JP2005240061A - 炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルム - Google Patents

炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】必要な硬さが保持され、かつ、透明性と高度なバリア特性に優れた炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の炭素膜積層体の製造方法は、炭化水素系ガスと不活性ガスを混合して真空中に導入し、プラズマの点火・消滅を時間的に変調しながら真空中に置かれた物体表面に負の電圧を印加することを特徴とする。このような非晶質炭素膜積層体の製造方法は、被処理物体の表面改質を行うために真空に保持可能な真空槽10と真空槽10内へ原料ガスとしての混合ガスをパルス状に導入するガス供給装置20と真空槽10内の原料ガスを電離させる電力供給源としてのプラズマの点火・消滅を行う点火消滅装置30と物体表面に負の電圧を印加する電圧印加装置40とガス供給装置20と点火消滅装置30及び電圧印加装置40を同期させる制御装置50とを備えた成膜装置により行える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、必要な硬さが保持され、かつ、透明性と高度なバリア特性に優れた炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルムに関する。
有機EL素子を用いたフラットパネルディスプレイ(FPD)などの表示装置は、液晶ディスプレイ(CD)に比べて動作速度が速く、携帯電話のような小型から、テレビなどの大画面へも適用が可能であるという多様性を有することにより将来が嘱望されている。
このような有機EL素子を用いた表示装置では、表示面積の中に占める発光部分の割合(発光面積率)をできるだけ大きくすることが重要である。発光面積率を増大させることにより、有機EL素子の輝度が低くてよい。また、有機EL素子を発光させる電圧を低く抑えたり、また、電流を小さくすることもできる。このため、発光面積率が増大できれば有機EL素子の寿命は増大する。
特に高精細化や大型化、低消費電力化が可能であるアクティブ型では、一つ一つの画素に対応してTFT(薄膜トランジスタ)などの回路が必要となり、実際に光るスペースを確保することが困難となる。
ここで、FPDの多くは、発光層で発光した光は反射膜で反射されてデバイス(TFT)の間隙を通過して表面側から射出されて視認されるような構造となっているので、発光面積を確保することは困難である。
この対策として、発光素子をTFTの上に設け、基板とは反対側から直接光を取り出す方法(トップエミッション)が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
この方法によれば、TFTの陽極とは逆の方向から光を取り出すので、TFT、キャパシタなどで基板スペースの大半を奪われても、全く関係が無くなり、発光面積率にこだわる必要がなくなる。
一方、このようなトップエミッション方式では、光を取り出す方向に陰極部としての電子注入層を設ける必要があり、この電子注入層は、例えば、ITO等の透明導電材料により形成されている。
しかしながら、この透明導電層は、表示画面としての機能が要求されると同時にEL素子を保護する必要から透明性に加えて水分やガスなどを遮断するバリア性が良好であることが必要となる。
このトップエミッション構造によれば、有機EL素子による発光は、直接視認可能となるため、光量を飛躍的に増大させることができる反面、表面側は耐久性を維持させる目的で保護層を設ける必要が生じる。
一方、炭化水素系ガスを成膜装置内でプラズマにして、成膜するマイクロ波プラズマ法や高周波プラズマ法により、基材フィルム上に成膜することによりガスバリア性が改善されたフィルムが提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照。)。
特開平11−071152号公報 特開2001−310412号公報 河村正行著「よくわかる有機ELディスプレイ」電波新聞社発行、2003年4月15日、P.137
トップエミッション型のFPDでは、耐久性を維持するために発光層の表面側に保護層が必要であるが、このような保護層としてガラス系材料を用いれば、ガラス系材料は、大気や水分を透過させず、かつ、透明であるので、このようなトップエミッション構造の保護層としては十分な性能を備えることになる。
しかしながら、トップエミッション型のFPDにおいて、保護層としてのガラス系材料は、軽量化や量産化においては多くの課題を抱えている。保護層を樹脂化できれば、このような軽量化の課題は解決されるものの、樹脂化だけではトップエミッション型のFPDにおける保護層としての機能を備えることが困難となる。
