本発明は、像担持体周囲に複数の画像形成ユニットを配置して、像担持体上で複数色のトナー画像を重ね合わせてカラー画像を得るカラー画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置にあっては、その装置の小型化、プロセス速度の高速化あるいは高精度の色重ねを達成するために種々の方式が採用されている。例えば電子写真装置にあっては1つの感光体上に、色剤であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4色のトナーによるトナー画像を色重ねしてフルカラー画像を得る画像形成装置がある。
この画像形成装置は、トナーの色毎に、1つの感光体上に順次帯電工程、露光工程、現像工程を繰り返して、得られたカラートナー画像を感光体上で色重ねして、その後一括して転写体に転写するプロセス(Image on Imageプロセス、以下IOIプロセスと呼ぶ)によりフルカラー画像を得ている。IOIプロセスを実施するカラー画像形成装置は、カラープリンタやカラー複写機また印刷分野では、オンデマンドプリンティングやカラープルーファなどに利用される。
このIOIプロセスを実施するカラー画像形成装置は、放電現象や帯電電荷の動きが基本的な画像形成の要因となっているため、気温や湿度あるいは機内温度等環境の変化や、長期に使用していることにより生じる、帯電装置の能力の低下や感光体表面の抵抗値などの特性変化によって、同じ条件で使用していても感光体表面の電位が変化してしまう。更に現像液の特性の経時的な変化なども重なり、トナー画像の濃度や色彩等、広い意味での画質を常に一定の状態に維持することが困難となっている。
このため従来は、感光体の帯電電位あるいは画像濃度を測定して帯電装置、露光装置、あるいは現像装置を制御する装置が開発されている。(例えば特許文献1参照。)
特許第3208670号明細書(第8、9頁、図1、図9) 例えば(特許文献1)では、感光体ドラム上の表面電位を単一の帯電電位計で測定して、測定結果に応じて、未露光部および露光部の表面電位が、あらかじめ設定された基準値となるように帯電装置、あるいは露光装置を制御する。更に感光体ドラム上のトナー像濃度を測定して、トナー像濃度が基準値となるように現像バイアスを制御してカラー画像を得る。
更に従来は、感光体の現像装置位置での表面電位を算出するために複数の表面電位センサを用いる装置が開発されている。(例えば特許文献2参照。)
特許第2769704号明細書(第3、4頁、第1図、第2図) 例えば(特許文献2)では、第1表面電位センサ及び第2表面電位センサにより測定した感光体上の電位差から複数の現像器位置での電位を算出し、複数の現像器位置での表面電位が設定された値となるように帯電器の帯電量を制御してカラー画像を得る。
しかしながら(特許文献1)あるいは(特許文献2)のように複数色のトナー画像形成時の制御を、同一のセンサからの検出結果を用いて行う装置を、複数の帯電装置や露光装置を用いるIOIプロセスに適用しようとしても、複数の帯電装置や露光装置の要素のバラツキや特性の違いを考慮した画像形成制御を行うことが出来ない。又、IOIプロセスの場合には、前段の帯電装置による帯電の影響が小さくなる前に次の段の帯電工程を実施しなければならず、更には前段のトナー画像が形成された上から画像形成プロセスを実施する事から、前段の画像形成プロセスによる特性への影響も考慮しなければ正確な画像形成制御を得られず、画質低下を来たすおそれがある。
そこで本発明は上記課題を解決するものであり、IOIプロセスを実施してカラー画像を得る場合に、複数の帯電装置や露光光の要素のバラツキや特性の違いあるいは前段の画像形成プロセスの影響を考慮すると共に、環境の変化あるいは経時変化等に応じた画像形成制御を図り、常に良質なカラー画像を得るカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するための手段として、回転体からなる像担持体と、前記像担持体周囲に配置され、前記像担持体表面を一様に帯電する帯電装置及び前記像担持体を選択的に露光して前記画像保持体表面に所定の色に対応する静電潜像を形成する露光装置並びに前記静電潜像に所定の色の現像剤を供給して前記像担持体に現像画像を形成する現像装置を有し、前記像担持体上に複数色の現像画像を重ねてカラー画像を形成する複数段の画像形成ユニットと、前記複数段の各画像形成ユニットの前記帯電装置から前記現像装置に達する間に設けられ、前記像担持体の表面電位を検出する表面電位センサと、前記複数段の各画像形成ユニット毎に、前記表面電位センサによる検出結果をフィードバックして、前記帯電装置による前記像担持体の表面電位を帯電基準値とするように前記帯電装置を制御する制御装置とを設けるものである。
又本発明は上記課題を解決するための手段として、回転体からなる像担持体と、前記像担持体周囲に配置され、前記像担持体表面を一様に帯電する帯電装置及び前記像担持体を選択的に露光して前記画像保持体表面に所定の色に対応する静電潜像を形成する露光装置並びに前記静電潜像に所定の色の現像剤を供給して前記像担持体に現像画像を形成する現像装置を有し、前記像担持体上に複数色の現像画像を重ねてカラー画像を形成する複数段の画像形成ユニットと、前記複数段の各画像形成ユニットの前記帯電装置から前記現像装置に達する間に設けられ、前記像担持体の表面電位を検出する表面電位センサと、前記複数段の各画像形成ユニット毎に、前記表面電位センサによる検出結果をフィードバックして、前記帯電装置による前記像担持体の表面電位を帯電基準値とするように前記帯電装置を制御し、又前記露光装置による前記像担持体の露光部を露光基準値となるように前記露光装置を制御する制御装置とを設けるものである。
又本発明は上記課題を解決するための手段として、回転体からなる像担持体と、前記像担持体周囲に配置され、前記像担持体表面を一様に帯電する帯電装置及び前記像担持体を選択的に露光して前記画像保持体表面に所定の色に対応する静電潜像を形成する露光装置並びに前記静電潜像に所定の色の現像剤を供給して前記像担持体に現像画像を形成する現像装置を有し、前記像担持体上に複数色の現像画像を重ねてカラー画像を形成する複数段の画像形成ユニットと、前記複数段の各画像形成ユニットの前記帯電装置から前記現像装置に達する間に少なくとも2個以上設けられ、前記像担持体の表面電位を検出する複数の表面電位センサと、前記複数段の各画像形成ユニットの前記複数の表面電位センサによる検出結果から前記各画像形成ユニットにおける前記像担持体の暗減衰特性を求め、前記暗減衰特性から各画像形成ユニットにおける前記現像装置位置での表面電位の現像予測値を求めて、前記複数段の各画像形成ユニット毎に、前記表面電位センサによる検出結果をフィードバックして、前記現像予測値が現像基準値となるように前記帯電装置あるいは前記露光装置を制御する制御装置とを設けるものである。
又本発明は上記課題を解決するための手段として、回転体からなる像担持体と、前記像担持体周囲に配置され、前記像担持体表面を一様に帯電する帯電装置及び前記像担持体を選択的に露光して前記画像保持体表面に所定の色に対応する静電潜像を形成する露光装置並びに前記静電潜像に所定の色の現像剤を供給して前記像担持体に現像画像を形成する現像装置を有し、前記像担持体上に複数色の現像画像を重ねてカラー画像を形成する複数段の画像形成ユニットと、前記複数段の画像形成ユニットのうちの第1段の画像形成ユニットの前記帯電装置から前記現像装置に達する間に少なくとも2個以上設けられ、前記像担持体の表面電位を検出する複数の第1段表面電位センサと、前記複数段の画像形成ユニットのうちの第2段以降の後段画像形成ユニットの前記帯電装置から前記現像装置に達する間に夫々1個づつ設けられ、前記像担持体の表面電位を検出する後段表面電位センサと、前記複数の第1段表面電位センサによる検出結果から前記像担持体の第1段暗減衰特性を求め、前記第1段暗減衰特性から前記第1段の画像形成ユニットにおける前記現像装置位置での第1段現像予測値を求めて、前記第1段表面電位センサによる検出結果をフィードバックして前記第1段の現像予測値が前記第1段の現像基準値となるように前記第1段の画像形成ユニットの前記帯電装置あるいは前記露光装置を制御すると共に、前記複数の第1段表面電位センサによる検出結果から後段暗減衰特性を予測して、後段表面電位センサによる検出結果が、前記後段暗減衰特性から得られた後段基準値となるように前記後段画像形成ユニットの前記帯電装置あるいは前記露光装置を制御する制御装置とを設けるものである。
本発明によれば、IOIプロセスを実施してカラー画像を得る際に、環境変化や経時変化による像担持体や画像形成ユニットの特性変化更には複数の画像形成ユニットの特性の違いを考慮して、より正確に画像形成制御を行えることから、カラー画像を高品位に維持出来る。
本発明は複数の帯電装置や露光装置を用いるIOIシステムでのカラー画像形成時、複数の帯電装置や露光装置の要素のバラツキや特性の違いを考慮すると共に環境変化、経時変化を考慮し、更には感光体の露光履歴を考慮して、より正確な画像形成ユニットの調整を可能とし、高品位での画質維持を図るものである。
以下、本発明の実施例1について図1乃至図12を用いて説明する。図1はカラー画像形成装置である湿式のフルカラー電子写真装置の画像形成部10を示す。画像形成部10は、像担持体であり例えばアルミニウムなどの導電性基体上に、有機系もしくはアモルファスシリコン系の感光層を形成してなる感光体ドラム11を有している。感光体ドラム11周囲には、感光体ドラム11の矢印s方向の回転に沿って順次感光体ドラム11上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各液体現像剤を用いて画像形成を行う第1段乃至第4の4段の画像形成ユニット12Y、12M、12C、12BKが配列されている。
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12BKは、液体現像剤である液体トナーの色が異なるものの、それ以外は基本的に同様の構成であることから、上流に配置されるイエロー(Y)の画像を形成する画像形成ユニット12Yを参照して説明し、他の画像形成ユニット12M、12C、12BKについては、同じ部分に同じ符号とそれぞれの色を示す添字を付してその説明を省略する。
