JP2005239015A - 鉄道車両の壁板または天井板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重量増を最小限に押さえ、高い断熱性があり、騒音の低減が可能な鉄道車両の壁板または天井板を提供する。
【解決手段】 鉄道車両の壁板または天井板であって、板状かつ樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である弾性材層と、を含む。弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねるため、構造が簡単でありながら軽量、高断熱性、防振の効果を発揮する。
【選択図】図1

Description

本発明は鉄道車両の壁板または天井板に関するものである。より詳しくは、走行車両の振動が客室へ伝わりにくい鉄道車両の壁板または天井板に関する。
新幹線等の高速車両に使用される壁板や天井板は、車両の速度向上を図るために軽量化が求められる一方、車内の空調管理のために高い断熱性が要求されている。これらの要求を満たすため、従来の壁板や天井板には主として、図9の断面図に示すように、芯材層90を板材92で挟みこんで積層構造化したものが採用されている。軽くするために板材92はアルミニウム合金で作られており、芯材層90には無機材料または有機材料からなる発泡体が使われる。芯材層90と板材92は例えばエポキシ系接着剤のような接着剤層91によって接着され、一体化している。芯材層90に発泡体を用いているので、軽量でかつ断熱性が高い特徴がある。
ところが、従来の壁板または天井板は車内騒音が大きい問題点があった。車内騒音の発生要因は大まかに言うと2種類あって、一つは走行中の車両や駆動装置からの振動が伝わり、壁板や天井板を振動させて放射音を発生するものである。他の一つは客室の外で発生した騒音が壁板や天井板を透過する音(透過音)である。これらの放射音や透過音は客室へ伝わって騒音となり、乗客に不快感を与える要因になる。従来の壁板や天井板は芯材層90が振動伝達経路となり、車両からの振動が減衰されること無くそのまま伝播してしまい、放射音が特に大きい。
そこで低騒音化の対策が検討された。一般に板は厚いほど、また、重量があるほど防音性能が向上する。その理由は、板が厚いほど透過音が減り、重量があるほど固体振動が伝播しにくくなって放射音が低減するからである。そのため芯材層や板材を厚くしたり、重くしたりする対策方法が考えられたが、重量増加に繋がるので車両全面には採用されていない。
上記問題を解決するため下記特許文献1には、サンドイッチパネルを用いた防音構造が開示されている。このサンドイッチパネルの連結部には制振材が設けられており、振動を抑制できる構造とされている。ところがこのような防音構造を用いても、必ずしも十分に放射音を低減できるわけではなかった。
特開2001−278039号公報
これまで説明したように、軽量の壁板や天井板は防音性に劣る。すなわち、芯材を改良するだけでは限界があり、軽量性および防音性を同時に改善することは難しい。また、断熱性を上げる要求も依然としてあり、これらの特性を備えた壁板や天井板に関する研究が、本出願人において長年続けられてきた。
本発明は上述のような事情を背景になされたものであって、特に、重量増を最小限に押さえ、高い断熱性があり、騒音の低減が可能な鉄道車両の壁板または天井板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、鉄道車両の壁板または天井板であって、板状かつ樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である弾性材層と、を含み、弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明は、鉄道車両の壁板または天井板であって、板状かつ発泡樹脂製の芯材層と、芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部及び、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である弾性材層と、を含み、弾性材層が振動低減層として機能し、かつ弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする。
本発明は芯材層と板材との間にある弾性材層に振動低減効果をもたせようとするものである。その結果、壁や天井からの放射音を低減することが可能となる。弾性材層はヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下であると効果的に放射音を低減することができる。
