従来の液晶表示装置としては、ストライプ状のXY電極の交点の画素を駆動する単純マトリクス型液晶表示装置と、画素毎に能動素子(例えば、薄膜トランジスタ)を有しこの能動素子をスイッチング駆動するアクティブマトリクス型液晶表示装置に大別される。
図18は、単純マトリクス型液晶表示装置の1つである従来のカラーSTN(Super Twisted Nematic)方式の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の概略構成を示すブロック図である。
図18において、501は表示制御装置、502は電源回路、503は液晶表示パネル、IC−U1,IC−U2,IC−U3,IC−Unは上側のドレインドライバ(データ信号線駆動回路)、IC−L1,IC−L2,IC−L3,IC−Lnは下側のドレインドライバ(データ信号線駆動回路)、IC−C1,IC−C2,IC−C3,IC−C4,IC−C5はコモンドライバ(走査信号線駆動回路)である。
液晶表示パネル503は、液晶を介して互いに対向配置された一対のガラス基板を備え、一方のガラス基板の液晶側の面には、X方向に延在し、かつ、Y方向に並設されるm本のコモン電極(走査信号線)が形成され、このm本のコモン電極のそれぞれは、対応する各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に接続される。
また、他方のガラス基板の液晶側の面には、Y方向に延在し、かつ、X方向に並設されるn本のセグメント電極(データ信号線)が形成され、さらに、このn本のセグメント電極は上下2つに分割され、この2分割されたn本のセグメント電極のそれぞれは、上側の対応する各セグメントドライバ(IC−U1〜Un)、あるいは、下側の対応する各セグメントドライバ(IC−L1〜Ln)に接続される。
前記複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差部が画素領域を構成し、上側の各セグメントドライバ(IC−U1〜Un)、下側の各セグメントドライバ(IC−L1〜Ln)および各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)から、前記複数のセグメント電極にデータ信号線駆動電圧、および、前記複数のコモン電極に走査信号線駆動電圧を印加して、前記画素を駆動する。
この場合に、液晶に直流電圧が印加されないように、前記複数のセグメント電極と前記複数のコモン電極とに印加する各駆動電圧を所定の周期で反転させる、いわゆる交流化駆動方法が採用される。
表示制御装置501は、上位コンピュータ側等から転送される表示用データに基づき、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)に表示用データ(Din)を供給する。
また、表示制御装置501は、上位コンピュータ側等から転送される表示制御信号に基づき、表示制御信号(クロック(CL1,CL2),フレーム信号(FLM),交流化信号(M)等)を生成し、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)および各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に表示制御信号を送出し、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)および各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)を制御する。
電源回路502は、データ信号線駆動電圧および走査信号線駆動電圧を生成し、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)にデータ信号線駆動電圧を、各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に走査信号線駆動電圧を供給する。
図19は、図18に示す表示制御装置501から、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)、および、各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に送出される表示用データ(Din)、および、表示制御信号(クロック(CL1,CL2),フレーム信号(FLM),交流化信号(M))のタイミングチャートを示す図である。
なお、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)および各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に、表示制御装置501から入力される表示制御信号としては、前記したクロック(CL1,CL2)、交流化信号(M)およびフレーム信号(FLM)以外の表示制御信号も入力されるが、図18においては省略している。
図20は、図18に示す各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)の概略回路構成を示すブロック図である。
図20に示すセグメントドライバは、シフトレジスタ回路511、ビットラッチ回路512、ラインラッチ回路513、セレクタ回路514、出力バッファ回路515およびランダムロジック回路510から構成される。
次に、図20に示すセグメントドライバの動作を説明する。
シフトレジスタ回路511は、表示制御装置501から入力される表示デ−タラッチ用クロック(CL2)に基づいて、ビットラッチ回路512のデータ取り込み用信号を生成し、ビットラッチ回路512に出力する。
ビットラッチ回路512は、シフトレジスタ回路511から入力されるデータ取り込み用信号に基づいて、表示制御装置501から入力される8ビットの表示データ(Din)をラッチする。
ラインラッチ回路513は、出力タイミング制御用クロック(CL1)に基づいて、全てのビットラッチ回路512に取り込まれた表示用データをラッチし、セレクタ回路514に出力する。
セレクタ回路514は、ラインラッチ回路513から入力された表示用データの電圧レベルを液晶駆動用の高電圧レベルに変換して出力バッファ回路515に出力する。
