JP2005239762A - 常温硬化性水性樹脂組成物、塗料及び塗装物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐汚染性に優れ、塗り重ね性、耐候性、耐溶剤性及び外観にも優れた塗膜を形成しうる一液で常温硬化型の水性樹脂組成物に関する。
建築物などの補修用塗料の市場が、近年益々増大しているが、かかる補修用塗料としては、従来のアルキド塗料よりも耐アルカリ性、耐候性、速乾性、塗り重ね性が良好で、スプレー、刷毛、ローラー塗装等の塗装方法での塗装作業性が良好な、ミネラルスピリット系溶剤を用いた弱溶剤型アクリルウレタン塗料が主に用いられ、市場においても広範囲で使用されている。
しかし、前記弱溶剤型アクリルウレタン塗料は、主剤樹脂及び硬化剤を反応させ塗膜を形成する2液型であり、その取り扱いが煩雑で、特に主剤樹脂と硬化剤とを混合させた後の可使時間が数時間〜半日程度であることから、一度配合して残った塗料を翌日に使用することができないという問題があった。
そこで、特定のカルボキシル基を有する不飽和化合物を共重合して得られる乳化重合体組成物が、1液型で可使時間に制限がなく貯蔵安定性に優れることが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。また、乳化重合体組成物は有機溶剤を使用していないことから、有機溶剤の揮発による環境汚染を防止できる。
しかし、前記乳化重合体組成物を用いて得られる塗膜は、耐候性、耐水性の点で不十分である。また、得られる塗膜を屋外に長期間放置した場合、塗膜にほこり等の汚れが付着してもそれが雨水によって洗い流さず、塗膜の耐汚染性の点も未だ十分とはいえない。
そこで、特定のカルボキシル基及び高級不飽和脂肪族基をペンダント側鎖に有する非水系樹脂組成物が、耐候性、耐水性、耐薬品性に優れる塗膜を形成でき、更には、塗り重ね性が良好であることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、前記非水系樹脂組成物は有機溶剤を含有していることから、有機溶剤の揮発による環境汚染、作業性の問題があり、更には得られる塗膜のリフティング発生の点で問題である。また、得られる塗膜の耐汚染性についても不十分である。
本発明が解決しようとする課題は、耐汚染性、耐候性、耐水性、耐薬品性、塗り重ね性、保存安定性に優れ、塗り重ね時にリフティングを発生することがなく、有機溶剤を含有しない、1液型の常温硬化性水性樹脂組成物を提供することである。
発明者等は、水性塗料に使用できる水性樹脂組成物として、得られる塗膜の耐候性を向上させることを目的に常温硬化性を有する樹脂と金属ドライヤーとを用いて常温硬化性水性樹脂組成物を製造し、評価したところ、耐候性や耐水性等だけでなく、予想外に耐汚染性にも優れた塗膜を形成できることを見出した。
即ち、本発明は、一般式(I)で示される官能基と、一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基とを有するビニル系樹脂(A)の水溶液又は水分散液、及び、金属ドライヤー(B)を含有してなる常温硬化性水性樹脂組成物に関するものであり、好ましくは前記一般式(I)のR1が−C5H10−でnが2であり、好ましくは前記ビニル系樹脂(A)が、一般式(IV)で示されるビニル系単量体及び一般式(V)で示されるビニル系単量体を共重合して得られるものである。
また、本発明は、前記常温硬化性水性樹脂組成物を含有してなる塗料及びそれが塗装された塗装物に関する。
本発明の常温硬化性水性樹脂組成物によれば、塗り重ね性に優れ、更には耐汚染性、耐候性、耐水性に優れた塗膜を形成できる。
本発明は、一般式(I)で示される官能基と、一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基とを有するビニル系樹脂(A)の水溶液又は水分散液、及び、金属ドライヤー(B)を含有してなる常温硬化性水性樹脂組成物である。
本発明で使用する一般式(I)で示される官能基と、一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基あとを有するビニル系樹脂(A)の水溶液又は水分散液は、一般式(I)で示される官能基と、一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基とを有するビニル系樹脂(A)が水に溶解又は分散したものである。
ここで、前記ビニル系樹脂(A)の有する一般式(I)で示される官能基中のR1は2〜17のアルキレンであり、得られる塗料の分散安定性、耐汚染性の観点から炭素数3〜11のアルキレンで、nが2〜6のものが好ましい。
前記一般式(I)で示される官能基は、例えば、一般式(I)で示される官能基を有するビニル系単量体を含有するビニル系単量体混合物を重合させることで該一般式(I)をビニル系樹脂に導入することができる。かかる一般式(I)で示される官能基を有するビニル系単量体としては、例えば、一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体が挙げられる。
