JP2005242526A - 車両用危険情報提示システム及びその表示装置 - Google Patents

車両用危険情報提示システム及びその表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両用危険情報提示システム及びその表示装置を提供する。
【解決手段】 自車ならびに自車の周囲に存在する物体に関する所定の物理量に関する情報を検出する検出手段と、これから得られる情報を解析し、自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、これらに関する物理量を求める第1解析手段と、求められた物理量を含む情報の内、他車の同システムから要求された情報を解析情報として無線通信により送信するとともに、他車の同システムから送信された解析情報を受信する無線通信手段と、自車及び他車から得られた解析情報を解析し、自車にとって危険な物体の存在とその方向等を示す危険情報を抽出する第2解析手段と、フロントガラスのフレーム周囲の線上に配した線光源からなり、危険情報を認識可能に運転者に示すための表示手段とを車両に設置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に自車にとって危険となる周辺の物体に関する情報を運転者に知らせる車両用危険情報提示システム及びその表示装置に関する。
自動車の利用の増加とともに事故も増加してきたことから、従来より様々な安全対策が考えられ、また実施されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、トラック、バス等の大型自動車の前面に取り付けられたカメラにとらえられた画像を、後面に取り付けられたモニターに表示することで、後方の普通自動車が、上記大型トラックの前方を確認できるようにしている。また、特許文献2に記載の技術では、異なる車両間で映像情報を通信によって相互に伝達し、各車両において他の車両で撮影した映像を合成して表示部に表示でき、周囲の状況をより詳細に知りうるものとなっている。
また、特許文献3に記載の技術では、車輪回転数,車体加速度などの車体情報を求める車体センサーと、前方情景,車体近傍物体配置などの環境情報を得る環境センサー等を備え、物理量と認知対象を結び付けて、運転に必要な情報(環境センサーとしての前方監視カメラ画像から得られる前方情景や関連する情報)を生成し、それをHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)等を用いてフロントガラスに投影表示するものとなっている。またこの技術では、前方あるいは後方の車両の環境センサー(前方監視カメラ)から得られる前方情景(画像)を車両間通信で得ることもでき、また、地上記憶装置から、渋滞情報や経路指示などの情報を得ることもできるものとなっている。
特開平10−315858号公報 特開2002−367080号公報 特開平7−9886号公報
上記特許文献1に記載の技術では、視界を遮る前方の大型自動車の前方の状況を、当該大型自動車の後方に位置する普通自動車側にて確認できるのみである。
特許文献2または請求項3に記載の技術では、撮影による映像情報を通信するため、通信量が大きい割りに、有効な情報量が少ないという問題がある。また、撮影による映像情報のため、受信側は受信した映像情報に対して高コストである画像解析を行う必要がある。さらに、特許文献2に記載の技術は、撮影による映像情報の合成による出力であり、また、特許文献3に記載の技術は、撮影による映像情報と関連する情報の合成による出力であり、そこからユーザが危険を認識するためには、表示画像を注視する必要があり、その際、注意がそれることになり危険である。また、いずれの文献においても他の車両から得られる情報は、その車両が直接カメラ等で取得した情報に限られる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、無線通信可能な範囲にある他車の同システムと自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、該物体に関する物理量を含む解析情報を共有でき、さらに、他車が得た別の他車からの解析情報も取得できるようにすることで、その結果、より多くの解析情報を利用してより詳細な危険情報を得ることができ、また、この危険情報をユーザが視線を逸らさずに、注視する必要もなく認識することができる車両用危険情報提示システム及びその表示装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、自車の位置・速度・加速度等ならびに自車の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等所定の物理量に関する情報を検出する検出手段と、前記検出手段から得られる情報を解析し、自