出力バッファ回路515には、電源回路502から4レベルのデータ信号線駆動電圧が供給されており、出力バッファ回路515は、電源回路502から供給される4レベルのデータ信号線駆動電圧の中の1つを、セレクタ回路514から入力される高電圧レベルの表示用データと交流化信号(M)に基づいて選択して各セグメント電極(データ信号線)に出力する。
この場合に、各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)は、キャリ−信号(バーEI/O1あるいはバーEI/O2)を出力し、前段のキャリ−信号は、そのまま次段のセグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)のキャリ−入力に入力され、このキャリー信号により各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)の表示データの取り込み動作が制御され、誤った表示データが各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)に取り込まれるのを防止している。
図20に示すセグメントドライバを、液晶表示パネル503の上側に配置する場合と、液晶表示パネル503の下側に配置する場合とでは、出力バッファ回路515の出力端子が左右反転するため、各セグメント電極に出力される出力バッファ回路515からのデータ信号線駆動電圧を左右反転する必要がある。
図20に示すランダムロジック回路510は、各セグメント電極に出力される出力バッファ回路515からのデータ信号線駆動電圧の左右反転(SHL)を行うときに、表示制御装置501から入力される8ビットの表示データ(Din)の並べ換えを行う。
図18に示す各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)には、4レベルの走査信号線駆動電圧が供給されており、各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)は、表示制御装置501から供給されるフレーム信号(FLM)、および、クロック(CL1)により、1水平走査時間毎に駆動されるコモン電極を内部ロジック回路で選択し、当該選択されたコモン電極、および、それ以外のコモン電極に対して、交流化信号(M)に基づき、電源回路502から供給される4レベルの走査信号線駆動電圧の中の1つを選択して出力する。
この場合に、各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)は、キャリ−信号を出力し、前段のキャリ−信号は、そのまま次段のコモンドライバ(IC−C1〜Cn)のキャリ−入力に入力され、このキャリー信号により各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)のコモン電極選択動作が制御される。
図21は、図12に示す液晶表示パネル503のセグメント電極に印加されるデータ信号線駆動電圧、および、コモン電極に印加される走査信号線駆動電圧の一例を説明するための図である。
図21に示す例では、電源回路502は、それぞれ異なるV1ないしV6の電圧を生成し、V1,V2,V3,V4の電圧を各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)に供給し、また、V1,V2,V5,V6の電圧を各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)に供給する。
図21に示すように、例えば、交流化信号(M)がHighレベルの場合に、表示データ「1」の各セグメント電極には、電源回路502から供給されるV2の駆動電圧が、表示データ「0」の各セグメント電極には、電源回路502から供給されるV4の駆動電圧が印加され、また、交流化信号(M)がLowレベルの場合に、表示データ「1」の各セグメント電極には、電源回路502から供給されるV1の駆動電圧が、表示データ「0」の各セグメント電極には、電源回路502から供給されるV3の駆動電圧が印加される。
同じく、交流化信号(M)がHighレベルの場合に、選択されたコモン電極には、電源回路502から供給されるV1の駆動電圧が、非選択のコモン電極には、電源回路502から供給されるV5の駆動電圧が印加され、また、交流化信号(M)がLowレベルのときには、選択されたコモン電極には電源回路502から供給されるV2の駆動電圧が印加され、非選択のコモン電極には、電源回路502から供給されるV6の駆動電圧が印加される。
図22は、図18に示す単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の構成部品を示す分解斜視図である。
図18に示す液晶表示モジュール(LCM)においては、冷陰極管528、この冷陰極管528からの光を液晶表示パネル503に照射する導光板組立体527、導光板組立体527からの光を集光するプリズムシート526、および、金属板に白色塗料が塗布された下側フレーム532が、図22に示す順序で、枠状に形成されたモールド525の窓部に嵌め込まれる。
ここで、導光板組立体527は、アクリル板からなる導光板と、導光板の両側に形成される反射シートおよび拡散シートから構成される。
冷陰極管528の周囲には、導光板組立体527と異なる方向に放射された光を無駄なく導光板組立体527に集光させるための銀反射シート529が配置される。
液晶表示パネル503の周囲には、駆動回路基板524が実装され、この駆動回路基板524には、テープキャリアパッケージ535が実装される。
図18に示す液晶表示モジュール(LCM)においては、駆動回路基板524が周囲に実装された液晶表示パネル503をモールド525の窓部に載置し、さらに、この上に、シリコンスペーサ522、棒スペーサ532、表示窓を有する上側フレーム521を重ね、上側フレーム521に設けられた爪で、下側フレームを挟み込むことにより、組み立てられる。
ここで、モールド525、プリズムシート526、冷陰極管528、銀反射シート529、導光板組立体527および下側フレーム532は、液晶表示パネル503に光を照射するためのバックライトを構成する。
なお、図22において、530はゴムブッシュを示している。
このように、図18に示す単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)は、駆動回路基板524が周囲に実装された液晶表示パネル503とバックライトとが、表示窓を有する上側フレーム521と下側フレーム532との間に収納されて構成される。
