JP2005238940A - ランプ制御装置およびそれを搭載した自動車 - Google Patents

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学 鶴田
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Abstract

【課題】 人間がランプを点灯消灯させたいタイミングと、自動制御によってランプを点灯消灯させるタイミングを一致させることができるランプ制御装置を提供する。
【解決手段】 照度を検出して照度情報を出力する照度検出手段3と、ランプ6の消灯点灯を切り替えるための基準照度を記憶する記憶部2と、照度情報と基準照度とランプ6の点灯消灯状態とによって、自動的にランプ6の点灯消灯を切り替える制御部1とを備えたランプ制御装置において、ランプ6の点灯消灯の切り替えを指示する切替指示入力部5を設け、制御部1によって自動的にランプ6の点灯消灯の切り替え制御がなされているときであっても、切替指示入力部5からの指示に応じて、ランプ6の点灯消灯を切り替え可能に構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、照度を検出して照度情報を出力する照度検出手段と、ランプの消灯点灯を切り替えるための基準照度を記憶する記憶部と、照度情報と基準照度とによって、自動的にランプの点灯消灯を切り替える制御部とを備えたランプ制御装置、および、そのランプ制御装置を搭載した自動車に関するものである。
特許文献1に記載された技術は、例えば自動車のライトの自動点灯、自動消灯を行うオートライトセンサーに関するもので、このセンサの感度調節を容易に行う手段が提案されている。ここに記載された技術では、センサの受光部の前方に濃淡着色したフィルム状のマスクをスライド可能に配置して、このマスクを摺動させることにより、センサへ取り入れられる光の量を調節するようにしている。具体的には、現在の点灯タイミングよりも周囲が明るい時点で点灯させる場合は、このフィルム状のマスクの濃い色の部分がセンサの受光部に位置するようにマスクを配置する。反対に、現在の点灯タイミングよりも周囲が暗い時点で点灯させる場合は、マスクの淡い色の部分が受光部に位置するようにマスクを配置する。
また、特許文献2にも、自動車のオートライト制御装置の点灯消灯タイミングを調節する技術が提案されている。特許文献2に記載された技術は、オートライト制御装置が点灯消灯の切り替えを行うしきい値照度を示す電圧値を可変にするものである。具体的には、いくつかのポジション(しきい値の段階)を有するスイッチを設けて、そのスイッチを所定のポジションに設定することで、点灯消灯のタイミングを段階的に自分の望むものに可変にできるようにしている。周囲がより明るい状態で点灯させたければ、しきい値電圧を明るい側に設定する。周囲が暗い状態で点灯させたければ、しきい値電圧を暗い側に設定する。こうして、運転手の各人の照度に対する目の感応速度に合わせてボリューム的に自分の望む時間に可変にすることができるというものである。
特開平10−90055号公報(段落番号[0004]〜[0007]) 特開2000−318512号公報(段落番号[0006]、[0007]、[0021]、[0022]、[0032])
以上のように、照度検知の感度や、点灯消灯の切り替えしきい値を可変にすることで、点灯消灯のタイミングを調整できるランプ制御装置がすでに提案されている。しかし、特許文献1に記載の方法は、周囲の照度を測定するセンサー自体に取り付けられた濃淡フィルムを摺動させて調整を行うもので、運転中には調整を行うことができない。また、特許文献2に記載の方法も、運転中に調整することは困難と考えられる。仮に、運転中でも調整が可能なようにポジションスイッチを配置したとしても、ポジション数が少なければ、所望のタイミングには調整できない可能性が高くなり、逆にポジション数が多ければ、運転中の作業量が増大し、好ましくない。
また、人間が照度を数値的に記憶することは困難であり、実際に点灯消灯のタイミングを変更したかった時点の照度を思い出して、停車時に調整するようなことは事実上不可能である。従って、ランプ制御装置に調整機能が備わっていても、結局は、人間の感覚とはずれた調整結果となってしまう。上記、2種類の特許文献にて提案された技術だけでは、人間の感覚に良く適合して、変更・調整を行いたい時に迅速に対応できるランプ制御装置は実現できない。
本発明は、このような問題点に鑑みて、人間がランプを点灯消灯させたいタイミングと、自動制御によってランプを点灯消灯させるタイミングを一致させることができるランプ制御装置を提供することを目的とし、さらには、この様なランプ制御装置を備えた自動車を提供することにある。
[第一特徴構成]
本発明に係る第一特徴構成は、ランプの点灯消灯の切り替えを指示する切替指示入力部を設け、制御部によって前記ランプの点灯消灯の切り替え制御がなされている点灯消灯制御状態において、前記切替指示入力部からの指示に応じて、前記ランプの点灯消灯を切り替え可能に構成した点にある。