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、これらに関する前記物理量を解析情報として求める第1解析手段と、前記第1の解析手段により求められた解析情報と、他車の同システムから送信された解析情報を記憶する記憶手段と、他車の同システムからの要求に従って前記記憶手段に記憶されている解析情報を無線通信により送信するとともに、他車の同システムから送信された解析情報を受信する無線通信手段と、前記記憶手段に記憶されている自車及び他車から得られた前記解析情報を解析し、自車にとって危険な物体の存在とその方向等を示す危険情報を抽出する第2解析手段と、前記第2解析手段が解析した危険情報を認識可能に運転者に示すための表示手段と、を車両に設置したことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用危険情報提示システムにおいて、前記第2解析手段は、危険の程度を示す危険度を前記危険情報に付加し、前記表示手段は、前記危険度を認識可能に表示することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車両用危険情報提示システムにおいて、前記表示手段は、フロントガラスのフレーム周囲の線上に配した線光源からなることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の車両用危険情報提示システムにおいて、自施設の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等の物理量に関する情報を検出する検出手段と、前記検出手段から得られる情報を解析し、自施設の周囲に存在する物体毎の、該物体に関する前記物理量を求める解析手段と、前記解析手段により求められた物理量を含む解析情報を無線通信により送信する無線通信手段と、を具備した定点システムを、所定地点にある施設に設置し、車両に設置された前記車両用危険情報提示システムは、前記定点システムから送信される解析情報を他車から送信される解析情報と同様に利用することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3から請求項4のいずれかに記載の自動車用周囲危険情報共有システムにおいて、前記線光源を複数の線光源で構成し各線光源毎に発光可能とするかまたは前記線光源を複数の領域に分割し各領域毎に発光可能として、前記危険情報を認識可能に運転者に示す際、該危険情報に含まれる自車にとって危険な物体の存在する方向に対応する部分を発光させることにより、その物体の存在と方向等を示すことを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5に記載の自動車用周囲危険情報共有システムにおいて、前記線光源は、その発光色を切り替え可能に構成され、前記危険度を認識可能に表示する際、該危険度に応じて発光色を切り替えることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、自動車のフロントガラスのフレーム周囲の線上に配される線光源からなる表示装置であって、前記線光源は、複数の線光源により構成されるかまたは複数の領域に分割され、複数の線光源毎にまたは各領域毎に発光可能であることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の表示装置において、前記線光源は、その発光色を切り替え可能に構成されることを特徴としている。
本発明によれば、無線通信可能な範囲にある他車の同システムまたは所定地点にある定点システムと自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、該物体に関する物理量含む解析情報を共有でき、さらには他車が得た別の他車からの解析情報を利用することもでき、その結果、より多くの解析情報からより詳細な危険情報を得ることができる。また、この危険情報をユーザが視線を逸らさずに、注視する必要もなく認識することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である車両用危険情報提示システムの構成を示すブロック図である。
車両用危険情報提示システム1は、ビデオカメラ1、各種センサー2、GPS装置3、解析装置4、無線通信装置5、操作パネル6、表示装置7とから構成される。
GPS装置3は、自車の位置を測位するためのものであり、各種センサー2は、(超音波/レーザー)距離測定器、音センサーなどからなり、これらは、ビデオカメラ1とともに、自車及び自車周囲に存在する物体に関する情報(自車の速度・加速度等ならびに自車の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等所定の物理量に関する情報)を収集するものである。