イエロー(Y)の画像形成ユニット12Yは、周知のコロナ帯電装置もしくはスコロトロン帯電装置などからなる帯電装置14Y、露光装置16からのイエロー(Y)の光信号に対応するレーザ光16Yを選択的に照射する露光部17Yを有する。帯電装置14Yのワイヤ34Yには、ワイヤ電源36Yにより+6Kv程度の電圧が与えられる。尚、ワイヤ電源36Yは放電を安定させるために、直流の定電流電源を用いても良く、例えばA4縦サイズを110mm/sの記録速度で帯電する場合には0.4mA程度の放電電流が流れるように設定されても良い。帯電装置14Yのグリッド31Yには、グリッド電源32Yにより可変のグリッド電圧が印加される。
更に各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12BKは、各色の液体トナーを収容し、感光体ドラム11と約100μの隙間を隔てて設けられ液体トナーを感光体ドラム11に供給してトナー像を形成する現像ローラ6Y〜6BK及び感光体ドラム11と約50μの隙間を隔てて設けられ現像後の現像画像のかぶり取り及びキャリア液除去を同時に行うスクイーズローラ7Y〜7BKを備える現像装置18Y〜18BKを有している。
感光体ドラム11周囲の各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12BKの下流には。現像終了後、トナー像上のキャリア液を乾燥する乾燥ユニット20が設けられる。乾燥ユニット20の下流には、バックアップローラ22aにより感光体ドラム11に圧接される中間転写ローラ22bを有する転写装置22が設けられる。バックアップローラ22aはバックアップクリーナ25aを備え、中間転写ローラ22bは中間体クリーナ25bを備える。転写装置22下流には転写後感光体ドラム11上に残留するトナー粒子を除去するクリーナ23、残留電荷を消去する消去ランプ24が設けられる。
この画像形成部10の各画像形成ユニット12Y〜12BKの、露光部17Y〜17BK通過後の現像装置18Y〜18BK上流には、感光体ドラム11の表面電位を検出する表面電位センサ27Y〜27BKが夫々設けられる。複数の表面電位センサ27Y〜27BKは、図2に示すように、移動方向である感光体ドラム11の回転方向に重なるように配置される。又感光体ドラム11周囲の乾燥ユニット20の下流には、感光体ドラム11に形成されるカラーパッチ画像を読取るカラーセンサ28が設けられる。
表面電位センサ27Y〜27BK及びカラーセンサ28は図3に示すように、画像形成部10の帯電装置14Y〜14BK、露光装置16、現像装置18Y〜18BKを制御する画質維持制御系50の制御装置30に接続される。表面電位センサ27Y〜27BKは表面電位信号38Y〜38BKを制御装置30に入力する。カラーセンサ28はRGBの信号値40a、40b、40cを制御装置30に入力する。尚制御装置30は、フルカラー電子写真装置の全体を制御するCPUやパソコン等から構成される。
画質維持制御系50は、帯電装置制御系50a、露光装置制御系50b、現像装置制御系50cの大きく3つの部分から構成される。感光体ドラム11の全面帯電電圧を一定に制御するための帯電装置制御系50aは、帯電装置14Y〜14BKで行う感光体ドラム11の全面帯電の電圧を規定の値に維持する制御である。即ち環境変化や経時変化によって、帯電装置14Y〜14BKにより帯電された感光体ドラム11の表面電位が規定の帯電基準値からずれることを補正する制御である。
帯電装置制御系50aでは、制御装置30により、帯電装置14Y〜14BKのグリッド31Y〜31BKに接続されるグリッド電源32Y〜32BKをグリッド制御信号33Y〜33BKにより制御し、帯電装置14Y〜14BKのワイヤ34Y〜34BKに接続されるワイヤ電源36Y〜36BKをワイヤ制御信号37Y〜37BKにより制御して、帯電による感光体ドラム11の表面電位を一定に維持するものである。
即ち帯電装置制御系50aは、後述するように、IOI処理を行う間に図6で示す様に、感光体ドラム11の表面電位が次第に増加してしまう現象を抑制し、所望の表面電位を得られるよう帯電装置14Y〜14BKを制御して、例えば図7の実線(a)で示すように4色の帯電装置14Y〜14BKにより帯電される感光体ドラム11の表面電位が同じになるように制御する。
次に露光装置16の露光量を制御する露光装置制御系50bは、帯電装置制御系50aにより感光体ドラム11の全面を一様に帯電させるための制御をした上に、更に、感光体ドラム11の露光後の表面電位が、環境変化や経時変化に関わらず一定となるように露光装置16による露光強度を制御するものである。露光装置制御系50bでは、制御装置30により、8ビットのディジタル信号であるパルス幅制御信号41により露光装置16のレーザ光のパルス幅を制御し、アナログの電圧信号である光強度制御信号42により露光装置16のレーザ光の強度を制御する。露光装置制御系50bは、感光体ドラム11の露光部の表面電位が規定の露光基準値からずれないように補正する。
次に現像ローラ6Y〜6BKの現像バイアス及び/又はスクイーズローラ7Y〜7BKのスクイーズバイアスを制御する現像装置制御系50cは、帯電装置制御系50a及び露光装置制御系50bによる表面電位及び露光強度の制御に関わらず、例えば液体現像トナー中のトナー濃度の変化や液体現像トナーの供給量の変化等の環境変化によって、トナー像の濃度が規定の値からずれることを補正する制御である。現像装置制御系50cでは、制御装置30は、現像装置18Y〜18BKの現像ローラ6Y〜6BKに接続される現像バイアス電源43Y〜43BKを現像バイアス制御信号44Y〜44BKにより制御し、現像装置18Y〜18BKのスクイーズローラ7Y〜7BKに接続されるスクイーズバイアス電源46Y〜46BKをスクイーズバイアス制御信号47Y〜47BKにより制御する。
次に画像形成部10での画像形成プロセスについて述べる。画像形成開始による感光体ドラム11の矢印s方向の回転に従い感光体ドラム11は、先ず第1段のイエロー(Y)の画像形成ユニット12Yにて帯電装置14Yにより帯電され、次いで画像情報に対応して露光装置16からレーザ光16Yを選択的に照射されてイエロー(Y)画像に対応する静電潜像を形成される。更に感光体ドラム11上の静電潜像は、現像装置18Yにより現像され感光体ドラム11上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
同様にして感光体ドラム11上には、第2段乃至第4段の画像形成ユニット12M、12C、12BKにより順次マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)のトナー像が、重ね合わされフルカラーのトナー像が形成される。
この後感光体ドラム11上のフルカラーのトナー像は、乾燥ユニット20により乾燥後転写装置22に到達して、バックアップローラ22aの荷重で感光体ドラム11に圧接さる中間転写ローラ22bに一次転写され、更に矢印t方向に搬送される用紙Pに二次転写される。転写終了後感光体ドラム11は、クリーナ23により残留トナー粒子を除去され、消去ランプ24により残留電荷を消去されて一連の画像形成プロセスを終了し次の画像形成プロセスに備える。
この画像形成プロセスを開始する前に、画像形成部10では、環境変化や経時変化に依存する帯電装置14Y〜14BKの放電特性の変化あるいは感光体ドラム11上への電荷の載り具合や感光体ドラム11での電荷の減衰特性の変化による感光体ドラム11の表面電位を検出して、検出結果をフィードバックしトナー画像の濃度や色彩を一定に維持する様、帯電装置14Y〜14BKあるいは露光装置16を制御する。更には感光体ドラム11に形成される図4に示す各色毎のカラーパッチ48Y〜48BKを検出して、検出結果をフィードバックしてトナー画像の濃度を一定に維持する様現像装置18Y〜18BKを制御する。
次に画像維持ブロセスについて詳述する。画像形成部10にて、帯電装置14Y〜14BK、露光部17Y〜17BK、表面電位センサ27Y〜27BK及び現像装置18Y〜18BKは、図5に示す時系列で感光体ドラム11周囲に配列される。例えばイエロー画像の形成部である第1段の画像形成ユニット12Yにおいては、帯電から現像迄の時間経過は以下のようになる。
時間T0で帯電装置14Yにより感光体ドラム11は表面電位Vy0に帯電され、その位置からTy0の時間が経過した場所に露光部17Yが設けられる。更に、時間T0からTy1時間経過した場所に表面電位センサ27Yが設置され、この場所での表面電位の測定値がVy1となる。また現像装置18Yは時間T0からTy時間経過した場所に設置されており、その位置での表面電位はVyとなる。第2段乃至第4段の画像形成ユニット12M〜12BKについても同様である。
また最初の帯電が行われた時間T0からイエローの現像装置18Yまでの時間をTY(=Ty)、マゼンタの帯電までの時間をTM0、マゼンタの現像までの時間はTM、シアンの帯電までの時間をTC0、シアンの現像までの時間はTC、ブラックの帯電までの時間はTB0、ブラックの現像までの時間はTBとなる。
ここで図6に、第1段〜第4段の画像形成ユニット12Y〜12BKで、各帯電装置14Y〜14BKの性能を同じにして、同じワイヤ電圧及びグリッド電圧にて感光体ドラム11をIOIプロセスで連続して帯電した場合の、時間ごとの表面電位の変化の例を示す。第1色目のイエローの帯電が行われると、感光体ドラム11は、時間T0にてVy0に帯電された後順次暗減衰して、表面電位センサ27Y位置ではVy1となる。更にTy時間経過して現像装置18Yに達すると表面電位はVyまで減衰し、更に次の帯電が始まるまで減衰する。
時間TM0で2色目のマゼンタの帯電が行われると、感光体ドラム11はVm0の表面電位に帯電される。1色目のイエローは表面電位が0Vの状態で帯電されるのに対し、2色目のマゼンタでは既に帯電された状態から再帯電が開始される。そのためマゼンタ帯電後の感光体ドラム11の表面電位Vm0は1色目のVy0より大きくなる。従ってマゼンタの現像時点TMでの表面電位Vmは、イエローの現像時点TYの表面電位Vyよりも大きくなってしまう。
更に同様にして、3色目のシアン、4色目のブラックの帯電は、図6に示すように感光体ドラム11の表面電位が順次上昇してしまう。従ってこのままでは、露光装置16の露光強度を一定にし且つ現像ローラ6Y〜6BKの現像バイアスを一定にすると、トナー像のコントラストが後段の画像形成ユニットに達するほど小さくなり、画像濃度が薄くなるという現象を生じてしまう。