本発明に係る第一特徴構成によれば、ランプの点灯消灯の切り替えを自動的に制御している制御部とは独立した切替指示入力部を設けて、前期切替指示入力部からの切り替え指示によって、前記ランプの点灯消灯の切り替えが可能となるように構成したので、ランプの点灯消灯の切り替えが自動的に制御されているような環境下であっても、別途切替指示入力部からの指示によって、自動制御に依らないタイミングで、点灯消灯の切り替えを行うことができる。ここで、前記切替指示入力部は、高度な判断機能を持つ別の制御装置からの入力を受けるものであっても良いし、単純に使用者の指示を受けるものであっても良い。このように、構成することによって、オートライト機能という自動制御による利便性は保持したままで、例えば、自動制御と使用者の感覚のずれを補い、より利便性を高めることができる。
[第二特徴構成]
本発明に係る第二特徴構成は、前述した第一特徴構成に加えて、前記切替指示入力部からの指示入力時に、前記照度検出手段において検出された前記照度情報を新たな基準照度として前記記憶部に記憶し、前記新たな基準照度に基づいて、前記制御部が自動的に前記ランプの点灯消灯を切り替える点にある。
本発明に係る第二特徴構成によれば、ランプの点灯消灯を切り替えるタイミングを定める基準照度を、前記制御部とは独立した前記切替指示入力部からの指示によって、新たな照度に変更して、前記変更された照度を基準照度として、前記点灯消灯の切り替えを自動的に制御するので、例えば、使用者が点灯して欲しいと思う時点で基準照度を変更することで、使用者の感覚に合ったタイミングで切り替えを行うように、継続的な効果のある調整を施すことが可能となる。すなわち、自動制御の利便性は全く損なわず、自動制御をより使用者の感覚にあったものに更新することができる。
[第三特徴構成]
本発明に係る第三特徴構成は、前述した第一特徴構成に加えて、前記切替指示入力部からの指示に応じて、前記ランプの点灯消灯を切り替えるとともに、前記切替指示入力部からの指示入力時に、前記照度検出手段において検出された前記照度情報を新たな基準照度として前記記憶部に記憶する点にある。
本発明に係る第三特徴構成によれば、前記制御部とは独立した前記切替指示入力部からの指示によって、ランプの点灯消灯を切り替えると共に、ランプの点灯消灯を切り替えるタイミングを定める基準照度を、新たな照度に変更し、以降は、前記変更された照度を基準照度として、前記点灯消灯の切り替えを自動的に制御するようにしたので、使用者が切り替えたいと感じた時点で即座に点灯消灯を切り替えることができる。さらにそれ以降は、使用者の感覚に合ったタイミングで切り替えを行うように、継続性のある調整を施すことが可能となる。すなわち、自動制御の利便性は残したままで、割り込み的な切り替えを可能とし、切り替えを行った後は、より使用者の感覚にあったものに更新された自動制御によってランプの点灯消灯の切り替えを行うことができる。
[第四特徴構成]
本発明に係る第四特徴構成は、前述した第一特徴構成から第三特徴構成に加えて、切替指示入力部は、手動で切り替え指示がなされるスイッチである点にある。
本発明に係る第四特徴構成によれば、切替指示入力部を、手動で切り替えるスイッチで構成したので、使用者が切り替えたい時機に、確実かつ迅速に切り替え指示を行うことができる。従って、切り替え指示が発せられたことで、実現されるランプの点灯消灯の切り替えや、基準照度の更新が、使用者の意図した時機に確実かつ迅速に実施できる。
[第五特徴構成]
本発明に係る第五特徴構成は、前述した第一特徴構成から第四特徴構成に加えて、基準照度は、点灯基準照度もしくは消灯基準照度、もしくはその両方である点にある。
本発明に係る第五特徴構成によれば、基準照度を、消灯した状態から点灯させる場合の点灯基準照度と、点灯した状態から消灯させる場合の消灯基準照度のいずれか、もしくはその両方であるように構成したので、これら複数の照度についてオートライト動作を行う状況で、周囲の条件柔軟に対応できる共に、使用者の感覚により良く合わせることができる。人間の目の暗い方への順応速度が遅いことを考慮して、消灯基準照度を、点灯基準照度よりも明るく設定するなどの柔軟な設定が可能となる。
[第六特徴構成]
本発明に係る第六特徴構成は、前述した第一特徴構成から第五特徴構成に加えて、ランプは自動車のライトである点にある。
本発明に係る第六特徴構成によれば、自動的に点灯消灯の制御がなされるランプを自動車のライトとしたので、運転中には自動制御によって、ライトの点灯消灯に気を使うことなく、運転に集中でき、安全性が向上する。さらに、その点灯消灯のタイミングが運転者の感覚と合わないときには、容易かつ確実かつ迅速に、恒久的な効果を奏する調整を施すことができる。従って、運転に集中できる環境を維持したままで、より運転者の感覚にあった制御タイミングへと自動制御を更新でき、さらに安全運転の助けとなる。