解析装置4は、GPS装置3から得られる自車の位置を測位するための情報と、ビデオカメラ1、各種センサー2から得られる自車の速度・加速度等ならびに自車の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等所定の物理量に関する情報を基に解析を行い、自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、これらに関する上記物理量を解析情報として求め、一時記憶する(第1解析処理、記憶処理)。
例えば、自車の位置は、GPS装置3から得られる情報を基に測位でき、また、自車の速度は、自車に備わる車輪の回転計等から算出できる。加速度は速度の変化率として求まる。また、周囲に存在する物体の位置・速度・加速度は、自車の位置と、距離測定器から得られる自車と物体までの距離を基に算出することができる。また、周囲に存在する物体の大きさは、GPSにより得られる自車の位置と距離測定器から得られる各物体までの距離からこれらの位置関係を特定し、ビデオカメラ1に写された映像から物体を抽出・分類して(この処理は、周知の画像処理の技術を利用することができる)、映像上の各物体の面積と上記位置関係とからその大きさを推定して求めることができる。
解析装置4は、さらに、下記のように他車の同システム(車両用危険情報提示システム1)あるいは後述する定点システムから提供され、一時記憶している解析情報をもとに解析を行い自車にとって危険である危険物(自車に衝突する可能性がある物体等)に関する情報(少なくとも、その存在と方向)を抽出する(第2解析処理)。ここでは、自車の進行方向とその速度・加速度と、周囲の物体の自車に対する位置とその速度・加速度の関係、さらには道路幅等を考慮し、衝突する可能性のある物体を特定する。例えば、後方から自車方向に直進する物体(例えば、バイク)が存在する場合は、自車が右折しようとすると衝突する可能性があるため、危険物と判定する。
また、一般的に自車にとって危険な対象となる、例えば、バイクや自転車などの大きさ・形等のパターン・データを予め記憶しておき、上記のようにビデオカメラ1に写された映像から物体を抽出・分類する際、記憶しているパターン・データと比較し、物体を特定するようにしてもよい。そして、特にこのようにして特定された物体を危険物として扱ってもよい。特定された物体に関する情報(物体の種類や、その速度・移動方向等)は、解析情報として記憶する。
また、解析装置4は、記憶している自車に関係する危険情報から、自車の現状(位置、速度など)と合わせて、別途定められ記憶している条件をもとに特定された危険物の危険度を判定する。
そして、抽出された危険物に関する情報を表示装置7(詳細は後述する)に表示させ、自車の運転者に提示する。
なお、この解析装置4は、メモリおよびCPU(中央処理装置)等により構成され、上記第1解析処理、第2解析処理は、対応する処理プログラムをメモリにロードして実行することにより実現されるものとする。また、この解析装置4のメモリは、ビデオカメラ1、各種センサー2、GPS装置3から得られる情報及び解析結果の情報や、他のシステムより得た情報を一時記憶する。
無線通信装置5は、解析装置4からの命令に応じて、他車の同システムへ必要な解析情報を要求する信号を送信し、その応答があった場合、応答として返される解析情報を受信し解析装置4に与える。もちろん、無線通信可能な範囲に同システムを搭載した他車が存在しない場合は、要求に対する応答を得ることはできず、また、要求した情報を他車の同システムがもっているとは限らないので、要求した情報は必ずしも得られるとは限らない。こうした場合、解析装置4は、自車で得られた情報のみに基づき解析を行う。
また、無線通信装置5は、他車の同システムから送信された解析情報を要求する信号を受信した場合、これを解析装置4に通知し、解析装置4が、メモリに記憶している解析情報の中から当該要求に対応する(あるいは近い)情報を返信させる(ここで返信する解析情報は、自車のシステムで得られた情報のみならず、他車の同システムまたは後述する定点システムから得られた解析情報からも対応する情報が選択され返信される)。この要求の個別の内容と、解析情報の内容(種類)は、予め対応付けておく。なお、この無線通信装置5は、短距離無線通信技術(例えば、Bluetooth(登録商標))を利用して実現することができる。
操作パネル6は、ユーザによる各種設定入力を受ける入力手段である。
次に、上記定点システムについて説明する。
定点システムは、上記車両用危険情報提示システム1からGPS装置3、操作パネル6、表示装置7を除いた構成をとる(図示せず)。
この定点システムでは、当該システムの解析装置4は、車両用危険情報提示システム1の解析装置4における第1解析処理を行い、車両に搭載された車両用危険情報提示システム1からの要求に応じて、当該要求に対応する解析情報を返信する。また、車両用危険情報システム1や他の定点システムに対して送信要求をすることで、新たな解析情報を取得するようにしてもよい。こうすることで、その定点システムにとって死角になる情報も得ることができる。