一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体は、例えば、(a)ω−ヒドロキシカルボン酸とカルボキシル基を有するビニル系単量体とを反応させる方法、(b)α,ω−ポリエステルジカルボン酸とヒドロキシル基を有するラジカル重合性不飽和化合物とを反応させる方法、(c)酸無水物とカルボキシル基を有するビニル系単量体とエポキシ化合物とを反応させる方法および(d)特開昭60−67446号公報に示されているような、カルボキシル基を有するビニル系単量体とラクトンとを酸性触媒の存在下で反応させる方法等の当業者に周知の方法で製造できるものである。しかし、前記(a)〜(c)の方法では、ラジカル重合性官能基が全くないもの、又は2個有するものなどが副生成物として多量に生じることから、ラジカル重合性官能基を必ず1個含むカプロラクトンポリエステル不飽和単量体を用いて得られる(d)の方法で製造することが好ましい。
特に前記(d)の方法によれば、1分子中のε-カプロラクトン単位数が1〜5である長鎖カルボキシル基含有単量体のα−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))を主に製造することができる。1分子中のε-カプロラクトン単位数は、塗料の塗膜の外観の観点から1〜10の範囲内が好ましく、1以上5以下の範囲内がより好ましい。一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体としては、具体的には、1分子中のε-カプロラクトン単位の平均数が2なる商品名アロニクスM−5300(東亜合成化学工業(株))を使用することが更に好ましい。
一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基とは、前記ビニル系樹脂(A)に常温硬化性を付与する上で必要であり、特に一般式(II)や一般式(III)で示される官能基としては、例えば、一般式(II)中のR2が炭素数2〜18の不飽和脂肪族炭化水素基や炭素数7〜12のアラルキル基のものが挙げられるが、R2が炭素数2〜18の不飽和脂肪族炭化水素基であるものが好ましく、なかでも、かかる不飽和脂肪族炭化水素基がアリル基であることがより好ましい。また、一般式(III)としては、一般式(III)中のR3が炭素数2〜12の不飽和脂肪族炭化水素基や−CN基であるものが挙げられるが、R3が炭素数2〜12の不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、かかる不飽和脂肪族炭化水素基がアリル基であることがより好ましい。一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基は、例えば、それらの官能基を有するビニル系単量体を含有する単量体混合物を重合させることで、ビニル系樹脂中に導入することができる。
一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基を有するビニル系単量体としては、例えば、一般式(V)で示されるものが挙げられ、なかでも、一般式(VII)で示される官能基を有するビニル系単量体を使用することが好ましく、具体的には、高級不飽和脂肪酸とエチレン性不飽和グリシジルエステルとの反応物である高級不飽和脂肪酸変性ビニル系単量体を使用することがより好ましい。
前記高級不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸等が挙げられるが、亜麻仁油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、米糠油脂肪酸、胡麻油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、綿油脂肪酸、トール油脂肪酸などの高級不飽和脂肪酸の残基を有するもの等を使用することが好ましい。なお、前記高級不飽和脂肪酸でいう高級とは、平均炭素数が12以上のものを言うが、これらの中でも平均炭素数が13〜23のものを使用することがより好ましく、16〜22のものを使用することがさらに好ましい。
前記エチレン性不飽和グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエステル、メタアリルグリシジルエステル等が挙げられる。
前記高級不飽和脂肪酸とエチレン性不飽和グリシジルエステルとの反応物のうち、特にオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸及びトール油脂肪酸から選ばれる少なくとも一種と、グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタアクリレートとの反応物を使用することがより好ましく、大豆油脂肪酸とグリシジルアクリレートの反応によって得られるオリゴマー(例えば、G−FA−80(日本油脂(株)))、ブレンマーG−DCO−80(日本油脂(株))を使用することが更に好ましい。
かくして得られる本発明で使用できる高級不飽和脂肪酸変性ビニル系単量体としては、ヨウ素価60〜180を有するものが好ましく,70〜150を有するものがより好ましい。
本発明で使用する前記一般式(I)で示される官能基と、一般式(II)で示される官能基、一般式(III)で示される官能基及びアリル基なる群から選ばれる1種以上の官能基とを有するビニル系樹脂(A)は、例えば、前記した一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体や、一般式(V)で示されるビニル系単量体等を含有してなる単量体混合物を重合することで製造できる。