すなわち自動車としては、前述した第一特徴構成から第六特徴構成のいずれかに記載のランプ制御装置を備えるとともに、前記ランプ制御装置により作動制御される前記ランプを備え、前記制御部が働いて、自動的に前記ランプの点灯消灯を切り替える制御を作動させるオート制御スイッチと、前記切替指示入力部としてのスイッチとを備えているようなものとなる。
以下、本発明に係るランプ制御装置を自動車のオートライト制御システムに適用した場合の実施例を、図面に基づいて説明する。まず、従来から行われているライトの点灯消灯方法について簡単に説明する。
[従来の構成]
一般的に自動車のライトを制御するスイッチ類は、図9に示すように運転席の近傍に配置されている。マニュアルライトスイッチ41は、手動でヘッドライト、スモールライトなどの点灯消灯を行うスイッチで、図9乃至図11に示したようにコンビネーションスイッチ12に設けられている。コンビネーションスイッチ12の先端に設けられた回転部19を摺動回転し、消灯位置13、スモールライト位置14、ヘッドライト位置15に合わせることにより、手動でスモールライト、ヘッドライトを点灯消灯させる。
オートライト制御スイッチ43は、周囲の照度に合わせて自動的にヘッドライト、スモールライトなどの点灯消灯を行うオートライト制御を起動するスイッチである。コンビネーションスイッチ12に設けられた場合は、図10のようにコンビネーションスイッチ12の先端にある回転部19を摺動回転し、オートライト制御位置16に合わせることで、オートライト制御状態にする。
オートライト制御を行うための照度検出は、図9に示すようにダッシュボード11の上に配置された照度センサ3を用いて行われる。また、オートライト制御が、オプショナルサービスで付加されるような場合では、オートライト制御スイッチ43が照度センサ3と一体化したモジュールに組み込まれて、配置される場合もある。この場合は、コンビネーションスイッチ12は、オートライト制御スイッチ43を含まず、図11に示すような構成となっている。
イグニッションスイッチ42は、エンジンキー差込口18に設けられたもので、エンジンキーを差し込み、オン位置に設定することでスイッチがオン状態となる。
マニュアルライトスイッチ41、イグニッションスイッチ42、オートライト制御スイッチ43の各スイッチの設定状態によって、オートライト制御を行うか否かが、図9乃至図11には不図示の制御装置によって判断される。オートライト制御がなされる場合は、照度センサ3からの照度情報と、あらかじめ設定された点灯消灯の基準照度とに基づいて、図9乃至図11には不図示の制御装置が点灯消灯の判断を行い、リレー等のスイッチング手段を介してライトの点灯消灯を制御する。
[本発明の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るランプ制御装置を自動車のオートライト制御システムに適用した場合の全体のシステム構成を示す概略図である。図2、図3は、図1に記載の各スイッチ類の好適な配置例である。まず、図1乃至図3を利用して、全体のシステム構成について説明する。
制御部1は、第一入力部4のマニュアルライトスイッチ41、イグニッションスイッチ42、オートライト制御スイッチ43の設定状態によって入力される信号に基づいて、駆動信号出力部7に駆動信号を出力し、ランプ6の点灯・消灯を制御する。ランプ6の点灯消灯が自動的に行われるように制御(以下、オートライト制御)されているときには、さらに、照度検出手段3からの照度情報と、記憶部2に記憶された基準照度によって、ランプ6の点灯消灯を制御する。電源回路8は、バッテリー81からの電圧を定電圧に安定化する安定化回路である。電源回路8で安定化された電源電圧は、制御部1、記憶部2、照度検出手段3に供給される。第二入力部5は、オートライト制御が実施されているときに、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6を点灯・消灯させるための切替指示スイッチ51(切替指示入力部)を備えている。
第一入力部4のマニュアルライトスイッチ41は、本例では、図2、図3に示したように回転部19を摺動回転し、手動で点灯消灯を設定するコンビネーションスイッチ12に設けられている。マニュアルライトスイッチ41の状態は、マニュアルライトスイッチ信号D41として制御部1へ入力される。なお、ライトには、スモールライト、ヘッドライトがあるが、本発明を説明する上では、特に区別する必要はない。よって、本例では、両ライトを一括して単にライトまたはランプと称し、区別なく扱う。マニュアルライトスイッチ41によって生じる信号も同様に区別の必要がなく、単にマニュアルライトスイッチ信号D41として扱う。
また、周囲の照度に合わせて自動的にヘッドライト、スモールライトなどの点灯消灯を行うオートライト制御を起動するスイッチである第一入力部4のオートライト制御スイッチ43も、図2、図3に示すようにコンビネーションスイッチ12に設けられている。マニュアルライトスイッチ41と同様に回転部19を摺動回転し、オートライト制御位置16に合わせることで、オートライト制御信号D43をオン状態にする。
