JP2005243360A - 改質器、および改質器を備えた燃料電池システム - Google Patents

改質器、および改質器を備えた燃料電池システム Download PDF

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Abstract


【課題】 燃料の改質効率が良好となる改質器、および改質器を備えた燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 改質器20の反応槽26の内部の分離壁261からこの分離壁261と対向する周面部201の内壁に向かって、または、分離壁261と対向する反応槽26の周面部201の内壁から分離壁261に向かって、下方に傾斜して、表面に触媒263が設けられた複数の傾斜板262A,262Bが交互に形成されている。そして、この傾斜板262A,262Bは、液体燃料が下方に向かって蛇行して流れる流路を形成している。これにより、液体燃料の触媒反応にかかる時間が十分に長くなり、未改質の液体燃料の排出量が低減し、液体燃料単位体積あたりの水素Hの生成量が増加する。従って、改質器20の改質効率を向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体燃料を触媒反応させて改質させる改質器、および改質器を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、外部から燃料と酸素とを連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギを取り出すものである。燃料電池は、他の発電方式に比べて高効率で二酸化炭素の排出量が少ないため、環境問題が顕著になっている近年注目されている。
例えば高分子電解質形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)は、低い温度で動作が可能で起動時間が短く、小型化も可能である。この高分子電解質形燃料電池は、高分子固体電解質膜を空気側電極と燃料側電極とで挟んだ構造のMEA(Membrane Electrode Assembly)を備え、空気側電極に空気(酸素)を供給し、燃料側電極にメタノールや改質した水素などの燃料を供給することにより、電気化学的反応が起こり、電力が発生する(例えば特許文献1)。
特開平8−162132号公報
改質した水素を燃料として使用する高分子電解質形燃料電池では、メタノールなどの燃料を改質して水素を取り出す改質器を必要とする。しかしながら、このような高分子電解質形燃料電池を小型化しようとすると、改質器の大きさも燃料電池とともに小型化する必要がある。改質器が小型化すると、未改質の燃料の排出量が多くなるため、改質効率が低下してしまう。従って、改質器の小型化を促進させるためには、改質効率をより向上させる必要がある。
また、改質器の触媒として加熱触媒を用いている場合では、改質を促進するために触媒を所定温度に加熱し保持することが必要となる。ところが、この加熱触媒に燃料を供給すると、燃料の温度によって触媒の温度が低下してしまう。このため、改質器の小型化を促進する場合では、改質器の小型化に伴って収納される加熱触媒も少量となるため、燃料の供給による触媒の温度低下への影響が大きくなり、適切な温度を保持することができないという問題がある。
本発明の目的は、燃料の改質効率が良好となる改質器、および改質器を備えた燃料電池システムを提供することである。
本発明の改質器は、燃料電池用の液体燃料を触媒反応させて改質させる改質器であって、液体燃料を流入する液体燃料流入口と、この液体燃料流入口の下方に配置されて触媒が設けられる反応槽とを備え、前記反応槽の内部には、表面に前記触媒が設けられる複数の傾斜板が形成され、前記傾斜板は、前記液体燃料を下方に向かって蛇行して流す流路を形成していることを特徴とする。
この発明によれば、反応槽の内部に、触媒が設けられる複数の傾斜板が形成され、この傾斜板は、液体燃料が下方に向かって蛇行して流れる流路を形成している。この流路は、例えば反応槽内に互いに対向して形成される壁面を設け、この壁面に挟持されるように複数の傾斜板を設けることで形成される。これにより、液体燃料は、この傾斜板上を触媒反応しながら下方に蛇行してゆっくりと流れ落ちていく。従って、流入された液体燃料のほとんどが触媒と反応して改質されるようになるから、未改質の液体燃料の排出量が低減し、液体燃料単位体積あたりの改質ガスの生成量が増え、改質効率の向上が図れる。この結果、改質器の小型化が促進される。
また、本発明では、前記傾斜板は、前記液体燃料が流れる略蛇行状の流路溝を備えたことが好ましい。
この発明によれば、傾斜板上に略蛇行する流路溝が形成されているので、液体燃料は傾斜板上を傾斜方向に真っ直ぐに流れ落ちるのではなく、この流路溝に沿って蛇行しながら流れ落ちていく。このため、液体燃料が流れ落ちる流路が一層長くなるから、未改質の液体燃料の排出量がさらに減少し、改質器の改質効率をより向上させることができる。
この時、前記触媒は、少なくとも前記流路溝内に設けられることが好ましい。
この発明によれば、触媒は、液体燃料が流れる傾斜板上の流路溝内に設けられているので、流路溝内を流れる液体燃料が確実に改質される。また、液体燃料がさほど流れない他の位置に触媒を敷き詰める必要がなくなるため、余分な触媒を不要にでき、この改質器を製造するための生産コストを低減できる。
そして、本発明では、前記触媒は、粒状に形成されて、前記傾斜板上に敷き詰められていることが考えられる。
