JP2005241325A - リポカリン型プロスタグランジンd合成酵素の定量方法及び定量用試薬 - Google Patents

リポカリン型プロスタグランジンd合成酵素の定量方法及び定量用試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】 試料の性質、特にpHの影響を受けにくいリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の測定方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】 本発明は、試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素と抗リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素抗体とを接触させ、生じる抗原抗体反応の結果に基づいてリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素を定量する方法であって、当該抗体が、pHが4.0以上6.0未満の試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素について、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以内となる性質を有するものであることを特徴とする該定量方法、試薬及び試薬キットに関する。

Description

本発明は、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素に対して良好な結合能を有する抗体を用いるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の高精度な定量方法に関する。
プロスタグランジンD2は、睡眠誘発、血小板凝集抑制、血管拡張、気管支収縮などの多様な生理作用を示す。その生合成を行うリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(以下、L-PGDSと略記する場合がある)は、βトレースタンパク質として脳脊髄液や精液に分泌される。よって、L-PGDSは、上記生理作用を司る酵素として着目されており、様々な測定方法が従来から検討されていた。例えば、ヒト脳脊髄液由来のβトレースを免疫源とする抗体を用いる、免疫電気泳動法や、ウェスタンブロッティング、一元免疫拡散法(SRID)等の測定方法の研究がそれである。
また、マウスモノクローナル抗体を用いたELISA法によるヒト体液試料中のL-PGDSの検出方法も報告されており(国際公開WO97/16461号)、該検出方法に係るキットを用いて血液、尿中のL-PGDS濃度を測定することで、腎疾患の早期検出および病態管理に有用である(特開2000-146980)等の報告がなされていた。
WO97/16461号
特開2000-146980
本発明者らが、L-PGDSの測定方法について研究した結果、従来の方法で酸性試料中のL-PGDSを測定すると経時変化(日差変動)による大きな測定誤差が認められることが判明した。そのため、試料の性質、特にpHの影響を受けにくいL-PGDSの測定方法の開発が望まれており、本発明はその提供を課題とする。
本発明は、
(1)試料中のL-PGDSと抗L-PGDS抗体とを接触させ、生じる抗原抗体反応の結果に基づいてL-PGDSを定量する方法であって、当該抗体が、pHが4.0以上6.0未満の試料中のL-PGDSについて、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下となる性質を有するものであることを特徴とする該定量方法、
(2)pHが4.0以上6.0未満の試料中のL-PGDSについて、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下となる性質を有する抗体を含んでなる、L-PGDS定量用試薬、及び
(3)(2)記載の試薬を含むL-PGDS定量用試薬キット、
に関する。
本発明の方法、試薬及びキットを用いることにより、従来の定量方法では経時変化(日差変動)による測定誤差が大きかった酸性試料についても、測定誤差が少ない精度の高いL-PGDS測定が可能となる。
本発明に係る抗体としては、pHが4.0以上6.0未満の試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素について、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下、好ましくは±5%以下となる性質を有するものがあげられる。より具体的には、pHが4.0以上6.0未満のL-PGDS含有試料を用いて、試料採取後3時間以内にL-PGDSと抗体とを反応させて抗原抗体反応を生じさせ、それによる変化を測定し、また、4〜25℃で3日間保存した当該試料中のL-PGDSと抗体との反応を同様に測定し、試料採取後3時間以内の抗原抗体反応によって生じる変化の結果に対して3日間保存後のそれの変動率が±10%以下、好ましくは±5%以下であるような抗体であれば何れも含まれる。また、4℃で10日間保存した当該試料中のL-PGDSと抗体との反応を同様に測定し、試料採取後3時間以内の抗原抗体反応によって生じる変化の結果に対して10日間保存後のそれの変動率が±10%以下、好ましくは±5%以下であるような抗体も本発明に含まれる。尚、ここでいう抗原抗体反応によって生じる変化の結果とは本発明に係る定量法によって得られる抗原抗体反応に基づく測定値であればよく、例えば免疫凝集法を用いた場合には、濁度(吸光度)や散乱光強度等を用いればよい。また、測定時の溶液pHや温度、本発明に係る抗体の濃度等の条件は、本発明に係る定量法の項で記載する条件に従って行えばよい。尚、上記測定変動率とは、具体的には、例えば3日後の測定変動率を測定する場合、以下の数式より求められる。尚、以下、実施例での算出法も該数式に従ってなされる。
測定変動率(%)=(3日間保存後の抗原抗体反応によって生じる変化の結果−試料採取後3時間以内の抗原抗体反応によって生じる変化の結果)/(試料採取後3時間以内の抗原抗体反応によって生じる変化の結果)×100
本発明に係る抗体に於いて、例えばL-PGDSに対するモノクローナル抗体(以下、MCAと略記する場合がある)を用いる場合、そのMCAは上記性質を有するものであればよく、その由来も特に限定されず、市販品、或いは細胞融合技術や遺伝子組換え技術等を利用した自体公知の方法〔Eur.J immunol, 6, 511 (1976)〕等によって産生されたものも全て使用可能である。