すなわち、トップエミッション構造において使用される保護層としては、適度な硬度保持と、ガスバリア性、光線透過性、水分透過度などの高度なバリア特性が要求される。このような特性を備えることにより、高温多湿条件下にFPDが曝された場合にも保護層の機能が十分に果たせることによりFPDの耐久性を維持又は増大させるのである。
一般的に透明なプラスチック素材を選択すれば軽量化と透明性は確保されるものの、プラスチック素材は一般的に硬度が低く、また、ガスバリア性が乏しい。
ここで、プラスチックフィルムのガスバリア性を改良する技術は種々開発されているがトップエミッション構造用の表示装置用フィルムにおいて使用される保護層としての機能は十分ではない。
例えば、プラスチックフィルムにアルミニウムなどの無機系の膜を蒸着したものは、ガスバリア性には優れるが光線を透過しないので、標記の目的の表示装置用フィルムとしては採用できない。
また、ガスバリア性に優れた透明フィルムを積層したラミネートフィルムも種々実用化されているが、水分透過度を含む種々のバリア特性において表示装置用フィルムとしては不十分である。
また、特許文献1又は2により提案されているダイヤモンド状炭素膜を成膜する方法によれば、プラスチックフィルムの表面にダイヤモンド状炭素膜を積層することにより透明性で、かつ、ガスバリア性に優れたフィルムが提供できることが提案されている。
しかしながら、トップエミッション用の表示装置用フィルムとして要求される水分透過や酸素透過に対するバリア特性を重視すると、DLCの膜厚が厚くなり、透明性が低下して目的の透明度が得られないなど、まだ不十分である。
そこで、本発明は、必要な硬さが保持され、かつ、透明性と高度なバリア特性に優れた炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究したところ、原料ガスのパルス導入とプラズマの点火、パルス電圧波形を制御することにより低温で処理し、樹脂の改質による着色無しに非晶質炭素膜を形成する。原料ガスの炭化水素系ガスに不活性ガスを加えることにより、不活性ガスの働きによって被処理物体の表面に透明性を増大させた非晶質炭素膜を積層させた炭素膜積層体が効率よく量産性を備えて製造でき、更に上述の課題が解決できることを見出した。
すなわち、比較的低温で炭素薄膜を形成すれば、プラスチックフィルムなどの熱可塑性フィルムを支持体として用いた場合にもその熱可塑性フィルムの物性を低下させないでその表面にDLCなどの非晶質炭素膜を形成できる。
また、得られた非晶質炭素膜として光線透過性を備えているものを形成すれば、透明フィルムの透明性を損なうことが少ない。
さらに得られた積層体は、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCと略称する。)であり、DLCのもつ特性により透明樹脂フィルムの表面硬度を増大又は改善し、かつ、透明フィルムのガスバリア性、水分透過度などのバリア性能を大きく改善できる。
さらに、このような炭素膜積層体をトップエミッション用の保護層として用いる場合には非晶質炭素膜が積層された側を発色層側に積層して用いることが特に好適であることを見出した。
すなわち、非晶質炭素膜は基板であるプラスチックと同質で、非晶質構造であるので、トップエミッション用の保護層としてガラス基板用に開発されたと同一乃至は均等な接着剤を用いることにより発色層側に積層することができる。
また、このように構成すれば、表面側には、透明樹脂フィルムが露出することになるが、この表面には、適宜反射防止コート処理やハードコート処理、制電処理等の表面処理などを行うことにより実用的なトップエミッション用の保護層として使用できる。
それ故、このような積層体を非晶質炭素膜側を発色層側に接着させるタイプのトップエミッション用の保護フィルムとして用いれば、実質的にプラスチックフィルムなどの有機材料がもつ、軽量性及び量産性を備えた保護層を提供できることを見出した。
即ち本発明は、炭化水素系ガスと不活性ガスとを成膜装置内に供給し、プラズマの点火・消滅を時間的に変調しながら成膜装置内に置かれた物体表面に負の電圧を印加しつつ物体表面に非晶質炭素膜を形成する炭素膜積層体の製造方法である。
また、本発明は、上述の炭素膜積層体の製造方法に用いられる装置であって、被処理物体の表面改質を行うために真空に保持可能な真空槽と、該真空槽内へ原料ガスとしての混合ガスをパルス状に導入するガス供給装置と、真空槽内の原料ガスを電離させる電力供給源としてのプラズマの点火・消滅を行う点火消滅装置と、物体表面に負の電圧を印加する電圧印加装置と、ガス供給装置、点火消滅装置及び電圧印加装置を同期させる制御装置とを備えていることを特徴とする。
