヘッドが要望されている。
現在、磁気ヘッドにはスピンバルブGMR効果を利用したスピンバルブ磁気抵抗センサが広く用いられている。スピンバルブ構造の磁気抵抗センサでは、フリー強磁性層(フリー層)の磁化方向が記録媒体からの信号磁界により変化し、ピンド強磁性層(ピンド層)の磁化方向との相対角が変化することにより、磁気抵抗センサの抵抗が変化する。
この磁気抵抗センサを磁気ヘッドに用いる場合には、ピンド層の磁化方向を磁気抵抗素子の素子高さ方向に固定し、外部磁界が印加されていない状態におけるフリー層の磁化方向を、ピンド層と直交する素子幅方向に一般的に設計する。
これにより、磁気抵抗センサの抵抗を、磁気記録媒体からの信号磁界方向がピンド層の磁化方向と平行か反平行かにより、直線的に増減させることができる。このような直線的な抵抗変化は、磁気ディスク装置の信号処理を容易にする。
従来の磁気抵抗センサでは、センス電流を膜面に平行に流し、外部磁界による抵抗変化を読み取っている。この、GMR膜面に平行に電流を流す(Current in the plane、CIP)構造の場合、一対の電極端子で画成されたセンス領域が小さくなると、出力が低下する。また、CIP構造のスピンバルブ磁気抵抗センサの場合、GMR膜と上下磁気シールドとの間に絶縁膜が必要となる。
即ち、磁気シールド間距離=GMR膜厚さ+絶縁膜厚さ×2となる。絶縁膜厚さは、現在20nm程度が下限であるので、磁気シールド間距離=GMR膜厚差+約40nmとなる。
記録媒体上の記録ビットの長さが短くなると対応が困難となり、磁気シールド間距離を40nm以下にしたいという要望には現在のところCIPスピンバルブ磁気抵抗センサでは対応不可能である。
これらのことから、スピンバルブGMR効果を利用したCIP構造の磁気ヘッドは、20〜40Gbit/in2の記録密度まで対応可能と考えられている。また、最新技術のスペキュラー散乱を応用したとしても、60Gbit/in2の記録密度が上限と考えられている。
上述したように、磁気ディスク装置の記録密度の向上は急激であり、2002年には80Gbit/in2の記録密度が求められている。記録密度が80Gbit/in2以上では、最新のスペキュラー散乱を応用したCIPスピンバルブGMR磁気ヘッドでも、出力及び磁気シールド間距離の点で対応が非常に困難である。
このような問題に対し、ポストスピンバルブGMRとして、トンネルMR(TMR)や多層膜CPP(Current perpendicular to the Plane)構造等が提案されている。
TMRは、二つの強磁性層間に薄い絶縁層を挟んだ構造で、二つの強磁性層の磁化方向により絶縁層を通過するトンネル電流量が変化するものである。TMRは非常に大きな抵抗変化を示すとともに感度も良いので、ポストスピンバルブGMRとして有望視されている。
多層膜CPP構造は、GMR膜面に垂直に(少なくとも垂直成分を含む方向に)電流を流した場合、GMR膜の抵抗変化が室温で約2倍となる効果を応用し、出力の向上を図ったものである。また、CPP構造の場合、GMR膜のセンス電流が通過する部分の断面積が小さくなると、出力が大きくなるという特徴を有する。
これは、CIP構造のGMRに対する大きなアドバンテージである。尚、TMRも一方の強磁性層から絶縁層を横切って他方の強磁性層へと電流が通過することから、CPP構造の一種と考えることができ、前述したアドバンテージも同様である。このように有望なTMRや多層膜CPP構造であるが、未だ実用化には至っておらず、ともに幾つかの問題点を抱えている。
多層膜CPP構造における問題点として以下の問題点が挙げられる。
(1) 素子(デバイス)作成プロセスが複雑で精度を要求される。
多層膜CPP構造のデバイスの作成には、成膜、レジスト形成、イオンミリング又は反応性イオンエッチング(RIE)、レジスト剥離といったプロセスを少なくとも3回以上繰り返す必要があり、レジスト形成の際に非常に高い位置合わせ精度が要求される。イオンミリング又は反応性イオンエッチングの際には、基板面まで加工又はエッチングせず、金属層途中で止める技術も要求される。
(2) CPP部分のサイズが1μm前後若しくはサブミクロンサイズにならないと特性評価が難しい。
CPP部分のサイズが約3μm以上になると、電流分布の影響によりセンス電流に対する電圧がマイナスの値として測定される。この影響でCPP部分のサイズが約3μm前後において、MR比が非常に大きな値となる。このため、従来の評価基準を適用できない。
(3)デバイス化のプロセスの良否に特性が左右され易い。
これは、従来のCIP構造のGMRについてもいえることではあるが、CPP構造の場合この傾向が顕著である。GMR膜や絶縁膜の加工時の断面形状やバリの発生状況により、GMR特性が大幅に変化するため、不良品が発生した場合の原因の特定が困難となる。
(4) ヒシテリシスの存在、磁区制御が困難、外部磁界を感知する部分の厚さが厚い。
多層膜CPP構造では、各磁性層が磁気的に結合しているためヒシテリシスが存在する。また、磁性層数が多いため、各磁性層の磁区制御が困難である。更に、基本的に全ての磁性層が外部磁界を感知して磁化方向が変化するため、外部磁界を感知する部分の厚さが厚い等の問題点がある。
上記問題点のうち、(1)〜(3)は、素子構造の改良及び加工精度の向上等により、解決が可能である。しかし、(4)の問題点については、多層膜GMRの根本的な問題点であり、現在のところ具体的な解決手段はない。
高記録密度化に伴いGMR素子の微細化が進み、これまでのようにGMR素子の高さを直接研磨加工によって作成するプロセスでは、その加工精度から歩留まり良く生産することが難しくなると予想される。
そこで、GMR素子高さを直接研磨加工する必要のない、フラックスガイド型GMRヘッドも知られている。フラックスガイド型GMRヘッドを従来のようなCIP構造で用いると、フラックスガイドへの電流の分流を防ぐためにフラックスガイドとGMR素子との間は絶縁されていなければならない。
よって、フラックスガイドとGMR素子との間を十分離さなければならず、媒体磁界をフラックスガイドから十分にGMR素子へ渡すことができないために再生出力が低下してしまう。
また、従来のCPP構造のようにGMR素子部を小さく加工すると、端面の反磁界により磁化が動かない領域が大きくなり、再生感度が落ちてしまう。
GMRヘッドは、GMR膜が単磁区とならない場合バルクハウゼンノイズが発生し、再生出力が大きく変動する問題がある。このため、GMR膜の磁区を制御するため、磁区制御膜が設けられている。
磁区制御膜としては高保磁力膜の硬質磁性膜を設置し、この硬質磁性膜が発生するバイアス磁界によりフリー層の磁化方向を素子幅方向に制御している。
この硬質磁性膜より発生する磁界の強度及び分布は形成された硬質磁性膜形状に強く依存するが、通常リフトオフ等のプロセスにより形成される硬質磁性膜形状はプロセス精度の影響を受け、安定したバイアス磁界を得ることが困難である。
素子上部に硬質磁性膜が回りこんだ形状となった場合には、所望の磁化制御方向に対し部分的にバイアス磁界が反対方向に印加され、バルクハウゼンノイズ等の発生を誘引し、素子特性が劣化することが考えられる。
これに対し、フリー層の両端部にバイアス磁界印加層としての反強磁性層を積層し、フリー層と反強磁性層の間の交換結合を利用してフリー層の磁化方向を制御する交換結合型磁区制御方法がある。
この方法は、磁性層間の交換結合を利用するため硬質磁性膜磁界による制御方法よりも安定したバイアス効果が得られる。この交換結合型磁区制御素子を形成する場合、フリー層とバイアス磁界印加層としての反強磁性層を連続して形成することにより十分なバイアス磁界が得られる。