また、本発明に係る抗体に於いて使用されるL-PGDSに対するMCAには、パパイン等で部分分解して得られるFabフラグメント、ペプシン等で部分分解して得られるF(ab')2フラグメント、F(ab')2フラグメントを還元処理して得られるFab'フラグメント等の、所謂抗体フラグメントも全て包含される。尚、このようにフラグメントとして使用した方が、L-PGDS測定時に於ける非特異的反応を回避し易くなるのでより望ましい。また、該MCAは、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明に係る抗体に於いて、L-PGDSに対するポリクローナル抗体(以下、PCAと略記する場合がある)を用いる場合には、上記性質を有するものであれば良く、その由来についても特に限定されない。例えば、ウサギ、馬、羊、山羊、ラット、マウス等に由来する、上記した如き性質を有するものが挙げられ、ウサギ、マウス等が好ましく、ウサギがより好ましい。また、これらPCAは、市販のものを使用しても良いし、また、動物抗血清から公知の方法(例えば、「タンパク質精製法,Robert.K.Scopes著,シュプリンガー・ フェアラーク東京株式会社,1985年,37頁〜179頁」等に記載された方法等)で取得されるPCAを使用しても良い。
また、本発明に於いて使用されるL-PGDSに対するPCAには、PCAの一部、例えば、PCAをパパイン等で部分分解して得られるFabフラグメント、ペプシン等で部分分解して得られるF(ab')2フラグメント、F(ab')2フラグメントを還元処理して得られるFab'フラグメント等の、所謂抗体フラグメントも全て包含される。尚、このように抗体フラグメントとして使用した方が、目的のL-PGDS測定時に於ける非特異的反応を回避し易くなるのでより望ましい。また、該PCAは、2種以上を適宜混合して用いても良い。
上記の如き本発明に係る抗体の中では、PCAが好ましいものとしてあげられ、中でもウサギ由来のPCAが特に好ましい。
本発明に係る抗体の抗原決定部位は、上記抗体が上記性質を有するような部位であれば特に限定されないが、pHが4.0以上6.0未満でも変性しない部位が好ましく、pHが5.0以上6.0未満でも変性しない部位がより好ましい。即ち、本発明に係る抗体の好ましいものとしては、L-PGDSの抗原決定部位であってpHが4.0以上6.0未満でも変性しないものに対して結合能を有するもの等が挙げられ、より好ましくはpHが5.0以上6.0未満でも変性しないものに対して結合能を有するもの等が挙げられる。
本発明に係る定量方法としては、L-PGDSを含有する試料と、L-PGDSに対して上記の如き性質を有する抗体とを接触させ、それにより起きる抗原抗体反応の結果に基づいて試料中のL-PGDSを定量する方法であればよい。具体的には例えば逆受身凝集反応法、免疫比ろう法、免疫比濁法等の免疫凝集法、ラジオイムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ法、エンザイムイムノアッセイ法、固相酵素免疫測定法、蛍光・発光免疫測定法等が好ましく、中でも免疫比ろう法、免疫比濁法等の免疫凝集法等が好ましく、免疫比濁法が特に好ましい。尚、免疫比濁法の中でも、ラテックスを用いた免疫比濁法が特に好ましい。
本発明に係る定量方法は自体公知の方法に準じて行えばよいが、例えば、逆受身凝集反応法を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.36-37」、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.844-845」等に、例えば、免疫比ろう法を用いる場合には「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.851-853等」等に、免疫比濁法を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.853-854」等に記載の方法に準じて行えばよい。また、凝集反応を応用した測定法である、ラジオイムノアッセイ法(RIA)を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.57-61」「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.856-862」等に、イムノラジオメトリックアッセイ 法(IRMA)を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.856-862」等に、エンザイムイムノアッセイ法(EIA)を用いる場合には、「東京化学同人 続生化学実験講座5 免疫生化学研究法 p.62-65」、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.862-865」、「特開昭56-106154号公報」、「特開昭58-23796号公報」等に、固相酵素免疫測定法(ELISA)を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.1145-1149」等に、蛍光・発光免疫測定法を用いる場合には、「金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.865-867」等に記載の方法に準じて行えばよい。
本発明の定量方法を、不溶性微粒子、例えばラテックスを用いた免疫比濁法を例にとって、より具体的に以下に説明する。即ち、L-PGDSを含む試料と、例えば上記の如き性質を有する抗L-PGDSポリクローナル抗体を例えば平均粒径0.05〜2.4μm、好ましくは0.05〜1.0μmのラテックスに担持(感作)させたものからなる試薬とを反応させ、その結果生じた凝集の度合いを例えば吸光度を用いて測定し、予め求めてあった標準品の検量線からその濃度を求めることによって試料中のL-PGDS量を定量する。尚、吸光度の測定波長は、通常340〜1000nm、好ましくは500〜900nmで測定すればよい。また、凝集の度合いは、吸光度に限定されるものではなく、自体公知の方法であればいずれでもよく、例えばネフェロメトリー、カウンティングイムノアッセイ等の方法により値を測定してもよい。また、L-PGDSを含む試料と、例えば抗L-PGDSポリクローナル抗体等を反応させる際、適当な凝集促進剤を添加してもよい。尚、このような凝集促進剤の具体例については、本発明の試薬キットの項で詳細に説明する。
本発明の定量方法に係る免疫比濁法に於いて用いられる不溶性微粒子としては、通常の免疫化学的測定法で用いられる不溶性微粒子であれば何れも使用可能であるが、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリクロロカーボネート、シリコーン樹脂、シリコーンラバー等の合成高分子化合物、多孔性ガラス、スリガラス、アルミナ、シリカゲル、活性炭、金属酸化物等の無機物質等が好ましいものとして挙げられる。また、これら不溶性微粒子は、チューブ、ビーズ、ディスク状片、微粒子、ラテックス粒子、マイクロプレート等多種多様の形態で使用し得る。中でも、ラテックス粒子は、人工担体であり、目的に応じて担体表面を化学的処理し易いこと、また非特異反応が起こりにくいこと等の点から特に好ましい。その材質は特に限定されないが、例えばポリスチレンラテックス等のスチレン系ラテックス、アクリル酸系ラテックス等が好ましいものとして挙げられる。
尚、これらラテックス粒子のうち、乳化剤を用いない乳化重合によって得られるポリスチレンラテックス粒子等は、表面の疎水性が強いため、タンパク質或いはペプチドをスムーズに吸着し、且つ表面の負電荷同士の反発に基づき、乳化剤なしでも溶液中で安定に分散するという性質を有しているので、特に好ましい。尚、種々の変性ラテックス(例えば、上記ポリスチレン中にカルボキシル基を導入したカルボン酸変性ラテックス)、磁性ラテックス(磁性粒子を内包させたラテックス)等も必要に応じて使用できる。
