JP2005243260A - スパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置 - Google Patents

スパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置 Download PDF

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Abstract

【目的】 接地電極に接合された電極チップが傷付いたり変形することを防止できるスパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置を提供すること。
【構成】 スパークプラグ100の製造方法は、曲げスペーサ311を被加工スパークプラグ150の中心電極121よりも先端側に配置し、曲げローラ331により、接地電極131を押圧して曲げスペーサ311に押し付け、接地電極131の先端部132を軸線側に曲げ加工する曲げ工程を含む。曲げスペーサ311は、接地電極131が当接する当接面313に穴部315を有する。そして、上記曲げ工程は、この穴部315に外側電極チップ135を挿入して、曲げスペーサ311との当接を防止しつつ、接地電極131の内側側面133を曲げスペーサ311の当接面313に当接させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置に関し、特に、電極チップが接合された接地電極を有するスパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置に関する。
従来より、筒状の主体金具と、この主体金具に周囲が取り囲まれた筒状の絶縁体と、この絶縁体の軸孔に先端部が突出した状態で保持された中心電極と、自身の基端が主体金具の先端面に接合されると共に、自身の先端部が軸線側に屈曲されて中心電極の先端面と火花放電ギャップを隔てて対向する接地電極とを備える、いわゆる平行電極型スパークプラグが知られている。
平行電極型スパークプラグにおいては、火花放電ギャップの形成とその間隔調整は、一般に、主体金具に接合され先端方向に延びる棒状の接地電極を軸線側に曲げ加工することにより行われる。例えば、特許文献1にその製造方法が記載されている。具体的には、接地電極が曲げ加工されていない状態の被加工スパークプラグを製造し、曲げスペーサを中心電極の先端面と対向するように配置する。そして、曲げパンチを用いて、この曲げスペーサに対し、接地電極の先端側を中心電極とは反対側から押し付ける(予備曲げ工程)。その後、本曲げ工程において、接地電極と中心電極との間に最終的な火花ギャップ間隔が得られるように、接地電極の先端側を中心電極の先端面に向けて必要な量だけ更に曲げ加工する。かくして、接地電極が所定形状に屈曲したスパークプラグが得られる。
特開2000−164321号公報
平行電極型スパークプラグの中には、接地電極の先端部のうち中心電極の先端部を向く内側側面に、円盤状や円柱状などの電極チップが接合され、この電極チップが中心電極の先端面と対向し、この間隙で火花放電を生じるものがある。
しかしながら、このような電極チップを有するスパークプラグを上記の方法で製造すると、予備曲げ工程において、曲げパンチによって接地電極の先端側を曲げスペーサに押し付けたときに、電極チップは接地電極の内側側面から突出しているため、電極チップが曲げスペーサに当たり、電極チップが傷付いたり、変形することがある。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電極チップが接合された接地電極を有するスパークプラグについて、この電極チップが傷付いたり変形することを防止できるスパークプラグの製造方法及びスパークプラグの製造装置を提供することを目的とする。
その解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、自身の先端部が前記絶縁体の先端面から突出した状態で前記絶縁体の軸孔に保持された中心電極と、接地電極であって、その基端が前記主体金具の先端面に結合されると共に、その先端部が軸線側に屈曲されてなり、この先端部のうち前記中心電極の先端部を向く内側側面に、前記中心電極の先端面と火花放電ギャップを隔てて対向する電極チップが接合されてなる接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記電極チップを有する前記接地電極が未だ曲げ加工されてない被加工スパークプラグに、曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し、曲げ治具により、前記接地電極のうち前記内側側面とは逆の外側側面を押圧して、この接地電極の内側側面を前記曲げスペーサに押し付け、この接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する曲げ工程を含み、前記曲げスペーサは、前記接地電極が押し付けられる当接面に穴部を有し、前記曲げ工程は、前記電極チップの外面と前記穴部の内面との間に空隙を設けつつ前記電極チップを前記穴部に挿入し、前記接地電極の内側側面を前記当接面に当接させるスパークプラグの製造方法である。
本発明の製造方法は、曲げスペーサを被加工スパークプラグの中心電極よりも先端側に配置し、曲げ治具により、接地電極の外側側面を押圧して、接地電極の内側側面を曲げスペーサに押し付け、接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する曲げ工程を備える。前述したように、このような曲げ工程を行うと、曲げ治具によって接地電極の先端部を曲げスペーサに押し付けたときに、接地電極に接合されてなる電極チップが曲げスペーサに当たり、電極チップが傷付いたり、変形する恐れがある。