しかし、素子感度を向上させるためにはフリー層の磁界感知部のバイアス磁界を消滅させる必要がある。従来、FeMnのような耐久性に乏しい反強磁性層に対しては、酸素と反応させることで反強磁性層の構成元素との酸化物を形成し、磁界感知部のバイアス磁界を消滅させていた。
しかしながら、現状では磁気ヘッドの信頼性の点からFeMnよりも耐久性に優れたNiMn,PtMn,PdPtMn,IrMn等の反強磁性層が用いられるようになり、そのため酸化に対する耐性が向上し、バイアス磁界を消失させるプロセスが困難になるといった問題が生じている。
本発明の目的は、フリー強磁性層の磁区制御を反強磁性層との交換結合により安定して行うことができ、且つ感度及び信頼性の高いスピンバルブ磁気抵抗センサを提供することである。
本発明の一つの側面によると、磁気抵抗センサであって、第1反強磁性層と、該第1反強磁性層上に配置されたピンド強磁性層と、該ピンド強磁性層上に配置された非磁性中間層と、該非磁性中間層上に配置されたフリー強磁性層と、該フリー強磁性層上に配置された、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層とを具備し、前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分が、該第2反強磁性層の構成元素とフッ素及び塩素からなる群から選択された反応性元素との化合物から構成されることを特徴とする磁気抵抗センサが提供される。
好ましくは、第2反強磁性層はNiMn,PtMn,PdPtMn,IrMnからなる群から選択される合金から構成される。
本発明の他の側面によると、磁気抵抗センサの製造方法であって、第1反強磁性層を形成し、該第1反強磁性層上にピンド強磁性層を形成し、該ピンド強磁性層上に非磁性中間層を形成し、該非磁性中間層上にフリー強磁性層を形成し、該フリー強磁性層上に、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層を形成し、前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分に、フッ素及び塩素からなる群から選択される反応性元素ガスを照射することにより、前記部分に前記第2反強磁性層の構成元素と前記反応性元素との化合物を形成する、各ステップから構成されることを特徴とする磁気抵抗センサの製造方法が提供される。
本発明の一つの特徴によれば、酸素に対する耐性が高い反強磁性層に対しても、フッ素又は塩素によりフリー層の磁界感知部の交換結合力を消失させることが可能である。その上、フッ素又は塩素で処理後、フリー層上に安定なフッ化物又は塩化物が形成されるため、GMR膜の特性劣化を抑制する効果も同時に得ることができる。
更に、フッ素又は塩素でエッチング可能なTa,TiW,Mo等の電極材料を用いることで、電極端子形成とバイアス磁界消滅の工程が単一のガスで連続的に行うことが可能になるため、プロセスが容易になるとともに電極端子とスピンバルブ磁気抵抗素子の位置併せの問題も回避することができ、安定して良好な特性のスピンバルブ磁気抵抗センサを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の数多くの実施形態について詳細に説明する。各実施形態の説明において、実質的に同一構成部分については同一符号を付し、重複を避けるためその説明を省略する。
図1を参照すると、本発明第1実施形態によるCPP(カラント・パーペンディキュラ・ツー・ザ・プレイン)構造のスピンバルブ磁気抵抗センサの断面図が示されている。
Al23−TiC基板2上には400nmのCu及び100nmのAuから形成された下端子4が形成されている。下端子4上にはスピンバルブ巨大磁気抵抗膜(GMR膜)6が形成されている。
GMR膜6上には10nmのCuと10nmのAuからなるキャップ層8が形成され、更にキャップ層8上には300nmのCuからなる上端子10が形成されている。符号12は150nmのSiO2からなる絶縁層である。
本発明の磁気抵抗センサは、GMR膜6をスピンバルブ構造とし、更にセンス電流を膜面に垂直に流すCPP構造としたことを特徴とするものである。
発明者は、CPPスピンバルブ磁気抵抗センサにおいて、ピンド強磁性層(以下ピンド層と省略する)、非磁性中間層(以下中間層と省略する)及びフリー強磁性層(以下フリー層と省略する)の各層厚を厚くして、バルク散乱を最大限に引き出すことにより、大きな抵抗変化を得ることを考えた。
反強磁性層、下地層及び表面保護層(キャップ層)を厚くしても抵抗変化は大きくならない。ピンド層、中間層及びフリー層を厚くすると、以下のことが考えられる。
(1) ピンド層を厚くすると、Hua(反強磁性層とピンド層の結合の強さ)が小さくなるとともに、漏れ磁界によりフリー層の感度が小さくなり、バイアス点の調整が困難となる。そこで、ピンド層を積層フェリ構造とすることにより、Huaを大きくし、漏れ磁界を小さくすることができる。
(2) フリー層を厚くすると、磁化方向を変化させるための外部磁界の量が多く必要となるため、フリー層の感度が小さくなる。これに対しても、フリー層を積層フェリ構造とすることにより小さな外部磁界でフリー層の磁化方向を変化させることができるため、感度が大きくなる。尚、ピンド層及びフリー層を厚くする場合においては、ピンド層とフリー層間の磁気的結合を切るために、中間層を厚くすることが望ましい。
(3) GMR膜をデュアルスピンバルブ構造とする。この場合は、ピンド層、中間層及びフリー層の部分が厚くなるだけではなく、界面数も多くなるため、界面散乱による抵抗変化も大きくなり抵抗変化量の向上には効果的である。
上記(1)〜(3)の対策を単独ではなく、二つ若しくは三つを組み合わせて適用するとより効果的である。
上記(1)及び(2)の対策において、ピンド層及び/又はフリー層の厚さを無条件に厚くすることはできない。発明者は、ピンド層及びフリー層の材料をCoFeBとし、各層厚の最適値を実験的に求めた。
この結果、ピンド層及び/又はフリー層をCIP(カラント・イン・ザ・プレイン)構造における最適値よりも厚くすると抵抗変化量が増加することが判明した。
即ち、本発明の一つの特徴は、フリー層及びピンド層の少なくとも一方が、面内方向に電流を流した場合に最も大きな抵抗変化量が得られる層厚よりも厚い層厚を有していることである。
好ましくは、フリー層及び/又はピンド層の層厚は3nm〜12nmの範囲内である。より好ましくは、この層厚は5nm〜7nmの範囲内である。 好ましくは、中間層の層厚は4nm〜6nmの範囲内である。
換言すると、フリー層及び/又はピンド層の層厚は、その層の磁化方向に対してスピン依存散乱されないスピン方向の伝動電子の平均自由行程の0.5〜2.0倍の範囲内であるのが好ましい。より好ましくは、フリー層又はピンド層の層厚は、スピン依存散乱されないスピン方向の伝動電子の平均自由行程とほぼ同程度の値である。
これは、平均自由行程と同程度の層厚を通過するとき、スピン依存散乱しない電子とスピン依存散乱する電子の電気抵抗の差が最も大きくなるためと考えられる。実際には、平均自由行程の2倍程度を超える厚さになると、電子のスピンが変化する可能性が大きくなるため、抵抗変化量が小さくなると考えられる。
この考え方を推し進めると、フリー層及びピンド層をCoFeBから形成した場合だけでなく、別の強磁性材料或いは2種類以上の強磁性材料を組み合わせてフリー層及びピンド層を形成した場合でも、スピン依存散乱されないスピン方向の伝動電子の平均自由行程を持って厚さを最適化することが可能である。