エンジンキー差込口18に設けられたイグニッションスイッチ42は、エンジンキーを差し込み、オン位置に設定することでスイッチがオン状態となり、イグニッションスイッチ信号D42として制御部1へ入力される。
第二入力部5に設けられたスイッチは、オートライト制御が実施されているときに、例えば、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6を点灯消灯させるための切替指示スイッチ51である。制御部1とは別の、高度な判断機能を持つ制御部装置などから指示を出しても良いが、ここではより分かり易く説明するために、人が操作するスイッチとして説明する。このスイッチは、運転中など、注意を逸らすことができない時に操作される可能性が高いので、操作し易い場所に配置されることが望ましい。好適な配置例としては、図2、図3に示すようなものがある。図2に示したものは、コンビネーションスイッチ12のオートライト制御スイッチ43に連接して設けた例であり、回転部19を回転して切替指示位置17に合わせることで切替指示スイッチ51をオンにする。図3に示したものは、コンビネーションスイッチ12の回転部19に押しボタン状の切替指示スイッチ51を設けた例である。
図1に第一入力部4、第二入力部5として図示した例では、各スイッチを簡易的に押しスイッチとして表している。勿論、他の実施の形態として、スライドスイッチやロータリスイッチなどを用いても良い。押しスイッチとして表した本実施の形態では、マニュアルライトスイッチ信号D41、イグニッションスイッチ信号D42、オートライト制御信号D43、オートライト制御信号D51は、オン状態でLowレベルの信号である。抵抗器44、45、46、52は、上記各スイッチがオフ状態の時に上記各スイッチ信号をHighレベルに確定しておくためのプルアップ抵抗である。
照度検出手段3は、車体周辺の照度を感知し易く、運転者の視点と近い位置での照度を捕らえやすいようにダッシュボード11上に設置された照度センサ3で構成している。ただし、この位置に限るものではなく、フロントガラスの上部に配置したり、ルームミラーの裏(進行方向側)に配置しても良い。照度センサ3の出力D31は、照度Lとして、制御部1へ入力される。
上記各スイッチからの信号入力や、照度センサ3からの入力を受けてオートライト制御を実行する制御部1は、好適にはマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)や、論理回路によって構成される。記憶部2は、オートライト制御における点灯消灯のしきい値(基準照度に該当)を格納する記憶手段で、RAMやROMなどのメモリによって構成される。より好適には、書き換え可能であって、電源供給が絶たれた状態でも記憶内容を保持できるフラッシュメモリや、低消費電力のスタンバイモードを有してバックアップ用の小容量の電源で記憶内容を保持できるSRAMなどで構成すると良い。なお、オートライト制御シーケンスの途上での一時記憶に使用するレジスタ、メモリなどの一時記憶手段は、制御部1の中に含まれている。また、周辺回路を内蔵したマイコンなどで制御部1が構成される場合には、前記記憶部2も、制御部1の内部に含まれている場合がある。
制御部1がランプの点灯消灯の制御を実行した結果としての出力信号は、制御部1から駆動信号出力部7へ出力される。図1に示した例では、スイッチング素子である電界効果型トランジスタ(以下、FETと称す)71のゲート端子に入力され、FET71がオンすると、リレーコイル74に電流が流れて、リレー接点73が閉じ、ランプ6が点灯するように構成されている。消灯の場合は、この逆に制御部1からの出力信号によってFET71がオフし、リレーコイル74の電流が遮断され、リレー接点73が開放されてランプ6が消灯する。抵抗75は、FET71のゲート電極を保護する抵抗であり、抵抗76は非点灯状態の時にFET71を確実にオフさせるためのプルダウン抵抗である。ここでは、FET71とリレー72を用いて、駆動信号出力部7を構成したが、これに限ることなく、パワートランジスタや、パワーMOSFETのようなスイッチング素子を用いて構成してもよい。
リレー72を介してランプ6に供給される電源は、本実施の形態では、バッテリー81より直接供給している。ランプ6での消費電力は、制御部1などの消費電力に比して大きく、電源安定化回路を経由させると電源回路8の電流容量を不必要に大きくする必要がある。ランプ6に供給する電源は、誤動作を招く論理回路やマイコンなどに対して、厳密な安定化が必要ではないので、直接バッテリー81より電源を供給している。電源回路8の電流容量を大きくでき、また、安定化した電源でランプ6を駆動したい場合は、安定化回路を経由するようにしてもよい。