また、本発明に於いて用いられるラテックス粒子としては、市販のものが使用できるが、ラテックス粒子の平均粒径が小さいもの、即ち、単位重量あたりの表面積が大きいものが、抗体を効率良く担時させることができるので好ましく用いられる。より具体的には、通常0.05〜2.4μm、好ましくは0.05〜1.0μmの平均粒径のものが好ましい。
不溶性微粒子に抗体を担持させる方法としては、MCA又は/及びPCAと不溶性微粒子とを接触させることによって、該不溶性微粒子に該MCA又は/及び該PCAを担持させる方法であればよく、特に限定されない。通常この分野で利用される自体公知の担持方法は全て挙げられ、例えば、MCA又は/及びPCAを不溶性微粒子に物理的に吸着させて該MCA又は/及び該PCAを不溶性微粒子に担持させる、所謂物理的吸着法〔特公平5-41946号公報、スミロン テクニカルレポート,SUMILON ELISAシリーズ 1 ELISA測定法の紹介,住友ベークライト(株)発行、スミロン テクニカルレポート,SUMILON ELISAシリーズ 2 ELISA製品の固相表面,住友ベークライト(株)発行等〕が、代表的なものとして挙げられる。該方法は、通常、例えば、ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニール,ポリエチレン,ポリクロロカーボネート等の合成高分子化合物、活性炭、例えば多孔性ガラス,スリガラス,アルミナ,シリカゲル,金属酸化物,ヒドロキシアパタイト等の無機物質を不溶性微粒子として用いた場合に好ましい方法として用いられる。なかでも、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール等を、例えばチューブ、ビーズ、ディスク片、微粒子、ラテックス粒子、マイクロプレート等の形態として用いた場合が、特に好ましい。
例えばラテックスに本発明に係るPCA若しくはMCAを担持させる場合を例に取ると、例えば本発明に係るMCA又はPCAを通常0.2〜40 mg/ml、好ましくは1〜10 mg/ml含む緩衝液等の溶媒中にラテックス粒子を通常0.1〜20%(w/v)、好ましくは0.1〜2%(w/v)となるように添加、懸濁させ、通常5〜30℃で通常2〜3時間反応させた後、通常この分野で行われる後処理、例えば遠心分離、例えば牛血清アルブミン(BSA)等の適当なタンパク質を含有する溶液を用いるブロッキング処理等の処理を行うことにより担持させることができる。尚、上記不溶性微粒子は、通常、本発明に係るMCA又はPCAを単独で担持させて用いられるが、MCAとPCA両者を1種の不溶性微粒子に担持させてもよく、また、それぞれ単独で担持させた不溶性微粒子を使用時に適宜混合して用いても構わない。
本発明に係る試料としては、L-PGDSを含む試料であればよいが、具体的には、例えば脳脊髄液、精液、血液、血漿、血清、羊水等の体液や尿等が挙げられ、中でも尿等が好ましいものとして挙げられる。
本発明のL-PGDS定量用試薬としては、pHが4.0以上6.0未満の試料中のL-PGDSについて、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下、好ましくは±5%以下となる性質を有する抗体を含むものであれば特に限定はされない。また、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4℃で10日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下、好ましくは±5%以下となる性質を有する抗体を含むものも、本発明のL-PGDS定量用試薬に含まれる。尚、該試薬中の該抗体の濃度としては、測定するL-PGDSの濃度により異なるが、通常0.02〜4mg/ml、好ましくは0.1〜1mg/mlであり、該濃度範囲内であれば、試料中のL-PGDSを0.5〜10μg/mlの濃度範囲で精度よく測定することができる。また、例えば、本発明の試薬は、前述した如き本発明に係るL-PGDSに対する抗体が担持(感作)された不溶性微粒子を含有していてもよく、その好ましい態様は上で述べた通りであり、その濃度等は上記の本発明に係る抗体の濃度に準じて決めればよい。
尚、該試薬を調製するために用いられる溶媒としては、本発明に係る抗体がL-PGDSに結合するのを妨げる性質を有さないものであればよく、例えばpH5.0〜10.0、好ましくはpH6.5〜8.5の中性付近に緩衝作用を有する、例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液、グリシン緩衝液、ホウ酸緩衝液等が好ましい。また、これらの緩衝液中の緩衝剤濃度としては、通常10〜500mM、好ましくは10〜300mMの範囲から適宜選択される。また、各種試料中のL-PGDSを測定する目的で使用される、本発明の測定法用試薬には、上記した如き抗体や不溶性微粒子以外に、自体公知の免疫化学的測定法用試薬に使用される試薬類を含んでいても良く、これら試薬類の使用濃度としては、通常この分野で使用される範囲内から適宜選択される。
例えば、本発明の定量用試薬は、上記抗体担持(感作)不溶性微粒子を緩衝液等の溶液に懸濁させた懸濁液の形態で測定に供される場合がある。このような懸濁液を調製するために用いられる緩衝液としては、通常この分野で使用されるものであれば特に限定されないが、通常pH5.0〜10.0、好ましくはpH6.5〜8.5の中性付近に緩衝作用を有するもの、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等が好ましい。尚、使用する不溶性微粒子の性質によっては、懸濁液の状態で放置しておくと自然凝集を起こしやすいものもあるが、このような場合には、弱アルカリ性のグリシン緩衝液、ホウ酸緩衝液等を使用して懸濁液を調製する方が保存安定性の面から好ましい。また、これらの緩衝液の緩衝剤濃度としては、通常10〜500mM、好ましくは10 〜300mMの範囲から適宜選択される。尚、該試薬には、通常この分野で使用されている、例えば、糖類,タンパク質,界面活性剤等の安定化剤、NaCl等の塩類、防腐剤等を、通常この分野で使用される範囲内で添加してもよい。
上記のような緩衝液に、本発明に係る抗体担持不溶性微粒子を懸濁させる場合、不溶性微粒子の濃度は、通常0.05〜10%(w/v)、好ましくは0.05〜1%(w/v)の範囲から適宜選択される。
また、本発明の定量用試薬を用いる測定法は、本発明の定量方法に記載した通りであり、本発明の測定法用試薬は、これら何れの測定法にも使用し得るが、なかでもMCA又は/及びPCAを担持させる不溶性微粒子としてラテックス粒子を用いた定量法(金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 p.854-856、特開昭59-125064号公報等)で、本発明の定量用試薬を使用すれば、検査の自動化又は測定時間の短縮に適した、経済的且つ充分な測定感度を有し、しかも広い測定範囲の免疫化学的定量用試薬を得ることができるという点で特に好ましい。
本発明のL-PGDS定量用試薬キットとしては、上記の如き本発明の試薬を含むものであればよいが、本発明の試薬以外に例えば抗原抗体反応の凝集促進剤を含んでなる試薬を有していてもよい。該抗原抗体反応の凝集促進剤としては、抗原抗体反応の凝集反応を促進する作用を有するものであればよく、具体的には、例えば下記一般式[1]
