JP4407482B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の基板間に電気光学物質およびスペーサが介在する電気光学装置、およびこの電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
代表的な電気光学装置である液晶装置では、一対の基板間に電気光学物質としての液晶が保持されており、液晶の層厚を規定するためには基板間隔を制御する必要がある。このため、従来は、一対の基板を貼り合せる際、一方の基板上に多数の粒状スペーサを散布し、これらの粒状スペーサを基板間に介在させることにより、基板間隔を制御している(例えば、特許文献1参照)。
また、一方の基板に柱状スペーサを形成し、この柱状スペーサの先端部を他方の基板に当接させて基板間隔を制御することもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−45703号公報 特開2003−344838号公報
このようなスペーサのうち、粒状スペーサは、一般的に圧縮強度が小さい。このため、基板間に液晶を封入した状態で温度が低下して液晶が体積収縮した場合、負圧により基板間隔が狭くなろうとする分、粒状スペーサは基板に押されて弾性変形する。従って、基板間が負圧状態にならないので、液晶が発泡することがない。しかしながら、粒状スペーサは、圧縮強度が小さいため、基板が押圧された場合に容易に変形してしまう。このため、押圧荷重に対する耐性が弱く、押圧荷重がかかると基板間隔が容易に変動するという問題点がある。
これに対して、柱状スペーサは、一般に圧縮強度が大きい。このため、基板が押圧された場合でも、このような荷重を柱状スペーサが変形することなく支えるので、押圧荷重に対する耐性が強く、押圧荷重がかかっても基板間隔が維持される。しかしながら、柱状スペーサは、圧縮強度が大きいため、基板間に液晶を封入した状態で温度が低下して液晶が体積収縮した場合、基板間隔が狭くなろうとするのを妨げるため、基板間が負圧状態になって液晶が発泡しやすいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、柱状スペーサ単独で基板間隔を制御したときでも、温度変化により電気光学物質が収縮した際の基板の変形を許容し、かつ、基板に押圧荷重がかかった場合には基板間隔の変動を防止可能な電気光学装置、およびこの電気光学装置を用いた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第1の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する複数の柱状スペーサを備え、前記第1の基板と前記第2の基板との基板間隔をd(μm)とし、前記電気光学物質の保持面積に対する前記柱状スペーサの全占有面積比をs1(%)としたとき、前記全占有面積比s1は、下式
0.3/d ≦ s1 ≦ 0.5/d
を満たしていることを特徴とする。
本発明において、柱状スペーサが各画素に一定の面積比をもって形成されている場合には、以下のように、柱状スペーサの占有面積を規定すればよい。すなわち、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する柱状スペーサを各画素に備え、前記第1の基板と前記第2の基板との基板間隔をd(μm)とし、各画素における前記柱状スペーサの占有面積比をs2(%)としたとき、前記占有面積比s2は、下式
0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d
を満たしていることを特徴とする。ここで、各画素における前記柱状スペーサの占有面積比s2(%)とは、各画素において柱状スペーサが占めている面積の平均的な比率を意味する。
本発明では、基板間隔の制御用のスペーサとして、圧縮強度が大きい柱状スペーサを用いたため、基板が押圧された場合、変形することなく押圧荷重を支える。ここで、柱状スペーサは、圧縮強度が大きいが、その占有面積に上限が設定されているので、基板の変形をある程度、許容する。従って、基板間に電気光学物質を保持した状態で温度が低下して電気光学物質が体積収縮した場合、基板間隔が狭くなろうとする分は、基板の弾性変形が許容される。それ故、基板間が負圧状態にならないので、電気光学物質が発泡することがない。また、柱状スペーサには、その占有面積に下限が設定されているので、基板が押圧された場合、基板はある程度以上、変形することがない。それ故、基板に押圧力が加わっても基板間隔が維持されるので、基板間での短絡が発生しないなど、電気光学装置の信頼性を向上することができる。
本発明において、前記柱状スペーサの全占有面積比s1(%)は、
0.06 ≦ s1 ≦ 0.51
を満たしていることが好ましい。
本発明において、前記柱状スペーサの占有面積比s2(%)は、
0.06 ≦ s2 ≦ 0.51
を満たしていることが好ましい。
柱状スペーサの全占有面積比s1が0.06%を下回ると、基板同士を貼り合せる際の荷重に耐えることができず、基板間隔にむらが発生し、表示に不具合が発生する。これに対して、柱状スペーサの全占有面積比s1、あるいは柱状スペーサの占有面積比s2が5.16%を越えると、第1の基板と第2の基板とをシール材で貼り合せる際、シール材と柱状スペーサが影響を及ぼし合ってシール材塗布領域付近で基板間隔にむらが発生し、表示に不具合が発生する。それ故、柱状スペーサの全占有面積比s1、あるいは柱状スペーサの占有面積比s2を上記範囲内に設定しておけば、基板間隔にむらが発生しないので、品位の高い画像を表示することができる。
本発明において、前記基板間隔dは、下式
1.0 ≦ d ≦ 5.0
で示す範囲内にあることが好ましい。このような範囲内にあれば、柱状スペーサの全占有面積比s1(%)、あるいは各画素における前記柱状スペーサの占有面積比s2(%)を規定する上記条件式における近似の精度が高い。
