JP2005239918A - インキ追従体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ボールペンインキの消費にともないインキ追従体がインキ収納筒内をペン先側に移動するときに、インキ収納筒内壁に対するインキ追従体の付着が少ないため、使い終わりまでインキ追従体が著しく減少することがなく、また経時安定性の優れたボールペン用インキ追従体を得る事を目的とする。
【解決手段】 比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤より選ばれる1種または2種以上の混合物と、ゲル化剤と、前記難揮発性有機液体に対して実質的に溶解または膨潤しなく、前記難揮発性有機液体よりも比重の小さい粒子とより少なくともなるインキ追従体組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インキタンク内に、繊維集束体などの毛細管力によるインキ貯留部材に含浸されずに自由状態で直接充填されたインキのペン先と反対側の界面位置に層状に配置されたインキ追従体組成物に関し、特に、水性ボールペンのように筆記時のインキ吐出量の多い筆記具の場合にインキタンクの内壁へのインキ追従体の付着を極力抑制でき、且つ上向きで長期保管されても安定なインキ追従体組成物に関する。
インキタンク内に繊維集束体などのインキ吸蔵体を使用せずに自由状態のインキを収容した場合、そのインキの粘度が数千〜2万mPa・sと非常に高い場合には、インキタンクの内径が2.8mm以下のような小径のものであれば、インキタンク内でのインキの層はインキの自重では移動し難くなり、インキタンクのペン先と反対側の端部が開放されている場合にも該部からのインキ漏れの恐れは極めて少ないものであるが、インキタンクの内径が2.8mmを越えるような大径のものの場合やインキの粘度が50〜数千mPa・sと低い場合には、衝撃が加わった際はインキの自重以上の力がインキに付与されることになり、また、高温の環境下に置かれた際にはインキ自身の流動性が低下する場合があることから、インキ漏れが懸念される。そこで、ワセリン、シリコーングリス、シリコーンオイル又は流動パラフィンとワセリンとの混合物などをインキのペン先と反対側の界面位置に層状に配置し、この層の移動し難さによってインキの逆流防止を図ろうとしたものが知られてる。この層は筆記によるインキ容量の減少に伴うインキ界面の移動に追従して、基本的には常にインキ界面と接触した層として得られるものであり、インキ逆流防止体組成物、インキ追従体組成物、インキフォロワー組成物などと称されている。また、主溶剤に水を用いた水性インキの場合、インキの蒸発乾燥防止や、使用時のインキ収納筒内面へのインキ付着防止の目的でインキ追従体組成物を使用しているものが知られている。水性インキにおけるインキ追従体組成物にはワセリン(特許文献1参照)、シリコーンオイル(特許文献2参照)、ポリブテン(特許文献3、4参照)、α−オレフィンオリゴマー(特許文献4参照)、エチレン−α−オレフィンオリゴマー(特許文献5参照)、ジベンジリデンソルビトール(特許文献6参照)などの難揮発性有機液体をゲル化したものが知られている。
特開昭57−200472号公報 特開2000−96033号公報 特開平6−264048号公報 特開平9−220896号公報 特開平7−266780号公報 特開昭57−153070号公報
しかしながら、近年のボールペンのインキには着色剤である顔料の分散剤や染料の可溶化剤、ペン先のボールの潤滑効果を上げるための潤滑剤やインキの乾燥防止のための保湿剤を始めとして、防腐・防カビ剤、水溶性樹脂類、樹脂エマルション、表面張力調整剤、pH調整剤、消泡剤等の多種多様な添加剤が使用されている。これらの添加剤の多くには界面活性剤が含有されており、インキに占めるその割合は増加する傾向にある状況である。これらの界面活性剤は様々なインキに対する要求事項に対応するために添加されているが、新たな課題を発生することになった。それはインキタンクの内壁に対して界面活性剤が作用することで、インキタンクの内壁がインキ追従体組成物の基材と濡れ易い状態となり内面の微小な凹凸部にまで入り込んでしまうため、インキ界面が移動した後にその壁面と接触することとなるインキ追従体組成物がインキ収納筒内壁に強い親和性をもってしまい、インキ界面の移動に伴ってインキ追従体組成物の層が移動するときにインキタンクの内壁に付着して残ってしまう現象が発生する。インキタンク内壁にインキ追従体組成物が付着していくとインキ界面位置のインキ追従体組成物の層体積が減少することになり、インキの逆流防止機能が低下する。特にインキ吐出量の多い水性ボールペンはインキ消費にともなうインキ追従体の移動速度が大きいため、インキ追従体がインキ収納筒の内壁に付着して少なくなりやすい傾向がある。そのため、インキ漏れが発生したり、インキ収納筒内壁がインキの付着物で汚れてインキの使用状況が確認できなくなりやすいという問題があった。また、使用しているボールペンを長期間上向きに放置したときにインキ追従体の一部がインキ収納筒の外に漏れ出してしまうと、周囲を難揮発性液体で汚してしまったり、ボールペンに触れたときに不快感を感じるなどの問題を生じる。また、界面活性剤がインキ追従体組成物と接触することで、インキ追従体組成物の基材が低粘度化し、ゲル化剤によるゲル化作用が相殺され、低粘度化された基材が逆流防止体組成物の層から分離する現象が起こり、インキ界面位置のインキ追従体組成物の層体積が減少することになり、インキの逆流防止機能が低下して、上記と同様の問題を発生するものであった。