Figure 2005241325
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子又は水酸基を有していてもよいアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示す。)
で表される基を側鎖に有するポリマー等が挙げられ、より具体的には、下記一般式[2]
Figure 2005241325
(式中、Rは、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子又は−NH−基を示し、R〜Rは前記に同じ。)
で表されるモノマーに由来するモノマー単位を有するもの等が挙げられる。
上記一般式[1]又は[2]に於いて、R〜Rで示される水酸基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、直鎖状、分枝状、環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基等であり、より好ましくはメチル基等である。
また、水酸基を有するアルキル基としては、上記した如きアルキル基の水素原子の1〜2個、好ましくは1個が水酸基に置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ-n-プロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシ-n-ブチル基、ヒドロキシ-イソブチル基、ヒドロキシ-sec-ブチル基、ヒドロキシ-tert-ブチル基、ヒドロキシ-n-ペンチル基、ヒドロキシ-イソペンチル基、ヒドロキシ-sec-ペンチル基、ヒドロキシ-tert-ペンチル基、ヒドロキシ-n-ヘキシル基、ヒドロキシ-イソヘキシル基、ヒドロキシ-sec-ヘキシル基、ヒドロキシ-tert-ヘキシル基、ヒドロキシ-シクロプロピル基、ヒドロキシ-シクロヘキシル基、ヒドロキシ-シクロペンチル基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。
で示されるアルキレン基としては、例えば炭素数1〜6、好ましくは2〜3のものが挙げられ、これらは直鎖状、分枝状、環状の何れでもよい。具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、1−エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、へキシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等である。
一般式[2]に於いてRで表される、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基において、酸素を有さない場合のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜6のものが挙げられ、これらは直鎖状、分枝状、環状の何れでもよい。具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、1−エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、へキシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。また、その置換基としては、例えば炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルコキシル基〔直鎖状、分枝状、環状の何れにてもよい。〕、より具体的には例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等、例えばハロゲン原子、より具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基等である。また、鎖中に酸素原子を有する場合、酸素原子としては1〜5個、好ましくは1〜3個であり、より具体的には−(C24O)n−C24−(式中、nは1〜5の整数を表す。)等が挙げられる。上記したRで表される、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基の中でも、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
上記一般式[1]で示される基を側鎖に有するモノマーに基づく構成単位を有するポリマーは、市販されているものを用いてもよいし、例えば特開平10−45794号公報、特開2000−239696号公報等に記載された方法に準じて合成されたものを用いてもよい。
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位としては、上記した如きR1〜R6を有するものであればよいが、具体的には例えば下記一般式[5]
Figure 2005241325
で表されるモノマーに基づく構成単位等が挙げられる。
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位を有するポリマーがコポリマーである場合、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位としては、アクリル酸又はアクリル酸エステル、メタクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド又はそのN置換体、メタクリルアミド又はそのN置換体、或いはスチレン又はその誘導体から選ばれるモノマー由来のものが挙げられる。尚、これらモノマー単位は、コポリマー中に2種類以上含まれていてもよい。また、コポリマーにおける、一般式[2]で表されるモノマーにに基づく構成単位の比率は、通常20%以上100%未満であり、好ましくは30〜95%であり、より好ましくは30〜90%である。
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位としてのアクリル酸エステルとしては、アルキルアクリレート、アラルキルアクリレート等が、メタクリル酸エステルとしては、アルキルメタクリレート、アラルキルメタクリレート等が挙げられ、アクリルアミドのN置換体は、N−アルキルアクリルアミド又はN−アラルキルアクリルアミドであり、メタクリルアミドのN置換体は、N−アルキルメタクリルアミド又はN−アラルキルメタクリルアミドであり、スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、置換基を有するスチレン又はα−メチルスチレン等が挙げられる。