また、本発明は、透明樹脂フィルムの一面に、上述の方法により非晶質炭素膜を設け、他面に反射防止膜を設けたことを特徴とする表示装置用フィルムである。
また、本発明は、透明樹脂フィルムの一面に、非晶質炭素膜を設け、他面に反射防止膜を設けて構成され、以下の諸特性を備えた表示装置用フィルムである。
(1)酸素透過度:10-3cc/m2・day以下。
(2)全光線透過率:85%以上、望ましくは90%以上。
(3)水分透過度:1g/m2・day以下、望ましくは0.1g/m2・day以下。
(4)表面反射率:1%以下、望ましくは0.5%以下。
(5)硬さ:ビッカース硬度(HV)で3000〜6000の範囲内。
本発明に従えば、必要な硬さが保持され、かつ、透明性と高度なバリア特性に優れた炭素膜積層体の製造方法、炭素膜製造装置及び表示装置用フィルムを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、本発明の方法は、炭化水素系ガスと不活性ガスとの混合ガスを原料ガスとして炭素膜製造装置内に供給して成膜装置内に置かれた物体表面に非晶質炭素膜を形成する炭素膜積層体の製造方法である。
ここで、本発明に用いる原料ガスは、炭化水素系ガスと不活性ガスとの混合ガスである。
炭化水素系ガスとは、炭素原子と水素原子とを含有するものである。たとえば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系ガス類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系ガス類、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香族炭化水素系ガス類;シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類;メタノール、エタノール等のアルコール系ガス類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系ガス類;メタナール、エタナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。上記ガスは、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスが例示される。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
これら混合ガスにおける炭化水素系ガスと不活性ガスとの混合割合は、使用する成膜装置の種類や成膜条件により異なるが、本発明においては、不活性ガスの量を炭化水素ガスの量に比べて多量にすることが必要である。この不活性ガスの量により得られる非晶質炭素膜の透明性を発現させることができる。
本発明において不活性ガス:炭化水素系ガスの割合は、例えば、1:1〜1:99の範囲内である。この割合は、3:1〜10:1の範囲内が好ましく、更に好ましくは4:1〜9:1の範囲内、特に好ましくは6:1〜9:1の範囲内である。
また、成膜装置10内での原料ガスの圧力は、0.1Pa〜100Paの範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは、1Pa〜10Paの範囲内である。
次に、本発明の被処理物体Wに用いる好適な材料について説明する。
被処理物体としては、特には制限はないが、本発明に従えば、透明、かつ、バリア性に優れた非晶質炭素膜が、被処理物体の温度を上昇させずに形成できることから、透明な樹脂成形体を挙げることができる。なかでも、フィルムなどの被処理物体に成膜することにより本発明の効果を最大限に発揮することができ、また、フィルムが熱可塑性であってもフィルムの機械的特性を損なうことなく成膜することができる。もちろん、熱硬化性成形体に成膜しても、基材としての被処理物体の温度を上昇させないので、熱硬化性樹脂を変色させずに成膜することができる。
このような被処理物体を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネートフィルム(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET)、PEN等のポリエステルフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等、シクロペンテン、シクロへプテンなどからなるポリオレフィンフィルム;環状オレフィン(共)重合体などの脂環式炭化水素系樹脂;ポリスチレンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリイミドフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム、液晶ポリマーを含む芳香族系の高強力樹脂等からなるフィルムなどの薄膜材料(シートを含む)が使用可能である。