続いて図4のフローチャートに基づいて、オートライト制御の動作を説明する。制御部1は、このフローチャートに示す処理を繰り返し実行している。
オートライト制御の作動に先立ち、制御部1は、作動条件確認フロー20において、第一入力部4の各スイッチの状態を確認し、オートライト制御を作動させるべきか否かを判断する。まず初めに、マニュアルライトスイッチ41の状態を確認する(ステップS1)。マニュアルライトスイッチ41が、スモールライト位置14、あるいはヘッドライト位置15に設定されていた場合には、そのスイッチ位置に従って、ランプ6を点灯し、自動制御による点灯消灯処理は行わずにフローチャートの処理を終了する。
マニュアルライトスイッチ41が消灯位置13に設定されていた場合は、イグニッションスイッチ42の状態を確認する(ステップS2)。イグニッションスイッチ42がオン位置に設定されていなければ、ランプ6の消灯処理を行って、処理を終える。ここでランプ6の消灯処理とは、ランプ6の点灯信号を非点灯状態であるオフにすることであり、ランプ6が消灯中であっても点灯中であっても消灯処理される。
イグニッションスイッチ42がオン位置に設定されていた場合は、オートライト制御スイッチ43の状態を確認する(ステップS3)。すなわち、図10に示すオートライト制御位置16に設定されているかどうかを確認する。オートライト制御スイッチ43がオン位置に設定されていなければ、ステップS2と同様に消灯処理を行って処理を終了する。オートライト制御スイッチ43がオン位置に設定されていれば、オートライト制御を作動させる条件が全て整っていることになる。従って、作動条件確認フロー20を抜けて、オートライト制御の本処理へと移行する。
作動条件確認フロー20を抜けると、次に照度センサ3の出力D31を読み込み、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に照度情報として照度Lを記憶する(ステップS4)。なお、照度Lは、好適には、デジタルデータで記憶され、本例では、数値が小さい場合が暗く、数値が大きい場合が明るい状態を示すこととする。このデジタルデータは、照度センサ3において、アナログ−デジタル変換(A/D変換)されたものでも良く、不図示のA/D変換回路を経由して制御部1に入力されたものでも良い。また、制御部1内部にA/D変換手段を持ち、制御部1にはアナログデータで出力D31を入力し、制御部1内でデジタル化して、一時記憶手段に格納しても良い。
ステップS4を終えると、点灯消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)に移行する。点灯消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)では、制御部1内の不図示の一時記憶手段(レジスタ等)に基準照度(点灯消灯のしきい値)THを格納する。基準照度THは、記憶部2より読み出された記憶済しきい値データD21である場合と、第二入力部5の切り替え指示に基づいて、新たに設定されたしきい値データである場合とがある。基準照度THの設定方法を含めたステップS5の詳細については後述し、まず、図4に沿って、点灯・消灯条件確認フロー30を先に説明する。
なお、本例では、照度L(感度情報)と同様にこのしきい値(基準照度)もデジタルデータであり、デジタルデータの大小と明暗の関係も照度Lと同様である。
点灯・消灯条件確認フロー30では、まず、初めに、ランプ6の点灯状態を確認する(ステップS6)。これは、制御部1自身が出力しているランプ6点灯信号の状態によって判断できる。すなわち、抵抗75を介してFET71のゲート端子へ入力される信号が、Highレベルであれば、オンの状態でランプは点灯中、Lowレベルであれば、オフの状態でランプは消灯中である。
ランプ6が消灯中であれば、ステップS7aに進む。すなわち、すでに制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に記憶された照度Lと記憶部2から読み込んだしきい値THとの間に下記判断条件1の関係が成り立つか否かを確認する。
照度L ≦ しきい値TH ・・・(判断条件1)
周囲の照度がしきい値以下であること、すなわち、基準照度以下の暗さであることを確認する。そして、判断条件1が成り立つ時には、周囲が暗いので、ランプ6の点灯信号をオンにするように制御し(ステップS8a)、ランプ6を点灯させる。
逆に、判断条件1が成立しないときは、周囲が基準照度よりも明るいことになる。従って、ランプ6を点灯する必要はなく、処理を終了する。もちろん、ランプ6が消灯中であることに変化はないが、ランプ点灯信号を改めてオフにする処理(ステップS8b)を行っても良い。
ランプ6が点灯中であれば、ステップS7bに進む。すなわち、照度Lとしきい値THとの間に下記判断条件2の関係が成り立つか否かを確認する。
照度L ≧ しきい値TH ・・・(判断条件2)