そこでこのような現象を防止するため、本実施例の画像維持プロセスでは、図8の画像維持制御工程を示すフローチャートに従い帯電装置14Y〜14BK、露光装置16及び現像装置18Y〜18BKを制御する。画像維持プロセスの開始により、ステップ100〜ステップ103にあっては、帯電装置制御系50aにて、感光体ドラム11を1回転する毎に各段の画像形成ユニット12Y〜12BKの帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御する。
次いでステップ104〜ステップ107にあっては、露光装置制御系50bにて、感光体ドラム11を1回転する毎に各段の露光部17Y〜17BKに照射されるレーザ光16Y〜16BKの露光強度を制御する。次いで現像装置制御系50cにて、感光体ドラム11の9回転目に、ステップ109により、各現像装置18Y〜18BKの現像バイアス及び又はスクイーズバイアスの制御を行う。
次にステップ100〜ステップ109について詳述する。感光体ドラム11の1回転目に行うステップ100は、第1段のイエローの帯電装置14Yのみを動作し、帯電装置14Yの帯電による感光体ドラム11の表面電位を表面電位センサ27Yで検出し、その検出結果をフィードバックして帯電装置14Yを制御する。実際には、感光体ドラム11を1回転する間に、感光体帯電装置14Yのワイヤ24Yに約+6Kvの電圧を与えた状態で、グリッド31Yに印加する電圧を650Vから1050Vまで変化させて感光体ドラム11を帯電させる。その後、表面電位センサ27Yで感光体ドラム11の表面電位を検出すると、表面電位は、例えば図9の実線αに示すように変化する。
図9から、グリッド31Yに印加する電圧を増加させると感光体ドラム11の表面電位が増加し、やがて徐々に飽和することがわかる。又例えば第1段のイエローの帯電装置14Yによる帯電時に必要とされる規定の表面電位が700Vであるとすると、図9の実線αからグリッド31Yに印加する電圧は約850V必要となることがわかる。つまり感光体ドラム11の帯電特性が実線αとなる環境であれば、グリッド31Yに印加する電圧を約850Vとするように、制御装置30によりグリッド電源32Yを制御すれば、感光体ドラム11は、表面電位センサ27Y位置にて目標である700Vの表面電位を得ることができる。
一方例えば環境条件が変化して、所要の感光体ドラム11の表面電位を得るために、感光体ドラム11の帯電特性が、図9の点線βで示す様なグリッド電圧を必要とするように変化した場合には、表面電位センサ27Y位置にて感光体ドラム11が目標の700Vの表面電位を得るためには、グリッド31Yに印加する電圧として800V必要となる。更に環境条件が変化して、所要の感光体ドラム11の表面電位を得るために、感光体ドラム11の帯電特性が、図9の点線γで示す様なグリッド電圧を必要とするように変化した場合には、表面電位センサ27Y位置にて感光体ドラム11が700Vの表面電位を得るためには、グリッド31Yに印加する電圧として950V必要となる。
従ってステップ100では、感光体ドラム11の1回転目に、帯電装置14Yにより帯電された感光体ドラム11の表面電位を表面電位センサ27Yで検出し制御装置30に出力する。制御装置30は、表面電位センサ27Yからの検出結果が規定の帯電基準値となるように、グリッド制御信号33Yによりグリッド電源32Yを制御して、帯電装置14Yによる感光体ドラム11の帯電を制御する。これにより環境変化あるいは経時変化にかかわらず1段目の画像形成ユニット12Yによるイエローのトナー像形成時、感光体ドラム11は画質維持可能な表面電位を得られることとなる。
なお、グリッド31Yと感光体ドラム11との間隙が1mm程度と狭い場合にはグリッド31Yにあまり高い電圧を印加するのは避けた方が良く、1Kv以内が好ましい。但し、感光体ドラム11の表面電位の変化に伴い、グリッド電圧を高くしなければならない場合には、制御装置30によりワイヤ制御信号37Yの出力を制御してワイヤ34Yの放電量を制御することで、グリッド電圧を低く抑える様にしても良い。
次にIOIプロセスにて感光体ドラム11に4色のカラー画像を連続して記録すると、背景部の全面帯電では前の色の帯電が後に影響することから、感光体ドラム11の2回転目〜4回転目に行うステップ101〜ステップ103にあっては、前段の帯電電位の上に更に帯電装置14M〜14BKにより帯電して帯電装置14M〜14BKを順次制御する事となる。即ち第2段のマゼンタの帯電装置14Mを制御するには、先ずステップ100を実施して、感光体ドラム11が例えば目標である700Vの表面電位に帯電するように、イエローの帯電装置14Yを制御する。
次いで感光体ドラム11の2回転目に行うステップ101では、第1段のイエローの帯電装置14Yと第2段のマゼンタの帯電装置14Mとを動作する。イエローの帯電装置14Yは、ステップ100で求められたグリッド電圧で駆動する。マゼンタの帯電装置14Mは、ステップ100と同様にして、グリッド31Mに印加する電圧を650Vから1050Vまで変化させて、表面電位センサ27Mで感光体ドラム11の表面電位を検出する。ここで感光体ドラム11の表面電位は、前段のイエローの帯電の影響を受けて変化して、例えば図10の実線δで示すような結果を得られる。
更にステップ100と同様に、制御装置30は、表面電位センサ27Mからの検出結果に従い、グリッド制御信号33Yによりグリッド電源32Mを制御して、マゼンタの帯電装置14Mによる感光体ドラム11の帯電を制御する。これにより環境変化あるいは経時変化にかかわらずマゼンタのトナー像形成時、感光体ドラム11は所要の表面電位を得られることとなる。一般的にトナー像形成に必要な帯電電位は、各色毎に現像特性などの違いによって異なるが、例えばマゼンタもイエローと同様に700Vの一様帯電を必要とする場合には、図10の実線δから、グリッド31Mに印加する電圧は約750V必要となることがわかる。
従って感光体ドラム11の帯電特性が実線δとなる環境であれば、グリッド31Mに印加する電圧を約750Vとするように、制御装置30より、グリッド電源32Mを制御すれば、感光体ドラム11は、表面電位センサ27M位置にて目標である700Vの表面電位を得ることができる。
次いで感光体ドラム11の3回転目に行うステップ102でもステップ101と同様な動作を繰り返す。即ち第1段のイエローの帯電装置14Yと第2段のマゼンタの帯電装置14Mを、夫々ステップ100、ステップ101で求めたグリッド電圧に制御し、感光体ドラム11が1回転する間に第3段目のシアンの帯電装置14Cのグリッド電圧を変化させて、表面電位センサ27Cで感光体ドラム11の表面電位を検出し、検出結果から所要の表面電位を得るためのシアンの帯電装置14Cのグリッド電圧を求める。
同様に感光体ドラム11の4回転目に行うステップ103では、第1段のイエローの帯電装置14Y、第2段のマゼンタの帯電装置14M及び第3段のシアンの帯電装置14Cを、夫々ステップ100、ステップ101及びステップ102で求めたグリッド電圧に制御し、第4段目のブラックの帯電装置14BKのグリッド電圧を変化させて、表面電位センサ27BKで感光体ドラム11の表面電位を検出し、検出結果から所要の表面電位を得るためのブラックの帯電装置14BKのグリッド電圧を求める。
このように感光体ドラム11を4回転して順次、イエローの帯電装置14Y、マゼンタの帯電装置14M、シアンの帯電装置14C及びブラックの帯電装置14BKを制御して、感光体ドラム11が適正な帯電電位を得られるように設定する。尚、各帯電装置14Y〜14BKの必要最小限の放電量は、前段の画像形成ユニットにおいて帯電装置による帯電後に、露光により低くなった部分の電位が、その後の帯電装置により帯電された時に、その段の現像バイアスよりも最低上回っている必要がある。また本実施例の帯電装置14Y〜14BKの放電量は、例えば0.4〜0.5mA程度の放電電流が得られていれば良い。
次に露光装置制御系50bによる露光装置16のレーザ光16Y〜16BKの制御について述べる。先ず露光装置16により発振されるレーザ光のパルス幅を変化させるとともに、レーザ光の光強度を小さい方から大きな方へ変化させて感光体ドラム11に照射して、感光体ドラム11の表面電位が減衰される様子を図11に示す。図11は、感光体ドラム11の表面電位が帯電時の帯電電位であるVmaxから減衰される様子を示す。パルス幅は16進数の00〜FFまで変化させ、FFを最大パルス幅としている。レーザ光の光強度は、小さい方から大きな方へ[1]〜[5]迄変化させている。
レーザ光の光強度を[3]に設定して得られた図11の実線(3)で示す減衰特性曲線が、最も奇麗な画像を形成できる理想的な減衰特性であるとすると、光強度を小さい方向に変化させるに従い減衰特性曲線は図11に示す実線(1)に向かう方向に変化する。一方、光強度を大きい方向に変化させるに従い減衰特性曲線は図11に示す実線(5)に向かう方向に変化する。図11の実線(3)で示す理想的な減衰特性曲線は、レーザ光が、パルス幅Waの場合に表面電位が飽和電圧Vaまで減少し、任意のパルス幅Wbの場合に表面電位が任意のVbに達する。
これに対して図11の実線(1)の場合は、レーザ光のパルス幅がWaでも飽和電圧Vaまで表面電位は減衰していない。又図11の実線(5)の場合は、レーザ光のパルス幅がWaであれば表面電位は飽和電圧Vaまで減衰するが、パルス幅がWbであっても飽和電圧Vaの近くまで表面電位は減衰してしまう。
この様にレーザの光の光強度を変化させると、感光体ドラム11の表面電位の減衰特性を変化させることが可能である。従って、環境変化あるいは経時変化により、感光体ドラム11の表面抵抗の物性値が変化して、感光体ドラム11の表面電位の減衰特性が変化してしまった場合には、レーザ光の強度を制御することによって、良好な減衰特性を得られることとなる。
次に図11の実線(3)で示す理想的な減衰特性曲線に近い状態で感光体ドラム11を露光するレーザ光の光強度を決定するには、先ず光強度を[1]〜[5]迄変化させて、それぞれの強度毎にパルス幅WaとWbに設定したレーザ光を感光体ドラム11に照射する。次いでその時の感光体ドラム11の表面電位の減衰を測定すると図12に示す測定結果を得られる。図12から、パルス幅Waの時表面電位が露光基準値Vaであり、パルス幅Wbの時表面電位が露光基準値Vbである図11の実線(3)で示す理想的な減衰特性に最も近い光強度[3]を、露光に最適なレーザ光の光強度の値であると決定する。