この問題点の改善策として、本発明は、比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤より選ばれる1種または2種以上の混合物と、ゲル化剤と、前記炭化水素系有機溶剤に対して実質的に溶解または膨潤しなく、前記炭化水素系有機溶剤よりも比重の小さい粒子とより少なくともなるインキ追従体組成物を要旨とするものである。
解決しようとする問題点は、インキの消費にともないインキ追従体がインキ収納筒内をペン先側に移動するときにインキ収納筒内壁にインキ追従体が付着して残ってしまい、インキを使い終わる前にインキ追従体が減ってしまう現象である。
本発明のインキ追従体は、媒体である比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤にこの媒体よりも比重の軽い粒子を配合するものであるが、攪拌機やニーダー等の分散装置を用いて混合する方法でインキ追従体を調整した時点ではインキ追従体内にほぼ均一に分散した状態で存在する。インキタンク内にインキとインキ追従体組成物とが充填された後に、インキタンク内のインキ中に存在する気泡を抜くためにペン先方向に遠心力を働かせたとき、前記粒子はインキ追従体組成物の層中のペン先と反対側に向かって移動する。従って、インキ追従体内における前記粒子の存在はこの部分で最も密となり、インキ追従体内に粒子による不連続な膜状の層を形成する。この粒子による不連続な膜状の層は、独立した微小な粒子の集合である。これらの粒子はインキ追従体内では難揮発性有機液体を媒介した微小な吸引力により常に引かれあう状態となっており、インキタンクの内面に付着しようとするインキ追従体組成物を掻き取りながら移動するため、インキタンク内面へのインキ追従体組成物の付着が抑えられる。それ故、インキが使い終わるまでインキ追従体の量が少なくならず、最後までインキ漏れの防止や、インキ収納筒内壁へのインキ付着の防止、インキ収納筒の内面をキレイな状態に保つ等のインキ追従体に要求される性能を落とすことがない。
以下、本発明を詳細に説明する。
難揮発性有機液体はインキ追従体の基材として用いるものである。この難揮発性有機液体は、比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤より選ばれるものである。またこれらの難揮発性有機液体はボールペンに使用するインキと相溶しないか或いは相溶し難い有機液体を選択する。具体的にはポリブテンLV−7、同LV−10、同LV−25、同LV−50、同LV−100、同HV−15、同HV−35、同HV−35、同HV−50、同HV−100、同HV−300(以上、新日本石油化学(株)製)、ポリブテン0H、同5H、同10H−T、同15H、同300H、同15R、同35R、同100R、同100R、同300R(以上、出光石油化学(株)製)、等の液状ポリブテン類、IPソルベント2835(出光石油化学(株)製)、NAS−5H(日本油脂(株)製)、コスモSP10、同SP15、同SP32、同SP52、同SP83(以上、コスモ石油ルブリカンツ製)等の流動パラフィン類、スペクトラシン100(エクソンモービル製)等のポリアルファオレフィン類、ルーカントHC−40、同HC−100等のエチレン−α−オレフィンオリゴマー類(出光石油化学(株)製)等の炭化水素系有機溶剤の他、流動パラフィン、スピンドル油、ワセリン等の難揮発性勇気液体が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明のボールペン用インキ追従体組に使用するゲル化剤は、アエロジルR972、同R974、同200(日本アエロジル(株)製)等の微粒子シリカの他、ディスパロン305(水添ひまし油、楠本化成(株)製)等の水添ひまし油系のもの、ソロイド(セルロース硫酸エステルの四級アンモニュウム塩、三晶(株)製)等のセルロース系のもの、レオパールKE、同TL、同KL(変成デキストリン、千葉製粉(株)製)等のデキストリン系のもの、更に金属セッケン類、ベントナイトなどが挙げられる。これらのゲル化剤は単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。また、ゲル化剤の配合割合は、インキ追従体組成物全量に対して1〜10重量%が好ましい。1重量%以下であると、インキ追従体組成物としてのゲル化強度が弱くなって、インキが逆流し易くなり、また10重量%以上であると、ゲル化強度が強すぎて、インキに対する追従性が悪くなる傾向にある。