前記単量体混合物には、前記一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体や、一般式(V)で示されるビニル系単量体だけでなく、その他の共重合可能なビニル系単量体を使用することができ、かかるその他のビニル系単量体としては、例えば、以下の(イ)群より(ル)群のものが挙げられる。
(イ)群としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソ(i)−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはラウリル(メタ)アクリレート、「アクリエステル SL」[三菱レーヨン(株)製の、C12−/C13メタクリレート混合物の商品名]、ステアリル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートもしくはイソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の側鎖に官能基を含有しない(メタ)アクリレート類が挙げられる。
(ロ)群としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピルスチレンまたはp−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のα―オレフィン類が挙げられる。
(ハ)群としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;メタクリル酸ジアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の3級アミノ基含有単量体が挙げられる。
(ニ)群としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノn−ブチル、イタコン酸モノn−ブチル、クロトン酸等の、一般式(IV)に表されるカルボキシル基含有単量体以外のカルボキシル基含有単量体が挙げられる。
(ホ)群としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレートまたはモノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートをはじめ、ポリエチレングリコール−ないしはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたは此等とε−カプロラクトンとの付加物、「プラクセル FMないしはFAモノマー」[ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名]の如き、各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如き水酸基を含有するアリル化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基を含有するビニルエーテル化合物が挙げられる。
(へ)群としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートもしくはメトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
(ト)群としては、例えば、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジ(n−ブチル)フマレート、ジ(i−ブチル)フマレートもしくはジブチルイタコネートの如き、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸により代表される各種のジカルボン酸類と1価アルコール類とのジエステル類が挙げられる。
(チ)群としては、例えば、「ビスコート 3F、3FM、8F、8FMもしくは17FM」[大阪有機化学(株)製の、含フッ素系アクリルモノマー類の商品名]、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートもしくはN−i−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の(パー)フルオロアルキル基含有ビニルエステル類、−ビニルエーテル類、−(メタ)アクリレート類または−不飽和ポリカルボン酸エステル類などの、種々の含フッ素重合性化合物類が挙げられる。
(リ)群としては、例えば、ビニルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシランの如き、各種のシラン系単量体類が挙げられる。
(ヌ)群としては、例えば、ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスフェート類または(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスフェート類、ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスファイト類もしくは(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスファイト類の如き燐原子含有ビニル系モノマーが挙げられる。