また、本発明は弾性材層が芯材層と板材との接着層を兼ねている。すなわち、芯材層の両面に第一及び第二の板材を配置して、これらを弾力性のある厚い接着剤で接着することで、接着層が弾性材層となるようにする。ここで使用可能な接着剤とは例えばヤング率が0.5MPa以上10MPa以下の範囲にあるウレタン系、シリコン系、変性シリコン系、エポキシ系、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系の接着剤である。このような接着剤はヤング率が10MPaを超える比較的硬い接着剤に比べて振動をより効果的に減衰でき、放射音の低減効果が高いため好適である。従来の壁板や天井板は図9に示すように、芯材層90と板材92が硬い接着剤層91で接着されているので、十分な振動低減効果を示さなかった。それに対して、本発明では弾性接着剤を使用しているので、従来の壁板または天井板よりも振動低減効果が高く、騒音を減少させることができる。
また、弾性材層は、芯材層と第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、第一の板材と芯材層との接合部および、第二の板材と芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在している。すなわち、芯材層と第一の板材とを接着する弾性材層と、芯材層と第二の板材とを接着する弾性材層が、両方ともヤング率0.5MPa以上10MPa以下で、かつ厚さ0.1mm以上2.0mm以下であると、これら2つの弾性材層が両方とも振動の減衰に寄与するので、放射音の低減効果が高い。どちらか一方の弾性材層だけが上記ヤング率および厚さの条件を満たすようにする事も可能である。その場合は放射音の低減効果を示すものの、若干、効果が低くなる。
芯材層に弾性材料を使用すれば、芯材層が上記弾性材層とともに、走行車両からの振動低減に寄与する。その結果、いっそう放射音を低減でき、騒音を下げることができる。芯材層には適度な圧縮強度と軽量性、そして断熱性が要求されており、このような要求を満たす材料としては、弾性発泡樹脂が好適に使用できる。弾性発泡樹脂とは合成樹脂に発泡剤を添加したり、機械的に泡立てたりして多数の気泡を内部に作った弾性樹脂のことであり、気泡を含むので軽く断熱性がある。発泡倍率は例えば5倍〜30倍程度であるとよい。特にポリプロピレンの発泡樹脂は軽量で、好適である。他にはアクリル、ポリエチレン、天然ゴム、クロロプレンゴムやSBR(スチレンブタジエンゴム)又はEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴム、ウレタン、木材、フェノール樹脂、塩化ビニルなどもよい。また、壁板または天井板としての強度を保つために、芯材層の圧縮強度は0.1MPa以上であることが望ましい。0.1MPa未満では壁板または天井板として必ずしも十分な強度とは言えない。
板材は高剛性および難燃性を備え、軽量な材料を用いるのが望ましく、具体的にはアルミニウムなどの金属や、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂などの耐熱性樹脂がよい。金属板は不燃性なので特に良く、中でもアルミニウム製の金属板は軽量であり、板材に好適に使用できる。
以上のように、本発明では芯材層の両面にそれぞれ弾性材層を介して第一、第二の板材を配置し、接着することによって、この弾性材層によって振動低減効果を奏させるものである。芯材層は弾力性および断熱性のある物質で形成されて、騒音低減効果と断熱効果を保持しつつ、弾性材層で防振性を高めることによって、芯材層と弾性材層のダブル効果で騒音を低減することができる。しかも、その弾性材層は芯材と第一、第二の板材の接着機能を兼ねるので、別途専用の弾性板材が省略できる。仮に専用の弾性板材を配置する場合は図5の断面図に示すように、芯材層51と弾性板材53との間の接着剤層54と、弾性板材53と板材52との間の接着剤層54とが二重に必要で、両面で同じ構造とすれば、2枚の弾性板材53と4層の接着剤層54が必要で、板材52を合わせれば全体で9層を有する構造となってしまう。これに対して、本発明では図1の断面図に示す構造となり、専用の弾性板材が不要で、弾性材層2が接着剤層を兼ねるので、芯材層1と第一及び第二の弾性材層2と、第一及び第二の板材3とのわずか5層の単純な構造でありながら、断熱性と防振性の両立を実現したものである。これによって、鉄道車両の壁板または天井板に求められる断熱性、高防振性及び安価という3つの条件を満たすトリプル効果を奏する。また、芯材を弾性発泡樹脂とすることで断熱性を確保しつつ一層の軽量化が達成でき、これによって断熱性、高防振性、安価および軽量化という4つの顕著な効果を同時に奏することができる。