これに対し、本発明では、曲げスペーサは、接地電極が押し付けられる当接面に穴部を有する。そして、曲げ工程において、電極チップの外面と穴部の内面との間に空隙を設けつつ電極チップを穴部に挿入して、この接地電極の内側側面を曲げスペーサの当接面に当接させる。このようにして曲げ加工を行えば、電極チップが曲げスペーサに当たらないため、曲げ工程における電極チップの傷付きや変形を防止できる。
本発明に係る曲げスペーサの穴部は、接地電極の電極チップが曲げスペーサに当接することなく挿入可能なものであればよく、曲げスペーサを貫通する透孔でもよいし、底部を有する有底孔でもよい。また、その断面形状など穴の形状も適宜変更できる。
曲げ治具は、接地電極の外側側面を押圧して、接地電極の内側側面を曲げスペーサに押し付け、接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工できるものであればよく、例えば、被加工スパークプラグに対しその軸線方向に移動可能な曲げパンチを利用できる。また、被加工スパークプラグに対しその軸線方向に直交する側方向や斜め側方向に移動可能な曲げローラを利用してもよい。
また、本発明に係る曲げ工程は、接地電極を最終的な形状にまで屈曲させることもできる。しかし、この曲げ工程を予備曲げ工程として、接地電極をある程度屈曲させた後、別途、本曲げ工程を行い、接地電極を必要な量だけ更に曲げて最終的な形状とするのが好ましい。接地電極と中心電極との間の火花放電ギャップを正確に調整できるからである。
更に、上記のスパークプラグの製造方法であって、前記曲げスペーサの穴部は、この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、前記電極チップが挿入された部分から延設されてなり、前記電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが前記接地電極の基端部に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなり、前記曲げ工程は、前記接地電極の曲げ加工を行った後に、前記曲げスペーサと前記電極チップとを軸線に直交する方向に相対的に移動させて、前記穴部と前記電極チップとの相対位置をずらすスパークプラグの製造方法とすると良い。
前述したように、曲げスペーサは、当接面に穴部を有するため、曲げ加工時に電極チップが傷付いたり変形することを防止できる。曲げ加工を行った後は、例えば、この曲げスペーサを軸線方向基端側に若干移動させ、電極チップを穴部から外部に出した上で、曲げスペーサを側方へ(軸線方向と直交する方向へ)退避させればよい。電極チップが穴部に挿入された状態でそのまま曲げスペーサを側方へ退避させると、電極チップが穴部の内壁面に当たり、電極チップが傷付いたり変形する恐れがあるからである。
しかし、このような方法では、この曲げスペーサを軸線方向基端側に移動させたときに、今度は曲げスペーサが中心電極の先端部に当たり、中心電極の先端部が傷付いたり変形する恐れがある。特に、接地電極を短くコンパクトにしたい場合には、曲げスペーサと中心電極の先端面との間隔を大きくできないため、曲げスペーサが中心電極の先端部に当たりやすくなる。
これに対し、本発明では、曲げスペーサの穴部は、曲げ加工を行った状態において、電極チップが挿入された部分から延設されている。また、電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが接地電極の基端部に当接することなく、電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされている。そして、曲げ工程は、接地電極の曲げ加工を行った後に、曲げスペーサと電極チップとを軸線に直交する方向に相対的に移動させて、穴部と電極チップとの相対位置をずらす。このようにすることで、曲げ加工のときだけでなく、曲げスペーサと電極チップとを相対的に移動させるときにも、電極チップの傷付きや変形を防止できる。また、曲げスペーサと電極チップとを相対的に軸線方向に移動させる必要もないので、中心電極の先端部が傷付いたり変形することもない。
また、本発明では、電極チップと曲げスペーサとを相対的に移動させたとき、曲げスペーサが接地電極の基端部に当接することがない。このため、電極チップと曲げスペーサとが相対的に移動するときに接地電極が邪魔することなく、容易に穴部と電極チップとの相対位置をずらすことができる。
なお、本発明は、電極チップと曲げスペーサとを相対的に移動可能であればよく、電極チップを固定した状態で曲げスペーサを電極チップから退避させてもよいし、曲げスペーサを固定した状態で電極チップを曲げスペーサから退避させてもよい。勿論、電極チップと曲げスペーサの双方を移動させてもよい。
更に、上記のスパークプラグの製造方法であって、前記曲げスペーサの穴部は、この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、前記電極チップが挿入された部分から、軸線に直交する仮想平面内において、軸線と前記接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設され、前記電極チップをこの曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させたとき、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなり、前記曲げ工程は、前記接地電極の曲げ加工を行った後に、前記電極チップを前記曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させて、前記穴部と前記電極チップとの相対位置をずらすスパークプラグの製造方法とすると良い。