なかでも、トップエミッション用の基材として用いる場合には、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、脂環式炭化水素系樹脂などの透明樹脂材料からなるフィルムが好ましいものとして例示される。この場合の基材フィルムの膜厚は特には限定しないが、例えば、10μm(ミクロンメートル)〜500μmの範囲内であり、実用的には50μm〜200μmの範囲内である。以下、このような被処理物体としての薄膜材料を、非晶質炭素膜と区別して基材フィルムと略称して説明する。
ここで、本発明において透明とは、可視光領域での光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。このような透明フィルムを基材フィルムとして用いることにより、非晶質炭素膜形成後に光線透過率85%以上のフィルムを提供することができる。
この基材フィルムは、単層でもよいが、もちろん2種類以上の高分子フィルムからなる多層構造を有するフィルムであってもよい。このような他の高分子フィルムとしては、上述の樹脂に加えて、裏面側(DLC成膜面又は処理面を表面とした場合の裏面であって、処理面を裏面として使用する場合にはこの裏面側が製品としては表面となる。)に薄く塗布などにより被覆又はラミネートして製品としての表面側の性質を改質するものであってもよい。このような改質材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリオレフィン樹脂の単層又は複層コートである。
これらのフィルムは、予め処理面側は塵埃などが実質的に無い状態に平滑に保持された状態で成膜に付される。この処理面は、真空容器内でHe等の不活性ガスによるプラズマ処理などの公知の処理を行ってもよい。しかし、表面平滑性を悪くしないことが重要である。一方、処理に付されない非処理面(裏面)側は、耐傷性コートなどが予め付与されるなど、適宜であってもよい。
このような基材フィルムは、フィルムを構成する樹脂成分を溶融させ、シート状に成形したものを用いてもよいが、キャスト法により成形したフィルム又はシートであることが好ましい。キャスト法により形成したポリカーボネートフィルムやポリエステルフィルムは、平滑な面を形成しやくすく、かつ、非晶質炭素膜の形成に特に好ましい。
このようなキャスト法によるポリカーボネートフィルムの製造概略の一例としては、ポリカーボネートフィルム(帝人製:ピュアエース)のキャスト法として流延法(Flow casting)がある。流延法は、ポリカーボネート樹脂を溶剤塩化メチレンに溶解し回転ドラム又はエンドレスベルトからなる支持体に流延する。フィルム膜厚は流延量と回転ドラム又はエンドレスベルト速度の調整により所定の膜厚、例えば、200μmに制御する。その後、溶剤である塩化メチレンを加熱パイプ及び熱風により除去し溶剤は回収される。ポリカーボネートフィルムに残存する塩化メチレンを数ppm以下とする必要から、更に後乾燥装置に送り熱風により所定の残存濃度まで塩化メチレンを除去しロールに巻き取る。
このような基材フィルム中には、任意の添加剤が本発明の効果を損なわない範囲で添加されていてもよい。このような添加剤は、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤等が挙げられる。
次に、本発明に用いられる炭素膜製造装置について説明する。
この炭素膜製造装置としての成膜装置100は、図1に示すように、被処理物体の表面改質を行うための真空槽10と、該真空槽10内へ原料ガスとしての混合ガスをパルス状に導入するガス供給装置20と、真空槽10内の原料ガスを電離させる電力供給源としてのプラズマの点火・消滅を行う点火消滅装置30と、物体表面に負のパルス電圧Vを印加するパルス電圧印加装置(電源装置)40と、ガス供給装置20、点火消滅装置30及びパルス電圧印加装置40を同期させる制御装置(制御器)50とを備えている。
真空槽10には被処理物体Wを処理面を一面に露出して固定可能な台座Waが配置されている。この台座Waは絶縁物Wbを介して真空槽10から電気的に絶縁され、パルス電圧印加装置40に接続されている。また、このパルス電圧印加装置40は制御装置50に接続され、これによりこの台座Waには、制御装置50により制御されて被処理物体Wに対して負のパルス電圧Vを印加することができる。
また、真空槽10の周囲には、排気弁12を介して真空ポンプ13が連結されており、排気弁12、真空ポンプ13は、他の付属機器とともに真空槽10の排気系を形成している。また、真空槽10には、真空ゲージ14が付設されている。