(ル)群としては、例えば、フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン,アクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の1分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体類などが挙げられ、これらを単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせても良い。
前記一般式(IV)で示されるカルボキシル基含有ビニル系単量体は、前記単量体混合物中に0.5〜20重量%使用することが好ましく、1.0〜15重量%使用することがより好ましい。
前記一般式(V)で示されるビニル系単量体は、前記単量体混合物中に0.5〜30重量%使用することが好ましく、3.0〜20重量%使用することがより好ましい。
前記した単量体混合物を重合しビニル系樹脂(A)を製造する方法としては、例えば、水中分散重合法や、乳化重合法が挙げられるが、得られる共重合体の重合反応操作及び分子量調節が容易であることから、乳化重合法が好ましい。
前記乳化重合法は、乳化剤を含有する水性媒体中に前記単量体混合物を添加、攪拌しながら乳化分散させ、重合反応させる方法である。具体的には、水又は必要に応じてアルコールのような有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を添加し、加熱攪拌の下、前記単量体混合物及びラジカル重合開始剤を一括仕込み、連続滴下又は分割添加し、重合する方法である。このとき、乳化剤と水とで単量体混合物を予め乳化させて得られる水分散液又は水溶液を、同様に滴下しても良い。
前記乳化重合法で使用できる乳化剤としては、一般的な乳化重合法に使用できるものであれば、アニオン性、カチオン性及びノニオン性いずれの乳化剤でも特に制限なく使用することができる。
アニオン性乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン性乳化剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
また、一般的に、反応性乳化剤と称されるラジカル重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤も使用することができる。それらのうち特に代表的なものとしては、例えばスルホン酸基またはその塩を有する「ラテムルS−180A」[花王(株)製]または「エレミノールJS−2」[三洋化成(株)製]、硫酸基またはその塩を有する「アクアロンKH−1025」[第一工業製薬(株)製]または「アデカリアソープSR−10」[旭電化工業(株)製]、リン酸基を有する「ニューフロンティアA−229E」[第一工業製薬(株)製]等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。しかし、一般式(A)で示すカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体のカルボキシル基を中和させたものを、反応性乳化剤として使用する方が、乳化剤の使用量を減らすことができるためより好ましい。
前記乳化剤の使用量は、一般的に乳化重合法において使用されているような量、すなわち、前記単量体混合物100重量部に対し、0.1〜20重量部なる範囲内が好ましく、0.2〜5重量部なる範囲内がより好ましい。
前記乳化重合法の重合条件のうち、反応温度は、使用するラジカル重合開始剤のラジカル発生方法によって決定されるものであり、例えば熱分解反応でラジカルを発生させる場合は60〜90℃であり、過硫酸系・過酸化物系開始剤と還元剤との組み合わせたレドックス反応の場合では30〜70℃であること好ましい。また、反応時間は、1〜10時間であることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチロニトリルまたはその塩酸塩、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドあるいは過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、これらのラジカル重合開始剤と共に、還元剤を併用することも可能であり、例えば、ナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等を使用することができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、前記単量体混合物の合計100重量部に対して、0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜2重量%がより好ましい。
ラジカル重合開始剤と併用可能な還元剤としては、例えば、ナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸などが挙げられる。
また、レドックス重合の際に鉄イオンや銅イオンなどによって代表される、いわゆる多価金属塩イオンを生成する化合物を、促進剤として併用することも可能である。
前記ビニル系樹脂(A)の分子量を調整するために、連鎖移動剤を使用することができ、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ヘキサデシルメルカプタンなどのような各種のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンなどのような各種のアルキルベンジルメルカプタン類;チオグリコール酸、チオリンゴ酸などのような各種のチオカルボン酸類あるいはその塩類;n−ブチルチオグリコネート、ドデシル−3−メルカプトプロピオネートなどのような各種のチオカルボン酸アルキルエステル類;モノエタノールアミンチオグリコレートのような、各種の含窒素チオール類;トリメトキシシリルプロピルメルカプタンなどに代表されるような各種の反応性官能基含有メルカプタン類;α−メチルスチレンダイマーなどのような各種のダイマー型連鎖移動剤などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。
また、前記乳化重合法としては、例えば無乳化剤乳化重合法、シード乳化重合法、マイクロエマルション重合法、パワーフィード法、ショットグロース法などのような種々の方法を適用することも可能である。
次に、前記ビニル系樹脂(A)の有する酸基の一部又は全部を中和させる際に使用できる塩基性化合物について説明する。
本発明に使用することのできる塩基化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのような各種の無機塩基;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソブチルアミン、またはジプロピルアミンのような各種のアルキルアミンなどをはじめ、さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような各種のアミノアルコール類、またはモルホリンなどのような各種の有機アミン類;あるいはアンモニアなどが挙げられ、これらを単独又は2種以上併用して使用できる。特に、前記塩基性化合物のうちアンモニアを使用することが、本発明の常温硬化性水性樹脂組成物に有機溶剤を含まないものとすることができる為好ましい。
前記塩基性化合物の添加量は、前記ビニル系樹脂(A)の有するカルボキシル基の1当量に対して0.5〜1.5当量となる範囲内で用いることが好ましく、0.8〜1.2当量の範囲で用いることがより好ましい。
次に、本発明で使用する金属ドライヤー(B)について説明する。
本発明で使用する金属ドライヤー(B)は、例えば、ナフテン酸やオクチル酸等の脂肪族カルボン酸の金属塩化合物であり、かかる金属としては、例えばコバルト、鉛、亜鉛、マンガン、銅、鉄、カルシウム、バリウム、ジルコニウム等が挙げられる。
かかる金属ドライヤー(B)としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のPb−ナフテネート(有効金属含有率=20重量%)、Co−ナフテネート(有効金属含有率=5重量%)またはPb−オクトエートないしはオクテート(有効金属含有率=24重量%)などが挙げられる。
金属ドライヤー(B)としては、例えば分散剤などを併用して水性媒体に分散しやすくしたものを使用することが好ましく、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「ディックネート 3111」、「ディックネート1000W」などが挙げられる。
金属ドライヤー(B)としては、通常、ミックス・ドライヤーと呼ばれる、前記した各種の金属ドライヤー2種以上を混合したものを使用することができる。かかる金属ドライヤーとしては、例えば、ドイツ国ヘキスト社製の「Additol VWX−4940」、東栄化工(株)製の「ハイキュアー MIX」などが挙げられる。
前記金属ドライヤー(B)の使用量は、前記ビニル系樹脂(A)100gに対する金属ドライヤー(B)中の金属の合計モル量が、0.0001〜0.005モルの範囲であることが好ましく、0.0002〜0.003モルの範囲であることがより好ましい。
本発明の常温硬化性水性樹脂組成物は、主に塗料、プライマー、インキ、接着剤、シーリング剤等の用途に用いることができる。
なかでも前記常温硬化性水性樹脂組成物は、塗料として各種基材に塗布することができるが、かかる基材としては、例えば、ガラス、スレート板もしくはコンクリート、珪酸カルシウム等の珪酸塩系、石膏系、石綿系もしくはセラミック系など種々の無機物等;鉄、ステンレス・スチール、もしくはアルミニウムなどのような種々の金属類;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂もしくはポリスチレンなどの種々のプラスチック類;木材類、紙類、繊維類、FRP類等が挙げられる。
本発明の常温硬化性水性樹脂組成物を塗料として使用する場合、該塗料がクリヤー塗料であっても、顔料を含む着色塗料であっても良い。顔料としては種々の有機系顔料の他に、酸化チタン、酸化鉄、アルミニウム・フレーク、またはチタン・コート・マイカなどの無機系顔料も挙げられる。又塗料化の際その用途に応じて増膜助剤、分散剤、消泡剤、凍結防止剤、防腐剤、増粘剤などの添加剤を添加することができる。