上記のアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N−アルキルアクリルアミド及びN−アルキルメタクリルアミドに於けるアルキル基としては、直鎖状、分枝状、環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、より好ましくは、1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。このアルキル基は置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えばヒドロキシル基、炭素数1〜3の低級アルコキシル基、トリアルキルアンモニオ基(アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のものが挙げられる。尚、置換基としてトリアルキルアンモニオ基を有する場合、本置換基はプラスに荷電しているため、通常カウンターアニオンが結合しているが、このようなカウンターアニオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化物イオン等が挙げられる。)等が挙げられる。また、置換基を有するアルキル基としては、例えば以下のような基
Figure 2005241325
(尚、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜100を表す。)で表されるものも含まれる。
また、アラルキルアクリレート、アラルキルメタクリレート、N−アラルキルアクリルアミド及びN−アラルキルメタクリルアミドに於けるアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
スチレン若しくはα−メチルスチレンが有していてもよい置換基としては、例えば直鎖状、分枝状、環状の、通常炭素数1〜6、より好ましくは1〜4のアルキル基(具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、例えば直鎖状、分枝状、環状の、通常炭素数1〜6、より好ましくは1〜4のアラルキル基(具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等)、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位の具体例としては、例えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2-トリメチルアンモニオエチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニルエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-トリメチルアンモニオエチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルエチル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−2-エチルヘキシルアクリルアミド、N−ラウリルアクリルアミド、N−ステアリルアクリルアミド、N−2-トリメチルアンモニオエチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニルエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−2-エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ラウリルメタクリルアミド、N−ステアリルメタクリルアミド、N−2-トリメチルアンモニオエチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルエチルメタクリルアミド、スチレン、カルボキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−カルボキシスチレン、α−メチル−ヒドロキシスチレン、α−メチル−アミノスチレン、α−メチル−メチルスチレン、α−メチル−エチルスチレン、α−メチル−メトキシスチレン、α−メチル−エトキシスチレン、α−メチル−クロロスチレン、α−メチル−ブロモスチレン、N,N,N-トリエチルアンモニウムエチルメタクリレートブロミド、N,N,N-トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、N,N,-ジエチル−N−プロピルアンモニウムエチルメタクリレートブロミド、N,N,N-トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロリド(QM)、N,N,N-トリメチルアンモニウムメチルスチレンブロミド等由来のものが挙げられ、また、下記一般式[4]
Figure 2005241325
(式中、mは1〜100を表す。)で表されるもの等も具体例として挙げられる。
上記した中でも、メタクリル酸、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルN,N,N-トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロリド(QM)等由来のもの、一般式[4]で表されるもの等が好ましい。
上記の如き凝集促進剤の中でも、下記一般式[5]
Figure 2005241325
で示されるモノマー単位からなるポリマー、一般式[5]で示されるモノマー単位とメタクリル酸ブチルとからなるコポリマー、一般式[5]で示されるモノマー単位と上記一般式[4]で示されるモノマー単位とからなるコポリマー、一般式[5]で示されるモノマー単位とメタクリル酸オクタデシルとからなるコポリマー、一般式[5]で示されるモノマー単位とメタクリル酸オクタドデシルとからなるコポリマー、一般式[5]で示されるモノマー単位とメタクリル酸ベンジルとからなるコポリマー等が特に好ましく、中でも一般式[5]で示されるモノマー単位とメタクリル酸ベンジルとからなるコポリマー等がより好ましい。
上記凝集促進剤は、反応時の濃度として、通常0.1〜20%(w/v)、好ましくは0.1〜10%(w/v)、より好ましくは0.1〜5%(w/v)となるように用いられる。また、上記凝集促進剤は2種以上を用いてもよく、その場合も上記濃度範囲となるように用いるのが好ましい。
尚、上記凝集促進剤として用いられるモノマー及びポリマーの製造方法は、特許公開公報特開2002-365296等の記載に準じて行えばよい。
また、抗原抗体反応の凝集促進剤を含んでなる試薬には、グアニジン、グアニジン塩またはその誘導体を非特異的反応抑制剤として添加してもよく、該グアニジン塩としては、例えばグアニジン塩酸塩、グアニジン炭酸塩、グアニジンチオシアン酸塩、グアニジン硫酸塩、グアニジン硝酸塩、グアニジンリン酸塩等が挙げられ、また、グアニジン誘導体としては、例えばアルギニン、グアニジノ安息香酸、グアニジノグルタル酸、グアニジノコハク酸、グアニジノ酢酸等が挙げられる。尚、該添加物は、2種以上を選択し添加してもよい。また、これら添加物の添加量としては、目的の効果が得られる量であれば特に限定されないが、試薬中の濃度として通常10〜700mMとなるように、反応時の濃度として通常7.5〜525mMとなるように、添加するのが好ましい。
本発明に係る抗原抗体反応の凝集促進剤を含んでなる試薬を調製するために用いられる溶媒としては、上記の本発明の定量用試薬で用いられるものと同じものを用いればよい。
以下に実験例、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
実験例1