そして、上側フレーム521の表示窓の領域が、単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の表示領域を構成し、単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の表示領域以外の領域、即ち、上側フレーム521の表示窓の周囲の領域を、通常額縁と称し、この額縁領域には、図22から明らかなように、テープキャリアパッケージ535および駆動回路基板524が収納される。
図23は、図22に示す駆動回路基板524が周囲に実装された液晶表示パネル503の平面図である。
図23に示すように、駆動回路基板524は3分割され、各駆動回路基板(524a,524b,524c)は、それぞれ液晶表示パネル503の辺に沿って設けられ、各駆動回路基板(524a,524b,524c)はフラットケーブル536により電気的に接続される。
各駆動回路基板(524a,524b,524c)には、テープキャリアパッケージ(535a,535b,535c)、抵抗あるいはコンデンサ等の電子部品が実装され、各テープキャリアパッケージ(535a,535b,535c)には、液晶表示パネル503を駆動させるICチップ(半導体チップ)(537a,537b,537c)が、テープ・オートメイティド・ボンディング法(TAB)により実装される。
前記テープキャリアパッケージ(535a,535b)が、図18に示す各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)を構成し、前記テープキャリアパッケージ535cが、図18に示す各コモンドライバ(IC−C1〜Cn)を構成する。
この場合に、前記テープキャリアパッケージ(535a,535b)に実装されるICチップ(537a,537b)の内部には、図20に示す各回路が、信号(データ)の流れに沿って、即ち、ICチップの入力側ボンディングパッド、ランダムロジック回路510、シフトレジスタ回路511、ビットラッチ回路512、ラインラッチ回路513、セレクタ回路514、出力バッファ回路515、出力側ボンディングパッドの順に設けられる。
図24は、図23に示すテープキャリアパッケージ535aの断面図である。
図24において、541はICチップ537aの入力側配線部であり、542はICチップ537aの出力側配線部であり、入力側配線部541の内側の先端部(インナーリード)には、ICチップ537aの入力側ボンディングパッド543aが、また、出力側配線部542の内側の先端部(インナーリード)には、出力側ボンディングパッド543bがいわゆるギャングボンディング法により接続される。
ここで、入力側配線部541および出力側配線部542は、例えば、銅(Cu)から構成される。
入力側配線部541および出力側配線部542の外側の先端部(アウターリード)は、それぞれICチップ537aの入力及び出力に対応し、入力側配線部541の外側の先端部には、半田付け等により駆動回路基板524aの端子部が接続され、また、出力側配線部542の外側の先端部には、異方性導電膜によって液晶表示パネル503の端子部が接続される。
544は、例えば、ポリイミド等からなるベースフィルムであり、ベースフィルム544と、入力側配線部541および出力側配線部542とは、接着剤545により接着されている。
また、546は、半田付けの際に、半田が余計なところへつかないようにマスクするためのソルダレジスト膜、547はICチップ537aを保護する熱硬化性樹脂である。
図25は、図23に示すテープキャリアパッケージ535aを拡大して示す模式拡大図である。
なお、図25においては、理解し易くするために、ICチップ537aを保護する熱硬化性樹脂547を取り除いた状態を示している。
図25に示すように、テープキャリアパッケージ535aの出力側配線部542は、液晶表示パネル503の端子部(セグメント電極端子部)のピッチと、ICチップ537aの出力側ボンディングパッド543bのピッチとが異なるため、広いピッチの外側の先端部から、狭いピッチの内側の先端部へ向けて、ピッチが狭まるように斜めの配線となる。
これは、テープキャリアパッケージ535aの入力側配線部541においても同様である。
このように、テープキャリアパッケージ535aの入力側配線部541および出力側配線部542では、入力側配線部541および出力側配線部542の各先端部でのピッチを合わせるために斜め配線部(548a,548b)が必要であった。
以下、本発明をカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールに適用した実施例を図面を参照して説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
本発明の実施例1のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の概略構成は、前記図18に示す従来のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
なお、本実施例1のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の駆動方式は電圧平均化法に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例(実施例1)であるカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールに使用される液晶表示パネルの構成部品を示す分解斜視図であり、また、図2は、図1に示す液晶表示パネルの要部断面図である。
図1または図2に示すように、本実施例1の液晶表示パネル100においては、液晶層10を基準にして、ガラス基板1側には、帯状の透明導電膜(ITO)からなる複数のセグメント電極(データ信号線)13が形成され、ガラス基板2側には、帯状の透明導電膜(ITO)からなる複数のコモン電極(走査信号線)14が形成される。
ガラス基板1の内側(液晶層10側)には、複数のセグメント電極13、配向膜7とが順次積層され、ガラス基板2の内側(液晶層10側)には、カラーフィルタ(4a,4b,4c)および遮光膜3、保護膜5、複数のコモン電極14、配向膜6とが順次積層される。
また、ガラス基板1の外側には、偏光板11および位相差板15が形成され、ガラス基板2の外側には、偏光板12が形成される。