以上説明したように本発明によれば、芯材層の両面にヤング率が0.5MPa以上10MPa以下で、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下の弾性材層を有するので、走行車両からの振動を弾性材層が広い周波数帯に渡って効率的に減衰でき、客室への騒音を有効に下げることができる。さらに、芯材層に弾性発泡樹脂材料を使用しているので上記弾性材層とともに振動を減衰でき、いっそう放射音を低減できるとともに、軽量で断熱性に優れた壁板または天井板を提供することができる。また、芯材層に0.1MPa以上の圧縮強度を有する弾性発泡樹脂材料を使用しているので、鉄道車両の壁板または天井板として十分な剛性を持たせることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は鉄道車両の壁板または天井板の構造を示す概略断面図である。この壁板または天井板は、板状かつ樹脂製の芯材層1の両面に2枚の板材3が配置された構造を有する。そして芯材層1と各板材3の間には弾性材層2があり、弾性材層2が接着層を兼ねている。弾性材層2はヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である。このようにすると弾性材層2は振動低減層として機能するので、客室には振動があまり伝わらず、放射音を低減できる。弾性材層は、ウレタン系、シリコン系、変性シリコン系、エポキシ系、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系の接着剤が好適に使用でき、中でもウレタン系接着剤が最も好ましい。
芯材層は弾性材料で構成されていると、上述した弾性材層とともに振動を減衰するので、客室への放射音をいっそう低減することが可能となる。芯材層は特にポリプロピレンの発泡樹脂を使用するのがよく、その圧縮強度は0.1MPa以上であることが望ましい。圧縮強度が0.1MPa未満では壁板または天井板として必ずしも十分な強度とは言えない。発泡樹脂の発泡倍率は5倍〜10倍が望ましい。発泡倍率が5倍未満だと密度が高くなり、必ずしも十分な軽量化を達成できない場合がある。また、発泡倍率が10倍を超えると圧縮強度が低くなり、壁板または天井板として必ずしも十分な強度が得られない場合がある。アクリル、ポリエチレン、天然ゴム、クロロプレンゴムやSBR(スチレンブタジエンゴム)又はEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴム、ウレタン、木材、フェノール樹脂、塩化ビニルなども芯材層として好適に使用できる。
弾性材層のヤング率および厚さの臨界的意味を説明する。弾性材層のヤング率が0.5MPa未満になると柔らかすぎて、壁または天井として使用した場合、必ずしも十分な強度が保てない。10MPaを超えると硬すぎて、走行車両からの振動を十分に減衰できず、放射音の低減効果が低くなる。より望ましいヤング率は2MPa以上5MPa以下である。
弾性材層の厚さが0.1mm未満になると走行車両からの振動が必ずしも十分に減衰することなく伝播してしまい、放射音を十分に低減できない。2.0mmを超えると全体の重量が重くなる問題が生じ、軽量化と両立しにくくなる。より望ましい厚さは0.3mm以上0.5mm以下である。なお、上記厚さとは弾性材層1層分の厚さのことである。
板材3、弾性材層2、芯材層1の厚さの、望ましい比率を説明する。板材3の厚さをA、弾性材層2の厚さをB、芯材層1の厚さをCとする。A/Bは0.2以上30以下とすることが望ましい。A/Bが30を超えると板材3が厚すぎて全体の重量が重くなる問題が生じ、必ずしも十分な軽量化ができない場合がある。A/Bが0.2未満だと板材3の厚さが薄すくなりすぎて、板材3が十分な強度を保ちにくくなる。また、B/Cは0.003以上0.35以下とすることが望ましい。B/Cが0.35を超えると弾性材層2が厚すぎる問題が生じ、必ずしも十分な軽量化ができない場合がある。B/Cが0.003未満だと弾性材層2の厚さが薄すぎて、接着強度が低くなる場合がある。
本発明においては、芯材層1と第一の板材3を接着する弾性材層2と、芯材層1と第二の板材3を接着する弾性材層2が、両方ともヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下であることが最も望ましい。弾性材層2が両方とも上記条件を満たすと、それぞれの弾性材層2が振動低減層として機能し、放射音を効果的に低減することができる。どちらか一方の弾性材層2だけが上記条件を満たすようにする事も可能である。その場合は、片方の弾性材層2だけが振動低減層として機能するので、放射音の低減効果はあるものの、若干、効果が低くなる。