基材である難揮発性有機液体よりも比重の小さい粒子はインキ追従体の後端側、即ちインキ追従体内のインキとは反対側の端面付近で不連続な膜状の層を形成し、ボールペンを筆記してインキ追従体がインキ収納筒内をペン先側に移動するときにインキ追従体がインキ収納筒内壁に付着して残るのを抑制し、ペン先を上向きに長期間放置したときにインキ追従体がインキ収納筒より漏れ出しを防止したり、ペン先を上向きの状態で落下させる等の強い衝撃を与えたときにインキ追従体が飛び出してしまうのを防止する働きをさせるために用いるものである。
比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤より選ばれる難揮発性有機液体よりも比重が小さい関係であるためには、粒子の比重が0.8よりも小さい粒子を使用することが必要である。このような比重の小さい粒子には一般にマイクロスフェアーやマイクロバルーン、ホローバブル、シンタクティックフォーム材などと呼ばれている微小中空粒子が用いられる。微小中空粒子は500μm以下の粒子径を持つ中空球体で、空気などの気体によって充満された空隙部分を殻材で覆った構造を持つ粒子である。微小中空粒子に殻材の種類により無機系と有機系のものがある。その代表的なものとしては、スコッチライトC15/250、同B23/500、同B28/750、同B37/2000、同B38/4000、同B46/4000、同S60/10000、同E22/400、同A16/500、同A20/1000、同D32/4500(以上、住友3M)やマイクロセルM−35−A1、同M−35−A2、同M−35−A3(以上、日本フェライト(株))等のガラスバルーンや、フェライト52/7、同200/7(以上、日本フェライト(株))等のアルミノシリケート系中空粒子、クレカスフェアーA−200(呉羽化学工業(株))等のカーボンバルーン、の他、シリカバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン等の無機系微小中空粒子や、SX863(A)、SX864(B)、SX865(B)、SX863(P)(以上、JSR(株))等の架橋スチレン−アクリル共重合体や、ローペイクHP−91(ローム・アンド・ハースジャパン)等のスチレンアクリル共重合体の他、フェノール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート等の樹脂類を殻材とした有機系微小中空粒子が挙げられる。尚、有機系微小中空粒子の中にはSX863(A)やSX864(B)、SX865(B)のように水に分散された状態で製造元より供給されるものがあるが、これらは充分乾燥させた後そのままで或いは粉砕することで使用することができる。また前記の他、基材として用いる難揮発性有機液体に対して実質的に溶解または膨潤しない物質よりなり、基材である難揮発性有機液体の比重よりも小さい、微小な粒子であれば用いることができる。尚、前述の通り使用する粒子の比重は0.8よりも小さいものであるが、0.1〜0.8の範囲であることが好ましい。粒子の比重が0.8よりも大きいと、基材である難揮発性液体との比重差が小さく、或いは逆に粒子のほうが重くなるため、ボールペン内のインキ中に存在する気泡を抜くためにペン先方向に遠心力を働かせたときに、粒子がインキ追従体の後端側、即ちインキ追従体内のインキとは反対側に移動することがないため、インキ追従体の後端付近に不連続な膜状の層を形成することができない。また、比重が0.1より小さい粒子は粒子の殻材強度が著しく低くなるためインキ追従体を調整するさいにその中空な粒子構造が破壊されてしまう。中空構造が破壊されると殻材で覆われた空隙に充満していた気体が粒子のそとに漏れ出して小さい比重を維持することができなくなり、前記比重が0.8よりも大きい場合と同様にインキ追従体の後端付近に不連続な膜状の層を形成することができない。
また樹脂粒子の粒径が小さすぎる場合にはインキ収納筒内壁に対するインキ追従体のが付着を抑制する効果が少なく、大きすぎる場合にはインキ追従体とインキ収納筒内壁との摩擦が大きくなりすぎてインキの吐出に対する追従性が悪くなるなどの影響があるため、0.3〜400μmの範囲に入るものが好ましい。これらの樹脂粒子は単独あるいは複数を併用することができる。その使用量はインキ追従体組成物全量に対して0.5〜6重量%が好ましい。使用量が0.5重量%に満たないとインキ収納筒内壁にインキ追従体が付着するのを抑制するのに充分な不連続膜状層が得られず、また6重量%を超えるとインキ追従体の粘度物性に影響が現れて固くなり、インキの吐出性が悪くなる等の問題が発生する。