本発明において、前記第1の基板と前記第2の基板との間のうち、前記電気光学物質が保持されている領域に、基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域が存在する場合がある。このような場合、仮想の基板間隔を設定し、この仮想の基板間隔に基づいて、柱状スペーサの占有面積比を設定することを特徴とする。すなわち、本発明では、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する複数の柱状スペーサを備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間のうち、前記電気光学物質が保持されている領域には、基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域が存在し、前記第1の基板と前記第2の基板との仮想の基板間隔を下式
d=(第1の領域の面積×第1の領域の基板間隔+第2の領域の面積×第2の領域の基板間隔)/(第1の領域の面積+第2の領域の面積)
で求められるd(μm)とし、前記電気光学物質の保持面積に対する前記柱状スペーサの全占有面積比をs1(%)としたとき、前記全占有面積比s1は、下式
0.3/d ≦ s1 ≦ 0.5/d
を満たしていることを特徴とする。
また、柱状スペーサが各画素に一定の面積比をもって形成されている場合には、以下のように、柱状スペーサの占有面積を規定すればよい。すなわち、第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する柱状スペーサを各画素に備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間のうち、前記電気光学物質が保持されている領域には、基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域が存在し、前記第1の基板と前記第2の基板との仮想の基板間隔を下式
d=(第1の領域の面積×第1の領域の基板間隔+第2の領域の面積×第2の領域の基板間隔)/(第1の領域の面積+第2の領域の面積)
で求められるd(μm)とし、各画素における前記柱状スペーサの占有面積比をs2(%)としたとき、前記占有面積比s2は、下式
0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d
を満たしていることを特徴とする。
このような基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域とを有している場合も、前記柱状スペーサの全占有面積比s1(%)は、
0.06 ≦ s1 ≦ 0.51
を満たしていることが好ましい。また、前記柱状スペーサの占有面積比s2(%)は、
0.06 ≦ s2 ≦ 0.51
を満たしていることが好ましい。
ここで、前記第1の領域は、例えば透過モードで画像を表示する透過領域であり、前記第2の領域は、例えば反射モードで画像を表示する反射領域であり、前記反射領域における基板間隔は、前記透過領域における基板間隔よりも狭い。
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった電子機器に用いられる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、参照する各図において、図面上で認識可能な大きさとするために縮尺が各層や各部材ごとに異なる場合がある。
[第1の実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図2(A)、(B)は、本発明を適用した電気光学装置を素子基板の側からみた概略斜視図、および電気光学装置を画素電極を通る部分でY方向に切断したときの断面を模式的に示す説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る電気装置の画素構成を示す断面図である。なお、図3では、各画素に形成されている各要素が表れるように、後述する図4(A)のA−A′線に示す画素の対角線に沿って電気光学装置を切断したときの断面図で表してある。
図1に示す電気光学装置1aは、画素スイッチング素子としてTFD(Thin Film Diode)を用いた全透過型のアクティブマトリクス型液晶装置であり、交差する2方向をX方向およびY方向としたとき、複数の走査線51aがX方向(行方向)に延びており、複数のデータ線52aがY方向(列方向)に延びている。走査線51aとデータ線52aとの各交差点に対応する位置には画素53aが形成され、この画素53aでは、液晶層54aと、画素スイッチング用のTFD素子56a(非線形素子)とが直列に接続されている。各走査線51aは走査線駆動回路57aによって駆動され、各データ線52aはデータ線駆動回路58aによって駆動される。
このような電気光学装置1aを構成するにあたって、本形態では、図2(A)、(B)に示すように、素子基板10と対向基板20とをシール材30によって貼り合わせるとともに、両基板とシール材30とによって囲まれた領域内に電気光学物質としての液晶19を封入してある。シール材30は、対向基板20の縁辺に沿って略長方形の枠状に形成されるが、液晶を封入するために一部が開口している。このため、液晶19の封入後にその開口部分が封止材31によって封止される。
素子基板10は、対向基板20とシール材30によって貼り合わされた状態で対向基板20の端縁から一方の側に張り出した張り出し領域10aを有しており、この張り出し領域10aに向けて、データ線52aおよび走査線51aに接続する配線パターン8(信号線)が延びている。シール材30には導電性を有する多数の導通粒子が分散されており、この導通粒子は、例えば金属のメッキが施されたプラスチックの粒子や、導電性を有する樹脂の粒子であり、素子基板10および対向基板20の各々に形成された配線パターン同士を基板間導通させる機能を備えている。このため、本形態では、データ線52aに対して画像信号を出力する第1のIC4、および走査線51aに走査信号を出力する2つの第2のIC5が素子基板10の張り出し領域10aにCOG実装され、かつ、この素子基板10の張り出し領域10aの端縁に対して可撓性基板7が接続されている。