なおレーザ光の光強度の値の決定に用いるパルス幅の数は限定されずより多くのパルス幅を用いればより高い精度を得られるが、最低2種類のうち1つが飽和電圧付近を得られるパルス幅であれば良い。
次に上記原理に基づき、ステップ104からステップ107の露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度の制御について述べる。前述のステップ100からステップ103を実施して帯電装置14Y〜14BKの帯電電位を制御した後、ステップ104でイエローのレーザ光16Yの光強度を制御する。ステップ104では、先ず感光体ドラム11の5回転目として感光体ドラム11が1回転する間にイエローのレーザ光16Yの光強度を[1]〜[5]迄変化させる。
露光装置16によるレーザ光16Yの光強度の変動は、制御装置30からのパルス幅制御信号41および光強度制御信号42により行う。例えばパルス幅変調を行うICであるAD9561(アナログデバイス社製)とレーザICであるAD9660(アナログデバイス社製)を使用して、レーザ光16Yの光強度をアナログ電圧で制御し、パルス幅を8ビットで制御する。
光強度[1]〜[5]のレーザ光16Yにより感光体ドラム11を露光し、表面電位センサ27Yで感光体ドラム11の表面電位を検出して、図12に示す検出結果から、パルス幅Waの時表面電位が露光基準値Vaであり、パルス幅Wbの時表面電位が露光基準値Vbである理想的な減衰特性に最も近いレーザ光の光強度を、その時のイエローの露光に最適な強度であると決定する。
次の感光体ドラム11の第6回転目に行うステップ105では、ステップ104と同様のことを繰り返す。即ちステップ104終了後、第2段目の画像形成ユニット12Mにて、光強度[1]〜[5]のマゼンタのレーザ光16Mにより感光体ドラム11を露光した後、表面電位センサ27Mで感光体ドラム11の表面電位の減衰を検出して図12に示す検出結果から、マゼンタのレーザ光16Mの最適な光強度を得る。
感光体ドラム11の第7回転目に行うステップ106では、第3段目の画像形成ユニット12Cにて、光強度[1]〜[5]のシアンのレーザ光16Cにより感光体ドラム11を露光した後、表面電位センサ27Cで感光体ドラム11の表面電位の減衰を検出して図12に示す検出結果から、シアンのレーザ光16Cの最適な光強度を得る。感光体ドラム11の第8回転目に行うステップ107では、第4段目の画像形成ユニット12BKにて、光強度[1]〜[5]のブラックのレーザ光16BKにより感光体ドラム11を露光した後、表面電位センサ27BKで感光体ドラム11の表面電位の減衰を検出して図12に示す検出結果から、ブラックのレーザ光16BKの最適な光強度を得る。
次に現像装置制御系50cによる現像装置18Y〜18BKの制御について述べる。現像装置制御系50cは、感光体ドラム11上に形成されるカラーパッチ48Y〜48BKをカラーセンサ28で検出し、検出結果をフィードバックして所望の画像濃度になるよう現像装置18Y〜18BKを制御する。上述したステップ100からステップ107を実施して帯電装置14Y〜14BKの帯電電位及び露光装置16のレーザ光の光強度を制御した後、感光体ドラム11の9回転目に行うステップ108で先ず各色のカラーパッチ48Y〜48BKを書き込む画像形成操作を行う。
次いで感光体ドラム11上に書き込まれたカラーパッチ48Y〜48BKの画像濃度をカラーセンサ28で検出して制御装置30にRGBの信号値40a、40b、40cをフィードバックする。RGBの信号値40a、40b、40cから、液体現像トナーの経時変化や環境条件により画像濃度に濃淡を生じた旨を認識すると、制御装置30は、カラーセンサ28からのRGBの信号値40a、40b、40cが良好な画像濃度に対応する規定の値に最も近くなるように、現像装置18Y〜18BKを制御して規定の画像濃度を維持する。
即ち、制御装置30は、現像バイアス制御信号44Y〜44BK及び/又はスクイーズバイアス制御信号47Y〜47BKを出力して、現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御する。これにより現像ローラ6Y〜6BKによる液体現像トナーの供給量及び/又はスクイーズローラ7Y〜7BKによるトナー像の剥ぎ取り量を制御して、適正な画像濃度を維持する。
尚現像バイアス電源43Y〜43BKあるいはスクイーズバイアス電源46Y〜46BKの制御の仕方は限定されない。制御の効率性を向上するために現像バイアス電源43Y〜43BK及びスクイーズバイアス電源46Y〜46BKの両方を夫々に変動するのでは無く、例えば初期設定時に現像ローラ6Y〜6BKとスクイーズローラ7Y〜7BKとを同じ電位にして、制御装置30から出力される現像バイアス制御信号44Y〜44BKとスクイーズバイアス制御信号47Y〜47BKとを共通にして、現像ローラ6Y〜6BK及びスクイーズローラ7Y〜7BKの両方の電位を既定値の周辺で変化させても良い。あるいは、現像バイアス電源43Y〜43BKによる現像ローラ6Y〜6BKの電位は規定の値にセットしておいて、スクイーズバイアス電源46Y〜46BKを変動して、スクイーズローラ7Y〜7BKの電位のみを変動する等しても良い。
上述の様にステップ100からステップ108の画像維持プロセスを実施して、環境変化あるいは経時変化を考慮して、帯電装置14Y〜14BK、露光装置16、あるいは現像装置18Y〜18BKを制御して、画質維持を可能な状態に設定した後、前述の画像形成プロセスを実施して、第1段乃至第4段の画像形成ユニット12Y〜12BKを用いて、IOIプロセスにより感光体ドラム11上にフルカラーのトナー像を形成し、次いで用紙Pに転写して所望の画質のフルカラー画像を得る。
このように構成すれば、IOIプロセスの実施時に、複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に帯電装置14Y〜14BKによる感光体ドラム11の表面電位を検出してフィードバックすることにより、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。更に、各段の帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位及び露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御した状態で感光体ドラム11上に書き込まれた各色のカラーパッチ48Y〜48BKの濃度を検出して、フィードバックすることにより、現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御出来る。
従って、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、前段の画像形成ユニット12Y〜12Cによる画像形成操作が、後段の画像形成ユニット12M〜12BKの画像形成操作に影響を及ぼすIOIプロセスを実施する画像形成部10において、前段の画像形成操作の影響を考慮しながら、各段の画像形成ユニット12M〜12BKの画像形成特性の違いと共に、環境変化あるいは経時変化に応じて帯電装置14Y〜14BK、露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度、更には現像装置18Y〜18BKを制御することにより、高画質のカラー画像形成を維持出来る。
又本実施例にあっては、複数の表面電位センサ27Y〜27BKを感光体ドラム11の回転方向に重なるように配置し、感光体ドラム11の長手方向の同じ場所の表面電位を検出していることから、仮に感光体ドラム11の特性が長手方向に均一で無く帯電性能に場所依存性が有ったとしても、各表面電位センサ27Y〜27BKの検出結果は、影響を受けることが無く、感光体ドラム11の表面電位を同一条件で検出可能となる。
次に本発明の実施例2について図13及び図14を用いて説明する。この実施例2は、上述した実施例1において、複数の表面電位センサを感光体ドラム11の長手方向に順次ずらして配置すると共に、カラーセンサを、表面電位センサと対応する領域に複数個設けるものの、その他は前述の実施例1と同様であることから、実施例1で説明した構成と同一構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施例の複数の表面電位センサ52Y〜52BKは、図13に示すように、感光体ドラム11の幅方向である長手方向の異なる場所に配置され、感光体ドラム11の回転方向に重ならないようになっている。即ち各表面電位センサ52Y〜52BKは、感光体ドラム11の画像形成領域を長手方向に4分割した領域(A)、(B)、(C)、(D)の表面電位を夫々検出する。
この実施例2の画像維持プロセスでは、図14に示すフローチャートに従い帯電装置14Y〜14BK、露光装置16及び現像装置18Y〜18BKを制御する。画像維持プロセスの開始により、ステップ110〜ステップ113は、帯電装置制御系50aにて、前述の実施例1のステップ100〜ステップ103と同じプロセスを行う。
但し表面電位センサ52Y〜52BKが感光体ドラム11の長手方向の異なる場所に配置されることから、各表面電位センサ52Y〜52BKは、感光体ドラム11上の、夫々対応する領域(A)、(B)、(C)、(D)毎に感光体ドラム11の表面電位を検出する。即ち感光体ドラム11の1回転目は、第1段の画像形成ユニット12Yのイエローの帯電装置14Yによる表面電位を、領域(A)にて表面電位センサ52Yにより検出して、表面電位センサ52Yからの検出結果に従い、制御装置30はグリッド制御信号33Yによりグリッド電源32Yを制御して、帯電装置14Yによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
同様に、感光体ドラム11を2〜4回転して各回転毎に第2段〜第4段の帯電装置14M〜14BKによる表面電位を、領域(B)〜(D)にて表面電位センサ52M〜52BKにより夫々検出して、表面電位センサ52M〜52BKからの検出結果に従い、制御装置30はグリッド制御信号33M〜33BKによりグリッド電源32M〜32BKを制御して、帯電装置14M〜14BKによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