また、本発明のボールペン用インキ追従体には前記必須の成分のほか、必要に応じて流動点降下剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤等の従来公知の油脂添加剤を適宜選択して使用することができる。
本発明のボールペン用インキ追従体組成物を製造するには、従来より知られている種々の方法を適用することできる。例えば、ゲル化剤にデキストリン系のものを用いた場合には撹拌機により他の成分と加熱撹拌混合(140℃)することにより、また、ゲル化剤としてアエロジルを用いた場合にはニーダー、ロールミル等の分散機により他の成分と共に分散混練することにより容易に得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
スペクトラシン100(基材、ポリα−オレフィン、比重0.86、エクソンモービル製)
49.0重量部
ルーカントHC−40(基材、エチレン−α−オレフィンコポリマー、比重0.84、三井石油化学(株)製) 43.8重量部
アエロジルR972(ゲル化剤、シリカ、日本アエロジル(株)製) 3.0重量部
レオパールKL(ゲル化剤、デキストリンパルミチン酸エステル、千葉製粉(株)製)
1.2重量部
SX863(P)(架橋スチレン−アクリル共重合体中空粒子、比重0.76、JSR(株)製) 3.0重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(実施例2)
ポリブテン15R(基材、ポリブテン、比重0.87、出光石油化学(株)製)
50.0重量部
ルーカントHC−100(基材、エチレン−α−オレフィンコポリマー、比重0.85、三井石油化学(株)製) 42.5重量部
アエロジルR972(前述) 4.0重量部
レオパールKE(ゲル化剤、デキストリンパルミチン酸エステル、千葉製粉(株)製)
1.5重量部
スコッチライトC15/250(ガラスバルーン、比重0.15、住友3M(株)製)
2.0重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(実施例3)
スペクトラシン100(前述) 25.0重量部
ポリブテンHV−15(基材、ポリブテン、比重0.87、新日本石油化学(株)製)
25.0重量部
ルーカントHC−40(前述) 44.7重量部
アエロジルR972(前述) 3.0重量部
レオパールKL(前述) 1.3重量部
ローペイクHP−91(スチレン−アクリル共重合体中空粒子(固形分27.5%で供給された水分散体を乾燥させた後粉砕して得られた粉末)、比重0.55、ローム・アンド・ハース・ジャパン製) 1.0重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(実施例4)
スペクトラシン100(前述) 43.8重量部
ルーカントHC−100(前述) 50.0重量部
ディスパロン305(ゲル化剤、水添ひまし油、楠本化成(株)製) 5.0重量部
フィライト200/7(アルミノシリケート系中空粒子、比重0.60、日本フィライト(株)製) 1.2重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(実施例5)
コスモSP−83(基材、流動パラフィン、比重0.88、コスモ石油ルブリカンツ製)
40.0重量部
ルーカントHC−100(前述) 48.5重量部
アエロジルR972(前述) 4.5重量部
レオパールKL(前述) 1.5重量部
フィライト52/7(アルミノシリケート系中空粒子、比重0.60、日本フィライト(株)製) 2.0重量部
マイクロセルM−35−A2(ガラスバルーン、比重0.35、日本フィライト(株)製)
3.5重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例1)
前記実施例1において、SX863(P)(架橋スチレン−アクリル共重合体中空粒子)を入れるかわりに基材スペクトラシン100を3.0重量部加えた他は実施例1と同様にしてボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例2)
前記実施例2においてスコッチライトC15/250(ガラスバルーン)を入れるかわりに基材ポリブテン15Rを2.0重量部加えた他は実施例2と同様にしてボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例3)
前記実施例3において、ローペイクHP−91(スチレン−アクリル共重合体中空粒子分散体の乾燥粉末)を入れるかわりに基材ポリブテンHV−15を1.0重量部加えた他は実施例3と同様にしてボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例4)