この発明によれば、触媒は粒状に形成されて傾斜板上に敷き詰められているので、隣り合う触媒の間には触媒の粒径に応じた所定間隔寸法の隙間が生じ、この隙間に液体燃料が流れ込むことにより、液体燃料と触媒とが接触して触媒反応が良好に行われるようになる。
また、本発明では、前記触媒は、前記傾斜板の表面に薄層状に形成されて当該表面を被覆している構成としてもよい。なお、触媒を被覆する方法としては、メッキやディッピング成形などの各種手段を用いることができる。
この発明によれば、触媒をメッキやディッピング成形などによって傾斜板上に簡単に被覆できるので、生産にかかる手間やコストを低減できる。また、傾斜板の表面全体において触媒反応を生じさせることができるため、未改質の液体燃料の排出量を減少して、改質ガスの生成効率をより良好にできる。
本発明では、液体燃料を流入する液体燃料流入口と、この液体燃料流入口の下方に配置されて触媒が設けられる反応槽とを備え、液体燃料を触媒反応させて改質させる改質器であって、前記反応槽には、上方から下方に向かうに従って、流路抵抗が大きくなる流路が形成されていることを特徴とする。
反応槽の上方では、液体燃料の濃度が高いため、流路抵抗が小さく液体燃料が流れやすくても、触媒反応は、比較的頻繁に生じる。一方、反応槽の下方では、液体燃料の濃度が低くなるため、流路抵抗が小さいと、液体燃料がすぐに流れ落ちてしまい、十分な触媒反応を生じさせることができず、未改質の液体燃料の排出量が増加する。
これに対して、本発明では、反応槽には、上方から下方に向かうに従って、流路抵抗が大きくなって液体燃料が流れにくくなる流路が形成されている。これにより、反応槽の上方側では、液体燃料の濃度が高いので、流路抵抗が小さくとも、良好に改質でき、下方への流れもスムーズである。また、反応槽の下方においては、液体燃料の濃度が低下したとしても、流路抵抗が大きくなっているため、多量の液体燃料が流れ落ちにくくなるが、その分触媒反応時間を長くでき、改質器の改質効率が向上する。
この時、前記反応槽の上方側には、粒径の大きい粒状の触媒が充填され、前記反応槽の下方側には、粒径の小さい粒状の触媒が充填されることが考えられる。
この発明によれば、反応槽の上方側に粒径の大きい触媒を充填して、反応槽の下方側に粒径の小さい触媒を充填している。このようにすれば、反応槽の上方側では、粒径の大きい触媒が並ぶことで、各触媒間の隙間が大きくなって流路が大きくなり、流路抵抗が小さくなる。一方、反応槽の下方側では、粒径の小さい触媒が並ぶことで、各触媒間の隙間が小さくなって流路が小さくなり、流路抵抗が大きくなる。
また、本発明では、前記反応槽には、前記触媒が表面に担持されるとともに、上部側が大径で下部側が小径となるテーパ孔が形成された流路形成体が設けられている構成としてもよい。
この発明によれば、流路形成体には、上部側が下部側よりも大径となるテーパ孔が形成されている。これにより、この流路形成体に液体燃料を流入させた際、径の大きいテーパ孔の上部側では、流路抵抗が小さくなり、小径テーパ孔の下部側では、流路抵抗が大きくなって、液体燃料の流速が小さくなる。従って、液体燃料の濃度が小さいテーパ孔の下部側において、十分な触媒反応時間を確保できる。
そして、本発明では、前記流路形成体は、水平方向に複数の前記テーパ孔を有することが好ましい。
この発明によれば、流路形成体には、水平方向に、テーパ孔が複数形成されているので、流路抵抗に基づいた反応促進をより良好にできる。
また、本発明では、前記流路形成体は、鉛直方向に複数の前記テーパ孔を有することが好ましい。
この発明によれば、鉛直方向に複数のテーパ孔を設けたので、液体燃料は複数回テーパ孔を流れ落ちるため、触媒反応に費やされる時間がより多くなり、改質器の改質効率がさらに良好となる。
さらにこの時、下方側に配置されるテーパ孔は、上方側に配置されるテーパ孔よりも流路抵抗が大きくなることが好ましい。
この発明によれば、反応槽の上方側に流路抵抗の小さいテーパ孔が配置され、反応槽の下方側に流路抵抗の大きいテーパ孔が配置される。これによって、流路の長さが長くなるうえ、液体燃料は、反応槽の下方側に流れ落ちるに従って流れにくくなり、より効果的に改質器の改質効率を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムは、前述の改質器と、改質器で取り出された水素により発電する燃料電池を備えて構成されていることが望ましい。
この発明によれば、燃料電池システムが前述の改質器を備えているので、前述の効果と同様の効果が得られ、改質器の改質効率が向上する。従って改質器を小型化しても十分な改質効率が良好で安定した改質ガスの供給が可能となるので、改質器の小型化が可能となり、燃料電池システムの小型化も促進される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の改質器20を備えた燃料電池システム1を示すブロック図である。図2は、第1実施形態の改質器20の概略を示す縦断面図である。
図1において、燃料電池システム1は、燃料電池10と、この燃料電池10で用いられる改質ガスとしての水素Hを生成する改質器20と、液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部30と、改質器20から排出される廃液を貯蔵する廃液貯蓄部40と、を備えている。改質器20と燃料電池10との間には、改質器20で生成する水素Hとそれ以外の物質、例えば二酸化炭素COなどを分離する水素透過器50と、生成した水素Hを一時貯蓄するとともに、この水素Hを所定圧力で燃料電池10に送る水素ストレージ60とが設けられている。この燃料電池システム1は、例えば、携帯用パーソナルコンピュータや、携帯電話などの携帯機器や小型機器に組み込まれる。