本発明では、曲げスペーサの穴部は、この曲げ加工を行った状態において、電極チップが挿入された部分から、軸線と接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設されている。また、電極チップをこの曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に移動させたとき、電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされている。そして、曲げ工程は、接地電極の曲げ加工を行った後に、電極チップを曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に移動させて、穴部と電極チップとの相対位置をずらす。このように本発明では、電極チップを曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に動かすことのみで、穴部と電極チップとの相対位置をずらすことができるので、容易に曲げ工程を行うことができ、スパークプラグの生産性が向上する。
更に、上記のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、前記電極チップの前記接地電極の内側側面からの高さが0.3mm以上であるスパークプラグの製造方法とすると良い。
電極チップの接地電極の内側側面からの高さが低い場合には、前述した従来方法を利用しても、電極チップが傷付いたり変形しにくい場合がある。しかし、電極チップの接地電極の内側側面からの高さが高い場合には、具体的には、0.3mm以上ある場合には、従来方法では、接地電極の先端部を曲げスペーサに押し付けたときに、電極チップが曲げスペーサに当たり、電極チップが傷付いたり、変形する。従って、このようなスパークプラグに対し、穴部を設けた曲げスペーサを利用する前述の発明を適用すれば、電極チップが傷付いたり、変形することをより効果的に防止できる。
また、他の解決手段は、筒状の主体金具と、前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、自身の先端部が前記絶縁体の先端面から突出した状態で前記絶縁体の軸孔に保持された中心電極と、接地電極であって、その基端が前記主体金具の先端面に結合されると共に、その先端部が軸線側に屈曲されてなり、この先端部のうち前記中心電極の先端部を向く内側側面に、前記中心電極の先端面と火花放電ギャップを隔てて対向する電極チップが接合されてなる接地電極と、を備えるスパークプラグの製造装置であって、前記電極チップを有する前記接地電極が未だ曲げ加工されてない被加工スパークプラグについて、この接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する曲げ装置であって、前記被加工スパークプラグの前記中心電極よりも先端側に配置される曲げスペーサと、前記接地電極のうち前記内側側面とは逆の外側側面を押圧して、この接地電極の内側側面を前記曲げスペーサに押し付け、この接地電極の先端部を軸線側に曲げる曲げ治具と、を有する曲げ装置を備え、前記曲げスペーサは、前記接地電極の内側側面が押し付けられる当接面と、この当接面に設けられた穴部であって、前記電極チップの外面とこの穴部の内面との間に空隙を設けつつ前記電極チップを挿入可能な穴部と、を有するスパークプラグの製造装置である。
本発明の製造装置は、被加工スパークプラグの中心電極よりも先端側に配置される曲げスペーサと、接地電極の外側側面を押圧して、接地電極の内側側面を曲げスペーサに押し付け、接地電極の先端部を軸線側に曲げる曲げ治具とを有する曲げ装置を備える。そして、曲げスペーサは、接地電極の内側側面が押し付けられる当接面と、この当接面に設けられた穴部とを有する。この穴部は、電極チップの外面とこの穴部の内面との間に空隙を設けつつ電極チップを挿入可能な形状とされている。
このような製造装置を用いてスパークプラグの製造を行えば、被加工スパークプラグの接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する際に、接地電極の電極チップを、電極チップの外面と穴部の内面との間に空隙を設けつつ穴部に挿入して、この接地電極の内側側面を曲げスペーサの当接面に当接させることができる。従って、曲げ加工の際に電極チップが曲げスペーサに当たらないため、曲げ加工時における電極チップの傷付きや変形を防止できる。
更に、上記のスパークプラグの製造装置であって、前記曲げスペーサの穴部は、この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、前記電極チップが挿入された部分から延設されてなり、前記電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが前記接地電極の基端部に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなるスパークプラグの製造装置とすると良い。
本発明によれば、曲げスペーサの穴部は、曲げ加工を行った状態において、電極チップが挿入された部分から延設されている。また、電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが接地電極の基端部に当接することなく、電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされている。