この定点システムは、所定の地点、例えば、交差点の電柱・信号機等に設置される。
ここで、表示装置7について説明する。
図2に、表示装置7の設置例(運転手視点)を示している。
表示装置7は、フロントガラスのフレーム周囲の線上(同図に示す太線部分)に、線光源である光源(U,L,LU,LL,RU,RL)を配することで運転時の視界を妨げずに危険情報を運転者に伝える。Lは前方全般、LU、RUはそれぞれ前方左右方向、Uはルームミラー(後方全般)、LL、RLはそれぞれ左右サイドミラー(左右後方)に対する注意を表示する。さらに、危険度のレベルに応じて、危険度の低い方から、無発光→青→黄→赤のように発光色を変化させる。このように構成され表示をするので、運転者の視界を妨げたりその視点を大きく動かしたりすることなく、運転者は各方向の危険とそのレベルを知ることができる。一時停止時など運転に支障がないときには、この表示装置7とは別体の表示装置として、モニターを設置し、このモニターにより詳細な情報(例えば鳥瞰図による危険物と自車との位置関係など)を表示するようにしてもよい。
線光源である表示装置7は、複数の発光色をもたせたLEDもしくはLED群を所定間隔で配置して構成することができる。他の構成例としては、図2に示す表示装置7の各部分(LU,LL,L,RL,RU,U)を、図3に示すように線状に塗布された蛍光体に沿って、一端が光源に接続された複数の光ファイバの他端を所定間隔で並べ、この他端から照射される光によって蛍光体を発光させる構成とし、図2に示した例では、これをLU,LL,L,RL,RU,Uの各部分に配置するようにしてもよい。この場合用いる光源は発光色を切り替えることができるものとする。
次に、このように構成された本実施形態の車両用危険情報提示システム1の動作について説明する。
[解析情報送信処理]
車両用危険情報提示システム1の解析装置4は、図4に示すように、他車の同システムからの送信要求を受信するまでは(ステップS102でYesと判定されるまでは)、アイドル処理(ステップS101)を実行する。
他車の同システムからの送信要求を受信すると、解析装置4にて記憶している情報(第1解析処理により得られた情報または他の同システムより得た情報)の内、要求に合致するデータ(解析情報)を検索し(ステップS103)、要求に合致したデータがあった場合には(ステップS104にてYesの判定)、ステップS105にて、当該データを返信する。
解析装置4は、図4に示す処理を繰り返すことにより、常に他車からの送信要求を受け取り、この送信要求に対応するデータ(解析情報)を返信する。また、ステップS101のアイドル処理時には、適宜以下に説明する「危険物解析」、「解析情報受信」、「危険度判定及び表示」を繰り返し行う。ただし、定点システムも同様の処理を行うが、「危険度判定及び表示」の処理は必要ない。
[(自車周辺の)危険物解析処理]
図5に示すように、解析装置4は、まず、ビデオカメラ1、各種センサー2、GPS装置3から、与えられるデータを収集する(ステップS201)。
そして、ステップS201で収集したデータを使って前述の第1解析処理を行い、検知できたデータを記憶する(ステップS202)。さらに、この第1解析処理により得られた解析情報と、他車の同システムや前述の定点システムに要求をして得られた解析情報とから、前述の第2解析処理を行い(ステップS203)、危険物を特定し(ステップS204の判断でYesの判定)この危険物に関する情報(危険情報:危険データ)を作成し(ステップS205)、この情報を記憶する(ステップS206)。解析装置4は、図5に示す処理を繰り返すことにより、第1の解析処理により得られた解析情報と第2の解析処理により得られた危険データを逐次記憶する。
[解析情報受信処理]
図6に示すように、解析装置4は、無線通信装置5に、他車の同システムまたは定点システムに対して、解析情報の送信要求を送信させる(ステップS301)。
そして、上記送信要求に対する応答として返信された解析情報が受信できた場合、解析装置4は、ステップS302の判断でYesと判定し、続くステップS303にて無線通信装置5が受信した解析情報を記憶する。
この処理では、車両用危険情報提示システム1は、近隣の不特定の相手(他車の同システムまたは定点システム)に対して送信要求を送るともに、その返信として解析情報が送られてきたときにはその受信を行う。なお、この受信が、その直前に行った送信要求に対する返信である必要はない。
[危険度判定及び表示処理]
図7に示すように、この処理では、まず自車のシステムが保持している図5や図6の処理で得られた解析情報や危険情報のうち、その情報を得た時間が十分古いものや、位置的に関係ないとされるデータ(自車の現在位置から遠い位置の情報など)や、フォーマットの異なるデータなど不適格なデータもしくは重複しているデータについては価値がないと判断し破棄する(ステップS401)。
