JP2005241855A - 電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化により電気光学物質が収縮した際の基板の変形を許容し、かつ、基板に押圧荷重がかかった場合には基板間隔の変動を防止可能な電気光学装置、およびこの電気光学装置を用いた電子機器を提供すること。
【解決手段】 電気光学装置1aにおいて、素子基板10と対向基板20との間には感光性樹脂からなる2層構造の柱状スペーサ9が介在しており、この柱状スペーサ9は、圧縮強度の大きな感光性樹脂からなる第1の柱状部分91と、この第1の柱状部分91と異なる感光性樹脂材料から構成され、圧縮強度の小さな第2の柱状部分92とから構成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 電気光学装置1aにおいて、素子基板10と対向基板20との間には感光性樹脂からなる2層構造の柱状スペーサ9が介在しており、この柱状スペーサ9は、圧縮強度の大きな感光性樹脂からなる第1の柱状部分91と、この第1の柱状部分91と異なる感光性樹脂材料から構成され、圧縮強度の小さな第2の柱状部分92とから構成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、一対の基板間に電気光学物質およびスペーサが介在する電気光学装置、この電気光学装置を備えた電子機器、および電気光学装置の製造方法に関するものである。
代表的な電気光学装置である液晶装置では、一対の基板間に電気光学物質としての液晶が保持されており、液晶の層厚を規定するためには基板間隔を制御する必要がある。このため、従来は、一対の基板を貼り合せる際、一方の基板上に多数の粒状スペーサを散布し、これらの粒状スペーサを基板間に介在させることにより、基板間隔を制御している(例えば、特許文献1参照)。
また、一方の基板に柱状スペーサを形成し、この柱状スペーサの先端部を他方の基板に当接させて基板間隔を制御することもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−45703号公報
特開2003−344838号公報
このようなスペーサのうち、粒状スペーサは、一般的に圧縮強度が小さい。このため、基板間に液晶を封入した状態で温度が低下して液晶が体積収縮した場合、負圧により基板間隔が狭くなろうとする分、粒状スペーサは基板に押されて弾性変形する。従って、基板間が負圧状態にならないので、液晶が発泡することがない。しかしながら、粒状スペーサは、圧縮強度が小さいため、基板が押圧された場合に容易に変形してしまう。このため、押圧荷重に対する耐性が弱く、押圧荷重がかかると基板間隔が容易に変動するという問題点がある。
これに対して、柱状スペーサは、一般に圧縮強度が大きい。このため、基板が押圧された場合でも、このような荷重を柱状スペーサが変形することなく支えるので、押圧荷重に対する耐性が強く、押圧荷重がかかっても基板間隔が維持される。しかしながら、柱状スペーサは、圧縮強度が大きいため、基板間に液晶を封入した状態で温度が低下して液晶が体積収縮した場合、基板間隔が狭くなろうとするのを妨げるため、基板間が負圧状態になって液晶が発泡しやすいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、温度変化により電気光学物質が収縮した際の基板の変形を許容し、かつ、基板に押圧荷重がかかった場合には基板間隔の変動を防止可能な電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および電気光学装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有し、前記柱状スペーサは、第1の柱状部分と、該第1の柱状部分と平面的に重なる位置に当該第1の柱状部分と異なる特性の材料から形成された第2の柱状部分とを備え、前記第1の柱状部分と前記第2の柱状部分とは、圧縮強度が異なることを特徴とする。
本発明において、柱状スペーサでは、例えば、圧縮強度の大きな第1の柱状部分と、圧縮強度の小さな第2の柱状部分とが平面的に重なっているため、通常時は、第1の柱状部分および第2の柱状部分によって基板間隔が制御される。ここで、第2の柱状部分は、圧縮強度が低いため、基板間に電気光学物質を保持した状態で温度が低下して電気光学物質が体積収縮した場合、基板間隔が狭くなろうとする分、基板に押されて弾性変形する。従って、基板間が負圧状態にならないので、電気光学物質が発泡することがない。また、基板間には、圧縮強度が大きな第1の柱状部分も介在しているため、基板が押圧された場合、第2の柱状部分が押し潰されても、第1の柱状部分は、変形することなく押圧荷重を支える。従って、基板はそれ以上、変形することがない。従って、押圧荷重に対する耐性が強く、押圧荷重がかかっても基板間隔が維持されるので、各基板に形成されている電極同士の短絡を防止することができる。このように、本発明によれば、温度変化により電気光学物質が収縮した際の基板の変形をある程度、許容し、かつ、基板に押圧荷重がかかった場合に基板間隔の所定レベル以上の変動を防止できるので、電気光学装置の信頼性を向上することができる。