以下、図2乃至図9を参照してスピンバルブGMR膜6の膜構成について説明する。図2を参照すると、試料(a)の膜構成が示されている。試料(a)はCIP最適層厚シングルスピンバルブである。
下端子層4上に5nmのTa層16がスパッタ成膜されている。以下の各層もすべてスパッタリングにより成膜されている。Ta層16上には2nmのNiFe層18が成膜されており、Ta層16とNiFe層18の一部により下地層を構成する。
NiFe層18上には2nmのCoFbB層20が成膜されている。NiFe層18の一部とCoFeB層20によりフリー層が構成される。
CoFeB層20上には2.8nmのCu中間層22が成膜されている。Cu中間層22上には2.5nmのCoFeBピンド層24が成膜されている。
CoFeBピンド層24上には15nmのPdPtMn反強磁性層26が成膜されている。そして、反強磁性層26上には5nmのTaキャップ層28が成膜されている。キャップ層28は反強磁性層26を保護するものである。
図3を参照すると、試料(b)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。この試料(b)はCIP最適層厚でピンド層を積層フェリとしたシングルスピンバルブである。
試料(b)は試料(a)とピンド層の構成のみが相違し、他の層構成は試料(a)と同様である。即ち、試料(b)では、Cu中間層22上に2.5nmのCoFeB層24が成膜され、CoFeB層24上に0.8nmのRu層30が成膜され、Ru層30上に1.5nmのCoFeB層32が成膜されている。即ち、試料(b)では、Ru層30で分離された二つのCoFeB層24,32で積層フェリピンド層を構成する。図2の形態では下地層16上に、フリー層から順に反強磁性層まで積層されているが、積層順は逆でも良い。
図4を参照すると、試料(c)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(c)は、ピンド層及び中間層の厚さを増加し、且つピンド層を積層フェリ構造としたシングルスピンバルブである。
Cu中間層36の厚さを5nmに増加し、積層フェリピンド層をRu層30で分離された厚さ5nmと4nmの二つのCoFeB層38,40から構成したものである。
更に、CoFeBフリー層34の層厚を2nm〜12nmの間で変化させて、層厚に応じた抵抗変化量の測定を行った。
図5を参照すると、試料(d)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(d)は、CIP最適層厚のデュアルスピンバルブである。
試料(d)では、下地層は5nmのTa層16と2nmのNiFe層18から構成される。下地層上には15nmのPdPtMn反強磁性層42が成膜されている。
反強磁性層42上には2.5nmのCoFeBピンド層46が成膜されており、CoFeBピンド層44上には2.8nmのCu中間層46が成膜されている。
Cu中間層46上には、試料(a)と同様にCoFeBフリー層20,Cu中間層22,CoFeBピンド層24、PdPtMn反強磁性層26及びTaキャップ層28がそれぞれ成膜されている。
図6を参照すると、試料(e)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(e)は、CIP最適層厚で二つのピンド層をフェリ磁性構造としたデュアルスピンバルブである。
即ち、PdPtMn反強磁性層42上に1.5nmのCoEeB層48が成膜されている。CoFeB層48上には0.8nmのRu層50が成膜され、Ru層50上には2.5nmのCoFeB層52が成膜されている。Ru層50で分離された二つのCoFeB層48,52で積層フェリ構造を構成する。
Cu中間層46上には、試料(b)と同様なCoFeBフリー層20,Cu中間層22、Ru層30で分離された二つのCoFeB層24,32からなる積層フェリピンド層が成膜されている。更に、積層フェリピンド層上にPdPtMn反強磁性層26が成膜され、反強磁性層26上にTaキャップ層28が成膜されている。
図7を参照すると、試料(f)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(f)は、ピンド層及び中間層の層厚を増加し、更に二つのピンド層を積層フェリ構造としたデュアルスピンバルブである。
即ち、PdPtMn反強磁性層42上に4nmのCoFeB層54が成膜され、CoFeB層54上に0.8nmのRu層50が成膜され、Ru層50上に5nmのCoFeB層56が成膜されている。
Ru層50で分離された二つのCoFeB層54,56で積層フェリピンド層を構成する。CoFeB層56上に5nmのCu中間層58が成膜されている。
Cu中間層58上には図4の試料(c)と同様なフリー層34、中間層36、積層フェリピンド層38,30,40,反強磁性層26及びキャップ層28が成膜されている。
試料(c)と同様に、CoFeBフリー層34の層厚を2nm〜12nmの間で変化させて、抵抗変化量を測定した。
図8を参照すると、試料(g)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(g)は、ピンド層及び中間層の層厚を増加した点は図7の試料(f)に類似しているが、フリー層を2nmのCoFeB層60と、3nmのNiFe層62と、2nmのCoFeB層64から構成した点が試料(f)と相違する。
図9を参照すると、試料(h)のスピンバルブGMR膜の膜構成が示されている。試料(h)は図7に示した試料(f)に類似しており、フリー層を積層フェリ構造とした点が試料(f)と相違する。
即ち、Cu中間層58上に3nmのCoFeB層66が成膜され、CoFeB層66上に0.8nmのRu層68が成膜され、Ru層68上に6nmのCoFeB層70が成膜されている。
更に、CoFeB層70上に0.8nmのRu層72が成膜され、Ru層72上に3nmのCoFeB層74が成膜されている。Ru層68,72で分離された三つのCoFeB層66,70,74で積層フェリ構造を構成する。
図5〜図9に示した試料(d)〜試料(h)のデュアルスピンバルブでは、何れもピンド層が上下に2層配置され、フリー層は真中に1層のみ配置されている。
特に図示しないが、フリー層を上下に2層配置し、反強磁性層を真中に1層のみ配置した以下に示す積層構造のデュアルスピンバルブ磁気抵抗センサも本発明の範囲内である。
即ち、このデュアルスピンバルブ磁気抵抗センサは、第1の導体層と、該第1の導体層上に配置された第1フリー強磁性層と、該第1フリー強磁性層上に配置された第1非磁性中間層と、該第1非磁性中間層上に配置された第1ピンド強磁性層と、該第1ピンド強磁性層上に配置された反強磁性層と、該反強磁性層上に配置された第2ピンド強磁性層と、該第2ピンド強磁性層上に配置された第2非磁性中間層と、該第2非磁性中間層上に配置された第2フリー強磁性層とを含んでいる。
次に、図10(A)〜図14(C)及び図10(A´)〜図14(C´)を参照して、本発明の磁気抵抗センサの製造プロセスについて説明する。図10(A)〜図14(C)は断面図であり、図10(A´)〜図14(C´)は平面図を示している。
まず、図10(A)に示すように、Al23−TiC基板2上に400nmのCu及び100nmのAuからなる下端子層4をスパッタリングにより成膜する。
次に、下端子層4上に図2〜図9の何れかに示したスピンバルブGMR膜6をスパッタリングにより成膜する。スピンバルブGMR膜6上に10nmのCuと10nmのAuからなるキャップ層8をスパッタリングにより成膜する。