残った有効な情報の内、自車に関係する危険情報(危険データ)を検索し(ステップS402)、検索に成功した場合(ステップS403の判断でYesと判定される)、自車の現状(位置、速度など)と合わせて、別途定められる条件をもとに危険度を判定し(ステップS404)、表示用データを作成する(ステップS405)。
そして、表示装置7に表示用データに応じた表示をさせる。ここでは、前述のように危険物が存在する方向に対応する、線光源の部分を危険度に応じた発光色で発光させる。
なお、上記で説明した各動作フローは一例であり、本発明は、上記の処理の流れに限定されるものではない。
次に、具体例を示し車両用危険情報提示システム1について説明する。
[例1:見通しの悪い交差点の場合]
図8に例示するように、見通しの悪い交差点において、交差点前で一時停止している自動車Aおよび自動車Bから、交差点に進入してくる自転車を視認することはできない。
自動車Bは不特定の近隣の相手(他車の車両用危険情報提示システム1、定点システム)に対して送信要求を送り、これに応じた自動車C及び電柱Dに設置された定点システムから送られてきた解析情報を受信する。一方、自動車Bは自動車Aの送信要求を受けて自車のシステムにて取得した解析情報を送信する。自動車Bおよび自動車Aは受信した解析情報をもとに危険物の判定を行いこれに関する危険情報を作成する。
図8に示した状況では、一時停車中の自動車Aが今交差点に進入すると衝突する恐れがある物体(この例では、自転車:この自転車は、自動車Aにあるビデオカメラ1や各種センサー2ではとらえられないが、自動車Cの車両用危険情報提示システム1及び電柱Dに設置された定点システムでとらえることができ、自動車Cの同システム及び電柱Dの定点システムから自転車に関する解析情報が自動車Bに提供され、さらに自動車Aに提供される)が左側に存在すると判定し、表示装置7のLU部分を発光させる。これにより接触事故を予防できる。また、自動車B及び自動車Aは一時停車中であり運転手は視線を前方から逸らすことができるので、前述のモニターを見ることで死角にある自転車の存在等詳細な情報をさらに知ることができる。
[例2:後方からバイクの追い越しがある場合の表示例]
図9に示す例では、片側2車線の道路の左車線を自動車A、B、C、Dがこの順番で列をなして走行している。道路は十分な速度で流れているが渋滞に近い込み具合である。各自動車には、車両用危険情報提示システム1が設置されており、互いに無線通信を行うことで各自動車が取得した解析情報を共有している。
バイクが自動車Dの左側を追い越したため自動車Bの表示装置7のLL部分が無発光から青色発光に変わったが、前方の自動車Aが車線変更を始めたため、自動車Bの運転手は、LL部分の発光を無視して前方を注視した。
しばらくして自動車Bも右車線に移ろうと考えていたところ、先ほどのバイクが自動車Cの右側を追い越したため、表示装置7のRL部分が無発光から青色発光さらに黄色発光へと変化する。
自動車Bの運転手は前方に差し迫った危険がないことを確認した上で右サイドミラーを視認すると、バイクが確認できたので車線変更を思いとどまった。
バイクはそのまま自動車Bの追い抜きを試みたため自動車Bの表示装置7のRL部分の発光色は赤に変化する。
以上のように、車両用危険情報提示システム1を設置した車両間で提供しあう解析情報ならびに所定地点に設置された定点システムから提供される解析情報を共有することで、上記例のような後方や交差点等の死角にある危険物についての情報が共有でき、事故を予防することができる。
また、車両用危険情報提示システム1及び定点システムでは、画像データそのものなどではなく解析結果を通信するため通信量や、受信側での解析コストが小さい。
また、他車の同システムあるいは定点システムから得た情報をさらに別の同システムに渡すことで補完し合い、より充実した情報を共有することができる。
また、自動車に限らず死角の多い交差点の信号機や電柱などに定点システムを設置しこれらから得られる情報を利用することで、上記例1のように交差点がカーブのコーナーミラーの機能を補完することができる。
また、表示装置7をフロントガラスのフレーム周囲の線上に配した線光源にし、危険の方向と発光部を対応させることで、視界を妨げず、また従来の表示装置(モニターやHUDなど)を用いた場合の表示の変化により視線が引きずられる危険性(一般に、点光源が急に変化すると無意識に視線が点光源に向いて、前方の注意がそらされやすい)を軽減できる。
また、表示装置7の発光色を危険度に応じて変化させることで、前方に視線を固定したままでも視線をずらす危険度を知ることができる。