本発明において、前記第1の柱状部分と前記第2の柱状部分は、前記第1の基板および前記第2の基板の各々に形成されていてもよいが、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分の双方が前記第1の基板に形成されていることが好ましい。すなわち、前記第1の柱状部分は、前記第1の基板に形成されて当該第1の基板から第2の基板に向けて突出し、前記第2の柱状部分は、前記第1の柱状部分の先端面から前記第2の基板に向けて突出していることが好ましい。このように構成すると、同一の基板に対するフォトリソグラフィ工程で柱状スペーサを形成することができる。
本発明において、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分は、略同一の幅寸法を備えていることが好ましい。このように構成すると、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分を感光性樹脂に対するフォトリソグラフィ技術で形成する際、共通の露光マスクを用いることができる。
本発明において、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分は、それぞれ特性の異なる感光性樹脂から構成されていることが好ましい。このように構成すると、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分を感光性樹脂に対するフォトリソグラフィ技術で効率よく形成することができる。ここで、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分を感光性樹脂から構成し、かつ、それらの特性を相違させる方法としては、異なる樹脂材料を用いる場合の他、樹脂に対する充填材の有無、充填材の種類、充填材の量を変えればよい。
本発明に係る電気光学装置の製造方法では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、露光および現像を行って第1の柱状部分を形成する第1の柱状部分形成工程と、前記第1の基板の表面側に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布した後、露光および現像を行って前記第2の柱状部分を形成する第2の柱状部分形成工程とを行うことを特徴とする。
本発明の電気光学装置の別の製造方法では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、前記第1の柱状部分を形成するための露光を行う第1の露光工程と、該第1の露光工程の後、前記第1の基板の表面側に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布した後、前記第2の柱状部分を形成するための露光を行う第2の露光工程と、前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に現像する現像工程とを行うことを特徴とする。このように構成すると、柱状スペーサを形成する際、現像工程が1回で済む。
本発明の電気光学装置のさらに別の製造方法では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、当該第1の感光性樹脂の表面に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布し、次に、前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に露光した後、前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に現像することを特徴とする。このように構成すると、最も少ない工程数で柱状スペーサを形成することができる。
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった電子機器に用いられる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、参照する各図において、図面上で認識可能な大きさとするために縮尺が各層や各部材ごとに異なる場合がある。