燃料電池10は、内部において水素Hと空気中の酸素Oとを化学反応させて、電気エネルギを得るものである。この燃料電池10としては、例えば、小型化が可能な固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)が用いられる。なお、本実施形態では、前述したように、携帯機器や小型機器に用いられる燃料電池システム1を例としているため、燃料電池10としては、小型化が可能な固体高分子型燃料電池を用いたが、燃料電池システム1の用途などによって、例えばリン酸型燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体電解質型燃料電池(Solid Oxide Electrolyte Fuel Cell:SOFC)、などを用いてもよい。
改質器20は、燃料貯蔵部30から供給される液体燃料を触媒反応させて、燃料電池10に燃料として用いられる水素Hを生成する装置である。改質器20の詳細については、後述する。
燃料貯蔵部30には、液体燃料が貯蓄されている。この燃料貯蔵部30としては、例えば、燃料電池システム1に取り外し自在となる燃料カートリッジや、燃料電池システム1に直接組み込まれる燃料タンクが挙げられる。また、液体燃料としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム等のボロハイドライド燃料や、デカリン、シクロへキサン、メチルシクロヘキサンなどの有機ハイドライド燃料、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系燃料などが採用できる。この燃料貯蔵部30と改質器20との間には、液体燃料を改質器20に供給するための燃料供給ポンプ31が設けられている。この燃料供給ポンプ31は、燃料貯蔵部30から改質器20に液体燃料を所定量、所定流速で供給している。
なお、第1実施形態では、燃料供給ポンプ31を用いて液体燃料を改質器20に供給する構成を示したが、これに限定されない。例えば、燃料貯蔵部30と改質器20との水頭圧によって液体燃料を自然供給できる燃料供給弁を用いる構成であってもよい。
廃液貯蓄部40は、改質器20で不要となった廃液や、改質器20で改質されなかった液体燃料、あるいはその他不要物などを貯蓄する。この廃液貯蓄部40と改質器20との間には、廃液排出ポンプ41が設けられていて、改質器20に溜まった廃液を適宜排出貯蓄部40に排出している。
水素透過器50は、改質器20で水素Hとともに発生して燃料電池10の燃料として用いられないもの、例えば二酸化炭素COや余分な水蒸気などを除去する装置である。このような不要物は、例えば活性炭や、シリカゲルなどの吸着剤やアミン系有機物などの吸収剤が用いられる。また、水蒸気の除去には、例えば水素透過器の内部を露点以下の低温にすることで水蒸気を水滴に変化させて除去させてもよい。
水素ストレージ60は、水素透過器50を通過した高純度の水素を一時貯蓄する。そして、水素ストレージ60には、図示しない送りポンプが設けられていて、この送りポンプによって、燃料電池10内に水素Hが送られる。なお、このような送りポンプや、前述の燃料供給ポンプ31、廃液排出ポンプ41としては、いわゆるマイクロポンプが採用できる。
次に、改質器20について詳細に説明する。
改質器20は、略筒形状の周面部201と、この周面部201の上下端部を覆う上面部202および下面部203とを備えて形成されている。そして、改質器20には、液体燃料を改質器20内に流入する液体燃料流入口21と、廃液を取り出す廃液排出口22と、生成された水素を取り出す水素取得口23と、改質器20内の圧力を計測する圧力センサ24(図1のみ図示)と、改質器20内が所定の圧力を超えて大きくなったときに外部に圧力を逃がす圧力逃がし弁25(図1のみ図示)と、を備え、内部が液体燃料を触媒反応させて水素を生成する反応槽26(図2参照)になっている。
液体燃料流入口21は、上面部202に設けられ、液体燃料を反応槽26の上方から下方に所定の流量で滴下させる。廃液排出口22は、改質器20の下面部203、あるいは、図2に示すように周面部201の下方側に設けられ、この廃液排出口22から廃液を排出させる。この時、廃液排出ポンプ41までの排出路の途中に逆止弁を設けるなどすることで、廃液排出口22から廃液が改質器20内に逆流しない構成となっている。水素取得口23は、改質器20の上面部202または、図2に示すように周面部201の上方側に設けられ、改質器20内で発生した水素Hが水素透過器50に送られる。
圧力センサ24は、改質器20の上面部202に取り付けられ、反応槽26の圧力を計測している。また、圧力センサ24の近傍の改質器20の上面部202には、圧力逃がし弁25が設けられている。そして、反応槽26内の圧力が所定の圧力よりも大きくなった場合、圧力センサ24がこの圧力を検知し、圧力逃がし弁25を開いて圧力を降下させる。なお、これらの圧力センサ24および圧力逃がし弁25は、改質器20の上部に設けられるとしたが、これに限定されず、例えば改質器20の周面部201であってもよく、また改質器20の下面部203に設けられていてもよい。
図2において、反応槽26は、反応部26Aと、水素分離部26Bと、廃液溜め部26Cと、を備えている。反応部26Aと水素分離部26Bとの間には、分離壁261が形成され、反応部26Aと廃液溜め部26Cとの間、および水素分離部26Bと廃液溜め部26Cとの間には、廃液分離壁264が設けられている。
分離壁261は、鉛直な両端辺が周面部201の対向する内壁に挟持されているとともに、廃液分離壁264の上面から立ち上がって形成されている。そして、分離壁261の上端部と上面部202との間には、反応部26Aで生成した水素Hが通過する水素通過部265が形成されている。