前記実施例4において、フィライト200/7(アルミノシリケート系中空粒子)を入れるかわりに基材スペクトラシン100を1.2重量部加えた他は実施例4と同様にしてボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例5)
前記実施例5のインキ追従対の組成において、フィライト52/7(アルミノシリケート系中空粒子)とマイクロセルM−35−A2(ガラスバルーン)を入れるかわりに基材ルーカントHC−100を5.5重量部加えた他は実施例5と同様にしてボールペン用インキ追従体組成物を得た。
(比較例6)
スペクトラシン100(前述) 49.0重量部
ルーカントHC−40(前述) 43.8重量部
アエロジルR972(前述) 3.0重量部
レオパールKL(前述) 1.2重量部
SX865(B)(架橋スチレン−アクリル共重合体中空粒子(固形分48%で供給された水分散体を乾燥させた後粉砕して得られた粉末)、比重0.98、JSR(株)製)
3.0重量部
上記各成分をニーダーに入れ、撹拌を2〜3時間行い、ボールペン用インキ追従体組成物を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜6に記載のインキ追従体組成物を、市販のボールペン(ハイブリッドK105、ぺんてる(株)製)のインキ追従体組成物に代えて充填した。ハイブリッドK105は、半透明な合成樹脂製のパイプをインキ収納筒とし、その先端にボールペンペン先を備えたペン先ホルダーが装着された構造のボールペンリフィルを用いたボールペンである。インキ収納筒の内部には、ペン先側に水性インキが、後端側にインキ追従体組成物が互いに接触して直接充填されるものである。このボールペンにインキを0.75g充填し、更にインキの上部にインキ追従体組成物各々を0.1g充填した後、ペン先の方向に遠心力が働くように配置して、遠心分離機(国産遠心器(株)製:卓上遠心機H−103N)で遠心処理を施し、筆記具内に存在する気体を除去して、ボールペン試料とし、筆記荷重100g、筆記角度70°、筆記速度7cm/秒の条件で螺旋筆記試験を行い、600m連続筆記し、試験前後のインキ追従体のボールペン長手方向の高さを比較して筆記時のインキ追従体の移動よる減量を確認した。また、200m連続筆記した試料を40℃環境下でペン先を上向きにして2週間放置したときのインキ追従体の状態を外観より目視で確認した。結果を表1に示す。
尚、試験サンプルには、以下の組成と方法により調整した水性インキを使用した。
(試験サンプル用インキの組成と調整方法)
カーボンブラック#850(着色剤、カーボンブラック、三菱化成工業(株)製)
11.5重量部
エマルゲンA−60(分散剤、界面活性剤、花王(株)製) 1.0重量部
エチレングリコール(保湿溶剤) 12.0重量部
ジエチレングリコール(保湿溶剤) 7.0重量部
ジョンクリル450(定着向上剤、アクリル樹脂エマルション、ジョンソン(株)製)
12.0重量部
TBZ・FL25(防腐剤、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールの25%分散液、三愛石油(株)製) 0.2重量部
ケルザン(増粘剤、キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
モノエタノールアミン(pH調整剤) 1.0重量部
イオン交換水 55.0重量部
上記各成分のうちケルザンとジョンクリル450を除いた各成分を混合し、攪拌機で2時間攪拌し、更にボールミルで6時間分散を行った後、ジョンクリル450とケルザンを加えて2時間攪拌し、最後に480メッシュのナイロンメッシュを通過させて粗大粒子を除去してボールペン用水性黒色インキを得た。
Figure 2005239918

Claims (1)

  1. 比重が0.8〜0.9の範囲の炭化水素系有機溶剤より選ばれる1種または2種以上の混合物と、ゲル化剤と、前記炭化水素系有機溶剤に対して実質的に溶解または膨潤しなく、前記炭化水素系有機溶剤よりも比重の小さい粒子とより少なくともなるインキ追従体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016088007A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用インキ逆流防止体組成物
JP2017019967A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 理想科学工業株式会社 着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインク

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