ガス供給装置20は制御装置50によって開閉制御されたコントロール弁23を内蔵し、このコントロール弁23の出口側はコネクタ20aを介して真空槽10内に開口している。
点火消滅装置30は、高周波発振器31と、整合回路32を付設したアンテナ33とから構成され、この整合回路32は、高周波発振器31とアンテナ33とのインピーダンス整合を図っている。この高周波発振器31には、制御装置50が接続されており、整合回路32の出力側は、気密の導入窓11aを介し、真空槽10内に配設するアンテナ33に接続されている。
制御装置50は、コントロール弁23を間欠的に開閉することにより、原料ガスを真空層10に間欠的に導入するとともに、高周波発振器31及びパルス電圧印加装置40を間欠的に作動させる。このような制御装置50の動作は図2に説明されている。
この図において、符号T1は、高周波発振器31のオン時間であり、符号T2は、高周波発振器31のオフ時間である。また、符号T3はコントロール弁23の開時間であり、符号T4はコントロール弁23の閉時間である。また、符号T5は、パルス電圧印加装置40からのパルス電圧Vがオン(印加)されているオン時間である。
また、符号Td1は、コントロール弁23の開時刻から高周波発振器31のオン時刻までに必要な高周波発振器31の発振遅延時間であり、符号Td2は、高周波発振器31のオン時刻からパルス電圧印加装置40がオンされるオン時刻までに必要な電源遅延時間である。
ここで開時間T3は、真空槽10内に必要な原料ガスが導入されるに必要な時間が設定される。また、オン時間T1 は、真空槽10内に導入される原料ガスが被処理物体Wの周囲に均一に拡散し、電離されてプラズマ化させる時間に設定される。オフ時間T2は、プラズマが消滅している時間である。
また、閉時間T4及びオフ時間T2は、周期Tが、T=T3 +T4=T1 +T2 を満たすように設定される。なお、この周期Tは、例えば、1秒程度に設定するのが好ましいが、0.1〜0.01秒のような短時間に設定してもよい。
また、この周期Tは必ずしも一定でなくてもよく、また、制御装置50による高周波発振器31の動作は、繰返し動作ではなく、単発動作であってもよい。
また、発振遅延時間Td1は、コントロール弁23を介して導入される原料ガスが被処理物体Wの周囲に均一に拡散するに要する時間相当に設定され、電源遅延時間Td2は、原料ガスがプラズマ化されるに要する時間相当に設定される。
また、オン時間T5は被処理物体W上の近傍にプラズマが生成している時間相当に設定すればよい。このオン時間T5中、パルス電圧印加装置40は、図3に示すように、一定の周期TDで負のパルス電圧Vを印加し、このパルス幅Tpと周期TDの比(Tp/TD)が本発明におけるパルス電圧のデューティー比と定義される。
これにより、被処理物体Wは、オン時間T5内に、パルス電圧V、パルス幅Tp、デューティー比Tp/TDにより負の電圧が印加されるとともに、被処理物体Wの周囲にイオンシースが形成され、イオンシースを介してプラズマ中のイオンが注入される。
ここで、パルス電圧印加装置40からのパルス電圧Vは、−0.1kV〜−20kVの範囲内、好ましくは−0.3〜−3kVの範囲内であり、パルス幅Tpは20μ(ミクロン)秒以下1μ秒以上、より好ましくは、1μ秒〜10μ秒の範囲内である。特にパルス幅Tpがこの範囲内にあることにより、樹脂材料のような絶縁体であるフィルムのチャージアップ現象を起こさせずにイオンを注入することができる。
また、この印加するパルス電圧のデューティー比Tp/TD、0.001〜5%の範囲内、より好ましくは、0.1〜5%の範囲内にコントロールされることが好ましい。
デューティー比をこの範囲内に適宜制御することにより、プラズマの電子温度の上昇を抑えて、被処理物体Wを低温で、かつ、量産性を挙げて非晶質炭素膜を形成することができる。
プラズマ・イオン注入法を用いて成膜を行う場合において、材料となる原料ガスをプラズマが発生する空間中で分解すると様々なフラグメントイオン(又はラジカル)が生成する。プラズマの発生が定常的に持続する場合には、その存在比率は一定の割合を保っている。
しかし、本発明のように、プラズマの点火と、プラズマの消滅時間とを設けるというプラズマの点火・消滅を時間的に変調すれば、プラズマが消滅している時間(プラズマが発生しない時間)が存在することになる。このように成膜中にラジカルやイオンが供給されない期間帯を設けることで、フィルム表面に沈積するダイヤモンド薄膜の成膜反応量を制御することにより、フィルム表面のミクロ的な温度上昇を抑制することができる。これにより、デューティー比を以上のように極端に低く制御することにより、反応を制御して処理されるべき物体(基材)として熱可塑性フィルムを用いた場合にも熱可塑性フィルムのミクロな表面温度がガラス転移点Tgよりも低温で管理することが可能となる。