次いでステップ114で、露光装置制御系50bにて、感光体ドラム11の長手方向の異なる場所に配置される表面電位センサ52Y〜52BKを用いて感光体ドラム11を1回転する間に第1段〜第4段の露光部17Y〜17BKに照射されるレーザ光16Y〜16BKの露光強度を制御する。
即ち、前述のステップ110からステップ113を実施して帯電装置14Y〜14BKの帯電電位を制御した後、ステップ114として、感光体ドラム11の5回転目に、感光体ドラム11を軸方向に4分割して、感光体ドラム11を1回転する間に各分割した領域にて、順次露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの強度を変動する。即ち最初の1/4の領域(A)に実施例1のステップ104と同様の操作を実施し、2番目の1/4の領域(B)にステップ105と同様の操作を実施し、3番目の1/4の領域(C)にステップ106と同様の操作を実施し、4番目の1/4の領域(D)にステップ107と同様の操作を実施する。
先ず感光体ドラム11を、各画像形成ユニット12Y〜12BK毎に帯電装置14Y〜14BKにより帯電し、次いで軸方向の各1/4ずつの領域を、レーザ光16Y〜16BKの光強度を[1]〜[5]迄変化させて夫々露光する。各領域の表面電位の減衰を夫々対応する表面電位センサ52Y〜52BKにより検出し、得られた検出結果から、イエロー〜ブラックの各レーザ光16Y〜16BK毎にパルス幅Waの時表面電位が露光基準値Vaであり、パルス幅Wbの時表面電位が露光基準値Vbである理想的な減衰特性に最も近い光強度のレーザ光強度を、露光に最適な値であると決定する。
次いでステップ115に進み、現像装置制御系50cにて前述の実施例1のステップ108と同じプロセスを行い、感光体ドラム11の6回転目に制御装置30により、現像装置18Y〜18BKの現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御して規定の画像濃度を維持する。
ステップ110からステップ115の画像維持プロセスを実施し、環境変化あるいは経時変化を考慮して、帯電装置14Y〜14BK、露光装置16、あるいは現像装置18Y〜18BKを制御して、画質維持を可能な状態に設定した後、画像形成プロセスを実施する。第1段乃至第4段の画像形成ユニット12Y〜12BKを用いて、IOIプロセスにより感光体ドラム11上にフルカラーのトナー像を形成後、用紙Pに転写して所望の画質のフルカラー画像を得る。
このように構成すれば実施例1と同様、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。また各段の帯電装置14Y〜14BK及び露光装置16を制御した状態で、更に現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御出来る。
従って実施例1と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を高画質に維持出来る。しかも本実施例にあっては、帯電装置14Y〜14BKの帯電電位を制御した後、感光体ドラム11を1回転する間にレーザ光16Y〜16BKの光強度の制御を行っているので、実施例1に比し、画像維持プロセスを行う間の、感光体ドラム11の回転数の低減による維持制御工程の短縮を得られる。
次に本発明の実施例3について図15を用いて説明する。この実施例3は、上述した実施例2において、画像維持プロセスが異なるもののその他は前述の実施例2と同様であることから、構成部分については実施例2と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施例3の画像維持プロセスは、露光装置制御系50bにて、露光装置16のレーザ光16Y〜16BKの露光強度を制御する際に、感光体ドラム11を実施例2と同様に軸方向に4分割して、各分割した領域にて制御する。図15の維持制御工程を示すフローチャートに示す様に、画像維持プロセスの開始後、ステップ120〜ステップ124まで、帯電装置制御系50a及び露光装置制御系50bにより、帯電装置14Y〜14BKの帯電電位の制御と露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度の制御とを一緒に行う。
画像維持プロセスの開始により、ステップ120にあっては、感光体ドラム11の1回転目に帯電装置制御系50aにて、前述の実施例2のステップ110と同じプロセスを行い領域(A)にてイエローの帯電装置14Yによる表面電位を、表面電位センサ52Yにより検出して、制御装置30により帯電装置14Yによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
次に感光体ドラム11の2回転目にステップ121を実施する、ステップ121では、ステップ120で既にイエローの帯電電位14Yが制御されているので、感光体ドラムの(A)の領域で実施例1のステップ104と同様の操作を実施して、イエローのレーザ光16Yの露光に最適な光強度を決定する。同時に前述の実施例2のステップ111と同じプロセスで領域(B)にてマゼンタの帯電装置14Mによる表面電位を表面電位センサ52Mにより検出して、帯電装置14Mによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
同様にして感光体ドラム11の3回転目にステップ122を実施して、感光体ドラム11の(B)の領域でステップ105と同様の操作を実施して、マゼンタのレーザ光16Mの露光に最適な光強度を決定すると同時に、ステップ112と同じプロセスで領域(C)にてシアンの帯電装置14Cによる表面電位を、表面電位センサ52Cにより検出して、帯電装置14Cによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
同様に感光体ドラム11の4回転目にステップ123を実施して、感光体ドラム11の(C)の領域でステップ106と同様の操作を実施して、シアンのレーザ光16Cの露光に最適な光強度を決定すると同時に、ステップ113と同じプロセスで領域(D)にてブラックの帯電装置14BKによる表面電位を、表面電位センサ52BKにより検出して、帯電装置14Kによる感光体ドラム11の帯電電位を制御する。
更に感光体ドラム11の5回転目にステップ124を実施して、ステップ107と同様の操作を実施して、ブラックのレーザ光16BKの露光に最適な光強度を決定する。
次いでステップ125に進み、現像装置制御系50cにて、前述の実施例2のステップ115と同じプロセスを行い、感光体ドラム11の6回転目に制御装置30により、現像装置18Y〜18BKの現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御して規定の画像濃度を維持する。
ステップ120からステップ125の画像維持プロセスを実施して、環境変化あるいは経時変化を考慮して、帯電装置14Y〜14BK、露光装置16、あるいは現像装置18Y〜18BKを制御して、画質維持を可能な状態に設定した後、画像形成プロセスを実施して、第1段乃至第4段の画像形成ユニット12Y〜12BKを用いて、IOIプロセスにより感光体ドラム11上にフルカラーのトナー像を形成し、用紙Pに転写して所望の画質のフルカラー画像を得る。
このように構成すれば実施例2と同様、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。また各段の帯電装置14Y〜14BKに及び露光装置16を制御した状態で、更に現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御出来る。
従って実施例2と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を高画質に維持出来る。又本実施例にあっては、感光体ドラム11の2回転目から4回転目まで、帯電装置14M〜14BKの帯電電位の制御と同時に露光装置16のレーザ光16Y〜16Cの光強度の制御を行っているので、実施例1に比し、画像維持プロセスを行う間の、感光体ドラム11の回転数の低減による維持制御工程の短縮を得られる。
次に本発明の実施例4について図16乃至図18を用いて説明する。この実施例4は、上述した実施例1において、前段の画像形成ユニットによる感光体表面の露光部分と未露光部とで生じる、後段の画像形成ユニットによる帯電時の、表面電位差の低減を図るものである。この実施例4は、上述した実施例1と画像維持プロセスが異なるもののその他は前述の実施例1と同様であることから、実施例1で説明した構成と同一構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
先ず、例えば1色目のイエローの画像形成ユニット12Yにて露光を行うと、感光体ドラム11の露光部分と未露光部分の表面電位は図16に示すように分布される。次いで2色目のマゼンタの画像形成ユニット12Mにて帯電を行うと、感光体ドラム11は図17に示す電位分布となる。即ち図16に示す様に、1色目の露光部分と未露光部分では、2色目の帯電を開始する直前の電位に大きな差がある。従って2色目の帯電時、1色目の露光部分と未露光部分に対応する領域の表面電位が、図17に示す様に異なってしまう。
一般に未露光部分の電位を700V〜800V程度で一定にした場合には、例えば前の色であるイエローの露光部分は再帯電しても未露光部分に比べて100V程度低い電位までしか帯電しない。特に例えば次の色であるマゼンタの帯電器による放電電流が大きくない場合には、この差が200V以上になってしまう場合も生ずる。
このように前の色の画像形成ユニットによる露光部分と未露光部分とで、次の色の帯電電位に大きな電位差がついてしまうと、次の色のマゼンタを露光した場合にも、前の色の露光部分と未露光部分で大きな電位差を生じてしまい、最終的にはマゼンタの露光画像上に同じ濃度の画像を記録しても濃度差が生じてしまうことになる。