尿中のヒトリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(ヒトL-PGDS)の日差変動
(1)天然型ヒトリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(ヒトL-PGDS)(ヒト尿由来)の精製
プール尿(11.2 L)のpHを測定した後、ペリスタポンプ(XX80、ミリポア社製)を用い、ポンプスピード3.0でポアサイズ 1-1.5μmのガラス繊維濾紙フィルター(CCG-045-C1H、アドバンテック東洋(株)製)に通した。次いで同条件で、ポアサイズ 0.45μmのポリエーテルスルフォンフィルター(CCS-045-C1H、アドバンテック東洋(株)製)による濾過を行った。
上記濾過尿を、タンジェンシャルフローフィルトレーション方式による限外濾過法で濃縮した。尚、フィルターはCDUF001LG(cut off : 10kD、ミリポア社製)を用い、上記ペリスタポンプを用いてスピード3.0で濃縮を行った。該濃縮尿の容量が約100ml(約100倍濃縮)となった段階で、154mM NaClを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.4、以下、PBSと略記する場合がある)を約1,000ml添加して良く撹拌し、再度100ml程度に濃縮した。この操作を再度繰り返し、最終的に約100mlのPBS置換尿を得た。
その後、WO97/16461記載の方法で得られたMAb-6F5を担持させたHiTrap NHS-activated HP(bed vol. : 5ml、アマシャムファルマシア社製)を抗体カラムとして用い、予めPBSで平衡化した該抗体カラムに、上記PBS置換尿3分の1(32ml)を流速2ml/minで流した。次いで、1M NaCl / PBS 40ml、0.1% トリトンX-100 / PBS 40ml、PBS 50mlで順次洗浄し、最後に、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH3.0)35mlでヒトL-PGDSを溶出した。溶出時の流速は3ml/minとし、溶出液は1Mトリス緩衝液(pH9.0)20mlで直ちに中和した。以上の操作を更に2回繰り返し、溶出液154mlを得た。
上記抗体カラム溶出液を、2.0kg/cm2の高圧下でアミコンメンブレン(φ76mm、ミリポア社製)を用いて濃縮し、ゲル濾過クロマトグラフィーに供した。尚、カラムは、HiLoad Superdex 200 prep grade(Superdex 200pg、アマシャムファルマシア社製)を、バッファーはPBSを用いて行った。ヒトL-PGDSを含む画分はSDS-PAGEによって確認して回収し、PBS500mlで透析した後、アミコンメンブレン(φ43mm、ミリポア社製)で濃縮して精製ヒトL-PGDSとした(6.48ml、1.54mg/ml)。
(2)抗ヒトL-PGDSポリクローナル抗体感作(固定化)ラテックス試液の調製
WO97/16461記載の方法に準じて調製した抗ヒトL-PGDSウサギポリクローナル抗体1.5mgを含む50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)0.5mlに、ポリスチレンラテックス〔平均粒径0.12μm、積水化学工業(株)製〕を2%(w/v)となるように懸濁させた50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)0.5mlとを混合し、4℃で2時間反応させた。その後、遠心分離により分離したラテックスを50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)で洗浄し、該ラテックスを濃度が1%(w/v)となるように、BSAを0.5%(w/v)含有する50mMホウ酸緩衝液(pH7.3)1ml中で懸濁し、得られたものを抗ヒトL-PGDSポリクローナル抗体感作ラテックス試液とした。
(3)試料及び検量線作成用試料
試料としてpHが5.3〜6.9の採取後3時間以内の新鮮なヒト尿を用いた。また、(1)で精製した天然型ヒトL-PGDS(ヒト尿由来)を、1%BSAを含有する10mMリン酸緩衝液(150mM NaCl含,pH7.4)で希釈し、0.5、1、2、5、10μg/mlの溶液を調製し検量線作成用試料とした。試薬盲検には生理食塩液(0.85%(w/v)NaCl)を使用した。
(4)試薬
0.1%BSA及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、(2)で調製した抗ヒトL-PGDSポリクローナル抗体感作ラテックス試液をラテックス濃度として0.2%(w/v)となるように調製して第2試液とした。
(5)測定方法
測定は、自動分析装置(日本電子(株)BM-1250形)を用い、以下の条件で測定した。
試 料 : 6μL
第1試液 : 60μL
第2試液 : 60μL
測定方法 : 2ポイントエンド法(34-65)
主波長 : 571nm
得られた結果を、予め作成しておいた検量線に当てはめてヒト尿中のヒトL-PGDS濃度を算出した。尚、測定したヒト尿は測定後、4℃で保存し所定日数後同様にヒトL-PGDS濃度を測定した。その結果を表1及び図1に示す。また、
Figure 2005241325
4℃で10日間保存したヒト尿中ヒトL-PGDS測定値の保存開始時からの日差変動率は−7%〜2%の範囲内であった。
実験例2
(1)試料及び検量線作成用試料
試料及び検量線作成用試料は実験例1と同じものを用いた。
(2)抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作(固定化)ラテックス試液の調製
WO97/16461記載の方法に準じて調製した抗ヒトL-PGDSマウスモノクローナル抗体(クローンNo.7F5)1.5mgを含む50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)0.5mlに、ポリスチレンラテックス〔平均粒径0.12μm、積水化学工業(株)製〕を、2%(w/v)となるように懸濁させた50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)0.5mlと混合し、4℃で2時間反応させた。その後、遠心分離により分離したラテックスを50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)で洗浄し、該ラテックスを濃度が1%(w/v)となるように、BSAを0.5%(w/v)含有する50mMホウ酸緩衝液(pH7.3)1ml中で懸濁し、得られたものを抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作ラテックス試液[1]とした。
また、上記と同様にして、WO97/16461記載の方法に準じて調製した抗ヒトL-PGDSマウスモノクローナル抗体(クローンNo.1B7)1.5mgを含む50mMホウ酸緩衝液(pH7.1)0.5mlと、2%(w/v)ポリスチレンラテックス〔平均粒径0.12μm、積水化学工業(株)製〕0.5mlを混合して調製したものを抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作ラテックス試液[2]とした。
(3)試薬