つまり、膜質特性向上のためには、高周波電力が印加されプラズマが生成している時間(オン時間)内にパルス電圧Vの印加時間の間隔等を調節することが必要となる。すなわち、本発明の好ましい態様においては、被処理物体Wに印加される負電圧のパルス印加時間(パルス幅Tp)とパルス電圧印加の周期TDの割合であるデューティー比Tp/TDを特定範囲内に調整することにより、透明非晶質炭素膜の製造方法を好適に制御している。このデューティー比は、パルス幅と同様に被処理物体の温度上昇を抑制する効果をもつ。
これにより、制御装置50は、コントロール弁23を、開時間T3 、閉時間T4 、周期T=T3 +T4 に従って開閉させ、コントロール弁23の開時刻から遅延時間Td1だけ遅れて高周波発振器31をオンさせる。また、制御装置50は、高周波発振器31を、オン時間T1 、オフ時間T2 、周期T=T1 +T2 に従って開閉させ、この高周波発振器31のオン時刻から遅延時間Td2だけ遅れてパルス電圧印加装置40をオンさせる。
これにより、コントロール弁23が開時間T3だけ開放されて混合ガスが真空槽10内に供給され、このコントロール弁23の開時刻から遅延時間Td1だけ遅れて高周波発振器31がオンされて、オン時時間T1だけ高周波が印加される。そして、被処理物体Wには、負のパルス電圧Vがデューティー比Tp/TDで印加され、印加とともにイオンシースが形成されて、イオンシースを介してプラズマ中のイオンが挿入される。
次に、この装置の動作を成膜工程との関係で説明する。
真空ポンプ13を作動させて排気弁12を開くことにより、所定の真空度に排気することができる。なお、この排気弁12の動作を制御装置50により制御する場合には真空ゲージ14のセンサ信号により所定の圧力となったか否かで制御装置により制御すればよい。
次に、制御装置50は、コントロール弁23を開時間T3だけ開放して所定の割合で混合された原料ガスの所定量を真空槽10に導入する。
原料ガスは、真空槽10内の被処理物体Wの周囲に均一に拡散する。これに要する時間はμ秒程度と瞬時と考えられる。発振遅延時間Td1の後、制御装置50により高周波発振器31がオンとなり、高周波発振器31は、整合回路32、アンテナ33を介して真空槽10内の原料ガスに高周波電力を供給する。このオン時間T1に原料ガスを電離させてプラズマを生成することができる。
このようにしてオン時間T1の間に原料ガスはプラズマ化される。ついで、電源遅延時間T2の間に原料ガスがプラズマ化され、パルス電圧印加装置40がオンされる。これにより、イオンシースは周期TDで負のパルス電圧(パルス幅Tp)が印加される被処理物体Wの周囲に形成され、イオンシースを介してプラズマ中のイオンは被処理物体Wの表面に向けて垂直に加速される。これにより、被処理物体Wに負のパルス電圧Vを印加することにより、プラズマ中のイオンを被処理物体Wに向けて加速し、被処理物体表面のイオンミキシングによる改質効果を実現することができる。また、被処理物体W上にイオンが沈積されて被処理物体Wの表面に非晶質炭素膜を形成することができる。
なお、以上に説明した本発明の炭素膜製造装置は、実質的にクリーンな環境下で行われる。ここで、クリーンな環境下とは、具体的にはクリーン度クラスが1000以下であることが好ましく、更にはクリーン度クラスが100以下であることが好ましい。全ての処理及び装置は、このようなクリーンな環境下に配置されているのが好ましい。
これにより、成膜された非晶質炭素膜中に含まれる水素濃度が50原子%、好ましくは45原子%以下、より好ましくは40原子%以下となり、酸素原子が20原子%以下、好ましくは15原子%以下、より好ましくは10原子%以下となる。
また、このような非晶質炭素膜は、非晶質であり硬いことからダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボンDLC)と呼称されている。このような非晶質の炭素膜には、ダイヤモンド、グラファイト、アモルファスの各成分が含まれており、バリア性、硬度などはこれら成分の混合割合で性質が異なり、高い硬度を有するダイヤモンド状炭素膜であっても、必ずしも、水蒸気や酸素等のバリアー性が高いとは言えず、上述の成膜方法によって初めてトップエミッション用の保護層としての機能(特に、酸素透過度10-3cc/m2・day以下、及び水分透過度1g/m2・day以下)が備わることになる。
以上のように形成された非晶質炭素膜は、ラマン分光法によって確認することができる。また、この膜の水素原子濃度は、弾性反跳粒子検出法(ERDA)、SIMS(二次イオン質量分析法)により確認することができる。