前記本発明の塗料は、前記した各種基材にエアー・スプレー法、エアレス・スプレー法、刷毛塗り法、ロールコート法等のような公知慣用の種々の塗装方法で塗装することができる。
前記塗装方法で前記基材に塗装した後、塗膜を乾燥させる方法としては、本発明の塗料の乾燥性或いは基材の耐熱性などに応じて、さらにはそれぞれの用途などに応じて、常温で1日(1昼夜)から2週間程度、乾燥し硬化させたり、又は約60〜250℃の温度範囲で約30秒〜約3時間乾燥し硬化させることができ、幅広い乾燥条件の設定が可能である。
以上の方法により、本発明の塗料は、例えば、建築内外装用のあらゆる旧塗膜に対する補修用塗料として好適な塗料として使用でき、具体的には、コンクリート、サイディングボード、押し出し成形板、金属、ガラス、磁気タイル、プラスティック等の各種基材に対する上塗り塗料または下塗り塗料として好適に使用できる。また、本発明の塗料を塗装して得られる塗装物としては、それが建築内外装用の補修用塗料として好適に使用できることから、例えば、屋根、外壁等が挙げられる。
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明することにする。
実施例1〔常温硬化性水分散性樹脂組成物(A1)の調製例〕
スチレン(以下、「ST」と省略。)の25重量部、メチルメタアクリレート(以下、「MMA」と省略。)の32重量部、2エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と省略。)の19重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の7重量部、メタアクリル酸(以下、「MAA」と省略。)の2重量部、ブレンマーG−FA−80(大豆油脂肪酸とグリシジルアクリレートの反応によって得られるオリゴマー、有効成分80重量%、日本油脂(株))の18.75重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下、「MP1」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP1」と省略。)とした。
スチレン(以下、「ST」と省略。)の25重量部、メチルメタアクリレート(以下、「MMA」と省略。)の32重量部、2エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と省略。)の19重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の7重量部、メタアクリル酸(以下、「MAA」と省略。)の2重量部、ブレンマーG−FA−80(大豆油脂肪酸とグリシジルアクリレートの反応によって得られるオリゴマー、有効成分80重量%、日本油脂(株))の18.75重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下、「MP1」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP1」と省略。)とした。
次に撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、イオン交換水の54.5重量部を仕込み、80℃に昇温した。この温度になったところで、CatP1の1/3をフラスコ内に投入し、5分後にMP1の5重量%を投入した。そして10分後にCatP1の2/3とMP1の95重量%を3時間かけて滴下しさらに同温度で1時間ホ−ルドしたのち冷却を行った。
次いで、12.5重量%アンモニア水溶液を6.3g添加した後200メッシュのナイロン紗にて濾過することによって固形分44.8重量%、粘度110mPa・s、pH8.6の常温硬化性水分散性樹脂組成物(A1)を得た。
比較例1〔常温硬化性水分散性樹脂組成物(A2)の調製例〕
STの25重量部、MMAの36重量部、2EHAの24重量部、ブレンマーG−FA−80(有効成分80重量%、日本油脂(株))の18.75重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下「MP2」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP2」と省略。)とした。
STの25重量部、MMAの36重量部、2EHAの24重量部、ブレンマーG−FA−80(有効成分80重量%、日本油脂(株))の18.75重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下「MP2」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP2」と省略。)とした。
次に撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、イオン交換水の60.8重量部を仕込み、80℃に昇温した。この温度になったところで、CatP2の1/3をフラスコ内に投入し、5分後にMP2の5重量%を投入した。そして10分後にCatP2の2/3とMP2の95重量%を3時間かけて滴下しさらに同温度で1時間ホ−ルドしたのち冷却を行った。