但し帯電器の放電電流を十分大きくしておけば、この様な問題は避けることができる。しかし、十分大きい放電電流を得るためにはワイヤ電圧を大きくする必要がある一方、ワイヤ電圧が高すぎると異常放電の原因ともなる。このため、本実施例では、帯電器の放電電流が十分大きくない場合であっても、1色ごとに帯電電位と露光強度を調整しながら、後段の画像形成ユニットによる露光画像上の濃度差を低減するものである。
本実施例の図18に示すフローチャートに従い画像維持プロセスを開始すると、ステップ130にあっては、感光体ドラム11の1回転目に前述の実施例1のステップ100と同様の方法で、帯電装置14Yの帯電による感光体ドラム11の表面電位を表面電位センサ27Yで検出し、その検出結果をフィードバックして、表面電位センサ27Yからの検出結果が規定の帯電基準値となるように、帯電装置14Yを制御する。次にステップ131で、感光体ドラム11の2回転目に前述の実施例1のステップ104と同様のステップでイエローのレーザ光16Yの光強度を制御して、第1色目のイエローの帯電電位と露光強度の調整を終える。
次いでステップ132の感光体ドラム11の3回転目では、前述の実施例1のステップ101と同様の方法で、イエローの帯電後、未露光の状態で更にマゼンタの帯電装置14Mによる感光体ドラム11の表面電位を表面電位センサ27Mで検出し、その検出結果をフィードバックして、イエローで未露光であった部分における表面電位センサ27Mからの検出結果が規定の帯電基準値となるように、マゼンタの帯電装置14Mを制御する。
更にステップ132の感光体ドラム11の4回転目では、再度感光体ドラム11をイエローの帯電装置14Yで帯電後、露光装置16により一番長いパルス幅のイエローのレーザ光16Yで露光しながら、マゼンタの帯電装置14Mによる感光体ドラム11の帯電電位を調整して、マゼンタの帯電装置14Mを制御する。具体的には、マゼンタの帯電装置14Mのワイヤ電圧を変化させて、イエローのレーザ光16Yにより露光された部分の表面電位が、所定値である感光体ドラム11の3回転目で得た未露光部分の帯電電位の100V以内になるように、マゼンタの帯電装置14Mを調整して、マゼンタの帯電装置14Mを制御する。
感光体ドラム11の4回転目で得た所定値である表面電位が、感光体ドラム11の3回転目で得た未露光部分の表面電位である帯電基準値に、より近いことが理想であるが、露光部分の所定値と未露光部分の帯電基準値との帯電電位差が100V程度であれば大きな濃度差は観測されない。次にステップ133で、感光体ドラム11の5回転目に前述の実施例1のステップ105と同様のステップでマゼンタのレーザ光16Mの光強度を制御して、第2色目のマゼンタの帯電電位と露光強度の調整を終える。
この後は、感光体ドラム11の6回転、7回転目に行うステップ134で第3色目の帯電電位を制御後、感光体ドラム11の8回転に行うステップ136で第3色目の露光強度を制御して、シアンの帯電電位と露光強度の調整を終え、同様に感光体ドラム11の9回転、10回転目に行うステップ137で第4色目の帯電電位を制御後、感光体ドラム11の11回転に行うステップ138で第4色目の露光強度を制御して、ブラックの帯電電位と露光強度の調整を終える。3色目以降の帯電電位の調整に際しては、第1色目の露光による電位差も生じてはいるが、これは画像濃度に余り影響せず、直前の色の露光による影響がほとんどなので、直前の色の露光による影響のみを考慮して、帯電調整を行えば良い。
次いで、感光体ドラム11の12回転目のステップ139で、実施例1のステップ109と同様に各現像装置18Y〜18BKの現像バイアス及び又はスクイーズバイアスの制御を行い、画質維持を可能な状態に設定した後、画像形成プロセスを実施する。第1段乃至第4段の画像形成ユニット12Y〜12BKを用いて、IOIプロセスにより感光体ドラム11上にフルカラーのトナー像を形成後、用紙Pに転写して所望の画質のフルカラー画像を得る。
このように構成すれば、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位及び露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。また各段の帯電装置14Y〜14BK及び露光装置16を制御した状態で、更に現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御出来る。
更に前段の画像形成ユニット12Y〜12Cによる露光部分と未露光部分との電位差を起因とする、次の段の画像形成ユニット12M〜12BKによる帯電電位差を、画像濃度に影響が出ない程度と成るように帯電装置14M〜14BKを制御出来る。従って、ワイヤ電圧が大き過ぎて帯電装置14M〜14BKが異常放電するおそれを生じること無く、実施例1と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を安全に高画質に維持出来る。
次に本発明の実施例5について図19乃至図22を用いて説明する。この実施例5は、上述した実施例1において、各画像形成ユニット12Y〜12BK毎に表面電位センサを2個設けるものである。その他は前述の実施例1で説明した構成と同一であり同一の構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
先ず原理について述べる。一般に各画像形成ユニットにて1個の表面電位センサで感光体ドラム表面を求めた場合、図19の破線κに示すように帯電からTy1経過した表面電位センサ位置で測定した表面電位Vy1と、帯電からTY経過した現像装置位置での実際の表面電位Vyとの差が例えば10V〜20V程度と小さければ有効である。但し例えばアモルファスシリコンやOPC(有機感光体)等の暗減衰の大きな感光体材料を用いたり、あるいは設計上表面電位センサから現像装置に到達する迄の時間がかかる場合には、図19の実線λあるいは点線μに示すように表面電位センサで測定した表面電位Vy1と現像装置位置での実際の表面電位Vyとの差が数10Vと大きくなりやすい。
表面電位センサで測定した表面電位Vy1と現像装置位置での実際の表面電位Vyとの差が大きい場合は、その差を考慮して帯電装置を制御する必要を生じる。しかも表面電位センサで測定した表面電位Vy1と現像装置位置での実際の表面電位Vyとの差は、環境変化や経時変化に影響を受け変動する。そこで本実施例では、2個の表面電位センサを用いて感光体の減衰特性を求めて、表面電位センサで測定した表面電位Vy1と現像装置位置での表面電位であり現像予測値であるVyとの差を減衰特性から求め、この電位差を考慮に入れ帯電装置の制御、あるいは露光装置によるレーザ光の強度の制御を行うものである。
図20に示すように、本実施例の各画像形成ユニット12Y〜12BKの露光部17Y〜17BKから現像装置18Y〜18BKに達する間には、感光体ドラム11の表面電位を検出する第1の表面電位センサ57Y〜57BK及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKが夫々設けられる。図21に示すように、第1の表面電位センサ57Y〜57BKは、帯電からTy1経過した位置で表面電位Vy1を測定し、第2の表面電位センサ58Y〜58BKは、帯電からTy2経過した位置で表面電位Vy2を測定する。
第1の表面電位センサ57Y〜57BKに検出された表面電位Vy1及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKに検出された表面電位Vy2から感光体ドラム11の暗減衰特性を求めて、この暗減衰特性から現像予測値である現像装置18Y〜18BK位置での表面電位Vyを得る。一般に感光体の表面電位の減衰は指数関数であり、表面電位をV、時間をtとすると、
V=aexp(−bt)・・・(式1)
のように表面電位Vは、時間tに対して指数関数で変化する。ここでaとbは定数である。2ヶ所の表面電位センサの測定値Vy1、Vy2を用いて、係数aとbは以下の式から求められる。
Vy1=aexp(−bTy1)・・・(式2)
Vy2=aexp(−bTy2)・・・(式3)
(式2)、(式3)から求めたaとbを(式1)に代入し、
Vy=aexp(−bTY)・・・(式4)
を求める。
従って感光体ドラム11が、図22の実線πで示す暗減衰特性を有する場合、イエローの現像装置18Y位置での表面電位である現像予測値Vyは上記(式4)から求められる。尚同様にして、感光体ドラムが露光後図22の点線ρで示す減衰特性を有する場合、露光後の感光体ドラム11の表面電位をTy1及びTy2の2箇所で測定して、現像装置18Y位置での露光された画像部の表面電位である現像予測値Vyを求める。
更に、この現像予測値Vyを、良好な現像を得るための所望の現像基準値になるよう帯電装置14Yを制御する。
上記(式2)〜(式4)は、パソコン等を用いて計算しても良い。但し、Ty1〜Ty2迄と、Ty2〜TY迄の時間の比をm:nとした時に、それぞれの時間の関係を整数倍の関係にすると、
Vy=Vy2×(Vy2/Vy1)n/m・・・(式5)
という簡単な式が得られる。
従って図22において、T0〜Ty0、Ty0〜Ty1、Ty1〜Ty2、Ty2〜Ty1が例えば全て同じ時間Tであれば、
Vy=(Vy2)2/Vy1・・・(式6)
と簡単に求められる。又例えばTy1〜Ty2が時間Tで、Ty2〜Ty1が時間T/2であれば、
Vy=(Vy2)√(Vy2/Vy1)・・・(式7)
と簡単に求められる。
この実施例5の画像維持プロセスでは、前述の実施例1のステップ100〜ステップ108と同じプロセスを実施して、環境変化あるいは経時変化を考慮して、帯電装置14Y〜14BK、露光装置16、あるいは現像装置18Y〜18BKを制御して、画質維持を可能な状態に設定した後、画像形成プロセスを実施する。
但し、実施例1では、帯電装置制御系50aによる帯電装置14Y〜14BKの制御及び露光装置制御系50bによる露光装置16のレーザ光16Y〜16BKの制御は、夫々表面電位センサ27Y〜27BKにより検出した感光体ドラム11の表面電位が所望の値となるように制御するのに対して、この実施例5では、第1の表面電位センサ57Y〜57BK及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKの検出値から(式4)〜(式6)あるいは(式7)等により算出した現像予測値であるVy〜Vbが所望の現像基準値となるように帯電装置14Y〜14BKあるいは露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御する。