廃液分離壁264は、周部が周面部201の内壁と当接して設けられ、反応部26Aおよび水素分離部26Bと廃液溜め部26Cとを分離している。この廃液分離壁264の反応部26A側は、例えば金属メッシュや複数の孔部を有する金属板などで形成され、上方から流れ落ちてきた廃液を下方に通過させることができる。一方、廃液分離壁264の水素分離部26B側には、メッシュや孔部が形成されず、廃液溜め部26Cが水素分離部26B側に、廃液が移動できない構成となっている。
反応部26Aには、斜め下向きに傾斜した複数の傾斜板262A,262Bが配置されている。これらの傾斜板262A,262Bは、対向する2辺が周面部201の内壁に挟まれるように配置されている。傾斜板262Aの上方の一辺は、分離壁261に当接され、下方の一辺は周面部201の内壁から離れて設けられ、開口部262Cが形成されている。傾斜板262Bの上方の一辺は、周面部201に当接され、下方の一辺は分離壁261から離れて設けられ、開口部262Dが形成されている。この開口部262C,262Dの隙間寸法は、特に限定されないが、液体燃料が傾斜板262A,262Bの上端部により近い位置に滴下されるように設定されていることが好ましい。傾斜板262Aと傾斜板262Bとは、互いに交わらないように交互に配置されている。具体的には、最も上方に設けられた傾斜板262Aの下側近傍に、最も上方に設けられる傾斜板262Bの上側近傍が形成され、この傾斜板262Bの下側近傍に、上から2番目に設けられる傾斜板262Aの上側近傍が形成され、以下同様に傾斜板262Aと傾斜板262Bが交互に配列されている。これにより、傾斜板262A,262Bの上面に、下方側に向かって蛇行して流れる液体燃料の流路が形成される。
そして、これらの傾斜板262A,262Bの上面には、粒状の触媒263が高密度に敷き詰められている。この触媒263としては、例えば液体燃料がボロハイドライドの場合では、白金Pt、ルテニウムRu、ロジウムRhなどの白金族や、コバルトCo、ニッケルNi、ラネーニッケル、フッ化処理した水素吸蔵合金などが採用できる。また、液体燃料が有機ハイドライドの場合では、触媒11の触媒材料として、白金Pt、ルテニウムRu、ロジウムRhなどの白金族などが採用できる。そして燃料がメタノールの場合では、触媒11の触媒材料として水蒸気改質触媒が採用でき、例えばNiや、銅系、Cu/ZnO/Al2O3系、Pd/ZnO等が採用できる。
このような反応槽26に液体燃料を流入すると、液体燃料は、液体燃料流入口21から下方の最も上方に設けられる傾斜板262Aの上端近傍に滴下される。そして傾斜板262Aの傾斜面の表面を触媒263と接触しながらゆっくりと流れ落ちていく。傾斜板262Aの下端に到達した液体燃料は、開口部262Cから下方に設けられる傾斜板262Bの上端近傍に滴下される。以下同様にして、液体燃料は、傾斜板262Bの表面を触媒263と接触しながらゆっくりと流れ、下端に到達すると開口部262Dから下方に設けられる傾斜板262Aの上端近傍に滴下される。このようにして、液体燃料流入口21から滴下された液体燃料は、傾斜板262A,262B上を下方に向かって蛇行しながら廃液溜め部26Cまでゆっくりと流れ落ちていく。
そして、この傾斜板262A,262Bの表面を液体燃料が流れ落ちる途中では、触媒263との接触により、以下の(1)式に示すような触媒反応が起こる。
CHOH+HO → H+CO …(1)
この触媒反応により発生した水素Hは、反応部26Aの空間を上昇して、水素通過部265から水素分離部26Bに入る。この水素分離部26Bでは、発生した水素Hの他、副生物としての二酸化炭素COや水蒸気なども混入して入れられる。そして、質量が他の気体よりも軽い水素Hは、水素分離部26Bの上方に溜まりやすく、この水素分離部26Bの周面部201の上方側、または上面部202に、水素取得口23を設けることで、容易に水素Hを取り出すことができる。ここで、触媒反応で発生した水素Hは、水素分離部26Bの上方側に溜まりやすく、従って水素取得口23から排出される。
廃液溜め部26Cは、反応部26Aで反応し終わった液体燃料の廃液や反応しなかった未改質の液体燃料を一時貯蔵する。この廃液溜め部26Cには、所定量の廃液を貯蔵できるようになっており、廃液の量が所定量を越えると、廃液排出ポンプ41が作動して廃液貯蓄部40に廃液溜め部26Cの廃液が排出される。
上記のような第1実施形態の改質器20では、次のような効果が得られる。
(1)改質器20の反応槽26の内部には、傾斜板262A,262Bにより、液体燃料が下方に向かって蛇行して流れる流路が形成されているため、液体燃料をこの傾斜板262A,262B上を触媒反応させながら下方に蛇行してゆっくりと流れ落とすことができる。従って、流入された液体燃料のほとんどを触媒と反応させて改質できるから、未改質の液体燃料の排出量を低減でき、液体燃料単位体積あたりの水素Hの生成量を増やして、改質効率を向上させることができる。この結果、改質器20の小型化を促進できる。
(2)触媒263は、粒状に形成されていて、傾斜板262A,262Bの表面上に高密度に敷き詰められている。この構成により、隣り合う触媒263間に隙間が生じ、この隙間に液体燃料が流れ込むため、液体燃料と触媒との接触面積が増大し、触媒反応を良好に行わせることができる。また、触媒263が高密度に敷き詰められることで、液体燃料と触媒263との接触面積をさらに増大させることができ、液体燃料の触媒反応をより促進して、未改質の液体燃料の排出量をさらに低減できる。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態の改質器20Aについて図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成、または類似した構成については、図面にて同符号を付し、ここでは説明を省略または簡略化する。後述する第3および第4実施形態でも同様である。