このような製造装置は、接地電極の曲げ加工を行った後に、曲げスペーサと電極チップとを軸線に直交する方向に相対的に移動させて、穴部と電極チップとの相対位置をずらせば、電極チップが曲げスペーサに当たらない。従って、曲げ加工のときだけでなく、曲げスペーサと電極チップとを相対的に移動させるときにも、電極チップの傷付きや変形を防止できる。また、曲げスペーサと電極チップとを相対的に軸線方向に移動させる必要もないので、中心電極の先端部が傷付いたり変形することもない。
また、本発明では、電極チップと曲げスペーサとを相対的に移動させたとき、曲げスペーサが接地電極の基端部に当接することがない。このため、電極チップと曲げスペーサとが相対的に移動するときに接地電極が邪魔することなく、容易に穴部と電極チップとの相対位置をずらすことができる。
更に、上記のスパークプラグの製造装置であって、前記曲げスペーサの穴部は、この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、前記電極チップが挿入された部分から、軸線に直交する仮想平面内において、軸線と前記接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設され、前記電極チップをこの曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させたとき、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなるスパークプラグの製造装置とすると良い。
本発明によれば、曲げスペーサの穴部は、曲げ加工を行った状態において、電極チップが挿入された部分から、軸線と接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設されている。また、電極チップをこの曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に移動させたとき、電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされている。
このような製造装置は、接地電極の曲げ加工を行った後に、電極チップを曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に移動させて、穴部と電極チップとの相対位置をずらせば、電極チップが曲げスペーサに当たらない。このように本発明の製造装置では、電極チップを曲げスペーサに対し第1直交方向に相対的に動かすことのみで、穴部と電極チップとの相対位置をずらすことができるので、スパークプラグの生産性が向上する。
更に、上記のいずれかに記載のスパークプラグの製造装置であって、前記電極チップの前記接地電極の内側側面からの高さが0.3mm以上であるスパークプラグの製造装置とすると良い。
前述したように、電極チップの接地電極の内側側面からの高さが高い場合(0.3mm以上)には、従来の製造装置では、接地電極の先端部を曲げスペーサに押し付けたときに、電極チップが曲げスペーサに当たり、電極チップが傷付いたり、変形する。従って、このようなスパークプラグに対し、曲げスペーサに穴部を設けた前述の製造装置を利用すれば、電極チップが傷付いたり、変形することをより効果的に防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るスパークプラグ100の側面図を図1に示す。このスパークプラグ100は、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられて使用に供される内燃機関用のスパークプラグである。スパークプラグ100は、主体金具101と、絶縁体111と、中心電極121と、接地電極131とを備える。
主体金具101は、低炭素鋼などの金属からなり、筒形をなす。主体金具101は、径大なフランジ部102と、これより基端側(図中上方)に位置し、スパークプラグ100をシリンダーヘッドに取り付ける際にスパナやレンチ等の工具を係合させる断面六角形状の工具係合部103と、更にその基端側に位置し、絶縁体111を主体金具101に加締め固定するための加締部104とを有する。また、フランジ部102の先端側(図中下方)には、フランジ部102より細径で、外周にスパークプラグ100をシリンダーヘッドにネジ止めするための取付ねじ部106が形成された先端部105を有する。
絶縁体111は、アルミナ系セラミック等からなり、主体金具101によって周囲が取り囲まれ、その先端部113が主体金具101の先端面107から先端側(図中下方)に突出すると共に、基端部115も主体金具101の加締部104から基端側(図中上方)に突出している。絶縁体111には、軸線方向(図中上下方向)に沿った軸孔が穿設されている。この軸孔の先端側(図中下方)には中心電極121が、一方、基端側(図中上方)には高電圧を中心電極121に導く端子金具141が挿入、固定されている。更に、この軸孔の中央部には、抵抗体(図示せず)が挿入され、その先端側及び基端側に中心電極121及び端子金具141と電気的に接続する導電性ガラスシール層(図示せず)がそれぞれ形成されている。
中心電極121は、その先端部123が絶縁体111の先端面114から突出した状態で、絶縁体111の軸孔に挿通され保持されている。中心電極121は、熱伝導性が高いCuを主成分とする銅芯部と、Niを主成分とするNi合金等からなり、銅芯部を取り囲むNi合金外層部とを有する。また、中心電極121は、その先端部123にレーザ溶接で接合され先端側(図中下方)に向かって突出する円柱状の中心側電極チップ125を有する。中心側電極チップ125は、Pt、IrまたはWを主成分とした金属からなる。