なお、電気光学装置1aと対向するように偏光板や位相差板などが配置されるが、本発明とは直接の関係がないため、それらの図示および説明を省略する。
図2(B)および図3において、素子基板10および対向基板20は、ガラスや石英などの光透過性を有する板状部材である。素子基板10の内側(液晶19の側)表面には、上述した複数のデータ線52a、後述する画素スイッチング用のTFD素子(図示せず)、画素電極34a、および配向膜12などが形成されている。対向基板20の内側(液晶19の側)の面上には、画素電極34aと対向する領域を避けるようにブラックマトリクスあるいはブラックストライプと称せられる遮光膜21が形成され、画素電極34aと対向する領域には、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のカラーフィルタ22が所定の配列で形成されている。また、対向基板20において、遮光膜21およびカラーフィルタ22を形成した面には、その平坦化および保護のために平坦化層23がコーティングされ、この平坦化層23の表面に走査線51aが形成され、さらにそれらの表面に配向膜24が形成されている。
(TFD素子の構成)
図4(A)、(B)は、図2に示す電気光学装置において画素スイッチング素子として用いたTFD素子の説明図である。
図4(A)、(B)において、素子基板10は、表面に下地層14が形成され、TFD素子56aは、この下地層14の上に形成された第1TFD素子33aおよび第2TFD素子33bからなる2つのTFD素子要素によって、いわゆるBack−to−Back構造として構成されている。このため、TFD素子56aは、電流−電圧の非線形特性が正負双方向にわたって対称化されている。下地層14は、例えば、厚さが50〜200nm程度の酸化タンタル(Ta)によって構成され、TFD素子56aの密着性を向上させ、さらに素子基板10からの不純物の拡散を防止するために設けられている。第1TFD素子33aおよび第2TFD素子33bは、第1金属層32aと、この第1金属層32aの表面に形成された絶縁層32bと、絶縁膜32bの表面に互いに離間して形成された第2金属層32c、32dとによって構成されている。第1金属層32aは、例えば、厚さが100〜500nm程度タンタル単体膜、タンタル合金膜等によって形成され、絶縁層32cは、例えば、陽極酸化法によって第1金属層32aの表面を酸化することによって形成された厚さが10〜35nmの酸化タンタル(Ta)である。第2金属層32c、32dは、例えばクロム(Cr)等といった金属膜によって50〜300nm程度の厚さに形成されている。第2金属層32cは、そのままデータ線52aとなり、他方の第2金属層32dは、ITO(Indium Tin Oxide)等といった透明導電材からなる画素電極34aに接続されている。
(柱状スペーサの占有面積比の最適化)
図5は、本発明を適用した電気光学装置において、各画素における柱状スペーサの占有面積比の最適条件を示すグラフである。図6は、本発明を適用した電気光学装置の効果を示す説明図である。
本形態の電気光学装置1aにおいて、液晶19の層厚は素子基板10と対向基板20との基板間隔によって制御される。このため、素子基板10と対向基板20との間には、図3および図4(A)、(B)に示すように、素子基板10において、画素電極53aを避けた領域、例えば、データ線52aが通っている位置のうち、対向基板20の遮光膜21と対向する位置に透光性の感光性樹脂からなる柱状スペーサ91が形成され、配向膜12は柱状スペーサ91の上層側に形成されている。ここで、柱状スペーサ91は、円錐台形状で表されているが、柱状スペーサ91は、正四角柱、正八角柱や、正四角錐台、正八角錐台などとして形成される場合があり、このような形状の場合、平面形状における対角寸法は5〜15μmである。なお、柱状スペーサ91の高さは、2〜4μmである。
このような柱状スペーサ91の大きさや数を設定するにあたって、本形態では、素子基板10と対向基板20との基板間隔dも考慮してその最適化を図ってある。なお、以下のように条件設定を行うにあたって、本形態では、各画素が所定のピッチをもって縦横に配置されているので、縦方向における画素ピッチと横方向における画素ピッチとを乗じて得られる面積を1画素当りの画素面積とし、1つの柱状スペーサ91の面積と各画素に形成されている柱状スペーサ91の数とを乗じて得られる面積を柱状スペーサ91の1画素当りの占有面積として、各画素における柱状スペーサの占有面積比を求めてある。また、隣接する画素同士が縦方向あるいは横方向にずれている場合があるが、このような場合、隣接する画素の境界領域の中心を通る仮想線を描いたとき、当該仮想線で囲まれた領域の面積を1画素当りの面積とする。また、柱状スペーサが画素の境界領域に形成されている場合など、各種の形態があるが、いずれの場合にも、複数の画素が含まれる領域を設定し、その領域内に形成されている柱状スペーサの数や面積を、当該領域に含まれる画素数で割れば、1画素当りの柱状スペーサの数や占有面積を求めることができる。また、柱状スペーサ91は、等径で突き出ている場合には、いずれの箇所で計測してもその面積は等しいが、柱状スペーサ91の径が高さ方向で変化している場合には、柱状スペーサ91の底面積を1つ当りの面積とすればよい。
本形態では、まず、各画素における柱状スペーサの占有面積比(柱状スペーサの1画素当りの占有面積比)の最適条件は、素子基板10と対向基板20との基板間隔dによって変動するという新たな知見に基づいて、素子基板10と対向基板20との基板間隔をd(μm)とし、各画素における柱状スペーサ91の占有面積比をs2(%)としたとき、素子基板10と対向基板20との基板間隔dを変化させたときにおける各画素における柱状スペーサ91の占有面積比S2の下限を求め、その結果については、図5に実線L1で示してある。このような下限は、基板が押圧された場合でも、基板間隔が維持するのに必要な占有面積比S2から導かれた値であり、0.3/d(%)である。