図3は、第2実施形態の改質器20Aの概略を示す縦断面図である。図4は、改質器20Aの傾斜板266A,266Bを上方側から見たときの正面図である。なお、第2実施形態では、反応槽26で用いられる傾斜板266A,266Bが第1実施形態とは異なる。従って、改質器のその他の構成としては、第1実施形態と略同様である。
図3において、反応部26Aには、第1実施形態と同様、分離壁261から斜め下向きに傾斜する傾斜板266Aと、分離壁261に対向する周面部201の内壁から斜め下向きに傾斜する傾斜板266Bとが、それぞれ分離壁261の端辺に当接して互いに対向する周面部201に挟持されて配置されている。これらの傾斜板266Aと傾斜板266Bとは、互いに接触しないように交互に配列されている。また、傾斜板266Aの先端部と周面部201の内壁との間には、所定の幅寸法の開口部262Cが形成され、傾斜板266Bの先端部と分離壁261との間には、所定の幅寸法の開口部262Dが形成されている。
図4に示すように、傾斜板266A,266Bの上面側表面には、液体燃料の流路27が形成されている。この流路27は、傾斜板266A,266Bの基端側端部に形成される始点271と、先端側端部に形成される終点272との間を蛇行して形成される流路溝270と、この流路溝270から派生する複数の補助溝273とを備えている。流路溝270は、例えば、傾斜板266A,266Bの傾斜方向と略直交する方向に伸びる複数の直線状の横溝を有し、傾斜方向と同方向に伸びる縦溝で隣り合う横溝の一端同士が連結されることで、始点271から終点272までが一本の溝となるように形成されている。補助溝273は、この流路溝270の横溝から傾斜方向上側に延びており、補助溝273に入った液体燃料が自然に流路溝270に流れ込むように形成されている。なお、流路27の流路溝270および補助溝273の形状は、これに限定されず、例えば流路溝が傾斜方向に沿ってジグザクに延びる形状であってもよく、また補助溝が蛇行した形状であったり複数の溝が枝状に派生して形成される形状であったりしてもよい。
また、この流路27の流路溝270および補助溝273の表面には、触媒が担持されている。この触媒は、流路27の流路溝270および補助溝273の表面に、メッキ、またはディッピング成形などによって薄層状に被覆されて形成されている。なお、ここでは、メッキやディッピング成形により触媒を流路27に沿って担持したが、これに限らず、例えば第1実施形態のように、粒状の触媒が流路27内の表面に敷き詰められる構成としてもよい。なお、触媒が流路27内の表面に設けられる構成を示しているが、傾斜板266A,266Bの表面全体に担持されている構成としてもよい。
このような改質器20Aに液体燃料を滴下すると、液体燃料は、傾斜板266Aの流路27の最も上方の横溝に流れ込み、流路27に沿ってゆっくりと流れ出す。また、複数の補助溝273を設けているので、流路溝270以外に滴下された液体燃料はこの補助溝273を伝って流路溝270に誘導される。
そして、液体燃料は、流路27の終点272まで到達すると、傾斜板266A,266Bの傾斜方向に流れ、開口部262C,262Dから下方に設けられる傾斜板266B,266Aの流路27の始点271近傍に滴下される。このようにして、液体燃料は、傾斜板266A,266Bの流路27をゆっくりと流れ、流路27に担持された触媒によって反応が促進されて水素Hを生成する。
第2実施形態の改質器20Aでは、第1実施形態の効果(1)〜(2)の効果に加えて次の効果が得られる。
(3)改質器20Aの傾斜板266A,266B上に略蛇行する流路溝270が形成されているので、液体燃料は、この流路溝270に沿って蛇行しながらゆっくりと流れ落ちていく。このため、液体燃料が流れ落ちる流路が一層長くなるから、未改質の液体燃料の排出量をさらに低減でき、改質器20Aの改質効率をより向上させることができる。
(4)触媒は、流路27の流路溝270および補助溝273の表面に設けられているため、液体燃料が流れる傾斜板266A,266B上の流路27内に触媒を設ければよい。これにより、液体燃料が流れない位置に触媒を設ける必要がなく、この改質器20を製造するための生産コストを低減できる。
(5)触媒は、メッキやディッピング成形などによって傾斜板266A,266Bの流路27に簡単に形成できるので、生産にかかる手間やコストを低減できる。
(6)流路27は、流路溝270と、この流路溝270の傾斜方向上側に連結して形成される補助溝273とを備えている。これにより、流路溝270以外に滴下された液体燃料は、補助溝273を通って流路溝270に誘導され、滴下した液体燃料を無駄なく改質できる。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について図面に基づいて説明する。