このような非晶質炭素膜の膜厚は、必要に応じて決定されるが、膜厚が厚くなると、被処理物体Wとしてフィルムを選択した場合には、フィルムとの密着性が悪くなったり、膜中の応力が増大し、フィルムとの界面では剥離を起こしたり、膜とフィルムの弾性率の違いにより膜にクラックが発生したりして、物性が低下することになるので、一般には500nm以下が好ましい。この好ましい膜厚は、100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下でも所望の特性を発揮することができる。
以上により、透明樹脂フィルムの一面に本発明に従う非晶性炭素薄膜を設け積層体は、以下の諸特性を備えているので、表示装置用フィルムとして用いるのに好適である。
(1)酸素透過度10-3cc/m2・day以下。
(2)全光線透過率85%以上、望ましくは90%以上。
(3)水分透過度1g/m2・day以下、望ましくは0.1g/m2・day以下。
(4)表面反射率は、1%以下、望ましくは0.5%以下。
(5)硬さは、ビッカース硬度(HV)で3000〜6000の範囲内。
(6)膜厚:10nm〜1000nmの範囲内。
(7)可撓性:クラックが入らない程度の可撓性を備えている。
(8)表面粗さ:プラスチック基材の粗さと同等。
(9)強度:プラスチック基材の強さと同等。
なお、以上説明した本発明に従う成膜装置では、特許文献1に記載の装置のように台座Waには、被処理物体Wの温度制御を行う冷却装置を用いる必要がないという特徴を備えている。これは、本発明の条件に従う成膜方法によれば、被処理物体への処理そのものを低温度に維持できるので、実質的に被処理物体Wの温度を上昇させることなく非晶質炭素膜を形成することができるためである。
通常のコーティングによれば、被処理物体Wの温度は100℃を超えて高くなる。これにより、樹脂などを被処理物体Wとして用いることは好ましくなく、樹脂を被処理物体Wとする場合には強制冷却が必要であった。そして、被処理物体Wの温度上昇を外部の温度制御装置のみに依存する場合には、被処理物体Wの温度が見かけガラス転移点Tg未満に制御されていても、非晶質炭素膜が成膜される際の被処理物体Wの表面のミクロ的な温度ではガラス転移点Tg以上に上昇されていると思われ、被処理物体Wが熱可塑性樹脂である場合には、その特性が損なわれたり、また、ミクロに収縮するなどして熱可塑性フィルムの好ましい特性を維持することができない。
なお、本発明の装置では、温度制御装置は本質的には不要であるが、被処理物体Wのマクロな温度制御を行うため等に、液体あるいは気体の循環方式等の方法による冷却装置が配備されていることを排除するものではない。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制約されるものではない。
なお、実施例における各物性値は、次の評価法により測定した。
(1)全光線透過率
全光線透過率の評価は、東京電色技術センター製全自動ヘーズメータ(TC−H111DPK)を用いて測定した。光源には、ハロゲンランプ(条件C光)を用いて行った。
(2)酸素透過度
ヤナコ社製ガス透過測定装置を使用して、40℃の酸素雰囲気で行った。
(3)硬さ:島津製作所社製の超微小硬度計(DUH200)を用いて測定した。
(4)可撓性
直径10mm、長さ150mmの長棒に積層フィルムを3回巻き、解除後のフィルム表面にクラックが生じるか否かで判定した。
(5)表面粗さ
表面粗さの評価は、原子間力顕微鏡装置(セイコーインスツルメンツ社製SPI−3700)を使用し、探針:SN−FF01(材質Si3N4)、走査モード:コンタクトモード、走査範囲:1μm×1μm、画素数:256×256、スキャン速度0.5Hzの条件で測定し、表面粗さRa(2乗平均粗さ)を算出した。
[実施例1]
キャスト法により製造した厚み200μmのポリカーボネートフィルム(PCフィルム:帝人社製:商品名「ピュアエース」)を用いた。
図1に示す装置を用い、台座Waの上にPCフィルムの一面が上になるように固定し、容器内を2×10-4Paに減圧した。
ついで、コントロール弁23を間欠的に開閉することによりガス供給源よりメタン(炭化水素ガス):アルゴン(不活性ガス)の比が1:10である原料ガスを間欠的にパルス状に導入しつつ成膜を行い、PCフィルムの表面に厚み50nmのDLCを積層させた。
このときの条件は次の通りである。
パルス電圧V;−0.5kV
デューティー比;0.6
パルス幅TD;10μ秒
周期T;1秒
T2〜T4;0.5秒(500ミリ秒)
Td1;0.5秒(500ミリ秒)
Td2;0〜10ミリ秒
得られた積層体の物性を測定し、結果を表1に纏めた。
[実施例2]
実施例1で用いたと同じPCフィルムを用い、実施例1とは次の条件を変更することにより同様にしてPCフィルムの表面に厚み100nmのDLCを積層させた。
このときの条件は次の通りである。
ガスの混合比;1:6(メタン:アルゴン)