本発明の壁板または天井板を鉄道車両に設置する形態について説明する。図6は鉄道車両の客室の概略断面図である。鉄道車両は図に示すように、台枠61、側構62、妻部63、屋根構64を含み、台枠61の上に床受け65を介して床板60が固定されている。側構62の内面には壁板Wが設置され、屋根構64の内面には天井板Cが設置されており、それぞれ客室の側壁および天井を構成する。側構62および壁板Wには図示しない車窓が取り付けられ、天井板Cにも照明器具68が所定の位置に取り付けられている。台枠61と床板60の間の空間には空調ダクト69が設置されており、該空調ダクト69によって客室内の空調が行われる。なお、図6では壁板Wおよび天井板Cはそれぞれ側構62および屋根構64と直接接触して設置されているが、間隔を空けて設置する場合もある。以上説明したように、本発明は客室の側壁および天井を構成するものである。台枠61の下部には図示しない駆動装置が設置されており、鉄道車両が走行する間は駆動装置や車両本体、または車輪などから振動が発せられ、壁板Wまたは天井板Cから伝わって騒音となるが、本発明においては上述したように、壁板Wまたは天井板Cに振動を低減する工夫がなされているので、乗客が感じる騒音が少ない。また、断熱性の高い芯材を用いているので、客室の空調に必要な電力が少なくてすむ。
壁板Wは図7(a)および図7(b)に示す箇所にも用いられる。図7(a)は鉄道車両の横断面図であり、図に示すように、客室とデッキとの境は2枚の壁板Wから構成されており、壁板Wの間には自動ドアが組み込まれている。一方、妻部63の内壁面は壁板Wが設置されている。妻部63の中央には貫通路があり、隣の車両への移動に使われる。これらデッキ−客室の境界、または妻部の内壁面は例えば図7(b)に示す構造を有する。壁面は周辺部がアルミニウム等から成る複数の周縁部材71で補強されており、壁面の中央には隣の車両に移動するための貫通路または自動ドアが形成されている。これら壁板Wおよび周縁部材71の表面には図示しない化粧板が貼られ、客室またはデッキから直接、見えないようにされている。
図8は客室の両端における、壁板Wと周縁部材71との接合部の一実施形態を示す概略断面図である。壁板Wの枠は中空のフレーム82からなり、フレーム82内部に空洞83を含むことで、軽量化とコストダウンが図られている。板材3が芯材1およびフレーム82を挟むとともに、一方の板材3(図では下側)が側面から突出して、周縁部材71との接合部85を構成する。フレーム82と板材3は構造用テープ又はフレーム用接着剤84で接着されている。周縁部材71の厚さは壁板Wと略同じであり、接合部85と合うように段差がつけられている。周縁部材71と壁板Wは両面が揃い、面一となるように接合され、必要な箇所に金属製のネジ81が打ち込まれて固定される。
本発明の効果を確認するために加振試験を行った。実験に用いる板として、下記表1に示す実施例1〜4および比較例1を作成した。
実施例1、2および比較例1の製造条件について以下に説明する。まず、アクリル系発泡樹脂からなり、圧縮強度が2MPaで厚さ19mmの芯材層を用意して、その両主表面にヤング率が3MPaのウレタン系接着剤を塗布した。その芯材にアルミニウム合金製で厚さ1.0mmの板材を貼り合わせて500g/cmでプレスした。このようにして弾性材層(接着剤層)の厚さが0.3mmの板を作成して、本発明に属する実施例1とした。全体の大きさは430mm×430mmとした。
次に、ポリプロピレン製の発泡樹脂からなり、圧縮強度が0.2MPaで厚さ19mmの芯材層を用いて、本発明に属する実施例2を作成した。芯材層以外の製造条件は実施例1と同じである。また、図5の構造を有する従来の板を用意して、本発明外の比較例1とした。
試験装置を図2に示す。試験対象となる板を弾性支持体28によって吊り下げ、その試験対象の下面に連接棒26を介して加振器21を配置した。加振器21はノイズ発生器22から信号が送られ、それに応じて様々な周波数の振動Vを発生する。振動Vは連接棒26を通って試験対象に伝わり、放射音を発生させる。試験対象の上方に配置したインテンシティマイク24により放射音を測定し、それをハイパスフィルターを介して直接積分型インテンシティ計25へ導いた。そして測定値をコンピュータに記憶した。
測定結果を図3(a)のグラフに示す。グラフから明らかなように、実施例1および実施例2は100Hz〜4kHzに渡って際立ったピークが見られないとともに、オーバーオール値が比較例1よりも低減した。この結果から弾性材層を有する実施例1および実施例2は放射音量の低減効果が高いことが確認できる。また、実施例1と実施例2を比較すると、実施例2の方が放射音を低減しやすいことが分かる。これは芯材層のヤング率が異なるためである。ヤング率が低い芯材層を有する実施例2は、芯材層と弾性材層がともに振動の低減に寄与するので、放射音を低減しやすい。