図5は、第3実施形態の改質器20Bの概略を示す縦断面図である。図5において、反応部26Aには略粒状の触媒267が層をなして充填されている(本実施形態では4層)。この時、反応部26Aの下方側には、粒径のより小さい触媒が充填され、反応部26Aの上方側に向かうに従って粒径のより大きい触媒が充填される。また、触媒267の粒径は、廃液分離壁264に形成されるメッシュの孔径より大きく形成されていて、触媒267が廃液溜め部26Cに落下しないようになっている。また、この触媒267としては、第1実施形態と同様に、燃料がボロハイドライドの場合では、白金Pt、ルテニウムRu、ロジウムRhなどの白金族や、コバルトCo、ニッケルNi、ラネーニッケル、フッ化処理した水素吸蔵合金などが採用できる。また、燃料が有機ハイドライドの場合では、触媒11の触媒材料として、白金Pt、ルテニウムRu、ロジウムRhなどの白金族などが採用できる。そして燃料がメタノールの場合では、触媒11の触媒材料として水蒸気改質触媒が採用でき、例えばNiや、銅系、Cu/ZnO/Al2O3系、Pd/ZnO等が採用できる。なお、触媒267は、例えばγアルミナやαアルミナなどの多孔質材料や、カーボン粉体などを粒状に形成し、これらの多孔質材料やカーボン粉体などに触媒材料を担持させた構造としてもよい。
このような改質器20Aに液体燃料流入口21から液体燃料を滴下すると、液体燃料は、触媒267の隙間を通って流れ落ちる。この時、反応部26Aの上方側では、触媒267の粒径が大きいため、各触媒267間の隙間も大きくなる。従って、反応部26Aの上方側では、比較的大きな流路が形成されて流路抵抗は小さくなる。このように、反応部26Aの上方側で比較的大きな流路を形成できるのは、液体燃料の濃度が比較的高く、高い確率で触媒反応が起こるため、液体燃料と触媒267との接触時間が短くても十分に触媒反応が発生するためである。
一方、反応部26Aの下方側では、液体燃料の濃度が低下するため触媒反応が生じにくくなる。従って、従来のように流路抵抗が小さい場合、触媒との接触時間が短くなるため、多くの未改質の液体燃料が廃液として排出されてしまう。これに対して、第3実施形態では、反応部26Aの下方側に向かうに従って、触媒267の粒径が小さくなるため、各触媒267間の隙間も小さくなる。このため、流路が狭くなり、流路抵抗が増大して、液体燃料と触媒267との接触時間が増加し、濃度の低い場合でも、良好に反応させることができる。
なお、反応槽26の全てを粒径の十分に小さい触媒で充填させることも考えられる。しかし、この場合、反応部26Aの全体において液体燃料の流速が著しく低下してしまうため、液体燃料および触媒反応が終わった廃液がなかなか下方側に流れ落ちず、反応部26Aに溜まり続けてしまう。このため、液体燃料の滴下量を予め少なく設定する必要があり、液体燃料の滴下量を減らすと、単位時間当たりの水素Hの発生量が減少してしまい、結果として水素Hの収集効率が悪くなってしまう。従って、反応槽26の上方では、触媒の粒径を大きくして流路抵抗を小さくすることが好ましく、この場合、反応部26Aの下方側だけで流速が低下するので、液体燃料の滴下量を多く設定することが可能となる。
第3実施形態の改質器20Bによると、次のような効果が得られる。
(7)改質器20Bの反応部26Aには、上方側から下方側に向かうに従って流路抵抗が大きくなるように流路が形成されている。これにより、反応部26Aの上方側では、液体燃料の濃度が高いために、流路抵抗が小さくとも、良好に改質でき、下方側への流れもスムーズとなる。また、反応槽の下方側においては、液体燃料の濃度が低下したとしても、流路抵抗が大きくなっているため、多量の液体燃料が流れ落ちにくくなるが、その分触媒反応時間を長くでき、改質器20Bの改質効率を向上させることができる。
(8)反応部26Aの上方側に粒径の大きい触媒267を充填させて、反応部26Aの下方側に粒径の小さい触媒267を充填させているため、反応部26Aの上方側では、粒径の大きい触媒267が並ぶことで、各触媒267間の隙間が大きくなって流路を広くでき、流路抵抗を確実に小さくできる。一方、反応部26Aの下方側では、粒径の小さい触媒267が並ぶことで、各触媒267間の隙間が小さくなって流路を狭くでき、流路抵抗を確実に大きくできる。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について図面に基づいて説明する。
図6は、第4実施形態の改質器20Cの概略を示す縦断面図である。図6において、本実施形態の反応部26Aには、上下方向に貫通した複数のテーパ孔291を水平方向に有する流路成形体としての多孔体29が複数(本実施形態では3つ)上下に重ね合わせて配置されている。多孔体29に形成されるテーパ孔291は、上部側が下部側に比べて孔径が大きくなるように形成されている。これらの多孔体29の表面には、触媒がメッキやディッピング成形などにより担持されている。ただし、触媒は、多孔体の表面にメッキやディッピングなどによって担持されるものに限らない。例えば、粒子状の触媒が多孔体29およびテーパ孔291の表面に敷き詰められた構成であってもよく、多孔体29が触媒、すなわち亜鉛やアルミナ、ルテニウムなどで形成されているものであってもよい。
また、反応部26Aの上方側に配置される多孔体29のテーパ孔291のテーパ孔291の上部側、下部側の孔径は、反応部26Aの下方側に配置される多孔体29のテーパ孔291の上部側、下部側の孔径より大きく形成されている。さらに、反応部26Aの下方側に配置される多孔体29のテーパ孔291は、上方側に配置される多孔体29のテーパ孔291に比べて水平方向に配置される数が多く、よりテーパ孔291の密度の高い状態に形成される。
このような改質器20Cの液体燃料流入口21から液体燃料を滴下すると、液体燃料は、多孔体29のテーパ孔291を通過して流れ落ちる。この時、反応部26Aの上方側では、テーパ孔291の孔径が比較的大きいため、流路抵抗が小さくなる。また、液体燃料のメタノール濃度が低下する反応部26Aの下方側では、テーパ孔291の孔径が小さくなるため、流路が狭くなり、流路抵抗が大きくなる。さらに、反応部26Aの下方側では、テーパ孔291の数が増えるため、液体燃料とテーパ孔291の表面に担持される触媒との接触面積が大きくなる。