図2の25は、ガラス基板1の外側で偏光板11および位相差板15が形成される領域を示している。
コモン電極14とセグメント電極13とは、互いに直交しており、コモン電極14とセグメント電極13との交点が1画素を構成する。
また、セグメント電極13およびコモン電極14は、それぞれガラス基板1およびガラス基板2の一端部まで延在され、セグメントドライバおよびコモンドライバと電気的に接続するための端子部(23,24)を形成する。
ここで、セグメント電極13は、それぞれR(赤色),G(緑色),B(青色)用のセグメント電極(13a,13b,13c)から構成される。
また、カラーフィルタ(4a,4b,4c)を取り巻くように、格子状の遮光膜3が形成されており、したがって、格子状の遮光膜3は、コモン電極14の間、および、セグメント電極13の間に対向する位置に配置される。
さらに、図2に示すように、液晶層10には、液晶層10の厚さを均一に保つためのスペーサ8が封入される。
なお、前記ガラス基板2、遮光膜(3)、カラーフィルタ(4a,4b,4c)、保護膜5、複数のコモン電極14、配向膜6、偏光板12が、コモン電極基板110を構成し、また、ガラス基板1、複数のセグメント電極13、配向膜7、偏光板11、位相差板15が、セグメント電極基板120を構成する。
本実施例1の液晶表示パネル100は、以下の工程により製造される。
(イ)コモン電極基板110とセグメント電極120を、それぞれ個別に製造した後、コモン電極基板100の周囲にシール材9を形成するとともに、シール材9の内側にスペーサ8を配置する。
(ロ)コモン電極基板110とセグメント電極基板120とのパターン面を合わせ、コモン電極基板110とセグメント電極基板120との外面を加圧した状態で加熱しシール材9を硬化させ、コモン電極基板110とセグメント電極基板120とを接着シールする。
(ハ)シール材の開口部から液晶層10を注入し、開口部をエポキシ樹脂等で封止し、最後に、ガラス基板(1,2)の上に、位相差板15および偏光板(14,15)を貼り付ける。
図3は、本実施例1の液晶表示モジュール(LCM)の周辺部の概略断面図であり、冷陰極管が配置される側(図22の冷陰極管528が配置される側)の断面を示している。
本実施例1の単純マトリクス型液晶表示モジュールにおいても、前記図18に示す従来の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)と同様、図1または図2に示す液晶表示パネル100の周囲に駆動回路基板が実装される。
この駆動回路基板は3分割され、それぞれ液晶表示パネル100の辺に沿って設けられ、各駆動回路基板はフラットケーブル(図示せず)により電気的に接続される。
各駆動回路基板には、テープキャリアパッケージ、抵抗あるいはコンデンサ等の電子部品が実装され、テープキャリアパッケージには、液晶表示パネル100を駆動させるICチップが、テープ・オートメイティド・ボンディング法(TAB)により実装される。
図3では、液晶表示パネルの上側(あるいは下側)に設けられる駆動回路基板204とテープキャリアパッケージ300のみを図示しており、このテープキャリアパッケージ300には、ICチップ301が実装される。
本実施例1の単純マトリクス型液晶表示モジュールは、前記図18に示す従来の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)と同様、バックライトの上に、駆動回路基板204および残り2つの駆動回路基板が周囲に実装された図1または図2に示す液晶表示パネル100を載置し、さらに、この上に、シリコンスペーサ(図示せず)、棒スペーサ(図示せず)、表示窓を有する上側フレーム201を重ね、上側フレーム201に設けられた爪で、下側フレーム212を挟み込むことにより組み立てられる。
また、図18に示す従来の単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)と同様、冷陰極管208、この冷陰極管208からの光を液晶表示パネル100に照射する導光板組立体207、導光板組立体207からの光を集光するプリズムシート206、および、金属板に白色塗料が塗布された下側フレーム212が、図22に示す順序で、枠状に形成されたモールド205の窓部に嵌め込まれる。
また、冷陰極管208の周囲には、導光板組立体207と異なる方向に放射された光を無駄なく導光板組立体207に集光させるための銀反射シート209が配置される。
ここで、導光板組立体207は、アクリル板からなる導光板251と、導光板の両側に形成される反射シート252および拡散シート253から構成され、モールド205、プリズムシート206、冷陰極管208、銀反射シート209、導光板組立体207および下側フレーム212は、バックライトを構成する。
なお、図3に示す210は、銀反射シート209と導光板組立体207とを接着する両面テープである。
図4は、本実施例1のテープキャリアパッケージ300の概略平面図であり、また、図5は、本実施例1のテープキャリアパッケージ300の概略断面図である。
なお、本実施例1のテープキャリアパッケージ300は、図20(または図18)に示す各セグメントドライバ(IC−U1〜Un,IC−L1〜Ln)を構成する。
図4、図5において、302はICチップ301の入力側配線部であり、303はICチップ301の出力側配線部である。
入力側配線部302の内側の先端部(インナーリード)には、ICチップ301の入力側ボンディングパッド304aが、また、出力側配線部303の内側の先端部には、出力側ボンディングパッド304bがいわゆるギャングボンディング法により接続される。
ここで、入力側配線部302および出力側配線部303は、例えば、銅(Cu)から構成される。
入力側配線部302の外側の先端部には、半田付け等により駆動回路基板の端子部が接続され、また、出力側配線部303の外側の先端部には、異方性導電膜によって液晶表示パネル100の端子部23が接続される。
ここで、図4に示すように、入力側配線部302および出力側配線部303には、入力側配線部302および出力側配線部303の各先端部でのピッチを合わせるために斜め配線部(309a,309b)が設けられる。
305は、例えば、開口部307が設けられたポリイミド等からなるベースフィルムであり、ベースフィルム305と、入力側配線部302および出力側配線部303とは、接着剤により接着されている。