0.1%BSA及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、(2)で調製した抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作ラテックス試液[1]及び[2]をそれぞれ0.1%(w/v)ラテックスに調製し、等量混合したものを第2試液とした。
(4)測定方法
自動分析装置(日本電子(株)BM-1250形)を用い、以下の条件で測定した以外は実験例1と同じ方法で行った。
試 料 : 15μL
第1試液 : 90μL
第2試液 : 30μL
測定方法 : 2ポイントエンド法(34-65)
主波長 : 571nm
試料を4℃で保存した翌日、3日後、10日後のヒトL-PGDS濃度を測定した。その結果を表2及び図2に示す。
Figure 2005241325
4℃で10日間保存したヒト尿中ヒトL-PGDS測定値の保存開始時からの日差変動率は-54%〜-2%の範囲内であり、特にpH6.0未満の酸性尿でヒトL-PGDS測定値の顕著な低下(-54%〜-17%)が認められた。
実験例1及び2の結果から明らかなように使用する抗体の性質によって、L-PGDSの測定精度、特に4℃で保存した場合であって検体のpHが6.0未満であるものに含まれるL-PGDSの測定精度に大きな差が生じることが分かる。言い換えれば実験例1で用いられたポリクローナル抗体は本発明に係る抗L-PGDS抗体を含むものであり、実験例2で用いられたモノクローナル抗体は本発明に係る抗L-PGDS抗体ではないことになる。
(1)試料
実験例1(1)で精製した天然型ヒトL-PGDS(ヒト尿由来)を1%BSAを含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.4、150mM NaCl含む)で希釈して10μg/mlまでの希釈系列を作製した。試薬盲検には生理食塩液(0.85%(w/v) NaCl)を使用した。
(2)試薬
0.1%BSA及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、実験例1(2)で調製した抗ヒトL-PGDSポリクローナル抗体感作ラテックス試液をラテックス濃度として0.2%(w/v)となるように調整して第2試液とした。
(3)測定方法
ヒトL-PGDS濃度の測定は自動分析装置(日本電子(株)BM-1250形)を用い、以下の測定条件で測定を行った。
試 料 : 6μL
第1試液 : 60μL
第2試液 : 60μL
測定方法 : 2ポイントエンド法(34-65)
主波長 : 571nm
(4)結果
天然型ヒトL-PGDSを試料として得られた検量線を図3に示した。
上記結果から、該検量線はほぼ直線を表しており、本発明の定量方法によれば定量的な測定が可能であることが分かった。
比較例1
MCA担持ラテックス免疫比濁法によるヒトリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(ヒトL-PGDS)の測定
(1)試料
実験例1(1)と同様にして調製した天然型ヒトL-PGDSを、1%BSAを含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.4、150mM NaCl含)で希釈し、10μg/mlまでの希釈系列を作製した。試薬盲検には上記リン酸緩衝液を使用した。
(2)試薬
0.1%BSAを及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、実験例2(2)で調製した抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作ラテックス試液[1]及び[2]をそれぞれラテックス濃度として0.1%(w/v)となるように調整し、等量混合したものを第2試液とした。
(3)測定方法
ヒトL-PGDS濃度の測定は自動分析装置(日本電子(株)BM-1250形)を用い、以下の測定条件で測定を行った。
試 料 : 15μL
第1試液 : 90μL
第2試液 : 30μL
測定方法 : 2ポイントエンド法(34-65)
主波長 : 571nm
(4)結果
天然型ヒトL-PGDSを試料として得られた検量線を図4に示した。
上記結果から、pH7.4で保存された天然ヒトL-PGDSであれば従来の方法でもほぼ直線の検量線が得られることが分かる。言い換えれば、このような標準品を用い且つこのようなMCAを担持させたラテックス試薬を用いて検量線を作成し、この検量線を用いて例えば尿中のヒトL-PGDSを測定した場合、その値がどの程度の精度を有するものであるかは不明瞭であるといわざるを得ない。
天然型ヒトリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(ヒトL-PGDS)の添加検討
(1)試料の調製
実験例1の(1)で精製した天然型ヒトL-PGDSが約2.0μg/mlとなるように、10mMリン酸緩衝液(150mM NaCl含む)(pH5.0)に添加した。同様に、10mMリン酸緩衝液(150mM NaCl含む)(pH7.0)及び10mM トリス緩衝液(150mM NaCl含む)(pH9.0)に対してもそれぞれ天然型ヒトL-PGDSを約2.0μg/mlになるよう添加した。
(2)検量線作成用試料
天然型ヒトL-PGDS(ヒト尿由来)を、1%BSAを含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.4、150mM NaCl含む)で希釈し、0.5、1、2、5、10μg/mlを調製し検量線作成用試料とした。試薬盲検には生理食塩液(0.85%(w/v)NaCl)を使用した。
(3)試薬
0.1%BSA及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、実験例1(2)で調製した抗ヒトL-PGDSポリクローナル抗体感作ラテックス試液をラテックス濃度として0.2%(w/v)となるように調製して第2試液とした。
(4)測定方法
実験例1の(4)と同様にヒトL-PGDS濃度を算出した。測定した試料は4℃で保存し、保存後3日後、7日後及び14日後にも同様の操作で測定し、ヒトL-PGDS濃度を求めた。その結果を表3及び図5に示す。また、試料を25℃で保存し、保存後3日後に同様の操作でヒトL-PGDSを測定した結果を、表4及び図6に示す。
Figure 2005241325
Figure 2005241325
天然型ヒトL-PGDSを4℃で14日間保存した試料中ヒトL-PGDS測定値の保存開始時からの日差変動率は-3%〜-2%の範囲内であり(表3、図5)測定値の変動率は小さかった。また、25℃で3日間保存した試料についての日差変動率は−5〜2%であり(表4、図6)4℃での保存と比較すると変動幅は大きいが、3日後であっても変動幅は±5%以内であった。
比較例2
天然型ヒトリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(ヒトL-PGDS)の添加検討
(1)試料及び検量線作成用試料
実施例2と同じものを用いた。
(2)試薬