周囲の照度がしきい値以上であること、すなわち、基準照度以上の明るさであることを確認する。そして、判断条件2が成り立つ時には、周囲が明るいので、ランプ6の点灯信号をオフにするように制御し(ステップS8b)、ランプ6を消灯させる。
逆に、判断条件2が成立しないときは、周囲が基準照度よりも暗いことになる。従って、ランプ6を消灯する必要はなく、処理を終了する。もちろん、ランプ6が点灯中であることに変化はないが、ランプ点灯信号を改めてオンにする処理(ステップS8a)を行っても良い。
なお、点灯・消灯条件確認フロー30において判断された後の点灯消灯制御は、ディレイ時間を設けて行っても良い。たとえば、点灯時は、判断後ただちに点灯するように制御し、消灯時は、判断後一定のディレイ時間を加えてから消灯するなどの不図示の処理を加えても良い。明るさに対する人間の目の順応性は暗から明へは早いが、明から暗へは遅く、周囲照度の変化にただちに対応させると好ましくない場合があるからである。
また、同様の問題に鑑みて、明から暗への移行時のしきい値を、暗から明への移行時のしきい値に対して暗い基準照度に設定することも可能である。上記の例では、明から暗への移行時と、暗から明への移行時とを同一の基準照度(しきい値TH)を用いて説明したが、点灯時の基準照度のしきい値THonと消灯時の基準照度のしきい値THoffとの2種類を設けても良い。図4に示したフローチャートでは、2種類の基準照度を持った場合の例を記載している。
次に先ほど省略した点灯・消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)について、図5のフローチャートを用いて詳述する。
点灯・消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)に入ると、まず、ランプ6の点灯状態が確認される(ステップS51)。これは、これまでと同様に制御部1自身が出力する点灯信号のオン/オフで判断できる。このステップは、基準照度として点灯しきい値と消灯しきい値とを設定している場合に、どちらのしきい値に対する処理を施すかを決定するために設けられている。
以下の処理は、点灯しきい値もしくは消灯しきい値に対する処理でいずれも同じ処理形態である。まず、切替指示信号D51の有無を確認(ステップS52a、S52b)する。切替指示信号D51が、オンの場合は、照度センサ3で得られた照度Lを点灯消灯切り替え用のしきい値として、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に格納する(ステップS53a、S53c)。切替指示信号D51が、オフの場合は、記憶部2に格納されたしきい値テーブルから読み出したしきい値D21を、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に格納する(ステップS53b、S53d)。
次に、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に記憶されたしきい値を、更新しきい値データD22として、記憶部2のしきい値テーブルに書き込み(ステップS54a、S54b)、S5処理を終了する。
つまり、切替指示信号D51がオフの場合は、記憶部2から読み出したしきい値D21がそのまま更新しきい値データD22として書き戻される。切替指示信号D51がオンの場合は、照度Lが更新しきい値データD22として書き込まれる。こうして、切替指示信号D51がオンのとき、運転者の好みに応じたしきい値に更新することができる。
なお、本例では、切替指示信号がオフである経路のステップS53b、S53dの後にも、記憶部2への書き込み処理(ステップS54a、S54b)を通るようにしたが、S54a、S54bを経由せず、処理S5を終了しても良い。
なお、点灯しきい値と消灯しきい値とが、別々に設定されていない場合は、ステップS51の処理は不要となり、以下、図中の点灯しきい値THonを、しきい値THに読み替えて、ステップS52a、S53aもしくはS53b、S54aを経由して、処理S5を終了する。
処理S5を終了すると、処理S5において設定された基準照度に基づいて、ステップS6の点灯・消灯条件確認フロー30に進む。ステップS6以降の処理内容については、すでに説明したとおりであるが、更新されたしきい値を用いた場合について補足する。
ランプ6が消灯中であれば、ステップS7aに進む。すなわち、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に記憶された、照度L(於ステップS4)としきい値THon(於ステップS53a)との間に下記判断条件3(≒判断条件1)の関係が成り立つか否かを確認する。
照度L ≦ しきい値THon ・・・(判断条件3)
処理S5(S53a)で、しきい値THonは、照度Lの値に更新されているので、
照度L = しきい値THon