次いで200メッシュのナイロン紗にて濾過することによって固形分45.0重量%、粘度55mPa・s、pH6.0の常温硬化性水分散性樹脂組成物(A2)を得た。
比較例2〔常温硬化性水分散性樹脂組成物(A3)の調製例〕
STの25重量部、MMAの41重量部、2EHAの25重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の7重量部、MAAの2重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下「MP3」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP3」と省略。)とした。
STの25重量部、MMAの41重量部、2EHAの25重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の7重量部、MAAの2重量部、n−ラウリルメルカプタンの1重量部の混合物を、アクアロンSR−10の1重量部及びアクアロンER−20(有効成分80重量%)の1.875重量部を40重量部のイオン交換水に溶解した乳化剤水溶液を用いて粗乳化を行い、これをモノマープレミックス(以下「MP3」と省略。)とした。又、過硫酸ソーダ0.5重量部をイオン交換水20重量部にて溶解し、これをキャタライズプレミックス(以下、「CatP3」と省略。)とした。
次に撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、イオン交換水の58.3重量部を仕込み、80℃に昇温した。この温度になったところで、CatP3の1/3をフラスコ内に投入し、5分後にMP3の5重量%を投入した。そして10分後にCatP3の2/3とMP3の95重量%を3時間かけて滴下しさらに同温度で1時間ホ−ルドしたのち冷却を行った。
次に12.5重量%アンモニア水溶液を6.3g添加した後200メッシュのナイロン紗にて濾過することによって固形分45.4重量%、粘度100mPa・s、pH8.4の常温硬化性水分散性樹脂組成物(A3)を得た。
比較例3〔常温硬化性ビニル系樹脂非水分散液(A4)の調製例〕
(非水分散液に溶解する樹脂溶液S4の合成)
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ロウス」〔シェル社製、有機溶媒〕20重量部を仕込み、窒素置換した後100℃に昇温した。次いで2エチルヘキシルメタクリレート(以下、「2EHMA」と省略。)の20重量部、t−ブチルメタアクリレート(以下、「tBMA」と省略。)の26.5重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の1重量部、ブレンマーG−FA−80(有効成分80重量%、日本油脂(株))の3.125重量部及びt−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、「tBPOO」と省略。)0.6重量部の混合物を約3時間かけて逐次滴下し、滴下終了後同温度にて30分保持した後、次いでtBPOOを0.2重量部添加し、さらに3時間同温度にて保持した後、「ロウス」を30重量部加えて冷却し、非水分散液に溶解する樹脂溶液(S4)を得た。
(非水分散液に溶解する樹脂溶液S4の合成)
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ロウス」〔シェル社製、有機溶媒〕20重量部を仕込み、窒素置換した後100℃に昇温した。次いで2エチルヘキシルメタクリレート(以下、「2EHMA」と省略。)の20重量部、t−ブチルメタアクリレート(以下、「tBMA」と省略。)の26.5重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の1重量部、ブレンマーG−FA−80(有効成分80重量%、日本油脂(株))の3.125重量部及びt−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、「tBPOO」と省略。)0.6重量部の混合物を約3時間かけて逐次滴下し、滴下終了後同温度にて30分保持した後、次いでtBPOOを0.2重量部添加し、さらに3時間同温度にて保持した後、「ロウス」を30重量部加えて冷却し、非水分散液に溶解する樹脂溶液(S4)を得た。
(常温硬化性ビニル系非水分散液(A4)の合成)
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ロウス」〔シェル社製、有機溶媒(A)〕10重量部、前記(S4)溶液50重量部を仕込み、窒素置換したのち100℃に昇温した。次いでSTの3.7重量部、エチルアクリレートの9.3重量部、MMAの7重量部、n−ブチルメタアクリレートの2.5重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の1重量部、ブレンマーG−FA−80の1.875重量部、並びにtBPOOの0.6重量部の混合物を3時間かけて逐次滴下し滴下終了後同温度にて30分保持した後、次いでBPOOを0.2重量部添加し、さらに3時間同温度にて保持した後、「ロウス」を15重量部加えて冷却し、常温硬化性ビニル系非水分散液(A4)を得た。得られた分散液は固形分51.4重量%、粘度3100mPa・sであった。