また、308はICチップ301を保護する熱硬化性樹脂(レジン)である。
なお、この熱硬化性樹脂(レジン)308は、図4では省略している。
図4に示すように、本実施例1のテープキャリアパッケージ300では、ICチップ301が、その周辺部においてベースフィルム305の開口部307の縁と重なるようにされ、また、ICチップ301の出力側ボンディングパッド304bが、テーキャリアパッケージ300の配線部(入力側配線部302および出力側配線部303)の配線方向の中央部に設けられる。
即ち、本実施例1のテープキャリアパッケージ300では、ICチップ301の液晶表示パネル100側の周辺部がベースフィルム305の開口部307の縁と重なる長さ(L3)を、ICチップ301の駆動回路基板204側の周辺部が、ベースフィルム305の開口部307の縁と重なる長さよりも大きくし、ICチップ301の液晶表示パネル100側(テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の外側の先端部側)の端部からICチップ301の出力側ボンディングパッド304bまでの距離(L1)が、ICチップ301の駆動回路基板204側(テープキャリアパッケージ300の入力側配線部302の外側の先端部側)の端部からICチップ301の入力側ボンディングパッド304aまでの距離(L2)より大きくされる。
図6は、本実施例1のテープキャリアパッケージ300に実装されるICチップ301の概略内部回路構成と、本実施例1のテープキャリアパッケージ300の配線パターンとを合わせて示す図である。
図6に示すように、本実施例1のテープキャリアパッケージ300に実装されるICチップ301の内部回路は、信号(データ)の流れに沿って設けられておらず、図6に示すように、ランダムロジック回路310、入力側ボンディングパッド304a、シフトレジスタ回路・ビットラッチ回路311、出力側ボンディングパッド304b、出力バッファ回路312、ラインラッチ回路・セレクタ回路313の順に設けられる。
ここで、出力側配線部303の配線パターンのエッチング時の断線、隣接する配線パターンの短絡を考慮して、テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の斜め配線部309bの配線引回し長(L0)は、下記(1)、(2)式で表される。
[数1]
L0=(OL/2−1/4)×(OLP−OPP)tan(θ)‥(1)
[数2]
θ=sin−1(RP/OLP) ‥‥‥‥‥(2)
ここで、OL ;出力側配線部303の本数
OLP;出力側配線部303の外側の先端部(アウタリード)の ピッチ
OPP;ICチップ301の出力側ボンディングパッド304bの ピッチ
RP ;斜め配線部309bの配線ピッチ
前記(1)、(2)式から理解できるように、単純マトリクス型液晶表示モジュール等の液晶表示装置の表示画面サイズが大きくなると、テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の外側の先端部のピッチサイズが大きくなり、テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の斜め配線部309bの配線引回し長(L0)が大きくなる。
これは、ICチップ301のチップサイズが小さくなり、テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の内側の先端部のピッチサイズが小さくなっても同じことである。
しかしながら、本実施例1のテープキャリアパッケージ300では、ICチップ301の出力側ボンディングパッド304bを、テープキャリアパッケージ300の配線部の配線方向の中央部に設けるようにしたので、ICチップ301の液晶表示パネル100側の端部からICチップ301の出力側ボンディングパッド304bまでの距離(L1)を長くすることが可能となる。
これにより、テープキャリアパッケージ300の出力側配線部303の斜め配線部309bをICチップ301と重なる位置に設けることができるので、テープキャリアパッケージ300の配線部方向の幅を(TCP幅;L10)狭くすることが可能となる。
したがって、本実施例1のテープキャリアパッケージ300を用いることにより、液晶表示モジュール(LCM)の上下の額縁領域の幅を狭くすることが可能となる。
また、テープキャリアパッケージ300の入力側配線部302の内側の先端部および出力側配線部303の内側の先端部をエッチングにより形成する際に、各先端部間には所定のエッチングスペースが必要であり、ICチップ301の入力側ボンディングパッド304aと出力側ボンディングパッド304bとの間に所定の間隔が必要となる。
しかしながら、本実施例1のテープキャリアパッケージ300では、ICチップ301の入力側ボンディングパッド304aと出力側ボンディングパッド304bとの間に、シフトレジスタ回路・ビットラッチ回路311を配置するようにしたので、ICチップ301を有効に活用して、ICチップ301のテープキャリアパッケージ300の配線部方向の幅を狭くすることが可能となる。
[実施例2]
本発明の実施例2のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールは、テープキャリアパッケージに実装されるICチップの構成が、前記実施例1の単純マトリックス型液晶表示モジュールと相違する。
図7は、本実施例2のテープキャリアパッケージ320に実装されるICチップ321の概略内部回路構成と、本実施例2のテープキャリアパッケージ320の配線パターンとを合わせて示す図である。
なお、図7に示すテープキャリアパッケージ320は、液晶表示パネルの上側(あるいは下側)に設けられるテープキャリアパッケージを示している。
本実施例2のテープキャリアパッケージ320でも、ICチップ321が、その周辺部においてベースフィルム305の開口部の縁と重なるようにされ、また、図7に示すように、ICチップ321の出力側ボンディングパッド304bが、テープキャリアパッケージ320の配線部の配線方向の中央部よりICチップ321の駆動回路基板204側(テープキャリアパッケージ320の入力側配線部302の外側の先端部側)で、ICチップ321の入力側ボンディングパッド304aに近接して設けられる。