[実施の形態1]
(電気光学装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図2(A)、(B)は、本発明を適用した電気光学装置を素子基板の側からみた概略斜視図、および電気光学装置を画素電極を通る部分でY方向に切断したときの断面を模式的に示す説明図である。図3は、本発明に係る電気装置の画素構成を示す断面図である。なお、図3では、各画素に形成されている各要素が表れるように、後述する図4(A)のA−A′線に示す画素の対角線に沿って電気光学装置を切断したときの断面図で表してある。
(電気光学装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図2(A)、(B)は、本発明を適用した電気光学装置を素子基板の側からみた概略斜視図、および電気光学装置を画素電極を通る部分でY方向に切断したときの断面を模式的に示す説明図である。図3は、本発明に係る電気装置の画素構成を示す断面図である。なお、図3では、各画素に形成されている各要素が表れるように、後述する図4(A)のA−A′線に示す画素の対角線に沿って電気光学装置を切断したときの断面図で表してある。
図1に示す電気光学装置1aは、画素スイッチング素子としてTFD(Thin Film Diode)を用いたアクティブマトリクス型液晶装置であり、交差する2方向をX方向およびY方向としたとき、複数の走査線51aがX方向(行方向)に延びており、複数のデータ線52aがY方向(列方向)に延びている。走査線51aとデータ線52aとの各交差点に対応する位置には画素53aが形成され、この画素53aでは、液晶層54aと、画素スイッチング用のTFD素子56a(非線形素子)とが直列に接続されている。各走査線51aは走査線駆動回路57aによって駆動され、各データ線52aはデータ線駆動回路58aによって駆動される。
このような電気光学装置1aを構成するにあたって、本形態では、図2(A)、(B)に示すように、素子基板10(第1の基板)と対向基板20(第2の基板)とをシール材30によって貼り合わせるとともに、両基板とシール材30とによって囲まれた領域内に電気光学物質としての液晶19を封入してある。シール材30は、対向基板20の縁辺に沿って略長方形の枠状に形成されるが、液晶を封入するために一部が開口している。このため、液晶19の封入後にその開口部分が封止材31によって封止される。
素子基板10は、対向基板20とシール材30によって貼り合わされた状態で対向基板20の端縁から一方の側に張り出した張り出し領域10aを有しており、この張り出し領域10aに向けて、データ線52aおよび走査線51aに接続する配線パターン8(信号線)が延びている。シール材30には導電性を有する多数の導通粒子が分散されており、この導通粒子は、例えば金属のメッキが施されたプラスチックの粒子や、導電性を有する樹脂の粒子であり、素子基板10および対向基板20の各々に形成された配線パターン同士を基板間導通させる機能を備えている。このため、本形態では、データ線52aに対して画像信号を出力する第1のIC4、および走査線51aに走査信号を出力する2つの第2のIC5が素子基板10の張り出し領域10aにCOG実装され、かつ、この素子基板10の張り出し領域10aの端縁に対して可撓性基板7が接続されている。
なお、電気光学装置1aと対向するように偏光板や位相差板などが配置されるが、本発明とは直接の関係がないため、それらの図示および説明を省略する。
図2(B)および図3において、素子基板10および対向基板20は、ガラスや石英などの光透過性を有する板状部材である。素子基板10の内側(液晶19の側)表面には、上述した複数のデータ線52a、後述する画素スイッチング用のTFD素子(図示せず)、画素電極34a、および配向膜12などが形成されている。対向基板20の内側(液晶19の側)の面上には、画素電極34aと対向する領域を避けるようにブラックマトリクスあるいはブラックストライプと称せられる遮光膜21が形成され、画素電極34aと対向する領域には、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のカラーフィルタ22が所定の配列で形成されている。また、対向基板20において、遮光膜21およびカラーフィルタ22を形成した面には、その平坦化および保護のために平坦化層23がコーティングされている。平坦化層23の表面には走査線51aが形成され、さらにそれらの表面に配向膜24が形成されている。
(TFD素子の構成)