また、素子基板10と対向基板20との基板間隔dを変化させたときにおける各画素における柱状スペーサ91の占有面積比S2の上限を求め、その結果については、図5に実線L2で示してある。このような上限は、基板に対して、必要最小限の弾性変形を許容するのに必要な占有面積比S2から導かれた値であり、0.5/d(%)である。
従って、図5において、実線L1と実線L2とで挟まれた領域が柱状スペーサ91の1画素当りの占有面積比S2の適正範囲といえ、このような範囲は、以下の近似式
0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d ・・式(1)
で表される。
また、本形態では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる際、素子基板10と対向基板20に一定の荷重を加えても基板間隔にむらを発生させないという観点から、各画素における柱状スペーサ91の占有面積比S2の下限を求め、その結果については、図5に点線L11で示すように、基板間隔dにかかわらず、0.06%である。
また、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる際、シール材30と柱状スペーサ91とが影響し合うのを防止するという観点から、各画素における柱状スペーサ91の占有面積比S2の上限を求め、その結果については、図5に点線L21で示すように、基板間隔dにかかわらず、0.51%である。
従って、図5において、柱状スペーサ91の1画素当りの占有面積比S2については図の点線L11と点線L21とで挟まれた領域内にあることが好ましく、このような範囲は、下式
0.06 ≦ s2 ≦ 0.51 ・・式(2)
で表される。
それ故、本形態では、式(1)および式(2)の双方を満たす条件、すなわち、図5に右上がりの斜線を付した領域に相当する条件を満たすように、柱状スペーサ91の1画素当りの占有面積比S2を設定してある。
さらに、本形態では、液晶19の複屈折率に基づいてリタデーションを所定の範囲に設定し、かつ、上式(1)で示す近似の精度が高い範囲として、基板間隔dについては、下式
1.0 ≦ d ≦ 5.0 ・・式(3)
を満たす条件に限定してある。
従って、本形態では、式(1)、(2)(3)の全てを満たす条件、すなわち、図5に右上がりの斜線および右下がりの斜線の双方を付した領域に相当する条件を満たすように、柱状スペーサ91の1画素当りの占有面積比S2を設定してある。
このように、本形態では、図6(A)に示すように、基板間隔制御用のスペーサとして、圧縮強度が大きい柱状スペーサ91を用いたため、基板が押圧された場合、変形することなく押圧荷重を支える。また、柱状スペーサ91は、圧縮強度が大きいが、その占有面積に上限が設定されているので、基板の変形をある程度、許容する。従って、基板間に液晶19を保持した状態で温度が低下して液晶19が体積収縮した場合に、図6(B)に示すように、基板間隔が狭くなろうとする分は、基板の弾性変形が許容される。従って、基板間が負圧状態にならないので、液晶19が発泡することがない。また、柱状スペーサ91には、その占有面積に下限が設定されているので、図6(C)に示すように、基板が押圧された場合、基板はある程度以上、変形することがない。それ故、基板に押圧力が加わっても基板間隔が維持されるので、基板間での短絡が発生しないなど、電気光学装置1aの信頼性を向上することができる。
ここで、柱状スペーサの全占有面積比s2が0.06%を下回ると、基板同士を貼り合せる際の荷重に耐えることができず、基板間隔にむらが発生し、表示に不具合が発生する。これに対して、柱状スペーサの全占有面積比s2が5.1%を越えると、素子基板10と対向基板20とを貼り合せる際、シール材30で基板間導通を図れるように、素子基板10と対向基板20とを押し付けると、柱状スペーサ91によって基板に過大な応力が加わって基板間隔にむらが発生し、表示に不具合が発生する。しかるに本形態では、柱状スペーサ91の全占有面積比s2を上式(2)で示す範囲内に設定してあるので、基板間隔にむらが発生しない。それ故、品位の高い画像を表示することができる。
なお、本形態は、全透過型の電気光学装置を例に説明したが、例えば、対向基板20の側に反射層を形成して全反射型の電気光学装置を構成した場合に本発明を適用してもよい。また、本形態は、TFTを非線形素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置(電気光学装置)に適用してもよい。
(電気光学装置1aの製造方法)
図7は、図2に示す電気光学装置の製造方法を示す工程図である。
本形態の電気光学装置1aを製造するにあたっては、図7に示す能動素子形成工程P11〜シール材印刷工程P16からなる素子基板形成工程と、走査線形成工程P21〜粒状スペーサ散布工程P24からなる対向基板形成工程とは別々に行われる。また、以下に説明する工程の多くは、素子基板10および対向基板20を多数取りできる大面積の元基板の状態で行われ、元基板同士を貼り合わせた後、切断されるが、以下の説明では、所定サイズに切断した素子基板10および対向基板20を用いた例で説明する。
まず、素子基板形成工程のうち、能動素子形成工程SP11では、成膜工程、フォトエッチング工程、および陽極酸化工程など、周知の方法でデータ線52a、配線パターン8、およびTFD素子56aなどを形成する。
次に、画素電極形成工程P12では、ITOによって画素電極23aを形成するとともに、配線パターン8の端部にITO膜を形成してパッドを形成する。
次に、柱状スペーサ形成工程P13では、感光性アクリル樹脂などを塗布、感光、現像して、図3を参照して説明した柱状スペーサ91を形成する。