次に、弾性材層のヤング率の、放射音量に対する影響を確認するための実験を行った。そのために、上記表1に示す実施例3を作成した。実施例3はアクリル系発泡樹脂製の芯材層を用意し、その両主表面にヤング率が0.8MPaのウレタン系接着剤を塗布して、アルミニウム合金製の板材を貼り合せたもので、本発明に属する。接着剤以外の製造条件は実施例1と同じとした。実施例1および実施例3の放射音を測定した結果を図3(b)に示す。この結果から、接着剤層のヤング率が低い実施例3の方が放射音を低減しやすいことが確認できる。
次に、片面にのみ弾性材層を形成した場合の比較実験を行った。そのために、上記表1に示す実施例4を作成した。実施例4は芯材層と一方の板材を厚さ0.3mm、かつヤング率3MPaの弾性材層で接着し、他方の板材をヤング率30MPaの硬質接着剤で接着したもので、本発明に属する。接着剤層以外の条件は実施例1と同じとした。一方、上述の比較例1は両面ともヤング率30MPaの硬質接着剤で接着されており、この比較例1と、実施例1、実施例4を使って放射音の測定を行った。その測定結果を図4に示す。図のオーバーオール値から明らかなように、放射音が大きい順に比較例1、実施例4、実施例1となっており、両面とも弾性材層にした実施例1が最も放射音量が低く、片面だけ弾性材層にした実施例4がその次に低い。比較例1、実施例4、実施例1のオーバーオール値から、弾性材層が0層、1層、2層と増えるごとに放射音の低減効果が高くなることが分かる。
鉄道車両の壁板または天井板の一実施形態を示す概略断面図。 加振試験に用いた装置の構成図。 加振試験の結果を示すグラフ。 片面のみ弾性材層を有する壁板または天井板の、加振試験の結果を示すグラフ。 仮に専用の弾性板材を使用した場合の断面図である。 鉄道列車の一実施例を示す断面図。 同じく(a)横断面図および(b)客室−デッキの境界または妻部の内壁面を示す断面図。 壁板の接合部の一実施形態を示す断面図。 従来の壁板または天井板を示す断面図。
符号の説明
1 芯材層
2 弾性材層
3 板材
53 専用の弾性板材
54 専用の接着層
C 天井板
V 振動
W 壁板

Claims (6)

  1. 鉄道車両の壁板または天井板であって、
    板状かつ樹脂製の芯材層と、
    前記芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、
    前記芯材層と前記第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、前記第一の板材と前記芯材層との接合部及び、前記第二の板材と前記芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である弾性材層と、
    を含み、前記弾性材層が振動低減層として機能し、かつ前記弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする鉄道車両の壁板または天井板。
  2. 鉄道車両の壁板または天井板であって、
    板状かつ発泡樹脂製の芯材層と、
    前記芯材層の両面に配置された第一及び第二の板材と、
    前記芯材層と前記第一及び第二の板材とをそれぞれ接着するとともに、前記第一の板材と前記芯材層との接合部及び、前記第二の板材と前記芯材層との接合部との少なくとも一方の接合部に介在し、ヤング率が0.5MPa以上10MPa以下であり、かつ厚さが0.1mm以上2.0mm以下である弾性材層と、
    を含み、前記弾性材層が振動低減層として機能し、かつ前記弾性材層が接着層を兼ねていることを特徴とする鉄道車両の壁板または天井板。
  3. 前記芯材層の圧縮強度は0.1MPa以上である請求項1または請求項2に記載の鉄道車両の壁板または天井板。
  4. 前記弾性材層は、ウレタン系接着剤層、シリコン系接着剤層、変性シリコン系接着剤層、エポキシ系接着剤層、アクリル系接着剤層、天然ゴム系接着剤層、合成ゴム系接着剤層のいずれか一つからなる請求項1または請求項2に記載の鉄道車両の壁板または天井板。
  5. 前記芯材層は、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン、クロロプレンゴム、SBR(スチレンブタジエンゴム)、天然ゴム、合成ゴム、木材、フェノール樹脂、塩化ビニルのいずれか一つからなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の鉄道車両の壁板または天井板。
  6. 前記板材は金属板である請求項1または請求項2に記載の鉄道車両の壁板または天井板。
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JP2015206836A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 新日鐵住金株式会社 パネル部材

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