図4(A)、(B)は、図2に示す電気光学装置において画素スイッチング素子として用いたTFD素子の説明図である。
図4(A)、(B)は、図2に示す電気光学装置において画素スイッチング素子として用いたTFD素子の説明図である。
図4(A)、(B)において、素子基板10は、表面に下地層14が形成され、TFD素子56aは、この下地層14の上に形成された第1TFD素子33aおよび第2TFD素子33bからなる2つのTFD素子要素によって、いわゆるBack−to−Back構造として構成されている。このため、TFD素子56aは、電流−電圧の非線形特性が正負双方向にわたって対称化されている。下地層14は、例えば、厚さが50〜200nm程度の酸化タンタル(Ta2O5)によって構成され、TFD素子56aの密着性を向上させ、さらに素子基板10からの不純物の拡散を防止するために設けられている。第1TFD素子33aおよび第2TFD素子33bは、第1金属層32aと、この第1金属層32aの表面に形成された絶縁層32bと、絶縁膜32bの表面に互いに離間して形成された第2金属層32c、32dとによって構成されている。第1金属層32aは、例えば、厚さが100〜500nm程度タンタル単体膜、タンタル合金膜等によって形成され、絶縁層32cは、例えば、陽極酸化法によって第1金属層32aの表面を酸化することによって形成された厚さが10〜35nmの酸化タンタル(Ta2O5)である。第2金属層32c、32dは、例えばクロム(Cr)等といった金属膜によって50〜300nm程度の厚さに形成されている。第2金属層32cは、そのままデータ線52aとなり、他方の第2金属層32dは、ITO(Indium Tin Oxide)等といった透明導電材からなる画素電極34aに接続されている。
(基板間隔の制御)
図5は、本発明を適用した電気光学装置の効果を示す説明図である。
図5は、本発明を適用した電気光学装置の効果を示す説明図である。
本形態の電気光学装置1aにおいて、液晶19の層厚は素子基板10と対向基板20との基板間隔によって制御される。このため、本形態では、図3および図4(A)、(B)に示すように、素子基板10において、画素電極53aを避けた領域、例えば、データ線52aが通っている位置のうち、対向基板20の遮光膜21と対向する位置に柱状スペーサ9が形成されており、配向膜12は柱状スペーサ9の上層側に形成されている。
本形態において、柱状スペーサ9は、第1の柱状部分91と、この第1の柱状部分91と平面的に重なる位置に形成された第2の柱状部分92とから構成されている。第1の柱状部分91および第2の柱状部分92は、いずれも透光性を備えた同一の感光性樹脂から形成され、かつ、幅寸法が略等しいが、樹脂材料が異なるため、第2の柱状部分92は、第1の柱状部分91に比して圧縮強度が小さく、第1の柱状部分91と違って比較的容易に圧縮変形可能である。このような圧縮強度の異なる第1の柱状部分91および第2の柱状部分92を構成するにあたっては、例えば種類が異なる樹脂が用いられる。また、同じアクリル系樹脂が用いられる場合でも、モノマーなどの種類が相違する樹脂が用いられることもある。さらに、同じアクリル系樹脂であるが、樹脂に対する充填材の有無、充填材の種類、あるいは充填材の量が相違する樹脂が用いられることもある。
第1の柱状部分91と第2の柱状部分92は、互いに重なる領域に形成されていれば、素子基板10および前記第2の基板の各々に形成されている構成であってもよいが、本形態では、第1の柱状部分91および第2の柱状部分92の双方が素子基板10に形成されている。すなわち、第1の柱状部分91は、素子基板10から対向基板20に向けて突出し、第2の柱状部分92は、第1の柱状部分91の先端面から対向基板20に向けて突出している。
このように構成した電気光学装置1aにおいて、柱状スペーサ9では、圧縮強度の大きな第1の柱状部分91と、圧縮強度の小さな第2の柱状部分92とが平面的に重なっているため、図5(A)に示すように、通常時は、第1の柱状部分91および第2の柱状部分92によって基板間隔が制御される。ここで、第2の柱状部分92は、圧縮強度が低いため、図5(B)に示すように、基板間に液晶19を保持した状態で温度が低下して液晶19が体積収縮した場合、基板間隔が狭くなろうとする分、基板に押されて弾性変形する。従って、基板間が負圧状態にならないので、液晶19が発泡することがない。また、基板間には、圧縮強度が大きな第1の柱状部分91も介在しているため、図5(C)に示すように、基板が押圧された場合、第2の柱状部分92が押し潰されても、第1の柱状部分91は、変形することなく押圧荷重を支える。従って、基板はそれ以上、変形することがないので、押圧荷重に対する耐性が強く、押圧荷重がかかっても基板間隔が維持されることになり、電極間の短絡を防止できる。このように、本発明によれば、温度変化により液晶19が収縮した際の基板の変形をある程度、許容し、かつ、基板に押圧荷重がかかった場合に基板間隔の所定レベル以上の変動を防止できるので、電気光学装置1aの信頼性を向上することができる。