キャップ層8成膜後、100エルステッド(Oe)の磁場を印加しながら280℃で3時間の熱処理を行った。
次いで、図10(B)及び図10(B´)に示すように、キャップ層8上に下端子層形状のレジスト76を形成する。図10(C)及び図10(C´)に示すように、Arイオンによりイオンミル加工を行って、レジスト76を剥離すると、図11(A)及び図11(A´)に示す状態となる。
次いで、図11(B)及び図11(B´)に示すように、GMR部にレジスト78を形成し、図11(C)及び図11(C´)に示すように、イオンミル加工を行い、レジスト78を剥離すると、図12(A)及び図12(A´)に示す状態となる。
次いで、図12(B)及び図12(B´)に示すように、150nmのSiO2からなる絶縁層80をスパッタリングにより成膜する。次いで、図12(C)及び図12(C´)に示すように、絶縁層80上に絶縁層形状レジスト82を形成し、図13(A)及び図13(A´)に示すように、反応性イオンエッチング(RIE)加工を行い、レジストを剥離すると、図13(B)及び図13(B´)に示す状態となる。
次いで、図13(C)及び図13(C´)に示すように、300nmのCuからなる上端子層84を一様に形成する。図14(A)及び図14(A´)に示すように、上端子層84上に上端子層形状レジスト86を形成し、図14(B)及び図14(B´)に示すように、RIE加工を行い、レジスト86を剥離すると図14(C)及び図14(C´)に示す状態となり、CPPスピンバルブ磁気抵抗センサが完成する。
このようにして作成したCPPスピンバルブ磁気抵抗センサについて、±500エルステッド(Oe)の磁場を印加しながら、四端子法による抵抗測定を行った。
図7に示したCoFeBフリー層34の厚さ7nmの試料(f)について、素子サイズ(面積、μm2)による抵抗変化量ΔR(mΩ)の変化を図15に示す。測定データをy=A/xの曲線に回帰させ、1μm2時のΔRを算出すると3.8mΩμm2が得られた。
試料(a)〜(h)についても同様に1μm2時のΔRを算出した、これを図16及び図17に示す。図16の試料(c)及び(f)はフリー層の層厚が2nmのときの抵抗変化量ΔRである。
シングルスピンバルブGMR膜については、試料(a)に対し、積層フェリ化した試料(b)では1μm2時のΔRは約1.5倍となっている。更に、ピンド層及び中間層を増厚した試料(c)では1μm2時のΔRは約2倍となっている。
また、試料(a)をデュアルスピンバルブ化した試料(d)では1μm2時のΔRは約2倍となっている。更に、積層フェリ化した試料(e)ではΔRは試料(d)より大きくなっており、ピンド層を積層フェリ化し、更にピンド層及び中間層を増厚した試料(f)ではピンド層を積層フェリ化した試料(e)よりもΔRは大きくなっている。
試料(c)及び試料(f)ではフリー層の厚さを変化させた。この結果を図17に示す。図17を観察すると明らかなように、シングルスピンバルブの試料(c)では、フリー層の厚さ5nmで、デュアルスピンバルブの試料(f)では、フリー層の厚さが7nmで1μm2時のΔRは最も大きくなっている。
フリー層の構成を試料(f)から変化させた試料(g)及び試料(h)でもそれぞれ3.4,2.8mΩμm2と大きなΔRが得られた。
以上の実験結果から以下のように結論付けることができる。スピンバルブGMR膜をCPP構造で用いる場合、デュアルスピンバルブ化、積層フェリ化、ピンド層/中間層/フリー層の層厚を厚くすることにより抵抗変化量ΔRが向上する。
デュアルスピンバルブ化、積層フェリ化、ピンド層/中間層/フリー層の層厚を厚くすることは、単独でも抵抗変化量ΔR向上の効果があるが、これらを組み合わせることにより抵抗変化量ΔRをより大きく向上することができる。
尚、本実施形態では、積層フェリ化せずにピンド層及び中間層を増厚させた試料は特に図示されてないが、これらもΔRが向上することを確認している。
フリー層又はピンド層の層厚はCIP最適層厚よりも厚ければ抵抗変化量ΔRは向上する。フリー層又はピンド層の層厚は3nm〜12nmの範囲内が好ましく、5nm〜7nmの範囲内がより好ましい。
この最適層厚は、磁性材料のCoFeB内でスピン依存散乱しない電子の平均自由行程と同等である。フリー層及びピンド層の材料が変化してもスピン依存散乱しない電子の平均自由行程と同等の層厚が最適である。
尚、Cu中間層の層厚については、ピンド層又はフリー層を増厚した場合に磁性層間の層間結合を十分に遮断する必要がある。CIP最適層厚では、中間層の層厚は2.8nm前後であるが、ピンド層又はフリー層を増厚した場合はこれより厚くする必要があり、磁性層間の層間結合を十分に遮断するために4nm〜6nmの範囲内が好ましい。
上述したCPPスピンバルブ磁気抵抗センサは、主としてコンピュータの記録/再生装置である磁気ディスク装置の磁気抵抗ヘッドとして使用される。
図18を参照すると本発明第2実施形態の磁気抵抗ヘッド88の断面図が示されている。符号90は例えばNiFeから形成された第1磁気シールドであり、第1磁気シールド90上には例えばアルミナ(Al23)からなる絶縁層92が積層されている。96,112も同様に例えばアルミナ等から形成された絶縁層である。
絶縁層92上には下部電極端子94,98がめっき法又は蒸着法により形成されている。106はスピンバルブ磁気抵抗素子であり、NiFe/Cu/NiFe/IrMn等のスピンバルブGMR膜、NiFe/Cu/CoFeB/Ru/CoFeB/PdPtMn等の積層フェリスピンバルブGMR膜、NiFe/Al23/NiFe/PdPtMn等のトンネル接合型MR膜(TMR膜)を用いることができる。
102は例えばNiFeから形成された第1フラックスガイドであり、一端がヘッド88の媒体対向面88aに露出し、他端がスピンバルブ磁気抵抗素子106の1端と重なって配置されている。
第1フラックスガイド102はスピンバルブ磁気抵抗素子106と接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通していてもしていなくとも良い。
104は例えばNiFeから形成された第2フラックスガイドであり、一端がスピンバルブ磁気抵抗素子106の他端と重なって配置されている。第2フラックスガイド104はスピンバルブ磁気抵抗素子106と接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通していてもしていなくとも良い。
第1磁気シールド90と第2フラックスガイド104の間には、例えばNiFeから形成されたフラックスパス100が形成されている。フラックスパス100は第1磁気シールド90及び第2フラックスガイド104に接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通していてもしていなくても良い。
スピンバルブ磁気抵抗素子106の上には上部電極端子110が形成されており、更に上部電極端子110に電気的に導通して例えばNiFeから形成された第2磁気シールド114が形成されており、第26磁気シールド114が電極端子として機能する。
本実施形態の磁気抵抗ヘッド88はスピンバルブ磁気抵抗素子106の上下に電極94,98,110が配置されているため、スピンバルブ磁気抵抗素子106の膜面に垂直に電流を流すCPP構造である。116は記録トラック118を有する磁気記録媒体である。