次に、配向膜形成工程P14で配向膜21を形成した後、ラビング処理工程P15において、配向膜21に対してラビング処理その他の配向処理を行う。
次に、シール材印刷工程P16において、図2に示すように、ディスペンサーやスクリーン印刷等によってシール材30を環状に塗布する。なお、シール材30の一部分に液晶注入用の開口を形成しておく。
以上の素子基板形成工程とは別に、対向基板形成工程では、まず、対向電極形成工程P21において、走査線51aを形成した後、配向膜形成工程P22で配向膜24を形成し、次に、ラビング処理工程P23において配向膜24に対してラビング処理その他の配向処理を行う。
そして、貼り合わせ工程P31において、素子基板10と対向基板20とを位置合わせした上でシール材30を間に挟んで、基板10、20同士を貼り合わせ、次に、シール材硬化工程P32で、紫外線硬化その他の方法でシール材30を硬化させる。これにより、空のパネル構造体を形成した後、液晶注入工程P33において、液晶注入用の開口からパネルの内側に液晶を減圧注入し、次に、注入口封止工程P34において、封止材31で開口を封止する。しかる後に、実装工程P35において、素子基板10に対して、IC4、5、および可撓性基板7を異方性導電材で実装し、電気光学装置1aを完成させる。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の実施の形態2に係る電気装置の画素構成を示す断面図である。なお、図8では、図3と同様、各画素に形成されている各要素が表れるように、図4(A)のA−A′線に示す画素の対角線に相当する位置で電気光学装置を切断したときの断面図で表してある。また、本形態の電気光学装置の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図8に示す電気光学装置1bは、画素スイッチング素子としてTFDを用いた半透過反射型のアクティブマトリクス型液晶装置であり、このような半透過反射型の電気光学装置1bでは、バックライト装置から出射された光(矢印LTで示す)で透過モードで画像を表示するとともに、矢印LRで示すように、入射した外光を反射して再び、出射する間に光変調を行って反射モードで画像を表示する。このため、各画素には、透過領域71(第1の領域)と反射領域72(第2の領域)とが構成されている。
このような半透過反射型の電気光学装置1bにおいて、透過モードで表示を行う際には、電気光学装置1bに入射した光が、液晶19の層を1回のみ通過して外部に出射されるのに対して、反射モードで表示を行う際には、電気光学装置1bに入射した光が、反射膜85によって反射される前後2回にわたり液晶19の層を通過して外部に出射される。そして、画像表示の視認性を向上させるためには、液晶19の層における屈折率の差と、液晶19の層厚の積であるリタデーションを適正化することが効果的である。しかし、透過領域71と反射領域72とでは、液晶19の層を通過する回数が異なるために、すべての領域において基板間隔を均一化した構造では、双方のリタデーションを最適化することができない。従って、反射領域72の基板間隔dR(μm)を透過領域71の基板間隔dT(μm)よりも狭くするマルチギャップ構造とすることにより、双方の領域のリタデーションを同時に最適化することができる。そして、このようなマルチギャップ構造を備えた電気光学装置1bに本発明を適用しても良い。
このようなマルチギャップ構造を備えた半透過反射型の電気光学装置1bでは、例えば、対向基板20の液晶19の層側に、感光性樹脂により凹凸形成層87を形成し、凹凸形成層87上に開口部86を有する反射膜85を形成することによって、反射膜85の表面に凹凸形成層87の凹凸を反映させることで光散乱性を付与している。そして、光を反射する反射膜85に対応する反射領域72と、光を透過する開口部86に対応する透過領域71を規定する。反射層85上には反射領域で反射された反射光と透過領域を透過した透過光とを着色するためのカラーフィルタ層22と、画素の境界領域に設けられた遮光膜21が形成されている。そして、その平坦化のための平坦化膜23がコーティングされ、平坦化膜23上に走査線51aが形成され、さらに平坦化膜23又は走査線51a上に液晶19を配向させるための配向膜24が形成されている。
これに対して、素子基板10の側には、TFD素子にコンタクトホールなどを介して電気的に接続される画素電極34aを設けるとともに、画素電極34aの下層側(基板側)に層間絶縁膜や保護層などを層厚調整層88として設けて、マルチギャップ構造を構成する。すなわち、反射領域72においては、画素電極34aの下層側に層厚調整層88を設けて基板間隔dRを狭くするとともに、透過領域71においては、画素電極34aの下層側に層厚調整層88を設けず、基板間隔dTを広くする。なお、層厚調整層88は、反射領域72に厚く、透過領域71に薄く残して基板間隔を調整してもよい。
このように構成した場合も、本形態では、各画素における柱状スペーサ91の占有面積比s2(%)については基板間隔に基づいて最適化する。但し、反射領域72と透過領域71とでは基板間隔が異なるので、本形態では、仮想の基板間隔d(μm)を下式、
d=(透過領域71の面積×透過領域71の基板間隔dT+反射領域72の面積×反射領域72の基板間隔dR)/(透過領域71の面積+反射領域72の面積)
により求め、この仮想の基板間隔d(μm)を式(1)
0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d ・・式(1)
に適用して柱状スペーサ91の占有面積比s2(%)を設定する。
また、このように構成した場合も、下式(2)、(3)
0.06 ≦ s2 ≦ 0.51 ・・式(2)
1.0 ≦ d ≦ 5.0 ・・式(3)
を満たすことが好ましい。