また、本形態では、第1の柱状部分91および第2の柱状部分92の双方が素子基板10に形成されているため、後述するように、素子基板10に対するフォトリソグラフィ工程のみで柱状スペーサ9(第1の柱状部分91、および第2の柱状部分92)を形成することができる。
さらに、本形態では、柱状スペーサ9で基板間隔を制御しているため、画素電極34a(各画素において表示光が出射される部分/いわゆる画素開口部)を避ける位置に限定して形成することができるので、液晶19の配向を乱さないという利点を活かすことができる。
(電気光学装置1aの製造方法)
図6は、図2に示す電気光学装置の製造方法を示す工程図である。図7は、本形態の電気光学装置の製造工程のうち、柱状スペーサ形成工程の工程断面図である。なお、図7には、素子基板上の各種構成要素を省略して表してある。
図6は、図2に示す電気光学装置の製造方法を示す工程図である。図7は、本形態の電気光学装置の製造工程のうち、柱状スペーサ形成工程の工程断面図である。なお、図7には、素子基板上の各種構成要素を省略して表してある。
本形態の電気光学装置1aを製造するにあたっては、図6に示す能動素子形成工程P11〜シール材印刷工程P16からなる素子基板形成工程と、走査線形成工程P21〜粒状スペーサ散布工程P24からなる対向基板形成工程とは別々に行われる。また、以下に説明する工程の多くは、素子基板10および対向基板20を多数取りできる大面積の元基板の状態で行われ、元基板同士を貼り合わせた後、切断されるが、以下の説明では、所定サイズに切断した素子基板10および対向基板20を用いた例で説明する。
まず、素子基板形成工程のうち、能動素子形成工程SP11では、成膜工程、フォトエッチング工程、および陽極酸化工程など、周知の方法でデータ線52a、配線パターン8、およびTFD素子56aなどを形成する。
次に、画素電極形成工程P12では、ITOによって画素電極23aを形成するとともに、配線パターン8の端部にITO膜を形成してパッドを形成する。
次に、柱状スペーサ形成工程P13において、フォトリソグラフィ技術を用いて図3を参照して説明した柱状スペーサ9を形成する。ここで、感光性樹脂としてはネガタイプおよびポジタイプのいずれを用いてもよいが、ネガタイプの感光性樹脂を用いて、柱状スペーサ9を製造する方法を図7を参照して説明する。
まず、第1の柱状部分形成工程として、図7(A)に示すように、素子基板10上にスピンコート法などを用いて、第1の柱状部分91を形成するためのネガタイプの第1の感光性樹脂96を塗布した後、第1の感光性樹脂96を第1の柱状部分91として残したい部分に対して、露光マスク910の透光部分911を介して紫外線を照射する。次に、露光した第1の感光性樹脂96を現像して、図7(B)に示すように、硬い第1の柱状部分91を形成する。
次に、第2の柱状部分形成工程として、図7(C)に示すように、再びスピンコート法などを用いて、第2の柱状部分92を形成するためのネガタイプの第2の感光性樹脂97を塗布した後、第2の感光性樹脂97を第2の柱状部分92として残したい部分に対して、露光マスク910の透光部分911を介して紫外線を照射する。次に、露光した第2の感光性樹脂97を現像して、図7(D)に示すように、柔らかい第2の柱状部分92を形成する。
このようにして2層構造の柱状スペーサ9を形成した後は、再び図6に示すように、配向膜形成工程P14において配向膜21を形成した後、ラビング処理工程P15において、配向膜21に対してラビング処理その他の配向処理を行う。
次に、シール材印刷工程P16において、図2に示すように、ディスペンサーやスクリーン印刷等によってシール材30を環状に塗布する。なお、シール材30の一部分に液晶注入用の開口を形成しておく。
以上の素子基板形成工程とは別に、対向基板形成工程では、まず、対向電極形成工程P21において、カラーフィルタ22や遮光膜21などに続いて、走査線51a(対向電極)を形成した後、配向膜形成工程P22で配向膜24を形成し、次に、ラビング処理工程P23において配向膜24に対してラビング処理その他の配向処理を行う。
そして、貼り合わせ工程P31において、素子基板10と対向基板20とを位置合わせした上でシール材30を間に挟んで、基板10、20同士を貼り合わせ、次に、シール材硬化工程P32で、紫外線硬化その他の方法でシール材30を硬化させる。これにより、空のパネル構造体を形成した後、液晶注入工程P33において、液晶注入用の開口からパネルの内側に液晶を減圧注入し、次に、注入口封止工程P34において、封止材31で開口を封止する。しかる後に、実装工程P35において、素子基板10に対して、IC4、5、および可撓性基板7を異方性導電材で実装し、電気光学装置1aを完成させる。