本実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88は、磁気記録媒体116から漏洩する信号磁界は第1フラックスガイド102を通ってスピンバルブ磁気抵抗素子106に案内される。更に、スピンバルブ磁気抵抗素子106からの信号磁界は第2フラックスガイド104及びフラックスパス100を通って第1磁気シールド90に至る。
更に、電極端子98,110はスピンバルブ磁気抵抗素子106の膜面の一部に接触しており、該膜面内において電極端子98,110の方がスピンバルブ磁気抵抗素子106よりも小さなサイズを有している。
よって、最も感度の高いスピンバルブ磁気抵抗素子106の中央部の磁化の動きのみを電極端子98,110で検出することから、高感度なヘッド再生特性を得ることができる。
更に、フラックスガイド型構造であるため、スピンバルブ磁気抵抗素子106を直接研磨加工する必要がないので、歩留まり良くスピンバルブ磁気抵抗ヘッドを生産できる。
以下、図19(A)〜図21(C)及び図19(A´)〜図21(C´)を参照して、スピンバルブ磁気抵抗ヘッド88の製造方法について説明する。図19(A)〜図21(C)はスピンバルブ磁気抵抗素子の高さ方向の断面図であり、図19(A´)〜図21(C´)はトラック幅方向の断面図である。
まず、図示しない基板上に第1磁気シールド90,絶縁層92及び電極端子94を順次成膜する。次に、図19(A)及び図19(A´)に示すように、この電極端子94を所望の形状にパターニングする。
次に、絶縁層96を成膜し、絶縁層96上にレジスト97を形成し、このレジスト97を所望の形状にパターニングする。レジスト97をマスクとして、図19(B)及び図19(B´)に示すように、絶縁層96にイオンミリング等により穴を開ける。
次に、図19(C)及び図19(C´)に示すように、レジスト97は除去せずに電極端子94上に電極端子98を形成する。電極端子94と電極端子98は電気的に導通している。
次に、電極端子98を形成したのと同様な方法で、図19(D)に示すように、フラックスパス100を絶縁層92,96に穴を開けることにより形成する。ここで、第1磁気シールド90とフラックスパス100は接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通していてもしていなくても良い。
次に、図20(A)に示すように、第1フラックスガイド102と第2フラックスガイド104を電極端子98を形成したのと同様な方法で、絶縁層96に穴を開けることにより形成する。
ここで、第1フラックスガイド102は電極端子94,98及び第1磁気シールド90と電気的に接触しないように形成するのが望ましい。第2フラックスガイド104も電極端子94,98及び第1磁気シールド90と電気的に接触しないように形成するのが望ましい。
更に、第2フラックスガイド104はフラックスパス100と接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば、電気的に導通していてもしていなくとも良い。
次に、スピンバルブ磁気抵抗素子としてのGMR膜106をスパッタリングにより成膜し、GMR膜106上にレジスト107を形成して所望の形状にパターニングする。
図20(B)及び図20(B´)に示すように、このレジスト107をマスクとしてスピンバルブ磁気抵抗素子106を所望の形状にパターニングする。
ここで、スピンバルブ磁気抵抗素子106と第1、第2フラックスガイド102,104は膜面の一部において重なるように配置する。スピンバルブ磁気抵抗素子106と第1、第2フラックスガイド102,104は接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通していてもしていなくても良い。
次に、図20(C´)に示すように、レジスト107は除去しない状態で磁区制御膜108をスパッタリングによりスピンバルブ磁気抵抗素子106の両側に成膜する。この磁区制御膜108としては、CoCrPt等の高保磁力膜やPdPtMn等の反強磁性膜を用いることができる。
次に、電極端子110を一様に形成し、電極端子110上にレジスト111を形成してこのレジストを所望の形状にパターリングする。図21(A)及び図21(A´)に示すように、レジスト111をマスクとして電極端子110をパターニングする。
次に、レジスト111を除去せずに絶縁層112を成膜し、その後図21(B)及び図21(B´)に示すように、レジスト111を除去する。次に、図21(C)及び図21(C´)に示すように、絶縁層112上に第2磁気シールド114を形成してスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88が完成する。ここで、電極端子110と第2磁気シールド114は電気的に導通している。
第1、第2磁気シールド90,114,及び電極端子110はメッキ法や蒸着法により形成し、絶縁層92,96,112はスパッタリング法等により形成する。以上の製造方法により、フラックスガイド型でCPP構造の高感度のスピンバルブ磁気抵抗ヘッドが得られる。
図22を参照すると、本発明第3実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´の断面図が示されている。本実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´は図18に示した第2実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88に類似しているが、第2実施形態の電極94,98を有しない点で相違する。
本実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´では、スピンバルブ磁気抵抗素子106と第2フラックスガイド104は接触しており、フラックスパス100は第2フラックスガイド104と第1磁気シールド90に接触している。
よって、第1磁気シールド90とスピンバルブ磁気抵抗素子106はフラックスパス100、第2フラックスガイド104を介して電気的に導通している。よって、本実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´では、第1磁気シールド90が一方の電極端子として作用する。なお第3実施形態においても、シールド114は電極端子として作用する。
第1フラックスガイド102と第2フラックスガイド104の間には、Cu,Al23等から形成された非磁性膜122が形成されている。符号120は絶縁層である。
以下、図23(A)〜図25(B)及び図23(A´)〜図25(B´)を参照して、第3実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´の製造方法について説明する。図23(A)〜図25(B)はスピンバルブ磁気抵抗素子の高さ方向の断面図であり、図23(A´)〜図25(B´)はトラック幅方向の断面図である。
図示しない基板上に第1磁気シールド90、絶縁層120を順次成膜する。次に図23(A)に示すように、フラックスパス100を絶縁層120に穴を開けることにより作成する。ここで、第1磁気シールド90とフラックスパス100は接触しており、電気的に導通している。
次に非磁性膜122を成膜し、非磁性膜122上にレジスト123を形成して、レジスト123を所望の形状にパターニングする。図23(B)及び図23(B´)に示すように、このレジスト123をマスクとして非磁性膜122をパターニングする。非磁性膜122としてはCu,Al23等を用いることができる。