尚、帯電装置制御系50aにより帯電装置14Y〜14BKを制御する際の現像予測値及び現像基準値は、感光体ドラム11の未露光部についての値であり、露光装置制御系50bにより露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御する際の現像予測値及び現像基準値は、感光体ドラム11の露光部分についての値であり、実際は異なるものである。
このように構成すれば実施例1と同様、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。また各段の帯電装置14Y〜14BKに及び露光装置16を制御した状態で、更に現像バイアス電源43Y〜43BK及び/又はスクイーズバイアス電源46Y〜46BKを制御出来る。従って実施例1と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を高画質に維持出来る。
しかも本実施例にあっては、第1の表面電位センサ57Y〜57BK及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKによる表面電位の検出値から現像装置18Y〜18BK位置の感光体ドラム11の表面電位である現像予測値Vy〜Vbを求めて、この現像予測値Vy〜Vbが規定の現像基準値となるように帯電装置制御系50aあるいは露光装置制御系50bによる帯電装置14Y〜14BKあるいは帯電装置16の制御に用いているので、感光体ドラム11の減衰特性が大きかったり、あるいは表面電位検知後現像位置に達するまで時間を要したりする装置にあっても、環境変化あるいは経時変化も考慮した現像時のより正確な表面電位を得られ、より的確に良好な画像維持を得られる。
次に本発明の実施例6について図23乃至図25を用いて説明する。この実施例6は、上述した実施例5において、第2段〜第4段の画像形成ユニット12M〜12BKにおいては、表面電位センサを1個にするものである。その他前述の実施例5の構成と同一構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図23に示すように第1段の画像形成ユニット12Yのイエローの露光部17Yから現像装置18Yに達する間には、第1段表面電位センサである第1の表面電位センサ57Y及び第2の表面電位センサ58Yが設けられる。第2段〜第4段の画像形成ユニット12M〜12BKのマゼンタ〜ブラックの露光部17M〜17BKから現像装置18M〜18BKに達する間には後段表面電位センサである表面電位センサ27M〜27BKが設けられる。図24に示すように、第1の表面電位センサ57Yは、帯電からTy1経過した位置で表面電位Vy1を測定し、第2の表面電位センサ58Yは、帯電からTy2経過した位置で表面電位Vy2を測定する。表面電位センサ27M〜27BKは、帯電からTm1〜Tb1経過した位置で表面電位Vm1〜Vb1を測定する。
実施例6の図25に示す実線σは、実施例5の図22に示す実線πと同じ方法で得たものであり、現像装置18Y位置の表面電位である第1段現像予測値Vyを求めるための暗減衰特性である。尚、図25に示す点線φは、実施例5の図22に示す点線ρと同じ方法で得たものである。
即ち実施例5と同様に、現像装置18Y位置の表面電位Vyは、帯電からTy1経過した位置での第1の表面電位センサ57Yによる検知結果である表面電位Vy1と帯電からTy2経過した位置での第2の表面電位センサ58Yによる検知結果である表面電位Vy2から、感光体ドラム11の暗減衰特性を求めて、前述の(式4)〜(式6)あるいは(式7)等により算出される。従って、本実施例のイエローの帯電装置14Y及びレーザ光16Yの光強度の制御は、実施例1のステップ100及びステップ104と同様にして、上記算出した現像装置18Y位置の表面電位Vyがイエローの現像装置18Yの所望の現像基準値となるように制御する。
次に第2段以降の画像形成ユニット12M〜12BKでは、例えばマゼンタの場合、時間TM0で感光体ドラム11を帯電装置14Mにより帯電し、帯電からTm0経過した位置で露光する。更に帯電からTm1経過した位置で表面電位センサ27Mにより感光体ドラム11の表面電位Vm1を測定し、帯電からTm経過した表面電位Vmの位置に現像装置18Mを配置してなる。
第2段以降の帯電装置14M〜14BK及びレーザ光16M〜16BKの光強度の制御を行うための、マゼンタの現像装置18M位置の表面電位である後段現像予測値であるマゼンタ現像予測値Vmを求めるために、まずイエローの帯電装置14Yのグリッド電圧または放電ワイヤ電圧を任意に変化させて感光体ドラム11を帯電させる。この時の感光体ドラム11の表面電位を第1の表面電位センサ57Y及び第2の表面電位センサ58Yにより検知する。この検知結果から、実施例5の(式1)〜(式4)を利用して、感光体ドラム11を任意に帯電させた時の暗減衰特性の曲線X(図示せず)を求める。
次に、イエローの第1の表面電位センサ57Y及び第2の表面電位センサ58Yから求めた暗減衰特性の曲線Xを用いて、イエローの帯電装置14Yによる帯電から時間Tm経過したマゼンタの現像装置18M位置での表面電位である後段現像予測値であるマゼンタの現像予測値Vmを実施例5の(式4)〜(式6)あるいは(式7)から求める。
その値がマゼンタの現像装置18Mの所望の現像基準値になっていなかった場合には、更にイエローの帯電装置14Yのグリッド電圧または放電ワイヤ電圧を変化させ、同様のことを繰り返し、イエローの帯電装置14Yによる帯電から時間Tm経過した現像装置18M位置での表面電位であるマゼンタの現像予測値Vmが所望の現像基準値となる図25の実線τで示す暗減衰特性を得る。図25の実線τは、イエローの帯電装置14Yによる帯電から時間Tm経過した現像装置18M位置での表面電位Vmが所望の現像基準値Kを通る。
次に図25の実線τ求められた暗減衰特性を、マゼンタの帯電装置14Mにより感光体ドラム11を帯電した時の暗減衰特性と見なして、マゼンタの帯電装置14Mによる帯電からの時間Tm1経過した表面電位センサ27M位置での、表面電位Mを求める。この後表面電位Mを後段基準値として、マゼンタの表面電位センサ27Mで検出した表面電位Vm1が、後段基準値Mとなるように、マゼンタの帯電装置14Mあるいは露光装置16のレーザ光16Yの光強度を制御する。
シアン、ブラックに関しても上記マゼンタの場合と同様にして、帯電装置14C、14BKあるいは露光装置16を制御する。即ち先ず第1段の画像形成ユニット12Yのイエローの帯電装置14Yと、イエローの第1の表面電位センサ57Y及び第2の表面電位センサ58Yを使用して、シアン、ブラックの現像装置18C,18BK位置での表面電位が後段現像予測値となる暗減衰特性を求める。求められた暗減衰特性から更に、後段現像予測値が所望の現像基準値を通る図25の実線τと同様の暗減衰特性を得て、これをシアン、ブラックの帯電装置14C、14BKによる帯電時の暗減衰特性とみなして、シアン、ブラックの表面電位センサ27C、27BKで検出した表面電位Vc1、Vb1が、後段基準値となるように、シアン、ブラックの帯電装置14C、14BKあるいは露光装置16によるレーザ光16C、16BKの光強度を制御する。
尚、前述の実施例5と同様、帯電装置14Y〜14BKの制御は感光体ドラム11の未露光部の現像予測値、現像基準値あるいは後段基準値に基づき行う一方、露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度の制御は、感光体ドラム11の露光部の現像予測値、現像基準値あるいは後段基準値に基づき行い、実際の値は異なるものである。
又、本実施例では第1段の画像形成ユニット12Yも第2段以降の画像形成ユニット12M〜12BKも、感光体ドラム11の同じ位置を帯電・露光するので、暗減衰特性は各色で同じとなる。従ってイエローの暗減衰特性をそのまま図25の実線τに相当する他の色の暗減衰特性と見なして、帯電装置14M〜14BKあるいは露光装置16によるレーザ光16M〜16BKの光強度を制御しても良い。
上述のように環境変化あるいは経時変化を考慮して、帯電装置14Y〜14BK、露光装置16を制御し、更に現像装置制御系50cにて現像装置18Y〜18BKを制御して、画質維持を可能な状態に設定した後、画像形成プロセスを実施する。
このように構成すれば実施例5と同様、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位及び露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。
従って実施例5と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を高画質に維持出来る。しかも本実施例にあっては、第2段以降の画像形成ユニット12M〜12BKでは、1個の表面電位センサ27M〜27BKのみを使用することにより、感光体ドラム周囲のスペースの節約を図れ、又低価格化を得られる。
次に本発明の実施例7について図26を用いて説明する。この実施例7は、上述した実施例5において、2個の表面電位センサを露光部の前後に配置するものである。前述の実施例5の構成と同一構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施例は図26に示すように、露光部17Y〜17BKの前に第1の表面電位センサ57Y〜57BKを配置し、露光部17Y〜17BKの後に第2の表面電位センサ58Y〜58BKを配置してなる。感光体ドラム11の1回転目から4回転目迄の帯電装置制御系50aによる帯電装置14Y〜14BKの制御時には、実施例5と同様に、例えばイエロー帯電装置14Yの場合には、第1の表面電位センサ57Yに検出された表面電位Vy1と、第2の表面電位センサ58Yに検出された表面電位Vy2とから、現像装置18Y位置の表面電位Vyを測定することができる。従って、本実施例のイエローの帯電装置14Yの制御は、現像装置18Y位置の表面電位Vyが所望の値となるよう、帯電装置制御系50aにて制御装置30によりグリッド電源32Yやワイヤ電源36Yを制御する。