[実施の形態2]
本形態、および後述する実施の形態3は、いずれも電気光学装置1aとしての構成などが共通し、柱状スペーサ形成工程のみが相違する。従って、柱状スペーサ形成工程のみについては説明する。また、以下の説明で参照する図8および図9には、素子基板10上の各種構成要素を省略して表してある。
本形態、および後述する実施の形態3は、いずれも電気光学装置1aとしての構成などが共通し、柱状スペーサ形成工程のみが相違する。従って、柱状スペーサ形成工程のみについては説明する。また、以下の説明で参照する図8および図9には、素子基板10上の各種構成要素を省略して表してある。
図8は、本形態の電気光学装置の製造工程のうち、柱状スペーサ形成工程の工程断面図である。
本形態では、図8(A)に示すように、素子基板10上にスピンコート法などを用いて、第1の柱状部分91を形成するためのネガタイプの第1の感光性樹脂96を塗布した後、第1の感光性樹脂96を第1の柱状部分91として残したい部分に対して、露光マスク910の透光部分911を介して紫外線を照射する(第1の露光工程)。
次に、図8(B)に示すように、再びスピンコート法などを用いて、第2の柱状部分92を形成するためのネガタイプの第2の感光性樹脂97を塗布した後、第2の感光性樹脂97を第2の柱状部分92として残したい部分に対して、露光マスク910の透光部分911を介して紫外線を照射する(第2の露光工程)。
次に、露光した第1の感光性樹脂96および第2の感光性樹脂97を同時に現像して、図8(C)に示すように、第1の柱状部分91の上に第2の柱状部分92が積み重ねられた柱状スペーサ9を形成する。このような方法であれば、現像工程が1回で済むので、工程数を減らすことができる。
[実施の形態3]
図9は、本形態の電気光学装置の製造工程のうち、柱状スペーサ形成工程の工程断面図である。
図9は、本形態の電気光学装置の製造工程のうち、柱状スペーサ形成工程の工程断面図である。
本形態では、図9(A)に示すように、素子基板10上にスピンコート法などを用いて、第1の柱状部分91を形成するためのネガタイプの第1の感光性樹脂96を塗布した後、第1の感光性樹脂96をプリベークする。次に、図9(B)に示すように、再びスピンコート法などを用いて、第2の柱状部分92を形成するためのネガタイプの第2の感光性樹脂97を塗布する。
次に、柱状スペーサ9を形成したい領域に対して、露光マスク910の透光部分911を介して紫外線を照射する。
次に、露光した第1の感光性樹脂96および第2の感光性樹脂97を同時に現像して、図9(C)に示すように、第1の柱状部分91の上に第2の柱状部分92が積み重ねられた柱状スペーサ9を形成する。このような方法であれば、露光工程および現像工程が1回で済むので、生産性を向上することができる。
[その他の実施の形態]
上記形態では、下層側に位置する第1の柱状部分91の圧縮強度が大きく、上層側に位置する第2の柱状部分92の圧縮強度が小さい例を示したが、下層側に位置する第1の柱状部分91の圧縮強度が小さく、上層側に位置する第2の柱状部分92の圧縮強度が大きい構成であってもよい。
上記形態では、下層側に位置する第1の柱状部分91の圧縮強度が大きく、上層側に位置する第2の柱状部分92の圧縮強度が小さい例を示したが、下層側に位置する第1の柱状部分91の圧縮強度が小さく、上層側に位置する第2の柱状部分92の圧縮強度が大きい構成であってもよい。
また、上記形態では、第1の柱状部分91および第2の柱状部分92の双方が感光性樹脂から構成されている例であったが、例えば、インクジェット法で樹脂を塗布することにより第1の柱状部分91および第2の柱状部分92の少なくとも一方を形成する方法であれば、熱硬化性樹脂を用いることもできる。
なお、上記形態は、TFDを非線形素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置に本発明を適用した例であるが、TFTを非線形素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置、あるいは非線形素子を用いないパッシブマトリクス型液晶装置に本発明を適用してもよい。また、液晶装置に限らず、一対の基板間に電気光学物質を保持し、かつ、これらの基板間隔を制御する必要のある電気光学装置であれば、いかなる電気光学装置にも本発明を適用することができる。
[電子機器への適用例]