次にレジスト123を除去せずに第1フラックスガイド102と第2フラックスガイド104を成膜し、レジスト123除去後再度パターニングすることで、図23(C)及び図23(C´)に示すように、第1及び第2フラックスガイド102,104を形成する。ここで、第2フラックスガイド104はフラックスパス100と接触しており、電気的に導通している。
次に、スピンバルブ磁気抵抗素子としてのスピンバルブGMR膜106をスパッタリング法等により成膜し、GMR膜106上にレジスト107を一様に形成し、このレジスト107を所望形状にパターニングする。
図24(A)及び図24(A´)に示すように、レジスト107をマスクとして、GMR膜106を所望形状にパターニングする。ここで、スピンバルブ磁気抵抗素子(GMR膜)106と第1、第2フラックスガイド102,104は膜面の一部において重なるように配置する。
スピンバルブ磁気抵抗素子106と第1フラックスガイド102は接触していることが望ましいが、磁気的に結合できる程度に近接していれば電気的に導通してもしていなくとも良い。スピンバルブ磁気抵抗素子106と第2フラックスガイド104は接触しており、電気的に導通している。
次に、レジスト107を除去しない状態で、磁区制御膜108をスパッタリング法等により成膜し、レジスト107を除去すると、図24(B´)に示すように、スピンバルブ磁気抵抗素子106の両側に磁区制御膜108が形成される。磁区制御膜108としては、CoCrBt等の高保磁力膜、PdPtMn等の反強磁性膜を用いることができる。
次に、電極端子110を一様に形成し、この電極端子110上にレジスト111を一様に形成してから、レジスト111を所望形状にパターニングする。図24(C)及び図24(C´)に示すように、レジスト111をマスクとして、電極端子110を所望形状にパターニングする。
次に、レジスト111を除去せずに絶縁層112を成膜し、その後レジスト111を除去することにより、図25(A)及び図25(A´)に示す状態が得られる。
次に、図25(B)及び図25(B´)に示すように、絶縁層112上に第2磁気シールド114を形成することにより、スピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´が完成する。電極端子110と第2磁気シールド114は接触しており、電気的に導通している。
本実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´では、第1磁気シールド90が一方の電極端子を兼用することになり、CPP構造のスピンバルブ磁気抵抗ヘッド88´を構成することができる。
図26を参照すると、スピンバルブ磁気抵抗素子としての逆積層型のスピンバルブGMR膜の構造が示されている。図示しないSi基板上に5nmのTa下地層130,5nmのNiFeバッファ層132、25nmのPdPtMn反強磁性層134、2.2nmのCoFeBピンド層136がDCマグネトロンスパッタ法により成膜されている。
ピンド層136上に3.5nmのCu中間層138、Cu中間層138上に1.5nmのCoFeB及び2nmのNiFeからなるフリー層140が成膜されている。
フリー層140上に連続して、10nmのIrMnからなるフリー層140へのバイアス磁界印加層としての反強磁性層142、5nmのTaキャップ層144を成膜した。
この試料は規則系反強磁性材料であるPdPtMnの規則化のため、8×10-5パスカル(Pa)以下の真空中で2.5kエルステッド(Oe)の磁場を印加しながら280℃で3時間の熱処理を行った。
その後、この試料についてSF6ガスを用いてRIE処理を行った。RIE処理の条件は、プロセスガス圧0.5Pa、基板温度20℃、基板電位1ボルト、アンテナ電力100W、バイアス電力2Wであった。キャップ層144のTaはSF6ガスでエッチングされる。
図27にSF6ガスでのRIE処理時間とスピンバルブGMR膜の諸特性との関係を示す。Huaはフリー層とIrMn反強磁性層との間に動くバイアス磁界、Hcはフリー層の保磁力、Msはフリー層の飽和磁化である。
図27を観察すると、10分のRIE処理でフリー層140とIrMnバイアス磁界印加層142との間のバイアス磁界Huaは消失し、フリー層の保磁力Hcは約8エルステッド(Oe)となり、フリー層単層膜の特性と同等の値を示している。
一方、フリー層140の飽和磁化Ms及びスピンドルバルブGMR膜のMR比は殆ど変化していない。これによりフッ素を用いた場合にスピンバルブGMR膜の特性を維持したままで、IrMn反強磁性層(バイアス磁界印加層)142とフリー層140との間の交換結合力を消滅できることが理解される。
図28にスピンバルブGMR膜をSF6でRIE処理したときのF,Ir,Mnのピーク強度(含有量)とフリー層に働くHuaとの関係を示す。GMR膜中のF量は処理時間とともに増加しており、Huaの減少との間に相関が見られる。
一方、Ir及びMnの含有量は殆ど変化していないことから、IrMnは物理的にエッチングされずに残っていることがわかる。RIEを20分行った試料に280℃の熱処理を行ったところ、F量の変化はマイナス8%と殆ど減少しておらず、FはGMR膜中で化合物をつくり安定した状態であると言える。
図29にRIE処理前後のスピンバルブGMR膜のX線回折特性を示す。RIE処理前の試料では2θが41℃付近にHuaの発現に寄与するIrMnのfcc(111)ピークが観察される。一方、RIE処理後の試料ではそのピークが見られない。
このことからGMR膜中でフッ化物が形成されることにより、IrMnの結晶性が乱れたことがHuaが消滅した原因といえる。また、2θが44度付近に観察されるフリー層のfcc(111)のピークはRIE処理前後で変化していないことから、上述した条件でRIE処理を行うことで、フリー層140へ悪影響を与えず、反強磁性層142とフリー層140との間の交換結合力を消滅できることがわかる。
他の反強磁性層であるPdPtMn材料においてもフッ素又は塩素によりHuaが消失することを確認しており、この結果から、NiMn,PtMn,PdPtMn,IrMnと等のマンガン系の反強磁性材料に対し、フッ素又は塩素によりGMR膜の磁界感知部の交換結合力を消失できることが容易に類推できる。
本発明は以下の付記を含むものである。
(付記1) 磁気抵抗センサであって、
第1の導体層と、
該第1の導体層上に配置されたフリー強磁性層と、
該フリー強磁性層上に配置された非磁性中間層と、
該非磁性中間層上に配置されたピンド強磁性層と、
該ピンド強磁性層上に配置された反強磁性層と、
該反強磁性層上に配置された第2の導体層とを具備し、
前記フリー強磁性層及びピンド強磁性層の少なくとも一方が、面内方向に電流を流した場合に最も大きな抵抗変化率或いは抵抗変化量が得られる層厚よりも厚い層厚を有していることを特徴とする磁気抵抗センサ。
(付記2) 前記フリー強磁性層及びピンド強磁性層の少なくとも一方の層厚が、その層の磁化方向に対してスピン依存散乱されないスピン方向の伝導電子の平均自由行程の0.5〜2.0倍の範囲内である付記1記載の磁気抵抗センサ。
(付記3) 前記フリー強磁性層及びピンド強磁性層の少なくとも一方の層厚が、3nm〜12nmの範囲内である付記2記載の磁気抵抗センサ。
(付記4) 前記ピンド強磁性層が積層フェリ構造である付記1記載の磁気抵抗センサ。
(付記5) 前記フリー強磁性層が積層フェリ構造である付記1記載の磁気抵抗センサ。
(付記6) 前記非磁性中間層の層厚が、面内方向に電流を流した場合に最も大きな抵抗変化率或いは抵抗変化量が得られる層厚よりも厚い付記1記載の磁気抵抗センサ。