このように、柱状スペーサ91の占有面積比を反射領域72の基板間隔のみで規定せずに、反射領域72と透過領域71の基板間隔の平均値で規定する理由は、基板間隔が狭い反射領域72の面積が大きくなるほど、対向する電極同士の距離が短い領域が増えるので、押圧力に対する抵抗を上げる必要があるため、柱状スペーサ91の占有面積を大きくする必要があるからである。これに対して、基板間隔が長い透過領域72の面積が大きくなるほど、対向する電極同士の距離が長い領域が増えるので、押圧力に対する抵抗を上げる必要が少なくなるため、柱状スペーサ91の占有面積を大きくする必要がなく、小さくしてもよいからである。このように、基板間隔の狭い反射領域72の基板間隔のみを考慮するのではなく、透過領域71の基板間隔をも考慮すれば、柱状スペーサ91の占有面積を最適化できる。
なお、マルチギャップ構造においては、基板間隔がより狭い反射領域72に柱状スペーサ91を配置することが好ましく、その場合の基板間隔は全反射型の電気光学装置における基板間隔と同様である。
また、柱状スペーサ91は、反射型や透過型の電気光学装置と同様に配置してもよい。具体的には、柱状スペーサ91をTFD素子や配線上に配置してもよい。
なお、透過領域71は、反射膜85に形成された開口部86には限られず、島状に形成された反射膜85に対応する領域を反射領域72とし、反射膜85が形成されていない領域を透過領域71としても良い。また、反射領域72と透過領域71の基板間隔を調整する層厚調整層については、素子基板10の側ではなく、対向基板20の側に設けてもよい。
[第3の実施形態]
本発明は、図9および図10を参照して以下に説明するように、TFTを非線形素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置(電気光学装置)にも適用することができる。
図9は、本形態の半透過反射型の電気光学装置に用いたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図10は、半透過反射型の電気光学装置の画素の一部を図9のC−C′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
(TFTアレイ基板の構成)
図9において、TFTを非線形素子として用いた半透過反射型の電気光学装置に用いたTFTアレイ基板110上には、複数の透明なITO(Indium Tin Oxide)膜からなる画素電極109a(第1の透明電極)がマトリクス状に形成されており、これら各画素電極109aに対して画素スイッチング用のTFT130がそれぞれ接続している。また、画素電極109aの縦横の境界に沿って、データ線106a、走査線103a、および容量線103bが形成され、TFT130は、データ線106aおよび走査線103aに対して接続している。すなわち、データ線106aは、コンタクトホールを介してTFT130の高濃度ソース領域101dに電気的に接続し、走査線103aは、その突出部分がTFT130のゲート電極を構成している。なお、蓄積容量160は、画素スイッチング用のTFT130を形成するための半導体膜101aの延設部分101fを導電化したものを下電極とし、この下電極141に容量線103bが上電極として重なった構造になっている。
このように構成した画素領域のC−C′線における断面は、図10に示すように表され、TFTアレイ基板110の基体たる透明な基板の表面に、厚さが300nm〜500nmのシリコン酸化膜(絶縁膜)からなる下地保護膜111が形成され、この下地保護膜111の表面には、厚さが30nm〜100nmの島状の半導体膜101aが形成されている。半導体膜101aの表面には、厚さが約50〜150nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜102が形成され、このゲート絶縁膜102の表面に、厚さが300nm〜800nmの走査線103aが形成されている。半導体膜101aのうち、走査線103aに対してゲート絶縁膜102を介して対峙する領域がチャネル領域101a′になっている。このチャネル領域101a′に対して一方側には、低濃度ソース領域101bおよび高濃度ソース領域101dを備えるソース領域が形成され、他方側には低濃度ドレイン領域101cおよび高濃度ドレイン領域101eを備えるドレイン領域が形成されている。
画素スイッチング用のTFT130の表面側には、厚さが300nm〜800nmのシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜104が形成され、この層間絶縁膜104の表面には、シリコン窒化膜からなる表面保護膜(図示せず)が形成されることがある。層間絶縁膜104の表面には、厚さが300nm〜800nmのデータ線106aが形成され、このデータ線106aは、層間絶縁膜104に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ソース領域101dに電気的に接続している。層間絶縁膜104の表面にはデータ線106aと同時形成されたドレイン電極106bが形成され、このドレイン電極106bは、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ドレイン領域101eに電気的に接続している。
層間絶縁膜104の上層には、第1の感光性樹脂からなる凹凸形成層113aが所定のパターンで形成され、この凹凸形成層113aの表面には、第2の感光性樹脂からなる上層絶縁膜107aが形成されている。また、上層絶縁膜107aの表面には、アルミニウム膜などからなる光反射膜108aが形成されている。従って、光反射膜108aの表面には、凹凸形成層113aの凹凸が上層絶縁膜107aを介して反映されて、凹部108cおよび凸部108bからなる凹凸パターン108gが形成されている。
ここで、光反射層108aには光透過窓としての開口部108dが形成されている。このため、光反射層108aは、画素電極109aと対向電極121とが対向する画素領域100aに反射領域100b(第2領域)を構成するとともに、光反射層108aの形成されていない残りの領域(開口部108d)は、透過領域100c(第1領域)を構成している。