0.1%BSA及び1%NaClを含む200mM PIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)を第1試液とした。また、実験例2(2)で調製した抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体感作ラテックス試液[1]及び[2]をそれぞれ0.1%(w/v)ラテックスに調製し、等量混合したものを第2試液とした。
(3)測定方法
比較例1の(4)と同様にヒトL-PGDS濃度を算出した。
測定した試料は4℃で保存し、保存後3日後、7日後及び14日後にも同様の操作法で測定し、ヒトL-PGDS濃度を求めた。その結果を表5及び図7に示す。また、試料を25℃で保存し、保存後3日後に同様の操作でヒトL-PGDSを測定した結果を、表6及び図8に示す。
Figure 2005241325
Figure 2005241325
天然型ヒトL-PGDSを4℃で14日間保存した試料中ヒトL-PGDS測定値の保存開始時からの日差変動率は-37%〜-3%の範囲内であり(表5、図7)、測定値の変動率が大きかった。特に、天然型ヒトL-PGDSを弱酸性であるpH5.0のリン酸緩衝液に添加したとき、ヒトL-PGDS測定値が顕著に低下した。また、25℃で3日間保存した試料についての日差変動率は−61〜−5%であり(表6、図8)4℃での保存と比較するとその変動幅は大きくなっていることが分かった。更にまた、25℃の場合でも4℃の場合と同様pH5.0のリン酸緩衝液に添加したものが顕著に低下していた。
即ち、今回使用した抗ヒトL-PGDSモノクローナル抗体の抗原認識部位は、天然型ヒトL-PGDSを弱酸性下で保存したとき、立体構造の変化が生じて当該モノクローナル抗体との反応性が低下する部位であると推定された。
実験例1に於いて、ヒト尿(pH5.3〜6.9)を検体として4℃で10日間保存し、該検体中のヒトL-PGDS濃度を本発明の抗体を用いて測定した時の測定値を表したグラフである。 実験例2に於いて、ヒト尿(pH5.3〜6.9)を検体として4℃で10日間保存し、該検体中のヒトL-PGDS濃度を従来のモノクローナル抗体を用いて測定した時の測定値を表したグラフである。 実施例1に於いて、天然型ヒトL-PGDSを試料として本発明の抗体を用いて規定濃度のヒトL-PGDSを測定した結果から得られた検量線である。 比較例1に於いて、天然型ヒトL-PGDSを試料として従来の抗体を用いて規定濃度のヒトL-PGDSを測定した結果から得られた検量線である。 実施例2に於いて、天然型ヒトL-PGDSを含む試料(pH5.0〜9.0)中のヒトL-PGDSを本発明の抗体を用いた測定方法で測定し、4℃で14日間保存したときのその測定値を表したグラフである。 実施例2に於いて、天然型ヒトL-PGDSを含む試料(pH5.0〜9.0)中のヒトL-PGDSを本発明の抗体を用いた測定方法で測定し、25℃で3日間保存したときのその測定値を表したグラフである。 比較例2に於いて、天然型ヒトL-PGDSを含む試料(pH5.0〜9.0)中のヒトL-PGDSを従来の抗体を用いた測定方法で測定し、4℃で14日間保存したときのその測定値を表したグラフである。 比較例2に於いて、天然型ヒトL-PGDSを含む試料(pH5.0〜9.0)中のヒトL-PGDSを従来の抗体を用いた測定方法で測定し、25℃で3日間保存したときのその測定値を表したグラフである。
符号の説明
図1及び図2に於いて、−◇−は検体A(pH5.3)を用いたときの結果を、−□−は検体B(pH5.7)を用いたときの結果を、−△−は検体C(pH6.0)を用いたときの結果を、−○−は検体D(pH6.5)を用いたときの結果を、−*−は検体E(pH6.6)を用いたときの結果を、−×−は検体F(pH6.9)を用いたときの結果を、−+−は検体G(pH6.9)を用いたときの結果をそれぞれ表す。
図5、図6、図7及び図8に於いて、−□−はpH5.0の試料を用いたときの結果を、−△−はpH7.0の試料を用いたときの結果を、−*−はpH9.0の試料を用いたときの結果をそれぞれ表す。

Claims (11)

  1. 試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素と抗リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素抗体とを接触させ、生じる抗原抗体反応の結果に基づいてリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素を定量する方法であって、当該抗体が、pHが4.0以上6.0未満の試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素について、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下となる性質を有するものであることを特徴とする該定量方法。
  2. 抗体が、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の抗原決定部位であってpHが4.0以上6.0未満でも変性しないものに対して結合能を有するものである、請求項1の定量方法。
  3. 抗体が不溶性微粒子に担持されているものであり、抗原抗体反応の結果に基づくリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の測定が、抗原抗体反応により生じた凝集物に基づいてその光学的変化を測定するものである、請求項1又は2記載の定量方法。
  4. 抗体が、抗プロスタグランジンD合成酵素ポリクローナル抗体に由来するものである請求項1〜3に記載の定量方法。
  5. 不溶性微粒子がラテックスである請求項3記載の定量方法。
  6. 光学的変化が濁度若しくは吸光度の変化又は散乱光強度の変化である請求項3記載の定量方法。
  7. pHが4.0以上6.0未満の試料中のリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素について、採取から3時間以内に反応させた場合と採取後4〜25℃で3日間保存後に反応させた場合とで生ずる抗原抗体反応の結果の測定変動率が±10%以下となる性質を有する抗体を含んでなる、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素定量用試薬。
  8. 抗体が、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の抗原決定部位であってpHが4.0以上6.0未満でも変性しないものに対して結合能を有する抗体を含んでなる、請求項7記載の定量用試薬。
  9. 抗体が不溶性微粒子に担持されているものである、請求項7又は8記載の定量用試薬。
  10. 不溶性微粒子がラテックスである請求項8記載の定量試薬。
  11. 請求項7〜10の何れかに記載の試薬を含んでなるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素定量用試薬キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108195744A (zh) * 2018-03-27 2018-06-22 苏州桓晨医疗科技有限公司 一种不溶性微粒的检测方法
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