接地電極131は、Niを主成分とするNi合金等からからなり、基端137が主体金具101の先端面107に接合され、先端部132が軸線側に向けて屈曲されてなり、中心電極121の先端部123を向く内側側面133が、中心電極121の中心側電極チップ125と対向するように配置されている。接地電極131の内側側面133にも、円柱状の外側電極チップ135がレーザ溶接で接合され、基端側(図中上方)に向かって突出し、中心電極121の先端面124と対向している。そして、外側電極チップ135と中心側電極チップ125との間隙が、火花放電を生じさせる火花放電ギャップGとなっている。この外側電極チップ135も、Pt、IrまたはWを主成分とした金属からなる。また、この外側電極チップ161の内側側面133からの高さは、0.3mm以上である。
次いで、本実施形態に係る上記スパークプラグ100の製造方法及びスパークプラグの製造装置200について、図面を参照しつつ説明する。
まず、公知の手法により、中心側電極チップ125を有する中心電極121を製造する。そして、公知の手法により、中心電極121を、別途形成した絶縁体111に組み付けると共に、抵抗体や端子金具も絶縁体111に組み付け、ガラスシールを行う。また、主体金具101を用意し、公知の手法により、主体金具101に棒状の接地電極131(外側電極チップ135が接合されておらず、屈曲加工もされていない状態の接地電極131)を接合する。その後、公知の手法により、この接地電極131を接合した主体金具101に、中心電極121等を組み付けた絶縁体111を組み付け、加締め等を行う。更に、公知の手法により、接地電極131の内側側面133に外側電極チップ135を抵抗溶接やレーザ溶接し、接地電極131が未だ曲げ加工されていない被加工スパークプラグ150を得る(図3及び図4参照)。
次に、被加工スパークプラグ150の接地電極131を所定形状に曲げて、火花放電ギャップGの形成を行う。
ここで、本実施形態に係るスパークプラグの製造装置200について説明する。図2にこの製造装置200の構成の概念的に示す。スパークプラグの製造装置200は、被加工スパークプラグ150を搬送経路に沿って間欠的に搬送する搬送機構としてのリニアコンベアを有し、その搬送経路に沿って、被加工スパークプラグ150の火花放電ギャップの形成を行う各工程実施部を備える。具体的には、被加工スパークプラグ150の搬入機構であるワーク搬入機構210、被加工スパークプラグ150の接地電極131を所定の位置に位置決めする接地電極整列機構220、中心電極121の先端面位置を測定する先端面位置測定装置230、接地電極131の予備曲げを行う予備曲げ装置300、接地電極131の本曲げを行う本曲げ装置250、及び、加工終了後のスパークプラグ100を排出するワーク排出機構260が、搬送方向上流側からこの順序で配設されている。
ワーク搬入機構210及びワーク排出機構260は、リニアコンベアの搬送方向の側方に設定されたワーク供給部あるいはワーク排出部と、ワーク搬入機構210内あるいはワーク排出機構260内に位置決めされたホルダとの間で、被加工スパークプラグ150あるいは加工されたスパークプラグ100を移送する移送機構として構成されている。
接地電極整列機構220は、被加工スパークプラグ150を軸線周りに所定角度単位で間欠的に回転させる回転部材を有し、この回転部材を回転させることにより、接地電極131を所定の整列位置(所定の向き)に位置決めするように構成されている。
先端面位置測定装置230は、CCDカメラ等を有する画像装置であって、この画像装置により、中心電極121の先端面124の位置を測定するように構成されている。
次に、本発明に係る予備曲げ装置(曲げ装置)300について、図3〜図6を参照しつつ説明する。図3は予備曲げ装置300の主要部を示す。また、図4は予備曲げ装置300の要部を拡大して示す。また、図5は曲げスペーサ311の先端部分(要部)を側方から見た説明図である。更に、図6は曲げスペーサ311の先端部分(要部)を上方から見た説明図である。
予備曲げ装置300は、曲げスペーサ311と曲げローラ(曲げ治具)331とを有する。そして、曲げスペーサ311を被加工スパークプラグ150の中心電極121よりも先端側に配置し、曲げローラ331により、接地電極131のうち内側側面133とは逆の外側側面134を押圧して、接地電極131を曲げスペーサ311に押し付け、接地電極131の先端部132を軸線側に曲げ加工するように構成されている。
具体的には、予備曲げ装置300は、曲げスペーサ位置決め機構310と、曲げ機構部330と、ホルダ部350とを備える。
曲げスペーサ位置決め機構310は、曲げスペーサ311を中心電極121の軸線方向(図3〜図5中上下方向、図6中紙面の裏表方向)に移動させることにより、中心電極121の先端面124と曲げスペーサ311との距離を所定値に調整し、曲げスペーサ311を中心電極121の先端面124との間に所定の隙間を生じるように位置決めするものである。
本実施形態の曲げスペーサ311は、接地電極131の内側側面133が押し付けられる当接面313を有し、この当接面313には、接地電極131の外側電極チップ135がこの曲げスペーサ311に当接することなく挿入可能な穴部315が設けられている。
当接面313は、接地電極131の曲げ形状に対応した曲面状を呈する曲げ型面とされている。曲げスペーサ311には、中心電極121と対向する平坦面312を基準面として、先端側にその基準面よりも下向きに突出する突出部317が形成され、曲面状の当接面313が、その突出部317の下縁まで延長されている。なお、当接面313の後方側(図3〜図6中左側)は、後方に向かうほど中心電極121から遠ざかる斜面とされている。