第4実施形態の改質器20Cによれば、第3実施形態の効果(7)に加えて次の効果が得られる。
(9)反応槽26の反応部26Aには、上部側が大径で下部側が小径となるテーパ孔291を形成された多孔体29が嵌め込まれている。これにより、この多孔体29に液体燃料を滴下した際、孔径の大きいテーパ孔291の上部側では、流路抵抗が小さく、孔径の小さいテーパ孔291の下部側では、流路抵抗が大きくなる。従って、テーパ孔291の下部側において液体燃料の濃度が低くなったとしても、十分な触媒反応時間を確保できる。このため、未改質のメタノールの排出量を削減でき、改質器20Cの改質効率を向上させることができる。
(10)多孔体29には、水平方向に、複数の略同一孔径で略同一長さ寸法のテーパ孔291が形成されているので、テーパ孔291の表面の触媒と液体燃料との接触面積を大きくできる。これにより、液体燃料の触媒反応をより促進できる。
(11)複数の多孔体29が上下方向に重なって配置されて鉛直方向に複数のテーパ孔291を設けられているで、テーパ孔291に設けられる触媒と液体燃料との接触面積を大きくできる。従って、液体燃料の触媒反応に費やされる時間をより長くでき、改質器20Cの改質効率をさらに良好にできる。
(12)反応部26Aの上方側に配置される多孔体29のテーパ孔291の上部側、下部側の孔径は、反応部26Aの下方側に配置される多孔体29のテーパ孔291の上部側、下部側の孔径より大きく形成されているので、液体燃料は、反応部26Aの下方側に流れ落ちるに従って流れにくくなり、より効果的に改質器20Cの改質効率を向上させることができる。
(13)反応部26Aの下方側に配置されるテーパ孔291は、上方側に配置されるテーパ孔291に比べてより密に配置されている。これにより、反応部26Aの下方側において、液体燃料と触媒との接触面積を大きくでき、触媒反応をより促進でき、改質器20Cの改質効率をさらに向上させることができる。
(14)各多孔体29をそれぞれ別部材として形成して、上下方向に組み合わせているので、各多孔体29のテーパ孔291の表面に触媒を担持させやすく、容易に多孔体29を作成できる。さらに、改質器20Cのメンテナンス時に多孔体29を個別に取り出してメンテナンス作業を実施でき、多孔体29の取替え作業も容易に実施できる。
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1および第2実施形態実施形態において、傾斜板262A,262B,266A,266Bは分離壁261および周面部201の内壁から斜め下方向に傾斜して形成され、傾斜板262A,266Aの先端部と周面部201の内壁との間、および傾斜板262B,266Bの先端部と分離壁261との間に開口部262C,262Dが設けられるとしたが、これに限定されない。例えば、図7に示すような構成であってもよい。
図7に示される改質器20Dの反応部26Aは、水平方向の断面が略コ字型に形成される分離壁261Dと、周面部201と、廃液分離壁264と、で囲まれて形成されている。そして、傾斜板262E,262Fは、互いに対向する分離壁261Dに挟まれるようにして配置されている。傾斜板262Eは、周面部201と対向する分離壁261Dから斜め下向きに傾斜して下端部が周面部201に当接して配置され、262Fは、周面部201の内壁から斜め下向きに傾斜して下端部が分離壁261Dに当接して配置されている。これらの傾斜板262E,262Fは、互いに接触しないように交互に配列されている。そして、傾斜板262Eの下端部には、周面部201の内壁近傍に複数の滴下孔部262Gが形成され、傾斜板262Fの下端部には、分離壁261Dの近傍に複数の滴下孔部262Gが形成されている。さらに、傾斜板262E,262Fの上端部の下面側近傍には、水素分離部26Bと連通する水素通気孔268が設けられている。
このような構成でも、前記第1および第2実施形態と同様に、液体燃料の流路長を長くできるとともに、液体燃料の触媒反応時間を十分に確保できるので、未改質の液体燃料の排出量を低減でき、改質器の改質効率を向上させることができる。また、水素通気孔268が形成されているので、水素Hは、傾斜板262E,262Fの上端部と分離壁261Dおよび周面部201の内壁との間に溜まらず、水素分離部26Bに通すことができる。従って、水素Hの回収率をさらに高めることができる。
第4実施形態において、上方側に配置されるテーパ孔291は下方側に配置されるテーパ孔291に比べて大径に形成されるとしたが、これに限定されない。例えば、上方側に形成されるテーパ孔と下方側に形成されるテーパ孔とが略同一径寸法に形成されているものであってもよい。このような場合でも、各テーパ孔の下部側の孔径が上部側の孔径よりも小さく形成されていれば、液体燃料の流速を低下させることができる。
さらに、第4実施形態において、多孔体29は、鉛直方向および水平方向に複数のテーパ孔291が設けられるとしたが、これに限らない。例えば、多孔体は、水平方向にのみ複数のテーパ孔が設けられる構成としてもよい。このような場合、各テーパ孔の下部側の孔径をより小さくするなどして流路抵抗を調整することができる。また、多孔体の形状が複雑にならず、容易に形成することができる。
第2実施形態において、触媒は傾斜板266A,266Bの流路27に担持されるとしたが、これに限らない。例えば、傾斜板266A,266B自身が触媒で形成されているものであってもよい。このような場合、傾斜板266A,266Bへの触媒の担持作業を省略できる。