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった各種の電子機器において表示部として用いることができる。
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった各種の電子機器において表示部として用いることができる。
1a 電気光学装置、9 柱状スペーサ、10 素子基板(第1の基板)、19 液晶(電気光学物質)、20 対向基板(第2の基板)、91 第1の柱状部分、92 第2の柱状部分
Claims (8)
- 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有し、
前記柱状スペーサは、第1の柱状部分と、該第1の柱状部分と平面的に重なる位置に当該第1の柱状部分と異なる特性の材料から形成された第2の柱状部分とを備え、
前記第1の柱状部分と前記第2の柱状部分とは、圧縮強度が異なることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1において、前記第1の柱状部分は、前記第1の基板に形成されて当該第1の基板から第2の基板に向けて突出し、
前記第2の柱状部分は、前記第1の柱状部分の先端面から前記第2の基板に向けて突出していることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1または2において、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分は、略同一の幅寸法を備えていることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記第1の柱状部分および前記第2の柱状部分は、それぞれ特性の異なる感光性樹脂から構成されていることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに規定する電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
- 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、
前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、
前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、露光および現像を行って第1の柱状部分を形成する第1の柱状部分形成工程と、
前記第1の基板の表面側に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布した後、露光および現像を行って前記第2の柱状部分を形成する第2の柱状部分形成工程と
を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、
前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、
前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、前記第1の柱状部分を形成するための露光を行う第1の露光工程と、
該第1の露光工程の後、前記第1の基板の表面側に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布した後、前記第2の柱状部分を形成するための露光を行う第2の露光工程と、
前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に現像する現像工程と
を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在して基板間隔を制御する柱状スペーサとを有する電気光学装置の製造方法において、
前記柱状スペーサとして、圧縮強度が異なる第1の柱状部分と第2の柱状部分とを平面的に重なる位置に形成するために、
前記第1の基板の表面側に前記第1の柱状部分を形成するための第1の感光性樹脂を塗布した後、当該第1の感光性樹脂の表面に前記第2の柱状部分を形成するための第2の感光性樹脂を塗布し、
次に、前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に露光した後、前記第1の感光性樹脂および前記第2の感光性樹脂を同時に現像することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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