穴部315は、この曲げスペーサ311を中心電極121の先端側に配置し接地電極131を軸線側に曲げて外側電極チップ135をこの穴部315に挿入した状態において、外側電極チップ135が挿入された部分から、軸線に直交する仮想平面内において、上記仮想直線の方向(図3〜図6中左右方向)に直交する上記直交方向(図3〜図5中紙面の裏表方向、図6中上下方向)の上記第1直交方向(図3〜図5中紙面の裏向き方向、図6中上方向)に延設されている。更に、この穴部315は、接地電極131の曲げ加工を行った後に、加工後のスパークプラグ100を上記直交方向(図3〜図5中紙面の裏表方向、図6中上下方向)の上記第1直交方向(図3〜図5中紙面の裏向き方向、図6中上方向)へ移動させたとき、外側電極チップ135がこの穴部315内をこの曲げスペーサ311に当接することなく、この穴部315内から外部へ抜ける形状とされている。この穴部315は、底部を有する有底孔であり、曲げスペーサ311の先端方向と直交する方向に延設された有底溝からなる。
予備曲げ装置300のうち、曲げ機構部330は、曲げスペーサ311を所定の位置に配置した状態で、接地電極131を曲げスペーサ311に向けて押しつけるように曲げローラ331を駆動させるものである。
ホルダ部350は、被加工スパークプラグ150の基端側(図3〜図5中下方)保持し、被加工スパークプラグ150を所定の位置に固定するものである。
図2に戻り、本曲げ装置250は、装置内に位置決めされた被加工スパークプラグ150の接地電極131に対して、ねじ軸機構等の駆動部により上方から接近・離間可能に設けられた本曲げパンチを備え、この本曲げパンチによって接地電極131を最終的な形状に屈曲させるように構成されている。
次に、このスパークプラグの製造装置200によるスパークプラグ100の製造について説明する。
ワーク搬入機構210では、ワーク供給部における被加工スパークプラグ150の有無をセンサ等で確認し、被加工スパークプラグ150があれば搬入動作を行う。即ち、新しい被加工スパークプラグ150をワーク供給部から受け取り、ワーク保持部(ホルダ)に装着する。その後、被加工スパークプラグ150を接地電極整列機構220に搬送する。
被加工スパークプラグ150は、接地電極整列機構220内に運び込まれた時点では、接地電極131の軸線周りの位置は不定である。そこで、この接地電極整列機構220では、回転部材を回転させることにより、接地電極131を所定の整列位置(所定の向き)に位置決めする。その後、被加工スパークプラグ150を先端面位置測定装置230に搬送する。
被加工スパークプラグ150は、中心電極121の先端面124の位置が、例えば、中心電極121の長さや主体金具101や絶縁体111の寸法ばらつき等により被加工スパークプラグ150毎に異なっている。そこで、先端面位置測定装置230では、中心電極121の先端面124の位置を測定する。即ち、画像装置により、先端面124の位置を所定の基準位置から見た高さ位置として測定する。その後、被加工スパークプラグ150を予備曲げ装置300に搬送する。
次に、予備曲げ装置300における予備曲げ工程に進む。
まず、曲げスペーサ311の高さ調整をする。即ち、曲げスペーサ位置決め機構310のスペーサ位置調整駆動部を駆動させて、曲げスペーサ311を上下方向に移動させ、中心電極121の先端面124と曲げスペーサ311との上下方向の距離を所定距離に調整する。このとき、中心電極121の先端面124の位置が既に測定されているため、被加工スパークプラグ150毎に先端面124の位置がばらついていても、曲げスペーサ311との間に一定の隙間を形成できる。但し、この時点では、被加工スパークプラグ150はまだ予備曲げ装置300に搬入されていない。
その後、ホルダ350を駆動させて、被加工スパークプラグ150を、上記第1直交方向(図3〜図5中紙面の裏向き方向、図6中上方向)へ移動させ、中心電極121の先端面124よりも先端側の曲げ受け位置に配置する。こうすることにより、曲げスペーサ311に下方に突出する突出部317があっても、中心電極121と干渉することがない。また、当接面313の位置を全体的に接地電極131の基端137側に近づけることができる。このため、接地電極131のアール開始部を基端137寄りにできるので、接地電極131の曲げ部のアールを大きくすることが容易となり、接地電極131の全体の長さを短くコンパクトにできる。
次に、曲げ機構部330を駆動させて、曲げローラ331を側方へ(図3及び図4中左方向へ)移動させ、接地電極131の外側側面134を押圧し、接地電極131の内側側面133を曲げスペーサ311に向けて押し付ける。
その際、従来では、接地電極131の外側電極チップ135が曲げスペーサ311に当たり、外側電極チップ135が傷付いたり、変形する恐れがあった。しかし、本実施形態では、曲げスペーサ311は、接地電極131が押し付けられる当接面313に穴部315を有する。そして、この予備曲げ工程において、接地電極131の外側電極チップ135をこの穴部315に挿入して、この外側電極チップ135と曲げスペーサ311との当接を防止しつつ、この接地電極131の内側側面133を曲げスペーサ311の当接面に当接させる。こうすることで、曲げ加工の際に外側電極チップ135が曲げスペーサ311に当たらないため、曲げ加工における外側電極チップ135の傷付きや変形を防止できる。
曲げ加工を行った後は、ホルダ350を再び駆動させて、被加工スパークプラグ150を、受け位置から上記第1直交方向(図3〜図5中紙面の裏向き方向、図6中上方向)へ移動させる。
その際、外側電極チップ135が穴部315の内壁面に当たり、外側電極チップ135が傷付いたり変形する恐れがある。しかし、本実施形態では、前述したように、曲げスペーサ311の穴部315が、曲げ加工を行った状態において、外側電極チップ135が挿入された部分から上記第1直交方向に延設されている。また、接地電極131の曲げ加工を行った後に、被加工スパークプラグ150を上記第1直交方向へ移動させたとき、接地電極131の外側電極チップ135がこの穴部315内をこの曲げスペーサ311に当接することなく上記第1直交方向へ移動して、この穴部315内から外部へ抜ける形状とされている。従って、外側電極チップ135が曲げスペーサ311に当たることはなく、上記の曲げ加工時だけでなく、被加工スパークプラグ150を退避させるときにも、外側電極チップ131の傷付きや変形を防止できる。