(付記7) 前記非磁性中間層はCuから形成され、その層厚が4nm〜6nmの範囲内である付記5記載の磁気抵抗センサ。
(付記8) 前記フリー強磁性層及び前記ピンド強磁性層はCo,CoFe,CoFeB,NiFeからなる群から選択される付記3記載の磁気抵抗センサ。
(付記9) 磁気抵抗センサであって、
第1の導体層と、
該第1の導体層上に配置された第1反強磁性層と、
該第1反強磁性層上に配置された第1ピンド強磁性層と、
該第1ピンド強磁性層上に配置された第1非磁性中間層と、
該第1非磁性中間層上に配置されたフリー強磁性層と、
該フリー強磁性層上に配置された第2非磁性中間層と、
該第2非磁性中間層上に配置された第2ピンド強磁性層と、
該第2ピンド強磁性層上に配置された第2反強磁性層と、
該第2反強磁性層上に配置された第2の導体層と、
を具備したことを特徴とする磁気抵抗センサ。
(付記10) 前記第1ピンド強磁性層、前記第2ピンド強磁性層及び前記フリー強磁性層のうち少なくとも一つの層厚が3nm〜12nmの範囲内である付記9記載の磁気抵抗センサ。
(付記11) 前記第1及び第2ピンド強磁性層及び前記フリー強磁性層はCo,CoFe,CoFeB,NiFeからなる群から選択される付記10記載の磁気抵抗センサ。
(付記12) 前記第1及び第2ピンド強磁性層及び前記フリー強磁性層のうち少なくとも一つが積層フェリ構造である付記9記載の磁気抵抗センサ。
(付記13) 前記第1及び第2非磁性中間層はCuから構成され、その層厚が4nm〜6nmの範囲内である付記9記載の磁気抵抗センサ。
(付記14) 磁気抵抗センサであって、
第1の導体層と、
該第1の導体層上に配置された第1フリー強磁性層と、
該第1フリー強磁性層上に配置された第1非磁性中間層と、
該第1非磁性中間層上に配置された第1ピンド強磁性層と、
該第1ピンド強磁性層上に配置された反強磁性層と、
該反強磁性層上に配置された第2ピンド強磁性層と、
該第2ピンド強磁性層上に配置された第2非磁性中間層と、
該第2非磁性中間層上に配置された第2フリー強磁性層と、
を具備したことを特徴とする磁気抵抗センサ。
(付記15) 第1の導体層と第2の導体層の間に磁気抵抗効果膜が配置された磁気抵抗センサであって、
前記磁気抵抗効果膜は、面内方向に電流を流した場合に最も大きな抵抗変化率或いは抵抗変化量が得られる層圧よりも厚い層圧を有していることを特徴とする磁気抵抗センサ。
(付記16) 前記磁気抵抗効果膜はフリー強磁性層及びピンド強磁性層を有するスピンバルブ膜であり、
前記フリー強磁性層及びピンド強磁性層の少なくとも一方は、面内方向に電流を流した場合に最も大きな抵抗変化率又は抵抗変化量が得られることを特徴とする付記15記載の磁気抵抗センサ。
(付記17) 記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗ヘッドであって、
第1電極端子と、
記録媒体から漏洩する信号磁界の変化を抵抗変化に変換する、前記ヘッドの媒体対向面から後退して且つ前記第1電極端子上に設けられたスピンバルブ磁気抵抗素子と、
一端が前記ヘッドの媒体対向面に露出し、他端が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の一端と重なって配置された、記録媒体からの磁束を前記スピンバルブ磁気抵抗素子に案内する第1フラックスガイドと、
一端が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の他端と重なって配置された第2フラックスガイドと、
前記スピンバルブ磁気抵抗素子上に設けられた第2電極端子と、
を具備したことを特徴とする磁気抵抗ヘッド。
(付記18) 前記スピンバルブ磁気抵抗素子は、前記第1電極端子上に設けられたフリー強磁性層と、該フリー強磁性層上に設けられた非磁性中間層と、該非磁性中間層上に設けられたピンド強磁性層と、該ピンド強磁性層上に設けられた反強磁性層とを含んでいる付記17記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記19) 前記第1及び第2フラックスガイドの少なくとも一方が前記スピンバルブ磁気抵抗素子に接触している付記17記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記20) 前記第1電極端子の下方に配置された第1磁気シールドと、
前記第2電極端子上に配置された第2磁気シールドとを更に具備し、
前記第2フラックスガイドと前記第1磁気シールドとはフラックスパスを介して磁気的に結合している付記17記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記21) 前記第1及び第2電極端子のうち少なくとも一方が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の膜面の一部に接触しており、該膜面内において前記一方の電極端子の方が前記スピンバルブ磁気抵抗素子よりも小さい付記17記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記22) 前記第1及び第2電極端子の他方の電極端子が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の膜面の一部に接触しており、該第1及び第2電極端子はほぼ同一サイズである付記21記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記23) 前記スピンバルブ磁気抵抗素子の両側に配置された磁区制御膜を更に具備し、
該磁区制御膜は高保磁力膜及び反強磁性膜の何れかから構成される付記17記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記24) 記録媒体に記録された情報を再生するスピンバルブ磁気抵抗ヘッドであって、
第1磁気シールドと、
該第1磁気シールド上に設けられた絶縁層と、
記録媒体から漏洩する信号磁界の変化を抵抗変化に変換する、前記ヘッドの媒体対向面から後退して且つ前記絶縁層上に設けられたスピンバルブ磁気抵抗素子と、
一端が前記ヘッドの媒体対向面に露出し、他端が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の一端と重なって配置された、記録媒体からの磁束を前記スピンバルブ磁気抵抗素子に案内する第1フラックスガイドと、
一端が前記スピンバルブ磁気抵抗素子の他端と接触して配置された第2フラックスガイドと、
前記スピンバルブ磁気抵抗素子上に設けられた電極端子と、
該電極端子の上に配置された第2磁気シールドと、
前記第2フラックスガイドと前記第1磁気シールドとを接続するフラックスパスと、
を具備したことを特徴とする磁気抵抗ヘッド。
(付記25) 前記スピンバルブ磁気抵抗素子は、前記第2フラックスガイドの一端に部分的に接触して前記絶縁層上に設けられたフリー強磁性層と、該フリー強磁性層上に設けられた非磁性中間層と、該非磁性中間層上に設けられたピンド強磁性層と、該ピンド強磁性層上に設けられた反強磁性層とを含む付記24記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記26) 前記電極端子は、前記スピンバルブ磁気抵抗素子の膜面の一部に接触しており、該膜面内において前記電極端子は前記スピンバルブ磁気抵抗素子よりも小さい付記24記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記27) 前記絶縁層上で且つ前記第1及び第2フラックスガイドの間に配置された非磁性層を更に具備し、