また、それに応じて、本実施例2のテープキャリアパッケージ320に実装されるICチップ321の内部回路は、信号(データ)の流れに沿って設けられておらず、図7に示すように、ランダムロジック回路310、入力側ボンディングパッド304a、出力側ボンディングパッド304b、出力バッファ回路312、ラインラッチ回路・セレクタ回路313、シフトレジスタ回路・ビットラッチ回路311の順に設けられる。
本実施例2のテープキャリアパッケージ320においても、ICチップ321の液晶表示パネル100側の端部からICチップ321の出力側ボンディングパッド304bまでの距離(L1)が、ICチップ321の駆動回路基板204側の端部からICチップ321の入力側ボンディングパッド304aまでの距離(L2)より大きくされる。
これにより、テープキャリアパッケージ320の出力側配線部303の斜め配線部309bをICチップ321と重なる位置に設けることができるので、テープキャリアパッケージ320の配線部方向の幅(TCP幅;L10)を狭くすることが可能となる。
したがって、本実施例2のテープキャリアパッケージ320を用いることにより、液晶表示モジュール(LCM)の上下の外の額縁領域の幅を狭くすることが可能となる。
[実施例3]
本発明の実施例3のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールは、テープキャリアパッケージに実装されるICチップの構成が、前記実施例1の単純マトリックス型液晶表示モジュールと相違する。
図8は、本実施例3のテープキャリアパッケージ330に実装されるICチップ331の概略内部回路構成と、本実施例3のテープキャリアパッケージ330の配線パターンとを合わせて示す図である。
なお、図8に示すテープキャリアパッケージ330は、液晶表示パネルの上側(あるいは下側)に設けられるテープキャリアパッケージを示している。
本実施例3のテープキャリアパッケージ330でも、ICチップ331が、その周辺部においてベースフィルム305の開口部の縁と重なるようにされ、また、図8に示すように、ICチップ331の出力側ボンディングパッド304bが、テープキャリアパッケージ330の配線部の配線方向の中央部よりICチップ331の駆動回路基板204側(テープキャリアパッケージ330の入力側配線部302の外側の先端部側)で、ICチップ331の入力側ボンディングパッド304aと同じ位置に設けられる。
また、それに応じて、本実施例3のテープキャリアパッケージ330に実装されるICチップ331の内部回路は、信号(データ)の流れに沿った配置ではなく、図8に示すように、ランダムロジック回路310、入力側ボンディングパッド304aおよび出力側ボンディングパッド304b、出力バッファ回路312、ラインラッチ回路・セレクタ回路313、シフトレジスタ回路・ビットラッチ回路311の順に設けられる。
本実施例3のテープキャリアパッケージ330においても、ICチップ331の液晶表示パネル100側の端部からICチップ331の出力側ボンディングパッド304bまでの距離(L1)が、ICチップ331の駆動回路基板204側の端部からICチップ331の入力側ボンディングパッド304aまでの距離(L2)より大きくされる。
これにより、テープキャリアパッケージ330の出力側配線部303の斜め配線部309bをICチップ331と重なる位置に設けることができるので、テープキャリアパッケージ330の配線部方向の幅(TCP幅;L10)を狭くすることが可能となる。
したがって、本実施例3のテープキャリアパッケージ330を用いることにより、液晶表示モジュール(LCM)の表示領域以外の額縁領域の幅を狭くすることが可能となる。
また、本実施例3のテープキャリアパッケージ330では、出力側ボンディングパッド304bを設置するためのスペースが必要ないので、ICチップ331の幅を小さくでき、本実施例3のテープキャリアパッケージ330を用いることにより、液晶表示モジュール(LCM)の表示領域以外の額縁領域の幅をより狭くすることが可能となる。
[実施例4]
本発明の実施例4のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールは、テープキャリアパッケージに実装されるICチップの構成が、前記実施例1の単純マトリックス型液晶表示モジュールと相違する。
前記各発明の実施例におけるテープキャリアパッケージでは、本来、出力端子数(液晶表示パネル100の端子部23に接続される出力側配線部303の本数)に比べて、入力端子数(駆動回路基板204の端子部に接続される入力側配線部302の本数)は少なくて済む。
図9は、従来のテープキャリアパッケージにおけるNCピンおよびダミーの入力側ボンディングパッドを説明するための図であり、また、図10は、従来のテープキャリアパッケージに実装されるICチップにおける入力側ボンディングパッド領域の要部断面図である。
図9に示すように、従来のテープキャリアパッケージにおいては、出力側配線部および入力側配線部の内側の先端部のボンディング時の均一性を確保するために、テープキャリアパッケージの入力側配線部にNCピン(空きピンあるいはダミーピン)412を設け、また、ICチップ401にダミーの入力側ボンディングパッド414aを設けるようにしている。
なお、図9、図10において、413は入力側配線部の内で駆動回路基板の端子部204に接続される入力側配線部(以下、アクティブピンと称す)を示す。
この場合に、図10に示すように、従来のICチップ401においては、アクティブピン413が接続される入力側ボンディングパッド404aには保護ダイオード420を設けるようにしているが、NCピン412が接続されるダミーの入力側ボンディングパッド414aには、保護ダイオードを設けず、ダミーの入力側ボンディングパッド414aをLOCOS領域421の上に設けるようにしている。
そのため、図10に示すように、NCピン412あるいはダミーの入力側ボンディングパッド414aに静電気が印加され、前記静電気よりLOCOS領域421が絶縁破壊を起こすと、前記静電気がLOCOS領域421を介してICチップ401内に流れ、ICチップ401が破壊することがあった。
なお、図10では、保護ダイオード420をPウェル内に形成する場合と、Nウェル内に形成する場合との2通りの場合を図示している。
図11は、本実施例4のテープキャリアパッケージにおけるNCピンおよびダミーの入力側ボンディングパッドを説明するための図である。