光反射膜108aの上層にはITO膜からなる画素電極109aが形成されている。画素電極109aは、光反射膜108aの表面に直接、積層され、画素電極109aと光反射膜108aとは電気的に接続されている。また、画素電極109aは、上層絶縁膜107aおよび層間絶縁膜104に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極106bに電気的に接続している。
画素電極109aの表面側にはポリイミド膜からなる配向膜112が形成されている。この配向膜112は、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。
また、高濃度ドレイン領域101eからの延設部分101f(下電極)に対しては、ゲート絶縁膜102と同時形成された絶縁膜(誘電体膜)を介して容量線103bが上電極として対向することにより、蓄積容量160が構成されている。
さらに、本形態では、容量線103bの上層側には、透明なポリイミド樹脂などからなる、高さ2μm〜3μmの柱状突起140が各画素100毎に複数、形成され、これらの柱状突起140によって、TFTアレイ基板110と対向基板120との間隔が規定されている。このため、本形態の半透過反射型液晶装置100では、TFTアレイ基板110と対向基板120との間にギャップ材が散布されていない。
(対向基板の構成)
対向基板120では、TFTアレイ基板110に形成されている画素電極109aの縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、あるいはブラックストライプなどと称せられる遮光膜123が形成され、その上層側には、ITO膜からなる対向電極121(第2の電極)が形成されている。また、対向電極121の上層側には、ポリイミド膜からなる配向膜122が形成され、この配向膜122は、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。
対向基板120において対向電極121の下層側には、フォトリソグラフィ技術、フレキソ印刷法、あるいはインクジェット法を利用して反射領域100bおよび透過領域100cに対向する領域にRGBのカラーフィルタ124が1μm〜数μmの厚さに形成されている。
さらに、本形態では、対向電極121とカラーフィルタ124との層間、すなわち、対向電極121の下層側には、反射領域100bにおける基板間隔dR(μm)を透過領域100cにおける基板間隔dT(μm)よりも薄くする層厚調整層125が形成されている。本形態において、層厚調整層125は、フォトリソグラフィ技術、フレキソ印刷法、あるいはインクジェット法を利用して反射領域100bに選択的に形成された、厚さが2μm〜3μmのアクリル樹脂やポリイミド樹脂などの透明層である。
このような構成の電気光学装置100では、TFTアレイ基板110の背面側に配置されたバックライト装置(図示せず)から出射された光のうち、透過領域100cに入射した光は、矢印LTで示すように、TFTアレイ基板110の側から液晶層150に入射し、液晶層150で光変調された後、対向基板120の側から透過表示光として出射されて画像を表示する(透過モード)。また、対向基板120の側から入射した外光のうち、反射領域100bに入射した光は、矢印LRで示すように、液晶層150を通って反射層108aに届き、この反射層108aで反射されて再び、液晶層150を通って対向基板120の側から反射表示光として出射されて画像を表示する(反射モード)。このような表示を行う際、透過表示光は、液晶層150を一度だけ通過して出射されるのに対して、反射表示光は、液晶層150を2度、通過することになるが、本形態では、対向基板120に形成された層厚調整層125によって、反射領域100bにおける液晶層50の層厚は、透過領域100cにおける液晶層50の層厚よりもかなり薄い。このため、透過表示光および反射表示光の双方において、リタデーションを最適化することができるので、品位の高い表示を行うことができる。
(柱状スペーサ40の占有面積の最適化)
このように構成した場合も、本形態では、実施の形態1,2と同様、各画素における柱状スペーサ140の占有面積比s2(%)については基板間隔に基づいて最適化する。但し、本形態では、実施の形態2と同様、反射領域100bと透過領域100cとでは基板間隔が異なるので、本形態では、仮想の基板間隔d(μm)を下式、
d=(透過領域の面積×透過領域の基板間隔dT+反射領域の面積×反射領域の基板間隔dR)/(透過領域の面積+反射領域の面積)
により求め、この仮想の基板間隔d(μm)を式(1)
0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d ・・式(1)
に適用して柱状スペーサ40の占有面積比s2を設定する。
また、このように構成した場合も、下式(2)、(3)
0.06 ≦ s2 ≦ 0.51 ・・式(2)
1.0 ≦ d ≦ 5.0 ・・式(3)
を満たすことが好ましい。
このように、本形態では、実施の形態2と同様、柱状スペーサ140の占有面積比s2を反射領域100bの基板間隔のみで規定せずに、反射領域100bと透過領域100cの基板間隔の平均値で規定するため、柱状スペーサ40の占有面積を最適化できる。
[その他の実施の形態]
上記形態1、2、3では、柱状スペーサ91、140が各画素に一定の面積比をもって形成されているので、各画素における柱状スペーサ19、140の占有面積比S2で柱状スペーサ91、140の大きさや数を規定したが、柱状スペーサ91、140が各画素に異なる分布をもって形成されている場合には、液晶の保持面積(本形態ではシール材で囲まれた領域の面積)に対する柱状スペーサ91、140の全占有面積比s1(%)で規定すればよく、この場合も、図5を参照して説明した関係が成立する。従って、この場合、上式(1)に対応する条件式は、下式(4)