となっている。従って、判断条件3の関係が成立するので、ランプ6の点灯信号をオンにするように制御し(ステップS8a)、ランプ6を点灯させる。つまり、ランプ6が消灯しているときに、運転者が切替指示スイッチ51を操作することで、ランプ6を点灯させることができる。さらに、その時の照度で、次回以降のオートライト制御による点灯ができるようにしきい値が設定される。
ランプ6が点灯中であれば、ステップS7bに進む。すなわち、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に格納された、照度L(於ステップS4)としきい値THoff(於ステップS53c)との間に下記判断条件4(≒判断条件2)の関係が成り立つか否かを確認する。
照度L ≧ しきい値THoff ・・・(判断条件4)
処理S5において、しきい値THoffは、照度Lの値に更新されているので、
照度L = しきい値THoff
となっている。従って、判断条件4の関係が成立するので、ランプ6の点灯信号をオフにするように制御し(ステップS8b)、ランプ6を消灯させる。つまり、ランプ6が点灯しているときに、運転者が切替指示スイッチ51を操作することで、ランプ6を消灯させることができる。さらに、その時の照度で、次回以降のオートライト制御による消灯ができるようにしきい値が設定される。
なお、点灯消灯で同じしきい値が用いられる場合であっても、判断条件1、判断条件2の関係が成立するので、同様である。
このように構成することによって、オートライト制御の利便性を全く損なうことなく、運転者個人の目の特性によって異なる基準照度としてのしきい値TH(THon、THoff)を、人間の感覚に近く設定可能とすることができ、より使用者の感覚にあったオートライト制御を得ることができる。
[別実施の形態1]
以上、説明したオートライト制御の処理方法は、切替指示入力部(切替指示スイッチ51)からの指示で、照度情報(照度L)を新たな基準照度(しきい値)として記憶部2に記憶し、新たな基準照度に基づいて、制御部1が自動的にランプ6の点灯消灯を切り替えるものである。
しかし、制御の処理方法はこれに限ったものではなく、例えば、下記に示すような処理を行っても構わない。すなわち、切替指示入力部(切替指示スイッチ51)からの指示に応じて、ランプ6の点灯消灯を切り替えるとともに、照度情報(照度L)を新たな基準照度として記憶部2に記憶するように構成しても良い。
図6、図7にこの処理方法のフローチャートを示す。ステップS1からS4までは、同様に処理を進め、照度Lを読み込んだ後、切替指示信号D51の状態を確認する(ステップS5A)。切替指示信号D51がオフの場合は、通常のオートライト制御処理を続ける。
切替指示信号D51がオンの場合は、点灯・消灯切り替えしきい値設定処理S5Bへ移行する。処理S5Bでは、ランプ6の点灯状態を確認(ステップS501)し、消灯中であれば、点灯するように処理(ステップS502a)し、点灯中であれば消灯するように処理(ステップS502b)する。ランプ6の点灯消灯を切り替えた後に、記憶部2のしきい値テーブルに照度Lを更新しきい値データD22として書き込む。
すなわち、ランプ6消灯中に点灯処理を行った場合は、点灯しきい値を照度Lに更新(ステップS503a)する。逆に、ランプ6点灯中に消灯処理を行った場合は、消灯しきい値を照度Lに更新(ステップS503b)する。そして、次回のオートライト制御のシーケンスから更新されたしきい値を使って点灯消灯制御を行う。
[別実施の形態2]
本実施例では、しきい値を記憶部2に記憶すること、および点灯しきい値と消灯しきい値との両方を記憶することについて説明した。本発明の目的として、人間の感覚に合った調整を可能として、オートライト制御をより実用的なものとすることが挙げられるが、人間の感覚は、個人によって異なるものである。したがって、複数の運転者が交替で使用するような場合には、その都度、しきい値更新をしなければならず、煩雑である。
そこで、運転者ごとに異なるしきい値を記憶部2に記憶するように構成する。記憶部2がフラッシュメモリやSRAMなどのメモリで構成されている場合には、アドレス設定によって運転者ごとのしきい値を記憶するようにすれば良い。
[別実施の形態3]
本実施例で使用した第一入力部4のスイッチ(マニュアルライトスイッチ41、イグニッションスイッチ42、オートライト制御スイッチ43)は、一度設定すると固定的にその設定状態を維持するスイッチである。すなわち、それぞれ、マニュアルライト点灯中、エンジン動作中、オートライト制御中等の状態を示す信号を出力する固定的なスイッチである。
反対に切替指示スイッチ51は、切り替えの時機を示すトリガ信号を出力するためのスイッチである。切替指示信号D51が固定的に入力されると、オートライト制御シーケンスのルーチンの度に、点灯消灯が繰り返されることになる。
従って、図2のようにコンビネーションスイッチ12に他のスイッチと連接して、切替指示スイッチ51を設ける場合でも、手を離すとすぐにオートライト制御位置16に復帰するようなスイッチであることが望ましい。また、図3のようにコンビネーションスイッチ12の回転部19に押しボタンスイッチ51を設けるような場合でも、スイッチを押下したときに押下位置で固定されず、元の位置に復帰するようなスイッチであることが望ましい。