本実施例4のテープキャリアパッケージにおいても、出力側配線部303および入力側配線部302の内側の先端部のボンディング時の均一性を確保するために、テープキャリアパッケージの入力側配線部302にNCピン352を設け、また、ICチップ351にダミーの入力側ボンディングパッド354aを設けるようにしている。
しかしながら、図11に示すように、本実施例4のテープキャリアパッケージでは、アクティブピン(入力側配線部302の内で駆動回路基板の端子部204に接続される入力側配線部)353に、NCピン352を接続するようにしている。
この場合に、アクティブピン353が接続される入力側ボンディングパッド304aには保護ダイオードが設けられているので、NCピン352あるいはダミーの入力側ボンディングパッド354aに静電気が印加されても、前記静電気は、アクティブピン353が接続される入力側ボンディングパッド304aに設けられている保護ダイオードを介して、基準電位(電源電位(VCC)あるいは接地電位(GND))に放電されるので、ICチップ351が絶縁破壊を起こすことがなくなる。
なお、図11では、テープキャリアパッケージの入力側配線部302で、NCピン352をアクティブピン353に接続するようにしたが、ICチップ351内で、NCピン352をアクティブピン353に接続するようにしてもよい。
図12は、本実施例4のテープキャリアパッケージに実装されるICチップ351の一例の入力側ボンディングパッド領域の要部断面図であり、ICチップ内で、NCピン352をアクティブピン353に接続するようにしたICチップ351の一例を示す図である。
図12に示すように、ICチップ351のアクティブピン353が接続される入力側ボンディングパッド304aには、保護ダイオード360が設けられる。
また、NCピン352が接続されるダミーの入力側ボンディングパッド354aは、LOCOS領域361の上に設けられ、このダミーの入力側ボンディングパッド354aは、アルミニウム(Al)配線層362により、ICチップ351のアクティブピン353が接続される入力側ボンディングパッド304aに接続されている。
図12に示すICチップ351においても、NCピン352あるいはダミーの入力側ボンディングパッド354aに静電気が印加されても、前記静電気は、アクティブピン353が接続される入力側ボンディングパッド304aに設けられている保護ダイオード360を介して、基準電位(電源電位(VCC)あるいは接地電位(GND))に放電される。
なお、図12おいても、保護ダイオード360をPウェル内に形成する場合と、Nウェル内に形成する場合との2通りの場合を図示している。
また、本実施例4のテープキャリアパッケージに実装されるICチップ351の出力側ボンディングパッド304bの構成としては、前記各発明の実施例のICチップの出力側ボンディングパッドの構成を採用することが可能である。
[実施例5]
本発明の実施例5のカラーSTN方式の単純マトリックス型液晶表示モジュールは、テープキャリアパッケージの構成が、前記実施例1の単純マトリックス型液晶表示モジュールと相違する。
図13は、本実施例5のテープキャリアパッケージの配線部が形成される側の面を示す図である。
図13または図5に示すように、前記実施例1のテープキャリアパッケージにおいては、ICチップ301の周囲に、ICチップを保護する熱硬化性樹脂(レジン)308が設けられる。
この熱硬化性樹脂308は、入力側配線部302の内側の先端部および出力側配線部303の内側の先端部を、ICチップ301の入力側ボンディングパッド304aおよび出力側ボンディングパッド304bにボンディングした後に、ICチップ301のボンディングパッド(304a,304b)が設けられる側の面の上に熱硬化性樹脂308を塗布し、加熱・硬化させて形成される。
図13または図5に示す熱硬化性樹脂308を形成する場合に、ベースフィルム305とICチップ301の間から漏れ出す熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出し、硬化されてしまう場合があった。
そして、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の端子部23とを異方性導電膜によって接続する場合には、このベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域に治具を当てて加圧・加熱して行われる。
したがって、このベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域に、熱硬化性樹脂308が形成されると、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の端子部23とを接続する際に、治具をベースフィルム305上に正常に当てることができなくなり、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の端子部23との接続不良が発生するばかりでなく、場合によってはICチップ301が破壊されることがあった。
そこで、本実施例5のテープキャリアパッケージ370では、ベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を抑止する抑止手段を設けて、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしたものである。
図14ないし図17は、本実施例5のテープキャリアパッケージ370における抑止手段の一例を示す概略断面図であり、各図の(a)は、図13に示すA−A’線で切断した断面図、各図の(b)は、図13に示すB−B’線で切断した断面の一部を示す断面図である。
図14に示すテープキャリアパッケージ370では、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面上で、かつ、ICチップ371の液晶表示パネル100側の周辺部に対応する領域に、絶縁テープ381を貼り付け、ベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を少なくして、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしたものである。
これにより、図14に示すテープキャリアパッケージ370では、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の接続端子部23との接続不良を防止することが可能である。