これに対し感光体ドラム11の5回転目から8回転目迄の露光装置制御系50bによる露光装置16の制御時、感光体ドラム11上の露光後の表面電位の検出には、第2の表面電位センサ58Y〜58BKが1個設けられるだけである。感光体ドラム11の暗減衰が小さい場合や記録速度が速い場合には、露光後に第2の表面電位センサ58Yを1個配置するのみでも第2の表面電位センサ58Y通過後現像装置位置に達するまでの暗減衰が少ないので問題ない。
また、感光体ドラム11の暗減衰が大きかったり、設計上表面電位センサから現像装置に到達する迄の時間がかかる場合等であっても、表面電位の暗減衰の絶対値の大きさは、図22の実線πあるいは点線ρに示した様に表面電位が高いほど大きい。即ち帯電後の未露光部の暗減衰の大きさは露光部の暗減衰と比較すると非常に大きくなっている。従って未露光部では第2の表面電位センサ58Y〜58BKから現像装置18Y〜18BKまでの間の暗減衰は環境条件などの変化で大きく変わってしまうことから、第1の表面電位センサ57Y〜57BK及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKの2個の表面電位センサから測定される値に基づいて制御する必要がある。
これに対し露光部では、感光体ドラム11の暗減衰が大きかったり、設計上表面電位センサから現像装置に到達する迄の時間がかかる場合等でも、表面電位の絶対値が小さいので、第2の表面電位センサ58Y〜58BKから現像装置18Y〜18BKまでの間の暗減衰が小さく、環境条件などの変化によってもあまり表面電位は変わらない。従って、第2の表面電位センサ58Y〜58BKに検出された表面電位Vy2、Vm2、Vc2、Vb2をそのまま使い、所望の値となるよう露光装置のレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御するか、あるいは検出された表面電位Vy2、Vm2、Vc2、Vb2の値に経験から得られている一般的な減衰率を乗じた値を所望の値となるよう露光装置のレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御しても、現像装置18Y〜18BK位置での表面電位と大きく異なることはない。特に画像形成プロセスにて、ひとつの画点を2値で記録し、階調画像は擬似階調で表現する2値の画像記録の場合には、露光後の電位が十分に飽和電位近くになっており、飽和電圧近くでの暗減衰は非常に小さいことから、露光部の表面電位を1個の表面電位センサで検出しても大きな問題は生じない。
このように構成すれば実施例5と同様、より正確な現像装置18Y〜18BK位置の表面電位を用いて、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。従って実施例5と同様、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像の画質維持をより的確に得られる。しかも露光部17Y〜17BKの前後に第1の表面電位センサ57Y〜57BK及び第2の表面電位センサ58Y〜58BKを配置出来、設計上の自由度を向上出来る。
次に本発明の実施例8について図27を用いて説明する。この実施例8は、上述した実施例6において、第1段の2個の表面電位センサを露光部の前後に配置するものである。前述の実施例6の構成と同一構成部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施例は図27に示すように、第1段の画像形成ユニット12Yの露光部17Yの前に第1の表面電位センサ57Yを配置し、露光部17Yの後に第2の表面電位センサ58Yを配置してなる。感光体ドラム11の1回転目の帯電装置制御系50aによるイエローの帯電装置14Yの制御時には、実施例6と同様に、第1の表面電位センサ57Yに検出された表面電位Vy1と、第2の表面電位センサ58Yに検出された表面電位Vy2とから、現像装置18Y位置の表面電位Vyを測定することができる。従って、本実施例のイエローの帯電装置14Yの制御は、現像装置18Y位置の表面電位Vyが所望の値となるよう、帯電装置制御系50aにて制御装置30によりグリッド電源32Yやワイヤ電源36Yを制御する。
これに対し感光体ドラム11の5回転目の露光装置制御系50bによる露光装置16のイエローのレーザ光16Yの光強度制御時、感光体ドラム11上の露光後の表面電位の検出には、第2の表面電位センサ58Yが1個設けられるだけである。このようにしても感光体ドラム11の暗減衰が小さい場合や記録速度が速い場合には、露光後に第2の表面電位センサ58Yを1個配置するのみでも第2の表面電位センサ58Y通過後現像装置位置に達するまでの暗減衰が少ないので問題ない。
また、感光体ドラム11の暗減衰が大きかったり、設計上第2の表面電位センサ58Yから現像装置18Yに到達する迄の時間がかかる場合等でも、表面電位の絶対値が小さい露光部であれば、第2の表面電位センサ58Yから現像装置18Yまでの間の暗減衰がかなり小さく、環境条件などの変化によってもあまり表面電位は変わらない。従って第2の表面電位センサ58Yに検出された表面電位Vy2をそのまま使い、あるいは検出された表面電位Vy2の値に経験から得られている一般的な減衰率を乗じた値を所望の値となるよう露光装置のレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。
このように構成すれば実施例6と同様、第2段以降の画像形成ユニット12M〜12BKでは、1個の表面電位センサ27M〜27BKのみを使用するにもかかわらず、IOIプロセスの実施時に複数の画像形成ユニット12Y〜12BK毎に、前段の帯電装置による影響を考慮しながら、帯電装置14Y〜14BKによる帯電電位を制御し、次いで露光装置16によるレーザ光16Y〜16BKの光強度を制御出来る。従って実施例6と同様、感光体ドラム周囲のスペースの節約及び低価格化を図りつつ、環境変化あるいは経時変化により生じる画像形成特性の変化に関わらず、IOIプロセスによるカラー画像を高画質に維持出来る。しかも露光部17Yの前後に第1の表面電位センサ57Y及び第2の表面電位センサ58Yを配置出来、設計上の自由度を向上出来る。
尚本発明は上記実施例に限定されず、その趣旨を変えない範囲での変更は可能であって、カラー画像形成装置の構造等限定されず、例えば乾式のカラー画像形成装置であっても良いし、露光装置はLEDランプを用いる等任意である。また、画像維持のための制御は、カラー画像形成装置の起動時、あるいは新たなジョブの開始時、更には必要に応じて等、実施のタイミングは全く任意である。
本発明の実施例1のカラー電子写真装置の画像形成部を示す概略構成図である。
本発明の実施例1の表面電位センサの感光体ドラムに対する配列位置を示す概略説明図である。
本発明の実施例1の画像維持制御系を示すブロック図である。
本発明の実施例1のカラーパッチ及びカラーセンサを示す概略説明図である。
本発明の実施例1の感光体ドラム周囲の画像形成ユニットの配列を時系列で示す概略説明図である。
本発明の実施例1にてIOIプロセスで感光体ドラムを帯電した場合の表面電位を示す概略説明図である。
本発明の実施例1の帯電装置制御後の感光体ドラムの表面電位を示す概略説明図である。
本発明の実施例1の画像維持制御工程を示すフローチャートである。
本発明の実施例1のイエローの帯電装置のグリッド電圧の変動による感光体ドラムの表面電位の変動を示す概略説明図である。
本発明の実施例1のマゼンタの帯電装置のグリッド電圧の変動による感光体ドラムの表面電位の変動を示す概略説明図である。
本発明の実施例1の感光体ドラムに照射するレーザ光の光強度毎の、減衰特性曲線を示すグラフである。
本発明の実施例1の特定のパルス幅のレーザ光で感光体ドラムを照射した時の、光強度毎の減衰結果を示すグラフである。
本発明の実施例2の表面電位センサの感光体ドラムに対する配列位置を示す概略説明図である。
本発明の実施例2の画像維持制御工程を示すフローチャートである。
本発明の実施例3の画像維持制御工程を示すフローチャートである。
本発明の実施例4の1色目の露光後の感光体ドラムの露光部分と未露光部分の表面電位の差を示す説明図である。
本発明の実施例4の2色目の帯電後の感光体ドラムの表面電位の差を示す説明図である。
本発明の実施例4の画像維持制御工程を示すフローチャートである。
本発明の実施例5の原理で説明する、感光体ドラムの減衰特性の違いによる現像装置位置で生じる表面電位の差を示す説明図である。
本発明の実施例5の画像形成部を示す概略構成図である。
本発明の実施例5の感光体ドラム周囲の画像形成ユニットの配列を時系列で示す概略説明図である。
本発明の実施例5の感光体ドラムの未露光部の減衰特性及び露光部の減衰特性を示すグラフである。
本発明の実施例6の画像形成部を示す概略構成図である。
本発明の実施例6の感光体ドラム周囲の画像形成ユニットの配列を時系列で示す概略説明図である。
本発明の実施例6の第1段画像形成ユニットの制御に使用する感光体ドラムの未露光部及び露光部の暗減衰特性と、後段画像形成ユニットの正誤に使用する感光体ドラム飲み露光部の暗減衰特性を示すグラフである。
本発明の実施例7の感光体ドラム周囲の画像形成ユニットの配列を時系列で示す概略説明図である。
本発明の実施例8の感光体ドラム周囲の画像形成ユニットの配列を時系列で示す概略説明図である。
符号の説明
10…画像形成部
11…感光体ドラム
12Y、12M、12C、12BK…画像形成ユニット
14Y、14M、14C、14BK…帯電装置
17Y、17M、17C、17BK…露光部
18Y、18M、18C、18BK…現像装置
20…乾燥ユニット
22…転写装置
23…クリーナ
24…消去ランプ
27Y〜27BK…表面電位センサ
28…カラーセンサ
30…制御装置
31Y〜31BK…グリッド
32Y〜32BK…グリッド電源
33Y〜33BK…グリッド電圧制御信号
34Y〜34BK…ワイヤ
36Y〜36BK…ワイヤ電源
37Y〜37BK…ワイヤ電源制御信号
38Y〜38BK…表面電位信号
40a、40b、40c…信号値
41…パルス幅制御信号
42…光強度制御信号
43Y〜43BK…現像バイアス電源
44Y〜44BK…現像バイアス制御信号
46Y〜46BK…スクイーズバイアス電源
47Y〜47BK…スクイーズバイアス制御信号
48Y〜48BK…カラーパッチ
50…画質維持制御系
50a…帯電装置制御系
50b…露光装置制御系
50c…現像装置制御系