前記スピンバルブ磁気抵抗素子は前記非磁性層上に設けられている付記24記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記28) 前記スピンバルブ磁気抵抗素子の両側に配置された磁区制御膜を更に具備し、
該磁区制御膜は高保磁力膜及び反強磁性膜の何れかから構成される付記24記載の磁気抵抗ヘッド。
(付記29) 磁気抵抗センサであって、
第1反強磁性層と、
該第1反強磁性層上に配置されたピンド強磁性層と、
該ピンド強磁性層上に配置された非磁性中間層と、
該非磁性中間層上に配置されたフリー強磁性層と、
該フリー強磁性層上に配置された、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層とを具備し、
前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分が、該第2反強磁性層の構成元素とフッ素及び塩素からなる群から選択された反応性元素との化合物から構成されることを特徴とする磁気抵抗センサ。
(付記30) 前記第2反強磁性層はマンガンと他の金属元素との合金から構成される付記29記載の磁気抵抗センサ。
(付記31) 前記第2反強磁性層はNiMn,PtMn,PdPtMn,IrMnからなる群から選択される合金から構成される付記30記載の磁気抵抗センサ。
(付記32) 磁気抵抗センサの製造方法であって、
第1反強磁性層を形成し、
該第1反強磁性層上にピンド強磁性層を形成し、
該ピンド強磁性層上に非磁性中間層を形成し、
該非磁性中間層上にフリー強磁性層を形成し、
該フリー強磁性層上に、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層を形成し、
前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分に、フッ素及び塩素からなる群から選択される反応性元素ガスを照射することにより、前記部分に前記第2反強磁性層の構成元素と前記反応性元素との化合物を形成する、
各ステップから構成されることを特徴とする磁気抵抗センサの製造方法。
本発明第1実施形態のCPPスピンバルブ磁気抵抗センサの断面図である。 試料(a)の構成を示す図である。 試料(b)の構成を示す図である。 試料(c)の構成を示す図である。 試料(d)の構成を示す図である。 試料(e)の構成を示す図である。 試料(f)の構成を示す図である。 試料(g)の構成を示す図である。 試料(h)の構成を示す図である。 図10(A)〜図10(C)及び図10(A´)〜図10(C´)は磁気抵抗センサ製造プロセスを示す図であり、図10(A)〜図10(C)は断面図、図10(A´)〜図10(C´)は平面図をそれぞれ示している。 磁気抵抗センサの製造プロセスを示す図である。 磁気抵抗センサの製造プロセスを示す図である。 磁気抵抗センサの製造プロセスを示す図である。 磁気抵抗センサの製造プロセスを示す図である。 GMRサイズに応じた抵抗変化量ΔRを示す図である。 試料(a)〜試料(f)の抵抗変化量ΔRを示す図である。 フリー層の層厚による抵抗変化量ΔRを示す図である。 本発明第2実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッドの断面図である。 図19(A)〜図19(D)及び図19(A´)〜図19(D´)は磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図であり、図19(A)〜図19(D)はスピンバルブ磁気抵抗素子の高さ方向の断面図、図19(A´)〜図19(D´)はトラック幅方向の断面図である。 磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図である。 磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図である。 本発明第3実施形態のスピンバルブ磁気抵抗ヘッドの断面図である。 図23(A)〜図23(C)及び図23(A´)〜図23(C´)は磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図であり、図23(A)〜図23(C)はスピンバルブ磁気抵抗素子の高さ方向の断面図、図23(A´)〜図23(C´)はトラック幅方向の断面図である。 磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図である。 磁気抵抗ヘッドの製造プロセスを示す図である。 逆積層型のスピンバルブGMR膜の構成を示す図である。 スピンバルブGMR膜をSF6でRIE処理したときの処理時間と膜特性との関係を示す図である。 スピンバルブGMR膜をSF6でRIE処理したときのF,Ir,Mnのピーク強度とフリー層に働くHuaとの関係を示す図である。 RIE処理前後のスピンバルブGMR膜のX線回折特性を示す図である。
符号の説明
2 基板
4 下端子
6 スピンバルブGMR膜
8 キャップ層
10 上端子
88 スピンバルブ磁気抵抗ヘッド
90 第1磁気シールド
94,98,110 電極
100 フラックスパス
102 第1フラックスガイド
104 第2フラックスガイド
106 スピンバルブ磁気抵抗素子(スピンバルブGMR膜)
114 第2磁気シールド
116 磁気記録媒体

Claims (4)

  1. 磁気抵抗センサであって、
    第1反強磁性層と、
    該第1反強磁性層上に配置されたピンド強磁性層と、
    該ピンド強磁性層上に配置された非磁性中間層と、
    該非磁性中間層上に配置されたフリー強磁性層と、
    該フリー強磁性層上に配置された、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層とを具備し、
    前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分が、該第2反強磁性層の構成元素とフッ素及び塩素からなる群から選択された反応性元素との化合物から構成されることを特徴とする磁気抵抗センサ。
  2. 前記第2反強磁性層はマンガンと他の金属元素との合金から構成される請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  3. 前記第2反強磁性層はNiMn,PtMn,PdPtMn,IrMnからなる群から選択される合金から構成される請求項2記載の磁気抵抗センサ。
  4. 磁気抵抗センサの製造方法であって、
    第1反強磁性層を形成し、
    該第1反強磁性層上にピンド強磁性層を形成し、
    該ピンド強磁性層上に非磁性中間層を形成し、
    該非磁性中間層上にフリー強磁性層を形成し、
    該フリー強磁性層上に、交換結合力により該フリー強磁性層の磁区制御を行う第2反強磁性層を形成し、
    前記フリー強磁性層の磁界感知部と接する前記第2反強磁性層の部分に、フッ素及び塩素からなる群から選択される反応性元素ガスを照射することにより、前記部分に前記第2反強磁性層の構成元素と前記反応性元素との化合物を形成する、
    各ステップから構成されることを特徴とする磁気抵抗センサの製造方法。
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