車両用危険情報提示システム1は、有効な解析情報や危険情報を保存しているので、事故時には、後からこれらの情報を解析することで事故原因究明の助けとなる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態である車両用危険情報提示システムの概略構成を示すブロック図である。 同実施の形態における表示装置の設置例(運転手視点)を示す図である。 同実施の形態における表示装置の他の構成例を示す図である。 同実施の形態における解析情報送信処理を示すフローチャートである。 同実施の形態における(自車周辺の)危険物解析処理を示すフローチャートである。 同実施の形態における解析情報受信処理を示すフローチャートである。 同実施の形態における危険度判定及び表示処理を示すフローチャートである。 車両用危険情報提示システムの動作の具体例を説明するための図である。 車両用危険情報提示システムの動作の具体例を説明するための図である。
符号の説明
1…ビデオカメラ、2…各種センサー、3…GPS装置、4…解析装置、5…無線通信装置、6…操作パネル、7…表示装置

Claims (8)

  1. 自車の位置・速度・加速度等ならびに自車の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等所定の物理量に関する情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段から得られる情報を解析し、自車及び自車の周囲に存在する物体毎の、これらに関する前記物理量を解析情報として求める第1解析手段と、
    前記第1の解析手段により求められた解析情報と、他車の同システムから送信された解析情報を記憶する記憶手段と、
    他車の同システムからの要求に従って前記記憶手段に記憶されている解析情報を無線通信により送信するとともに、他車の同システムから送信された解析情報を受信する無線通信手段と、
    前記記憶手段に記憶されている自車及び他車から得られた前記解析情報を解析し、自車にとって危険な物体の存在とその方向等を示す危険情報を抽出する第2解析手段と、
    前記第2解析手段が解析した危険情報を認識可能に運転者に示すための表示手段と、を車両に設置した
    ことを特徴とする車両用危険情報提示システム。
  2. 前記第2解析手段は、危険の程度を示す危険度を前記危険情報に付加し、
    前記表示手段は、前記危険度を認識可能に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用危険情報提示システム。
  3. 前記表示手段は、フロントガラスのフレーム周囲の線上に配した線光源からなる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用危険情報提示システム。
  4. 自施設の周囲に存在する物体に関する位置・速度・加速度・大きさ等の物理量に関する情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段から得られる情報を解析し、自施設の周囲に存在する物体毎の、該物体に関する前記物理量を求める解析手段と、
    前記解析手段により求められた物理量を含む解析情報を無線通信により送信する無線通信手段と、を具備した定点システムを、所定地点にある施設に設置し、
    車両に設置された前記車両用危険情報提示システムは、前記定点システムから送信される解析情報を他車から送信される解析情報と同様に利用する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の車両用危険情報提示システム。
  5. 前記線光源を複数の線光源で構成し各線光源毎に発光可能とするかまたは前記線光源を複数の領域に分割し各領域毎に発光可能として、前記危険情報を認識可能に運転者に示す際、該危険情報に含まれる自車にとって危険な物体の存在する方向に対応する部分を発光させることにより、その物体の存在と方向等を示す
    ことを特徴とする請求項3から請求項4のいずれかに記載の車両用危険情報提示システム。
  6. 前記線光源は、その発光色を切り替え可能に構成され、前記危険度を認識可能に表示する際、該危険度に応じて発光色を切り替える
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の車両用危険情報提示システム。
  7. 自動車のフロントガラスのフレーム周囲の線上に配される線光源からなる表示装置であって、
    前記線光源は、複数の線光源により構成されるかまたは複数の領域に分割され、複数の線光源毎にまたは各領域毎に発光可能である
    ことを特徴とする表示装置。
  8. 前記線光源は、その発光色を切り替え可能に構成される
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。

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