0.3/d ≦ s1 ≦ 0.5/d ・・(4)
となり、上式(2)に対応する条件式は、下式(5)
0.06 ≦ s1 ≦ 0.51 ・・(5)
となる。さらに、このような条件においても、基板間隔dについては、下式
1.0 ≦ d ≦ 5.0
を満たす範囲に限定すれば、上式(4)での近似の精度が高い。
なお、上記形態は、TFDあるいはTFTを非線形素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置に本発明を適用した例であるが、非線形素子を用いないパッシブマトリクス型液晶装置に本発明を適用してもよい。また、液晶装置に限らず、一対の基板間に電気光学物質を保持し、かつ、これらの基板間隔を制御する必要のある電気光学装置であれば、いかなる電気光学装置にも本発明を適用することができる。
[電子機器への適用例]
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった各種の電子機器において表示部として用いることができる。
本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。 (A)、(B)は、本発明を適用した電気光学装置を素子基板の側からみた概略斜視図、および電気光学装置を画素電極を通る部分でY方向に切断したときの断面を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る電気装置の画素構成を示す断面図である。 図2に示す電気光学装置において画素スイッチング素子として用いたTFD素子の説明図である。 本発明を適用した電気光学装置において、各画素における柱状スペーサの占有面積比の最適条件を示すグラフである。 本発明を適用した電気光学装置の効果を示す説明図である。 図2に示す電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の画素構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る電気光学装置に用いたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。 本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の画素の一部を図9のC−C′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
符号の説明
1a、1b、100 電気光学装置、10 素子基板(第1の基板)、19、150 液晶(電気光学物質)、20、120 対向基板(第2の基板)、34a、109a 画素電極、71、100c 透過領域、72、100b 反射領域、85、108a 反射層、86、108d 反射層の開口部、88、125 層厚調整層、91、140 柱状スペーサ、110 TFTアレイ基板(第1の基板)

Claims (4)

  1. 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、
    前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する複数の柱状スペーサを備え、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間のうち、前記電気光学物質が保持されている領域には、基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域が存在し、前記第1の基板と前記第2の基板との仮想の基板間隔を下式
    d=(第1の領域の面積×第1の領域の基板間隔+第2の領域の面積×第2の領域の基板間隔)/(第1の領域の面積+第2の領域の面積)
    で求められるd(μm)とし、
    前記電気光学物質の保持面積に対する前記柱状スペーサの全占有面積比をs1(%)としたとき、前記全占有面積比s1は、下式
    0.3/d ≦ s1 ≦ 0.5/d
    を満たしていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 第1の基板と、該第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に保持された電気光学物質とを有し、多数の画素がマトリクス状に配置された電気光学装置において、
    前記第1の基板から前記第2の基板に向けて突出して基板間隔を制御する柱状スペーサを各画素に備え、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間のうち、前記電気光学物質が保持されている領域には、基板間隔が相違する第1の領域と第2の領域が存在し、前記第1の基板と前記第2の基板との仮想の基板間隔を下式
    d=(第1の領域の面積×第1の領域の基板間隔+第2の領域の面積×第2の領域の基板間隔)/(第1の領域の面積+第2の領域の面積)
    で求められるd(μm)とし、
    各画素における前記柱状スペーサの占有面積比をs2(%)としたとき、前記占有面積比s2は、下式
    0.3/d ≦ s2 ≦ 0.5/d
    を満たしていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1または2において、前記第1の領域は透過モードで画像を表示する透過領域であり、前記第2の領域は反射モードで画像を表示する反射領域であり、
    前記反射領域における基板間隔は、前記透過領域における基板間隔よりも狭いことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに規定する電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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