更に、被加工スパークプラグ150は、曲げ加工を行う際に、第1直交方向に動かすことで、受け位置に移動し、更に、曲げ加工を行った後にも、第1直交方向に動かすことで、被加工スパークプラグ150を受け位置から退避させているように、被加工スパークプラグ150を第1直交方向に動かすことのみで接地電極131の曲げ加工ができるため、生産性が向上する。
更に、本実施形態に係る外側電極チップ135は、接地電極131の内側側面133からの高さが0.3mm以上と長いにも拘わらず、曲げスペーサ311に穴部315が設けられているため、曲げ加工時においても、曲げスペーサ311を退避時においても、外側電極チップ135の傷付きや変形を効果的に防止できる。
予備曲げ工程を終了した後は、被加工スパークプラグ150を本曲げ装置250に搬送する。
次に、本曲げ装置250における本曲げ工程に進む。本曲げ装置250では、図7に示すように、装置内に位置決めされた被加工スパークプラグ150の接地電極131に対して、本曲げパンチ251が上方から当接し、先端部132が斜め上方を向く形で予備曲げされた接地電極131を、先端部132(内側側面133)が中心電極121の先端面124と平行となるように本曲げ加工を施す。この加工は、CCDカメラ253によりギャップ間隔をモニタしながら段階的に行い、所定の大きさの火花放電ギャップGを形成する。その後、加工されたスパークプラグ100をワーク排出機構260に搬送する。
ワーク搬入機構260では、ホルダから加工されたスパークプラグ100を抜き取り、これをワーク排出部まで移送して排出する。そして、スパークプラグ100を回収する。
かくして、上記スパークプラグ100を得ることができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、予備曲げ工程で曲げスペーサ311を所定位置に固定した状態で被加工スパークプラグ150を第1直交方向に移動させて被加工スパークプラグ150を曲げ受け位置に配置している。しかし、被加工スパークプラグ150を曲げ受け位置に固定した状態で曲げスペーサ311を移動させて曲げスペーサ311を曲げ受け位置に配置してもよい。
また、上記実施形態では、曲げ加工後、曲げスペーサ311を所定位置に固定した状態で被加工スパークプラグ150を第1直交方向へ移動させて、被加工スパークプラグ150を曲げスペーサ311から退避させている。しかし、被加工スパークプラグ150を所定位置に固定した状態で曲げスペーサ311を第1直交方向と反対方向(第2直交方向)へ移動させて、曲げスペーサ311を被加工スパークプラグ150から退避させるようにしてもよい。
実施形態に係るスパークプラグの側面図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置の構成を概念的に示す説明図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置のうち、予備曲げ装置の主要部を示す説明図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置のうち、予備曲げ装置の要部を拡大して示す説明図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置のうち、曲げスペーサの先端部分(要部)を側方から見た説明図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置のうち、曲げスペーサの先端部分(要部)を上方から見た説明図である。 実施形態に係るスパークプラグの製造装置のうち、本曲げ装置の主要部を示す説明図である。
符号の説明
100 スパークプラグ
101 主体金具
111 絶縁体
121 中心電極
123 (中心電極の)先端部
124 (中心電極の)先端面
125 中心側電極チップ
131 接地電極
132 (接地電極の)先端部
133 内側側面
134 外側側面
135 外側電極チップ(電極チップ)
137 (接地電極の)基端
150 被加工スパークプラグ
200 スパークプラグの製造装置
300 予備曲げ装置(曲げ装置)
311 曲げスペーサ
313 当接面
315 穴部
331 曲げローラ(曲げ治具)

Claims (8)

  1. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    自身の先端部が前記絶縁体の先端面から突出した状態で前記絶縁体の軸孔に保持された中心電極と、
    接地電極であって、その基端が前記主体金具の先端面に結合されると共に、その先端部が軸線側に屈曲されてなり、この先端部のうち前記中心電極の先端部を向く内側側面に、前記中心電極の先端面と火花放電ギャップを隔てて対向する電極チップが接合されてなる接地電極と、
    を備えるスパークプラグの製造方法であって、
    前記電極チップを有する前記接地電極が未だ曲げ加工されてない被加工スパークプラグに、曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し、曲げ治具により、前記接地電極のうち前記内側側面とは逆の外側側面を押圧して、この接地電極の内側側面を前記曲げスペーサに押し付け、この接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する曲げ工程を含み、
    前記曲げスペーサは、前記接地電極が押し付けられる当接面に穴部を有し、
    前記曲げ工程は、前記電極チップの外面と前記穴部の内面との間に空隙を設けつつ前記電極チップを前記穴部に挿入し、前記接地電極の内側側面を前記当接面に当接させる
    スパークプラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記曲げスペーサの穴部は、
    この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、
    前記電極チップが挿入された部分から延設されてなり、
    前記電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが前記接地電極の基端部に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなり、
    前記曲げ工程は、前記接地電極の曲げ加工を行った後に、前記曲げスペーサと前記電極チップとを軸線に直交する方向に相対的に移動させて、前記穴部と前記電極チップとの相対位置をずらす
    スパークプラグの製造方法。
  3. 請求項2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記曲げスペーサの穴部は、
    この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、
    前記電極チップが挿入された部分から、軸線に直交する仮想平面内において、軸線と前記接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設され、
    前記電極チップをこの曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させたとき、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなり、
    前記曲げ工程は、前記接地電極の曲げ加工を行った後に、前記電極チップを前記曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させて、前記穴部と前記電極チップとの相対位置をずらす
    スパークプラグの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記電極チップの前記接地電極の内側側面からの高さが0.3mm以上である
    スパークプラグの製造方法。
  5. 筒状の主体金具と、
    前記主体金具によって周囲が取り囲まれ、軸線方向に軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    自身の先端部が前記絶縁体の先端面から突出した状態で前記絶縁体の軸孔に保持された中心電極と、
    接地電極であって、その基端が前記主体金具の先端面に結合されると共に、その先端部が軸線側に屈曲されてなり、この先端部のうち前記中心電極の先端部を向く内側側面に、前記中心電極の先端面と火花放電ギャップを隔てて対向する電極チップが接合されてなる接地電極と、
    を備えるスパークプラグの製造装置であって、
    前記電極チップを有する前記接地電極が未だ曲げ加工されてない被加工スパークプラグについて、この接地電極の先端部を軸線側に曲げ加工する曲げ装置であって、
    前記被加工スパークプラグの前記中心電極よりも先端側に配置される曲げスペーサと、
    前記接地電極のうち前記内側側面とは逆の外側側面を押圧して、この接地電極の内側側面を前記曲げスペーサに押し付け、この接地電極の先端部を軸線側に曲げる曲げ治具と、
    を有する曲げ装置を備え、
    前記曲げスペーサは、
    前記接地電極の内側側面が押し付けられる当接面と、
    この当接面に設けられた穴部であって、前記電極チップの外面とこの穴部の内面との間に空隙を設けつつ前記電極チップを挿入可能な穴部と、
    を有する
    スパークプラグの製造装置。
  6. 請求項5に記載のスパークプラグの製造装置であって、
    前記曲げスペーサの穴部は、
    この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、
    前記電極チップが挿入された部分から延設されてなり、
    前記電極チップとこの曲げスペーサとを軸線に直交する方向に相対的に移動させたときに、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、かつ、この曲げスペーサが前記接地電極の基端部に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなる
    スパークプラグの製造装置。
  7. 請求項6に記載のスパークプラグの製造装置であって、
    前記曲げスペーサの穴部は、
    この曲げスペーサを前記中心電極よりも先端側に配置し前記接地電極を軸線側に曲げて前記電極チップをこの穴部に挿入した状態において、
    前記電極チップが挿入された部分から、軸線に直交する仮想平面内において、軸線と前記接地電極の基端面の中心とを結ぶ仮想直線に直交する直交方向のうち、少なくとも、一方の第1直交方向に延設され、
    前記電極チップをこの曲げスペーサに対し前記第1直交方向に相対的に移動させたとき、前記電極チップがこの穴部の内面に当接することなく、前記電極チップがこの穴部内から外部へ抜ける形状とされてなる
    スパークプラグの製造装置。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造装置であって、
    前記電極チップの前記接地電極の内側側面からの高さが0.3mm以上である
    スパークプラグの製造装置。
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