パルス電圧V;−1.0kV
デューティー比;0.1
パルス幅TD;10μ秒
周期T;1秒
T2〜T4;0.5秒
Td1;0.5秒
Td2;0〜10ミリ秒
得られた積層体の物性を測定し、結果を表1に纏めた。
[実施例3]
PCフィルムに代えて厚み50μmのPETフィルムを用い、実施例1と同様にしてPETフィルムの表面に厚み50nmのDLCを積層させた。
得られた積層体の物性を測定し、結果を表1に纏めた。
[実施例4]
実施例3で用いたと同じPETフィルムを用い、実施例2と同様にしてPETフィルムの表面に厚み100nmのDLCを積層させた。
得られた積層体の物性を測定し、結果を表1に纏めた。
[比較例1〜2]
実施例1と同一のPCフィルムを用い、特開2001−310412号公報の実施例1に記載されている条件に準じてPCフィルムへのダイヤモンド状薄膜の積層を行った。
導入管8から高純度アセチレンガスを導入し、反応室の圧力を1Paにした後、周期数13.56MHzの高周波電界を印加することにより膜厚(積層体膜厚)50nm(比較例1)及び100nm(比較例2)のダイヤモンド状炭素膜を積層した。
得られた積層体の物性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に纏めた。
[比較例3〜4]
実施例3と同一のPETフィルムを用い、比較例1に準じてPETフィルムへのダイヤモンド状薄膜の積層を行った。導入管8から高純度アセチレンガスを導入し、反応室の圧力を1Paにした後、周波数13.56MHzの高周波電力を印加することによって、膜厚50nm(比較例3)及び膜厚100nm(比較例4)のダイヤモンド状炭素膜を積層した。
得られた積層体の物性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に纏めた。
Figure 2005240061
図1は、本発明に係る炭素膜製造装置の概略を説明する図である。 図1の動作を説明する動作説明線図である。 本発明に係るデューティー比Tp/Tdを説明するための図である。
符号の説明
100:炭素膜製造装置
10:真空槽
20:ガス供給装置
30:点火消滅装置
40:パルス電圧印加装置
50:制御装置
T1:(高周波発振器31の)オン時間
T2:(高周波発振器31の)オフ時間
T3:(コントロール弁23の)開時間
T4:(コントロール弁23の)閉時間
T5:(パルス電圧印加装置40の)オン時間
Td1:(高周波発振器31の)発振遅延時間
Td2:電源遅延時間

Claims (8)

  1. 炭化水素系ガスと不活性ガスとを成膜装置内に供給し、プラズマの点火・消滅を時間的に変調しながら成膜装置内に置かれた物体表面に負の電圧を印加しつつ物体表面に非晶質炭素膜を形成することを特徴とする炭素膜積層体の製造方法。
  2. 前記不活性ガスと前記炭化水素系ガスは、不活性ガス:炭化水素系ガスの混合比が1:1〜99:1の範囲内で導入されることを特徴とする請求項1記載の炭素膜積層体の製造方法。
  3. 前記負の電圧は、パルス電圧であることを特徴とする請求項1又は2記載の炭素膜積層体の製造方法。
  4. 前記パルス電圧は、パルス幅が20μ秒以下であることを特徴とする請求項3記載の炭素膜積層体の製造方法。
  5. 前記パルス電圧のデューティー比は、0.01〜5%の範囲内であることを特徴とする請求項4記載のガスバリア性に優れた炭素膜積層体の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の炭素膜積層体の製造方法に用いられる装置であって、
    被処理物体の表面改質を行うための真空槽と、該真空槽内へ原料ガスとしての混合ガスをパルス状に導入するガス供給装置と、真空槽内の原料ガスを電離させる電力供給源30としてのプラズマの点火・消滅を行う点火消滅装置と、物体表面に負の電圧を印加する電圧印加装置と、ガス供給装置、点火消滅装置及び電圧印加装置を同期させる制御装置とを備えていることを特徴とする炭素膜製造装置。
  7. 透明樹脂フィルムの一面に、請求項1〜5のいずれかの方法により炭素薄膜を設け、他面に反射防止膜を設けたことを特徴とする表示装置用フィルム。
  8. 透明樹脂フィルムの一面に、炭素薄膜を設け、他面に反射防止膜を設けて構成され、以下の諸特性を備えた表示装置用フィルム。
    (1)酸素透過度10-3cc/m2・day以下。
    (2)全光線透過率85%以上。
    (3)水分透過度1g/m2・day以下。
    (4)表面反射率は、1%以下。
    (5)硬さは、ビッカース硬度(HV)で3000〜6000の範囲内。
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