また、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面上で、かつ、ICチップ371の駆動回路基板204側の周辺部に対応する領域に、絶縁テープ381を貼り付け、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、入力側配線部302の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしてもよい。
この場合には、入力側配線部302の外側の先端部と、駆動回路基板204との接続不良を防止することが可能となる。
図15に示すテープキャリアパッケージ370では、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面上で、かつ、ICチップ371の液晶表示パネル100側でICチップ371と重ならない領域に、ソルダレジスト膜382を形成し、ベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を少なくして、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしたものである。
これにより、図15に示すテープキャリアパッケージ370でも、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の接続端子部23との接続不良を防止することが可能である。
また、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面上で、かつ、ICチップ371の駆動回路基板204側でICチップ371と重ならない領域に、ソルダレジスト膜382を形成し、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、入力側配線部302の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしてもよい。
この場合には、入力側配線部302の外側の先端部と、駆動回路基板204との接続不良を防止することが可能となる。
図16に示すテープキャリアパッケージ370では、ICチップ371のベースフィルム305と重なる側の面上で、かつ、ICチップ371の液晶表示パネル100側の周辺部の領域に、LOCOS領域あるいはアルミニウム(Al)配線383を形成し、ベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を少なくして、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしたものである。
これにより、図16に示すテープキャリアパッケージ370でも、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の接続端子部23との接続不良を防止することが可能である。
また、ICチップ371のベースフィルム305と重なる側の面上で、かつ、ICチップ371の駆動回路基板204側の周辺部に、LOCOS領域あるいはアルミニウム(Al)配線383を形成し、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、入力側配線部302の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしてもよい。
この場合には、入力側配線部302の外側の先端部と、駆動回路基板204との接続不良を防止することが可能となる。
図17に示すテープキャリアパッケージ370では、ICチップ371のベースフィルム305と重なる側の面上で、かつ、ICチップ371の液晶表示パネル100側の周辺部に、例えば、金(Au)バンプ領域384を形成し、ベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を少なくして、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、出力側配線部303の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしたものである。
これにより、図17に示すテープキャリアパッケージ370でも、出力側配線部303の外側の先端部と、液晶表示パネル100の接続端子部23との接続不良を防止することが可能である。
また、ICチップ371のベースフィルム305と重なる側の面上で、かつ、ICチップ371の駆動回路基板204側の周辺部に、例えば、金(Au)バンプ領域384を形成し、熱硬化性樹脂308が、ベースフィルム305の配線部が形成される面と反対側の面で、入力側配線部302の外側の先端部に対向する領域まで漏れ出さないようにしてもよい。
この場合には、入力側配線部302の外側の先端部と、駆動回路基板204との接続不良を防止することが可能となる。
なお、図14ないし図17に示すテープキャリアパッケージ370においては、入力側配線部302および出力側配線部303の内側の先端部の長さ(インナーリード長;L4)を小さくすると、入力側配線部302および出力側配線部303の内側の先端部と、ICチップ371の入力側ボンディングパッド304aおよび出力側ボンディングパッド304bとをギャングボンディング法により接続する際に、入力側配線部302および出力側配線部303の内側の先端部が断線してしまうので、入力側配線部302および出力側配線部303の内側の先端部の長さは、少なくとも260μm以上必要である。
また、図14ないし図17において、377は、半田付けの際に、半田が余計なところに付かないようにマスクするためのソルダレジスト膜である。
また、本実施例5のベースフィルム305とICチップ371の間から漏れ出す熱硬化性樹脂量を抑止する抑止手段は、前記各実施例のテープキャリアパッケージに適用可能であることは言うまでもない。
さらに、前記実施例では、本発明を、STN方式の単純マトリクス形液晶表示パネルに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、TFT方式のアクティブ形液晶表示パネルにも適用可能であることは言うまでもない。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。