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ロウス」〔シェル社製、有機溶媒(A)〕10重量部、前記(S4)溶液50重量部を仕込み、窒素置換したのち100℃に昇温した。次いでSTの3.7重量部、エチルアクリレートの9.3重量部、MMAの7重量部、n−ブチルメタアクリレートの2.5重量部、アロニックスM−5300(東亞合成(株))の1重量部、ブレンマーG−FA−80の1.875重量部、並びにtBPOOの0.6重量部の混合物を3時間かけて逐次滴下し滴下終了後同温度にて30分保持した後、次いでBPOOを0.2重量部添加し、さらに3時間同温度にて保持した後、「ロウス」を15重量部加えて冷却し、常温硬化性ビニル系非水分散液(A4)を得た。得られた分散液は固形分51.4重量%、粘度3100mPa・sであった。
M5300 *1:ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート
(前記一般式(IV)においてn=2、R1が−C5H10−)
(前記一般式(IV)においてn=2、R1が−C5H10−)
実施例1,比較例1、2の水分散性樹脂組成物を用いて、第2表に記載の割合となるようにサンドミルで60分間練肉し、白塗料を作成した。
比較例3の常温硬化性ビニル系樹脂非水分散液を用いて、第3表に記載の割合となるようにサンドミルで60分間練肉し、白塗料を作成した。
1)石原産業 白チタン顔料
2)ビッグケミー社製 分散剤
3)サンノプコ社製 消泡剤
4)ドライヤー混合液(6%ナフテン酸コバルト/12%オクテン酸ジルコニウム/3%ナフテン酸カルシウム/MEKO=1/1/1/1)
2)ビッグケミー社製 分散剤
3)サンノプコ社製 消泡剤
4)ドライヤー混合液(6%ナフテン酸コバルト/12%オクテン酸ジルコニウム/3%ナフテン酸カルシウム/MEKO=1/1/1/1)
得られた白塗料を刷毛で乾燥膜厚約40〜50μmとなるよう後述する各種試験方法に従って各基材上に塗布した。
下記に示す試験方法に従って、(1)耐水性、(2)塗り重ね性(リフティング)、(3)耐雨だれ汚染性、(4)耐候性の評価を行った。評価結果を第4表〜第7表にまとめる。
(1)耐水性:前記の白塗料をスレート板に塗布、25℃で7日乾燥させた後、水中に7日間浸せきし、引き上げた後の塗膜のフクレ、ブリスタの状態を評価した。
◎:全く指紋がつかない
○:フクレ、ブリスタなし
△:直径5mm以下のフクレ、ブリスタあり
×:直径5mm以上のフクレ、ブリスタ、或いは塗膜のハガレあり
○:フクレ、ブリスタなし
△:直径5mm以下のフクレ、ブリスタあり
×:直径5mm以上のフクレ、ブリスタ、或いは塗膜のハガレあり
(2)塗り重ね性:上述の白塗料をブリキ板に塗装直後の膜厚で100μm,150μm,200μm,250μmになるように塗装し、その後、25℃および5℃で、乾燥時間が6時間、24時間後に同一塗料を塗り重ねし、乾燥後、塗膜面の溶解、チヂミの状態を目視で判定した。
◎:全く外観異常が認められない
○:ある膜厚で僅かな溶解またはチヂミが認められる
△:膜厚によって軽度〜中度の溶解またはチヂミが認められる
×:全ての膜厚で重度の溶解またはチヂミが認められる
○:ある膜厚で僅かな溶解またはチヂミが認められる
△:膜厚によって軽度〜中度の溶解またはチヂミが認められる
×:全ての膜厚で重度の溶解またはチヂミが認められる
(3)耐汚染性:上述の白エナメルをクロメート処理アルミ板に乾燥膜厚が40〜50μmになるように刷毛塗りし、25℃で7日乾燥後、高石市暴露試験場において、3ヶ月間屋外にて雨だれ汚染試験を行った。
○:雨スジなし
△:雨スジ少しあり
×:雨スジあとが明確に残る
△:雨スジ少しあり
×:雨スジあとが明確に残る
(4)耐候性:上述の白エナメルをクロメート処理アルミ板に乾燥膜厚が40〜50μmになるように刷毛塗りし、25℃で7日乾燥後、宮崎市郊外において、1年間屋外曝露試験を行った。
光沢保持率:(屋外曝露後の60度鏡面反射率/曝露前の60度鏡面反射率)×100で求めた保持率(%)で示した。
Claims (5)
- 前記一般式(I)のR1が炭素数5のアルキレンであり、nが2である請求項1に記載の常温硬化性水性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の常温硬化性水性樹脂組成物を含有してなる塗料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の塗料が塗装された塗装物。
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JP2007262132A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性塗料用樹脂組成物の製造方法 |
JP2010090323A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Kansai Paint Co Ltd | 1液型水性塗料組成物及び塗装方法 |
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