ただし、このような復帰型のスイッチを使用した場合には、そのスイッチによるトリガ信号としての切替指示信号D51が、非常に幅の狭いパルス状となる可能性がある。そして、オートライト制御ルーチン中のステップS52a、S52b、S5Aといった判断処理時に切替指示信号D51が存在しなくなる可能性が生じる。そこで、切替指示信号D51が、確実にこれらのステップを処理するときに存在するように構成しておくことで、確実な切り替えおよびしきい値更新処理が可能とする。
具体的には、一定の期間、切替指示信号D51が持続するように構成しておく。図8はその一例としての第二入力部5の構成である。記憶素子55は、Dタイプのフリップフロップ(D−FF)であり、切替指示スイッチ51からの信号をクロック端子56に受けて、出力端子57より切替指示信号D51を出力し、その状態を保持する。そして、例えばステップS52aあるいはS52bあるいはS5Aの処理を終えた時点で制御部1から出力されるようにしたリセット信号D58をリセット端子58に入力し、切替指示信号D51をリセットする。コンデンサ53と、シュミットトリガインバータ54は、切替指示スイッチ51の機械的接点によって発生するチャタリングノイズが、D−FFのクロック端子56に入力されることを防止するノイズ除去回路である。
以上、説明したように、本発明によって、自動的にランプの点灯消灯制御が施されている場合であっても、人間がランプを点灯消灯させたいタイミングと、自動制御によってランプを点灯消灯させるタイミングのずれを良好に一致させることができるランプ制御装置が提供できる。このランプ制御装置を自動車のオートライト制御システムに利用する実施例について詳述したが、集合住宅の廊下やエントランスの照明装置の制御や、公園など公共設備の照明装置の制御などにも利用することができる。管理人や、専門業者の手を煩わせることなく、迅速に対応が可能となる。
自動車のオートライト制御システム構成を示す概略図 図1の第一及び第二入力部のスイッチの配置例を示す概略図 図1の第一及び第二入力部のスイッチの配置例を示す概略図 図1で構成されるシステムの制御の一例を示すフローチャート 図4の処理S5の一例を示すフローチャート 図1で構成されるシステムの制御の一例を示すフローチャート 図6の処理S5Bの一例を示すフローチャート 図1の第二入力部の別実施形態を示す概略図 自動車における第一及び第二入力部と照度検出手段との配置例を示す概略図 従来の第一入力部の配置例を示す概略図 従来の第一入力部の配置例を示す概略図
符号の説明
1 制御部
2 記憶部
3 照度検出手段
5 切替指示入力部
6 ランプ

Claims (7)

  1. 照度を検出して照度情報を出力する照度検出手段と、
    ランプの点灯消灯を切り替えるための基準照度を記憶する記憶部と、
    前記照度情報と前記基準照度とによって、前記ランプの消灯点灯を切り替える制御部とを備えたランプ制御装置において、
    前記ランプの点灯消灯の切り替えを指示する切替指示入力部を設け、
    前記制御部によって前記ランプの点灯消灯の切り替え制御がなされている点灯消灯制御状態において、前記切替指示入力部からの指示に応じて、前記ランプの点灯消灯を切り替え可能に構成したランプ制御装置。
  2. 前記切替指示入力部からの指示入力時に、前記照度検出手段において検出された前記照度情報を新たな基準照度として前記記憶部に記憶し、
    前記新たな基準照度に基づいて、前記制御部が自動的に前記ランプの点灯消灯を切り替える請求項1に記載のランプ制御装置。
  3. 前記切替指示入力部からの指示に応じて、前記ランプの点灯消灯を切り替えるとともに、
    前記切替指示入力部からの指示入力時に、前記照度検出手段において検出された前記照度情報を新たな基準照度として前記記憶部に記憶する請求項1に記載のランプ制御装置。
  4. 前記切替指示入力部は、手動で切り替え指示がなされるスイッチである請求項1乃至3に記載のランプ制御装置。
  5. 前記基準照度は、点灯基準照度もしくは消灯基準照度、もしくはその両方である請求項1乃至4に記載のランプ制御装置。
  6. 前記ランプは自動車のライトである請求項1乃至5に記載のランプ制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のランプ制御装置を備えるとともに、
    前記ランプ制御装置により作動制御される前記ランプを備え、
    前記制御部が働いて、自動的に前記ランプの点灯消灯を切り替える制御を作動させるオート制御スイッチと、
    前記切替指示入力部としてのスイッチとを備えた自動車。
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