第1および第2実施形態において、複数の傾斜板262A,262B,266A,266Bが設けられる構成を例示したが、これに限らない。例えば図8に示すような構成、すなわち、反応部28は、略円筒状に形成され、この反応部28の中央軸に一本の柱部281が立設され、一枚の螺旋版282がこの柱部281を中心軸として配置されている構成としてもよい。また、この螺旋版282に流路溝を形成し、この流路溝に沿って液体燃料を流す構成であってもよい。このような構成においても、液体燃料は、螺旋状の傾斜板をゆっくりと流れ落ちるので、液体燃料の流路を長くでき、十分な触媒反応時間を確保できる。従って、未改質の液体燃料の排出量を減少させて、改質器の改質効率を向上できる。
また、第4実施形態において、水平方向に複数のテーパ孔291が形成された多孔体29を上下方向に複数重ね合わせる構成を例示したが、これに限らない。例えば、複数の孔部が形成された多孔体を用いてもよい。この場合、例えば多孔体を多孔質PTFEで形成されていてもよく、この多孔体の孔部に触媒を担持させる。ただし、この場合、多孔体の孔部の大きさは、液体燃料が確実に通過する大きさにすることが望ましい。
また、第1ないし第4実施形態において、燃料電池システム1は、廃液貯蓄部40および廃液排出ポンプ41を備えた構成を例示したが、これに限らない。例えば、廃液貯蓄部40および廃液排出ポンプ41を設けず、改質器20の廃液溜め部26Cに、高分子吸収体を設ける構成としてもよい。この場合、高分子吸収体を交換自在にすることで、廃液溜め部に溜まった廃液を排出することが好ましい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
第1実施形態の改質器を備えた燃料電池システムを示すブロック図。 改質器の概略を示す縦断面図。 第2実施形態の改質器の概略を示す縦断面図。 傾斜板を上方側から見た正面図。 第3実施形態の改質器の概略を示す縦断面図。 第4実施形態の改質器の概略を示す縦断面図。 本実施の形態の変形例を示す改質器の概略を示す縦断面図。 本実施形態の変形例の改質器の反応槽の一部を示す斜視図。
符号の説明
20,20A,20B,20C…改質器、21…液体燃料流入口、26,28…反応槽、27…流路、29…流路形成体としての多孔体、262A,262B,266A,266B,262E,262F,282…傾斜板、263…触媒、270…流路溝、291…テーパ孔。

Claims (12)

  1. 燃料電池用の液体燃料を触媒反応させて改質させる改質器であって、
    液体燃料を流入する液体燃料流入口と、この液体燃料流入口の下方に配置されて触媒が設けられる反応槽とを備え、
    前記反応槽の内部には、表面に前記触媒が設けられる複数の傾斜板が形成され、
    前記傾斜板は、前記液体燃料を下方に向かって蛇行して流す流路を形成している
    ことを特徴とした改質器。
  2. 請求項1に記載の改質器において、
    前記傾斜板は、前記液体燃料が流れる略蛇行状の流路溝を備えた
    ことを特徴とした改質器。
  3. 請求項2に記載の改質器において、
    前記触媒は、少なくとも前記流路溝内に設けられる
    ことを特徴とした改質器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の改質器において、
    前記触媒は、粒状に形成されて前記傾斜板上に敷き詰められている
    ことを特徴とした改質器。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の改質器において、
    前記触媒は、前記傾斜板の表面に薄層状に形成されて当該表面を被覆している
    ことを特徴とした改質器。
  6. 液体燃料を触媒反応させて改質させる改質器であって、
    液体燃料を流入する液体燃料流入口と、この液体燃料流入口の下方に配置されて触媒が設けられる反応槽とを備え、
    前記反応槽には、前記液体燃料を下方に向かって流す流路が設けられ、この流路は、上方から下方に向かうに従って、流路抵抗が大きくなる
    ことを特徴とした改質器。
  7. 請求項6に記載の改質器において、
    前記反応槽の上方側には、粒径の大きい粒状の触媒が充填され、前記反応槽の下方側には、粒径の小さい粒状の触媒が充填されることで、前記下方の流路抵抗が大きくなっている
    ことを特徴とした改質層。
  8. 請求項6に記載の改質器において、
    前記反応槽には、前記触媒が表面に担持されるとともに上部側が大径で下部側が小径となるテーパ孔が形成された流路形成体が設けられている
    ことを特徴とした改質器。
  9. 請求項8に記載の改質器において、
    前記流路形成体は、水平方向に複数の前記テーパ孔を有する
    ことを特徴とした改質器。
  10. 請求項8または請求項9に記載の改質器において、
    前記流路形成体は、鉛直方向に複数の前記テーパ孔を有する
    ことを特徴とした改質器。
  11. 請求項10に記載の改質器において、
    下方側に配置されるテーパ孔は、上方側に配置されるテーパ孔よりも流路抵抗が大きくなる
    ことを特徴とした改質器。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の改質器と、
    前記改質器で取り出された水素により発電する燃料電池を備えた
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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